公認会計士協会HP用原稿



Similar documents
当社の法人関係情報の管理態勢およびその強化に向けた今後の対応策について

Microsoft Word - 実施について.doc

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

Microsoft Word 役員選挙規程.doc

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

〔平成27年6月1日〕商品先物取引業務に関する規則第18条第1項に基づく留意事項 一部改正

疑わしい取引の参考事例

は 共 有 名 義 )で 所 有 権 保 存 登 記 又 は 所 有 権 移 転 登 記 を された も の で あ る こと (3) 居 室 便 所 台 所 及 び 風 呂 を 備 え 居 住 の ために 使 用 す る 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 5 0 平 方 メ ー ト ル 以 上

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

Microsoft Word - 19年度(行個)答申第94号.doc

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

『法人関係情報の管理態勢に関する点検』への対応について

1

持 TFでの 検 討 を 踏 まえ 対 策 を 講 ずることといたしますが 貴 職 におかれまし ては 現 段 階 において 下 記 事 項 につきご 対 応 いただきますようお 願 い 申 し 上 げます 記 1. 貴 会 会 員 に 対 して 今 回 の 厚 生 労 働 省 からの 緊 急 要

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc

(Microsoft Word - \203A \225\345\217W\227v\227\314 .doc)

加 算 税 制 度 の 見 直 し 等 1. 現 行 制 度 の 概 要 関 税 においては 国 税 ( 輸 入 貨 物 に 対 する 内 国 消 費 税 を 含 む 以 下 同 じ ) の 制 度 と 同 様 の 過 少 申 告 加 算 税 無 申 告 加 算 税 及 び 重 加 算 税 の 制

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

PowerPoint プレゼンテーション

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可


Microsoft Word - 不正アクセス行為の禁止等に関する法律等に基づく公安

いう )は 警 告 をしたときは 速 やかに その 内 容 及 び 日 時 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申 出 をした 者 に 通 知 しなければならないこととされ また 警 告 をし なかったときは 速 やかに その 旨 及 び 理 由 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申

入札公告 機動装備センター

する 婦 人 相 談 所 その 他 適 切 な 施 設 による 支 援 の 明 記 禁 止 命 令 等 をすることが できる 公 安 委 員 会 等 の 拡 大 等 の 措 置 が 講 じられたものである 第 2 改 正 法 の 概 要 1 電 子 メールを 送 信 する 行 為 の 規 制 ( 法

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

を 行 うこと 又 は 必 要 な 機 能 を 追 加 することをいう ( 補 助 対 象 事 業 ) 第 3 条 補 助 金 の 交 付 対 象 となる 事 業 ( 以 下 補 助 対 象 事 業 という )は, 次 条 に 規 定 するこの 補 助 金 の 交 付 の 対 象 となる 者 ( 以

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

二 資本金の管理

<4D F736F F D A6D92E894C5817A30318F5A91EE838D815B839392CA926D95B62E646F6378>

(7) 会 社 更 生 法 第 17 条 又 は 民 事 再 生 法 第 21 条 の 規 定 に 基 づく 更 生 手 続 又 は 再 生 手 続 を 行 っていないこと (8) 国 税 県 税 及 び 市 町 村 税 について 未 納 のないこと 指 名 通 知 時 点 または 参 加 意 思

(2) 単 身 者 向 け 以 外 の 賃 貸 共 同 住 宅 等 当 該 建 物 に 対 して 新 たに 固 定 資 産 税 等 が 課 税 される 年 から 起 算 して5 年 間 とする ( 交 付 申 請 及 び 決 定 ) 第 5 条 補 助 金 の 交 付 を 受 けようとする 者 は

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

弁護士報酬規定(抜粋)

観光ガイド育成業務委託プロポーザル実施要領

個人向け国債の事務取扱いに関する細則

競 争 参 加 資 格 審 査 等 事 務 取 扱 要 領 ( 抜 粋 ) ( 有 資 格 者 としない 者 ) 第 6 条 契 約 事 務 責 任 者 は 契 約 を 締 結 する 能 力 を 有 しない 者 破 産 者 で 復 権 を 得 ない 者 及 び 暴 力 団 等 の 反 社 会 的 勢

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

Microsoft Word 利子補給金交付要綱

スライド 1

(1)1オールゼロ 記 録 ケース 厚 生 年 金 期 間 A B 及 びCに 係 る 旧 厚 生 年 金 保 険 法 の 老 齢 年 金 ( 以 下 旧 厚 老 という )の 受 給 者 に 時 効 特 例 法 施 行 後 厚 生 年 金 期 間 Dが 判 明 した Bは 事 業 所 記 号 が

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

平成17年度高知県県産材利用推進事業費補助金交付要綱

Taro13-公示.jtd

<4D F736F F D A94BD837D836C B4B92F62E646F6378>

工 事 名 能 代 南 中 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 5 月 24 日 ( 火

b) 参 加 表 明 書 の 提 出 時 において 東 北 地 方 整 備 局 ( 港 湾 空 港 関 係 を 除 く) における 平 成 年 度 土 木 関 係 建 設 コンサルタント 業 務 に 係 る 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 認 定 を 受 けて

している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

<4D F736F F D F4390B3208A948C E7189BB8CE F F8C668DDA97702E646F63>

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

2. 会 計 規 程 の 業 務 (1) 規 程 と 実 際 の 業 務 の 調 査 規 程 や 運 用 方 針 に 規 定 されている 業 務 ( 帳 票 )が 実 際 に 行 われているか( 作 成 されている か)どうかについて 調 べてみた 以 下 の 表 は 規 程 の 条 項 とそこに

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

Taro-別紙1 パブコメ質問意見とその回答

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

平成27年度大学改革推進等補助金(大学改革推進事業)交付申請書等作成・提出要領

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

連結計算書

円 定 期 の 優 遇 金 利 期 間 中 に 中 途 解 約 す る と 優 遇 金 利 は 適 用 さ れ ず お 預 け 入 れ 日 か ら 解 約 日 ま で の 所 定 の 期 限 前 解 約 利 率 が 適 用 さ れ ま す 投 資 信 託 ( 金 融 商 品 仲 介 で 取 り 扱

< F2D D D837C815B B8EC08E7B97768D80>

Microsoft Word - 答申第143号.doc

第4回税制調査会 総4-1

学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

工 事 名 渟 城 西 小 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 2 月 23 日 ( 火

第316回取締役会議案

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

募集要項

55

< F2D C93FA967B91E5906B8DD082CC94ED8DD0>

T T VWAPギャランティ 取 引 とは T T VWAPギャランティ 取 引 とは これまでの 成 行 や 指 値 とは 異 なる 東 海 東 京 証 券 が 提 供 する 新 しい 形 の 売 買 方 法 です その 方 法 とは 1 金 融 商 品 取 引 所 ( 以 下 取 引 所 )に

(10) 本 工 事 の 契 約 締 結 日 において 現 場 代 理 人 を 工 事 現 場 に 常 駐 で 配 置 し 得 ること ただし 本 入 札 の 一 般 競 争 入 札 参 加 申 込 書 の 提 出 日 現 在 において 3カ 月 以 上 直 接 的 かつ 恒 常 的 な 雇 用 関

科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

クレジットカード納付導入に伴う指定代理納付書の選定に係る実施要領

人 に 使 用 される 者 としての 勤 続 期 間 を 当 該 職 員 となつた 者 の 職 員 としての 勤 続 期 間 に 通 算 することと 定 められている 法 人 に 限 る )をいう 3 第 一 項 の 退 職 手 当 通 算 予 定 職 員 とは 任 命 権 者 又 はその 委 任

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

はファクシミリ 装 置 を 用 いて 送 信 し 又 は 訪 問 する 方 法 により 当 該 債 務 を 弁 済 す ることを 要 求 し これに 対 し 債 務 者 等 から 直 接 要 求 しないよう 求 められたにもかか わらず 更 にこれらの 方 法 で 当 該 債 務 を 弁 済 するこ

2.JADA 検 査 対 象 者 登 録 リストへの 登 録 除 外 引 退 復 帰 2.1 JADA 検 査 対 象 者 登 録 リストへの 登 録 及 び 除 外 は 原 則 として 以 下 に 示 す 対 応 によりおこな うものとする 登 録 国 内 競 技 連 盟 からの 登 録 申 請

中根・金田台地区 平成23年度補償説明業務

●電力自由化推進法案

< F2D8CF68D908A BA97AC89CD90EC8FF38BB592B28DB8>

H28記入説明書(納付金・調整金)8

<4D F736F F F696E74202D2082C882E982D982C DD8ED88EE688F882CC82B582AD82DD C668DDA9770>

法 令 の 遵 守 自 助 努 力 原 議 保 存 期 間 1 0 年 ( 平 成 3 4 年 1 2 月 3 1 日 まで) 各 管 区 警 察 局 広 域 調 整 担 当 部 長 警 察 庁 丁 保 発 第 号 警 察 庁 生 活 安 全 局 保 安 課 長 各 道 府 県 警 察

大阪府電子調達システムの開発業務 (第一期)に係る仕様書案に対する意見招請のお知らせ

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

Microsoft Word 差替_【900】(旧69)「交代」120111CL.docx

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

公文書非公開決定処分に関する諮問について(答申)


(3) 財 形 貯 蓄 等 に 係 る 給 与 からの 控 除 預 入 等 を 行 うための 明 細 書 ( 以 下 控 除 額 明 細 書 という )について 人 事 課 と 財 形 貯 蓄 取 扱 機 関 との 相 互 間 における 送 付 の 取 次 ぎを 行 うこと (4) 財 務 課 から

役員退職手当規程

Transcription:

課 徴 金 事 例 集 の 公 表 とインサイダー 取 引 事 案 の 傾 向 について ( 証 券 取 引 等 監 視 委 員 会 からの 寄 稿 ) 平 成 22.7 平 成 22 年 1 月 より 証 券 取 引 等 監 視 委 員 会 から 個 別 の 調 査 検 査 事 案 から 得 られる 問 題 意 識 を 中 心 とした 最 新 のトピックについて 定 期 的 に 御 寄 稿 いただいております 第 7 回 目 のテーマは 課 徴 金 事 例 集 の 公 表 とインサイダー 取 引 事 案 の 傾 向 について で す

証 券 業 報 月 号 課 徴 金 事 例 集 の 公 表 とインサイダー 取 引 事 案 の 傾 向 について 証 券 取 引 等 監 視 委 員 会 課 徴 金 開 示 検 査 課 課 長 補 佐 嶋 影 正 樹 1. 課 徴 金 事 例 集 の 公 表 について 今 般 証 券 取 引 等 監 視 委 員 会 ( 以 下 証 券 監 視 委 という )は 金 融 商 品 取 引 法 に おける 課 徴 金 事 例 集 を 公 表 した 今 般 の 事 例 集 は 通 算 で 第 3 集 目 となる 本 事 例 集 は 証 券 監 視 委 の 勧 告 に 基 づき 平 成 年 6 月 から 平 成 年 5 月 までの 間 に 課 徴 金 納 付 命 令 が 発 せられ 取 消 しの 訴 えの 期 間 が 経 過 した 課 徴 金 事 例 について これまでの 事 例 集 と 同 様 に 個 別 の 勧 告 事 案 を インサイダー 取 引 相 場 操 縦 開 示 書 類 の 虚 偽 記 載 と いった 違 反 行 為 の 類 型 別 に 編 集 してその 概 要 を 紹 介 している また 今 回 は 昨 年 の 事 例 集 公 表 後 に 初 めて 勧 告 を 行 った 公 開 買 付 開 始 公 告 の 実 施 義 務 違 反 についても 紹 介 し ている 今 回 の 事 例 集 の 特 長 として 事 案 の 内 容 が 理 解 しやすくなるよう 適 宜 概 念 図 を 挿 入 し たほか 違 反 行 為 の 背 景 や 事 案 の 特 徴 的 な 事 象 について 可 能 な 限 り 掲 載 し 各 章 の 冒 頭 に 解 説 ページを 設 け 課 徴 金 勧 告 案 件 の 特 色 をまとめた 傾 向 分 析 を 記 載 した 2.インサイダー 取 引 事 案 の 傾 向 この 稿 では インサイダー 取 引 に 係 る 事 案 を 中 心 に 説 明 する インサイダー 取 引 行 為 に 対 する 課 徴 金 勧 告 の 件 数 は 平 成 年 4 月 の 制 度 導 入 以 降 5 年 間 ( 平 成 年 5 月 の 勧 告 まで)で 事 例 件 ( 納 付 命 令 対 象 者 ベース) となった これまでの 勧 告 案 件 から 読 み 取 ることのできるインサイダー 取 引 事 案 の 傾 向 は 以 下 のとおりとなる なお 下 記 の 分 析 は 事 例 を 勧 告 時 点 ごとに 集 計 したものを 用 いて 行 ったものであ り 実 際 に 違 反 行 為 が 行 われた 時 点 と 勧 告 時 点 とで 時 間 的 なずれがあることに 留 意 さ れたい 公 開 買 付 け 実 施 に 係 る 情 報 に 基 づくインサイダー 取 引 事 案 の 増 加 インサイダー 取 引 事 案 として 勧 告 した 案 件 をその 重 要 事 実 別 にみると 平 成 年 度 においては 公 開 買 付 けの 実 施 に 係 る 情 報 に 基 づくものが 件 と それ 以 前 の 合 計 6 件 を 大 きく 上 回 る 件 数 の 勧 告 があったことが 第 一 の 特 色 として 挙 げられ

る その 背 景 としては 企 業 の 再 編 手 段 として 公 開 買 付 けを 利 用 しやすくなって いることもあるが 企 業 の 公 開 買 付 けには その 検 討 の 初 期 の 段 階 から 買 付 企 業 の 内 外 にわたって 関 与 する 者 が 多 いこと 公 開 買 付 価 格 は その 検 討 時 点 の 株 価 を 上 回 る 価 格 に 設 定 されることが 通 常 で 情 報 を 得 た 者 が 買 付 けを 行 い 利 得 を 得 よう とするインセンティブを 持 ちやすいことが 考 えられる なお 上 記 のような 実 態 を 踏 まえて 監 視 委 としては 公 開 買 付 け 実 務 とインサ イダー 取 引 のリスクについて 市 場 関 係 者 からのヒヤリングを 実 施 し その 結 果 を とりまとめ 去 る7 月 15 日 に 市 場 関 係 者 に 対 してフィードバックしたところで ある この 点 については 証 券 監 視 委 の を 参 照 いただきたい () ( 表 1) 重 要 事 実 別 勧 告 状 況 年 度 計 新 株 等 発 行 株 式 分 割 株 式 交 換 合 併 業 務 提 携 解 消 民 事 再 生 会 社 更 生 行 政 処 分 の 発 生 決 算 情 報 バスケット 条 項 子 会 社 の 重 要 事 実 公 開 買 付 け 年 度 別 勧 告 件 数 ( 注 )1. 年 度 とは 当 年 4 月 ~ 翌 年 3 月 をいう ただし 年 度 は5 月 まで 2. 件 数 は 納 付 命 令 対 象 者 ベースで 計 上 ( 以 上 ( 表 2)( 表 3)において 同 じ) 3. 年 度 には 新 株 発 行 及 び 業 務 提 携 の 両 方 の 事 実 を 知 って 行 われたものが2 件 あ り それぞれに 重 複 して 計 上 している また 年 度 には 業 務 提 携 の 解 消 と 公 開 買 付 けの 両 方 の 事 実 を 知 って 行 われたものが 件 あり それぞれに 重 複 計 上 してい る そのため 各 欄 の 件 数 の 合 計 と 年 度 別 勧 告 件 数 欄 の 数 値 とは 一 致 しない 4. 年 度 の 公 開 買 付 けには 公 開 買 付 けに 準 ずる 行 為 を 重 要 事 実 とするものも 含 んで いる 第 一 次 情 報 受 領 者 によるインサイダー 取 引 に 係 る 勧 告 件 数 の 増 加 インサイダー 取 引 を 行 う 者 を イ 会 社 関 係 者 及 び 公 開 買 付 者 等 関 係 者 ( 金 商 法 第 条 第 項 又 は 第 条 第 項 が 適 用 される 者 以 下 関 係 者 という)とロ 第 一 次 情 報 受 領 者 ( 法 第 条 第 項 又 は 第 条 第 項 が 適 用 される 者 以 下 情

報 受 領 者 という)とに 大 きく 二 分 してみると 平 成 年 度 までの 各 年 度 におい ては 関 係 者 に 対 する 勧 告 が 情 報 受 領 者 に 対 する 勧 告 を 上 回 っていたが 年 度 において 情 報 受 領 者 に 対 する 勧 告 が 件 となり 関 係 者 に 対 する 勧 告 件 を 上 回 った 情 報 受 領 者 に 対 する 勧 告 件 数 の 年 度 別 推 移 をみても 年 度 における 件 数 が 大 きく 増 加 していることが 分 かる インサイダー 取 引 違 反 に 対 する 告 発 課 徴 金 勧 告 件 数 が 増 加 していること また 上 場 会 社 等 における 情 報 管 理 等 の 内 部 管 理 体 制 の 整 備 が 進 みつつあること 等 を 背 景 に 会 社 の 内 部 情 報 に 触 れることのできる 者 が 自 らインサイダー 取 引 を 行 うこと に 対 する 規 律 付 けは 徐 々に 浸 透 しているものと 思 われる その 一 方 で 内 部 情 報 を 得 た 者 が 不 用 意 に 他 者 ( 家 族 親 族 関 係 にある 者 友 人 知 人 関 係 にある 者 が 多 い)に 当 該 情 報 を 漏 らすケースが 増 えていることが 窺 える 会 社 の 重 要 情 報 に 接 触 する 機 会 のある 者 は 当 該 情 報 に 基 づいて 株 取 引 を 行 わな いことはもとより 当 該 情 報 を 他 人 に 漏 らさない 他 人 を 違 反 行 為 者 にさせないこ とに 心 がけることが 必 要 である ( 表 2) 行 為 者 属 性 ( 適 用 条 項 ) 別 勧 告 状 況 年 度 計 会 社 関 係 者 条 発 行 体 役 員 項 号 発 行 体 社 員 項 号 発 行 体 項 号 約 締 結 者 等 項 号 号 公 開 買 付 者 等 関 係 者 条 買 付 者 役 員 項 号 買 付 者 社 員 項 号 買 付 者 との 約 締 結 者 等 項 号 号 第 一 次 情 報 受 領 者 会 社 の 重 要 事 実 条 項 公 開 買 付 け 事 実 条 項 年 度 別 勧 告 件 数 ( 注 ) 平 成 年 度 においては 違 反 行 為 者 が 複 数 の 違 反 行 為 を 行 った 結 果 属 性 ( 適 用 条 項 )を 重 複 して 計 上 しているものが 件 ある ( 会 社 関 係 者 中 発 行 体 役 員 と 約 締 結 者 等 とに 重 複 計 上 しているものが 件 第 一 次 情 報 受 領 者 中 会 社 の 重 要 事 実 と 公 開 買 付 け 事 実 とに 重 複 計 上 しているものが 件 ) したがって 各 欄 の 件 数 の 合 計 と 年 度 別 勧 告 件 数 欄 の 数 値 とは 一 致 しない

( 表 3) 情 報 伝 達 者 の 属 性 年 度 計 会 社 重 要 事 実 の 伝 達 条 発 行 体 役 員 項 号 発 行 体 社 員 項 号 発 行 体 の 業 務 従 事 者 項 号 約 締 結 者 等 項 号 号 公 開 買 付 け 事 実 の 伝 達 条 買 付 者 役 員 項 号 買 付 者 社 員 項 号 買 付 者 の 業 務 従 事 者 項 号 買 付 者 との 約 締 結 者 等 項 号 号 うち 買 付 対 象 者 役 員 社 員 ( 注 ) 平 成 年 度 においては 同 一 の 違 反 行 為 者 について 会 社 重 要 事 実 についての 発 行 体 役 員 からの 伝 達 と 公 開 買 付 け 事 実 の 約 締 結 者 等 ( 買 付 対 象 者 役 員 )からの 伝 達 とに 重 複 して 計 上 している 情 報 伝 達 者 と 第 一 次 情 報 受 領 者 との 関 係 ( 主 なもの) 重 要 事 実 に 関 連 した 取 引 関 係 者 ( 保 有 株 売 却 交 渉 相 手 第 三 者 割 当 引 受 候 補 先 公 開 買 付 者 等 関 係 者 と 公 開 買 付 対 象 者 ) 親 子 会 社 の 役 員 間 会 社 業 務 関 係 者 ( 業 務 取 引 先 取 材 相 手 先 会 社 情 報 提 供 先 ) 会 社 の 同 僚 ( 同 一 の 営 業 所 勤 務 ) 友 人 関 係 ( 大 学 時 代 に 同 じ 部 に 所 属 高 校 時 代 に 同 じ 部 に 所 属 小 学 校 の 同 級 生 飲 み 仲 間 スポーツ 仲 間 ) 知 人 関 係 ( 会 社 の 元 同 僚 ) 家 族 ( 夫 婦 親 子 兄 弟 ) 信 用 調 査 会 社 社 員 会 社 のIR 担 当 者 監 査 役 税 理 士 信 金 職 員 など 市 場 に おいて より 高 いモラルを 求 められる 者 によるインサイダー 取 引 が 少 なからずあっ た ( 事 例 7 10 11 20 22 23) 3. 事 例 集 掲 載 個 別 事 例 の 概 要 今 回 の 事 例 集 においては インサイダー 取 引 に 係 る 課 徴 金 勧 告 事 例 を 事 例 について 紹 介 している その 内 容 を3 事 例 紹 介 する

メールの 誤 送 信 によるインサイダー 取 引 事 例 ( 事 例 7) 本 件 は A 社 の 担 当 者 が 会 社 更 生 手 続 開 始 の 申 立 て 後 の 留 意 点 を 各 現 場 に 速 やか に 連 絡 するためのメールを 準 備 していたところ 当 該 メールを 誤 って 送 信 したことによ り 会 社 内 外 の 関 係 者 に 重 要 事 実 が 漏 洩 することにより インサイダー 取 引 の 端 緒 とな ったものである 会 社 更 生 という 会 社 にとって 極 めて 大 きなイベントの 発 生 時 におい ては 社 内 において 少 なからず 混 乱 が 生 ずるものと 考 えられるが 会 社 の 情 報 管 理 にお ける 些 細 なミスが 多 数 の 者 の 法 令 違 反 行 為 を 惹 起 することにもなることから 当 該 情 報 管 理 提 供 のあり 方 には 会 社 担 当 者 は 十 分 な 注 意 が 必 要 である A 社 会 社 更 生 手 続 開 始 の 申 立 て メール 誤 送 信 ( 違 反 行 為 者 の 同 僚 ) ( 違 反 行 為 者 の 同 僚 ) ( 違 反 行 為 者 の 同 僚 ) ( 違 反 行 為 者 の 家 族 ) ( 違 反 行 為 者 の 配 偶 者 ) 違 反 行 為 者 1 違 反 行 為 者 2 違 反 行 為 者 3 違 反 行 為 者 4 違 反 行 為 者 5 A 社 の 約 締 結 先 社 員 A 社 の 約 締 結 先 役 員 違 反 行 為 者 6 違 反 行 為 者 7 証 券 会 社 社 員 及 び 公 認 会 計 士 が 関 与 したインサイダー 取 引 事 例 ( 事 例 18) 本 件 は 公 開 買 付 者 5 社 が それぞれ 異 なる5 社 の 株 券 の 公 開 買 付 けを 行 うことに ついて 決 定 した 旨 の 事 実 について 公 開 買 付 者 らとの 間 での 公 開 買 付 代 理 人 約 又 は 公 開 買 付 けに 係 るアドバイザリー 約 等 の 約 締 結 先 である 証 券 会 社 社 員 から 伝 達 を 受 け 当 該 事 実 の 公 表 前 に 公 開 買 付 対 象 者 の 発 行 するそれぞれの 株 券 を 買 い 付 けた ものである 本 件 公 開 買 付 けに 関 する 重 要 事 実 の 情 報 の 伝 達 者 は 証 券 会 社 の 社 員 であり 違 反 行 為 者 は 公 認 会 計 士 である 伝 達 者 と 違 反 行 為 者 は 中 学 高 校 時 代 の 先 輩 と 後 輩 の 関 係 にあったものであり 違

反 行 為 者 は 私 用 の 電 話 や 会 食 の 際 に 情 報 伝 達 者 から 公 開 買 付 け 事 実 の 伝 達 を 受 けた ものである 本 件 は 証 券 会 社 等 ファイナンシャルアドバイザーにおける 情 報 管 理 の 観 点 から ま た 市 場 の 公 正 性 透 明 性 の 確 保 という 点 で 大 きな 公 共 的 な 役 割 を 担 う 職 にある 公 認 会 計 士 が 違 反 行 為 に 及 んだという 観 点 からも 問 題 視 すべき 事 案 である 今 後 一 層 の 自 己 規 律 を 求 めたい 公 対 開 象 買 者 付 A 社 B 社 C 社 D 社 E 社 公 開 買 付 け 公 開 買 付 者 V 社 W 社 X 社 Y 社 Z 社 ア ド バ イ ザ リ 約 ア ド バ イ ザ リ 約 公 開 買 付 代 理 人 約 公 開 買 付 代 理 人 約 コ サ ン サ ビ ル ス テ 約 ン グ 証 券 会 社 情 報 伝 達 者 伝 達 違 反 行 為 者 銀 行 員 が 関 与 したインサイダー 取 引 事 例 ( 事 例 19) 本 件 の 違 反 行 為 者 は 公 開 買 付 者 A 社 がB 社 の 株 券 の 公 開 買 付 けを 行 うことを 決 定 した 事 実 の 伝 達 を 受 け 当 該 事 実 の 公 表 前 にB 社 株 券 を 買 い 付 けたものである 本 件 の 情 報 伝 達 者 は 銀 行 員 であり M&Aのアドバイザリー 業 務 等 に 従 事 してい

る 者 であったが 同 人 は 本 件 の 公 開 買 付 けに 関 与 する 中 で A 社 と 当 該 銀 行 との 間 で 締 結 されていた 情 報 共 有 に 関 する 約 の 履 行 に 関 し 当 該 事 実 を 知 り かつて 銀 行 の 同 僚 で 情 報 伝 達 者 が 従 事 している 業 務 の 内 容 を 十 分 に 知 っていた 違 反 行 為 者 に 伝 え たものである このように 公 共 的 な 役 割 を 担 う 金 融 機 関 ( 銀 行 )の 職 員 からの 情 報 伝 達 により 違 反 行 為 が 行 われたものであり 金 融 機 関 の 役 職 員 における 情 報 管 理 の 徹 底 法 令 遵 守 の 観 点 から 非 常 に 問 題 の 大 きな 事 例 である また 本 件 における 重 要 事 実 の 伝 達 経 緯 については 伝 達 者 は 違 反 行 為 者 に 対 し 具 体 的 に 公 開 買 付 けには 言 及 しないものの 銘 柄 名 を 伝 えるとともに これを 購 入 す るよう 促 したものである このように 具 体 的 な 重 要 事 実 の 内 容 の 全 部 が 伝 達 されな くても 情 報 受 領 者 が 伝 達 者 の 職 務 をどの 程 度 把 握 していたかによっては 重 要 事 実 を 伝 達 したものと 認 められる 可 能 性 があり そのような 情 報 に 基 づいて 公 表 前 に 株 の 売 買 を 行 えば 当 然 にして インサイダー 取 引 の 規 制 に 抵 触 することとなる 公 開 買 付 者 A 社 情 報 共 有 に 関 する 同 意 書 本 件 MBOについての 情 報 共 有 に 関 する 同 意 書 ( 約 )の 締 結 先 銀 行 員 公 開 買 付 けの 実 施 伝 達 公 開 買 付 対 象 者 B 社 違 反 行 為 者 ( 伝 達 者 とは 以 前 同 じ 職 場 で 勤 務 ) いずれも インサイダー 取 引 事 例 の 詳 細 については 証 券 監 視 委 ホームページに 掲 載 さ れている 事 例 集 本 体 をご 覧 いただきたい 4. 日 本 証 券 業 協 会 の 皆 様 へ 本 事 例 集 にも 掲 載 しているが 証 券 会 社 の 社 員 がインサイダー 取 引 に 関 与 した 大 変 残 念 な 事 例 も 見 受 けられるところであり 効 果 的 な 法 令 遵 守 体 制 の 構 築 が 求 められること はいうまでもない しかし そうしたことに 止 まらず 証 券 市 場 における 取 引 の 公 正 を 確 保 していくためには 最 前 線 で 顧 客 と 直 接 接 している 証 券 会 社 の 役 割 に 期 待 するとこ ろが 大 きい 日 本 証 券 業 協 会 は 協 会 員 に 適 用 される 各 種 自 主 規 制 ルールを 制 定 して 金 融 商 品 取 引 業 の 遂 行 の 公 正 円 滑 化 等 に 努 めるという 極 めて 重 要 な 役 割 を 担 っておられる

最 近 の 勧 告 事 例 を 見 ても 発 行 体 の 役 員 が 自 己 の 名 義 を 用 いてインサイダー 取 引 を 行 う 事 例 も 今 だに 生 じており 証 券 会 社 が 当 該 者 に 係 る 取 引 の 審 査 を 効 果 的 に 行 っていれ ば インサイダー 取 引 を 阻 止 することもあり 得 たのではないかと 考 えられる また 課 徴 金 調 査 を 行 う 過 程 では 証 券 会 社 の 管 理 体 制 や 違 反 行 為 を 行 っている 者 への 対 応 が 把 握 される 場 合 がある 例 えば インサイダー 取 引 を 借 名 口 座 を 用 いて 行 っている 事 実 が 判 明 することもあるが このような 場 合 に 証 券 会 社 の 顧 客 管 理 体 制 に 問 題 は 無 いか 懸 念 されるところである 更 に インサイダー 取 引 以 外 の 点 ではあるが 相 場 操 縦 の 疑 いがある 取 引 を 繰 り 返 し ている 者 への 注 意 喚 起 の 内 容 新 規 注 文 取 引 の 停 止 等 の 対 応 については 各 証 券 会 社 に よってかなり 幅 があると 見 受 けられる そのような 者 に 対 しては 各 証 券 会 社 から 早 期 に 注 意 喚 起 及 び 厳 しい 対 応 を 行 うことが 求 められる このような 状 況 も 踏 まえ 今 後 インサイダー 取 引 や 相 場 操 縦 に 利 用 された 証 券 会 社 については 事 案 の 内 容 に 応 じ 様 々な 形 で 注 意 喚 起 のためのメッセージを 発 出 してい くことも 検 討 したいと 考 えている 最 後 に 証 券 監 視 委 としては 既 に 自 主 規 制 団 体 との 間 で 証 券 市 場 に 関 する 問 題 意 識 の 共 有 等 を 進 めているところであるが 今 後 とも 日 本 証 券 業 協 会 を 含 めた 自 主 規 制 団 体 との 間 で 様 々な 形 で 連 携 を 強 化 したいと 考 えている