平 成 27 年 3 月 10 日 レギュラトリーサイエンス 新 技 術 開 発 事 業 研 究 実 績 報 告 書 課 題 番 号 :2501 高 温 加 熱 により 生 成 する 有 害 化 学 物 質 を 低 減 した 調 理 法 の 評 価 検 証 研 究 期 間 : 平 成 25 年 度 ~ 平 成 26 年 度 (2 年 間 ) 研 究 総 括 者 名 : 小 野 裕 嗣 試 験 研 究 機 関 名 : 低 減 調 理 コンソーシアム ( 構 成 機 関 ) ( 独 ) 農 業 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 食 品 総 合 研 究 所 香 川 栄 養 学 園 女 子 栄 養 大 学 短 期 大 学 部 東 京 家 政 学 院 大 学 1
Ⅰ. 全 体 計 画 1. 研 究 目 的 モデル 調 理 品 やアクリルアミド 濃 度 を 低 減 できる 調 理 方 法 で 調 理 した 家 庭 調 理 品 の アクリルアミド 濃 度 データを 収 集 して 期 待 される 効 果 を 推 定 し 行 政 が 食 品 中 のア クリルアミドのリスク 管 理 措 置 の 一 環 として 行 う 消 費 者 等 への 情 報 提 供 助 言 の 根 拠 となる 基 礎 データを 蓄 積 する これらのデータに 基 づき 消 費 者 向 けの 助 言 を 具 体 的 な 形 で 提 案 する 2. 研 究 内 容 (1) 中 課 題 1: 家 庭 調 理 モデルの 設 計 対 象 品 目 や 調 理 条 件 を 定 めた 家 庭 調 理 モデルを 設 計 する 1) 小 課 題 1: 調 理 方 法 調 理 条 件 品 目 の 検 討 食 品 総 合 研 究 所 東 京 家 政 学 院 大 学 アクリルアミドの 生 成 要 因 であるアスパラギンと 還 元 糖 は 多 くの 野 菜 に 含 ま れている また アクリルアミドは 概 ね120 以 上 の 温 度 で 生 成 することが わかっており 家 庭 調 理 においても 野 菜 を 高 温 で 調 理 するとアクリルアミドが 生 成 することが 想 定 される このため この 温 度 帯 を 超 える 調 理 方 法 調 理 条 件 品 目 について 日 本 の 家 庭 におけるメニューの 出 現 頻 度 やレシピのばらつき 等 の 観 点 から 文 献 調 査 等 により 検 討 した 上 で 行 政 部 局 と 協 議 し 調 理 品 目 を 選 定 する 2) 小 課 題 2:アクリルアミドの 生 成 しにくい 調 理 条 件 の 検 討 食 品 総 合 研 究 所 女 子 栄 養 大 学 短 期 大 学 部 上 記 の 小 課 題 1で 検 討 した 調 理 方 法 品 目 について 調 理 条 件 を 変 えてアクリル アミドの 生 成 量 の 異 なるモデル 調 理 条 件 を 設 計 する モデル 調 理 条 件 の 再 現 性 を 高 めるため 自 動 調 理 機 なども 必 要 に 応 じて 活 用 する また 調 理 品 の 仕 上 りの 状 態 を 具 体 的 に 示 すことが 消 費 者 向 けの 助 言 として 有 用 であるため 外 観 に 関 しては 撮 影 条 件 を 揃 えて 写 真 撮 影 を 行 う また 外 観 以 外 にも 助 言 として 活 用 しうる 消 費 者 にわかりやすい 仕 上 がり 状 態 や 調 理 手 順 を 伝 える 上 のポイント を 表 現 する 指 標 を 検 討 する (2) 中 課 題 2:モデル 試 験 によるアクリルアミド 濃 度 の 測 定 評 価 モデル 調 理 品 の 特 性 とアクリルアミド 濃 度 の 測 定 評 価 を 行 う 1) 小 課 題 1:モデル 調 理 品 の 特 性 評 価 女 子 栄 養 大 学 短 期 大 学 部 調 理 方 法 調 理 条 件 を 変 えてモデル 調 理 試 験 を 実 施 し 調 理 品 の 特 性 について 消 費 者 の 受 容 性 を 嗜 好 面 や 栄 養 面 から 評 価 する 2
2) 小 課 題 2:モデル 調 理 品 のアクリルアミド 濃 度 の 測 定 評 価 食 品 総 合 研 究 所 モデル 調 理 品 中 に 含 まれるアクリルアミド 濃 度 を 測 定 し 調 理 方 法 調 理 条 件 等 の 各 因 子 による 影 響 を 統 計 学 的 に 評 価 する なお アクリルアミドの 分 析 は 精 度 管 理 等 の 要 件 を 満 たすことを 明 記 した 仕 様 による 競 争 入 札 によって 決 定 した 分 析 機 関 に 依 頼 する (3) 中 課 題 3: 消 費 者 向 けの 助 言 の 検 討 具 体 的 な 消 費 者 向 けの 助 言 内 容 と 実 際 に 助 言 した 際 の 受 容 性 や 実 行 可 能 性 につい て 検 討 する 1) 小 課 題 1: 家 庭 調 理 の 実 態 調 査 による 助 言 内 容 の 検 討 食 品 総 合 研 究 所 女 子 栄 養 大 学 短 期 大 学 部 中 課 題 1( 小 課 題 1)で 検 討 した 品 目 について 協 力 者 から 家 庭 調 理 品 を 収 集 して アクリルアミド 濃 度 の 実 態 を 頻 度 分 布 等 の 形 で 明 らかにする また 同 時 に 配 付 する 調 査 票 により 調 理 方 法 調 理 器 具 の 他 調 理 時 に 調 理 者 が 重 視 する 事 柄 として おいしさ だけでなく 食 品 安 全 性 に 対 する 安 心 の 観 点 等 も 含 め て 調 査 し 具 体 的 な 助 言 の 内 容 を 検 討 する なお 家 庭 調 理 品 の 提 供 を 依 頼 する 協 力 者 は 日 常 的 に 当 該 品 目 の 調 理 を 行 っている 者 とするが 協 力 者 の 募 集 方 法 等 については バイアスが 生 じないように 研 究 課 題 運 営 チームと 十 分 な 協 議 した 上 で 決 定 する 2) 小 課 題 2: 消 費 者 向 けの 助 言 の 効 果 と 受 容 性 の 評 価 食 品 総 合 研 究 所 東 京 家 政 学 院 大 学 上 記 の 小 課 題 1の 協 力 者 に 当 該 品 目 の 調 理 方 法 に 関 する 具 体 的 な 助 言 を 与 え た 後 再 度 当 該 品 目 の 調 理 品 を 回 収 し 助 言 によるアクリルアミド 濃 度 の 低 減 効 果 を 頻 度 分 布 等 の 変 化 から 検 証 する また 同 時 に 配 付 する 調 査 票 により 具 体 的 な 助 言 の 受 容 性 や 実 行 可 能 性 を 評 価 する 3
3. 年 次 計 画 項 目 平 成 25 年 度 平 成 26 年 度 1. 家 庭 調 理 モデルの 設 計 (1) 調 理 方 法 調 理 条 件 品 目 の 検 討 (2)アクリルアミドの 生 成 しに くい 調 理 条 件 の 検 討 調 理 方 法 調 理 条 件 品 目 の 検 討 ( 食 品 総 合 研 究 所 東 京 家 政 学 院 大 学 ) アクリルアミドの 生 成 しにくい 調 理 条 件 の 検 討 ( 食 品 総 合 研 究 所 女 子 栄 養 大 学 短 期 大 学 部 ) 2.モデル 試 験 によるアクリルア ミド 濃 度 の 測 定 評 価 (1)モデル 調 理 品 の 特 性 評 価 モデル 調 理 品 の 特 性 評 価 ( 女 子 栄 養 大 学 短 期 大 学 部 ) (2)モデル 調 理 品 のアクリルア ミド 濃 度 の 測 定 評 価 モデル 調 理 品 のアクリルアミド 濃 度 の 測 定 評 価 ( 食 品 総 合 研 究 所 ) 3. 消 費 者 向 けの 助 言 の 検 討 (1) 家 庭 調 理 の 実 態 調 査 による 助 言 内 容 の 検 討 (2) 消 費 者 向 けの 助 言 の 効 果 と 受 容 性 の 評 価 家 庭 調 理 の 実 態 調 査 による 助 言 内 容 の 検 討 ( 食 品 総 合 研 究 所 女 子 栄 養 大 学 短 期 大 学 部 ) 消 費 者 向 けの 助 言 の 効 果 と 受 容 性 の 評 価 ( 食 品 総 合 研 究 所 東 京 家 政 学 院 大 学 ) 所 要 経 費 ( 合 計 ) 7,971 千 円 7,452 千 円 4
4. 実 施 体 制 エフォート 項 目 担 当 研 究 機 関 研 究 担 当 者 (%) 研 究 総 括 者 食 品 総 合 研 究 所 小 野 裕 嗣 20 1. 家 庭 調 理 モデルの 設 計 食 品 総 合 研 究 所 小 野 裕 嗣 前 出 (1) 調 理 方 法 調 理 条 件 品 目 の 検 討 東 京 家 政 学 院 大 学 竹 中 真 紀 子 三 宅 紀 子 10 10 (2)アクリルアミドの 生 成 しに くい 調 理 条 件 の 検 討 女 子 栄 養 大 学 短 期 大 学 部 三 好 恵 子 10 2.モデル 試 験 によるアクリルア ミド 濃 度 の 測 定 評 価 食 品 総 合 研 究 所 小 野 裕 嗣 前 出 (1)モデル 調 理 品 の 特 性 評 価 女 子 栄 養 大 学 短 期 大 学 部 長 田 早 苗 10 (2)モデル 調 理 品 のアクリルア ミド 濃 度 の 測 定 評 価 食 品 総 合 研 究 所 塚 越 芳 樹 10 3. 消 費 者 向 けの 助 言 の 検 討 食 品 総 合 研 究 所 小 野 裕 嗣 前 出 (1) 家 庭 調 理 の 実 態 調 査 による 助 言 内 容 の 検 討 女 子 栄 養 大 学 短 期 大 学 部 三 好 恵 子 前 出 (2) 消 費 者 向 けの 助 言 の 効 果 と 受 容 性 の 評 価 : 中 課 題 担 当 者 : 小 課 題 担 当 者 食 品 総 合 研 究 所 東 京 家 政 学 院 大 学 塚 越 芳 樹 竹 中 真 紀 子 三 宅 紀 子 前 出 前 出 前 出 5
Ⅱ.これまでに 得 られた 成 果 の 概 要 1. 中 課 題 1: 家 庭 調 理 モデルの 設 計 (1) 成 果 の 概 要 工 程 表 アクリルアミドに 関 するこれまでの 知 見 や 日 本 人 の 食 生 活 や 調 理 の 実 態 を 踏 まえて 助 言 対 象 となる 高 温 調 理 品 目 の 候 補 と 調 理 条 件 を 検 討 する その 際 消 費 者 に 提 供 可 能 な 仕 上 がり の 目 安 となる 指 標 や 消 費 者 が 実 行 可 能 な 調 理 条 件 を 整 理 する( 小 課 題 1 関 連 ) ( 平 成 25 年 度 ) 進 捗 状 況 成 果 野 菜 の 焼 き 調 理 炒 め 調 理 によってアクリル アミドが 高 濃 度 に 生 じるという 研 究 例 が 知 られており 日 本 人 の 家 庭 調 理 における 主 た る 摂 取 源 であることが 想 定 される 過 去 の 国 民 健 康 栄 養 調 査 の 調 査 品 目 を 中 心 に 候 補 品 目 と 調 理 条 件 について 整 理 した( 表 1 1) ( 平 成 25 年 度 ) 1 リスク 管 理 に 携 わる 行 政 部 局 と 協 議 の 上 対 アクリルアミドの 低 減 に 結 びつく 具 体 的 な 象 品 目 等 を 選 定 する( 小 課 題 1 2 関 連 ) 調 理 条 件 の 検 討 に 先 立 ち 高 濃 度 でアクリル ( 平 成 25 年 度 ) アミドが 生 成 する 可 能 性 のある 品 目 を 絞 り 込 むため 多 品 目 のスクリーニング 調 査 を 行 うこととし 対 象 25 品 目 を 選 定 した また その 分 析 結 果 を 受 けて アクリルアミドの 生 成 要 因 となる 条 件 を 変 えた 調 理 試 験 ( 以 下 低 減 調 理 )を 行 う13 品 目 を 選 定 した ( 平 成 25 年 度 ) 2 対 象 品 目 について 仕 上 りの 状 態 や 調 理 条 件 個 々の 品 目 に 対 する 低 減 調 理 として 加 熱 程 を 変 えたモデル 調 理 を 設 計 する( 小 課 題 2 関 度 の 異 なる 段 階 調 理 と 下 処 理 の 有 無 が 異 な 連 ) ( 平 成 25 年 度 ) る 比 較 調 理 条 件 を 決 定 した( 表 1 2) ( 平 成 25 年 度 平 成 26 年 度 ) 2 成 果 目 標 : 消 費 者 に 助 言 する 候 補 となる 調 理 品 目 を 選 定 し 仕 上 りや 調 理 条 件 の 異 なるモ デル 調 理 を 設 計 する < 成 果 の 概 要 の 補 足 > 1:スクリーニング 調 査 の 対 象 品 目 について 平 成 23 年 度 国 民 健 康 栄 養 調 査 の 食 品 群 から 抽 出 した 品 目 をベースに 調 理 品 の 過 去 のアクリルアミド 濃 度 調 査 実 績 文 献 の 他 行 政 的 観 点 から 研 究 課 題 運 営 チームの 意 見 も 参 考 に 優 先 順 位 を 決 定 した また スクリーニングのための 調 理 の 前 処 理 方 法 についても 個 々に 検 討 を 行 った( 表 1 1) 6
表 1 1 スクリーニング 対 象 品 目 候 補 と 調 理 前 処 理 方 法 の 検 討 ( 次 ページにつづく) 7
表 1 1(つづき) スクリーニング 対 象 品 目 候 補 と 調 理 前 処 理 方 法 の 検 討 小 分 類 小 分 類 番 号 食 品 名 たまねぎ 33 01 たまねぎ 推 進 会 議 等 における 検 討 コメント 消 費 量 多 いため 実 施 あめ 色 玉 ねぎは 高 AA 生 成 だが 香 辛 料 的 な 使 われ 方 なので そこを 深 掘 りはしない 文 献 (2)で 油 脂 を 使 用 しない 焼 き 調 理 で 生 成 (210ppb) 平 成 18 年 度 農 林 水 産 研 究 高 度 化 事 業 ( 焼 き) 平 成 19 年 度 農 水 省 調 査 スクリーニング 優 先 順 位 ( : 実 施 : 余 裕 があれば 実 施 を 検 討 : 実 施 しない) 5 はくさい 34 01 はくさい 焦 げ 目 のつく 調 理 機 会 が 少 ないため 除 外 ( 焼 き) - 01 大 豆 もやし もやし として 実 施 の 方 向 で 議 論 したが 種 類 は 特 定 していな 02 ブラックマッペもや い 関 東 では 緑 豆 もやしが 一 般 的 鮮 度 や 前 処 理 (ひげ 根 除 し 去 の 有 無 等 )とAA 生 成 との 関 連 に 興 味 がある 文 献 (1)でオーブン 加 熱 で 高 生 成 だが 30 秒 の 下 茹 でにより ( 焼 き) 03 緑 豆 もやし 88% 低 減 している 電 子 レンジ 加 熱 は 逆 に 増 加 文 献 (2)で 油 5 脂 を 使 用 しない 焼 き 調 理 で 高 生 成 (2210ppb) 炒 め 調 理 用 スクリーニングサ ンプルの 下 処 理 方 法 ( 野 菜 は 基 本 的 に 洗 浄 しない 加 熱 前 後 の 野 菜 の 重 量 を 測 定 スクリーニ し 記 録 する 炒 め 油 は 調 理 ング 分 析 点 前 調 理 後 ホットプレートに 数 概 算 残 った 分 を 測 定 し 加 熱 野 菜 (n=5として) に 付 着 した 分 を 記 録 する 食 べられる 限 界 まで 加 熱 する サンプルは 重 量 の 大 きいも のは1 個 小 さいものは 数 個 を n=1とする ) 外 皮 底 盤 部 頭 部 を 除 く 縦 半 分 に 切 り 縦 方 向 ( 繊 維 に そって) 厚 さ5mmの 薄 切 りにす る 洗 わずに 丸 ごと(ひげ 根 など 取 り 除 かない) 使 用 する 根 切 りもやしなどは 使 用 しない その 他 の 淡 色 野 菜 35 04 ごぼう しっかり 炒 めて 食 べることがある - - 5 たわしで 泥 を 落 とす 葉 元 と 根 先 を 切 除 する 長 さ4cm 厚 さ 3mmの 斜 め 薄 切 りにする 切 った 後 水 にさらさない 05 しょうが 香 辛 料 的 な 扱 いのため 除 外 - - 06 ズッキーニ 焼 き 調 理 炒 め 調 理 は 一 般 的 - - 5 ヘタを 切 除 する 縦 半 分 に 切 り 厚 さ1cmの 半 月 切 りにす る 水 にさらさない 07 セロリー しっかり 炒 めて 食 べることがある - - 5 購 買 店 舗 を 変 えてn=5のサン プルを 作 る 葉 は 除 く 軸 葉 柄 のみ 長 さ4cm 厚 さ3mmの 斜 め 切 りにする 干 しぜんまい(ゆ 08 で) そのまま 焼 いて 食 べることはないため 除 外 - - 09 たけのこ(ゆで) 焼 いて 食 べる 機 会 は 少 ないと 考 えられるため 除 外 - - 10 つわぶき 調 理 はきゃらぶきが 一 般 的 で 想 定 される 焼 き 調 理 がないた め 除 外 - - 11 スイートコーン 焼 きトウモロコシは 焼 き 色 に 調 味 料 の 影 響 が 大 きいため 除 外 - - 5 包 丁 でそぎ 落 とす 12 ホールカーネル コーン 缶 詰 13 なす 加 工 品 ホットプレート 等 で 焼 かれることもあるが 焦 がす 機 会 は 少 ないと 考 え 除 外 焼 いたり 炒 めて 食 べることがある アクリルアミドの 生 成 は 明 確 でない 文 献 (1)でオーブン 調 理 で150ppb 程 度 生 成 文 献 (2)で 油 脂 を 使 用 しない 焼 き 調 理 で 低 生 成 (10ppb 以 下 ) - - - 5 14 べいなす 通 常 のナスで 検 討 するため 除 外 - - ヘタを 切 除 し 縦 半 分 に 切 る 厚 さ5mmの 半 月 切 りにする きのこ 類 46 15 にがうり 16 にんにく 焦 げ 目 のつく 焼 き 料 理 もあるが 大 きく 切 るため アクリルアミ ドの 生 成 は 少 ないと 考 えられるため 除 外 炒 めニンニクは 高 濃 度 の 生 成 懸 念 があるが 香 辛 料 的 な 扱 い のため 除 外 文 献 (2)で 油 脂 を 使 用 しない 焼 き 調 理 で 高 生 成 (2090ppb) - - 5 - - 5 17 ふき(ゆで) 焼 き 料 理 は 一 般 的 でないと 考 えられるため 除 外 - - 18 へちま 流 通 の 地 域 性 高 いため 除 外 - - 19 むかご 流 通 少 ないため 除 外 - - 20 れんこん 焼 いたり 炒 めて 食 べることがある - - 5 過 去 の 農 水 省 の 事 業 で 実 施 していないきのこ( 例 :しいたけ)も ある 文 献 (1)でしいたけは2-3mm 厚 スライスのオーブン 加 熱 で 30ppb 程 度 生 成 (えのきたけ エリンギ まい たけ)( 焼 き) - 5 文 献 1) 農 産 物 の 加 熱 調 理 によるアクリルアミドの 生 成 食 衛 試 45(1), 44-48 (2009) 125 2) 加 熱 調 理 した 野 菜 類 いも 類 中 のアクリルアミド 含 量 日 本 調 理 科 学 会 誌 42(1),32-37(2009) 両 端 を 切 除 し 縦 半 分 に 切 り 種 子 ワタを 除 く 厚 さ3mmに 切 る 国 産 を 使 用 する 炒 める1 回 量 は 作 り 易 い 分 量 でよい( 記 録 しておく) 皮 をむき 厚 さ1~ 2mm 程 度 に 切 る 芯 は 取 らな い 皮 をむき 縦 半 分 に 切 る 厚 さ 1~2mm 程 度 の 薄 切 りにする 水 にさらさない 椎 茸 ( 菌 床 栽 培 )を 使 用 する 軸 を 取 り 厚 さ2~3mmの 薄 切 りにする 8
2:スクリーニング 結 果 から 主 に 高 濃 度 でアクリルアミドを 生 成 した 品 目 を 中 心 に 13 品 目 を 優 先 度 の 高 い 品 目 に 選 定 し これらについて 具 体 的 なモデル 調 理 の 内 容 を 決 定 した また 調 味 料 等 も 使 用 した 実 際 の 調 理 を 想 定 した 条 件 として もやし 炒 め ときんぴらごぼうについて アクリルアミドの 低 減 対 策 検 討 のためのモデル 調 理 条 件 を 設 定 した( 表 1 2) 表 1 2 モデル 調 理 の 内 容 9
2. 中 課 題 2:モデル 試 験 によるアクリルアミド 濃 度 の 測 定 評 価 (1) 成 果 の 概 要 工 程 表 進 捗 状 況 成 果 中 課 題 1で 選 定 した 調 理 品 目 について 仕 高 濃 度 でアクリルアミドが 生 成 する 可 能 性 の 上 り 状 態 や 調 理 条 件 を 変 えてモデル 調 理 試 ある 品 目 を 絞 り 込 むため 25 品 目 の 野 菜 に 験 を 実 施 し 調 理 品 の 特 性 について 消 費 者 ついてホットプレート 上 で 強 加 熱 条 件 による の 受 容 性 を 嗜 好 面 や 栄 養 面 から 評 価 する 炒 め 調 理 (スクリーニング 試 験 )を 実 施 した ( 小 課 題 1 関 連 ) ( 平 成 25 年 度 ) 1 ( 表 2 1) ( 平 成 25 年 度 ) アクリルアミド 濃 度 が 高 かった 品 目 を 中 心 に 段 階 調 理 (12 品 目 ) 条 件 と 比 較 調 理 (6 品 目 ) 条 件 によるホットプレート 上 で 炒 め 調 理 調 理 後 の 食 品 中 に 含 まれるアクリルアミド を 実 施 した ( 平 成 25 年 度 平 成 26 年 度 ) 濃 度 を 測 定 し 調 理 方 法 調 理 条 件 等 の 各 1 因 子 による 影 響 を 統 計 学 的 に 評 価 する ( 小 自 動 加 熱 撹 拌 機 ( 炒 め 装 置 )を 用 いて 鍋 底 課 題 2 関 連 ) ( 平 成 25 26 年 度 ) 2 の 上 限 温 度 熱 源 の 最 大 出 力 撹 拌 速 度 を 検 討 要 因 として 5 品 目 ( 玉 ねぎ もやし ご ぼう にんじん れんこん)の 炒 め 調 理 と きんぴらごぼう( 炒 め 煮 )について 比 較 調 理 を 行 った ( 平 成 25 年 度 平 成 26 年 度 ) 2 LC-MS/MS 法 で 調 理 品 中 のアクリルアミド 濃 度 を 分 析 した スクリーニング 調 理 結 果 から れんこん 等 家 庭 調 理 において 高 濃 度 でアクリルアミドを 生 成 する 可 能 性 の 高 い 品 目 を 明 らかにした ( 図 2 1) 3 (1) 段 階 調 理 全 ての 品 目 について 加 熱 程 度 を 抑 えるこ とによりアクリルアミド 濃 度 は 顕 著 に 低 減 さ れた (2) 比 較 調 理 1 馬 鈴 薯 の 冷 蔵 貯 蔵 の 有 無 馬 鈴 薯 を 冷 蔵 で 貯 蔵 したものは しなかっ たものに 比 べてアクリルアミド 濃 度 が 顕 著 に 高 かった 10
2 切 り 方 の 違 いによる 比 較 細 かく( 薄 く 細 く) 切 ったものと 大 きく 切 ったものでは アクリルアミド 濃 度 に 殆 ど 差 がないか 細 かく 切 ったものの 方 が 低 くな る 傾 向 を 示 した(にんじん ごぼう れんこ ん) 3もやしの 芽 根 の 除 去 の 有 無 炒 め 時 間 が 短 時 間 であれば 殆 ど 差 がない が 加 熱 時 間 が 長 くなると 除 去 区 の 方 がアク リルアミド 濃 度 が 高 くなった 4れんこんの 水 さらしの 有 無 水 さらしをしたものはしなかったものに 比 べてアクリルアミド 濃 度 が 低 く 特 に 加 熱 時 間 が 長 くなると 差 が 顕 著 となった 5 下 茹 での 有 無 アスパラガスでは 同 じ 炒 め 時 間 で 比 較 する と 殆 ど 差 がないか 僅 かに 下 茹 で 区 の 方 が 高 い 傾 向 を 示 した 一 方 で 下 茹 ですると 炒 め 時 間 を 短 くして 仕 上 げられると 考 えられる ため アクリルアミド 濃 度 の 低 減 効 果 が 期 待 できる もやしでは 下 茹 で 区 の 炒 め 時 間 を 短 くすることで 下 茹 で 区 でアクリルアミド 濃 度 が 低 くなった 6 調 理 条 件 の 検 討 ガスコンロによるもやし 炒 め 調 理 におい て 火 力 鍋 の 余 熱 下 茹 での 有 無 鍋 の 種 類 について アクリルアミド 濃 度 が 高 くなる 要 因 を 検 討 した その 結 果 コンロの 火 力 が 強 いほど 鍋 の 予 熱 時 間 が 長 いほどアクリル アミド 濃 度 が 高 くなった また 下 茹 でを 行 った 上 で 加 熱 時 間 を 大 幅 に 短 縮 することでア クリルアミド 濃 度 が 低 く 抑 えられた 同 じ 直 径 で 材 質 と 表 面 加 工 の 異 なるテフロン 加 工 ア ルミ 製 と 鉄 製 の 中 華 鍋 で 比 較 したところ 鉄 製 中 華 鍋 の 方 が 高 いアクリルアミド 生 成 量 と なり 炒 め 調 理 に 使 用 する 鍋 の 種 類 がアクリ 11
ルアミド 生 成 量 に 影 響 を 与 えていることが 示 された ただし 今 回 の 検 討 では 鍋 の 厚 みや 熱 容 量 など 鍋 から 食 材 への 伝 熱 に 影 響 を 与 える 要 因 を 分 離 して 評 価 できていないため 今 回 検 討 した 表 面 加 工 と 材 質 の 組 み 合 わせが アクリルアミド 低 減 に 常 に 有 効 であるかどう かは 明 確 ではない 自 動 加 熱 撹 拌 機 でのたまねぎの 炒 め 調 理 試 験 では 調 理 時 間 が 長 くなっても 鍋 底 の 設 定 温 度 を 下 げた 方 がアクリルアミドの 生 成 が 抑 え られる 可 能 性 が 示 された ( 平 成 25 年 度 ) また 撹 拌 速 度 が 早 いほど 熱 源 の 最 大 出 力 が 低 めに 設 定 されているほどアクリルアミド 濃 度 が 低 くなった(にんじん もやし ごぼ う) れんこんの 調 理 でも 同 様 の 傾 向 であった が 調 理 日 の 異 なるれんこん 同 士 の 比 較 で 結 果 の 逆 転 があった 事 から 調 理 条 件 以 外 に 原 料 ロットによる 品 質 ( 成 分 )の 違 いが 要 因 と して 無 視 できない 場 合 もあると 考 えられる また れんこんは 部 位 ( 節 の 位 置 )により アクリルアミドのもととなる 物 質 (アスパラ ギン 還 元 糖 )の 濃 度 に 差 があることが 知 ら れているが ロット 間 で 部 位 の 混 合 比 率 が 異 なるため これが 大 きなロット 間 差 を 生 む 原 因 となっている 可 能 性 がある( 平 成 26 年 度 ) 成 果 目 標 :アクリルアミドの 低 減 に 寄 与 する 調 理 条 件 を 明 らかにする < 成 果 の 概 要 の 補 足 > 1:スクリーニング 調 理 段 階 / 比 較 調 理 の 具 体 的 な 品 目 は 中 課 題 1で 選 定 した 研 究 課 題 運 営 チームとの 協 議 から 多 品 目 の 調 理 試 験 を 優 先 し 嗜 好 面 等 の 評 価 は 行 わな いこととした スクリーニング 調 理 は 200 に 設 定 したホットプレート( 象 印 EABC20T ま たは10TA)を6 分 間 予 熱 し 材 料 の 重 量 の5%の 食 用 油 ( 菜 種 油 )を 流 し 入 れ 放 射 温 度 計 で 表 面 温 度 を 記 録 した 後 野 菜 を 加 え シリコン 製 ターナーで 一 定 の 撹 拌 ( 返 し 80-90 回 / 分 )を 行 った 食 材 量 は1 回 の 調 理 当 たり300 g 前 後 をはかりと って 使 用 した 仕 上 りは 調 理 者 が 可 食 許 容 範 囲 内 と 判 断 する 範 囲 で 出 来 るだけ 強 い 加 12
熱 調 理 条 件 とした 加 熱 終 了 後 写 真 記 録 を 行 い ポリエチレン 製 チャック 付 き 袋 に 回 収 して 重 量 を 記 録 した 皿 と 調 理 器 具 に 付 着 した 残 油 も 拭 き 取 って 重 量 を 記 録 した 試 料 は 密 閉 して 急 速 冷 却 ( 3 ) 後 凍 結 して 保 管 した 段 階 / 比 較 調 理 もスクリーニングと 同 様 の 条 件 で 1 加 熱 時 間 ( 段 階 調 理 10 品 目 :にんじん 青 ピーマン にら 根 深 ねぎ キャベツ たまねぎ 緑 豆 もやし ご ぼう にんにく れんこん) 2 下 処 理 の 有 無 ( 比 較 調 理 6 品 目 :じゃがいも( 低 温 貯 蔵 の 有 無 ) にんじん( 切 り 方 の 違 い) アスパラガス( 下 茹 での 有 無 ) 緑 豆 もやし ( 芽 根 除 去 の 有 無 下 茹 での 有 無 ) ごぼう( 切 り 方 の 違 い)れんこん( 切 り 方 の 違 い 水 さらしの 有 無 ))を 変 えて 実 施 した 2: 自 動 加 熱 撹 拌 機 ( 株 式 会 社 カジワラ 製 KR ミニ IH)について 鍋 の 中 心 線 に 対 し 斜 めの 軸 ( 斜 軸 )に 取 り 付 けられた 可 動 式 のテフロン 製 の 羽 根 2 枚 が 鍋 肌 をかきとり ながら 回 転 するとともに 斜 軸 そのものも 鍋 の 中 心 線 に 対 して 回 転 することで 鍋 はだへの 焦 げ 付 きを 防 ぎながら 材 料 全 体 が 良 く 混 ざるようになっている 熱 源 は 最 大 出 力 5 kw の IH ヒーターで 鍋 底 のセンサー 部 の 温 度 を 感 知 して 設 定 温 度 となるよう 自 動 で 出 力 調 整 する 機 能 を 有 するため 調 理 中 ほぼ 一 定 の 温 度 を 保 つことができる 出 力 は 家 庭 用 のものよ り 強 い 13
3: 野 菜 調 理 によるアクリルアミド 生 成 量 について 多 品 目 についてスクリーニング 試 験 を 行 った 短 期 間 に 多 品 目 を 実 施 するため 購 入 時 期 や 産 地 等 についてランダム 化 あるいは 系 統 的 なサンプリングは 行 っていない ただし 野 菜 類 は 都 内 の 複 数 のスーパ ーマーケットから 出 来 るだけ 異 なるロットを 購 入 し 実 施 可 能 な 範 囲 でロット 間 のばら つきをできるだけ 含 むように 実 施 した 食 用 可 能 な 範 囲 で 出 来 るだけ 強 い 加 熱 条 件 とな るように 予 熱 したホットプレート( 設 定 温 度 200 )に 材 料 の 重 量 の5% 程 度 の 食 用 油 を 引 いた 上 で 5 点 以 上 の 調 理 を 行 い 5 点 を 分 析 した 結 果 を 図 2 1に 示 す 注 ) 目 盛 りは 対 数 値 値 は5 回 反 復 の 平 均 値 誤 差 範 囲 は± 標 準 偏 差 を 示 す 図 2 1 スクリーニング25 品 目 の 分 析 結 果 14