わかりやすい解説シリーズキャッシュフロー計算書.docx



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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

連 結 損 益 計 算 書 売 上 高 及 びその 他 の 営 業 収 入 営 業 費 用 売 上 原 価 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 研 究 開 発 費 営 業 費 用 合 計 営 業 利 益 営 業 外 収 益 ( 費 用 ) 受 取 利 息 支 払 利 息 営 業 外 収 益 (

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有


1_2013BS(0414)

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

 

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の


平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財

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6-1 第 6 章 ストック オプション 会 計 設 例 1 基 本 的 処 理 Check! 1. 費 用 の 計 上 ( 1 年 度 ) 2. 費 用 の 計 上 ( 2 年 度 )- 権 利 不 確 定 による 失 効 見 積 数 の 変 動 - 3. 費 用 の 計 上 ( 3 年 度 )-

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定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり



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(1) 貸 借 対 照 表 ( 平 成 26 年 11 月 30 日 現 在 ) ( 単 位 : 千 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 科 目 金 額 科 目 金 額 流 動 資 産 4,623,985 流 動 負 債 3,859,994 現 金 及 び 預 金 31,763 支 払 手 形

Microsoft Word - (会社法用) 期_02.計算書類.doc

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

敷 金 保 証 金 投 資 有 価 証 券 子 会 社 株 式 関 連 会 社 株 式 ( 負 債 の 部 ) 科 目 大 科 目 中 科 目 流 動 負 債 固 定 負 債 ( 正 味 財 産 の 部 ) 基 金 科 支 払 手 形 未 払 金 前 受 金 預 り 金 短 期 借 入 金 1 年

損 益 計 算 書 ( 平 成 25 年 10 月 1 日 から 平 成 26 年 9 月 30 日 まで) ( 単 位 : 千 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 304,971 営 業 費 用 566,243 営 業 総 損 失 261,271 営 業 外 収 益 受 取 利 息 3,545

目 次 ルール1 決 算 書 には2 人 の 主 役 がいる! (1) 貸 借 対 照 表 (BS) P4 (2) 損 益 計 算 書 (PL) P5 ルール2 BSには3つの 家 と6つの 部 屋! (1)BSの3つの 家 と6つの 部 屋 P6 (2) 資 産 ( 流 動 資 産 固 定 資 産

(2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 該 当 事 項 はありません (3) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 作 成 に 係 る 会 計 処 理 の 原 則 手 続 表 示 方 法 等 の 変 更 当

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科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

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添 付 資 料 の 目 次 1.サマリー 情 報 (その 他 )に 関 する 事 項... 2 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動... 2 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用.

第1章 簿記の一巡

連結計算書

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 23 年 4 月 1 日 至 平 成 24 年 3 月 31 日 ) 金 額 ( 単 位 : 百 万 円 ) 売 上 高 99,163 売 上 原 価 90,815 売 上 総 利 益 8,347 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 4,661 営 業 利 益

第316回取締役会議案

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第 41 期

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

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注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の


目 次 < 計 算 書 類 > 貸 借 対 照 表 損 益 計 算 書 株 主 資 本 等 変 動 計 算 書 個 別 注 記 表

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Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

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3 連 結 財 務 諸 表 の 概 要 損 益 計 算 書 の 概 要 年 度 年 度 対 前 年 比 営 業 収 益 126, ,822 26, % 営 業 費 用 94, ,560 15, % 営 業 利 益 32,614 44,261 11,64

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損 益 計 算 書 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 から 平 成 24 年 3 月 31 日 まで) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 鉄 道 事 業 営 業 収 益 99,036 営 業 費 75,997 営 業 利 益 23,039 そ の 他 の 事 業 営 業 収 益 7

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注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 有 2 1

注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

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注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 新 規 - 社 除 外 - 社 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の

38 様式第17号の3【付属明細表】

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わかりやすい 解 説 シリーズ キャッシュ フロー 計 算 書 第 1 回 :キャッシュ フロー 計 算 書 とは 2012.11.07 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 蟹 澤 啓 輔 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 牧 野 幸 享 1. キャッシュ フロー 計 算 書 とは キャッシュ フロー 計 算 書 とは 一 会 計 期 間 の 企 業 のキャッシュ インとキャッシュ アウト を 捉 え 企 業 のキャッシュの 流 れを 計 算 して 表 示 する 財 務 諸 表 です キャッシュ フロー 計 算 書 とは その 名 称 のとおりキャッシュ(=お 金 )のフロー( 流 れ)を 計 算 するための 財 務 諸 表 です 企 業 は 事 業 活 動 に 伴 いさまざまな 取 引 を 行 っていますが 企 業 の 取 引 には 当 然 キャッ シュが 関 連 しています 取 引 には 企 業 にキャッシュを 流 入 (キャッシュ イン)させる 取 引 と キャッシュを 企 業 から 流 出 (キャッシュ アウト)させる 取 引 があります キャッシュ フロー 計 算 書 は 一 会 計 期 間 の 企 業 のキャッシュ インとキャッシュ アウトを 捉 え キャッシュの 期 首 残 高 に 加 減 算 してキャッシュの 期 末 残 高 を 計 算 する 形 式 で 企 業 のキャッシュの 流 れを 計 算 して 表 示 する 財 務 諸 表 です キャッシュ イン キャッシュ アウトの 例 例 えば 企 業 が 商 品 を 販 売 し 販 売 代 金 を 回 収 することによってキャッシュ インが 生 じ ます その 他 銀 行 などから 新 規 の 借 り 入 れや 増 資 を 行 った 際 にもキャッシュ インが 生 じます 1

また 商 品 の 仕 入 代 金 の 支 払 いによってキャッシュ アウトが 生 じます その 他 従 業 員 への 給 与 や 経 費 の 支 払 い 固 定 資 産 の 購 入 借 り 入 れの 返 済 などによってもキャッシ ュ アウトが 生 じます 2. キャッシュ フロー 計 算 書 と 貸 借 対 照 表 損 益 計 算 書 キャッシュ フロー 計 算 書 と 貸 借 対 照 表 や 損 益 計 算 書 は 相 互 に 密 接 に 関 係 しています キャッシュ フロー 計 算 書 は 貸 借 対 照 表 や 損 益 計 算 書 と 同 じく 財 務 諸 表 の 一 つに 位 置 付 けられており これらの 財 務 諸 表 は 相 互 に 密 接 な 関 係 を 持 っています 設 例 貸 借 対 照 表 は 期 首 時 点 (= 前 期 末 時 点 )や 期 末 時 点 といった 一 時 点 の 資 産 負 債 純 資 産 という 財 政 状 態 の 状 況 を 示 す 財 務 諸 表 であるのに 対 し キャッシュ フロー 計 算 書 及 び 損 益 計 算 書 は 1 年 や 四 半 期 会 計 期 間 等 の 一 期 間 のキャッシュ フローや 損 益 の 状 況 を 示 す 財 務 諸 表 になります それぞれの 財 務 諸 表 の 間 には 以 下 のような 関 係 が あります 財 務 諸 表 間 の 関 係 (キャッシュ フロー 計 算 書 と 貸 借 対 照 表 ) キャッシュ フロー 計 算 書 は 期 首 の 貸 借 対 照 表 の 現 金 預 金 ( キャッシュ)と 期 末 の 貸 借 対 照 表 のキャッシュの 増 減 を 説 明 する 役 割 を 担 っています 設 例 では 期 中 に 現 預 金 が 7,000 増 加 していますが これはキャッシュ フロー 計 算 書 のキャッシュの 増 加 +7,000 で 説 明 することができます 財 務 諸 表 間 の 関 係 (キャッシュ フロー 計 算 書 と 損 益 計 算 書 ) キャッシュ フロー 計 算 書 は 損 益 計 算 書 との 関 係 では 損 益 計 算 書 で 計 算 された 利 益 がどの 程 度 キャッシュとなったかを 説 明 する 役 割 を 担 っています 設 例 では 損 益 計 算 書 に 計 上 された 収 益 25,000 は 全 てキャッシュとして 回 収 されたという 前 提 で キャッシュ フ 2

ロー 計 算 書 にキャッシュ イン 25,000 と 記 載 されています また 損 益 計 算 書 の 費 用 18,000 は 全 て 支 払 いが 終 わったという 前 提 で キャッシュ フロー 計 算 書 にキャッシュ ア ウト 18,000 として 記 載 されています 実 務 上 は 当 期 の 損 益 計 算 書 に 計 上 された 売 上 の 全 てがその 期 にキャッシュで 回 収 さ れるわけではなく 期 末 時 点 で 未 回 収 の 部 分 は 貸 借 対 照 表 に 売 掛 金 として 計 上 される ことになります 同 様 に 当 期 に 計 上 された 費 用 についてもその 全 てが 期 中 に 支 出 される わけではなく 期 末 の 未 払 債 務 として 買 掛 金 や 未 払 費 用 等 に 計 上 されるものもあります また キャッシュ フロー 計 算 書 の 売 上 による 収 入 や 費 用 の 支 出 には 期 首 の 売 掛 金 の 回 収 や 買 掛 金 や 未 払 費 用 等 の 支 払 いも 含 まれるため 損 益 計 算 書 の 売 上 や 費 用 と キャッシュ フロー 計 算 書 の 売 上 による 収 入 や 費 用 の 支 出 は 一 致 しないのが 通 常 です 財 務 諸 表 間 の 関 係 ( 貸 借 対 照 表 と 損 益 計 算 書 ) 損 益 計 算 書 は 配 当 金 等 による 増 減 がない 場 合 期 首 の 貸 借 対 照 表 の 利 益 剰 余 金 と 期 末 の 貸 借 対 照 表 の 利 益 剰 余 金 の 増 減 を 説 明 する 役 割 を 担 っています 設 例 では 利 益 剰 余 金 は 期 中 に 7,000 増 加 していますが 配 当 金 等 がない 場 合 損 益 計 算 書 の 当 期 純 利 益 7,000 によって 増 加 しているという 関 係 があります 3. キャッシュの 範 囲 キャッシュ フロー 計 算 書 におけるキャッシュの 定 義 を 確 認 します キャッシュ フロー 計 算 書 におけるキャッシュとは 現 金 及 び 現 金 同 等 物 のことを 意 味 し ます 現 金 とは 文 字 通 り 紙 幣 や 硬 貨 のことです また 現 金 同 等 物 は 1 普 通 預 金 当 座 預 金 などの 企 業 がいつでも 出 し 入 れが 可 能 な 預 金 ( 要 求 払 い 預 金 と 呼 ばれます) 2 預 入 3

期 間 が 3 カ 月 以 内 の 定 期 預 金 ( 預 入 期 間 が 3 カ 月 超 の 定 期 預 金 は 投 資 として 捉 えま す) 3リスクが 僅 少 な 投 資 等 その 他 の 現 金 同 等 物 から 構 成 されます リスクが 僅 少 な 短 期 投 資 等 その 他 の 現 金 同 等 物 の 例 リスクが 僅 少 な 投 資 等 その 他 の 現 金 同 等 物 には 例 えば 満 期 までの 期 間 が 3 カ 月 以 内 のコマーシャルペーパー(CP)などが 含 まれます 回 転 が 速 くリスクが 僅 少 であるため 企 業 において 実 質 的 にキャッシュとして 取 り 扱 われているためです 貸 借 対 照 表 の 現 金 預 金 とキャッシュ フロー 計 算 書 の 現 金 及 び 現 金 同 等 物 の 関 係 キャッシュ フロー 計 算 書 の 現 金 及 び 現 金 同 等 物 は 概 ね 貸 借 対 照 表 の 現 金 預 金 から 構 成 されていますが 例 えば 貸 借 対 照 表 の 現 金 預 金 に 預 入 期 間 が3カ 月 以 上 の 定 期 預 金 が 含 まれている 場 合 や 流 動 資 産 の 有 価 証 券 に 満 期 までの 期 間 が 3 カ 月 以 内 の CP が 含 まれている 場 合 貸 借 対 照 表 の 現 金 預 金 に 調 整 する 形 でキャッシュ フロー 計 算 書 の 現 金 及 び 現 金 同 等 物 を 計 算 します 当 該 関 係 はキャッシュ フロー 計 算 書 に 注 記 とし て 記 載 されます 4

わかりやすい 解 説 シリーズ キャッシュ フロー 計 算 書 第 2 回 : 企 業 活 動 とキャッシュ フロー 計 算 書 2012.11.14 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 蟹 澤 啓 輔 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 牧 野 幸 享 1. 企 業 活 動 とキャッシュ フロー 計 算 書 企 業 の 活 動 は 営 業 活 動 投 資 活 動 財 務 活 動 という 大 きく 三 つの 区 分 に 分 けることが できます キャッシュ フロー 計 算 書 には 企 業 のキャッシュ フローを 当 該 3 区 分 に 分 け て 記 載 することになります 企 業 の 活 動 は 営 業 活 動 投 資 活 動 財 務 活 動 という 三 つの 区 分 に 分 けることができま す キャッシュ フロー 計 算 書 では それぞれの 活 動 によるキャッシュ フローを 表 示 し 期 首 のキャッシュ 残 高 に 当 該 区 分 別 のキャッシュの 増 減 合 計 を 加 減 算 して 期 末 のキャッ シュ 残 高 を 表 示 する 形 式 をとります 企 業 活 動 の 中 心 は 営 業 活 動 ですが それぞれの 活 動 は 密 接 に 関 係 しています 企 業 の 各 活 動 区 分 の 関 係 例 えば 企 業 が 投 資 活 動 として 製 造 設 備 等 の 固 定 資 産 を 購 入 する 場 合 財 務 活 動 とし て 設 備 投 資 資 金 を 新 規 の 借 り 入 れを 行 って 調 達 することがあります また 投 資 活 動 として 設 備 投 資 を 行 った 結 果 生 産 力 が 増 強 され 売 上 や 利 益 の 増 大 など 営 業 活 動 に 5

影 響 を 与 えることになります さらに 営 業 活 動 によって 獲 得 された 余 剰 キャッシュ フロ ーは 借 入 金 の 返 済 等 の 財 務 活 動 や 新 規 投 資 等 の 原 資 となるなどの 関 係 があります 2. 営 業 活 動 によるキャッシュ フロー キャッシュ フロー 計 算 書 において 最 も 重 要 なキャッシュ フローは 営 業 活 動 によるキャ ッシュ フローです 営 業 活 動 によるキャッシュ フローには 営 業 損 益 計 算 の 対 象 となる 取 引 及 び 投 資 活 動 及 び 財 務 活 動 以 外 の 取 引 によるキャッシュ フローの 情 報 が 記 載 さ れます 営 業 活 動 によるキャッシュ フローには 基 本 的 に 営 業 損 益 計 算 の 対 象 となる 取 引 に 係 るキャッシュ フローの 情 報 が 記 載 されます 営 業 活 動 によるキャッシュ フローの 主 な 内 容 は 営 業 損 益 計 算 の 対 象 となる 取 引 から 生 じたキャッシュ フローになります 損 益 計 算 書 に 計 上 された 収 益 及 び 費 用 に 伴 うキャ ッシュ フローの 他 営 業 損 益 計 算 の 対 象 となった 取 引 によって 生 じた 売 掛 金 や 受 取 手 形 などの 営 業 債 権 の 回 収 による 入 金 や 買 掛 金 などの 営 業 債 務 の 支 払 いによる 支 出 も 含 まれます また 投 資 活 動 及 び 財 務 活 動 以 外 の 取 引 によるキャッシュ フローについて も キャッシュ フロー 計 算 書 の 会 計 基 準 上 営 業 活 動 によるキャッシュ フローに 含 まれ ることになります 営 業 損 益 計 算 の 対 象 となる 取 引 とは 6

営 業 損 益 計 算 の 対 象 となる 取 引 とは 製 品 商 品 の 販 売 やサービスの 提 供 商 品 や 原 材 料 の 仕 入 れ 従 業 員 への 給 料 や 経 費 の 支 払 いなどの 取 引 で 損 益 計 算 書 において 基 本 的 に 売 上 高 や 売 上 原 価 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 に 計 上 される 取 引 のことです 製 造 業 であれば 原 材 料 を 仕 入 れ 従 業 員 を 雇 用 し 梱 包 (こんぽう) 費 用 や 配 送 費 用 等 を 支 払 い 製 品 を 製 造 し 製 品 を 顧 客 に 販 売 する 一 連 の 活 動 に 係 る 取 引 になります 小 売 業 や 卸 売 業 であれば 商 品 を 仕 入 れ 営 業 担 当 者 を 雇 用 し 消 費 者 や 得 意 先 に 商 品 を 販 売 する 一 連 の 活 動 に 係 る 取 引 です サービス 業 であれば サービス 提 供 する 人 員 を 雇 用 し 交 通 費 等 の 費 用 を 負 担 して 顧 客 にサービスを 提 供 し 対 価 を 受 領 する 一 連 の 活 動 に 係 る 取 引 になります 投 資 活 動 や 財 務 活 動 以 外 の 取 引 とは 投 資 活 動 や 財 務 活 動 以 外 の 取 引 とは 例 えば 法 人 税 等 の 支 払 いや 災 害 に 伴 う 保 険 金 の 授 受 損 害 賠 償 金 の 支 払 いなどのことです 当 該 取 引 に 係 るキャッシュ フローは 通 常 の 営 業 キャッシュ フローと 区 別 して 小 計 欄 の 下 部 に 記 載 されることになります 営 業 活 動 と 貸 借 対 照 表 の 関 係 企 業 の 営 業 活 動 は 主 に 貸 借 対 照 表 の 流 動 資 産 流 動 負 債 と 関 係 があります 製 品 の 販 売 や 原 材 料 の 購 入 仕 入 代 金 の 支 払 い 人 件 費 経 費 等 の 支 払 いなどの 営 業 活 動 は 流 動 資 産 の 売 掛 金 受 取 手 形 等 の 営 業 債 権 や 原 材 料 仕 掛 品 製 品 等 の 棚 卸 資 産 流 動 負 債 の 買 掛 金 支 払 手 形 等 の 営 業 債 務 や 未 払 費 用 未 払 人 件 費 などと 関 係 があります これらの 債 権 債 務 の 回 収 及 び 支 払 いについても 営 業 活 動 によるキャッシュ フローに 記 載 されることになります 3. 投 資 活 動 によるキャッシュ フロー 投 資 活 動 によるキャッシュ フローには 有 形 無 形 固 定 資 産 の 取 得 及 び 売 却 有 価 証 券 の 取 得 及 び 売 却 貸 し 付 けの 実 行 回 収 などの 投 資 活 動 に 関 係 するキャッシュ フロ ーの 情 報 が 記 載 されます 設 例 2-1 7

投 資 活 動 によるキャッシュ フローには 固 定 資 産 の 取 得 及 び 売 却 有 価 証 券 の 取 得 及 び 売 却 貸 し 付 けの 実 行 回 収 などの 投 資 活 動 に 関 係 するキャッシュ フローの 情 報 が 記 載 されます 固 定 資 産 には 土 地 や 建 物 機 械 装 置 備 品 などの 有 形 固 定 資 産 やソフ トウエアなどの 無 形 固 定 資 産 が 含 まれ 有 価 証 券 には 株 式 や 社 債 などが 含 まれます 投 資 活 動 によるキャッシュ フローの 指 標 投 資 活 動 によるキャッシュ フローは 企 業 が 将 来 の 利 益 獲 得 のためにどれほど 製 造 設 備 や 他 企 業 に 対 する 投 資 を 行 ったか 固 定 資 産 や 有 価 証 券 の 売 却 等 によってどれほど キャッシュを 回 収 したかを 記 載 しています 経 常 的 に 設 備 ( 更 新 ) 投 資 を 行 っている 場 合 投 資 活 動 による 正 味 のキャッシュ フローはマイナスとなる 傾 向 にあります 投 資 活 動 と 貸 借 対 照 表 の 関 係 企 業 の 投 資 活 動 は 主 に 貸 借 対 照 表 の 固 定 資 産 と 関 係 があります 例 えば 工 場 の 新 規 設 立 や 余 剰 資 金 の 運 用 としての 有 価 証 券 売 買 等 の 投 資 活 動 は 貸 借 対 照 表 の 固 定 資 産 に 計 上 されている 土 地 や 建 物 機 械 装 置 等 や 有 価 証 券 等 と 関 係 があります 設 例 2-1 では 貸 借 対 照 表 上 固 定 資 産 の 取 得 による 増 加 9,000 と 減 価 償 却 による 減 少 2,000 によって 固 定 資 産 が 7,000 増 加 しています また 有 価 証 券 の 取 得 7,000 と 売 却 3,000 によって 有 価 証 券 が 4,000 増 加 しています これらの 投 資 活 動 によって 固 定 資 産 の 取 得 による 支 出 9,000 有 価 証 券 の 取 得 による 支 出 7,000 有 価 証 券 の 売 却 による 収 入 4,500( 売 却 価 額 = 売 却 有 価 証 券 の 簿 価 3,000+ 売 却 益 1,500)というキャッ シュ フローが 生 じることになります 4. 財 務 活 動 によるキャッシュ フロー 8

財 務 活 動 によるキャッシュ フローには 資 金 の 調 達 及 び 返 済 などの 財 務 活 動 に 関 係 す るキャッシュ フローの 情 報 が 記 載 されます 財 務 活 動 によるキャッシュ フローには 資 金 の 調 達 及 び 返 済 によるキャッシュ フローが 記 載 されます 資 金 の 調 達 には 新 規 の 借 り 入 れや 借 り 換 え 社 債 の 発 行 新 株 の 発 行 などが 含 まれ 資 金 の 返 済 には 借 り 入 れの 返 済 や 社 債 の 償 還 株 主 への 配 当 金 の 支 払 いなどが 含 まれます 設 例 2-2 財 務 活 動 と 貸 借 対 照 表 の 関 係 企 業 の 財 務 活 動 は 主 に 貸 借 対 照 表 の 負 債 及 び 純 資 産 と 関 係 があります 例 えば 借 り 入 れや 社 債 による 資 金 調 達 等 の 財 務 活 動 は 貸 借 対 照 表 の 負 債 に 計 上 されている 借 入 金 や 社 債 などと 関 係 があり 増 資 や 配 当 金 の 支 払 い 等 の 財 務 活 動 は 貸 借 対 照 表 の 純 資 産 の 資 本 金 ( 資 本 剰 余 金 )や 利 益 剰 余 金 と 関 係 があります 設 例 2-2 では 貸 借 対 照 表 上 新 規 の 借 り 入 れ 5,000 と 借 り 入 れの 返 済 3,000 によって 借 入 金 が 2,000 増 加 しています また 当 期 純 利 益 の 計 上 7,000 と 配 当 金 の 支 払 い 2,700 によって 利 益 剰 余 金 が 4,300 増 加 しています 新 規 借 り 入 れや 借 り 入 れの 返 済 配 当 金 の 支 払 い 等 の 財 務 活 動 によって 借 り 入 れによる 収 入 5,000 借 り 入 れの 返 済 に よる 支 出 3,000 配 当 金 の 支 払 いによる 支 出 2,700 というキャッシュ フローが 生 じること になります 9

わかりやすい 解 説 シリーズ キャッシュ フロー 計 算 書 第 3 回 : 営 業 キャッシュ フローの 表 示 方 法 2012.12.14 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 蟹 澤 啓 輔 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 牧 野 幸 享 1. 営 業 キャッシュ フローの 表 示 方 法 営 業 キャッシュ フローには 直 接 法 と 間 接 法 という 二 通 りの 表 示 方 法 があります ただ し 実 務 的 には 間 接 法 が 採 用 されることがほとんどです 営 業 キャッシュ フローの 記 載 方 法 には 直 接 法 と 間 接 法 の 二 通 りがあります 企 業 はどちらかの 記 載 方 法 を 選 択 してキャッシュ フロー 計 算 書 を 作 成 することになりま すが 実 務 的 には 直 接 法 が 手 数 を 要 することから 間 接 法 が 採 用 されることが 多 いで す 直 接 法 による 表 示 直 接 法 による 表 示 方 法 は 商 品 の 販 売 や 仕 入 給 料 の 支 払 い 経 費 の 支 払 いなどの 主 要 な 取 引 ごとにキャッシュ フローを 総 額 表 示 する 方 法 です 直 接 法 の 表 示 方 法 は 営 業 活 動 に 係 るキャッシュ フローが 総 額 で 表 示 される 点 が 長 所 です ただし 主 要 な 取 引 ごとにキャッシュ フローに 関 する 基 礎 データを 用 意 することが 必 要 であり 実 務 上 手 数 を 要 すると 考 えられます 間 接 法 による 表 示 10

間 接 法 による 表 示 方 法 は 税 金 等 調 整 前 当 期 純 利 益 に 減 価 償 却 費 などの 非 資 金 損 益 項 目 有 価 証 券 売 却 益 などの 投 資 活 動 や 財 務 活 動 の 区 分 に 含 まれる 損 益 項 目 を 加 減 して 表 示 する 方 法 です 間 接 法 による 表 示 方 法 は 利 益 と 営 業 活 動 に 係 るキャッシュ フローとの 関 係 が 明 示 さ れる 点 が 長 所 です 2. 直 接 法 による 営 業 キャッシュ フロー 直 接 法 による 営 業 キャッシュ フローは 商 品 の 販 売 や 仕 入 給 料 の 支 払 い 経 費 の 支 払 いなどの 主 要 な 取 引 ごとにキャッシュ フローを 総 額 表 示 する 方 法 です 直 接 法 による 表 示 方 法 では 商 品 の 販 売 や 仕 入 給 料 の 支 払 い 経 費 の 支 払 いなどの 主 要 な 取 引 ごとにキャッシュ フローを 総 額 表 示 します 11

直 接 法 による 営 業 キャッシュ フローにおける 総 額 表 示 とは 例 えば 商 品 の 販 売 による 収 入 と 仕 入 による 支 出 を 相 殺 せず それぞれ 総 額 で 表 示 することを 意 味 します このため 直 接 法 による 表 示 を 行 う 場 合 商 品 の 販 売 や 仕 入 などの 主 な 取 引 ごとにキャ ッシュ フローの 総 額 を 計 算 する 必 要 があります 商 品 の 販 売 による 収 入 商 品 の 販 売 による 収 入 は 現 金 販 売 のほか 売 上 債 権 である 売 掛 金 の 回 収 高 から 計 算 されます 設 例 1 の 1 では 現 金 販 売 がない 前 提 で 売 掛 金 勘 定 の 総 勘 定 元 帳 を 分 析 することにより 商 品 の 販 売 による 収 入 が 計 算 されています 期 首 の 売 掛 金 残 高 2,000 と 当 期 売 上 高 25,000 の 合 計 27,000 から 期 末 の 売 掛 金 残 高 1,500 をマイナスし た 金 額 が 当 期 の 売 掛 金 の 回 収 高 25,500 となり 商 品 の 販 売 による 収 入 としてキャッシ ュ フロー 計 算 書 に 記 載 されることになります 商 品 の 仕 入 による 支 出 商 品 の 仕 入 による 支 出 は 現 金 仕 入 のほか 仕 入 債 務 である 買 掛 金 の 支 払 高 から 計 算 されます 設 例 1 の 2 では 現 金 仕 入 がない 前 提 で 買 掛 金 の 総 勘 定 元 帳 を 分 析 することにより 商 品 の 仕 入 による 支 出 が 計 算 されています 売 掛 金 と 同 様 に 当 期 の 商 品 の 仕 入 による 支 出 は 期 首 の 買 掛 金 残 高 6,000 と 当 期 仕 入 高 10,000 の 合 計 16,000 から 期 末 の 買 掛 金 残 高 7,500 をマイナスした 金 額 8,500 として 計 算 され キャッシュ フロ ー 計 算 書 に 記 載 されることになります その 他 のキャッシュ フロー 例 えば 給 料 の 支 払 いによる 支 出 であれば 損 益 計 算 書 の 給 料 に 期 首 及 び 期 末 の 貸 借 対 照 表 の 未 払 給 料 を 調 整 することによって 計 算 することができます その 他 費 用 の 支 払 いであれば 損 益 計 算 書 の 費 用 計 上 額 と 未 払 費 用 や 未 払 金 などの 債 務 を 調 整 す ることになります また 法 人 税 等 の 支 払 いについては 売 掛 金 等 と 同 様 に 未 払 法 人 税 等 の 総 勘 定 元 帳 を 分 析 することによって 計 算 することができます 3. 間 接 法 による 営 業 キャッシュ フロー 間 接 法 による 表 示 方 法 は 損 益 計 算 書 の 税 金 等 調 整 前 当 期 純 利 益 に 非 資 金 損 益 項 目 や 投 資 活 動 や 財 務 活 動 の 区 分 に 含 まれる 損 益 項 目 を 加 減 して 表 示 する 方 法 で す 12

間 接 法 による 表 示 方 法 では 税 金 等 調 整 前 当 期 純 利 益 に 減 価 償 却 費 などの 非 資 金 損 益 項 目 有 価 証 券 売 却 損 などの 投 資 活 動 や 財 務 活 動 の 区 分 に 含 まれる 損 益 項 目 等 を 加 減 して 表 示 します 13

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間 接 法 による 営 業 キャッシュ フローは 損 益 計 算 書 の 税 金 等 調 整 前 当 期 純 利 益 から スタートします( 設 例 2 1) 税 金 等 調 整 前 当 期 純 利 益 は 売 上 高 や 売 上 原 価 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 外 損 益 特 別 損 益 とさまざまな 科 目 から 構 成 されています 収 益 及 び 費 用 は 基 本 的 にはキャッシュを 伴 うものが 多 いですが 一 部 キャッシュを 伴 わ ないものや 翌 期 などにキャッシュが 動 くものもあります このため 間 接 法 によるキャッシ ュ フロー 計 算 書 では 以 下 の 項 目 について 調 整 を 行 うことになります 非 資 金 損 益 項 目 損 益 計 算 書 には 減 価 償 却 費 のようなキャッシュの 動 きを 伴 わない 項 目 ( 以 下 非 資 金 損 益 項 目 )が 含 まれています 例 えば 減 価 償 却 費 は 固 定 資 産 の 取 得 時 にキャッシュ の 支 出 が 行 われた 後 費 用 配 分 の 観 点 からその 取 得 価 額 を 耐 用 年 数 に 渡 り 費 用 処 理 する 科 目 であり キャッシュの 動 きを 伴 いません 税 金 等 調 整 前 当 期 純 利 益 に 含 まれているこのような 非 資 金 損 益 項 目 を 除 外 することで 利 益 をキャッシュに 調 整 します 設 例 2 では 非 資 金 費 用 である 減 価 償 却 費 1,500 が 税 金 等 調 整 前 当 期 純 利 益 に 含 ま れているため 調 整 が 必 要 になります( 設 例 2 2) なお 減 価 償 却 費 は 利 益 のマイナ ス 項 目 となっているため 間 接 法 の 調 整 の 際 にはプラスして 調 整 することになります 収 益 項 目 はマイナス 費 用 項 目 はプラスとして 調 整 することになるため 符 号 に 留 意 する 必 要 があります 投 資 活 動 や 財 務 活 動 の 区 分 に 含 まれる 損 益 項 目 損 益 計 算 書 には 有 価 証 券 売 却 損 のような 投 資 活 動 や 財 務 活 動 の 区 分 に 含 まれる 損 益 項 目 も 含 まれています 例 えば 有 価 証 券 の 売 買 は 投 資 活 動 に 該 当 するため 有 価 証 券 に 関 するキャッシュ フローは 投 資 活 動 によるキャッシュ フローに 記 載 されることに なります このため 投 資 活 動 や 財 務 活 動 の 区 分 に 含 まれる 損 益 項 目 を 加 減 することに よって 税 金 等 調 整 前 当 期 純 利 益 を 営 業 キャッシュ フローに 調 整 します 設 例 2 では 投 資 活 動 の 区 分 に 記 載 すべき 損 益 項 目 である 有 価 証 券 売 却 損 1,000 が 税 金 等 調 整 前 当 期 純 利 益 に 含 まれているため 調 整 が 必 要 になります( 設 例 2 3) 非 資 金 損 益 項 目 と 同 様 に 収 益 項 目 はマイナス 費 用 項 目 はプラスとして 調 整 すること になるため 符 号 に 留 意 する 必 要 があります ここで 調 整 された 有 価 証 券 売 却 損 は 投 資 活 動 によるキャッシュ フローにおいて 有 価 証 券 の 売 却 による 収 入 に 含 まれて 記 載 されることになります 営 業 損 益 計 算 の 対 象 となる 取 引 に 係 る 債 権 債 務 の 調 整 損 益 計 算 書 には 営 業 損 益 の 対 象 となる 商 品 の 販 売 取 引 や 商 品 の 仕 入 取 引 に 係 る 損 益 ( 例 えば 売 上 高 や 売 上 原 価 )が 含 まれています しかし 第 2 節 の 直 接 法 による 営 15

業 キャッシュ フローで 確 認 したように 当 期 の 売 上 高 のうち 期 末 の 売 掛 金 残 高 について は キャッシュとして 回 収 されていません このため 営 業 損 益 計 算 の 計 算 対 象 となる 債 権 債 務 例 えば 売 掛 金 買 掛 金 未 払 費 用 などを 調 整 することによって 利 益 をキャッ シュに 調 整 します 売 掛 金 の 調 整 設 例 2 では 商 品 の 販 売 による 収 入 を 分 析 するために 直 接 法 のケースと 同 様 に 売 掛 金 の 総 勘 定 元 帳 を 分 析 しています 間 接 法 では 売 上 高 25,000 は 当 期 純 利 益 に 含 ま れているため 当 期 の 債 権 回 収 高 25,500 に 調 整 するためには 期 末 の 売 掛 金 残 高 1,500 と 期 首 の 売 掛 金 残 高 2,000 の 差 額 500( 設 例 2 4)を 調 整 することになります このように 期 首 残 高 と 期 末 残 高 の 差 額 を 調 整 することによって 利 益 をキャッシュベース に 調 整 することができます なお 期 首 の 売 掛 金 よりも 期 末 の 売 掛 金 が 少 ない 場 合 未 回 収 債 権 が 減 少 しているこ とになるため 営 業 キャッシュ フローの 調 整 上 プラス 収 入 (プラス)のプラス の 調 整 が 必 要 になります 棚 卸 資 産 買 掛 金 の 調 整 設 例 2 では 商 品 の 仕 入 による 支 出 を 分 析 するために 買 掛 金 と 棚 卸 資 産 の 総 勘 定 元 帳 を 分 析 しています 当 期 純 利 益 に 含 まれている 売 上 原 価 9,000 は 棚 卸 資 産 勘 定 の [ 期 首 残 高 3,000+ 仕 入 高 10,000- 期 末 残 高 4,000]として 計 算 されます( 損 益 計 算 書 でも 通 常 明 示 しますが 設 例 2 では 省 略 しています) さらに 買 掛 金 の 総 勘 定 元 帳 を 分 析 すると 商 品 の 仕 入 債 務 の 支 払 い 8,500 は 買 掛 金 勘 定 の[ 期 首 残 高 6,000+ 仕 入 高 10,000- 期 末 残 高 7,500]として 計 算 されます このため 売 上 原 価 を 商 品 の 仕 入 に よる 支 出 に 調 整 するためには 棚 卸 資 産 の 期 末 残 高 4,000 と 期 首 残 高 3,000 の 差 額 1,000( 設 例 2 5)と 買 掛 金 の 期 末 残 高 7,500 と 期 首 残 高 6,000 の 差 額 1,500( 設 例 2 6)の 調 整 を 行 う 必 要 があります なお 期 首 の 棚 卸 資 産 よりも 期 末 の 棚 卸 資 産 が 多 い 場 合 在 庫 を 積 み 増 していること になるため 営 業 キャッシュ フローの 調 整 上 マイナス 支 払 い(マイナス)のプラス の 調 整 が 必 要 になります 他 方 期 首 の 買 掛 金 よりも 期 末 の 買 掛 金 が 多 い 場 合 仕 入 債 務 が 増 加 していることに なるため 営 業 キャッシュ フローの 調 整 上 プラス 支 払 い(マイナス)のマイナス の 調 整 が 必 要 になります 営 業 損 益 計 算 の 計 算 対 象 となる 債 権 債 務 や 棚 卸 資 産 を 調 整 する 際 の 符 号 は 資 産 が 増 加 している 場 合 はマイナス 負 債 が 増 加 している 場 合 はプラスとなる 点 に 留 意 する 必 要 があります 16

わかりやすい 解 説 シリーズ キャッシュ フロー 計 算 書 第 4 回 :キャッシュ フロー 計 算 書 の 読 み 方 2012.12.21 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 蟹 澤 啓 輔 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 牧 野 幸 享 第 4 回 では キャッシュ フロー 計 算 書 から 企 業 の 資 金 繰 りなどの 状 況 をどのように 読 む のかについて 典 型 的 な 例 を 基 に 解 説 します 1. 営 業 キャッシュ フローがプラスのケース 営 業 キャッシュ フローは 新 規 投 資 や 借 り 入 れの 返 済 などの 原 資 となる 重 要 な 指 標 で す 営 業 キャッシュ フローは 主 に 企 業 の 営 業 活 動 から 生 じたキャッシュ フローを 表 示 して おり 企 業 の 資 金 繰 りなどの 状 況 を 読 むために まず 確 認 すべき 指 標 となります 営 業 キャッシュ フローがプラスのケース 営 業 キャッシュ フローがプラスの 場 合 企 業 の 事 業 活 動 を 維 持 するための 仕 入 や 給 料 の 支 払 い 経 費 の 支 払 いなどの 支 出 を 超 える 収 入 を 本 業 で 稼 いでいることになります その 余 剰 キャッシュについては 企 業 が 自 由 に 使 い 道 を 決 めることができます 例 えば 事 業 拡 大 のために 新 規 の 投 資 を 行 うことや 借 り 入 れの 返 済 株 主 への 利 益 還 元 の 一 環 として 配 当 金 を 増 やすことなどが 考 えられます このように 営 業 キャッシュ フローがプラ スの 場 合 キャッシュ フロー 計 算 書 は 営 業 キャッシュ フローのプラスに 対 して 新 規 投 資 借 り 入 れの 返 済 や 配 当 金 の 支 払 いなどによってキャッシュが 支 出 される 結 果 投 資 キャッシュ フローや 財 務 キャッシュ フローがマイナスになることが 想 定 されます 2. 営 業 キャッシュ フローがプラスで 工 場 新 設 などの 巨 額 の 設 備 投 資 が 生 じたケース 17

営 業 キャッシュ フローがプラスの 場 合 でも 投 資 活 動 で 工 場 の 新 設 など 巨 額 の 設 備 投 資 による 支 出 が 生 じた 場 合 財 務 キャッシュ フローでどのように 資 金 を 調 達 しているか が 重 要 になります 営 業 キャッシュ フローがプラスの 場 合 でも 投 資 活 動 で 工 場 の 新 設 など 巨 額 の 設 備 投 資 による 支 出 が 生 じ 手 元 資 金 に 加 えて 金 融 機 関 からの 借 り 入 れなどを 行 った 場 合 財 務 キャッシュ フローはプラスになります 財 務 活 動 によるキャッシュ フローを 見 ることによ り 企 業 の 設 備 投 資 に 係 る 資 金 調 達 方 針 を 確 認 することができます 財 務 活 動 による 資 金 調 達 が 必 要 なケース 設 例 4-2 のように 巨 額 の 設 備 投 資 による 支 出 が 単 年 度 の 営 業 活 動 によるキャッシュ フローだけでは 賄 いきれない 場 合 新 規 の 借 り 入 れや 社 債 の 発 行 増 資 などの 財 務 活 動 によって 資 金 を 調 達 することや 手 元 資 金 を 利 用 することなどが 考 えられます このよ うな 場 合 キャッシュ フロー 計 算 書 では 投 資 活 動 がマイナス 財 務 活 動 がプラスとなり ます 手 元 資 金 を 利 用 した 場 合 は キャッシュの 残 高 が 減 ることになります なお 規 模 の 大 きな 投 資 が 行 われている 場 合 でも 有 価 証 券 や 遊 休 資 産 の 売 却 などに よって 資 金 を 調 達 している 場 合 投 資 キャッシュ フローの 中 で 相 殺 され 結 果 として 投 資 キャッシュ フローが 大 きく 変 動 しないケースもあります 成 長 企 業 のケース 成 長 段 階 にある 企 業 の 場 合 営 業 キャッシュ フローが 不 安 定 的 な 場 合 でも 成 長 のため の 新 規 投 資 を 旺 盛 に 行 っているため 営 業 キャッシュ フローや 投 資 キャッシュ フローの マイナスが 大 きくなっているケースが 多 く 見 られます このような 企 業 の 成 長 性 を 分 析 する 上 で 事 業 拡 大 の 状 況 を 損 益 計 算 書 比 較 等 で 確 認 するとともに 財 務 キャッシュ フロー 等 に 着 目 し 営 業 キャッシュ フロー 及 び 投 資 キャッシュ フローのマイナスをどのような 形 で 資 金 調 達 しているかを 見 ることが 重 要 です 18

3. 営 業 キャッシュ フローがマイナスで 追 加 借 り 入 れなどの 資 金 調 達 を 行 ったケース 営 業 キャッシュ フローがマイナスの 場 合 借 り 入 れの 増 加 などによって 必 要 な 資 金 を 調 達 する 必 要 があります 企 業 の 本 業 が 不 振 で 営 業 キャッシュ フローがマイナスの 場 合 企 業 の 取 り 得 る 戦 略 の 幅 は 制 約 を 受 けるケースが 多 いです 営 業 キャッシュ フローがマイナスのケース 事 業 を 維 持 するためには ある 程 度 の 更 新 投 資 などが 必 要 になりますが 営 業 キャッシ ュ フローがマイナスの 場 合 手 元 資 金 を 使 うほか 追 加 の 借 り 入 れを 行 うなどによって 財 務 活 動 によって 資 金 を 調 達 する 必 要 があります このようなケースの 場 合 キャッシュ フロー 計 算 書 は 営 業 キャッシュ フローがマイナス 投 資 キャッシュ フローがマイナス 財 務 キャッシュ フローがプラスのような 構 成 になります また 営 業 活 動 によるキャッシュ フローが 大 幅 にマイナスの 場 合 企 業 の 信 用 力 も 低 下 するため 金 融 機 関 も 新 規 ( 追 加 )の 貸 し 出 しに 慎 重 になるケースもあり 借 り 入 れの 際 に 財 務 制 限 条 項 が 付 されるなど 借 入 条 件 が 厳 しくなる 可 能 性 もあります 営 業 キャッシュ フローがプラスであるが 小 計 欄 がマイナスのケース 営 業 キャッシュ フローには 本 来 の 事 業 活 動 以 外 の 納 税 や 災 害 保 険 金 の 受 け 取 りなど のキャッシュ フローも 含 まれています しかし 第 2 回 の 図 2-2 にあるように 企 業 の 本 来 の 営 業 活 動 によって 生 じたキャッシュ フローは 小 計 欄 に 記 載 されています このため 営 業 キャッシュ フローがプラスであっても 小 計 欄 がマイナスの 場 合 事 業 の 継 続 性 がある かを 含 めて 慎 重 に 企 業 の 状 況 を 見 ることが 必 要 になります 財 務 制 限 条 項 (コベナンツ)とは 金 融 機 関 からの 借 り 入 れの 際 企 業 の 信 用 力 に 応 じて 担 保 や 他 企 業 ないしは 経 営 者 の 保 証 が 求 められるケースもありますが 財 務 制 限 条 項 (コベナンツ)が 契 約 書 に 追 加 され ることもあります 財 務 制 限 条 項 とは 企 業 が 純 資 産 を 一 定 金 額 以 上 に 維 持 することや 19

連 続 して 当 期 純 損 失 を 計 上 しないなどの 財 務 条 件 をクリアしない 場 合 借 入 金 の 一 括 返 済 や 金 利 の 増 額 を 求 められるような 契 約 条 件 のことです 4. 営 業 キャッシュ フローがマイナスで 追 加 資 金 調 達 が 困 難 なケース 営 業 キャッシュ フローがマイナスで 金 融 機 関 等 からの 追 加 資 金 調 達 が 困 難 な 場 合 有 価 証 券 などの 保 有 資 産 を 売 却 することによって 資 金 を 調 達 する 必 要 があります 営 業 キャッシュ フローがマイナスで 金 融 機 関 等 からの 追 加 資 金 調 達 が 困 難 な 場 合 有 価 証 券 などの 保 有 資 産 を 売 却 することによって 資 金 を 調 達 することが 必 要 になりま す 営 業 キャッシュ フローのマイナスのケース 営 業 キャッシュ フローのマイナスの 場 合 金 融 機 関 等 から 追 加 で 借 り 入 れを 行 うことが 困 難 になることや 借 り 入 れの 早 期 弁 済 を 求 められるケースもあります その 場 合 企 業 は 有 価 証 券 や 不 動 産 などの 保 有 資 産 を 売 却 するなどによって 資 金 を 調 達 する 必 要 があ ります このようなケースの 場 合 キャッシュ フロー 計 算 書 は 営 業 活 動 がマイナス 投 資 活 動 がプラス 財 務 活 動 がマイナスとなります 営 業 キャッシュ フローのマイナスが 続 くケース 通 常 企 業 は 継 続 して 事 業 を 行 う 前 提 で 取 引 を 行 い 会 計 報 告 を 行 っています 会 計 上 この 継 続 して 事 業 を 行 う 前 提 は 継 続 企 業 の 前 提 (ゴーイング コンサーンの 前 提 ) と 呼 ばれています 営 業 キャッシュ フローのマイナスが 続 く 場 合 この 継 続 企 業 の 前 提 が 将 来 的 に 成 立 しな い 可 能 性 が 認 識 されることになります 企 業 が 経 営 破 たんするケース 債 務 返 済 に 対 しキャッシュが 不 足 する 債 務 不 履 行 が 生 じた 場 合 企 業 は 経 営 破 たんし ます たとえ 損 益 計 算 書 で 利 益 を 計 上 していても キャッシュが 不 足 した 場 合 は 経 営 破 20

たんする 可 能 性 があります( 一 般 的 に 黒 字 倒 産 と 呼 ばれます) キャッシュは 企 業 の 血 液 に 例 えられることもありますが キャッシュが 不 足 する= 血 液 の 循 環 が 停 止 した 瞬 間 企 業 は 活 動 を 停 止 します 営 業 活 動 投 資 活 動 財 務 活 動 のそれぞれのキャッシュ バラ ンスを 考 慮 し 各 活 動 間 でキャッシュを 循 環 させることが 経 営 者 の 重 要 な 役 割 の 一 つと いえます 21