JMOOC日本語講座「NIHONGO Starter」の開発と運用

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定款  変更

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図 1 教 材 のしくみ 3. 教 材 の 概 要 3.1 教 材 の 方 針 上 述 の 経 緯 から 主 として 身 近 な 場 所 に 日 本 語 学 習 機 関 や 教 師 が 見 つけられない または 多 忙 で 定 期 的 に 学 習 する 時 間 が 無 い 学 習 者 を 対 象 とすることから 本 教 材 は 1 時 間 や 場 所 を 問 わないこと 2 独 学 が 可 能 なこと 3 最 後 まで 継 続 できること を 制 作 方 針 とした まず いつでもどこでも 学 習 できることを 目 指 し 教 材 は パソコンだけでなく 携 帯 電 話 やタブ レット 端 末 にダウンロードして 使 用 できるよう NPO 法 人 CCC-TIES (2) が 開 発 した CHiLO Book (3) と 呼 ばれる 電 子 書 籍 型 の 教 材 を 用 いることとした 次 に 独 学 用 として 教 師 や 補 助 教 材 の 助 けを 借 り ずに 学 習 できる 教 材 を 目 指 し 指 示 や 解 説 は 英 語 で 行 い ナビゲーター 役 のキャラクターを 設 置 した また 画 面 上 に 黒 板 の 役 割 を 果 たす 動 画 を 配 し 解 説 と 併 用 して 確 認 できるようにしたほか 各 課 の はじめに 目 標 を 明 確 に 提 示 し 最 後 には 自 己 評 価 で 自 身 の 達 成 度 がわかるようにしている そして 独 学 の 場 合 途 中 でやめてしまう 学 習 者 が 少 なくないことから 楽 しみながら 最 後 まで 続 けられる 教 材 を 目 指 し 教 材 の 中 心 となるスキットのストーリーにゆるやかな 連 続 性 を 持 たせることで 次 の 回 を 続 けて 見 たくなるよう 工 夫 し 各 課 のコーナーにはバラエティのあるコンテンツを 配 した 3.2 教 材 のシラバス シラバスには JF 日 本 語 教 育 スタンダード (4) を 用 いており 各 課 の 目 標 となる Can-do や 学 習 項 目 さらに 練 習 問 題 のコンテンツはこのスタンダードに 準 拠 した 教 材 まるごと 日 本 のことばと 文 化 ( 入 門 A1 かつどう)および 同 ( 入 門 A1 りかい)を 参 考 にしている (5) 25

表 1: 各 課 のタイトルと Can-do Lesson タイトル Can-do 1 こんにちは 1あいさつを します 2にほんごを よみます 2 もういちど おねがいします 1けんきゅうしつで はなします 2なまえと くにを かきます 3 どうぞ よろしく 1じぶんの ことを かんたんに はなします 2めいしを よみます 4 かぞくは 3にんです 1かぞくの ことを かんたんに はなします 2かぞくの しゃしんを みて はなします 5 なにが すきですか 1すきな たべものが なにか はなします 2あさごはんの しゅうかんについて はなします 6 どこで たべますか 1ひるごはんを どこで いっしょに たべるか ともだちと はなします 2メニューを よみます 3しょくどうで かんたんな ちゅうもんを します 7 へやが 4つ あります 1どんな いえに すんで いるか いいます 2いえに なにが あるか いいます 3ともだちを いえに しょうたいする E メールを かきます 8 いい へやですね 1ものを へやの どこに おくか ききます/いいます 2いえを ほうもんします/いえに ともだちを むかえます 9 なんじに おきますか 1なにかを する じかんを いいます 2いちにちの せいかつを はなします 10 いつが いいですか 1パーティーを いつに するか はなします 2バースデーカードを かきます 3.3 各 課 の 構 成 本 教 材 は 全 10 課 からなり 各 課 の 学 習 時 間 は 45 分 程 度 である 学 習 者 が 取 り 組 みやすいようコー ナーを 細 分 化 し さらに 1 ページを 数 分 でこなせるようにして 細 切 れの 時 間 を 積 み 重 ねることでも 学 習 できるようにしている 各 課 の 構 成 は 次 のようになっている (1) Skit(1 各 課 の Can-do の 提 示 と 動 機 づけ 2スキット( 動 画 ) 3Can-do の 確 認 ( 気 づき)) (2) Explanation( 表 現 や 文 法 の 解 説 ) (3) Exercise( 表 現 や 文 法 の 練 習 問 題 ) (4) Can-do Practice((1)3の 活 動 を 登 場 人 物 と 一 緒 に 練 習 ) (5) Can-do Challenge((1)3の 活 動 に 一 人 で 挑 戦 ) (6) Can-do Check( 自 己 評 価 ) (7) Learn More( 文 化 等 についてのコラム 参 考 資 料 ) 3.4 教 材 の 詳 細 (1) Skit スキットに 先 立 ち まず ナビゲーター 役 のロボット ロボじい が Can-do を 提 示 し 動 機 付 けの ための 質 問 をする その 後 ドラマ 仕 立 てのスキットを 見 る 登 場 人 物 はロボット 研 究 のために 日 本 の 大 学 院 に 留 学 しているブラジル 人 留 学 生 と 彼 を 受 け 入 れる 研 究 室 の 仲 間 及 び 教 授 学 食 のおばさん である 研 究 活 動 を 英 語 などで 行 う 学 生 にとっても 必 要 な 大 学 生 活 で 使 う 日 本 語 を 取 り 上 げている 約 3 分 間 のスキットを 見 た 後 スキットの 中 の Can-do に 関 係 する 部 分 を 再 生 し Can-do を 達 成 する ためにどのような 表 現 が 使 われていたか 確 認 する 26

図 2 <Skit>の 例 (2) Explanation <Skit>で 使 われていた 表 現 や 文 法 を ロボじい が 解 説 する Can-do を 達 成 するために 使 う 表 現 文 法 が 中 心 で 英 語 による 解 説 文 に 音 声 や 黒 板 の 役 割 を 果 たす 動 画 を 加 えている (3) Exercise <Explanation>で 学 習 した 表 現 や 文 法 が 理 解 できたかどうか 練 習 問 題 で 確 認 する この 部 分 はオ ンラインで 行 うようになっており 自 分 のアカウントに 学 習 履 歴 が 残 る 75% 以 上 正 解 すれば 合 格 となる (4) Can-do Practice Can-do を 達 成 するための 練 習 のコーナー 主 に 語 彙 や 文 法 などの 言 語 能 力 を 問 う<Exercise>に 対 し ここでは 実 際 に 言 語 活 動 (パフォーマンス)を 行 う 練 習 に 取 り 組 む <Skit>の 中 で 登 場 人 物 が Can-do を 遂 行 している 部 分 を 切 り 出 した 動 画 を 使 用 し 画 面 に Speak! の 文 字 が 表 示 されたら 登 場 人 物 と 一 緒 に 発 話 する (5) Can-do Challenge 自 分 ひとりで Can-do が 達 成 できるかどうか 試 すコーナー <Can-do Practice>では 登 場 人 物 と 同 じ 発 話 で 練 習 を 行 ったが ここでは 画 面 上 に Your Turn! の 文 字 が 表 示 されたら 何 を 言 ったら よいのか 自 分 自 身 で 考 えて 話 す 図 3 <Can-do Practice>の 例 図 4 <Can-do Challenge> 27

(6) Can-do Check <Can-do Challenge>で 行 った 活 動 を 振 り 返 り Can-do ができたかどうか 自 ら 3 段 階 ( :しま した :できました :よくできました )で 評 価 する が 2 つ 以 上 で 合 格 となる (7) Learn More コラム Language and Culture や <Skit>のスクリプト( 英 語 ローマ 字 かな) ひらがな 表 などの 参 考 資 料 が 掲 載 されている 4. 学 習 コミュニティ MOOC 共 通 の 課 題 として 受 講 者 が 講 座 の 最 後 まで 取 り 組 むことができるかという 継 続 性 の 問 題 があ る 本 講 座 についても やはり この 継 続 性 が 一 番 の 課 題 である 特 に 本 講 座 は 常 時 インターネッ トに 接 続 できる 環 境 がない 受 講 者 にも 便 宜 を 図 るために 電 子 書 籍 型 というスタイルを 取 っており 最 新 のインターアクションを 組 み 込 む 仕 組 みはあえて 行 わず 修 了 認 定 に 直 接 結 びつく Can-do 評 価 も 自 己 評 価 のみに 任 せることとした その 結 果 意 識 の 高 い 受 講 者 でないと 自 分 の 力 の 伸 びを 把 握 し その 達 成 感 を 次 の 学 習 意 欲 に 結 びつけることが 難 しいという 問 題 が 生 じている この 継 続 性 の 課 題 に 取 り 組 むため 本 講 座 では 学 習 コミュニティの 活 性 化 に 力 を 注 いだ まず Facebook 上 に 受 講 者 が 集 える 場 を 作 った そして 講 座 の 講 師 陣 が このページに 書 き 込 まれる 質 問 に 対 し 適 宜 回 答 を 書 き 込 むようにした たとえば 教 材 の 内 容 や 進 め 方 についての 質 問 には で きるだけすばやく 対 応 する 一 方 勉 強 方 法 や 学 習 の 困 難 さなどについての 相 談 には しばらく 他 の 受 講 者 からの 投 稿 を 待 つようにした 彼 らの 中 で 活 発 なやりとりが 生 まれることで 学 習 コミュニテ ィが 自 主 的 に 運 営 されていくことも 目 指 したいと 考 えたからである また 受 講 者 がまだ 取 り 組 んで いない 教 材 の 内 容 に 興 味 を 持 たせたり 自 己 評 価 で 終 わっている 学 習 成 果 を 互 いに 披 露 し 合 えるよう な 書 き 込 みを 促 したりすることも 行 った さらに 言 語 別 のフォーラム( 掲 示 板 )も 開 設 した ここ では 自 分 の 母 語 や 使 用 可 能 な 言 語 でやりとりができるため 細 かいやりとりが 活 発 に 行 われ その 中 から 毎 週 同 じ 曜 日 の 同 じ 時 間 に Skype を 使 って 日 本 語 の 会 話 をしてみようとか スペイン 語 の 翻 訳 版 を 作 ろう という 自 主 グループも 出 てきた 5. 公 開 後 の 運 用 状 況 5.1 受 講 者 の 概 要 公 開 は 2014 年 4 月 から 始 め 2016 年 3 月 までに 7 回 開 講 した 教 材 の 配 信 方 法 として 11 週 間 に 2 課 ずつダウンロードできるような 設 定 (5 週 間 で 配 信 終 了 10 週 間 で 講 座 (ネット 接 続 による 練 習 問 題 の 回 答 や 修 了 バッジの 取 得 ) 終 了 ) 21 週 間 に 1 課 ずつダウンロードできるような 設 定 (10 週 間 で 配 信 講 座 終 了 ) 3 開 講 と 同 時 に 全 課 のダウンロードが 可 能 な 設 定 (10 週 間 で 講 座 終 了 )の 3 種 28

類 を 試 行 したが 現 在 は 1の 方 式 に 落 ち 着 いている 7 回 の 講 座 で 教 材 をダウンロードした 学 習 者 は 20,806 人 そのうち 正 式 に 受 講 登 録 をした 学 習 者 は 2,241 人 である 登 録 地 ( 在 住 地 )の 多 かった 上 位 10 か 国 は 1 日 本 2オーストラリア 3 米 国 4フィリピン 5コロンビア 6クロアチア 7セルビア 8オランダ 9インドネシア 10ブ ルガリアであるが 登 録 が Facebook によるためか 講 座 の 回 によって 盛 り 上 がりの 見 られる 地 域 が 異 なった 男 女 比 はほぼ 同 じであり 年 齢 は 20 代 から 30 代 前 半 が 多 い 学 習 コミュニティの Facebook に 書 き 込 みを 行 った 受 講 者 は 1,792 人 言 語 別 フォーラムでやりとりを 行 った 受 講 者 は 英 語 が 153 人 スペイン 語 が 58 人 アラビア 語 が 23 人 である このコミュニティを 熱 心 に 利 用 するかどうかは ほぼ 同 様 のサポートをしても 回 によって かなり 反 応 度 が 異 なった その 理 由 を 明 確 にするには 今 後 の 分 析 が 必 要 であるが 現 時 点 で 見 られる 傾 向 は 以 下 の 2 点 である (1) 当 然 ではあるが 参 加 人 数 が 多 い 回 ほど 参 加 者 からの 書 き 込 み こちらからの 書 き 込 みへの 返 信 が( 参 加 人 数 比 以 上 に) 増 える (2) 積 極 的 に 書 き 込 みをする 少 しレベルが 上 の 参 加 者 が 数 名 いると 全 体 を 引 っ 張 ってくれる 力 に なる 受 講 者 同 士 で 助 け 合 う 風 潮 が 見 られるようになり コミュニティも 活 気 づく また こ うした 経 験 をした 受 講 者 の 中 からは 講 座 終 了 後 も 次 の 回 やその 次 の 回 ぐらいまで 事 実 上 のチューターの 役 割 を 果 たしてくれるメンバーも 出 てくる 5.2 講 座 運 営 から 見 えてきたこと この 講 座 は 元 々 日 本 の 大 学 や 大 学 院 に 留 学 を 予 定 している 学 生 が 来 日 前 に 少 しでも 日 本 の 生 活 や 日 常 生 活 の 日 本 語 に 慣 れることを 目 指 して 開 発 された ただ 登 録 時 に Facebook に 書 き 込 まれた 自 己 紹 介 を 見 ると アニメ 漫 画 または 伝 統 的 な 文 化 などを 通 して 日 本 や 日 本 語 に 興 味 を 持 つよ うになったり テレビや 書 籍 等 を 通 して 日 本 人 の 考 え 方 やしつけ 信 念 などに 魅 かれたりしたことで いつか 日 本 語 を 勉 強 したいと 思 っていたものの なかなか 時 間 的 または 場 所 的 にその 機 会 に 恵 まれ なかったという 受 講 者 も 多 く 言 わば 潜 在 的 な 現 在 の 日 本 に 関 心 を 持 つ 層 の 人 たちに 働 きかける ことにもなったことがわかる このような 不 特 定 多 数 の 人 たちへの 働 きかけは MOOC による 無 償 のオ ンライン 講 座 の 意 義 の 一 つでもあると 言 える 特 に 今 回 のようなごく 入 門 レベルの 講 座 は 既 に 日 本 への 留 学 を 決 めている 学 習 者 の 予 習 的 な 意 味 合 いはもちろんのこと それまで 具 体 的 には 留 学 先 や 訪 問 先 を 決 めていなかった 学 習 者 を 日 本 にいざなうことができる 可 能 性 も 秘 めていると 言 えよう 一 方 本 来 の 対 象 者 であった 留 学 予 定 者 にとって この 講 座 での 学 習 がどの 程 度 役 に 立 っているか は 今 後 も 追 跡 して 調 査 を 行 う 必 要 がある 特 に 一 番 の 課 題 である 継 続 性 については 受 講 者 に 意 欲 を 持 ち 続 けさせるために 各 課 や 全 講 座 の 修 了 者 に 何 を 以 て 喜 びを 感 じさせることができるか または どんなチャンスを 提 供 することができるか ということを 再 考 することが 重 要 であろう た とえば 講 座 スタッフや 教 師 からの 報 酬 だけでなく 受 講 者 同 士 が 讃 えあったり ほめあったりする 29

ことのできる 相 互 評 価 の 可 能 性 も もう 一 つの 外 発 的 な 報 酬 として 組 み 込 んでいくことが 有 益 と 考 えられる また 評 価 システム 自 体 を 多 様 にして 学 習 開 始 時 に 受 講 者 個 人 が 自 分 の 学 習 目 的 に したがって 自 分 はどの 方 法 でどの 力 を 評 価 してもらいたいか または 自 分 で 評 価 したいかを 選 ばせ るような 方 法 も 考 えられよう 理 工 系 をはじめとして 英 語 ができれば 研 究 生 活 や 最 低 限 の 学 生 生 活 は 不 自 由 がない 留 学 生 たちに とっては 日 本 語 の 習 得 は 不 要 だという 考 え 方 は 昨 今 かなり 見 直 されつつある 留 学 生 の 積 極 的 な 受 け 入 れ その 数 の 確 保 という 観 点 から 見 ると 確 かに 来 日 前 に 日 本 語 をある 程 度 以 上 習 得 してい ることを 期 待 することは 難 しいが やはり 来 日 した 後 に なんとか 周 りの 人 々とコミュニケーショ ンをとろうとしたり 何 らかの 方 法 で 日 本 語 を 少 しでも 学 ぼうとしたりする 姿 勢 を 持 ってもらうこと は 相 互 交 流 を 通 じた 人 材 育 成 という 視 点 では 大 変 重 要 なことと 考 えられる 当 人 にとっても 周 囲 の 人 々にとっても その 機 会 を 逸 するのは 勿 体 ない 自 国 の 生 活 の 中 では 日 本 語 学 校 に 通 うことも 日 本 語 の 教 材 を 入 手 することもたやすくない 学 生 にとって せめて 来 日 後 の 日 本 での 人 々との 交 流 に 向 けた 第 一 歩 を 踏 み 出 す 自 信 を 持 てること 日 本 や 日 本 人 に 対 する 心 理 的 な 壁 を 外 すことに 貢 献 でき れば 本 講 座 の 意 義 は 小 さくないのではないかと 考 えている 註 : 本 稿 は 国 際 交 流 基 金 日 本 語 教 育 紀 要 (6) で 発 表 された 内 容 に 加 筆 修 正 したものである 注 (1) 2012 年 にアメリカで 立 ち 上 がった MOOC の 日 本 版 MOOC とは Massive Open Online Courses( 大 規 模 公 開 オン ライン 講 座 )の 略 で オンラインで 公 開 された 講 座 をだれでも 無 料 で 受 講 でき 修 了 条 件 を 満 たすと 修 了 証 が 取 得 できるサービスである 2013 年 には 日 本 版 MOOC の 普 及 を 目 指 し 日 本 の 大 学 企 業 の 連 合 組 織 として 一 般 社 団 法 人 日 本 オープンオンライン 教 育 推 進 協 議 会 ( 略 称 JMOOC) が 設 立 された (2) 特 定 非 営 利 活 動 法 人 サイバー キャンパス コンソーシアム TIES の 略 称 (http://www.cccties.org/) e ラーニングの 手 法 と 技 術 を 活 用 した 教 育 の 改 善 充 実 の 実 現 に 関 する 事 業 を 行 っている (3) ビデオやオンラインテストが 組 み 込 まれたマルチメディア 教 科 書 LMS( 学 習 管 理 システム)や SNS と 連 携 する ことで 電 子 書 籍 をポータルとしたインタラクティブな 学 習 環 境 を 実 現 している (4) 国 際 交 流 基 金 がヨーロッパの CEFR を 参 考 に 開 発 した 日 本 語 の 教 え 方 学 び 方 学 習 の 評 価 のし 方 を 考 えるた めのツール 日 本 語 の 熟 達 度 を Can-do( ~できる )の 形 で 表 している このスタンダードに 準 拠 したコースブ ックとして まるごと 日 本 のことばと 文 化 シリーズ( 独 立 行 政 法 人 国 際 交 流 基 金 編 著 )がある (5) 解 説 部 分 は 国 際 交 流 基 金 マドリード 日 本 文 化 センターが 作 成 した まるごと 日 本 のことばと 文 化 入 門 A1 文 法 解 説 書 も 参 考 にした (6) 篠 原 亜 紀 簗 島 史 恵 (2015) オンライン 日 本 語 講 座 NIHONGO Starter - 電 子 書 籍 型 教 材 の 開 発 と 運 用 - 国 際 交 流 基 金 日 本 語 教 育 紀 要 第 11 号 53-66 国 際 交 流 基 金 30

参 考 文 献 国 際 交 流 基 金 (2013) まるごと 日 本 のことばと 文 化 ( 入 門 A1 かつどう) (2013) まるごと 日 本 のことばと 文 化 ( 入 門 A1 りかい) (2014) JF 日 本 語 教 育 スタンダード 2010 第 三 版 JMOOC 公 式 サイト<http://www.jmooc.jp/> NIHONGO Starter Facebook ページ<https://www.facebook.com/nihongostarter> NPO 法 人 CCC-TIES TIES シンポジウム:オープンエデュケーションに 直 面 する 日 本 の 大 学 Post MOOC と CHiLO の 可 能 性 報 告 <http://www.cccties.org/news/n20140614/> OUJ MOOC ポータルサイト<http://dev.chilos.jp/> 31