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構 成 Ⅰ.はじめに Ⅱ. 総 論 - 安 全 保 障 とは 何 か- Ⅲ. 各 論 1. 日 本 と 中 国 2. 東 南 アジア Ⅳ. 考 察 -グローバル 社 会 における 安 全 保 障 の 現 状 - Ⅴ.おわりに Ⅵ. 参 考 文 献 ホームページ 1

I.はじめに 全 体 テーマ グローバル 社 会 における 国 際 秩 序 の 再 考 沖 縄 の 基 地 移 設 問 題 や 近 隣 国 との 領 土 問 題 は 私 たちにとって 日 本 の 安 全 保 障 について 考 える 大 きな 機 会 と なった 中 でも 尖 閣 諸 島 をはじめアジア 諸 国 と 領 有 権 をめぐり 対 立 している 中 国 の 存 在 は 日 本 の 安 全 保 障 を 考 える 上 でとても 重 要 である もし 中 国 との 緊 張 が 高 まり 軍 事 衝 突 に 発 展 することがあれば 国 際 社 会 の 秩 序 を 大 きく 揺 るがすことに なる 本 稿 では このような 問 題 が 起 こる 原 因 を 安 全 保 障 の 面 から 分 析 し グローバル 化 時 代 において 現 状 の 安 全 保 障 体 制 が 抱 える 課 題 と より 平 和 的 に 国 際 秩 序 を 形 成 するためには 何 が 重 要 であるかについて 考 察 する Ⅱ. 総 論 - 安 全 保 障 とは 何 か- 1, 定 義 外 部 からの 侵 略 に 対 して 国 家 および 国 民 の 安 全 を 保 障 すること( 広 辞 苑 ) 安 全 保 障 と は 国 家 国 民 の 安 全 を 他 国 か ら の 攻 撃 や 侵 略 な ど の 脅 威 か ら 守 る こ と (クラウゼヴィッツ) < 伝 統 的 な 安 全 保 障 の 定 義 > 他 国 による 軍 事 的 脅 威 から 国 家 国 民 を 守 ること 主 体 国 家 国 民 脅 威 の 対 象 他 国 による 攻 撃 侵 略 冷 戦 終 結 によって 大 国 間 の 戦 争 の 可 能 性 は 低 下 した 一 方 で 地 域 紛 争 テロリズム 環 境 破 壊 飢 餓 貧 困 など 国 家 の 枠 組 みを 越 え 一 人 ひとりの 人 間 の 安 全 に 直 接 的 に 関 わる 問 題 への 対 応 が 必 要 となってきた 人 間 の 安 全 保 障 の 考 え 方 伝 統 的 な 安 全 保 障 の 視 点 に 加 え 国 境 を 越 えたグローバルな 視 点 と 一 人 ひとりの 人 間 に 着 目 した 視 点 を 総 合 して 考 えるのが 現 代 の 安 全 保 障 である < 今 日 的 な 安 全 保 障 の 定 義 > ある 集 団 や 個 人 の 安 全 を 脅 かすものに 対 し 何 らかの 手 段 を 講 じることで その 秩 序 を 維 持 すること 主 体 国 際 社 会 国 家 市 民 社 会 など 個 人 脅 威 の 対 象 ある 集 団 や 個 人 の 安 全 を 脅 かすあらゆるもの 2

< 人 間 の 安 全 保 障 の 考 え 方 > 現 代 の 国 際 社 会 における 様 々な 問 題 に 対 応 するためには 伝 統 的 な 国 家 国 民 主 体 の 視 点 に 加 え 国 境 を 越 えたグローバルな 視 点 と 一 人 ひとり 人 間 に 着 目 した 視 点 が 必 要 である そこで 1994 年 に 国 連 開 発 計 画 (UNDP)は 人 間 開 発 報 告 書 において 人 間 の 安 全 保 障 という 概 念 を 提 示 した 人 間 の 安 全 保 障 の 特 徴 は 安 全 保 障 の 対 象 を 一 人 ひとりの 人 間 としている 点 にある UNDP はその 領 域 として 1 経 済 2 食 糧 3 健 康 4 環 境 5 物 理 的 暴 力 6 共 同 体 7 政 治 の7つを 挙 げている 2. 安 全 保 障 の 手 段 1. 軍 事 力 軍 事 力 を 持 つことで 戦 争 を 起 こさせない 抑 止 の 効 果 戦 争 が 起 きた 場 合 の 対 処 ( 防 衛 ) の 効 果 直 接 的 な 軍 事 力 の 行 使 は 圧 倒 的 な 強 制 力 を 持 つ 2. 外 交 対 立 を 協 議 や 交 渉 によって 平 和 的 に 解 決 しようとするもの 強 制 外 交 軍 事 力 の 威 嚇 によって 外 交 を 自 国 の 有 利 な 方 向 に 進 める 外 交 政 策 予 防 外 交 他 国 と 軍 事 情 報 の 公 開 や 軍 事 行 動 の 規 制 等 を 行 うことで 国 家 間 の 信 頼 を 深 め 軍 事 衝 突 を 予 防 する 信 頼 醸 成 措 置 (CBM:Confidence Building Measures) 3. 経 済 的 手 段 経 済 制 裁 国 際 社 会 の 安 全 を 脅 かす 国 に 対 し 輸 出 入 の 停 止 在 外 資 産 の 凍 結 経 済 協 力 の 停 止 などの 手 段 をとる 輸 出 管 理 兵 器 や 軍 事 転 用 可 能 な 資 材 技 術 がテロリストなどの 手 に 渡 らぬよう 自 国 の 輸 出 を 厳 重 に 規 制 する 経 済 援 助 途 上 国 に 対 して 先 進 国 や 国 際 機 関 が 資 金 物 資 の 援 助 を 行 うことで テロを 生 み 出 す 原 因 の 一 つである 貧 困 を 解 消 する 4. ソフトパワー 軍 事 力 (ハードパワー)の 対 義 語 で 経 済 的 手 段 とも 異 なる 手 段 文 化 や 価 値 観 などを 発 信 し 他 国 からの 支 持 共 感 を 得 ることが その 国 にとって 外 交 上 有 利 に 働 くという 理 論 ハーバード 大 学 教 授 のジョセフ ナイによって 提 唱 された 概 念 3

3. 安 全 保 障 の 方 法 ( 安 全 保 障 の 主 な 概 念 ) 伝 統 的 安 全 保 障 < 概 要 > 根 底 にあるのはリアリズムの 安 全 保 障 観 国 際 社 会 は 中 央 政 府 が 不 在 で 無 秩 序 (アナーキー)である 万 人 の 万 人 による 闘 争 (トマス ホッブス)という 考 え よって 国 家 は 自 らで 自 国 の 安 全 を 守 らなければならない 様 々なパワー 関 係 において 優 位 に 立 つことで 他 国 との 衝 突 を 回 避 できる パワーの 究 極 である 軍 事 力 の 強 化 しかし 一 国 の 力 では 対 抗 できない 可 能 性 共 通 の 敵 国 を 想 定 する 国 々との 同 盟 によって 対 抗 ( 集 団 防 衛 ) 対 立 する 国 家 間 同 盟 間 のパワーに 均 衡 が 生 じているとき 国 際 社 会 に 秩 序 が 生 まれる < 例 > 北 大 西 洋 条 約 機 構 (NATO) 日 米 同 盟 < 問 題 点 > 安 全 保 障 のジレンマ を 生 むこと 自 国 の 安 全 を 高 めるために 軍 事 力 の 増 強 や 同 盟 の 締 結 を 行 うことで それを 脅 威 に 感 じた 他 国 も 同 様 の 措 置 をとるため 結 果 的 にどちらの 安 全 感 も 低 下 してしまう 状 況 集 団 安 全 保 障 < 概 要 > 仮 想 敵 国 ( 脅 威 になると 想 定 される 国 )を 含 めた 複 数 国 による 集 団 を 形 成 体 制 内 で 不 当 に 武 力 を 行 使 する 国 が 現 れた 場 合 他 のすべての 国 が 軍 事 制 裁 経 済 制 裁 などの 強 制 措 置 を 行 うことで 秩 序 を 維 持 回 復 する < 例 > 国 際 連 合 アフリカ 連 合 < 問 題 点 > 実 効 性 が 低 いこと 集 団 安 全 保 障 が 有 効 に 機 能 するには 以 下 の 三 条 件 が 必 要 とされる 1. いかなる 侵 略 国 をも 圧 倒 できる 力 を 常 に 持 つこと 2. 加 盟 国 は 彼 らが 支 持 する 安 全 保 障 について 同 じ 考 え 方 を 共 有 すること 3. 加 盟 国 が 自 国 の 利 益 よりも 集 団 の 安 全 を 優 先 すること ( 武 田 康 裕 編 安 全 保 障 のポイントがよくわかる 本 を 参 考 ) これらの 条 件 が 満 たされるのは 困 難 である 4

協 調 的 安 全 保 障 < 概 要 > 伝 統 的 安 全 保 障 や 集 団 安 全 保 障 は 紛 争 の 存 在 を 想 定 した それに 対 する 抑 止 と 対 処 の 方 法 である これに 対 し 協 調 的 安 全 保 障 は 対 立 の 原 因 を 取 り 除 き 紛 争 に 発 展 す ることを 防 ぐ 予 防 に 重 点 を 置 いた 理 論 である 元 になったのは 冷 戦 期 に 生 まれた 共 通 の 安 全 保 障 の 概 念 戦 争 回 避 のために 敵 同 士 が 協 力 する 軍 事 情 報 の 交 換 などの 信 頼 醸 成 措 置 他 国 を 攻 撃 する 力 を 持 たない 防 衛 的 防 御 特 定 の 脅 威 を 前 提 とし 奇 襲 や 偶 発 戦 争 を 防 止 する 短 期 的 な 予 防 協 調 的 安 全 保 障 は 仮 想 敵 国 との 協 調 関 係 の 構 築 による 長 期 的 な 予 防 制 度 化 された 対 話 や 多 様 な 信 頼 醸 成 措 置 といった 非 強 制 的 な 手 段 を 継 続 する 仮 想 敵 国 への 強 制 措 置 を 想 定 とする 集 団 安 全 保 障 との 違 い < 例 > 欧 州 安 全 保 障 協 力 機 構 (OSCE) ASEAN 地 域 フォーラム(ARF) < 問 題 点 > 必 ずしも 対 話 によって 協 調 がもたらされるとは 限 らない 軍 事 衝 突 が 起 こった 場 合 どうするのか 結 局 集 団 安 全 保 障 論 のような 強 制 措 置 が 必 要 となるのではないか 5

III. 各 論 1. 日 本 と 中 国 尖 閣 諸 島 今 回 尖 閣 諸 島 への 中 国 の 対 応 を 巡 り そこから 安 全 保 障 について 考 えていこうと 思 う 図 : 尖 閣 諸 島 の 位 置 ( 佐 島 直 子 安 全 保 障 ってなんだろう より) 尖 閣 諸 島 の 歴 史 1372 年 に 琉 球 は 民 国 と 朝 貢 関 係 に 入 り 16 世 紀 に 中 国 の 使 者 の 航 海 記 に 尖 閣 諸 島 の 記 述 が 現 れる 1885 年 から 日 本 国 は 尖 閣 諸 島 を 調 査 1894 年 に 日 清 戦 争 開 戦 1895 年 に 魚 釣 島 や 九 場 島 を 沖 縄 県 の 所 轄 と 決 定 同 年 に 下 関 条 約 署 名 下 関 条 約 日 清 戦 争 の 講 和 条 約 日 本 に 対 する 遼 東 半 島 台 湾 澎 湖 列 島 の 割 譲 などをさ だめたもの 1945 年 の 終 戦 後 中 華 民 国 政 府 ( 現 在 の 台 湾 )はポツダム 宣 言 に 基 づき 台 湾 と 澎 湖 諸 島 を 自 国 領 土 に 回 復 同 年 11 月 に 米 国 は 旧 沖 縄 県 行 政 地 域 ( 尖 閣 諸 島 を 含 む)の 施 政 を 引 き 継 ぐ 1952 年 に 日 本 政 府 は 平 和 条 約 に 基 づき 台 湾 および 澎 湖 諸 島 の 領 土 権 を 放 棄 その 後 石 6

油 資 源 埋 蔵 可 能 性 が 指 摘 されると 中 華 人 民 共 和 国 政 府 は 1970 年 に 非 公 式 1971 年 に 公 式 に 尖 閣 諸 島 の 領 有 権 を 主 張 その 間 に 日 米 政 府 が 沖 縄 返 還 協 定 に 署 名 1972 年 に 沖 縄 は 日 本 政 府 へと 返 還 された 尖 閣 を 巡 る 争 点 争 点 となるのは 16 世 紀 の 航 海 記 の 記 述 は 発 見 として 扱 われうるのか 澎 湖 列 島 へ と 尖 閣 諸 島 は 含 まれるのか ということである 日 本 側 の 見 解 としては 1885 年 の 調 査 の 時 点 で 単 にこれが 無 人 島 であることのみなら ず 清 国 の 支 配 が 及 んでいる 痕 跡 がないことを 慎 重 確 認 のうえ 編 入 したものであり 台 湾 および 澎 湖 諸 島 には 含 まれない というものである 日 本 の 立 場 としては 尖 閣 は 日 本 の 実 効 支 配 の 及 ぶ 場 所 であり 紛 争 は 無 い 故 に 国 際 司 法 裁 判 も 必 要 はない (http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120922/mca1209220606005-n1.htm)という 立 場 で ある 一 方 で 一 部 では 尖 閣 決 着 を 国 際 司 法 裁 判 所 でつけるべきという 考 え 方 も 現 れてき ている (0http://www.jiji.com/jc/zc?k=201209/2012092900330) また 1970 年 以 前 の 中 国 の 文 献 では 尖 閣 諸 島 は 日 本 領 であると 明 言 されたものもあり 明 らかにこの 問 題 は 石 油 資 源 を 巡 る 争 いである 中 国 の 領 海 法 では 尖 閣 諸 島 も 台 湾 も 中 国 の 内 海 である 尖 閣 諸 島 を 日 本 がコント ロールできるのは 日 本 の 海 軍 力 が 中 国 の 海 軍 力 を 上 回 っているからである 一 方 2010 年 の 日 本 の 石 垣 海 上 保 安 部 の 巡 視 船 への 漁 船 の 衝 突 では 那 覇 地 検 は 処 分 保 留 のまま 釈 放 中 国 との 外 交 ルートの 欠 如 と 中 国 政 府 の 力 の 増 大 を 示 す 結 果 となった 図 : 中 国 の 軍 備 費 用 の 推 移 ( 佐 島 直 子 安 全 保 障 ってなんだろう より) 米 国 の 立 場 数 日 前 アメリカは 尖 閣 諸 島 について 日 米 安 全 保 障 の 対 象 となる 旨 を 示 した つまりは 現 状 では 尖 閣 諸 島 の 問 題 は 米 中 関 係 の 絡 む 複 雑 なものとなる 現 在 各 国 は 尖 閣 周 辺 に 巡 視 船 を 出 している 現 状 では それ 以 上 の 軍 事 衝 突 は 発 生 していない では 尖 閣 が 日 米 安 保 の 対 象 となることでいったい 何 が 起 こるのかを 考 えようと 思 う 米 中 関 係 は 1972 年 に 当 時 アメリカ 大 統 領 のニクソンが 訪 中 79 年 には 国 交 を 樹 立 した その 後 も 7

アメリカの 各 大 統 領 は 中 国 とのかかわり 方 をアピールする 政 策 の 一 つとしてきた だが 現 状 では 米 中 は 互 いに 経 済 大 国 であるという 点 が 大 きく 両 国 の 関 係 は 良 好 とまではいか なくとも 相 互 依 存 はしていると 言 えよう 李 登 輝 へのビザの 支 給 へと 抗 議 した 際 や 日 米 安 保 を 再 強 化 した 際 に 中 国 側 の 矛 先 は 機 敏 にアメリカから 日 本 や 台 湾 へと 切 り 替 わったと いう 事 実 からも 中 国 は 米 国 と 事 を 荒 立 てたくないということは 明 らかである 恐 らく 日 本 という 第 三 国 が 関 わる 事 象 にしか 過 ぎない 尖 閣 諸 島 の 問 題 に 関 しては 米 中 間 で 直 接 の 軍 事 衝 突 を 起 こすとは 考 えにくい 日 米 安 保 の 対 象 に 組 み 込 まれた 結 果 としては 中 国 への 牽 制 という 効 果 以 上 のものはお そらくない 2. 東 南 アジア SEATO(South East Asia Treaty Organization, 東 南 アジア 条 約 機 構 ) 1954~1977 アメリカ フランス イギリス イギリス ニュージーランド オーストラリア フィリ ピン タイ パキスタン < 理 由 > 対 中 国 北 ベトナム 東 南 アジアの 共 産 化 を 防 ぐ きっかけ 中 国 共 産 党 の 勝 利 (1949) 朝 鮮 戦 争 ( 1950~1953) 第 一 次 イ ン ド シ ナ 戦 争 ( 1946 ~1954) マニラ 条 約 (1954) <ベトナム 戦 争 > トンキン 湾 事 件 ( 北 ベトナムによるアメリカの 駆 逐 艦 への 攻 撃 )1964 年 8 月 米 軍 介 入 開 始 オーストラリア 政 府 の 南 ベトナムへの 派 兵 決 定 1965 年 4 月 ニュージーランド 政 府 の 南 ベトナムへの 派 兵 決 定 1965 年 5 月 (ANZUS 条 約 ) タイ 陸 軍 派 兵 開 始 1967 年 1 月 フィリピン 後 方 支 援 隊 1968 年 < 成 功 点 > 軍 備 の 近 代 化 タイ フィリピン パキスタン 8

必 要 な 兵 力 の 推 測 米 国 組 織 的 な 計 画 東 南 アジアにおける 華 人 の 統 計 役 割 分 担 英 連 邦 教 育 面 SEATO 工 科 大 学 院 (アジア 工 科 大 学 院 )タイ 東 南 アジアへの 経 済 支 援 < 失 敗 点 > 参 加 国 の 考 えの 違 い 組 織 的 な 行 動 が 取 れなかった 例 フィリピン フランスが 南 ベトナム ラオス カンボジアの 参 加 反 対 パキスタン フランスのベトナム 戦 争 介 入 反 対 優 先 度 が 低 かった 1 位 ヨーロッパ 2 位 北 東 アジア 3 位 中 東 4 位 東 南 アジア <まとめ> 実 際 のSEATOとしての 軍 事 行 動 などは 参 加 国 全 員 の 合 意 がなされなかったため 軍 事 演 習 レベルにとどまった しかし 実 行 力 においては 欠 けているが SEATO 自 体 は 多 国 家 間 の 枠 組 みとしては 共 産 主 義 から 軍 事 的 に 弱 い 東 南 アジア 諸 国 を 守 ることに 貢 献 したという 一 面 もある 軍 事 的 な 側 面 だけではなく 東 南 アジアにおける 華 人 の 統 計 な どの 東 南 アジア 地 域 における 地 域 研 究 も 本 格 的 に 始 まった 9

To Cage the Red Dragon, page154 ASEAN (Association of South-East Asian Nations, 東 南 アジア 諸 国 連 合 ) 1967 タイ インドネシア シンガポール フィリピン マレーシア 1984 ブルネイ 加 盟 1975 ベトナム 戦 争 終 結 1995 ベトナム 加 盟 1997 ミャンマー ラオス 加 盟 1997 アジア 通 貨 危 機 1999 カンボジア 加 盟 内 政 不 干 渉 という 原 則 がある 初 期 参 加 国 が 第 二 次 世 界 大 戦 後 に 独 立 した 若 い 国 の 集 まりだったため 自 国 の 独 立 を 最 重 要 視 していたため <ASEANと 中 国 > 第 一 期 第 二 次 世 界 大 戦 中 の 日 本 による 占 領 期 間 に 多 くの 共 産 兵 が 東 南 アジアで 立 ち 上 がった 例 The Malayan Peoples' Anti-Japanese Army (MPAJA) 新 人 民 軍 (New People s Army, NPA) 多 くの 東 南 アジアにいた 抗 日 共 産 兵 は 華 人 であり 加 えて 中 国 からの 武 器 や 軍 事 訓 練 の 提 供 がされていた そのため 大 戦 後 東 南 アジア 諸 国 が 共 産 兵 との 戦 いや 独 立 戦 争 を 終 えた 10

時 のASEANは 中 国 と 敵 対 していた 第 二 期 鄧 小 平 文 化 大 革 命 で 疲 弊 した 国 力 回 復 天 安 門 などの 問 題 からの 国 際 社 会 からの 孤 立 を 避 けるため 開 放 改 革 により 東 南 アジアとの 国 交 回 復 1974 マレーシア 75 フィリピン タイ 90 シンガポール インドネシア 主 に 2 国 間 同 士 での 外 交 第 三 期 1992 南 シナ 海 におけるASEAN 宣 言 武 力 不 行 使 平 和 的 解 決 法 的 拘 束 力 なし ベトナム&マレーシアの 共 同 開 発 1994 中 国 のASEAN 地 域 フォーラム(ARF) 参 加 2002 年 ASEAN+1 FTA 南 シナ 海 における 関 係 国 の 行 動 宣 言 中 国 署 名 南 シナ 海 主 にスプラトリー 諸 島 の 主 権 問 題 スプラトリー 諸 島 のすべては 自 国 の 領 土 である= 中 国 台 湾 ベトナム スプラトリー 諸 島 の 一 部 は 自 国 の 領 土 である=フィリピン マレーシア ブルネイ 1980 年 代 ~ 中 国 がスプラトリー 諸 島 の 海 洋 調 査 や 軍 事 訓 練 開 始 1988 年 中 国 ベトナムが 主 張 するサンゴ 礁 の 実 行 支 配 開 始 1992 年 米 国 の 在 比 軍 撤 退 1992 年 南 シナ 海 におけるASEAN 宣 言 1995 年 中 国 フィリピンが 主 張 するサンゴ 礁 の 実 行 支 配 開 始 1998 年 中 国 とベトナムの 海 軍 遭 遇 戦 2002 年 ASEAN+1 2012 年 7 月 地 域 フォーラム ARF プノンペン 議 長 国 カンボジア フィリピンとベトナムは 共 同 声 明 に 中 国 が 自 国 の 排 他 的 経 済 水 域 (EEZ)を 侵 犯 した 事 実 を 含 めようと 主 張 したが 議 長 国 のカンボジアは 拒 否 した 南 シナ 海 行 動 規 範 = 法 的 拘 束 力 がある の 早 期 策 定 11

2012 7 月 地 域 フォーラム ARF プノンペン 議 長 国 カンボジア フィリピンとベ トナムは 共 同 声 明 に 中 国 が 自 国 の 排 他 的 経 済 水 域 (EEZ)を 侵 犯 した 事 実 を 含 めようと 主 張 したが 議 長 国 のカンボジアは 拒 否 した 南 シナ 海 行 動 規 範 = 法 的 拘 束 力 がある の 早 期 策 定 Wikipedia 南 海 諸 島 http://ja.wikipedia.org/wiki/%e5%8d%97%e6%b5%b7%e8%ab%b8%e5% <ASEANと 中 国 の 経 済 > 中 国 にとってASEANは 輸 出 相 手 第 4 位 輸 入 相 手 第 3 位 Wikipedia http://www.stats.gov.cn/was40/gjtjj_en_detail.jsp?searchword=asean&channelid=952 南 海 諸 島 http://ja.wikipedia.org/wiki/%e5%8d%97%e6%b5%b7%e8%ab%b8%e5%b3%b6 8&record=1 Statistical Communiqué of the People's Republic of China On the 2011 National Economic and Social Development http://www.stats.gov.cn/was40/gjtjj_en_detail.jsp?searchword=asean&channelid=9528&record=1 12

ASEANにとって 中 国 は 輸 出 国 第 2 位 輸 入 国 第 1 位 (ASEAN 内 取 引 を 除 く) ASEAN Statistics http://www.aseansec.org/19230.htm 13

<まとめ> 中 国 は 基 本 的 にASEANという 枠 組 みではなく 当 事 国 同 士 の 2 カ 国 間 で 話 し 合 いを 試 みている 加 えて 米 国 の 介 入 を 嫌 がっている 一 方 フィリピンなどの 当 事 国 は A SEANとして ひとつになっての 話 し 合 いを 望 んでいるが 経 済 軍 事 的 大 国 となった 中 国 と 自 国 の 関 係 悪 化 を 恐 れASEAN 全 体 として 中 国 に 対 抗 するという 構 造 が 作 れなく なっている Ⅳ. 考 察 -グローバル 社 会 における 安 全 保 障 の 現 状 - 現 在 東 アジアの 安 全 保 障 はうまくなされていない 最 近 のニュースから 分 かるように 領 土 問 題 や 東 アジア 諸 国 の 軍 備 強 化 により 東 アジアでの 緊 張 は 高 まっている その 大 き な 理 由 の 一 つとして 資 源 の 確 保 などを 目 的 とした 海 軍 力 を 増 強 した 中 国 による 尖 閣 諸 島 や 南 シナ 海 の 進 出 がある この 問 題 を 発 端 に 経 済 損 失 や 国 家 間 の 緊 張 が 高 まった こ こから 分 かることは 国 々が 自 国 の 資 源 や 利 益 などの 安 全 ばかりを 意 識 してグローバルな 視 点 を 欠 いているということだ 加 えて 冷 戦 時 代 に 生 まれた SEATOやASEANなどの 伝 統 的 な 安 全 保 障 では 文 化 経 済 など 複 雑 化 したグローバル 化 時 代 の 問 題 に 対 して 平 和 的 に 対 応 できていない これからは 今 までの 敵 対 を 前 提 とした 安 全 保 障 体 制 ではなく 潜 在 的 な 敵 とも 協 調 する 枠 組 みが 必 要 だ V.おわりに グローバル 化 が 進 んだ 国 際 社 会 において 安 全 保 障 の 領 域 は 広 がり 続 けてい る 軍 事 力 や 経 済 的 手 段 を 用 いて 自 国 の 安 全 を 守 るという 伝 統 的 な 安 全 保 障 は 力 によって 強 制 的 に 作 りあげた 秩 序 である それは 短 期 的 なもので いつ 崩 れ 去 ってもおかしくない ま た そのような 安 全 保 障 観 では 国 境 を 越 えて 考 えなければならない 問 題 に 対 応 することができない これからの 安 全 保 障 を 考 える 上 で 重 要 なのは 非 強 制 的 な 手 段 によって 多 国 間 の 長 期 的 な 協 調 関 係 を 築 いていくことである 協 調 関 係 を 築 くことは 戦 争 の 回 避 だけではなく 貧 困 や 飢 餓 などの 個 人 の 安 全 に 直 接 関 わる 問 題 の 解 決 にも 繫 がるだろう そのためには 国 家 はグローバルな 視 点 と 人 間 一 人 ひとりの 安 全 を 守 るという 視 点 を 持 ち 対 話 や 交 流 を 継 続 して 行 っていく 必 要 がある 力 によって 自 国 の 利 益 を 追 求 するのではなく 国 際 社 会 全 体 の 協 調 を 志 向 するこ とで 平 和 的 で 恒 久 な 秩 序 が 生 まれる 14

Ⅵ. 参 考 文 献 ホームページ 中 嶋 嶺 雄,1992, 国 際 関 係 論 中 公 公 論 社. 鈴 木 基 史,2007, 平 和 と 安 全 保 障 東 京 大 学 出 版 会. 大 矢 根 聡,2009, 東 アジアの 国 際 関 係 多 国 間 主 義 の 地 平 有 信 堂 高 文 社. 防 衛 大 学 校 安 全 保 障 学 研 究 会, 武 田 康 裕 編,2007, 安 全 保 障 のポイントがよくわ かる 本 [ 安 全 ]と[ 脅 威 ]のメカニズム 亜 紀 書 房. 佐 島 直 子,2011, 安 全 保 障 ってなんだろう 勁 草 書 房. 木 村 朗,2005, 核 の 時 代 と 東 アジアの 平 和 法 律 文 化 社. 日 中 ジャーナリスト 交 流 会 議,2012, 日 中 の 壁 築 地 書 館. Fenton Damien, 2012, To Cage the Red Dragon, Singapore: National University of Singapore. 山 影 進,2011, ASEAN の 歩 んできた 道 これから 作 る 道 - 新 しい ASEAN の 浮 上 -, 山 影 進 著 新 しい ASEAN- 地 域 共 同 体 とアジアの 中 心 性 を 目 指 して- アジア 経 済 研 究 所. 浅 野 亮,2005, 中 国 と ASEAN- 対 立 からパートナーへ, 黒 柳 米 司, アジア 地 域 秩 序 と ASEAN の 挑 戦 明 石 書 店. 佐 藤 孝 一,1997, 中 国 外 交 と ASEAN 諸 国, 天 児 慧, 中 国 は 脅 威 か, 勁 草 書 房. 外 務 省 : 人 間 の 安 全 保 障 ( 日 本 の 取 組 )- http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/bunya/security/initiative.html(2012 年 10 月 13 日 ) Securitygirl.net-http://www.securitygirl.net/index.html (2012 年 10 月 13 日 ) 外 務 省 : ASEAN 地 域 フォーラム(ARF) 予 防 外 交 の 概 念 と 原 則 ( 仮 訳 )-http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/asean/arf/g_seimei_d.html(2012 年 10 月 13 日 ) 外 務 省 : ARF(アセアン 地 域 フォーラム)の 関 連 資 料 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/asean/arf/pdfs/gaiyo.pdf(2012 年 10 月 13 日 ) 15