原 子 力 研 修 センターの 活 動 ( 平 成 19 年 度 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 原 子 力 研 修 センター (2008 年 12 月 19 日 受 理 ) 本 報 告 書 は 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 原 子 力 研 修 センターの 平 成 19 年 度 における 業 務 概 況 を まとめたものである 平 成 19 年 度 は 新 法 人 成 立 後 3 年 目 にあたり 年 間 で 予 定 されている 研 修 のみならず 随 時 研 修 を 行 うなど 外 部 ニーズに 柔 軟 に 対 応 するなど 新 しい 研 修 センターの 姿 が 定 着 化 しつつある 原 子 力 研 修 センターにおける 研 修 業 務 は 概 ね 順 調 に 遂 行 したが 国 内 研 修 コースの 受 講 者 数 は 466 人 と 前 年 度 を 若 干 下 回 った また 職 員 等 を 対 象 とした 技 術 研 修 の 受 講 者 は 694 人 であった 新 規 の 取 り 組 みとしては これまで 職 員 向 けに 実 施 してきた 核 燃 料 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 放 射 線 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 及 び 18 年 度 に 職 員 向 けに 試 行 した 原 子 力 放 射 線 部 門 技 術 士 試 験 準 備 講 座 を 一 般 向 けに 開 講 した 大 学 との 連 携 協 力 では 東 京 大 学 大 学 院 原 子 力 専 攻 ( 専 門 職 大 学 院 ) 及 び 同 国 際 専 攻 への 協 力 連 携 大 学 院 は 新 たに 2 校 加 わり 14 大 学 への 協 力 更 に 1 大 学 の 学 部 への 協 力 も 開 始 した また 19 年 度 より 開 始 した 文 科 省 経 産 省 の 原 子 力 人 材 育 成 プログラム への 協 力 も 実 施 した 大 学 連 携 ネットワークでは 18 年 度 までに 整 備 したカリキュラム 等 により 3 大 学 と 遠 隔 教 育 シス テムによる 共 通 講 座 を 開 始 するとともに 新 規 大 学 向 けに 試 行 版 実 習 を 実 施 した また 国 際 研 修 も 文 科 省 からの 受 託 により 年 度 当 初 の 計 画 に 従 って 実 施 し インドネシア タイ ベトナムを 対 象 に 講 師 育 成 研 修 講 師 海 外 派 遣 研 修 を 実 施 した さらに アジア 原 子 力 協 力 フォーラム(FNCA) 人 材 養 成 ワークショップを 開 催 し 人 材 養 成 ニーズとプログラムの 調 整 のためのアジア 原 子 力 教 育 訓 練 プログラム(ANTEP)を 進 展 させた 本 報 告 書 は 電 源 開 発 促 進 対 策 特 別 会 計 法 に 基 づき 文 部 科 学 省 から 委 託 されて 実 施 した 国 際 原 子 力 安 全 技 術 研 修 事 業 の 国 際 研 修 活 動 の 成 果 を 含 んでいる 原 子 力 科 学 研 究 所 : 319-1195 茨 城 県 那 珂 郡 東 海 村 白 方 白 根 2-4 i
Annual Report of Nuclear Technology and Education Center (April 1, 2007 - March 31, 2008) Nuclear Technology and Education Center Japan Atomic Energy Agency Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki-ken (Received December 19, 2008) This annual report summarizes the activities of Nuclear Technology and Education Center (NuTEC) of Japan Atomic Energy Agency (JAEA) in the fiscal year 2007. This is the third year since the inauguration of JAEA, and NuTEC now flexibly designs and carries out training courses upon request while carrying out the annually scheduled training programs. During this period, the number of trainees completing the domestic training courses was 466, and that for staff technical training was 694. Three prep-examination training courses for 1 st class radiation protection supervisor, Nuclear fuel protection supervisor and Professional engineer on nuclear and radiation which were opened only for staff members were newly opened to the public. JAEA continued its cooperative activities with universities; cooperation with graduate school of University of Tokyo, cooperative graduate school program with 14 graduate schools and 1 under-graduate school, and Nuclear HRD Program initiated by MEXT and METI implemented since 2007. Joint course has started networking 3 universities utilizing the Japan Nuclear Education Network, and trial experimental courses for students from newly participating universities were offered. International cooperation was also conducted as scheduled. Joint training course and Instructor training program were carried out bilaterally with Indonesia, Thailand and Vietnam. Human Resources Development Workshop under the Forum for Nuclear Cooperation in Asia was arranged, and Asian Nuclear Training and Education Program to enhance the matching of the needs and available training program of the participating countries were discussed. Keywords: NuTEC, Japan Atomic Energy Agency, Annual Report, Training Course, Education Center, Education Activities This report includes the results of International Education Activities under the auspices of the Ministry of Education, Culture, Sport, Science and Technology. ii
国 内 研 修 放 射 線 測 定 実 習 ( 第 1 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 ) 放 射 線 測 定 実 習 ( 第 3 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 ) 線 量 測 定 実 習 ( 放 射 線 安 全 管 理 コース) 沸 騰 熱 伝 達 実 験 実 習 ( 原 子 炉 研 修 一 般 課 程 ) 放 射 線 管 理 実 習 ( 放 射 線 基 礎 課 程 ) 放 射 線 従 事 者 指 定 教 育 講 座 ( 職 員 技 術 研 修 ) iii
国 際 研 修 講 師 育 成 研 修 (インドネシア) 講 師 育 成 研 修 (ベトナム) 講 師 海 外 派 遣 研 修 (インドネシア) 講 師 海 外 派 遣 研 修 (タイ) 講 師 海 外 派 遣 研 修 (ベトナム) FNCA 人 材 養 成 ワークショップ iv
目 次 はじめに 1 1. 概 要 2 1.1 組 織 体 制 2 1.2 国 内 研 修 3 1.3 国 際 研 修 4 1.4 職 員 技 術 研 修 4 2. 国 内 研 修 の 実 施 6 2.1 RI 放 射 線 技 術 者 の 養 成 6 2.1.1 第 281 回 基 礎 課 程 6 2.1.2 第 280 回 専 門 課 程 ( 放 射 線 安 全 管 理 コース) 6 2.1.3 第 281 回 専 門 課 程 ( 放 射 線 防 護 基 礎 コース) 7 2.1.4 登 録 講 習 第 35 36 回 第 1 種 作 業 環 境 測 定 士 ( 放 射 性 物 質 ) 講 習 8 2.1.5 登 録 講 習 第 152~159 回 第 1 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 8 2.1.6 登 録 講 習 第 4~6 回 第 3 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 9 2.2 原 子 力 エネルギー 技 術 者 の 養 成 10 2.2.1 第 34 回 原 子 力 入 門 講 座 10 2.2.2 第 67 回 原 子 炉 研 修 一 般 課 程 11 2.2.3 第 6 回 中 性 子 利 用 実 験 入 門 講 座 12 2.3 国 家 試 験 受 験 コース 12 2.3.1 原 子 炉 工 学 特 別 講 座 および 技 術 士 ( 原 子 力 放 射 線 部 門 ) 試 験 準 備 講 座 12 2.3.2 放 射 線 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 及 び 核 燃 料 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 13 2.4 平 成 19 年 度 原 子 力 専 門 官 研 修 14 2.5 大 学 との 連 携 協 力 15 2.5.1 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 原 子 力 専 攻 ( 専 門 職 大 学 院 ) 及 び 原 子 力 国 際 専 攻 15 2.5.2 連 携 大 学 院 への 協 力 15 2.5.3 原 子 力 人 材 育 成 プログラム 16 2.5.4 原 子 力 教 育 大 学 連 携 ネットワーク 16 2.6 その 他 17 2.6.1 各 種 イベントへの 参 加 講 師 派 遣 等 17 3. 国 際 研 修 等 の 実 施 19 3.1 国 際 原 子 力 講 師 育 成 事 業 19 3.1.1 講 師 育 成 研 修 19 3.1.2 講 師 海 外 派 遣 研 修 19 v
3.2 アジア 原 子 力 協 力 フォーラム(FNCA)における 人 材 育 成 関 連 の 活 動 20 3.2.1 人 材 養 成 ワークショップ 21 3.2.2 パネル 会 合 22 4. 職 員 等 技 術 研 修 の 実 施 23 4.1 安 全 教 育 23 4.1.1 放 射 線 安 全 教 育 23 4.1.2 労 働 安 全 教 育 24 4.2 原 子 力 技 術 教 育 26 4.2.1 核 燃 料 サイクル 技 術 教 育 26 4.2.2 FBR 技 術 教 育 28 4.2.3 国 家 資 格 取 得 支 援 29 4.2.4 共 通 技 術 教 育 30 4.2.5 安 全 解 析 コード 実 習 32 5. 研 修 のための 改 良 等 34 5.1 受 験 者 派 遣 先 等 へのアンケート 調 査 34 5.2 第 3 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 の 認 可 変 更 34 6. 施 設 の 維 持 管 理 36 6.1 整 備 補 修 状 況 等 36 6.1.1 原 子 力 科 学 研 究 所 施 設 36 6.1.2 核 燃 料 サイクル 工 学 研 究 所 内 施 設 37 6.2 放 射 線 管 理 状 況 38 6.2.1 原 子 力 科 学 研 究 所 施 設 38 6.2.2 核 燃 料 サイクル 工 学 研 究 所 施 設 39 7. 運 営 管 理 40 7.1 研 修 の 運 営 に 関 する 事 項 40 7.2 委 員 会 等 の 開 催 状 況 40 7.2.1 原 子 力 研 修 委 員 会 40 7.2.2 国 際 原 子 力 講 師 育 成 事 業 専 門 部 会 41 7.2.3 研 修 運 営 委 員 会 41 7.3 ワーキンググループ(WG)の 活 動 41 7.3.1 研 修 調 整 向 上 WG 41 7.3.2 炉 主 任 試 験 解 答 作 成 WG 41 7.3.3 広 報 担 当 WG 42 7.3.4 国 際 対 応 WG 42 vi
編 集 後 記 44 付 録 45 vii
Contents Preface 1 1. Outline of NuTEC Activities 2 1.1 Organization 2 1.2 Domestic Educational Courses 3 1.3 International Training Courses 4 1.4 Staff Technical Training Courses 4 2. Domestic Educational Courses 6 2.1 Training Courses on the Use of Radioisotopes and the Safe Handling of Radiation 6 2.1.1 The 281 th Basic Courses 6 2.1.2 The 280 th Professional Course (Radioisotope Course) 6 2.1.3 The 281 th Professional Courses (Radiation Protection Basic Courses 7 2.1.4 Qualification Course: The 35 rd and 36 th Courses for the First Class Working Environment Measurement Expert (Radioisotopes) 8 2.1.5 Qualification Course: The 152 th 159 st Courses for the First Class Radiation Protection Supervisor 8 2.1.6 Qualification Course: The 4 th 6 th Courses for the Third Class Radiation Protection Supervisor 9 2.2 Training Courses for Nuclear Engineers 10 2.2.1 The 34 rd Basic Reactor Engineering Course 10 2.2.2 The 67 th Reactor Engineering General Course (the latter course) 11 2.2.3 The 6 th Basic Neutron Utilization Experiment Courses 12 2.3 National Examination Course 12 2.3.1 Measuring Course of Qualifying Examination for Professional Engineer Nuclear and Radiation, and the Reactor Engineering Short Courses 12 2.3.2 Courses for the First Class Radiation Protection Supervisor Nuclear Fuel Handling Supervisor 13 2.4 Nuclear Professional Inspector Course 14 2.5 Cooperation with Universities 15 2.5.1 Cooperation in Setting Nuclear Professional School, School of Engineering, with the University of Tokyo, and Nuclear International Professional 15 2.5.2 Cooperation with Other Universities 15 2.5.3 Nuclear Human Resource Program 16 viii
2.5.4 Network for Cooperation with Universities 16 2.6 Others 17 2.6.1 Participation to Various Events and Dispatch of Instructors 17 3. International Training Courses 19 3.1 International Training Courses on Nuclear Energy Safety Technology 19 3.1.1 Instructor Training Programs for Asian Countries 19 3.1.2 Bilateral Joint Training Courses 19 3.2 Activities of Human Resources Training Projects on Forum for Nuclear Cooperation in Asia 20 3.2.1 Human Resource Workshop 21 3.2.2 Panel Meeting 22 4. Staff Technical Training Courses 23 4.1 Safety Trainings 23 4.1.1 Radiological Safety Training 23 4.1.2 Occupational Safety Training 24 4.2 Nuclear Technology Educations 26 4.2.1 Nuclear Fuel Cycle Technology Education 26 4.2.2 FBR Technology Education 28 4.2.3 A Support for License Examinations Related Nuclear Technology 29 4.2.4 General Technology Education 30 4.2.5 Safety Analysis Codes Training 32 5. Improvement of Education Programs 34 5.1 Investigation of questionnaires to the Trainees dispatch side 34 5.2 Procedures of approval modification for the 3 rd grade RI supervisor 34. 6. Maintenance of Facilities 36 6.1 Maintenance at the NuTEC Facilities 36 6.1.1 Facilities at the Nuclear Science Research Institute 36 6.1.2 Facilities at the Nuclear Fuel Cycle Engineering Laboratories 37 6.2 Radiation Control Condition 38 6.2.1 Facilities at the Nuclear Science Research Institute 38 6.2.2 Facilities at the Nuclear Fuel Cycle Engineering Laboratories 39 7. Management of NuTEC Activities 40 7.1 Affairs of Course Management.40 ix
7.2 Activities of Committees 40 7.2.1 Committee on Nuclear Educations and Trainings 40 7.2.2 Subcommittee on International Training Courses of Nuclear Safety Technology 41 7.2.3 Committee on Management of Trainings 41 7.3 Activities of Working Groups 41 7.3.1 Working Group on Improvement of Training Courses 41 7.3.2 Working Group on Keys of Examination for Supervisor License of Reactor Techniques 41 7.3.3 Working Group on Publicity of the NuTEC 42 7.3.4 Working Group on International 42 Editorial Postscript 44 Appendices 45 x
はじめに 原 子 力 技 術 者 の 高 齢 化 と 退 職 者 の 増 加 原 子 力 技 術 の 継 承 問 題 若 者 の 原 子 力 離 れ 大 学 にお ける 原 子 力 教 育 の 大 括 り 化 による 希 薄 化 などを 受 け 我 が 国 における 原 子 力 人 材 育 成 の 重 要 性 が 近 年 強 く 指 摘 されている 世 界 的 にもアジア 地 区 を 中 心 とするエネルギー 需 要 の 増 大 化 石 燃 料 の 高 騰 地 球 温 暖 化 への 配 慮 等 から 原 子 力 ルネッサンスが 言 われており それに 伴 う 原 子 力 人 材 育 成 が 急 務 である 原 子 力 委 員 会 が 策 定 した 原 子 力 政 策 大 綱 ( 平 成 17 年 10 月 11 日 ) において は 研 究 開 発 機 関 は 原 子 炉 主 任 技 術 者 放 射 線 取 扱 主 任 者 原 子 力 放 射 線 技 術 士 等 の 専 門 的 な 技 能 と 資 格 を 備 えた 人 材 が 専 門 家 としての 十 分 な 能 力 を 維 持 できるよう 継 続 的 な 教 育 訓 練 の 機 会 を 提 供 していくことが 重 要 と 指 摘 している また 平 成 19 年 9 月 に 発 足 した 産 官 学 による 原 子 力 人 材 育 成 関 係 者 協 議 会 では 我 が 国 の 原 子 力 人 材 育 成 に 関 する 中 長 期 的 な 課 題 について 検 討 し 解 決 の 方 向 を 提 言 することとしている 平 成 17 年 10 月 1 日 に 発 足 した 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 ( 以 下 原 子 力 機 構 という )では 設 置 法 において 原 子 力 に 関 する 研 究 者 及 び 技 術 者 を 養 成 し 及 びその 資 質 の 向 上 を 図 ること と 記 載 され 原 子 力 人 材 育 成 を 原 子 力 機 構 が 行 う 業 務 の 一 つに 明 確 に 位 置 付 けるとともに 原 子 力 機 構 の 中 期 計 画 において 原 子 力 研 修 センターが 主 として 担 う 人 材 育 成 に 関 する 役 割 を 以 下 の ように 明 記 している (1) 研 修 による 人 材 育 成 ( 原 子 炉 研 修 RI 放 射 線 研 修 職 員 技 術 研 修 国 際 研 修 ) (2) 大 学 との 連 携 による 人 材 育 成 ( 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 原 子 力 専 攻 ( 専 門 職 修 士 課 程 ) への 協 力 連 携 大 学 院 制 度 に 基 づく 協 力 等 ) 上 記 の 役 割 を 達 成 するため 原 子 力 研 修 センターでは (a) 業 務 グループ (b) 原 子 力 研 修 グループ( 研 修 を 効 果 的 に 実 施 するため センター 内 で 原 子 炉 研 修 RI 放 射 線 研 修 職 員 原 子 力 技 術 研 修 の 3 つのサブグループに 細 分 ) (c) 国 際 研 修 グループ 及 び(d) 大 学 連 携 協 力 グ ループを 設 けて 原 子 力 分 野 の 技 術 研 修 を 実 施 している 平 成 19 年 度 は 原 子 力 機 構 が 定 めた 年 度 計 画 に 沿 って 研 修 による 人 材 育 成 及 び 大 学 との 連 携 協 力 による 人 材 育 成 事 業 を 進 めた 研 修 による 人 材 育 成 では 原 子 炉 工 学 放 射 線 利 用 法 定 資 格 等 の 取 得 に 関 する 研 修 を 実 施 するとともに 行 政 側 のニーズに 沿 った 原 子 力 専 門 知 識 や 防 災 対 応 など 柔 軟 に 対 応 した 臨 時 研 修 を 実 施 した 国 際 研 修 では インドネシア タイ ベトナムを 対 象 として 講 師 育 成 研 修 等 を 予 定 通 り 実 施 した また 原 子 力 委 員 会 が 主 催 するアジア 原 子 力 協 力 フォーラム(FNCA)では 人 材 養 成 ワークショップ を 開 催 するとともに 人 材 育 成 に 関 する 第 1 回 パネル 会 合 に 全 面 的 に 協 力 した 大 学 との 連 携 では 教 官 の 派 遣 や 学 生 の 受 入 等 によ り 東 京 大 学 大 学 院 原 子 力 専 攻 及 び 原 子 力 国 際 専 攻 や 連 携 大 学 院 制 度 に 基 づく 協 力 を 拡 充 すると とともに リアルタイムの 遠 隔 教 育 システムとして 連 携 大 学 ネットワークを4 月 より 開 始 した さらに 19 年 度 より 開 始 した 文 部 科 学 省 と 経 済 産 業 省 の 公 募 による 原 子 力 人 材 育 成 プログラムの 採 択 大 学 及 び 高 等 専 門 学 校 への 協 力 を 開 始 した 本 報 告 書 は これら 原 子 力 機 構 原 子 力 研 修 センターの 平 成 19 年 度 における 業 務 概 況 をとりま とめたものである - 1 -
1. 概 要 平 成 19 年 度 はほぼ 年 度 計 画 どおりに 国 内 研 修 国 際 研 修 大 学 との 連 携 協 力 等 を 実 施 した 他 機 構 内 で 新 たに 発 足 した 原 子 力 人 材 育 成 関 係 部 門 協 議 会 の 事 務 局 として 技 術 系 職 員 の 人 材 育 成 に 係 る 検 討 を 実 施 した 国 内 研 修 では 年 度 計 画 に 従 い RI 放 射 線 技 術 者 の 養 成 に 関 する 研 修 原 子 力 エネルギー 技 術 者 の 養 成 に 関 する 研 修 を 実 施 した 更 に 従 来 職 員 向 けの 研 修 であった 2 つの 講 座 ( 放 射 線 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 核 燃 料 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 )について 外 部 受 講 者 を 対 象 とする 研 修 を 開 始 し た このほか 年 度 計 画 にない 講 習 でも 機 構 外 からのニーズに 柔 軟 に 対 応 し 経 済 産 業 省 原 子 力 安 全 保 安 院 や 文 部 科 学 省 からの 要 請 に 応 えて 随 時 講 師 派 遣 や 研 修 を 実 施 した 国 際 研 修 等 では 文 部 科 学 省 からの 受 託 国 際 原 子 力 安 全 技 術 研 修 事 業 において インドネ シア ベトナム タイを 対 象 とした 講 師 育 成 事 業 等 の 国 際 研 修 を 継 続 して 実 施 するとともに IAEA との 共 催 による 保 障 措 置 トレーニングコースを 開 催 した さらに 近 隣 アジア 諸 国 にお ける 原 子 力 安 全 確 保 水 準 調 査 においては 人 材 養 成 研 究 炉 利 用 電 子 加 速 器 のテーマでそれ ぞれ 中 国 フィリピン マレーシアでワークショップを 開 催 し 報 告 書 を 取 りまとめた また 原 子 力 委 員 会 主 催 のアジア 原 子 力 協 力 フォーラム(FNCA) 人 材 育 成 に 関 する 第 1 回 パネル 会 合 に 全 面 的 に 協 力 した 一 方 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 原 子 力 専 攻 ( 専 門 職 大 学 院 ) 原 子 力 国 際 専 攻 への 講 師 派 遣 実 習 実 施 等 の 協 力 に 加 え 連 携 大 学 院 協 力 協 定 を 締 結 した 14 大 学 との 間 で 客 員 教 員 の 派 遣 等 の 機 構 窓 口 調 整 業 務 などを 実 施 した また 連 携 大 学 ネットワークでは 平 成 18 年 度 に 整 備 したリアルタイム 遠 隔 教 育 システムを 利 用 して 東 京 工 業 大 学 金 沢 大 学 福 井 大 学 の 3 大 学 間 で 共 通 講 座 ( 前 期 1 科 目 後 期 1 科 目 )を 新 規 に 開 講 し 実 施 した 大 学 及 び 高 等 専 門 学 校 における 原 子 力 の 人 材 育 成 教 育 の 充 実 を 図 るため 平 成 19 年 度 より 文 部 科 学 省 と 経 済 産 業 省 が 連 帯 して 策 定 した 原 子 力 人 材 育 成 プログラム では 採 択 された 大 学 高 等 専 門 学 校 等 からの 要 請 に 応 え 出 張 講 義 実 験 実 習 施 設 見 学 などの 協 力 依 頼 に 応 じた 平 成 19 年 9 月 に 発 足 した 産 官 学 による 原 子 力 人 材 育 成 関 係 者 協 議 会 では 我 が 国 の 原 子 力 人 材 育 成 に 関 する 中 長 期 的 な 課 題 についての 検 討 に 協 力 した また 研 修 センターの 運 営 管 理 に 関 して 当 センター 内 にいくつかのワーキンググループを 設 置 し 研 修 の 調 整 向 上 広 報 活 動 などにあたった ( 澤 畠 隆 一 ) 1.1 組 織 体 制 当 センターの 組 織 は 業 務 グループ 原 子 力 研 修 グループ 国 際 研 修 グループ 大 学 連 携 協 力 グループの 4 つのグループから 構 成 され 原 子 力 研 修 グループの 中 に 3 つのサブグループが 存 在 する 以 下 にそれぞれのグループの 業 務 テーマを 示 す (1) 業 務 グループ 研 修 計 画 の 作 成 に 関 すること 原 子 力 研 修 センターの 授 業 料 に 関 すること - 2 -
原 子 力 研 修 センターの 庶 務 に 関 すること 前 各 号 に 掲 げるもののほか 原 子 力 研 修 センターの 他 の 所 掌 に 属 さない 業 務 に 関 すること (2) 原 子 力 研 修 グループ 原 子 力 に 係 る 研 究 者 及 び 技 術 者 の 研 修 に 関 すること (3) 国 際 研 修 グループ アジアにおける 原 子 力 人 材 育 成 に 係 る 国 際 研 修 に 関 すること (4) 大 学 連 携 協 力 グループ 原 子 力 教 育 に 係 る 大 学 との 連 携 協 力 に 関 すること なお 以 前 から 懸 案 となっている 教 官 の 高 齢 化 定 年 退 職 者 の 補 充 等 の 諸 問 題 については 機 構 内 公 募 制 度 に 基 づき 機 構 内 職 員 の 募 集 を 行 い 平 成 19 年 度 から 1 名 の 増 員 が 図 られた ま た 20 年 度 は 更 に 数 名 が 増 員 予 定 であり 教 官 の 減 少 傾 向 に 歯 止 めがかかった ( 澤 畠 隆 一 ) 1.2 国 内 研 修 各 業 務 テーマにおける 国 内 研 修 等 を 以 下 のとおり 開 催 した (1)RI 放 射 線 技 術 者 の 養 成 に 関 する 研 修 基 礎 課 程 を 1 回 開 催 し 受 講 者 は 16 名 であった 放 射 線 安 全 管 理 コース( 旧 ラジオアイソトープコース)を 1 回 開 催 し 受 講 者 は 11 名 であ った 放 射 線 防 護 基 礎 コースを 1 回 開 催 し 受 講 者 は 13 名 であった 登 録 講 習 ( 第 1 種 作 業 環 境 測 定 士 講 習 )を 2 回 開 催 し 受 講 者 は 14 名 であった 登 録 講 習 ( 第 1 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 )を 8 回 開 催 し 受 講 者 は 167 名 であった 登 録 講 習 ( 第 3 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 )を 3 回 開 催 し 受 講 者 は 60 名 であった 本 業 務 テーマの 研 修 における 修 了 者 は 338 名 であり 前 年 度 比 36 名 減 であった これは 第 1 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 の 受 講 生 の 減 少 によるところが 大 きい (2) 原 子 力 エネルギー 技 術 者 の 養 成 に 関 する 研 修 年 度 計 画 に 従 った 研 修 としては 原 子 炉 研 修 一 般 課 程 ( 前 期 課 程 )を 1 回 開 催 し 受 講 者 は 5 名 であった 原 子 炉 工 学 特 別 講 座 を 上 期 2 回 下 期 2 回 の 合 計 4 回 開 催 し 下 期 のみを 受 講 した 8 名 を 加 えると 総 受 講 者 は 64 名 であった 中 性 子 利 用 実 験 入 門 講 座 を 1 回 開 催 し 受 講 者 は 16 名 であった 今 年 度 新 たに 外 部 開 放 した 講 座 は 以 下 のとおり 原 子 力 放 射 線 部 門 技 術 士 試 験 受 験 対 策 講 座 を 1 回 開 催 し 受 講 者 は 6 名 であった 放 射 線 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 を 1 回 開 催 し 受 講 者 は 外 部 1 名 ( 機 構 内 12 名 )であった 核 燃 料 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 を 1 回 開 催 し 受 講 者 は 外 部 12 名 ( 機 構 内 18 名 )であった 年 度 計 画 にない 随 時 研 修 としては 原 子 力 入 門 講 座 を 1 回 開 催 し 受 講 者 は 11 名 であった - 3 -
原 子 力 保 安 検 査 官 基 礎 研 修 を 3 回 開 催 し 受 講 者 は 29 名 であった 原 子 力 安 全 規 制 業 務 研 修 を 1 回 開 催 し 受 講 者 は 9 名 であった 原 子 力 専 門 官 研 修 ( 旧 原 子 力 行 政 官 セミナー)を 1 回 開 催 し 受 講 者 は 5 名 であった 本 業 務 テーマの 研 修 における 修 了 者 は 158 名 ( 放 射 線 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 及 び 核 燃 料 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 については 外 部 受 講 生 のみ 計 数 )であり 前 年 度 比 8 名 増 であった 表 1.2 に 平 成 19 年 度 の 開 催 コース 及 び 過 去 5 年 間 の 受 講 者 数 一 覧 を 示 す また 付 録 A2~A4 に 研 修 実 績 受 講 者 数 及 びカリキュラムを 示 す ( 澤 畠 隆 一 ) 1.3 国 際 研 修 文 部 科 学 省 からの 委 託 事 業 国 際 原 子 力 講 師 育 成 事 業 により アジア 太 平 洋 地 域 の 原 子 力 人 材 養 成 に 資 するため 同 地 域 の 原 子 力 技 術 者 等 に 研 修 を 行 い 原 子 力 技 術 者 等 の 技 術 及 び 知 識 の 向 上 を 図 った また 同 委 託 事 業 近 隣 アジア 諸 国 における 原 子 力 安 全 確 保 水 準 調 査 により 人 材 養 成 ワークショップを 開 催 して 近 隣 アジア 諸 国 の 原 子 力 研 究 施 設 放 射 線 利 用 施 設 等 の 安 全 対 策 及 びそれらの 施 設 に 係 る 人 材 の 養 成 状 況 について その 水 準 及 び 実 態 に 関 する 正 確 な 情 報 意 見 交 換 を 行 い 国 民 各 層 に 対 する 広 報 対 策 の 活 用 に 資 した ( 坂 本 隆 一 ) 1.4 職 員 技 術 研 修 機 構 内 の 職 員 等 を 対 象 とした 技 術 研 修 は 安 全 教 育 原 子 力 技 術 教 育 の 2 つに 分 け 計 40 講 座 57 回 を 実 施 した ( 平 成 18 年 度 は 計 36 講 座 50 回 ) (1) 安 全 教 育 安 全 教 育 に 関 しては 放 射 線 安 全 教 育 5 講 座 10 回 ( 新 入 職 員 放 射 線 等 安 全 研 修 1 回 を 含 む) 労 働 安 全 教 育 講 座 10 講 座 18 回 を 実 施 し 受 講 者 の 合 計 は 439 名 であった (2) 原 子 力 技 術 教 育 原 子 力 技 術 教 育 に 関 しては 核 燃 料 サイクル 技 術 教 育 4 講 座 5 回 FBR 技 術 教 育 5 講 座 6 回 国 家 資 格 取 得 支 援 教 育 2 講 座 4 回 共 通 技 術 教 育 としては これまで 実 施 していた 特 許 講 座 に 新 たに 著 作 権 を 加 えた 新 規 の 知 的 財 産 管 理 講 座 を 含 め 9 講 座 9 回 安 全 解 析 コード 実 習 としては 再 開 した 耐 震 解 析 コード 実 習 講 座 (FINAS) を 含 め 5 講 座 5 回 を 実 施 し 受 講 者 の 合 計 は 255 名 ( 外 部 受 講 者 24 名 を 含 む)であった 更 に 原 子 力 技 術 教 育 の 一 環 とし て 3 回 実 施 した 特 別 講 演 の 一 般 参 加 者 は 77 名 であった なお 核 燃 料 サイクル 技 術 教 育 のう ち 再 処 理 技 術 講 座 は 準 備 をしていたものの 受 講 希 望 者 が 少 なく 休 講 としたが 電 気 技 術 者 等 の レベルアップ 講 座 2 講 座 ( 電 験 3 種 レベル 及 び 電 験 2 種 レベル)を 臨 時 開 催 した 以 上 の 安 全 教 育 と 原 子 力 技 術 教 育 を 合 わせた 平 成 19 年 度 受 講 者 数 は 計 694 名 ( 延 受 講 者 数 は 52,737 名 ( 昭 和 55 年 度 ~ 平 成 5 年 度 の 人 事 研 修 講 座 及 び 平 成 19 年 度 の 外 部 受 講 者 を 含 む)) であった 平 成 18 年 度 の 545 名 に 比 べると 大 きく 増 加 している しかし その 増 加 人 数 には 平 成 19 年 度 から 開 講 した 普 通 救 命 講 習 講 座 受 講 者 の 79 名 が 大 きく 寄 与 しており これを 差 し 引 いた 614 人 は 平 成 17 年 度 の 617 名 とほぼ 同 じレベルであり ここ 数 年 の 受 講 者 数 の 傾 向 - 4 -
としては 全 体 数 が 増 加 した 新 法 人 となってからも 漸 減 傾 向 が 継 続 している また 技 術 研 修 のほか 講 義 室 教 育 用 ビデオ 等 研 修 施 設 設 備 の 提 供 を 行 っており 研 修 施 設 の 利 用 者 は 4518 人 ビデオ 等 教 材 の 利 用 件 数 は 402 件 であった ( 松 田 健 二 ) - 5 -
2. 国 内 研 修 の 実 施 2.1 RI 放 射 線 技 術 者 の 養 成 2.1.1 第 281 回 基 礎 課 程 本 コースは 昭 和 32 年 に( 旧 ) 日 本 原 子 力 研 究 所 ラジオアイソトープ 研 修 所 (RIS)が 東 京 駒 込 に 発 足 して 以 来 継 続 実 施 されてきた 最 も 長 い 歴 史 を 持 つ 研 修 コースである その 間 様 々な 変 遷 があったが 特 に 平 成 14 年 には RIS が 閉 所 になり 平 成 15 年 からはその 機 能 が 東 海 研 究 所 に 移 転 され 本 コースを 含 めた RIS での 研 修 コースは 同 年 以 来 東 海 研 究 センターの 研 修 施 設 において 実 施 されている 本 コースでは RI 放 射 線 の 物 理 化 学 生 物 測 定 等 の 基 礎 またその 安 全 取 扱 利 用 技 術 分 析 及 び 測 定 技 術 などの 講 義 と 実 習 を 通 してこの 分 野 の 基 礎 を 幅 広 く 習 得 することを 目 的 とし 第 1 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 の 取 得 にも 役 立 つコースとしてカリキュラムが 編 成 されている 本 コー スでは RI 放 射 線 に 関 する 基 礎 と 応 用 の 広 範 囲 な 講 義 に 加 え 放 射 線 測 定 管 理 技 術 放 射 化 学 トレーサー 利 用 など 多 用 な 実 習 があり 全 研 修 期 間 の 約 半 分 が 実 習 に 当 てられている この ようなカリキュラムを 通 して 座 学 だけでは 難 しい 放 射 線 に 関 する 体 験 的 理 解 を 深 めることがで きる このことがコース 発 足 以 来 の 大 きな 特 徴 になっている 本 年 度 は 第 281 回 目 として 平 成 19 年 6 月 18 日 ~7 月 6 日 に 定 員 を 上 回 る 16 名 ( 定 員 12 名 )の 参 加 を 得 て 実 施 された 内 訳 は 電 力 会 社 関 係 3 官 公 庁 関 係 5 原 子 力 関 連 会 社 ( 電 力 関 係 以 外 )5 機 構 職 員 2 その 他 1 であった 今 回 も 定 員 を 若 干 上 回 ったが 実 習 講 師 の 配 慮 もあって 特 に 問 題 なく 実 施 された ただし 研 修 生 の 1 人 が 個 人 的 事 情 のため 途 中 で 帰 郷 することになり 修 了 者 は 合 計 15 であった アンケートによれば 本 コースを 受 講 する 研 修 生 の 半 数 以 上 は 第 1 種 (または 第 2 種 ) 放 射 線 取 扱 主 任 者 試 験 を 受 験 する 予 定 がある 第 274 回 から 導 入 された 総 合 演 習 は 第 1 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 試 験 を 模 擬 した 試 験 であり これによって 研 修 生 自 身 の 理 解 度 の 自 己 把 握 と 相 対 評 価 に 役 立 ててもらっている 今 回 の 参 加 者 の 試 験 成 績 は これまでの 平 均 点 52.6 点 に 対 し 46.4 点 と やや 低 い 点 であった 本 コースに 対 する 有 効 性 の 評 価 結 果 は 役 立 つ または 非 常 に 役 立 つ の 合 計 が 100%となり 高 い 評 価 を 得 た 施 設 見 学 では 原 科 研 内 にある 研 究 炉 JRR-3 および 那 珂 核 融 合 研 究 所 を 見 学 した 原 子 力 放 射 線 の 先 端 の 研 究 内 容 と 施 設 の 見 学 学 習 も 講 義 実 習 と 共 に 当 地 での 研 修 の 一 環 として 有 意 義 であったと 思 われる ( 櫛 田 浩 平 ) 2.1.2 第 280 回 専 門 課 程 ( 放 射 線 安 全 管 理 コース) 今 年 度 は 8 月 23 日 ( 木 )から 9 月 11 日 ( 火 )まで 14 日 間 開 催 した このコースは 主 に 厚 生 労 働 省 職 員 を 受 講 者 として 国 家 公 務 員 向 けに 実 施 してきたものであるが 基 礎 課 程 初 級 コー スを 廃 止 したこともあって 昨 年 度 から 民 間 からの 受 講 者 も 受 け 入 れている 今 年 度 の 受 講 者 数 は 11 名 ( 定 員 12 名 )で 内 訳 は 厚 生 労 働 省 労 働 局 から 8 名 文 部 科 学 省 から 1 名 民 間 会 - 6 -
社 から 2 名 であった 昨 年 度 と 同 じカリキュラムでの 実 施 であったが いくつかの 課 目 では 講 師 を 交 代 している 受 講 者 に 対 するアンケート 調 査 による 3 段 階 のコース 総 合 評 価 では 役 立 つ が 55% どちらとも 言 えない が 45% 役 立 たない が 0%であった 厚 生 労 働 省 からの 受 講 者 に は 原 子 力 放 射 線 事 業 所 に 関 する 業 務 がないなど 原 子 力 分 野 との 接 点 が 今 までにあまりなか った 人 が 多 く 評 価 が 例 年 より 悪 く 出 た 様 である 課 目 の 個 別 評 価 でみると 例 年 と 同 じように 基 礎 的 な 課 目 を 難 解 と 感 じた 受 講 者 が 多 く 理 解 を 深 めるために 演 習 を 入 れつつ 講 義 を 進 めて 欲 しい 予 習 ができる 様 に 事 前 にテキストを 送 付 して 欲 しい 等 の 意 見 があった その 一 方 で 実 習 全 般 については 直 に 経 験 できることに 加 え 内 容 について 考 える 機 会 を 持 てて 良 かった と 概 ね 好 評 であった 施 設 見 学 については 今 年 度 は 不 運 にも 柏 崎 原 発 の 停 止 のため 燃 料 加 工 工 場 が 運 転 を 控 えたり JRR-4 が 起 動 時 であったため 施 設 が 稼 動 していない 状 態 での 見 学 となり 残 念 であった また 本 コースの 受 講 者 は RI 放 射 線 に 関 しては 初 心 者 であることが 多 く 例 年 いき なり 本 格 的 な 講 習 でとまどった 等 のコメントが 多 い そこで 今 年 度 は 少 しでもコースへの 導 入 となるよう 自 由 参 加 の 形 式 で 休 日 に 原 子 力 科 学 技 術 館 などの 原 子 力 関 係 展 示 館 の 見 学 ツアーを 行 った 受 講 者 11 人 中 7 名 が 参 加 し 原 子 力 放 射 線 をより 身 近 に 感 じられたと 評 判 は 良 かった 様 である 生 活 面 については 例 年 通 り 真 砂 寮 に 対 する 指 摘 苦 情 が 多 かったが 今 年 度 は 寮 の 近 く のコンビニが 無 くなったことから 自 転 車 の 貸 与 希 望 が 多 く 寄 せられた ( 生 田 優 子 ) 2.1.3 第 281 回 専 門 課 程 ( 放 射 線 防 護 基 礎 コース) 本 コースは 原 子 力 発 電 所 等 の 放 射 線 防 護 管 理 関 係 業 務 に 従 事 している 比 較 的 経 験 の 浅 い 人 を 対 象 にし 実 務 に 直 接 役 に 立 つ 基 礎 的 な 知 識 と 技 術 を 講 義 演 習 実 習 等 を 通 じて 体 系 的 に 習 得 させることを 目 的 としている コースは 講 義 35 単 位 演 習 12 単 位 実 習 33 単 位 施 設 見 学 等 で 構 成 される 第 281 回 は 11 月 12 日 から 12 月 7 日 まで 4 週 間 開 催 した 受 講 者 数 は 13 名 ( 定 員 12 名 ) で 内 訳 は 官 公 庁 2 名 原 子 力 発 電 所 関 係 8 名 機 構 職 員 から 3 名 であった 平 均 年 齢 27.9 歳 の 活 発 な 集 団 で 研 修 生 間 のコミュニケーションも 良 く 滞 りなく 19 日 間 の 全 行 程 を 修 了 した 受 講 者 に 対 するアンケートでは コース 全 体 の 総 合 評 価 が 92%と 好 評 で 特 に 実 習 について は 理 解 度 及 び 有 効 性 ともに 4 段 階 評 価 で 平 均 3.6 以 上 と 高 い 評 価 を 得 ている その 一 方 要 改 善 とされた 項 目 としては 講 義 時 間 の 長 短 講 義 内 容 の 重 複 演 習 問 題 の 配 布 時 期 及 び 専 門 用 語 の 説 明 の 不 足 があげられた 前 者 2 項 目 については 講 師 の 意 向 及 び 担 当 者 が 聴 講 した 結 果 を 踏 まえ 次 年 度 カリキュラムより 線 量 測 定 と 物 理 演 習 を 単 位 増 管 理 技 術 測 定 演 習 を 単 位 減 放 射 線 の 生 物 影 響 と 放 射 線 の 人 体 影 響 を 統 合 して 講 師 を 1 人 に 環 境 放 射 線 モニタリング と 環 境 試 料 モニタリング を 統 合 して 講 師 を 1 人 にする 予 定 で ある 専 門 用 語 については 受 講 者 の 水 準 にばらつきがあるとはいえ 各 講 義 のキーワードを 提 示 する 等 の 配 慮 が 必 要 かもしれない - 7 -
また 生 活 面 では 例 年 同 様 に 真 砂 寮 の 衛 生 面 運 営 管 理 に 対 する 不 満 が 多 く 述 べられ 対 応 策 として 次 年 度 は 宿 泊 所 として 真 砂 寮 を 受 講 者 に 紹 介 しないこととなったが 本 コースは 4 週 間 に 及 ぶため 費 用 面 からも 寮 への 受 け 入 れは 柔 軟 に 対 応 することが 必 要 であろう ( 生 田 優 子 ) 2.1.4 登 録 講 習 第 35 36 回 第 1 種 作 業 環 境 測 定 士 ( 放 射 性 物 質 ) 講 習 本 講 習 は 作 業 環 境 測 定 士 登 録 の 資 格 取 得 のために 必 修 の 登 録 講 習 で 対 象 者 は 毎 年 8 月 に 実 施 されている 第 一 種 作 業 環 境 測 定 士 ( 放 射 性 物 質 ) 試 験 の 合 格 者 及 び 法 律 に 定 める 試 験 免 除 者 で 既 に 必 要 な 実 務 講 習 を 修 了 している 者 である 講 習 内 容 は 前 年 度 と 変 更 なく 放 射 性 物 質 に 関 する 測 定 および 分 析 に 関 する 講 義 と 実 習 であった 2 日 間 の 講 習 は 講 義 2 つ 実 習 5 つ 及 び 修 了 試 験 の 構 成 で 時 間 的 にも 内 容 的 にも 忙 しい 講 習 となっている 今 年 度 は 第 35 回 を 平 成 19 年 12 月 20 日 21 日 の 2 日 間 第 36 回 を 平 成 20 年 1 月 17 日 18 日 の 2 日 間 それぞれ 開 催 した 第 35 回 の 受 講 生 は 8 名 ( 定 員 16 名 )で 内 訳 は 大 学 2 名 民 間 企 業 3 名 医 療 関 係 者 1 名 機 構 職 員 2 名 であった 第 36 回 は 受 講 生 が 6 名 ( 定 員 16 名 )で 内 訳 は 民 間 企 業 3 名 医 療 関 係 者 2 名 機 構 職 員 1 名 であった 昨 年 度 に 引 き 続 き 今 年 度 も 2 回 講 習 を 実 施 したが ともに 定 員 を 大 きく 割 り 込 む 結 果 となり 昨 年 度 より 更 に 受 講 者 数 が 減 少 していることから 開 催 回 数 を 再 考 する 必 要 がある 受 講 者 に 対 するアンケートでは 有 効 性 の 評 価 が 平 均 89.3%で 概 ね 良 好 であったが 事 前 に テキスト 及 び 配 布 資 料 が 欲 しい 講 習 期 間 が 短 い 等 のコメントがあった 生 活 面 では 2 日 間 の みの 講 習 で 実 習 レポート 等 の 関 係 で 昼 休 みの 時 間 が 十 分 に 取 れない 上 食 堂 利 用 に 不 便 さを 感 じている 受 講 者 が 多 く 次 年 度 からの 対 応 として 仕 出 し 弁 当 を 取 ることとなった また 管 理 区 域 に 立 入 る 前 に 必 要 となる 放 射 線 教 育 であるが 本 講 習 は 2 日 間 と 短 いため 講 習 期 間 中 に 放 射 線 教 育 に 必 要 な 講 義 時 間 数 を 確 保 することはできない 一 方 受 講 者 には 現 場 経 験 のない 者 医 療 関 係 者 等 が 多 く 放 射 線 安 全 教 育 を 受 けていないことが 多 いので 混 乱 を 避 けるため 次 年 度 からは 募 集 要 項 に 受 講 のためには 放 射 線 安 全 教 育 が 必 要 な 旨 を 明 記 すること とした ( 生 田 優 子 ) 2.1.5 登 録 講 習 第 152~159 回 第 1 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 本 講 習 は 放 射 性 同 位 元 素 等 による 放 射 線 障 害 の 防 止 に 関 する 法 律 ( 以 下 障 害 防 止 法 という )に 基 づき 昭 和 56 年 度 から 東 京 駒 込 の 東 京 研 修 センターで 開 始 した 本 講 習 の 受 講 対 象 者 は 毎 年 8 月 に 実 施 される 第 1 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 試 験 の 合 格 者 であり 放 射 線 取 扱 主 任 者 免 状 の 交 付 ( 取 得 )のために 本 講 習 の 受 講 は 必 須 である 本 講 習 の 課 目 と 時 間 数 は 障 害 防 止 法 の 講 習 の 時 間 数 等 を 定 める 告 示 により 規 定 されている すなわち 放 射 線 の 基 本 的 な 安 全 管 理 に 関 する 課 目 については 7 時 間 放 射 性 同 位 元 素 及 び 放 射 性 同 位 元 素 によって 汚 染 され た 物 並 びに 放 射 線 発 生 装 置 の 取 扱 いの 実 務 に 関 する 課 目 については 8 時 間 使 用 施 設 等 及 び 廃 棄 物 詰 替 施 設 等 の 安 全 管 理 の 実 務 に 関 する 課 目 については 3 時 間 放 射 線 の 量 及 び 放 射 性 同 位 元 素 による 汚 染 の 状 況 の 測 定 の 実 務 に 関 する 課 目 については 12 時 間 である またこの 講 習 にお - 8 -
いては 修 了 試 験 を 行 うことが 定 められている したがって 本 講 習 の 研 修 カリキュラムは こ れらの 規 定 に 基 づいて 講 義 実 習 ならびに 修 了 試 験 で 構 成 されている カリキュラムの 内 容 を 付 録 A4 の (5) 第 152 回 ~159 回 第 1 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 に 示 す 講 習 に 使 用 する 講 義 テキストは 日 本 アイソトープ 協 会 から 第 1 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 テキストとして 発 行 さ れている 放 射 線 安 全 管 理 の 実 際 (2 版 ) を また 実 習 には 研 修 センターが 作 成 したテキスト 使 用 している 本 講 習 の 各 回 の 受 講 定 員 は 32 名 である 平 成 19 年 度 は 講 習 を 5 月 の 連 休 明 けの 中 旬 から 開 始 した しかし 受 講 者 数 は 第 159 回 を 除 き 他 の 7 回 の 講 習 では 定 員 割 れとなった この 結 果 受 講 者 総 数 は 167 名 であり 前 年 度 に 比 べ 57 名 減 となった この 原 因 は 交 通 機 関 をはじめとす る 地 理 的 条 件 貸 与 宿 泊 施 設 の 老 朽 化 などによるものと 推 察 される 受 講 生 からのアンケートの 回 答 では 真 砂 寮 の 宿 泊 施 設 の 改 善 と 食 事 に 関 する 意 見 が 多 かった また 原 科 研 の 研 究 施 設 等 の 見 学 を 希 望 する 声 も 多 数 寄 せられた 昼 食 は 原 科 研 の 構 内 食 堂 を 利 用 してもらっているが 近 くに レストランや 商 店 街 がなく また 午 前 の 実 習 が 長 引 くと 昼 休 みの 時 間 がなくなってしまうなど の 意 見 も 寄 せられた このため 第 158 回 講 習 から 希 望 者 に 仕 出 し 弁 当 の 提 供 を 始 めたところ 受 講 者 の 8 割 以 上 が 利 用 し 大 変 好 評 であった したがって 弁 当 については 今 後 の 講 習 におい ても 継 続 することとした 受 講 者 の 所 属 機 関 は 病 院 診 療 所 大 学 研 究 機 関 核 燃 料 製 造 事 業 所 電 力 会 社 製 薬 会 社 などであった ( 服 部 隆 充 ) 表 2.1.5 第 1 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 の 受 講 者 数 ( 平 成 19 年 度 ) 項 目 152 回 153 回 154 回 155 回 156 回 157 回 158 回 159 回 実 施 日 5/14~ 5/18 5/21~ 5/25 11/26~ 11/30 12/10~ 12/14 1/21~ 1/25 2/4~ 2/8 2/25~ 3/29 3/10~ 3/14 合 計 受 講 者 数 7 名 5 名 19 名 31 名 23 名 20 名 30 名 32 名 167 名 2.1.6 登 録 講 習 第 4~6 回 第 3 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 本 講 習 は 放 射 性 同 位 元 素 等 による 放 射 線 障 害 の 防 止 に 関 する 法 律 に 基 づき 密 封 された 放 射 性 同 位 元 素 の 下 限 数 量 を 超 え その 1,000 倍 までを 使 用 する 者 ( 届 出 使 用 業 者 ) 放 射 性 同 位 元 素 を 業 として 販 売 する 者 ( 届 出 販 売 業 者 ) 放 射 性 同 位 元 素 を 賃 貸 する 者 ( 届 出 賃 貸 業 者 ) としての 第 3 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 免 状 の 交 付 を 希 望 する 者 を 対 象 に 平 成 18 年 度 から 開 始 した 講 習 の 課 目 と 時 間 数 は 法 令 により (1) 放 射 線 及 び 放 射 性 同 位 元 素 の 概 論 (1.5 時 間 ) (2) 放 射 線 の 基 本 的 な 安 全 管 理 に 関 する 課 目 (2 時 間 ) (3) 放 射 線 の 人 体 に 与 える 影 響 に 関 する 課 目 (1.5 時 間 ) (4) 法 律 に 関 する 課 目 (5) 放 射 線 の 量 の 測 定 及 びその 実 務 に 関 する 課 目 (3 時 間 )と 定 められている 付 録 A4(6)に 示 す 指 定 講 習 第 4~6 回 第 3 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 の 研 修 カリキュラムに 基 づいて 講 義 実 習 及 び 終 了 試 験 を 実 施 した 本 年 度 は18 年 度 と 同 様 に 第 4 回 から 第 6 回 まで 3 回 実 施 し 合 計 60 名 が 受 講 した 受 講 者 の 内 訳 は 機 構 以 外 からの 受 講 生 が 45 名 機 構 内 部 の 事 務 系 10 名 機 構 内 部 の 技 術 系 5 名 であった 前 年 度 に 比 較 して 機 構 外 部 からの 受 講 生 が 大 幅 に 増 加 したが 表 2.1.6 に 示 すように - 9 -
各 回 とも 定 員 (32 名 )を 満 たすことはなかった また 機 構 外 において 第 3 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 を 開 催 出 来 るように 資 格 講 習 業 務 規 程 の 変 更 を 行 い 文 部 科 学 大 臣 の 認 可 を 受 けた ( 村 上 清 信 ) 表 2.1.6 第 3 種 放 射 線 取 扱 主 任 者 講 習 の 受 講 者 数 第 4 回 第 5 回 第 6 回 合 計 受 講 者 数 29 名 13 名 18 名 60 名 2.2 原 子 力 エネルギー 技 術 者 の 養 成 2.2.1 第 34 回 原 子 力 入 門 講 座 本 講 座 は 原 子 力 分 野 で 日 の 浅 い 職 業 人 のための 原 子 炉 工 学 の 初 歩 的 なコースである 本 年 度 は 1 月 15 日 から 2 月 7 日 までの 4 週 間 実 施 した 受 講 者 は 11 名 ( 定 員 24 名 )であり 年 齢 は 18 才 から 31 才 であった 受 講 者 の 派 遣 元 内 訳 は 民 間 企 業 が1 名 国 家 公 務 員 が 4 名 機 構 職 員 が 6 名 であった 本 講 座 は 原 子 と 原 子 核 動 力 炉 のしくみ 核 融 合 法 令 等 の 講 義 が 約 5 割 霧 箱 による 放 射 線 飛 跡 の 観 察 JRR-1 原 子 炉 シミュレータ 等 の 実 習 が 約 3 割 JRR-4 や 燃 料 製 造 会 社 などの 施 設 見 学 が 約 2 割 の 時 間 比 率 であり 内 容 は 初 歩 的 ではあるが 広 範 なものとなっている 写 真 2.2.1 に 実 習 の 様 子 を 示 す 写 真 2.2.1 実 習 の 様 子 受 講 者 からは 実 習 によって 理 解 が 深 まった これまでの 疑 問 だったものが 講 座 に 参 加 して 理 解 することができた 等 の 意 見 があった 反 面 範 囲 が 広 く 十 分 に 理 解 できない 課 目 があった パワーポイントの 文 字 が 小 さく 見 えなかった 等 の 意 見 もあった また 宿 泊 施 設 ( 真 砂 寮 ) 生 活 関 連 に 対 しては エアコンが 不 調 で 寒 かった 自 転 車 の 利 用 案 内 をして 欲 しかった 等 の 改 善 意 見 があった ( 村 上 清 信 ) - 10 -
2.2.2 第 67 回 原 子 炉 研 修 一 般 課 程 本 課 程 は 原 子 炉 に 関 して 幅 広 く 学 習 する 総 合 的 なコースであり 前 期 課 程 ( 約 3 ヶ 月 )と 後 期 課 程 ( 約 3 ヶ 月 )から 成 っている 前 期 課 程 は 原 子 炉 に 係 る 基 礎 理 論 工 学 的 基 礎 原 子 炉 各 論 放 射 線 防 護 安 全 性 法 令 等 の 講 義 演 習 放 射 線 原 子 炉 物 理 原 子 炉 工 学 等 に 関 する 実 習 及 び 原 子 力 施 設 の 見 学 で 構 成 している 一 方 後 期 課 程 は 研 究 用 の 原 子 炉 施 設 (JRR-4) に 机 を 置 き JRR-4 管 理 課 員 等 の 指 導 による 原 子 炉 運 転 実 習 特 性 測 定 等 である 要 望 により 前 期 課 程 のみ 又 は 前 期 課 程 と 後 期 課 程 の 連 続 のいずれかを 選 択 して 受 講 できる 本 年 度 の 申 し 込 みは 前 期 課 程 のみであり 7 月 2 日 ~9 月 26 日 までの 計 12 週 間 実 施 した 受 講 者 は 5 名 ( 前 期 課 程 定 員 12 名 )であり 内 訳 は 電 力 会 社 から 4 名 独 立 行 政 法 人 ( 機 構 外 ) から 1 名 年 齢 は 24 才 から 30 才 であった ほとんどの 受 講 者 は 原 子 炉 主 任 技 術 者 を 目 指 しており 原 子 炉 に 関 する 知 識 の 吸 収 蓄 積 に 非 常 に 意 欲 的 である 講 師 に 質 問 して 講 義 時 間 が 終 了 予 定 時 刻 を 越 えたり 昼 休 みや 夕 方 も 講 義 室 やパソコン 室 において 議 論 しながら 演 習 問 題 や 実 習 のレポート 作 成 に 取 り 組 んだりと 研 修 期 間 中 の 様 子 は 従 来 と 同 様 に 熱 心 であった 実 習 の 様 子 を 写 真 2.2.2 に 示 す 実 習 に 関 し ては 従 来 から 大 変 好 評 であり 今 回 も 受 講 者 の 満 足 度 は 非 常 に 高 かった 実 習 に 適 した 施 設 設 備 を 持 つ 原 子 力 機 構 ならではと 自 負 できるも 写 真 2.2.2 熱 伝 達 の 特 性 を 調 べる 実 習 のである ただ 残 念 なことは 従 来 から 受 講 者 に 特 に 好 評 であった TCA での 実 習 が 今 年 度 から 行 えなくなってしまったことである そのた め 研 究 炉 加 速 器 管 理 部 の 協 力 をいただいて JRR-4 の 特 性 測 定 実 習 に 振 り 替 えた 原 子 力 施 設 の 見 学 に 関 しては 多 様 な 原 子 力 施 設 が 東 海 村 内 および 近 郊 に 存 在 しており 当 研 修 センターは 立 地 に 恵 まれている 見 学 した 施 設 は JRR-1 JRR-3 NSRR 再 処 理 施 設 常 陽 HTTR 原 子 燃 料 工 業 ( 株 ) 日 本 原 子 力 発 電 ( 株 )の 東 海 第 二 発 電 所 及 び 廃 炉 措 置 中 の 東 海 発 電 所 であった 今 後 も 訪 問 先 にご 理 解 をいただいて できるだけ 施 設 内 部 まで 見 学 できるように 努 めたい このコースは 期 間 が 長 いために 様 々なことが 起 こる これまで 受 講 者 の 中 に 風 邪 等 で 体 調 を 崩 す 者 が 出 ることがあったが 今 回 は 幸 いにしてなかった また 講 師 の 持 参 したファイルが 最 新 バージョンのソフトで 作 成 してあったため 講 義 室 の 古 いパソコンで 開 けることができなかった その 他 寝 坊 による 遅 刻 や 見 学 先 への 忘 れ 物 などがあった 受 講 者 同 士 では 飲 み 会 スポーツ やドライブを 楽 しみ 研 修 期 間 中 に 親 睦 を 深 めていた 様 子 であった 受 講 者 からは 第 一 線 の 研 究 者 等 からの 講 義 理 論 が 体 感 できる 実 習 東 海 村 ゆえの 様 々な 種 類 の 原 子 力 施 設 の 見 学 など 職 場 では 得 ることのできない 貴 重 な 研 修 ができたことや 職 場 が 異 - 11 -
なる 人 との 横 の 繋 がりができたなど 大 変 満 足 したとの 感 想 をいただいた 修 了 式 の 後 同 僚 や 後 輩 にも 本 研 修 を 勧 めてくれるようお 願 いしながら 受 講 者 を 見 送 った ( 掛 札 和 弘 ) 2.2.3 第 6 回 中 性 子 利 用 実 験 入 門 講 座 本 講 座 は 8 月 29 日 から 31 日 までの 3 日 間 実 施 した 後 述 の 理 由 により 例 年 より 約 1 月 半 遅 れての 実 施 となった 受 講 者 数 は 13 名 ( 定 員 16 名 )であった 内 訳 は 官 公 庁 6 名 (うち 機 構 職 員 5 名 ) 民 間 1 名 大 学 6 名 であった 本 講 座 は 中 性 子 を 利 用 したことのない 研 究 者 技 術 者 学 生 を 対 象 としている 初 日 は 中 性 子 散 乱 概 論 の 講 義 に 始 まり 6 種 類 の 実 験 の 概 要 の 説 明 があった 続 いて 受 講 者 の 希 望 する 実 験 科 目 を 集 計 調 整 の 上 次 に 示 す 6 つの 実 験 班 を 編 成 した 生 物 単 結 晶 回 折 装 置 (BIX-IV)1 名 粉 末 中 性 子 回 折 装 置 (HRPD)1 名 中 性 子 小 角 散 乱 装 置 (SANS-J)4 名 残 留 応 力 測 定 中 性 子 回 折 装 置 (RESA)3 名 中 性 子 ラジオグラフィ 装 置 (TNRF)3 名 即 発 ガンマ 線 分 析 装 置 (PGA)1 名 2 日 目 は 放 射 線 管 理 区 域 に 立 ち 入 るにあたっての 安 全 講 習 及 び 実 験 装 置 のある 研 究 用 原 子 炉 JRR-3 に 係 る 安 全 講 習 を 実 施 した 後 に 班 別 に 実 習 を 行 った 翌 日 の 発 表 会 に 向 けての 資 料 も 作 成 した 3 日 目 午 前 は JRR-3 の 見 学 に 続 いて 前 日 の 実 験 で 得 られた 成 果 を 各 班 15 分 の 割 当 てで 発 表 した 午 後 は 中 性 子 源 概 論 の 講 義 の 後 核 分 裂 炉 とは 異 なる 新 しい 中 性 子 発 生 装 置 である 大 強 度 陽 子 加 速 器 施 設 の 建 設 現 場 を 見 学 した 本 講 座 は 当 初 の 計 画 では 7 月 18 日 から 20 日 にかけて 開 催 する 予 定 でいた 応 募 締 切 日 ま でに 13 名 から 受 講 の 希 望 があった しかし 7 月 初 旬 原 子 力 科 学 研 究 所 において 安 全 確 認 点 検 調 査 を 急 きょ 開 始 することになり 本 講 座 の 実 習 で 利 用 する JRR-3 を 含 む 原 子 力 施 設 はほと んど 停 止 された このため 冒 頭 に 記 した 開 催 日 にやむをえず 延 期 した 日 本 中 性 子 科 学 会 がこれまで JRR-3 を 利 用 して 実 施 してきた 中 性 子 若 手 の 学 校 は 対 象 を 学 生 に 限 る 点 を 除 くと 内 容 は 本 講 座 とほぼ 同 一 であった そこで 18 年 度 からは 原 子 力 研 修 センターと 日 本 中 性 子 科 学 会 との 共 催 で 本 講 座 を 実 施 することになった 今 回 の 場 合 日 本 中 性 子 科 学 会 経 由 の 研 修 生 の 数 は 6 名 であった ( 小 室 雄 一 ) 2.3 国 家 試 験 受 験 コース 2.3.1 原 子 炉 工 学 特 別 講 座 および 技 術 士 ( 原 子 力 放 射 線 部 門 ) 試 験 準 備 講 座 2.3.1.1 第 57 58 回 原 子 炉 工 学 特 別 講 座 本 講 座 は 国 が 実 施 している 原 子 炉 主 任 技 術 者 筆 記 試 験 の 受 験 のために 必 須 の 知 識 を 全 10 日 間 ( 上 期 下 期 各 5 日 間 )に 集 中 して 学 習 する 講 座 である 本 年 度 は 第 57 回 講 座 を 6 月 4 日 ~6 月 8 日 ( 上 期 ) 11 月 12 日 ~11 月 16 日 ( 下 期 )に 東 京 において また 第 56 回 講 座 を 6 月 18 日 ~6 月 22 日 ( 上 期 ) 11 月 26 日 ~11 月 30 日 - 12 -
( 下 期 )に 関 西 で 開 催 した 受 講 者 は 第 57 回 が 上 期 32 名 下 期 36 名 第 58 回 が 上 期 24 名 下 期 27 名 ( 定 員 20 名 )であった 受 講 者 のほとんどは 電 力 会 社 またはその 関 連 会 社 の 社 員 で 原 子 炉 主 任 技 術 者 筆 記 試 験 の 受 験 予 定 者 である そのため 本 講 座 の 講 義 課 目 は 同 試 験 の 課 目 区 分 である 原 子 炉 理 論 原 子 炉 の 設 計 原 子 炉 の 運 転 制 御 原 子 炉 燃 料 材 料 放 射 線 測 定 障 害 防 止 原 子 炉 に 関 する 法 令 に 従 って 構 成 されている 各 課 目 への 時 間 配 分 は 課 目 の 一 般 的 難 易 度 や 前 年 度 のアンケートの 結 果 等 を 踏 まえて 原 子 炉 理 論 原 子 炉 の 設 計 原 子 炉 の 運 転 制 御 に 重 点 を 置 いた 本 講 座 は 他 のコースと 異 なり 実 習 がなく 9:00 から 17:30 まで 全 て 講 義 である 講 義 を 行 う 側 は 交 替 するが 聴 講 する 側 はそのままであり 集 中 力 の 維 持 が 要 求 される 毎 年 行 われる 上 記 の 原 子 炉 主 任 技 術 者 筆 記 試 験 では 東 京 大 学 の 原 子 力 専 攻 専 門 職 大 学 院 の 修 了 生 を 除 くと 合 格 率 が 10~20% 程 度 であるため 難 関 の 試 験 合 格 に 向 けた 受 講 者 の 並 々ならぬ 強 い 意 欲 が 感 じられ る 講 座 である ( 栗 原 良 一 ) 2.3.1.2 第 1 回 技 術 士 ( 原 子 力 放 射 線 部 門 ) 試 験 準 備 講 座 技 術 士 とは 技 術 士 法 に 基 づいて 行 われる 国 家 試 験 に 合 格 し 登 録 した 人 に 与 えられる 称 号 であり 科 学 技 術 に 関 する 高 度 な 応 用 能 力 を 備 えていることを 国 が 認 定 する 資 格 である 平 成 16 年 度 に 最 初 の 原 子 力 放 射 線 部 門 技 術 士 資 格 試 験 が 実 施 された 試 験 は 第 一 次 試 験 と 第 二 次 試 験 から 成 る 本 講 座 は 原 子 力 放 射 線 分 野 で 働 く 技 術 者 が 原 子 力 放 射 線 部 門 の 技 術 士 資 格 を 目 指 して 知 識 を 習 得 し 日 本 の 原 子 力 分 野 の 技 術 レベルを 高 めることを 目 的 に 開 設 された 平 成 19 年 5 月 21 日 ~6 月 1 日 に 茨 城 県 東 海 村 の 原 子 力 科 学 研 究 所 内 で 第 1 回 講 座 を 開 講 し 受 講 生 を 一 般 募 集 した 第 1 回 講 座 では 第 一 次 試 験 および 第 二 次 試 験 の 受 験 予 定 者 を 対 象 に 主 として 第 一 次 試 験 の 専 門 科 目 に 含 まれる 原 子 力 放 射 線 エネルギーの 各 分 野 を 中 心 にカリキュラムを 構 成 した 講 義 課 目 は これまでの 出 題 範 囲 や 今 後 の 傾 向 の 予 測 のもとに 選 定 した 講 義 時 間 数 は 1 単 位 70 分 として 原 子 力 関 係 の 講 義 25 単 位 放 射 線 関 係 の 講 義 19 単 位 エネルギー 関 係 の 講 義 6 単 位 講 義 全 体 で 50 単 位 とした 講 師 は 原 子 力 機 構 内 部 から 選 定 した 受 講 生 は 機 構 外 1 名 機 構 職 員 5 名 であった ( 栗 原 良 一 ) 2.3.2 放 射 線 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 及 び 核 燃 料 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 放 射 線 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 及 び 核 燃 料 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 は 職 員 向 けの 講 座 として 開 催 し いていたが 平 成 18 年 度 から 準 備 (テキスト 改 訂 研 修 生 募 集 案 内 等 )を 行 ない 本 年 度 より 外 部 からの 受 講 者 を 受 け 入 れることができる 講 座 として 開 催 した 放 射 線 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 のテキストは 講 師 等 からの 推 薦 で 従 来 の 講 義 テキストと 同 等 の 内 容 である 市 販 テキストを 採 用 した 核 燃 料 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 のテキストについては 市 販 - 13 -
の 適 切 なものが 見 つからなかったため 従 来 職 員 向 け 研 修 で 使 用 していたテキストを 参 考 にし て 昨 年 度 に 引 き 続 き 掲 載 する 図 表 等 500 件 近 い 転 載 許 諾 の 取 得 作 業 を 行 ない 新 規 テキスト 作 成 を 完 了 して 講 義 に 使 用 した (1) 放 射 線 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 放 射 線 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 は 放 射 性 同 位 元 素 あるいは 放 射 線 発 生 装 置 を 取 扱 う 場 合 に 監 督 を 行 うことができる 資 格 である 放 射 線 取 扱 主 任 者 の 免 状 取 得 を 支 援 する 講 座 である 本 講 座 は 例 年 試 験 のある 8 月 末 に 合 わせ 4 月 に 講 義 編 (4 月 24 日 から 27 日 まで 4 日 間 ) 6 月 に 演 習 編 (6 月 19 日 から 21 日 まで 3 日 間 )を 計 画 し 茨 城 地 区 からの 受 講 者 を 予 想 して 15 名 の 外 部 定 員 枠 を 設 けて 実 施 したが 外 部 からの 受 講 者 は 講 義 編 演 習 編 とも 民 間 会 社 1 名 であった 本 講 座 は 外 部 向 け 講 座 としては 本 年 度 が 初 めての 講 座 であり 募 集 案 内 が 2 月 で 開 講 が 4 月 と 募 集 期 間 が 短 く 情 報 が 十 分 に 行 き 届 かなかったものと 思 われる 次 年 度 の 募 集 案 内 は 出 来 るだけ 早 めに 行 なうことが 必 要 である (2) 核 燃 料 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 核 燃 料 取 扱 主 任 者 受 験 講 座 は 核 燃 料 物 質 の 加 工 使 用 済 み 核 燃 料 の 再 処 理 等 の 核 燃 料 取 扱 の 保 安 監 督 を 行 うことができる 資 格 である 核 燃 料 取 扱 主 任 者 の 免 状 取 得 を 支 援 する 講 座 で ある 本 講 座 は 例 年 試 験 のある 3 月 末 に 合 わせ 9 月 に 講 義 編 (9 月 4 日 から 7 日 まで 4 日 間 ) 12 月 に 演 習 編 (12 月 4 日 から 7 日 まで 4 日 間 )を 実 施 した この 資 格 取 得 のための 国 家 試 験 受 験 者 は 例 年 全 国 で 100 名 強 と 少 ないことを 考 慮 して 定 員 の 枠 を 10 名 としたが 講 義 編 では 定 員 を 超 える 12 名 ( 民 間 会 社 10 名 大 学 生 2 名 ) 演 習 編 では 10 名 ( 民 間 会 社 8 名 大 学 生 2 名 )の 受 講 者 の 参 加 があった 核 燃 料 取 扱 主 任 者 試 験 は 放 射 線 取 扱 主 任 者 に 比 べ 2 桁 近 く 少 ない 受 験 者 であるが 現 在 国 内 唯 一 の 受 験 準 備 講 座 であること 開 講 が 9 月 と 募 集 情 報 が 浸 透 するまでの 時 間 があった こと 等 から 各 地 ( 九 州 から 北 海 道 )からの 受 講 申 込 が 可 能 となったと 思 われる ( 松 田 健 二 ) 2.4 平 成 19 年 度 原 子 力 専 門 官 研 修 本 研 修 は 文 部 科 学 省 の 研 修 生 を 対 象 とした 原 子 力 専 門 官 研 修 は JCO 事 故 後 の 平 成 11 年 度 に 防 災 専 門 官 研 修 の 形 でスタートし 翌 年 度 に 原 子 力 専 門 官 研 修 と 名 を 改 め 毎 年 実 施 してきている 研 修 生 は 原 子 力 専 門 官 に 就 任 する 見 込 みの 職 員 及 び 原 子 力 専 門 官 に 就 任 した 職 員 を 対 象 としている 平 成 19 年 度 は 前 期 研 修 は 文 部 科 学 省 の 所 管 で 平 成 19 年 4 月 25 日 ~4 月 27 日 は 東 京 会 場 で 中 期 研 修 は 5 月 7 日 ~5 月 25 日 に 東 海 会 場 ( 原 子 力 研 修 センターF 講 義 室 : 研 修 生 5 名 )で 後 期 研 修 は 5 月 28 日 ~5 月 30 日 に 東 京 会 場 で 実 施 した 本 研 修 は 一 般 公 募 後 の 随 意 契 約 の 形 で 実 施 されたが 契 約 が 遅 れたため 研 修 を 前 期 中 期 後 期 の 変 則 な 形 で 実 施 した 研 修 では 講 義 以 外 に 実 習 実 験 演 習 施 設 見 学 などを 盛 り 込 んだもので 対 応 した ( 新 井 信 義 ) - 14 -
2.5 大 学 との 連 携 協 力 2.5.1 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 原 子 力 専 攻 ( 専 門 職 大 学 院 ) 及 び 原 子 力 国 際 専 攻 東 京 大 学 は 原 子 力 機 構 と 協 力 し 高 度 な 専 門 性 が 求 められる 原 子 力 施 設 の 安 全 運 転 維 持 管 理 監 督 などの 能 力 を 培 い 原 子 力 産 業 や 原 子 力 関 係 の 行 政 法 人 研 究 開 発 機 関 等 で 指 導 的 役 割 を 果 たす 高 度 な 原 子 力 専 門 家 の 養 成 を 目 的 とした 大 学 院 工 学 系 研 究 科 原 子 力 専 攻 ( 専 門 職 大 学 院 ) を 平 成 17 年 度 から 開 始 した 修 業 期 間 は 1 年 で 東 海 地 区 の 東 大 キャンパスおよび 機 構 の 研 修 センター 内 講 義 室 をベースに 講 義 および 実 習 を 行 っている このための 協 力 協 定 は 平 成 17 年 4 月 に 旧 原 研 旧 サイクル 機 構 および 東 大 の 三 者 間 で 締 結 され 統 合 後 も 引 き 継 がれている 本 原 子 力 専 攻 を 修 了 すれば 原 子 力 修 士 ( 専 門 職 )の 学 位 が 授 与 され さらに 所 定 の 成 績 で 履 修 し た 修 了 者 には 原 子 炉 主 任 技 術 者 試 験 の 筆 記 試 験 の 法 令 以 外 の 科 目 が 免 除 および 口 答 試 験 受 験 資 格 ( 実 務 経 験 6 ケ 月 以 上 ) 付 与 ならびに 核 燃 料 取 扱 主 任 者 試 験 の 法 令 以 外 の 科 目 が 免 除 される 同 専 攻 のカリキユラムでは 木 曜 および 金 曜 は 原 則 として 原 子 力 機 構 研 修 センターの 講 義 室 で 講 義 があり 午 後 は 研 修 センターを 含 む 機 構 の 施 設 において 実 習 のほとんどが 行 われる また 夏 季 には 別 途 インターンシップ 実 習 が 実 施 される この 原 子 力 専 攻 では およそ 講 義 の 6 割 実 習 の 9 割 を 原 子 力 機 構 からの 派 遣 職 員 が 担 当 し ている 平 成 19 年 度 は 講 義 に 関 して 客 員 教 授 准 教 授 5 名 非 常 勤 講 師 等 約 50 名 を 派 遣 した また 全 37 課 題 の 実 験 実 習 中 34 課 題 を 機 構 が 担 当 し 実 習 講 師 約 60 名 が 協 力 した また 夏 季 イ ンターンシップ 実 習 には NUCEF が 協 力 し 学 生 3 名 が 参 加 した 一 方 東 京 本 郷 のキャンパスで 行 われる 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 原 子 力 国 際 専 攻 は 原 子 力 専 攻 と 同 様 に 平 成 17 年 4 月 に 協 力 協 定 が 締 結 され 原 子 力 分 野 の 国 際 的 場 で 活 躍 出 来 る 人 材 を 養 成 するための 教 育 が 行 われている 本 専 攻 は 修 士 課 程 2 年 および 博 士 課 程 3 年 で 英 語 の 講 義 あるいは 原 子 力 社 会 学 などの 多 彩 な 教 育 プログラムとなっている 平 成 19 年 度 は 機 構 から 客 員 教 授 3 名 を 派 遣 した またプルトニウム 技 術 および 再 処 理 技 術 に 関 する 特 別 研 修 ( 講 義 見 学 )を 実 施 し 講 師 10 名 が 協 力 学 生 10 名 が 参 加 した また 本 専 攻 が 行 う Global-COE では 核 不 拡 散 保 障 措 置 に 関 する 共 同 研 究 契 約 を 締 結 し 研 究 と 人 材 育 成 の 面 で 協 力 を 実 施 した ( 櫛 田 浩 平 ) 2.5.2 連 携 大 学 院 への 協 力 連 携 大 学 院 とは 大 学 院 教 育 の 実 施 にあたり 学 外 における 高 度 な 研 究 水 準 をもつ 国 立 試 験 研 究 所 や 民 間 等 の 研 究 所 の 施 設 設 備 や 人 的 資 源 を 活 用 して 大 学 院 教 育 を 行 う 教 育 研 究 方 式 である その 目 的 は 1 教 育 研 究 内 容 の 豊 富 化 学 際 化 2 連 携 研 究 所 の 研 究 者 との 交 流 の 促 進 共 同 研 究 のシーズ 形 成 3 社 会 に 開 かれた 大 学 院 としての 評 価 を 通 じて 大 学 院 教 育 の 活 性 化 などであ る その 実 施 に 当 たっては 当 該 大 学 と 連 携 先 の 研 究 所 等 が 学 生 に 対 する 指 導 方 法 客 員 教 授 等 の 派 遣 等 について 大 学 と 協 力 を 包 括 的 に 規 定 した 協 定 書 を 結 び 主 に 連 携 先 研 究 所 等 におい て 学 生 の 研 究 指 導 を 行 う( 大 学 院 設 置 基 準 第 13 条 に 基 づく) また 学 生 の 研 究 指 導 にあたる 連 携 先 研 究 所 等 の 研 究 員 については 連 携 大 学 院 の 併 任 又 は 客 員 教 授 等 を 発 令 し 大 学 の 教 員 と しての 身 分 を 持 って 学 位 論 文 の 審 査 や 教 育 課 程 の 策 定 など 教 学 面 に 関 して 大 学 院 専 任 の 教 員 と 同 等 の 立 場 で 大 学 院 教 育 に 参 画 するというものである - 15 -
平 成 19 年 度 は 従 来 協 力 協 定 を 結 んでいた 12 大 学 院 ( 筑 波 大 学 東 京 工 業 大 学 東 北 大 学 茨 城 大 学 宇 都 宮 大 学 兵 庫 県 立 大 学 群 馬 大 学 岡 山 大 学 京 都 産 業 大 学 金 沢 大 学 福 井 大 学 千 葉 大 学 )に 加 え 新 たに 北 海 道 大 学 および 関 西 学 院 大 学 が 参 画 し 合 計 14 大 学 院 と 連 携 協 力 協 定 を 結 んで 協 力 した また 本 年 度 は 学 部 教 育 への 協 力 のため 福 井 工 業 大 学 と 連 携 協 力 協 定 を 締 結 した 本 年 度 の 客 員 教 員 ( 教 授 准 教 授 )の 派 遣 は 55 名 受 け 入 れた 学 生 は 23 名 で あった また 本 年 度 は 岡 山 大 学 および 茨 城 大 学 と 包 括 的 連 携 協 力 協 定 を 締 結 し 平 成 18 年 に 包 括 協 定 を 結 んだ 福 井 大 学 とともに 研 究 および 教 育 に 関 して 包 括 的 に 協 力 してゆくことになった ( 櫛 田 浩 平 ) 2.5.3 原 子 力 人 材 育 成 プログラム 原 子 力 人 材 育 成 プログラム は 平 成 19 年 度 より 文 部 科 学 省 と 経 済 産 業 省 が 大 学 及 び 高 等 専 門 学 校 における 原 子 力 の 人 材 育 成 教 育 の 充 実 を 図 るため 連 帯 して 策 定 したプログラムである 多 数 の 応 募 の 中 から 5 月 末 に 採 択 課 題 が 採 択 された この 発 表 を 受 け 平 成 19 年 6 月 に 原 子 力 研 修 センターから 35 大 学 8 高 専 の 採 択 校 にアンケートを 行 い 原 子 力 機 構 へ 期 待 する 協 力 内 容 等 について 調 査 を 行 った その 結 果 原 子 力 機 構 の 施 設 見 学 施 設 を 利 用 した 共 同 実 験 機 構 か らの 講 師 派 遣 による 講 義 講 演 学 生 の 派 遣 実 習 実 習 テキスト 作 成 に 関 する 協 力 などの 希 望 が よせられた これらの 要 請 に 応 え 出 張 講 義 7 件 ( 講 師 8 名 派 遣 ) 実 験 実 習 12 件 ( 講 師 15 名 協 力 参 加 学 生 約 60 名 ) 機 構 施 設 の 見 学 13 件 などの 協 力 依 頼 に 応 じた ( 櫛 田 浩 平 ) 2.5.4 原 子 力 教 育 大 学 連 携 ネットワーク 原 子 力 教 育 大 学 連 携 ネットワーク 活 動 は 平 成 17 年 度 に 東 京 工 業 大 学 金 沢 大 学 福 井 大 学 の 3 大 学 と 機 構 の 4 者 間 にて 締 結 した 教 育 研 究 等 に 係 る 連 携 協 力 推 進 協 議 会 設 置 に 関 す る 覚 書 に 基 づき 機 構 の 中 期 目 標 に 記 載 してあるとおり 大 学 等 への 人 的 協 力 や 保 有 施 設 の 共 用 を 通 じて 機 構 と 複 数 の 大 学 等 とが 相 互 補 完 しながら 人 材 育 成 を 行 う 連 携 大 学 院 ネットを 構 築 すること に 向 けて 核 燃 料 サイクル 工 学 研 究 所 を 中 心 に 以 下 のとおりのネットワーク 活 動 を 進 めてきた 平 成 18 年 度 におけるネットワーク 活 動 は ネットワーク 構 築 に 向 けた 環 境 を 整 備 するため 各 種 委 員 会 を 立 ち 上 げて 新 規 の 講 座 開 設 等 にむけて 検 討 を 進 めるとともに 学 生 実 習 を 実 施 し た 平 成 19 年 度 は 平 成 18 年 度 に 整 備 した 遠 隔 教 育 システムを 利 用 して 東 京 工 業 大 学 金 沢 大 学 福 井 大 学 の 3 大 学 間 で 制 作 した 共 通 講 座 ( 前 期 1 科 目 後 期 1 科 目 )を 新 規 に 開 設 開 講 するとともに 前 期 後 期 とも 完 遂 することが 出 来 た また 放 射 線 計 測 技 術 や 核 燃 料 サイ クル 技 術 を 中 心 とした 学 生 実 習 を 8 月 27 日 から 8 月 31 日 にかけて 実 施 し 福 井 大 学 9 名 金 沢 大 学 2 名 東 京 工 業 大 学 1 名 の 計 12 名 の 修 士 課 程 学 生 が 受 講 した 本 ネットワーク 活 動 につ いては 参 加 大 学 の 拡 充 に 向 けて 適 宜 原 子 力 学 科 を 有 する 大 学 を 中 心 として 本 ネットワーク 活 動 の 紹 介 を 行 うとともに 各 大 学 の 要 望 等 の 調 査 を 実 施 した 本 ネットワークは 当 初 連 携 大 学 院 ネットワークと 称 していたが 今 後 学 部 へと 裾 野 を 広 げるため 原 子 力 教 育 大 学 連 携 ネッ - 16 -
トワークと 名 称 を 変 更 した 3 月 には 茨 城 大 学 及 び 岡 山 大 学 の 2 大 学 が 新 たに 参 画 することと なり 計 5 大 学 と 機 構 の 6 者 間 にて 教 育 研 究 等 に 係 る 連 携 協 力 推 進 協 議 会 設 置 に 関 する 覚 書 を 締 結 した ( 加 藤 浩 / 櫛 田 幸 平 ) 2.6 その 他 2.6.1 各 種 イベントへの 参 加 講 師 派 遣 等 当 センターでは 小 中 学 生 や 高 校 生 のほか 一 般 市 民 の 方 々にも 原 子 力 の 基 礎 知 識 について 一 層 理 解 を 深 めてもらうために 毎 年 機 構 内 外 の 各 種 イベント 等 の 開 催 の 折 に 原 子 力 放 射 線 に 関 する 講 義 や 霧 箱 を 用 いた 放 射 線 飛 跡 の 観 察 実 権 などを 行 っている 本 年 度 は 表 2.6.1 に 示 すように 青 少 年 のための 科 学 の 祭 典 や サイエンスキャンプ などにおける 学 習 会 への 参 加 支 援 を 行 った 実 施 日 ( 場 所 ) 4 月 22 日 ( 原 子 力 科 学 研 究 所 ) 4 月 ~ 翌 年 3 月 概 ね 月 1 回 ( 水 戸 二 高 ) 7 月 7 日 (リコッティ) 7 月 12 日 ( 原 子 力 科 学 研 究 所 ) 7 月 18 日 ( 明 石 西 高 校 ) 7 月 18 日 ( 熊 本 北 高 校 ) 7 月 19 日 ( 武 生 高 校 ) 7 月 25 日 ( 熊 本 西 高 校 ) 7 月 31 日 ( 津 山 高 校 ) 7 月 26 日 1 月 28 日 ~2 月 1 日 ( 経 済 産 業 研 修 所 ) 表 2.6.1 各 種 イベントへの 参 加 学 習 会 名 称 ( 主 催 者 ) 東 海 研 究 開 発 センター 施 設 見 学 会 ( 原 子 力 科 学 研 究 所 ) 科 学 英 語 の 講 義 (サイエンスイン ク リッシュ) 技 術 士 第 二 次 試 験 の 模 擬 試 験 対 象 者 ( 受 入 者 数 ) 東 海 村 民 等 水 戸 二 高 技 術 士 受 験 予 定 者 緑 岡 高 主 な 内 容 霧 箱 の 製 作 と 放 射 線 観 察 実 験 科 学 英 語 の 講 義 試 験 対 策 茨 城 県 立 緑 岡 高 等 学 校 への 協 原 子 力 全 般 力 高 校 生 のための 放 射 線 実 習 セ 明 石 西 高 放 射 線 についての 講 義 ミナー( 日 本 原 子 力 文 化 振 興 及 び 実 習 指 導 財 団 ) 高 校 生 のための 放 射 線 実 習 セ 熊 本 北 高 放 射 線 についての 講 義 ミナー( 日 本 原 子 力 文 化 振 興 及 び 実 習 指 導 財 団 ) 高 校 生 のための 放 射 線 実 習 セ 武 生 高 放 射 線 についての 講 義 ミナー( 日 本 原 子 力 文 化 振 興 及 び 実 習 指 導 財 団 ) 高 校 生 のための 放 射 線 実 習 セ 熊 本 西 高 放 射 線 についての 講 義 ミナー( 日 本 原 子 力 文 化 振 興 及 び 実 習 指 導 財 団 ) 高 校 生 のための 放 射 線 実 習 セ 津 山 高 放 射 線 についての 講 義 ミナー( 日 本 原 子 力 文 化 振 興 及 び 実 習 指 導 財 団 ) 原 子 力 施 設 検 査 官 基 礎 研 修 経 産 省 委 託 による 原 子 力 の 基 礎 的 な 研 修 - 17 -
7 月 27 28 日 ( 科 学 技 術 館 ) 8 月 6 日 ( 原 子 力 科 学 研 究 所 研 修 講 義 棟 ) 8 月 27 日 ( 原 子 力 科 学 研 究 所 ) 8 月 28 日 ( 原 子 力 科 学 研 究 所 ) 9 月 20 日 ( 原 子 力 科 学 研 究 所 ) 11 月 14 日 ( 原 子 力 科 学 研 究 所 原 子 炉 特 研 ) 12 月 17 日 ~21 日 ( 原 子 力 科 学 研 究 所 ) 1 月 10 日 ( 原 子 力 科 学 研 究 所 ) 1 月 16 日 2 月 20 日 ( 日 立 工 業 高 校 ) 青 少 年 のための 科 学 の 祭 典 2007 ( 文 部 科 学 省 ) サイエンスキャンプ 2007 (( 独 ) 科 学 技 術 振 興 機 構 ) 小 中 高 校 生 他 (150 名 ) 高 校 生 (18 名 ) 霧 箱 の 製 作 と 放 射 線 観 察 実 験 霧 箱 の 製 作 と 放 射 線 観 察 実 験 JRR-1 原 子 炉 シミュレ ータ 運 転 体 験 実 習 東 海 南 中 学 校 職 場 体 験 学 習 東 海 南 中 JRR-1 シミュレータ 実 習 等 峰 山 中 学 校 職 場 体 験 学 習 峰 山 中 JRR-1 シミュレータ 実 習 等 大 久 保 中 学 校 職 場 体 験 学 習 大 久 保 中 JRR-1 シミュレータ 実 習 等 原 子 力 事 業 所 安 全 協 力 協 定 者 原 子 力 事 業 放 射 線 安 全 管 理 等 に 関 向 け 研 修 所 職 員 する 研 修 ( 原 子 力 科 学 研 究 所 ) 臨 時 研 修 ( 東 京 工 業 大 学 ) 水 戸 工 業 高 校 インターンシッ プ 日 立 工 業 高 校 での 講 義 東 京 工 業 大 学 院 生 水 戸 工 業 高 (7 名 ) 日 立 工 業 高 (80 名 35 名 ) 中 性 子 減 速 拡 散 実 験 等 の 炉 物 理 実 験 (JRR- 4 の 代 替 ) 霧 箱 の 製 作 と 放 射 線 観 察 実 験 JRR-1 原 子 炉 シミュレ ータ 運 転 実 習 原 子 力 エネルギー 人 材 育 成 推 進 事 業 の 講 演 会 - 18 -
3. 国 際 研 修 等 の 実 施 3.1 国 際 原 子 力 講 師 育 成 事 業 近 隣 アジア 太 平 洋 地 域 の 原 子 力 関 係 者 に 対 し 日 本 に 受 け 入 れての 研 修 及 び 日 本 からの 講 師 を 海 外 に 派 遣 する 研 修 を 通 じて 原 子 力 安 全 に 関 する 交 流 を 行 い 日 本 の 原 子 力 施 設 の 安 全 性 の 向 上 に 反 映 させるとともに 同 地 域 の 原 子 力 関 係 者 の 技 術 及 び 知 識 の 向 上 を 図 ることを 目 的 に 国 際 原 子 力 講 師 育 成 事 業 を 進 めた 平 成 19 年 度 に 実 施 した 国 際 研 修 は 相 手 国 側 の 人 材 養 成 に 関 わっている 教 官 又 は 教 官 候 補 を 日 本 に 受 入 れ 研 修 技 術 や 各 種 機 器 等 の 取 扱 を 習 熟 させる 指 導 教 官 研 修 相 手 国 側 へ 日 本 の 講 師 を 派 遣 し 相 手 機 関 との 共 催 研 修 及 びフォローアップ 研 修 を 行 う 講 師 海 外 派 遣 研 修 を 柱 として 行 った これらの 国 際 研 修 等 は 年 2 回 の 国 際 原 子 力 講 師 育 成 事 業 専 門 部 会 (7.2.2 項 参 照 )にて 活 動 状 況 を 報 告 し 国 内 の 有 識 者 から 意 見 を 聴 取 し 今 後 の 計 画 の 立 案 に 資 することとしている ( 坂 本 隆 一 ) 3.1.1 講 師 育 成 研 修 インドネシア タイ ベトナムの 人 材 養 成 に 関 わっている 教 官 または 教 官 候 補 を 我 が 国 に 受 け 入 れ 研 修 技 術 及 び 各 種 機 器 類 の 取 扱 い 等 を 習 熟 させる 講 師 育 成 研 修 を 行 った 本 研 修 は 放 射 線 及 び 原 子 力 の 安 全 確 保 放 射 線 応 用 の 観 点 から 対 象 国 との 話 し 合 いによりに 実 施 する 平 成 8 年 度 から 開 始 し 平 成 18 年 度 までにインドネシアから 合 計 20 名 タイから 合 計 22 名 を 受 け 入 れた ベトナム 向 けの 本 研 修 は 平 成 13 年 度 から 開 始 し 平 成 18 年 度 までに 合 計 18 名 を 受 け 入 れた 平 成 19 年 度 は インドネシア 向 けに 放 射 線 事 故 緊 急 時 対 応 (8 月 27 日 ~10 月 4 日 3 名 ) タイ 向 けに 放 射 線 安 全 管 理 者 資 格 取 得 (6 月 11 日 ~7 月 6 日 まで 4 名 ) ベトナム 向 けに 工 業 と 環 境 分 野 への 原 子 力 技 術 応 用 (7 月 17 日 ~8 月 24 日 まで 3 名 ) 及 び 原 子 炉 工 学 (1 月 15 日 ~2 月 26 日 まで 3 名 )の 研 修 を 行 った( 付 録 A4(12)~(15) 参 照 ) ( 坂 本 隆 一 ) 3.1.2 講 師 海 外 派 遣 研 修 講 師 海 外 派 遣 研 修 においては 相 手 機 関 との 共 催 研 修 の 実 施 共 催 研 修 を 終 えた 研 修 コース においては 完 全 自 立 化 に 向 けて 内 容 の 見 直 し 助 言 をするフォローアップ 研 修 を 行 った インドネシア 向 けの 研 修 ではインドネシア 原 子 力 庁 にて 放 射 線 事 故 緊 急 時 対 応 に 関 する 共 催 研 修 と 工 業 と 環 境 試 料 分 析 への 原 子 力 技 術 の 応 用 に 関 するフォローアップ 研 修 を 行 った タイ 向 けの 研 修 ではタイ 原 子 力 庁 にて 放 射 線 安 全 管 理 者 資 格 取 得 に 関 する 共 催 研 修 と 原 子 力 / 放 射 線 事 故 緊 急 時 対 応 に 関 するフォローアップ 研 修 を 行 った ベトナム 向 けの 研 修 では ベトナム 原 子 力 庁 にて 工 業 と 環 境 分 野 への 原 子 力 技 術 応 用 に 関 する 共 催 研 修 と 放 射 線 計 測 放 射 線 防 護 に 関 するフォローアップ 研 修 を 行 った( 付 録 A4 16)~(23) 参 照 ) ( 坂 本 隆 一 ) - 19 -
3.2 アジア 原 子 力 協 力 フォーラム(FNCA)における 人 材 育 成 関 連 の 活 動 原 子 力 委 員 会 によって 2000 年 度 より 開 始 した アジア 原 子 力 協 力 フォーラム(FNCA) で は 近 隣 アジア 諸 国 との 原 子 力 分 野 の 協 力 を 効 率 的 かつ 組 織 的 に 推 進 することを 目 的 として (1) 研 究 炉 利 用 (2)ラジオアイソトープ 放 射 線 の 農 業 利 用 (3) 医 学 利 用 (4) 原 子 力 広 報 (5) 放 射 性 廃 棄 物 管 理 (6) 原 子 力 安 全 文 化 (7) 人 材 養 成 (8) 工 業 利 用 の 8 分 野 において ワークショップ 等 で 意 見 交 換 や 情 報 交 換 を 行 っている 各 国 の 大 臣 クラスで 構 成 され 政 策 対 話 を 行 う 大 臣 級 会 合 及 び 大 臣 級 会 合 を 補 佐 する 上 級 行 政 官 会 合 の 下 に 各 国 1 名 の コーディネーターより 構 成 されるコーディネーター 会 合 でプロジェクトの 導 入 改 廃 調 整 評 価 を 実 施 する コーディネーターの 下 で 上 記 8 分 野 について 各 国 1 名 のプロジェクトリーダ ーが 主 導 して プロジェクトを 進 めている また 平 成 16 年 度 からは 大 臣 級 会 合 の 下 に アジア 地 域 のエネルギーと 環 境 の 問 題 を 討 論 する アジアの 持 続 的 発 展 における 原 子 力 エネルギーの 役 割 をテーマとするパネル 会 合 が 平 成 18 年 度 まで 3 回 開 催 された 平 成 19 年 度 には 第 1 回 アジアの 原 子 力 発 電 分 野 における 協 力 に 関 する 検 討 パネル が 開 催 され 原 子 力 発 電 導 入 に 向 けた 原 子 力 人 材 育 成 の 課 題 と 協 力 のあり 方 について 意 見 交 換 を 行 った 図 3.2 にアジア 原 子 力 協 力 フォーラム(FNCA)の 構 成 を 示 す ( 杉 本 純 ) 図 3.2 アジア 原 子 力 協 力 フォーラム(FNCA)の 構 成 - 20 -
3.2.1 人 材 養 成 ワークショップ 原 子 力 委 員 会 によって 組 織 された アジア 原 子 力 協 力 フォーラム(FNCA)の 協 力 分 野 とし て 平 成 11 年 度 から 人 材 養 成 プロジェクトが 開 始 され アジア 諸 国 における 原 子 力 開 発 利 用 の ための 人 材 養 成 を 支 援 している 主 な 協 力 活 動 として 年 1 回 のワークショップを 開 催 し ア ジア 原 子 力 訓 練 教 育 プログラム(ANTEP)を 中 心 に アジア 諸 国 における 原 子 力 分 野 の 人 材 養 成 の 連 携 及 び 調 整 を 行 うとともに 効 率 的 な 協 力 体 制 を 強 化 するための 活 動 を 進 めている 本 プロジェクトの 事 務 局 は 機 構 の 原 子 力 研 修 センターで 日 本 のプロジェクトリーダーは 同 センタ ー 長 である 平 成 19 年 度 に 開 催 された 人 材 養 成 ワークショップの 概 要 は 以 下 のとおり 開 催 日 : 平 成 19 年 8 月 27 日 ~8 月 31 日 (5 日 間 ) 開 催 場 所 :インドネシア ジョクジャカルタ 主 催 : 文 部 科 学 省 (MEXT) インドネシア 原 子 力 庁 (BATAN) 実 施 機 関 :( 独 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 (JAEA) インドネシア 原 子 力 庁 (BATAN) 参 加 総 数 :(バングラデシュ 中 国 韓 国 マレーシア フィリピン タイから 各 1 名 ベト ナム 2 名 インドネシア 7 名 日 本 10 名 他 にオープンセミナー 参 加 者 約 30 名 ) 会 議 内 容 : 今 回 のワークショップでは 開 催 国 インドネシアの 関 係 者 を 招 待 した 原 子 力 人 材 養 成 オープ ンセミナーを 初 日 午 前 に 開 催 し 人 材 養 成 活 動 への 理 解 と 協 力 活 動 に 努 めた ワークショップで は 平 成 18 年 度 に 引 き 続 き ANTEP の 推 進 等 について 審 議 した 各 国 からの 報 告 として 原 子 力 分 野 の 近 況 人 材 養 成 活 動 等 について 行 われ 我 が 国 からは 文 科 省 における 原 子 力 人 材 養 成 の 取 り 組 み 原 子 力 人 材 養 成 における 日 本 の 大 学 の 役 割 と 題 する 報 告 を 行 った 各 国 からのニーズと 提 供 可 能 なプログラムについて 49 ケースのマッチング 可 能 性 が 前 回 ワー クショップで 得 られており その 後 平 成 19 年 8 月 までに 実 施 した 第 3 回 アンケート 調 査 の 結 果 及 び 分 析 について 事 務 局 より 報 告 した また 新 たなニーズ 及 び 提 供 可 能 なプログラムについ てのアンケート 結 果 についても 発 表 しマッチングの 可 能 性 について 討 議 を 行 った その 結 果 新 たに 出 された 74 のニーズと 新 しい 12 のプログラムが ANTEP に 提 出 されたことが 報 告 され た 新 しくマッチング 可 能 性 のある 50 ケースについては 2006 年 からの 25 の 保 留 ケースと 併 せ 実 施 に 向 けて 取 り 組 むことになった 今 後 の ANTEP 活 動 について 討 議 し 原 子 力 研 修 センターWeb にニーズ 及 び 提 供 可 能 プログ ラムの 最 新 情 報 を 掲 載 することとした また 各 国 プロジェクトリーダーがニーズとプログラ ムのマッチング 調 整 について 責 任 を 持 って 進 めることで 合 意 した なお 今 年 度 は 人 材 養 成 ワークショップの 3 年 間 の 自 己 評 価 に 当 たるため ワークショップ 成 果 の 自 己 評 価 及 び 今 後 3 年 間 の 活 動 について 討 議 した 本 ワークショップが 各 国 に 共 通 する 人 材 養 成 ニーズの 情 報 交 換 の 場 として 有 益 であることで 合 意 した ( 新 井 信 義 ) - 21 -
3.2.2 パネル 会 合 内 閣 府 原 子 力 委 員 会 の 主 催 により 第 1 回 FNCA アジアの 原 子 力 発 電 分 野 における 協 力 に 関 する 検 討 パネル が 平 成 19 年 10 月 30 日 ~31 日 に 東 京 の 三 田 会 議 所 で 開 催 された パネル 会 合 では 杉 本 パネル 議 長 ( 原 子 力 機 構 原 子 力 研 修 センター 長 )のもと 原 子 力 発 電 分 野 における 人 材 養 成 をテーマに 参 加 各 国 によるカントリーレポートの 発 表 原 子 力 知 識 管 理 及 び 原 子 力 発 電 導 入 や 地 球 環 境 問 題 における 原 子 力 発 電 の 役 割 についての 招 待 講 演 人 材 育 成 に 関 する 既 存 の 協 力 活 動 の 整 理 と 将 来 の 協 力 の 可 能 性 について さらに パネルや FNCA 全 体 の 今 後 の 協 力 について 活 発 な 議 論 が 行 われた 杉 本 パネル 議 長 から 各 国 のカントリーレポートのまとめとして 具 体 的 に 原 子 力 発 電 の 導 入 を 計 画 している 国 では 人 材 養 成 に 対 する 強 いニーズがあるものの それに 対 応 するような 国 際 協 力 の 枠 組 みが 十 分 無 いことが 指 摘 された 例 えば FNCA 人 材 養 成 プロジェクトで 進 めて いる ANTEP(アジア 原 子 力 教 育 訓 練 プログラム)において 平 成 19 年 8 月 にインドネシアで 行 われた 人 材 養 成 ワークショップでの 報 告 として 発 電 関 係 のニーズに 対 して 対 応 できる 既 存 の プログラムが 少 ないために マッチングが 成 立 しない 状 況 がある 旨 報 告 された また 原 子 力 発 電 の 導 入 を 検 討 中 の 国 々からの 今 後 の 人 材 養 成 に 関 する 協 力 への 主 な 期 待 と して 日 中 韓 によるトレーニングプログラムの 提 供 や 原 子 力 発 電 所 などへの 研 修 生 の 受 け 入 れ 原 子 力 発 電 の 導 入 計 画 に 対 する 専 門 家 によるピアレビュー FNCA 参 加 国 間 での 情 報 共 有 の 枠 組 みの 構 築 日 中 韓 の 原 子 力 発 電 導 入 時 の 経 験 の 提 示 等 があげられ さらに 経 験 を 積 むための 具 体 的 な 方 策 として 他 国 の 研 究 炉 建 設 への 参 加 といったアイデアの 提 示 が 行 われた これに 対 し 原 子 力 発 電 を 導 入 するための 人 材 養 成 は 導 入 国 が 自 ら 行 う 必 要 があり 国 際 協 力 はそれを 効 果 的 にサポートするためのものであることが 指 摘 された 本 パネルでの 議 論 の 結 果 として 以 下 を 取 りまとめるとともに これらの 結 果 を 東 京 で 平 成 19 年 12 月 18 日 に 開 催 予 定 の 第 8 回 大 臣 級 会 合 に 報 告 することとした (1)FNCA 参 加 国 は 原 発 導 入 に 向 けた 人 材 養 成 に 関 してより 一 層 積 極 的 な 情 報 共 有 を 行 って いくことで 合 意 した (2)その 第 一 歩 として FNCA ウェブサイトを 効 果 的 に 活 用 していくことを 提 言 した 平 成 20 年 2008 年 3 月 に 開 催 されたコーディネーター 会 合 において 上 記 の 提 言 を 実 現 す るためのデータベースの 構 築 とそのための 7 段 階 のアプローチを 原 子 力 機 構 より 提 案 し 了 承 を 得 た 平 成 20 年 度 より 本 提 案 に 基 づきデータベースの 構 築 を 開 始 し 11 月 の 大 臣 級 会 合 にはその 原 型 版 を 提 示 し 平 成 21 年 3 月 のコーディネーター 会 合 には 最 初 のデータベー スを 公 開 する 予 定 で 進 めることとしている ( 杉 本 純 ) - 22 -
4. 職 員 等 技 術 研 修 の 実 施 4.1 安 全 教 育 4.1.1 放 射 線 安 全 教 育 4.1.1.1 放 射 線 業 務 従 事 者 指 定 教 育 講 座 本 講 座 は 放 射 線 業 務 従 事 者 指 定 対 象 者 に 対 して 行 う 法 令 に 基 づく 特 別 教 育 ( 共 通 教 育 )で あり 放 射 線 の 性 質 や 放 射 線 安 全 管 理 に 関 する 基 礎 知 識 と 実 務 を 体 系 的 に 習 得 するものである この 講 座 は 4 月 5 日 から 6 日 4 月 12 日 と 13 日 7 月 10 日 から 11 日 10 月 10 日 から 11 日 1 月 9 日 から 10 日 まで 各 2 日 間 サイクル 工 学 研 究 所 内 第 一 応 用 試 験 棟 で 開 催 した 受 講 者 数 は 69 名 ( 定 員 15 名 / 回 )であった その 内 訳 は 機 構 職 員 67 名 研 修 生 2 名 であ った 研 修 に 関 するアンケートでは 理 解 の 程 度 については 平 均 97% 理 解 でき 受 講 の 満 足 度 については 平 均 97% 満 足 できたという 内 容 であった アンケート 結 果 を 以 下 に 示 す 4 月 7 月 10 月 1 月 理 解 の 程 度 90% 100% 100% 100% 受 講 の 満 足 度 90% 100% 100% 100% 4.1.1.2 放 射 線 防 護 講 座 本 講 座 は 放 射 線 防 護 に 関 する 専 門 知 識 と 関 係 法 令 指 針 類 等 に 関 する 知 識 を 体 系 的 に 取 得 するものである この 講 座 は 8 月 21 日 から 23 日 まで 3 日 間 サイクル 工 学 研 究 所 内 図 書 研 修 合 同 棟 で 開 催 した 受 講 者 数 は 5 名 ( 定 員 10 名 )であった その 内 訳 は 機 構 職 員 2 名 研 修 生 2 名 協 力 会 社 1 名 であった 研 修 に 関 するアンケートでは 理 解 の 程 度 については 80% 理 解 でき 受 講 の 満 足 度 については 80% 満 足 できたという 内 容 であった 4.1.1.3 放 射 線 計 測 講 座 本 講 座 は 放 射 線 計 測 の 基 礎 知 識 を 学 び RI を 用 いた 管 理 区 域 での 実 習 と 合 わせて 放 射 線 測 定 技 術 を 習 得 するものである この 講 座 は 6 月 4 日 から 8 日 まで 5 日 間 サイクル 工 学 研 究 所 内 第 一 応 用 試 験 棟 で 開 催 した 受 講 者 数 は 7 名 ( 定 員 8 名 / 回 )であった その 内 訳 は 機 構 職 員 3 名 研 修 生 2 名 協 力 会 社 2 名 であった 研 修 に 関 するアンケートでは 理 解 の 程 度 については 100% 理 解 でき 受 講 の 満 足 度 については 100% 満 足 できたという 内 容 であった 4.1.1.4 原 子 力 施 設 除 染 訓 練 講 座 本 講 座 は 原 子 力 施 設 における 除 染 方 法 に 関 する 基 礎 知 識 を 体 系 的 に 学 び 非 密 封 RI を 用 いた 管 理 区 域 での 実 習 と 併 せて 各 種 の 除 染 技 術 を 習 得 するものである この 講 座 は 7 月 24 日 から 26 日 まで 3 日 間 サイクル 工 学 研 究 所 内 第 一 応 用 試 験 棟 で 開 催 した 受 講 者 数 は 4 名 ( 定 員 8 名 )であった その 内 訳 は 機 構 職 員 2 名 研 修 生 2 名 であっ た 研 修 に 関 するアンケートでは 理 解 の 程 度 については 100% 理 解 でき 受 講 の 満 足 度 に ついては 100% 満 足 できたという 内 容 であった - 23 -