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附. 宇 賀 崎 貝 塚 出 土 の 人 骨 および 犬 骨 について 独 協 医 科 大 学 第 一 解 剖 学 教 室 茂 原 信 生 江 藤 盛 治 馬 場 悠 男 人 Gトレンチの 第 6グリッドの 土 壙 墓 から 少 数 の 焼 かれて 変 形 した 人 骨 が 出 土 している これらはいず れも 小 片 であり 熱 のために 著 しい 変 形 や 亀 裂 がみられるために 復 元 は 不 可 能 であり 同 一 個 体 のもの か 否 かについても 断 定 することは 出 来 ない 出 土 骨 は 左 右 の 頭 頂 骨 片 で 冠 状 縫 合 と 矢 状 縫 合 の 合 する 部 分 である 縫 合 は 明 瞭 で 融 合 していないことから 壮 年 であろうと 推 測 される 他 に 粗 線 の 著 しく 発 達 した 男 性 のものと 思 われる 左 大 腿 骨 片 ( 栄 養 孔 部 ) 右 大 腿 骨 遠 位 部 片 等 いくつかの 大 腿 骨 片 が 出 骨 土 している これらは いずれも 緻 密 質 は 厚 く 老 年 とは 考 えられない 犬 骨 縄 文 時 代 の 家 犬 の 研 究 は 日 本 では 長 谷 部 (1924 1925 等 ) 直 良 (1951 1973 等 )や 斉 藤 (1940 ~41 等 )らが 行 っているが 計 測 方 法 が 明 らかにされていなかったり 計 測 項 目 の 名 称 がまちまちであ ったりして 比 較 研 究 が 困 難 なため 日 本 各 地 での 犬 骨 の 発 見 例 の 多 さに 比 して それらの 比 較 考 察 が 十 分 なされているとは 言 えない イヌの 計 測 方 法 については 斉 藤 弘 吉 (1963)が 犬 科 動 物 骨 格 計 測 法 をあらわし また 醍 醐 (1955)が 現 生 家 犬 の 骨 格 の 比 較 研 究 の 際 に 計 測 項 目 について 考 察 している し かし これらは 示 数 については 全 く 考 慮 しておらず お 互 いの 仕 事 について 検 討 している 様 子 もない 計 測 項 目 や 方 法 についての 考 察 は 将 来 の 研 究 にゆずるとして 今 回 は 比 較 的 計 測 しやすい 項 目 に 限 っ て 報 告 するにとどめ 今 後 の 便 のために 各 計 測 項 目 に 相 当 する 斉 藤 (1963)と 醍 醐 (1956)の 計 測 項 目 番 号 を 明 示 した Ⅰ. 埋 葬 犬 骨 本 犬 骨 は G-7グリッドから 出 土 した 雄 の 成 獣 で 縄 文 時 代 前 期 中 葉 の 貝 層 である6a 層 から6b 層 にかけて 掘 り 込 まれた 土 壙 に 埋 葬 されていたものである 土 壙 の 埋 土 は 貝 を 含 んだ 黒 土 で ピットの 輪 郭 は 明 瞭 であり 頭 部 を 北 方 に 向 け 腹 側 を 東 に 向 け( 右 側 が 上 ) 前 肢 後 肢 ともに 伸 展 して 左 右 肢 をほぼそろえたかたちで 埋 葬 されている 埋 葬 後 に 散 乱 された 形 跡 はない ほぼ 全 身 の 骨 格 が 出 土 し たが 趾 骨 や 手 根 骨 足 根 骨 の 一 部 は 消 失 している (1) 頭 骨 左 頬 骨 弓 の 倒 頭 基 部 が 破 損 している 他 はほぼ 完 全 である 頭 骨 最 大 長 は182mmで 長 谷 部 (1952) 167

の 分 類 による 中 型 犬 に また 醍 醐 (1956)の 分 類 による 第 4 級 犬 に 属 している 頭 蓋 示 数 (M iller et al.1970)(skull index: 頬 骨 弓 幅 の 頭 骨 最 大 長 に 対 する 割 合 )は55.5で 中 頭 型 である 左 右 の 前 頭 骨 間 の 凹 み( 前 頭 窩 醍 醐 )および 左 右 の 鼻 骨 間 の 凹 みは 著 しい 左 前 頭 骨 上 部 から 左 前 頭 骨 上 前 部 にかけて 連 続 した 陥 凹 が 認 められるため 右 の 前 頭 部 の 膨 隆 の 方 が 大 きい 前 頭 骨 頼 骨 突 起 は さほど 突 出 せず 尖 端 の 下 方 への 曲 り 込 みも 小 さい 左 右 の 眼 窩 間 幅 は 狭 い 鼻 骨 先 端 部 から 前 頭 部 に かけての 輪 郭 は 醍 醐 (1956)の 指 摘 したように 縄 文 時 代 家 犬 では 現 代 家 犬 よりも 直 線 的 である 外 前 頭 稜 は 冠 状 縫 合 の 最 上 点 の 約 10mm 前 方 で 矢 状 稜 と 合 し よく 発 達 した 矢 状 稜 は 後 方 になるにし たがって 一 層 著 しく 発 達 して 外 後 頭 隆 起 に 達 する 後 頭 三 角 を 形 成 する 上 項 線 はよく 発 達 して 外 後 頭 隆 起 へとつらなり 下 方 は 耳 孔 上 櫛 後 端 と 合 してやや 外 方 に 突 出 している 後 頭 顆 の 外 側 に 位 置 する 頸 静 脈 突 起 はかなり 発 達 しており 下 端 は 前 方 へ 曲 り 込 んでいる 耳 胞 は 比 較 的 扁 平 で 前 後 径 (20mm)と 横 径 (18mm)はさほどかわらない 大 きさである 後 鼻 孔 下 縁 を 形 成 している 口 蓋 骨 水 平 板 後 端 は 左 右 が 直 線 的 に 合 し 狼 によくみられるような 凹 型 や 現 代 家 犬 に 多 い 後 方 への 凸 型 ではない 前 頭 縫 合 冠 状 縫 合 下 部 鱗 状 縫 合 上 顎 - 切 歯 骨 縫 合 右 横 口 蓋 縫 合 はほぼ 消 失 している 下 顎 骨 は 全 長 が134mmで やはり 長 谷 部 (1952)の 分 類 の 中 型 犬 に 属 している 咬 筋 窩 はよく 発 達 し ており それにともなって 筋 突 起 の 筋 稜 は 明 瞭 である 頬 骨 弓 が 大 きく 外 方 へはり 出 し 矢 状 稜 の 発 達 も 著 しかったのと 対 応 して 下 顎 骨 の 筋 突 起 はよく 発 達 しており 下 顎 骨 全 体 に 対 して 筋 突 起 の 占 める 割 合 は 大 多 数 の 現 代 家 犬 よりも 大 きい( 例 えば 最 小 筋 突 起 幅 / 下 顎 骨 長 100は 宇 ヶ 崎 ;26.1 セ ッター;22.9 ビーグル;21.5 シェパード;24.4 etc.) (2) 歯 牙 上 顎 の 左 右 第 1 第 2 切 歯 左 第 3 切 歯 は 消 失 している 第 2 小 臼 歯 は 左 右 ともに 生 前 に 欠 落 し 歯 槽 は 閉 鎖 している 右 第 1 小 臼 歯 は 消 失 しているが 歯 槽 は 大 きく 浸 食 されており 何 らかの 病 変 と 思 われる 上 顎 大 臼 歯 は 第 1 第 2 大 臼 歯 ともにプロトコーンがかなり 磨 耗 しており これにつづく 近 心 遠 心 の 隆 線 (PreprotocristaとPost-Protocrista)も 摩 耗 がみられる さらに 両 歯 牙 ともに 遠 心 半 の 舌 側 よりの 部 分 が 著 しい 磨 耗 状 態 を 呈 している 第 2 大 臼 歯 ではパラコーンも 磨 耗 して 象 牙 質 が 露 出 している 一 方 下 顎 では 左 右 の 第 1 切 歯 および 右 第 2 切 歯 が 死 後 消 失 している 左 第 1 第 2 第 4 小 臼 歯 お よび 右 第 2 小 臼 歯 は 生 前 に 消 失 しており 歯 槽 は 完 全 に 閉 鎖 している 右 第 1 小 臼 歯 は 歯 根 の 一 部 を 残 して 消 失 しているが 上 顎 の 右 第 1 小 臼 歯 と 対 応 して 歯 槽 部 がやや 病 的 に 浸 食 されている 右 第 2 お よび 左 第 3 大 臼 歯 は 死 後 消 失 している 168

下 顎 の 左 犬 歯 の 尖 端 は 著 しい 磨 耗 を 示 しているが 右 犬 歯 には 大 きな 磨 耗 はみとめられない 大 臼 歯 では 上 顎 の 第 1 第 2 大 臼 歯 の 遠 心 部 の 磨 耗 に 対 応 する 磨 耗 が 第 1 大 臼 歯 のタロニッドや 第 2 大 臼 歯 全 体 および 第 3 大 臼 歯 の 頬 側 半 に 認 められる 上 下 顎 ともに 生 前 での 欠 損 はあるものの 歯 牙 は42 本 すべてが 萌 出 済 の 成 獣 であると 推 測 される (3) 四 肢 骨 計 測 はすべて 右 側 について 行 ったが 右 大 腿 骨 は 骨 折 のため 曲 っているので 左 大 腿 骨 の 計 測 値 をあ てた 上 腕 骨 は 左 右 ともほぼ 完 全 で 病 変 はみられない 上 腕 骨 全 長 は 長 谷 部 (1952)の 分 類 では 中 犬 型 に 属 している 各 四 肢 骨 全 長 が 長 谷 部 の 分 類 の 中 型 ( 頭 骨 最 大 長 はこれに 属 する)ではなく 中 大 型 ( 上 腕 骨 骨 大 腿 骨 ) あるいは 大 型 ( 尺 骨 脛 骨 )に 属 する 値 を 示 していることは 長 谷 部 の 小 中 小 中 中 大 大 という5 段 階 の 分 類 に 再 考 の 余 地 169

があることを 示 している 現 代 家 犬 のプロポーションからも 推 測 されるように 大 きさによる 型 式 分 類 は 頭 骨 と 四 肢 骨 とのプロポーションの 差 ( 成 長 様 式 の 差 )を 考 慮 に 入 れたものでなければ 有 効 なものと はならないと 思 われる 大 腿 骨 は 左 側 は 完 全 であるが 右 大 腿 骨 は 中 央 部 に 骨 折 後 の 癒 合 がみられる 骨 折 によって 下 半 部 は 内 側 へほぼ90 度 ねじれ さらに 約 30 度 曲 って 癒 合 しており 骨 折 部 は 著 しく 肥 厚 している 左 右 の 腓 骨 はいずれも 脛 骨 の 下 1/4から1/3の 部 分 で 脛 骨 と 融 合 している 骨 盤 は 左 右 ともに 腸 骨 部 のみが 残 存 している 腸 骨 は 部 分 的 に 破 損 しているため 計 測 値 を 示 すことは 出 来 ないが 現 生 の 同 大 の 犬 ( 例 えばセッター)と 長 さはかわらないが 幅 ( 前 後 径 )がかなり 大 きく がっちりしている 四 肢 骨 の 骨 端 はすべて 骨 幹 と 融 合 し 骨 端 線 は 閉 鎖 している Ⅱ. 包 含 層 貝 層 出 土 の 犬 骨 今 回 の 発 掘 では 前 記 の 埋 葬 犬 骨 の 他 にも 多 くの 散 乱 した 犬 骨 が 発 掘 されている これらの 出 土 状 況 は 必 ずしも 明 らかではないため 各 トレンチごとに 出 土 した 骨 角 および 数 を 記 載 し 可 能 であれば 計 測 値 を 示 したうえで 多 少 のコメントをすることにしたい グリッド 番 号 と 層 位 とを 明 記 した 後 骨 角 を 記 し ている なお 円 で 囲 まれた 番 号 は 計 測 項 目 番 号 でそれに 続 く 数 値 は 計 測 値 ( 歯 は 近 遠 心 径 )である( 単 位 はmm) (1)Fトレンチ 区 層 7-6b~8 : 右 尺 骨 近 位 端 左 上 顎 骨 (P 4 およびM 1 の 歯 槽 部 ) (2)Gトレンチ 区 層 8-5 : 右 尺 骨 近 位 端 左 骨 近 位 端 8-6: 右 下 顎 関 節 突 起 6 7-6a: 左 脛 骨 近 位 片 : 趾 骨 1 170

区 層 6-6b : 主 尺 骨 片 7-6b: 右 大 腿 骨 近 位 骨 片 8 9-6b: 左 踵 骨 ( 50 39) 6-7: 左 下 顎 枝 ( 27 31) M 1 歯 槽 部 に 浸 食 痕 がある M 2 M 3 は 生 前 に 脱 落 8-7: 右 下 顎 骨 (P 3 ;9.4 P 4 ;10.6 M 1 ;19.8 P 2 およびM 2 M 3 は 消 失 前 歯 部 は 欠 損 ) 左 下 顎 体 部 (P 2 ;7.2 P 3 ;9.5 P 4 ;10.5 M 1 ;19.7 29 20 30 19 31 10) 左 下 顎 M 1 (20.9) 左 下 顎 M 1 (20.1) 右 尺 骨 遠 位 片 左 尺 骨 近 位 半 左 上 腕 骨 遠 位 半 ( 38 30) 右 上 腕 骨 遠 位 半 ( 38 27) 右 骨 近 位 半 ( 40 15) 左 骨 骨 幹 部 左 骨 遠 位 半 ( 41 21) 左 脛 骨 骨 幹 部 左 脛 骨 遠 位 半 ( 48 19) 右 脛 骨 骨 幹 部 左 上 腕 骨 片 左 上 腕 骨 頭 環 椎 胸 椎 2 肋 骨 片 3 左 踵 骨 (50 41) 中 手 骨 ( 左 Ⅳ Ⅲ 不 明 2) 中 足 骨 ( 左 Ⅲ Ⅳ 右 Ⅱ) 6 7-8: 左 下 顎 体 部 (I 1 ~P 4 歯 槽 ) 右 下 顎 体 部 (M 1 ~M 3 歯 槽 ) 右 下 顎 体 部 (P 4 ;11.9 M 1 ;20.8 M 2 ;8.6) 左 下 顎 (M 1 ;20.6) 8-8: 右 中 手 骨 (Ⅳ?) 8-9: 右 踵 骨 ( 50 39) 8-11: 右 下 顎 骨 ( 切 歯 部 および 角 突 起 破 損 P 3 ;9.2 P 4 ;10.5 M 1 ;20.0 M 2 ;8.1 28 24 29 23 30 22 31 11) 右 上 腕 骨 ( 35 140 骨 頭 および 外 側 上 顆 欠 損 ) 左 大 腿 骨 ( 骨 頭 および 遠 位 端 欠 損 ) (3)Hトレンチ 6-6b: 右 上 顎 骨 (P 3 ;9.7 P 4 ;17.8 M 1 ;10.9) 8 9-6b: 右 下 顎 骨 ( 前 歯 部 角 突 起 部 欠 損 P 3 ;9.5 P 4 ;10.5 P 2 M 1 M 2 M 3 は 消 失 ) 左 下 顎 犬 歯 主 尺 骨 骨 幹 左 大 腿 骨 骨 幹 片 6-7: 左 脛 骨 遠 位 部 片 右 脛 骨 近 位 骨 幹 部 右 脛 骨 遠 位 半 8-7: 第 4 頸 椎 体 9-7: 左 骨 遠 位 半 (?) 6-9: 右 下 顎 骨 片 (P 2 ;7.4 P 3 ;8.8 P 4 ;10.1 M 1 ;19.5 M 2 は 消 失 M 3 は 生 前 の 脱 落 ) 右 下 顎 犬 歯 右 上 顎 犬 歯 右 下 顎 関 節 突 起 片 左 大 腿 骨 骨 幹 左 脛 骨 近 位 片 左 踵 骨 ( 50 34) 7-9: 左 下 顎 犬 歯 右 大 腿 骨 骨 幹 片 左 上 腕 骨 遠 位 片 8 9-10: 左 骨 骨 幹 片 (4)Iトレンチ 8 9-5: 左 恥 骨 片 171

参 考 文 献 醍 醐 正 之 (1956); 犬 の 骨 格 に 関 する 比 較 解 剖 学 的 考 察 Ⅰ. 頭 蓋 骨 について 日 本 獣 医 畜 産 大 学 紀 要 第 5 号 P43~60 Hasebe,K.(1924);Über die Schädel und Unterkiefer von den steinzeitlich-japanischen Hunderassen. Arb.Inst.Kaiserlich Jap.Univ.Sendai,Heft 10;1-33. 長 谷 部 言 人 (1925); 日 本 石 器 時 代 家 犬 に 就 て( 追 加 ) 人 類 誌 40 巻 P1~11 (1952); 犬 骨 文 化 財 保 護 委 員 会 編 吉 胡 貝 塚 P145~150 Miller,M.E.et al.(1970); 犬 の 解 剖 学 ( 和 栗 他 訳 ) 学 窓 社 直 良 信 夫 (1951); 宮 城 県 上 川 名 貝 塚 発 掘 の 家 犬 の 遺 骸 古 代 第 3 号 P10~25 (1973); 古 代 遺 跡 発 掘 の 家 畜 遺 体 校 倉 書 房 斎 藤 弘 吉 (1940~41); 大 山 史 前 学 研 究 所 々 蔵 日 本 新 石 器 時 代 家 犬 遺 骨 に 関 する 報 告 並 に 内 地 史 前 家 犬 の 分 類 史 前 学 雑 誌 第 12 巻 13 巻 P150~263 (1963); 犬 科 動 物 骨 格 計 測 法 私 家 版 172

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