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Agilent Technologies ベクトル ネットワーク アナライザを 用 いた 実 稼 動 状 態 でのインピーダンス 測 定 -DCバイアス 重 畳 によるEMC 対 策 部 品 の 評 価 - Application Note

目 次 3. はじめに 4. フェライト ビーズについて 7. ベクトル ネットワーク アナライザによるインピーダンス 測 定 9. E5071C ベクトル ネットワーク アナライザ DCバイアス 重 畳 による 実 稼 動 状 態 でのインピーダンス 測 定 構 成 10. サンプルVBAソフト 測 定 手 順 13. 治 具 の 補 正 17. 実 稼 動 状 態 における 測 定 結 果 18. バイアス ティーの 選 択 20. まとめ 2

はじめに 近 年 の 半 導 体 や 通 信 技 術 の 発 展 に 伴 い デジタル 技 術 は 家 電 や 車 載 分 野 への 応 用 など ますます 広 がりを 見 せています データ 量 も 増 大 の 一 途 を 辿 り 通 信 速 度 に 対 する 高 速 化 の 需 要 は 日 々 増 しています 一 方 で 省 電 力 化 低 電 圧 化 小 型 化 などの 規 格 や ニーズは 従 来 より 高 度 なEMC/ノイズ 対 策 を 必 要 とし 一 層 厳 しい 開 発 環 境 に 開 発 者 たちを 悩 ませています 本 アプリケーション ノートでは フェライト ビーズを 例 に 今 後 ます ます 厳 しくなるEMC/ノイズ 対 策 において 一 般 的 に 使 用 されるEMC 対 策 部 品 の 正 しい 評 価 方 法 と 測 定 ソリューションについて 紹 介 しま す 3

フェライト ビーズに ついて フェライト ビーズは 図 1に 示 す 等 価 回 路 から 成 っています 図 2は フェライト ビーズの 周 波 数 特 性 です 通 常 のインダクタと 異 なる 点 は 高 周 波 において 抵 抗 成 分 が 主 体 であることです 抵 抗 成 分 はノ イズを 熱 に 変 換 して 吸 収 できるため フェライト ビーズは 主 に 電 源 や 信 号 ラインにおける 信 号 の 波 形 整 形 や 高 周 波 ノイズの 改 善 に 使 用 されます 図 1 フェライト ビーズの 等 価 回 路 図 2 フェライト ビーズの 周 波 数 特 性 の 例 フェライト ビーズを 使 用 する 時 の 注 意 点 を 以 下 に 示 します 1) インピーダンス 特 性 の 違 いに 注 意 する 図 2にあるインピーダンス 特 性 の 異 なるフェライト ビーズを 使 用 し た 時 の 信 号 波 形 の 立 ち 上 がり 例 を 図 3に 示 します インピーダンス 特 性 の 違 いによって 信 号 の 立 ち 上 がりが 変 わるため フェライト ビーズの 選 択 にはノイズの 帯 域 だけでなく インピーダンス 特 性 を 十 分 考 慮 する 必 要 があります 2) インダクタンスの 飽 和 に 注 意 する 一 般 にフェライト ビーズを 含 むコアインダクタは 図 4に 示 すDC 電 流 依 存 性 があり コアに 使 用 する 材 料 によってインダクタンスの 飽 和 度 合 いが 異 なり インピーダンス 特 性 も 変 化 します 図 5にDC 電 流 を 重 畳 したフェライト ビーズのインピーダンス 変 化 を 示 します こ うしたインピーダンスの 変 化 によってシミュレーションとは 異 なるノイ ズの 除 去 性 能 や 信 号 波 形 を 示 す 可 能 性 があるため フェライト ビーズの 効 果 を 検 証 するには 実 稼 動 状 態 における 特 性 を 把 握 す る 必 要 があります 4

サンプルA サンプルB 電 圧 (V) 電 圧 (V) 時 間 (t) 時 間 (t) 図 3 インピーダンス 特 性 が 異 なるフェライト ビーズによる 信 号 の 立 ち 上 がりの 違 い(イメージ) ΔL 0 DC 電 流 の 増 加 に 伴 いインダクタンスが 飽 和 する 図 4 インダクタンスのDCバイアス 電 流 依 存 性 DCバイアス 電 流 5

インピーダンス(Ω) 250 200 150 100 50 0 0.0E+00 5.0E+08 1.0E+09 1.5E+09 2.0E+09 2.5E+09 3.0E+09 周 波 数 (Hz) 0Adc 0.2Adc 0.5Adc 1Adc 図 5DCバイアス 電 流 を 重 畳 したフェライト ビーズのインピーダンス 測 定 結 果 比 較 EMC/ノイズ 規 格 はGHz 帯 へと 高 周 波 化 が 続 いており これに 加 え て 電 子 機 器 の 低 電 圧 化 によってノイズのマージンがますます 小 さく なっています この 様 な 状 況 下 で 高 周 波 ノイズ 対 策 用 にフェライト ビーズの 需 要 が 増 加 していますが 実 稼 動 状 態 におけるインピー ダンス 特 性 の 把 握 なしに 効 果 的 なノイズ 対 策 はできません これら を 解 決 する 方 法 としてE5071C ENAベクトル ネットワーク アナライザ を 使 用 したソリューションを 紹 介 します 本 ソリューションでは 高 周 波 での 測 定 が 可 能 なネットワーク アナライザにDCバイアスを 重 畳 さ せ 実 稼 動 状 態 でのEMC 対 策 部 品 のインピーダンス 測 定 を 実 現 し ます 6

ベクトル ネットワーク アナライザによるイン ピーダンス 測 定 一 般 的 にベクトル ネットワーク アナライザを 用 いたインピーダン ス 測 定 方 法 として 1ポート 構 成 による 反 射 法 と2ポート 構 成 による シャント/シリーズ 法 が 挙 げられます 図 6 7はそれぞれの 測 定 方 法 におけるインピーダンスとSパラメー タの 関 係 を 示 したものです 反 射 法 は 測 定 するインピーダンス(Zx)が 特 性 インピーダンス (Zo=50Ω) 付 近 の 場 合 わずかなインピーダンス 変 化 に 対 してもベ クトル 電 圧 比 が 大 きく 変 化 するため 感 度 良 く 測 れます しかし 特 性 インピーダンスから 離 れたインピーダンス 測 定 にはトレース ノイズ が 影 響 するため 幅 広 いインピーダンスの 測 定 には 不 向 きです 一 方 2ポート 構 成 法 はシャント/シリーズ 接 続 によって 幅 広 いイン ピーダンス 範 囲 を 測 定 することができます 2ポート 構 成 法 ではS11 とS21で 測 定 できますが S11はノイズフロアの 制 限 がS21より 厳 しく 治 具 のコネクタと 基 板 の 間 のVSWRなどが 大 きく 影 響 するため 一 般 的 にはS21で 測 定 されます S21シャントとS21シリーズは50Ωを 境 にそれぞれ 低 インピーダンスと 高 インピーダンス 測 定 に 適 していま す EMC 部 品 は 用 途 に 応 じて 幅 広 いインピーダンス 範 囲 を 有 している ため S21シャント/シリーズをうまく 組 み 合 わせて 測 定 する 必 要 があ ります 20 測 定 法 の 違 い トレースノイズが 影 響 するエリア Sパラメータ [db] 0 1.E-04 1.E-02 1.E+00 1.E+02 1.E+04 1.E+06 1.E+08 S21 シャント -20-40 -60-80 -100 S11 シャント S21 シリーズ 横 軸 Z[Ω] Γ( 反 射 ) S11 (シャント) S21 (シャント) S11 (シリーズ) S21 (シリーズ) S11 シリーズ -120-140 反 射 法 -160 縦 軸 [db] 測 定 Z[Ω] ノイズフロアが 影 響 するエリア 図 6 インピーダンス(Z)とSパラメータ(dB)の 関 係 7

Γ 1ポート 構 成 ポート1 ポート2 Γ = Zx Zx + Zo Zo Γ Zx シャント-スルー 2ポート 構 成 シリーズ-スルー ポート1 ポート2 ポート1 ポート2 S 21 Zx S 11 Zx S 11 S 21 S 11 = 25 Zx + 25 S 21 = Zx Zx + 25 S 11 = Zx Zx + 100 S 21 = 100 Zx + 100 (ポート1と2のZoが50Ωの 場 合 ) 図 7 ベクトル ネットワーク アナライザのインピーダンス 測 定 方 法 と 構 成 8

E5071C ENA ベクトル ネットワーク アナライザ DCバイアス 重 畳 による 実 稼 動 状 態 でのイン ピーダンス 測 定 構 成 図 8にE5071C ENAベクトル ネットワーク アナライザを 用 いたDCバ イアス 重 畳 による 実 稼 動 状 態 でのインピーダンス 測 定 構 成 を 示 しま す ポート1とポート2にバイアス ティーを 接 続 し それぞれにDC 電 源 と 電 子 負 荷 を 繋 げます バイアス ティーはDC 信 号 が 測 定 器 側 へ 流 れるのをブロックするため 必 ず 測 定 に 使 用 するポートに 接 続 し て 下 さい DC 信 号 はDC 電 源 からバイアス ティー DUTを 経 て 電 子 負 荷 に 流 れます 電 子 負 荷 を 利 用 することでDUTに 印 加 するDCバイアスを 安 定 して 制 御 することができます ポート1からのAC 信 号 はバイアス ティーを 通 過 してDUTへ 流 れ ポート2で 受 信 されます この 際 DUT ではAC 信 号 にDCバイアスが 重 畳 されています バイアス ティー バイアス ティー AC DC 電 源 DC DC 電 子 負 荷 DUT 図 8 E5071C ENA ベクトル ネットワーク アナライザの 測 定 ソリューション 9

サンプルVBAソフト 測 定 手 順 E5071C 用 のサンプルVBAソフトと 指 定 された 電 源 電 子 負 荷 を 組 み 合 わせることでシステムを 自 動 制 御 することが DCバイアスが 変 化 した 時 のインピーダンス 測 定 結 果 をディスプレイに 表 示 します 本 ソフトではE5071Cと 以 下 のDC 電 源 電 子 負 荷 をサポートしていま す アジレントDC 電 源 E3633A/E3634A アジレント 電 子 負 荷 E3300A/E3301A 測 定 を 開 始 する 前 に 以 下 の2つをE5071CのDドライブ 内 にある VBAフォルダに 入 れます Z_DCI.VBA (サンプルVBAソフト) ZvsDCI.chm (ヘルプ 用 ファイル) 続 いてE5071CのChannel/Trace Setupを9チャンネル 9トレースに 設 定 されていることを 確 認 して 下 さい フロントパネルのINSTR STATEブロック 内 にあるMacroSetupボタンを 押 し Load&Run を 選 び ます メニューに 表 示 されたZ_DCIをクリックすると 図 9にあるメイン 画 面 が 起 動 します 1 2 3 4 5 図 9 E5071C サンプルVBAソフトのメイン 画 面 サンプルVBAソフトを 用 いた 測 定 手 順 について 図 9の 番 号 に 添 って 説 明 します 詳 細 は 画 面 右 上 にあるHelpをご 参 照 下 さい 1DC 電 源 と 電 子 負 荷 のGPIBアドレスを 設 定 します DC 電 源 と 電 子 負 荷 に 設 定 されているGPIBアドレスを 入 れて 下 さい 2 測 定 方 法 を 決 定 します 本 サンプルVBAでは2ポート 測 定 のシャ ント スルー/シリーズ スルー 測 定 をサポートしています 10

3E5071Cの 周 波 数 と 測 定 条 件 を 設 定 します Sweep Typeから 掃 引 するパラメータを 周 波 数 かDCバイアス 電 流 を 選 びます 周 波 数 掃 引 の 場 合 Sweep Setupをクリックします Sweep TypeからLin Freq(リニア 掃 引 )かLog Freq(ログ 掃 引 )を 選 び ます Star FrequencyとStop Frequencyで 周 波 数 の 掃 引 範 囲 を 設 定 します NOPで 各 トレースの 測 定 点 数 を 決 めます IF BandwidthからIFバンド 幅 を 決 めます 値 が 小 さい 方 が 細 かく 測 定 できます Start CurrentとStop Currentで 印 加 するDCバイアス 電 流 を 設 定 しま す Traceで 表 示 するトレース 数 を 決 めます 各 トレースのDCバイアス 電 流 はStart CurrentとStop Currentの 設 定 によって 自 動 的 に 決 まりま す 例 えば 図 10の 場 合 は0Aから2Aでトレースを5 本 に 設 定 している ため 各 トレースは0A, 0.5A, 1A, 1.5A, 2AのDCバイアス 電 流 を 重 畳 した 周 波 数 特 性 を 表 示 します Current LimitでDCバイアス 電 流 の 上 限 を 設 定 します この 値 を 越 えると 測 定 を 強 制 終 了 します 図 10 周 波 数 掃 引 の 設 定 DCバイアス 電 流 掃 引 の 場 合 CWをクリックします Frequencyから 任 意 の 固 定 周 波 数 を 設 定 します IF BandwidthからIFバンド 幅 を 決 めます Start CurrentとStop CurrentでDCバイアス 電 流 掃 引 幅 を 決 定 します NOPで 測 定 点 数 を 決 定 します Current LimitでDCバイアス 電 流 の 上 限 を 設 定 します この 値 を 越 えると 測 定 を 強 制 終 了 します 図 11 DCバイアス 電 流 掃 引 の 設 定 11

4 測 定 パラメータを 選 択 します 以 下 のパラメータを 選 択 できます Z, q, R, X,G, B, Ls, Lp, Cs, Cp, Rs, Rp, Q, D 5メニューのCalからケーブルや 治 具 の 校 正 / 補 正 を 行 います 校 正 手 順 下 図 にあるE-calタブを 選 択 します E-calモジュールを 接 続 し Ecalボタンをクリックします 図 12 E-cal 校 正 補 正 手 順 図 13にあるDefineタブを 選 択 します 補 正 に 使 用 するオープン/ ショート スタンダードの 定 義 値 を 設 定 し Setをクリックします 図 13 定 義 値 の 設 定 続 いてCompenタブをクリックすると 図 14が 表 示 されます オープ ン スタンダードを 両 ポートに 接 続 し PtExtをクリックすると 電 気 長 補 正 が 実 行 されます 続 いてOpenをクリックし オープン 補 正 を 行 い ます 最 後 にショート スタンダードを 両 ポートに 繋 いでShortをクリッ クし 完 了 したらDoneを 選 択 します 補 正 が 完 了 しました Closeをク リックします 図 14 電 気 長 /オープン/ショート 補 正 測 定 の 準 備 が 完 了 しました メイン 画 面 のStartを 選 択 し 測 定 を 開 始 します 12

治 具 の 補 正 治 具 の 補 正 について 説 明 します 治 具 に 使 用 した 評 価 基 板 ( 図 14 15)は 中 央 にSMD 用 のパッドが 配 置 され 両 端 にSMAコネクタ が 接 続 されているものです この 治 具 では 図 中 にある 校 正 面 から DUTの 測 定 面 までが 誤 差 要 因 であり 測 定 誤 差 となります レスポ ンス 校 正 だけではDUTが 置 かれた 時 の 信 号 パスが 含 まれないため 治 具 の 影 響 を 正 確 に 補 正 することができません 治 具 の 誤 差 要 因 を 正 確 に 補 正 する 方 法 として ポート 延 長 とオープン/ショート 補 正 を 組 み 合 わせた 方 法 を 紹 介 します 測 定 面 測 定 面 ポート 延 長 ポート 延 長 校 正 面 DUT 校 正 面 図 14 シリーズ スルーの 評 価 基 板 測 定 面 ポート 延 長 ポート 延 長 校 正 面 DUT 校 正 面 図 15 シャント スルーの 評 価 基 板 13

図 16に 治 具 の 誤 差 要 因 を 電 気 長 と 残 留 インピーダンスで 示 しま す 実 際 の 測 定 は2ポート 測 定 ですが 測 定 値 は 全 てインピーダン スで 取 り 扱 うため インピーダンス アナライザを 用 いた1ポート 測 定 モデルと 同 様 に 扱 うことができます 校 正 面 からの 電 気 長 はポート 延 長 により 補 正 することができます 治 具 の 残 留 インピーダンスは 図 17 18に 用 意 したオープン/ショート スタンダードよりオープン 時 のアドミタンス(Yオープン)とショート 時 のインピーダンス(Zショート) を 求 めます 続 いて 式 1より 治 具 の 残 留 インピーダンスを 取 り 除 いた DUTのインピーダンスを 求 めることができます 校 正 面 電 気 長 補 正 治 具 の 残 留 インピーダンス Δθ Zm Zs Yo DUT Zdut 治 具 部 分 図 16 治 具 の 誤 差 要 因 Zm - Zs Zdut = 1- (Zm - Zs)Yo 式 1 オープン/ショートによる 誤 差 補 正 式 オープン スタンダード ショート スタンダード 図 17 シリーズ スルー 用 のスタンダード オープン スタンダード ショート スタンダード 図 18 シャント スルー 用 のスタンダード 14

E5071C(IFバンド 幅 =1kHz)と 前 述 の 治 具 を 用 いたシャント スルー シリーズ スルーに 誤 差 補 正 を 組 み 合 わせた 測 定 結 果 と E4991A インピーダンス アナライザ(1MHz-3GHz)と16197Aで 測 定 した 結 果 を 比 較 しました( 図 19) 治 具 の 構 造 の 違 いによる 誤 差 はありますが 測 定 結 果 はほぼ 一 致 しています また 50Ω 以 下 のDUTでもIFバン ド 幅 を 小 さく 設 定 することにより シリーズ スルーでも 相 関 が 取 れま した ただし 測 定 リピータビリティや0.1Ω 以 下 の 微 小 インピーダンス はシャント スルーの 方 がよく 測 れます( 図 20) この 様 に 治 具 補 正 を 行 うことでE5071Cの2ポート 測 定 法 とE4991A インピーダンス アナライザで 相 関 が 取 れることが 分 かります インピーダンス (Ω) 50 40 30 20 10 0 1.0E+06 1.0E+07 1.0E+08 1.0E+09 1.0E+10 周 波 数 (Hz) E4991A シャント スルー シリーズ スルー 図 19 E4991AとE5071C 2ポート 測 定 法 のフェライト ビーズ 測 定 結 果 比 較 イン ピーダン ス(Ω) 2.00E-01 1.80E-01 1.60E-01 1.40E-01 1.20E-01 1.00E-01 8.00E-02 1.00E+06 1.20E+06 1.40E+06 1.60E+06 1.80E+06 2.00E+06 周 波 数 (Hz) シャン ト スルー シリーズ スルー 図 20 シャント スルーとシリーズ スルーの 測 定 リピータビリティ 比 較 15

続 いて 補 正 の 効 果 について 説 明 します 図 21はショート スタン ダードを 補 正 あり/なしで6GHzまで 比 較 した 結 果 です 補 正 なしの 場 合 治 具 のインダクタンスがショート 残 留 分 として 補 正 されないた め 周 波 数 の 増 加 に 伴 いインピーダンスが 大 きくなっているのが 分 か ります 図 22は 補 正 あり/なしでフェライト ビーズを6GHzまで 比 較 した 結 果 です 補 正 なしではDUTのインピーダンスに 治 具 のショート 残 留 分 がオフセットで 含 まれていることが 分 かります インピーダンス(Ω) 補 正 なし 補 正 あり 周 波 数 (Hz) 図 21 ショート スタンダードの 測 定 比 較 インピーダンス(Ω) 補 正 なし 補 正 あり 周 波 数 (Hz) 図 22 フェライト ビーズの 測 定 比 較 16

実 稼 動 状 態 における 測 定 結 果 図 23はフェライト ビーズに0.2AずつDCバイアス 電 流 を 印 加 して 周 波 数 掃 引 を 行 った 結 果 です DCバイアスの 変 化 にともないインピー ダンス パラメータが 変 化 していることが 分 かります 測 定 パラメータ を 変 更 することも 可 能 です 図 24は0.2AずつDCバイアス 電 流 を 印 加 して 周 波 数 掃 引 をした 時 のLsです 図 25は 周 波 数 を 固 定 にしてDCバイアス 電 流 を 掃 引 した 結 果 です DCバイアス 電 流 を 掃 引 してリアクタンス(X)やインダクタンス(Ls)を 確 認 することでフェライト ビーズの 飽 和 特 性 を 評 価 することができま す Z Ls R X 図 23 0.2AずつDCバイアス 電 流 を 変 えた 時 の フェライト ビーズの 周 波 数 特 性 (Z, R, X) 図 24 0.2AずつDCバイアス 電 流 を 変 えた 時 の フェライト ビーズの 周 波 数 特 性 (Ls) Z R X 図 25 周 波 数 固 定 でDCバイアス 電 流 を 掃 引 したフェライト ビーズの 測 定 結 果 17

バイアス ティーの 選 択 バイアス ティの 選 択 にはデバイスの 測 定 条 件 において 以 下 の 点 に 留 意 して 下 さい 1) バイアス ティーの 周 波 数 特 性 2) バイアス ティーのDC 電 流 依 存 性 3) 逆 起 電 力 と 測 定 機 器 の 保 護 それぞれの 確 認 方 法 を 今 回 使 用 したバイアス ティーを 例 に 説 明 します バイアス ティーの 仕 様 は 以 下 の 通 りです 周 波 数 レンジ (IL < 1dB, RL > 10dB) (IL < 0.5dB, RL > 15dB) 最 大 DC 電 流 最 大 DC 電 圧 インダクタンス 0.3 2.8 GHz 0.45 2.6GHz 7A 100V 51nH 表 1 バイアス ティの 仕 様 バイアス ティの 周 波 数 特 性 測 定 に 適 したバイアス ティーの 周 波 数 範 囲 を 把 握 するには -3dBカットオフ 周 波 数 だけでなく インダクタンス 領 域 を 知 ることが 重 要 です 図 26にバイアス ティーのインピーダンスと 挿 入 損 失 を 比 較 した 結 果 を 示 します バイアス ティーのインダクタンス 成 分 に おいて 損 失 が 少 ないのは インダクタンスがバイアス ティーのDC 入 力 端 子 ( 図 27)へ 漏 れるAC 信 号 をブロックする 働 きがあるためで す 仕 様 の 周 波 数 範 囲 におけるリニアなインダクタンス 特 性 は デ バイスの 測 定 に 適 していることが 分 かります インピーダンス(Z) 仕 様 範 囲 AC DC & AC 挿 入 損 失 (S21) カットオフ 周 波 数 (-3dB) 図 27 DC バイアス ティ 図 26 バイアス ティの 周 波 数 特 性 18

バイアス ティのDC 電 流 依 存 性 デバイスのDC 電 流 依 存 性 を 正 確 に 評 価 する 前 提 として 測 定 条 件 においてバイアス ティー( 図 27)のDC 電 流 依 存 性 が 十 分 小 さい ことが 挙 げられます 図 28に0A, 1A, 7AのDCバイアス 電 流 をそれぞ れ 重 畳 した 際 のバイアス ティーの 周 波 数 特 性 をインピーダンスで 示 します 仕 様 の 周 波 数 範 囲 においてインピーダンスの 変 化 がほ とんど 見 られないことから DC 電 流 依 存 性 が 小 さく デバイスの 評 価 用 に 適 していることが 分 かります インピーダンス(Ω) 0A 1A 7A 周 波 数 (Hz) 図 28 バイアス ティのDC 電 流 依 存 性 逆 起 電 力 と 測 定 器 の 保 護 測 定 中 に 機 器 の 瞬 断 やデバイスの 着 脱 が 発 生 すると 逆 起 電 力 が 発 生 し 測 定 機 器 を 損 傷 する 可 能 性 があります 例 えばバイアス ティー 内 に51nHのインダクタは DCバイアス 電 流 を 印 加 した 際 に 1.25x10-6(V) 相 当 の 逆 起 電 力 を 発 生 します( 式 2) 同 様 にデバイス のインダクタでも 逆 起 電 力 が 発 生 します これらの 逆 起 電 力 と 測 定 機 器 の 耐 電 圧 仕 様 を 予 めご 確 認 下 さい また 瞬 断 に 繋 がる 操 作 を 避 け DCバイアス 電 流 を 一 度 0Aに 落 としてから 測 定 機 器 の 電 源 を 切 って 下 さい 逆 起 電 力 (V)= LI 2 /2 式 2 逆 起 電 力 の 計 算 式 19

まとめ 本 アプリケーション ノートでは フェライト ビーズを 例 に 今 後 ます ます 厳 しくなるEMC/ノイズ 対 策 において 一 般 的 に 使 用 されるEMC 対 策 部 品 の 正 しい 評 価 方 法 と 測 定 ソリューションについて 紹 介 しま した EMC 部 品 はDCバイアスの 変 化 にともないインピーダンス 特 性 が 変 化 するため 機 器 の 動 作 環 境 における 評 価 なしでは 適 切 なEMC/ノ イズ 対 策 ができません また 高 速 化 が 進 む 中 GHz 帯 でのインピー ダンス 評 価 も 必 要 になります これらに 対 するソリューションとして ベクトル ネットワーク アナライザを 用 いた 実 稼 動 状 態 における EMC 部 品 評 価 方 法 を 提 案 します E5071C ベクトル ネットワーク アナライザのサンプルVBAソフトを 利 用 することで 電 源 電 子 負 荷 を 自 動 制 御 し EMC 部 品 の 実 稼 動 状 態 におけるインピーダンス 評 価 を 簡 単 に 行 うことができます アジレント テクノロジー 株 式 会 社 本 社 192-8510 東 京 都 八 王 子 市 高 倉 町 9-1 計 測 お 客 様 窓 口 受 付 時 間 9:00-19:00( 土 日 祭 日 を 除 く) FAX E-mail Webは24 時 間 受 け 付 けています TEL 0120-421-345 (042-656-7832) FAX 0120-421-678 (042-656-7840) Email contact_japan@agilent.com 電 子 計 測 ホームページ www.agilent.co.jp 記 載 事 項 は 変 更 になる 場 合 があります ご 発 注 の 際 にご 確 認 ください Agilent Technologies. Inc. 2008 Published in Japan, October 03,2008 5989-9887JAJP 0000-08A