Taro13-160510HBVワクチンパブコ



Similar documents
頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

2 積 極 的 な 接 種 勧 奨 の 差 し 控 え 国 は 平 成 25 年 4 月 から 定 期 接 種 化 したが ワクチン 接 種 との 関 連 を 否 定 できない 持 続 的 な 痛 みなどの 症 状 が 接 種 後 に 見 られたことから 平 成 25 年 6 月 定 期 接 種 と

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

 

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

003-00個人の健康増進・疾病予防の推進のための所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

スライド 1

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,6 243,7 185,8 222,9 261,9

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

Microsoft Word - 目次.doc

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

全設健発第     号

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

定款

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

●電力自由化推進法案

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

公表表紙

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

老発第    第 号

●幼児教育振興法案

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

(2) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 17 年 4 月 1 日 現 在 ) 初 任 給 2 年 後 の 給 料 初 任 給 2 年 後 の 給 料 一 般 行 政 職 技 能 労 務 職 大 学 卒 171,1 151,5 19,2 164,7 17,7 184,4 中 学 卒 1

18 国立高等専門学校機構

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

接 支 払 制 度 を 活 用 するか 意 思 を 確 認 する 確 認 に 当 たっては 次 の 各 号 に 掲 げる 事 項 について 書 面 により 世 帯 主 の 合 意 を 得 て 代 理 契 約 を 締 結 するものとする (1) 医 療 機 関 等 が 本 市 に 対 し 世 帯 主

<904588F582CC8B8B975E814592E888F58AC7979D82CC8CF6955C E348DEC90AC2E786C73>

Microsoft Word - (課×県・指定)【頭紙】「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」等の一部改正について.rtf

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

我孫子市小規模水道条例

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第081号.doc

m07 北見工業大学 様式①

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>


高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

< F2D8E9197BF C B68F9182C98AD682B7>

①表紙

Taro-iryouhoken

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

(\202g22\214\366\225\\.xls)

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

Taro-データ公安委員会相互協力事

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

<4D F736F F D208E9197BF A955B895E93AE82CC8B4B90A C982C282A282C42E646F6378>

Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー

別紙3

HIV感染防止マニュアル(出力用).indd

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

Microsoft PowerPoint - 基金制度

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

答申第585号

臨 床 研 究 事 案 に 関 する 主 な 報 道 概 要 ディオバン 事 案 白 血 病 治 療 薬 タシグナ 事 案 (SIGN 試 験 ) ノバルティス 社 の 高 血 圧 症 治 療 薬 ディオバンに 係 る 臨 床 研 究 において データ 操 作 等 があり 研 究 結 果 の 信 頼

川越市幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

Microsoft Word - 制度の概要_ED.docx

●労働基準法等の一部を改正する法律案

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

< F2D A C5817A C495B6817A>

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

Microsoft Word - H24様式(那珂市版).doc

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

障害福祉制度あらまし目次

<819A B8B975E8CF6955C2E786C73>

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

Microsoft Word - 諮問第82号答申(決裁後)

16 日本学生支援機構

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 分 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

    平成11年度余市町私立幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

Microsoft Word 第1章 定款.doc

毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

(5) 給 与 改 定 の 状 況 該 当 なし ( 事 委 員 会 を 設 置 していないため) 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 ( 参 考 ) 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 給 与 改 定 率 国 の 改 定 率 A B AB ( 改 定 率 ) 年 度 ( )

1 資 料 編 我 が 国 の 人 口 の 推 移 厚 労 働 全 般 平 成 24 年 版 厚 労 働 白 書 5

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 1 給 料 表 の 見 直 し [ 実 施 ] 実 施 内 容 ( 給 料 表 の 改 定 実 施 時 期 ) 平 成 27 年 4 月 1 日 ( 内 容 ) 行 政 職 給 料 表 について 国 の 見 直 し 内

1

5 民 間 事 業 者 における 取 扱 いについて( 概 要 資 料 P.17~19) 6 法 人 番 号 について( 概 要 資 料 P.4) (3) 社 会 保 障 税 番 号 制 度 のスケジュールについて( 概 要 資 料 P.20) 1 平 成 27 年 10 月 から( 施 行 日 は

月 額 を100として 計 算 した 指 数 2 類 似 団 体 平 均 とは 人 口 規 模 産 業 構 造 が 類 似 している 団 体 のラスパイレス 指 数 を 単 純 平 均 し たものです 3 参 考 値 は 国 家 公 務 員 の 時 限 的 な(2 年 間 ) 給 与 改 定 臨 時

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

Transcription:

B 型 肝 炎 ワクチンの 定 期 接 種 化 等 に 関 する 意 見 書 厚 生 労 働 大 臣 塩 崎 恭 久 殿 薬 害 オンブズパースン 会 議 代 表 鈴 木 利 廣 160-0022 東 京 都 新 宿 区 新 宿 1-14-4 AM ビル4 階 電 話 03(3350)0607 FAX 03(5363)7080 e-mail yakugai@t3.rim.or.jp URL://www.yakugai.gr.jp 本 意 見 書 は 2016( 平 成 28) 年 4 月 13 日 付 予 防 接 種 法 施 行 令 の 一 部 を 改 正 する 政 令 案 及 び 同 日 付 予 防 接 種 法 施 行 規 則 及 び 予 防 接 種 実 施 規 則 の 一 部 を 改 正 する 省 令 案 に 関 する 意 見 募 集 ( 案 件 番 号 :495160020 495160021)の 内 B 型 肝 炎 ワクチンに 関 する 事 項 について 意 見 を 述 べるものである 意 見 の 趣 旨 1 B 型 肝 炎 ワクチンの 定 期 接 種 化 は 実 施 すべきではない 2 B 型 肝 炎 及 びB 型 肝 炎 ワクチンの 更 なる 調 査 ( 詳 細 は 後 記 第 4)が 必 要 である 3 国 は B 型 肝 炎 及 びB 型 肝 炎 ワクチンについての 正 確 な 情 報 を 提 供 すべきである 意 見 の 理 由 第 1 はじめに- 本 意 見 書 の 概 要 本 パブリックコメントの 対 象 である 予 防 接 種 法 施 行 令 の 一 部 を 改 正 する 政 令 案 ( 以 下 政 令 案 という) 及 び 予 防 接 種 法 施 行 規 則 及 び 予 防 接 種 実 施 規 則 の 一 部 を 改 正 する 省 令 案 ( 以 下 省 令 案 という)は B 型 肝 炎 を 予 防 接 種 法 におけるA 類 疾 病 に 位 置 づけて 定 期 接 種 の 対 象 とし( 政 令 案 ) その 副 反 応 報 告 基 準 案 を 定 めること( 省 令 案 )を 主 な 内 容 としている 本 意 見 書 では 政 令 案 及 び 省 令 案 について B 型 肝 炎 及 びB 型 肝 炎 ワクチンに 関 する 基 礎 的 な 知 見 ( 第 2 ) 及 び B 型 肝 炎 ワクチンの 定 期 接 種 化 が 検 討 された 経 緯 及 び 背 景 事 情 ( 第 3)を 踏 まえた 上 で 政 令 案 が 定 めようとしているB 型 肝 炎 ワクチンの 定 期 接 種 化 を 実 施 すべき 必 要 性 はないこと 更 なる 調 査 が 必 要 であること 正 確 な 情 報 提 供 が 必 要 であること( 第 4)を 述 べる - 1 -

第 2 B 型 肝 炎 とB 型 肝 炎 ワクチンの 概 要 1 B 型 肝 炎 について *1 (1) 病 態 B 型 肝 炎 は B 型 肝 炎 ウイルス( 以 下 HBV という)に 感 染 したことにより 発 症 する 肝 炎 であるが その 病 態 は 一 過 性 感 染 と 持 続 感 染 に 分 類 される 成 人 での 初 感 染 の 場 合 多 くは 一 過 性 感 染 で 自 覚 症 状 がないまま 治 癒 し 20~30% が 急 性 肝 炎 を 発 症 する まれに 慢 性 化 するが 一 般 に 予 後 は 良 好 とされている また 急 性 肝 炎 の 一 部 は 劇 症 化 するが その 割 合 は0.4%~1% 程 度 といわれている HBVの 持 続 感 染 の 多 くは 出 生 時 又 は 乳 幼 児 期 の 感 染 によって 成 立 するが その 大 部 分 は 感 染 はしているものの 肝 機 能 が 正 常 な 無 症 候 性 キャリアとなるその 後 免 疫 能 が 発 達 するに 従 い 顕 性 又 は 不 顕 性 の 肝 炎 を 発 症 するが そのうちの 約 90%はセロコ *2 ンバーション を 経 て 再 び 無 症 候 性 キャリアへと 移 行 し 残 る 約 10%が 慢 性 (B 型 ) *3 肝 炎 となる( 以 上 については 下 図 参 照 ) (2) HBVの 感 染 経 路 HBVの 感 染 経 路 は 1 輸 血 血 液 製 剤 2 注 射 針 3 母 子 感 染 4 性 感 染 5その 他 ( 涙 汗 唾 液 尿 などからの 感 染 父 子 感 染 幼 稚 園 格 闘 技 スポーツ 等 での 感 染 )などがあるが 近 時 は 性 的 接 触 感 染 が 増 加 傾 向 といわれている(1999 年 :42.7 % 2003 年 :59.6% 2008 年 :66.3%) *4 *1 国 立 感 染 症 研 究 所 B 型 肝 炎 ワクチンに 関 するファクトシート ( 平 成 22 年 7 月 7 日 版 ) 厚 生 労 働 省 予 防 接 種 部 会 ワクチン 評 価 に 関 する 小 委 員 会 B 型 肝 炎 ワクチン 作 業 チーム B 型 肝 炎 ワクチン 作 業 チ ーム 報 告 書 *2 一 過 性 に 強 い 肝 炎 を 起 こし B 型 肝 炎 ウイルス(HBV) 感 染 がHBe 抗 原 陽 性 の 増 殖 性 の 高 い 状 態 から HBe 抗 体 陽 性 の 増 殖 性 の 低 い 状 態 に 変 化 すること 一 般 に 持 続 感 染 者 の20~30 代 に 多 いとされている *3 前 掲 B 型 肝 炎 ワクチン 作 業 チーム 報 告 書 1 頁 図 1 *4 前 掲 B 型 肝 炎 ワクチンに 関 するファクトシート 9~10 頁 - 2 -

(3) 日 本 国 内 の 感 染 者 数 患 者 数 の 推 移 新 規 のB 型 急 性 肝 炎 発 症 者 数 ( 推 定 )は 資 料 によりばらつきはあるものの 年 間 18 00~2500 人 程 度 といわれているところ 上 記 (1)のとおり 一 過 性 感 染 の70~80%は 不 顕 性 感 染 で 終 わることから 年 間 発 症 者 数 を 平 均 の2280 人 と 仮 定 して 逆 算 するとHBV 感 染 者 は 年 間 1 万 人 程 度 と 推 定 される *5 B 型 肝 炎 を 原 因 とする 死 亡 者 数 については 徐 々に 減 少 傾 向 (2000 年 :885 人 200 5 年 :786 人 2008 年 :641 人 )にある *6 2 B 型 肝 炎 ワクチンについて (1) 製 剤 現 在 国 内 で 製 造 されているB 型 肝 炎 ワクチン ( 組 換 え 沈 降 B 型 肝 炎 ワクチン) は ビームゲン ( 化 学 及 血 清 療 法 研 究 所 )と ヘプタバックスⅡ (MSD 株 式 会 社 ) の2 種 類 である (2) 効 能 効 果 B 型 肝 炎 ワクチンの 効 能 効 果 は 1B 型 肝 炎 の 予 防 2B 型 肝 炎 ウイルス 母 子 感 染 の 予 防 3HBs 抗 原 陽 性 でかつHBe 抗 原 陽 性 の 血 液 による 汚 染 事 故 後 のB 型 肝 炎 発 症 予 防 とされている *7 (3) 副 反 応 B 型 肝 炎 ワクチンの 重 大 な 副 反 応 には アナフィラキシーショック 多 発 性 硬 化 症 急 性 散 在 性 脳 脊 髄 炎 ギラン バレー 症 候 群 脊 髄 炎 視 神 経 炎 末 梢 神 経 障 害 があ る また その 他 の 副 反 応 として 湿 疹 血 管 炎 関 節 炎 局 所 症 状 ( 疼 痛 発 赤 等 ) 痙 攣 などが 挙 げられている *8 *9 (4) 予 防 効 果 B 型 肝 炎 ワクチンは HBV 抗 体 を 誘 導 することでHBV 感 染 を 予 防 することを 作 用 機 序 とするが 抗 体 獲 得 率 は 年 齢 が 若 いほど 高 く 40 歳 未 満 95% 40~60 歳 90% 60 歳 以 上 65~70%といわれている 3 回 接 種 後 の 効 果 の 持 続 については 個 人 差 があり 抗 体 価 は 低 下 するものの 20 年 以 上 は 続 くと 考 えられている *5 同 17 頁 *6 同 10 頁 *7 ビームゲン 添 付 文 書 ( 第 18 版 ) 及 び ヘプタバックスⅡ 添 付 文 書 ( 第 17 版 ) *8 同 上 *9 前 掲 B 型 肝 炎 ワクチンに 関 するファクトシート 16~17 頁 - 3 -

第 3 定 期 接 種 化 までの 経 緯 1 海 外 の 状 況 1992( 平 成 4) 年 WHOは 5 歳 児 のHBs 抗 原 陽 性 率 が2% 未 満 であることをB 型 肝 炎 コントロール 達 成 の 指 標 値 として B 型 肝 炎 ワクチンを 出 生 直 後 の 全 児 を 対 象 に 接 種 することを 提 唱 した 2014( 平 成 26) 年 末 時 点 において 幼 児 に 対 するB 型 肝 炎 ワクチンの 予 防 接 種 を 全 国 規 模 で 導 入 している 国 は184カ 国 にのぼり また 世 界 における3 回 のB 型 肝 炎 ワクチ ンの 接 種 率 は82%( 西 太 平 洋 では92%)と 推 計 されている *10 2 母 子 感 染 防 止 事 業 日 本 では HBVキャリアの 新 たな 発 生 を 根 絶 し HBVによる 肝 硬 変 肝 がんを 撲 滅 す ることを 目 的 として 1986( 昭 和 61) 年 に 母 子 感 染 防 止 事 業 ( 感 染 の 危 険 性 HBs 抗 原 陽 性 のある 母 親 からの 出 生 児 に 対 するB 型 肝 炎 ワクチン 接 種 費 用 について 健 康 保 険 の 給 付 対 象 化 )が 開 始 された 同 事 業 では 出 産 予 定 者 のHBV 検 査 の 受 診 により 始 まるが 検 査 受 診 者 は 事 業 開 始 初 年 度 を 除 き92~96%と 高 率 で 推 移 しているまた 同 検 査 により 陽 性 あるいはその 疑 いがあると 判 定 された 者 の 母 子 感 染 予 防 処 置 の 実 施 率 も97~98%と 高 率 を 維 持 して いる 同 事 業 開 始 後 の 児 のキャリア 発 生 数 は 事 業 開 始 前 (1985 年 )は0.26%( 推 計 )であ った 開 始 後 (1995 年 )の 全 国 的 な 調 査 は 実 施 されていないものの 地 域 調 査 によれば 0.024%と 約 10 分 の1に 減 少 しており 母 子 感 染 の95% 以 上 が 防 止 されるようになっ *11 た と 評 価 されている ただし 同 事 業 の 欠 点 として 胎 内 感 染 妊 婦 検 査 の 漏 れ 処 置 の 煩 雑 さや 不 徹 底 産 婦 人 科 と 小 児 科 の 連 携 困 難 等 によるプログラムの 不 完 全 実 施 家 族 内 や 保 育 園 など での 水 平 感 染 が 防 止 できないことなどが 指 摘 されている *12 3 定 期 接 種 化 の 目 的 厚 生 労 働 省 予 防 接 種 部 会 ワクチン 評 価 に 関 する 小 委 員 会 B 型 肝 炎 ワクチン 作 業 チ ームによる B 型 肝 炎 ワクチン 作 業 チーム 報 告 書 では B 型 肝 炎 ワクチンの 予 防 接 種 化 の 目 的 について HBV 感 染 者 を 減 らすことにより 次 の3つの 病 態 に 至 るリスク を 減 らすことである と 説 明 されている( 同 21~22 頁 ) 1 急 性 肝 炎 - 遺 伝 子 型 Aの 予 防 HBVは8 種 類 の 遺 伝 子 型 (A~H 型 )に 分 類 されており 型 によって 慢 性 化 率 な ど 臨 床 経 過 に 違 いがあるとされているが このうち 遺 伝 子 型 Aは 急 性 肝 炎 の 発 症 *10 WHOのホームページ( http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs378/en/) なお 日 本 語 版 は 厚 生 労 働 省 検 疫 所 のホームページ(http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2015/09080921. html ) *11 前 掲 B 型 肝 炎 ワクチン 作 業 チーム 報 告 書 22 頁 *12 前 掲 B 型 肝 炎 ワクチンに 関 するファクトシート 13 頁 - 4 -

から 慢 性 肝 炎 化 しやすいと 言 われている 従 来 の 成 人 の 日 本 人 キャリアの 中 には 遺 伝 子 型 Aは 少 ないと 言 われていたが 近 年 は 増 加 傾 向 にあり 日 本 人 の 成 人 における 急 性 肝 炎 からの 慢 性 化 の 今 後 の 増 加 が 懸 念 される と 指 摘 されている(22 頁 ) また 同 報 告 書 は 従 来 の 母 子 感 染 の 遮 断 のみでは 制 御 できない 成 人 期 のHBV 感 染 を 視 野 に 入 れた 感 染 防 御 対 策 の 確 立 が 求 められている 性 的 接 触 を 感 染 経 路 とした 成 人 層 の 感 染 拡 大 が 懸 念 される(が ) 性 行 為 感 染 症 としてのHBV 感 染 には 全 く 対 策 がとられていない ( 同 上 )ことを 定 期 接 種 化 の 目 的 の 一 つとし てあげている 2 持 続 感 染 (キャリア) 対 策 上 記 報 告 書 は 持 続 感 染 (キャリア) 対 策 について ( HBV)キャリアの 約 10~ 15%が 移 行 する 慢 性 肝 疾 患 ( 慢 性 肝 炎 肝 硬 変 肝 がん 略 ) 防 止 対 策 及 び 周 囲 への 感 染 源 対 策 として 極 めて 重 要 である と 述 べている そして 日 本 における 新 生 児 期 の 母 子 感 染 予 防 対 策 について 母 子 感 染 の95% 以 上 が 防 止 されるようになった ものの 現 在 日 本 で 行 われているHBVキャリア 化 対 策 はこの 母 子 垂 直 感 染 防 止 にとどまり 水 平 感 染 に 対 する 対 策 は 個 別 事 例 毎 の 任 意 接 種 等 によっている と 指 摘 している( 上 記 報 告 書 22 頁 ) 3 再 活 性 化 の 阻 止 HBVの 一 過 性 感 染 後 に 臨 床 的 治 癒 と 判 断 された 者 に HBVの 再 活 性 化 が 起 こり 重 症 肝 炎 を 起 こすことを 再 活 性 化 というが 上 記 報 告 書 は これを 防 止 するためには HBV 感 染 そのものを 減 らすという 視 点 からワクチン 接 種 を 検 討 することも 必 要 で ある と 述 べている(22~23 頁 ) 第 4 B 型 肝 炎 ワクチンの 定 期 接 種 化 の 必 要 性 について 1 定 期 接 種 化 の 要 否 を 判 断 するための 視 点 - 高 度 の 安 全 性 有 効 性 と 公 衆 衛 生 政 策 上 の 公 益 性 (1) ワクチンの 特 性 ワクチンは 現 に 罹 患 している 疾 病 の 治 療 を 目 的 とするものではなく 疾 病 への 罹 患 を 予 防 することを 目 的 として 使 用 ( 接 種 )されるものである かかる 特 性 を 有 することから ワクチンを 接 種 するか 否 かは 本 来 的 には 接 種 対 象 者 が 当 該 ワクチンの 安 全 性 と 有 効 性 を 比 較 衡 量 した 上 で ( ワクチンが 予 防 対 象 とする ) 疾 病 に 罹 患 することを 予 防 したいか 否 か という 自 主 的 自 律 的 な 意 思 ( 自 己 決 定 )に 委 ねられるべき 事 柄 である しかるに 定 期 接 種 化 では 下 記 (2)で 指 摘 するように 接 種 対 象 者 の 自 主 的 自 律 的 意 思 決 定 ではなく 公 益 的 見 地 からの 強 制 的 要 素 が 強 くなることから 当 該 ワクチ ンの 安 全 性 と 有 効 性 については 一 般 の 医 薬 品 にも 増 して より 高 い 水 準 ( 高 度 の 安 全 性 と 有 効 性 )が 要 求 される - 5 -

(2) 定 期 接 種 化 の 持 つ 意 味 予 防 接 種 法 及 び 同 法 施 行 令 によってある 疾 患 が 定 期 接 種 の 対 象 に 指 定 されると( 定 期 接 種 化 ) 接 種 対 象 者 には 接 種 の 努 力 義 務 が 法 律 によって 課 され( 予 防 接 種 法 第 9 条 ) かつ 市 町 村 長 又 は 都 道 府 県 知 事 は 接 種 対 象 者 に 予 防 接 種 を 受 けることを 勧 奨 することが 義 務 付 けられる( 同 8 条 ) このため 任 意 接 種 の 場 合 と 比 較 すると 接 種 対 象 者 に 与 える 影 響 は 極 めて 大 きく 接 種 が 半 ば 強 制 され 対 象 者 のほとんどが 接 種 することとなる このように 定 期 接 種 化 は 努 力 義 務 とはいえ 法 律 によって 接 種 が 義 務 付 けられ ることになるため その 実 施 にあたっては 接 種 対 象 者 個 人 の 疾 病 予 防 を 超 えた 伝 染 のおそれがある 疾 病 の 発 生 及 びまん 延 を 予 防 するために 公 衆 衛 生 の 見 地 から 予 防 接 種 の 実 施 その 他 必 要 な 措 置 を 講 ずることにより 国 民 の 健 康 の 保 持 に 寄 与 する ( 予 防 接 種 法 第 1 条 )という 公 衆 衛 生 政 策 上 の 必 要 性 が 求 められる 2 B 型 肝 炎 ワクチンの 定 期 接 種 化 について (1) B 型 肝 炎 ワクチンの 安 全 性 と 有 効 性 ア 安 全 性 B 型 肝 炎 ワクチンの 安 全 性 については 長 く 世 界 中 で 使 われているが 安 全 性 *13 に 関 する 問 題 が 起 こったことはない とされている しかし 本 政 令 によって 接 種 対 象 とされる 1 歳 に 至 るまでの 間 にある 者 ( 一 般 的 には 新 生 児 )については 国 内 における 対 新 生 児 効 果 安 全 性 のデータは 少 *14 ない 産 科 小 児 科 を 中 心 とした 検 討 が 必 要 である との 指 摘 もあり 定 期 接 種 を 実 施 するにあたって 求 められる 高 度 の 安 全 性 が 確 認 されているか 疑 問 である イ 有 効 性 (ア) 定 期 接 種 化 を 推 進 する 主 たる 理 由 の 一 つに 急 性 肝 炎 - 遺 伝 子 型 Aの 予 防 が 挙 げられているが( 第 3,31 ) 現 在 日 本 国 内 で 製 造 販 売 されているB 型 肝 炎 ワクチンの 内 ビームゲン が 遺 伝 子 型 Cを ヘプタバックスⅡ が 遺 伝 子 型 Aを それぞれ 対 象 としている しかし B 型 肝 炎 ワクチンに 関 するファクトシート (17 頁 )では 遺 伝 子 型 が 異 なるウイルスに 対 するワクチンの 有 効 性 は 今 のところ 不 明 である が 遺 伝 子 型 が 異 なっていても 血 清 型 が 重 複 し 血 液 型 間 の 交 差 反 応 が 認 められているこ... とからある 程 度 の 有 効 性 は 期 待 できる とされている( 傍 点 引 用 者 ) このように 現 行 のB 型 肝 炎 ワクチンの 有 効 性 に 関 しては 不 明 ないし 期 待 できる などとの 評 価 にとどまっており 異 なる 遺 伝 子 型 に 対 する 有 効 性 が 明 確 になっているとまではいえない (イ) この 点 平 成 27 年 1 月 9 日 開 催 第 12 回 予 防 接 種 基 本 方 針 部 会 資 料 小 児 におけ るB 型 肝 炎 の 水 平 感 染 の 実 態 把 握 とワクチン 戦 略 の 再 構 築 に 関 する 研 究 結 果 概 要 *13 前 掲 B 型 肝 炎 ワクチン 作 業 チーム 報 告 書 23 頁 *14 同 9 頁 - 6 -

*15 ( 須 磨 崎 班 ) では ビームゲン 接 種 者 には HBVの 遺 伝 子 型 に 依 存 せず HBs 抗 原 と 反 応 する 抗 体 が 存 在 することが 示 唆 された と 報 告 している そして 厚 生 労 働 省 は この 報 告 を 踏 まえて 同 部 会 において 遺 伝 子 型 C 由 来 のB 型 肝 炎 ワクチンを 接 種 することで 遺 伝 子 型 AのB 型 肝 炎 ウイルスに 対 しても... 予 防 効 果 があることが 示 唆 された ( 傍 点 引 用 者 ) 我 が 国 に 流 通 する 遺 伝 子 型 A 及 びC 由 来 のB 型 肝 炎 ワクチンの いずれの 接 種 によっても 異 なる 遺 伝 子 型 の *16 B 型 肝 炎 ウイルスに 対 する 予 防 効 果 があると 考 えられる と 結 論 づけている しかし 効 果 について 示 唆 された という 確 度 の 低 い 評 価 にとどまっている 上 上 記 須 磨 崎 班 報 告 の 基 調 となっている 有 効 性 が 示 唆 されたとの 症 例 数 はわずか4 例 にすぎない(だからこそ 示 唆 という 表 現 にとどめているものと 思 われる ) したがって やはりB 型 肝 炎 ワクチンについて 高 度 の 有 効 性 が 確 認 されている とまで 評 価 することはできない (2) 公 衆 衛 生 政 策 上 の 必 要 性 の 欠 如 ア 母 子 感 染 防 止 事 業 が 十 分 に 効 果 をあげていると 評 価 できること WHOが5 歳 児 を 対 象 にB 型 肝 炎 ワクチンの 定 期 接 種 化 を 勧 奨 しているのは 5 歳 児 のHBVキャリア 化 率 (HBs 抗 原 陽 性 率 )を2% 未 満 とするためであるが 第 3, 2で 述 べたように 日 本 では 母 子 感 染 防 止 事 業 により すでにこの 水 準 を 大 きく 下 回 るキャリア 率 を 維 持 しているものと 考 えられる この 点 前 掲 B 型 肝 炎 ワクチン 作 業 チーム 報 告 書 では 日 本 では 地 域 的 な 調 査 から2% 未 満 であると 判 断 はされているが 全 国 規 模 の 調 査 は 行 われていない ため 認 証 には 至 っていない と 指 摘 している(21 頁 ) しかし 地 域 的 な 調 査 においては2%を 大 きく 下 回 る 水 準 を 確 保 していることが 明 らかにされている 一 方 で 2%を 上 回 るとの 調 査 結 果 は 見 当 たらないのであり このような 状 況 下 において 上 記 報 告 書 のように 全 国 規 模 の 調 査 が 行 われていな いことを 定 期 接 種 化 の 積 極 理 由 とすることは 本 末 転 倒 と 言 わざるを 得 ない 全 国 規 模 の 調 査 の 不 存 在 は 換 言 すれば 定 期 接 種 化 を 積 極 的 に 推 進 すべきとする 立 法 事 実 が 欠 如 していることを 意 味 するのであり なおも 定 期 接 種 化 を 検 討 するの であれば まずは 全 国 規 模 の 調 査 を 実 施 し 実 態 を 把 握 することが 先 決 である このように 日 本 においては 既 存 の 母 子 感 染 防 止 事 業 により 相 当 の 効 果 が 確 保 さ れていると 考 えられるのであり 現 時 点 においては 母 子 感 染 防 止 事 業 に 加 えて 定 期 接 種 化 を 実 施 すべき 必 要 性 を 基 礎 付 ける 立 法 事 実 ( 公 衆 衛 生 政 策 上 の 必 要 性 )は 確 認 できない イ 水 平 感 染 の 実 態 も 未 解 明 であること 厚 生 労 働 省 は 定 期 接 種 化 の 目 的 として 母 子 感 染 防 止 事 業 では 防 止 できない 水 *15 http://www.mhlw.go.jp/file/05-shingikai-10601000-daijinkanboukouseikagakuka-kouseikagak uka/0000070694.pdf *16 B 型 肝 炎 ワクチンの 技 術 的 検 討 について (http://www.mhlw.go.jp/file/05-shingikai-106010 00-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000070695.pdf) 3 枚 目 - 7 -

平 感 染 ( 家 庭 内 における 父 子 感 染 保 育 園 等 による 感 染 )の 防 止 も 挙 げている *17 しかし こうした 水 平 感 染 を 基 礎 付 ける 症 例 報 告 は 少 数 にとどまる 上 詳 細 な *18 原 因 検 討 は 未 だ 行 われておらず 厚 労 省 研 究 班 B 型 肝 炎 の 母 子 感 染 および 水 平 感 染 の 把 握 とワクチン 戦 略 の 再 構 築 に 関 する 研 究 ( 平 成 23 年 度 )においても 小 児 期 の 水 平 感 染 の 実 態 のさらなる 把 握 が 今 後 の 課 題 の 一 つに 位 置 づけqられてい るにとどまる(12 頁 ) したがって 水 平 感 染 の 実 態 についても 定 期 接 種 化 の 必 要 性 を 積 極 的 に 根 拠 付 けるに 足 るだけの 実 情 が 把 握 されていると 評 価 することができない ウ 重 症 化 率 は 低 率 にとどまること 定 期 接 種 化 の 主 たる 理 由 の 一 つに 持 続 感 染 (キャリア)の 防 止 が 挙 げられてい るが( 第 3,32 ) 第 2,1(1)で 述 べたように そもそも 持 続 感 染 の 多 くは 出 生 時 又 は 乳 幼 児 期 の 感 染 によって 成 立 することから 母 子 感 染 防 止 事 業 が 効 果 をあ げているなかで 敢 えて 定 期 接 種 化 してまでさらに 感 染 を 予 防 しなければならない 必 要 性 があるかは 相 当 に 疑 問 である また 持 続 感 染 となったとしても そのうち 約 9 割 は 無 症 候 性 キャリアのまま 推 移 するという 知 見 ( 第 2,1(1))も 踏 まえると 持 続 感 染 を 定 期 接 種 化 により 予 防 しなければならないほどの 公 衆 衛 生 政 策 上 の 必 要 性 があるとは 言 い 難 い エ 再 活 性 化 を 予 防 しなければならない 公 衆 衛 生 政 策 上 の 必 要 性 はないこと さらに B 型 肝 炎 ワクチンの 定 期 接 種 化 を 推 進 する 理 由 の 一 つに 再 活 性 化 の 阻 止 も 挙 げられているが( 上 記 第 3,33 ) 再 活 性 化 についても 実 態 把 握 は 十 分 と はいえない この 点 は 措 いても 再 活 性 化 阻 止 の 対 策 もHBVへの 感 染 を 防 止 することなのであ るから 結 局 は 現 行 の 母 子 感 染 防 止 事 業 で 足 りるか それとも 同 事 業 に 加 えて 水 平 感 染 の 防 止 をも 視 野 に 入 れた 更 なる 対 策 ( 定 期 接 種 化 )が 必 要 かという 点 に 収 斂 する このため これも 上 記 ウと 同 様 に 母 子 感 染 防 止 事 業 が 効 果 を 上 げている 一 方 で 再 活 性 化 に 至 る 症 例 数 はHBVの 感 染 者 における 割 合 としてはごく 僅 かと 考 えられる 以 上 これを 定 期 接 種 化 によって 予 防 しなければならないほどの 公 衆 衛 生 政 策 上 の 必 要 性 があるとまではいえない オ 代 替 手 段 の 存 在 仮 に 国 として 水 平 感 染 防 止 のための 対 策 が 必 要 であると 考 える 場 合 であっても 水 平 感 染 のハイリスク 群 ( 医 療 従 事 者 警 察 救 急 関 係 介 護 関 係 乳 幼 児 施 設 職 *17 上 記 須 磨 崎 班 報 告 は 森 島 恒 雄 B 型 肝 炎 の 母 子 感 染 および 水 平 感 染 の 把 握 とワクチン 戦 略 の 再 構 築 に 関 する 研 究 : 平 成 22 年 度 総 括 分 担 研 究 報 告 書 : 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 ( 肝 炎 等 克 服 緊 急 対 策 研 究 事 業 ) を 引 用 しているが 1982( 昭 和 56) 年 から2011( 平 成 23) 年 までの 間 に 集 団 感 染 体 液 感 染 の 可 能 性 を 示 す 主 な 報 告 として13 例 が 挙 げられているにとどまる *18 2015( 平 成 27) 年 1 月 9 日 開 催 の 第 12 回 厚 生 科 学 審 議 会 ( 予 防 接 種 ワクチン 分 科 会 予 防 接 種 基 本 方 針 部 会 )でも 小 児 ( 及 び 若 年 層 )の 水 平 感 染 については 母 子 感 染 予 防 のみでは 防 げない 集 団 感 染 や 家 族 内 感 染 などの 水 平 感 染 が 小 児 の 日 常 生 活 の 中 で 起 こっている 可 能 性 があると 考 えられま す ( 須 磨 崎 参 考 人 の 説 明 )など 抽 象 的 な 可 能 性 が 指 摘 されるにとどまっている - 8 -

員 高 頻 度 国 への 渡 航 者 等 HBVキャリアの 同 居 者 など)を 対 象 とした 任 意 接 種 の 公 費 助 成 制 度 などを 組 み 合 わせることによって 予 防 効 果 を 更 に 上 げることは 十 分 可 能 である *19 むしろ 日 本 のように 母 子 感 染 事 業 が 効 果 をあげている 国 の 場 合 には こうした 集 団 を 限 定 した 対 策 で 十 分 足 りるといえる 3 結 語 (1) 定 期 接 種 化 は 実 施 すべきではない 以 上 のように B 型 肝 炎 ワクチンについては 定 期 接 種 化 に 必 要 な 高 度 の 安 全 性 と 有 効 性 が 確 保 されているとはいえず また 母 子 感 染 防 止 事 業 が 成 功 しているなかで 敢 えて 定 期 接 種 化 しなければならない 公 衆 衛 生 政 策 上 の 必 要 性 があるとも 評 価 できな い したがって 少 なくとも 現 時 点 においては 定 期 接 種 化 を 基 礎 付 けるだけの 立 法 事 実 が 欠 けていることは 明 らかであるから 国 ( 厚 生 労 働 省 )は 定 期 接 種 化 を 実 施 すべ きではない (2) B 型 肝 炎 及 びB 型 肝 炎 ワクチンの 調 査 が 必 要 である 第 4,2(1) 及 び(2)で 指 摘 したように B 型 肝 炎 ワクチンに 関 しては 1 異 なる 遺 伝 子 型 に 対 する 有 効 性 と 2 新 生 児 に 対 する 安 全 性 がいずれも 明 らかとなっていると は 言 えないのであるから この 点 について 更 に 知 見 を 集 積 するなどの 調 査 が 必 要 であ る また B 型 肝 炎 ワクチンの 定 期 接 種 化 に 関 しても これを 基 礎 付 けるに 必 要 な 立 法 事 実 である 35 歳 児 のHBVキャリア 化 率 の 全 国 規 模 調 査 4 水 平 感 染 の 実 態 把 握 5 再 活 性 化 の 実 態 把 握 について いずれも 欠 けているかもしくは 不 十 分 であるから 少 なくともこれらの 点 は 調 査 すべきである (3) 国 は 正 確 な 情 報 を 提 供 すべきである 以 上 のようにB 型 肝 炎 ワクチンとその 定 期 接 種 化 については 未 解 明 不 十 分 な 点 が 散 見 されるが 現 実 に 母 子 感 染 防 止 事 業 や 任 意 接 種 などにより 使 用 されているのであ るから これら 未 解 明 不 十 分 な 点 があることも 含 め 正 確 な 情 報 を 広 く 国 民 に 提 供 すべきである 第 5 付 言 - 副 反 応 症 状 の 幅 広 い 収 集 を 省 令 案 では B 型 肝 炎 ワクチンの 定 期 接 種 化 に 際 しての 副 反 応 の 報 告 基 準 ( 予 防 接 種 後 症 状 が 確 認 されるまでの 期 間 )を アナフィラキシー 急 性 散 在 性 脳 脊 髄 炎 *19 前 掲 B 型 肝 炎 ワクチン 作 業 チーム 報 告 書 22 頁 では セレクティブワクチネーションを 採 用 し つつ 任 意 接 種 対 象 者 を 幅 広 くカバーする 制 度 を 採 用 している 国 として 英 国 北 欧 3カ 国 オランダ を 紹 介 している - 9 -

等 の 症 状 別 にそれぞれ 設 定 (4 時 間 ~28 日 )している このように 報 告 基 準 として 一 定 の 期 間 が 設 定 されている 場 合 設 定 された 期 間 後 に 副 反 応 症 状 が 認 められたとしても 期 間 後 であるという 理 由 からワクチン 接 種 との 実 質 的 な 関 連 性 が 考 慮 検 討 されることなく 報 告 対 象 から 外 されるという 事 態 が 往 々に して 生 じる しかし 期 間 後 に 生 じた 副 反 応 症 状 であっても ワクチン 接 種 との 関 連 性 が 認 めら れるか 又 は 疑 わしい 症 例 が 存 在 する 可 能 性 がある 定 期 接 種 に 用 いられるワクチン の 特 性 ( 多 くの 国 民 に 接 種 の 努 力 義 務 が 課 されること)からすれば こうした 症 例 も 幅 広 く 収 集 し 絶 えず 安 全 性 について 調 査 検 証 を 重 ねる 必 要 性 は 高 い したがって 仮 に 定 期 接 種 化 が 認 められた 場 合 であっても 省 令 案 が その 他 医 師 が 予 防 接 種 との 関 連 性 が 高 いと 認 める 症 状 であって 入 院 治 療 を 必 要 とするもの 死 亡 身 体 の 機 能 の 障 害 に 至 るもの 又 は 死 亡 若 しくは 身 体 の 機 能 の 障 害 に 至 るおそれの あるもの について 定 めた 報 告 期 間 である 予 防 接 種 との 関 連 性 が 高 いと 医 師 が 認 め る 期 間 には 設 定 した 報 告 期 間 後 の 副 反 応 症 状 も 含 まれるのであり 医 師 は 報 告 を 躊 躇 することのないよう 通 達 等 において 明 記 注 意 喚 起 するなど 副 反 応 症 状 の 幅 広 い 収 集 に 配 慮 した 運 用 が 必 要 不 可 欠 であることを 付 言 する 以 上 - 10 -