やさしい 労 務 管 理 の 手 引 き 厚 生 労 働 省 労 働 基 準 局 監 督 課
目 次 はじめに 第 1 章 労 働 法 ついて 1 労 働 法 と 労 働 契 約 について 1 2 労 働 組 合 法 について 3 第 2 章 働 き 始 める 前 に 1 労 働 契 約 を 結 ぶ と き 5 2 就 業 規 則 6 3 各 種 保 険 と 年 金 制 度 7 第 3 章 労 働 条 件 に 関 するルール 1 賃 金 9 2 労 働 時 間 と 休 憩 休 日 な ど 1 1 3 安 全 衛 生 及 び 健 康 管 理 1 5 第 4 章 労 働 契 約 が 終 了 するとき 1 退 職 1 8 2 解 雇 1 8 3 契 約 期 間 の 満 了 等 に よ る 労 働 契 約 の 終 了 1 9 働 く と き の ル ー ル に つ い て 相 談 窓 口 2 1
やさしい 労 務 管 理 の 手 引 き はじめに このパンフレットは 各 企 業 の 方 々に 活 用 していただけるよう 労 働 基 準 法 を 中 心 とする 関 係 法 令 を 分 かりやすくまとめたものです 労 働 者 が 安 心 して 安 全 に 働 くことができ 企 業 活 動 を 円 滑 に 行 えるようにするに は 各 企 業 の 皆 さんに 労 働 関 係 法 令 の 内 容 を 正 しく 理 解 し 遵 守 していただくこと が 必 要 です 第 1 章 労 働 法 について 1 労 働 法 と 労 働 契 約 について 労 働 法 といっても 労 働 法 という 名 前 の1つの 法 律 があるわけではなく 労 働 問 題 に 関 するたくさんの 法 律 をひとまとめにして 労 働 法 と 呼 んでいます その 中 に は 労 働 基 準 法 や 労 働 組 合 法 をはじめ 最 低 賃 金 法 や 労 働 安 全 衛 生 法 といった 様 々な 法 律 が 含 まれています このパンフレットでは こうした 様 々な 法 律 で 定 めら れている 約 束 事 のうち 使 用 者 の 皆 さんが 果 たすべき 義 務 を 中 心 に 解 説 をしてい きます 労 働 者 が 提 供 する 労 働 力 を 利 用 して 事 業 活 動 を 行 うために 企 業 ( 使 用 者 事 業 主 )は 労 働 者 との 間 で 労 働 契 約 を 結 びます この 際 どういう 条 件 で 労 働 者 を 使 用 するかといった 契 約 内 容 は 使 用 者 と 労 働 者 の 合 意 で 決 定 するのが 基 本 です ただし 1 使 用 者 と 労 働 者 の 交 渉 力 の 違 いがあるため 契 約 の 自 由 を 制 限 し 労 働 者 の 保 護 を 図 る 必 要 があること 2 労 働 者 の 契 約 上 の 債 務 は 自 分 自 身 の 心 身 を 使 った 労 務 の 提 供 であるため 労 働 者 の 健 康 や 安 全 の 確 保 を 図 る 必 要 があるこ となど 労 働 契 約 には 他 の 契 約 にはない 特 色 があります こうしたことから 契 約 自 由 の 原 則 を 修 正 し 労 働 基 準 法 などの 法 令 において 労 働 契 約 で 定 める 労 働 条 件 の 最 低 基 準 が 定 められています この 最 低 基 準 は 罰 則 と 行 政 監 督 つきで 設 定 されており 使 用 者 はこの 基 準 を 遵 守 する 必 要 があります 仮 に 労 働 者 と 使 用 者 双 方 の 合 意 の 上 で 労 働 基 準 法 等 で 定 める 最 低 基 準 に 達 しない 労 働 契 約 を 結 んだとしても それは 無 効 となり 労 働 基 準 法 等 の 定 めた 基 準 と 同 様 の 定 めをしたものとみなされます 1
また 既 に 述 べたように 労 働 契 約 において 給 付 すべき 債 務 は 人 が 提 供 する 労 働 力 であり 注 文 主 から 仕 事 の 完 成 や 事 務 の 遂 行 を 任 される 請 負 や 業 務 委 託 といった 形 態 とは 異 なります 請 負 や 業 務 委 託 といった 形 態 は 注 文 主 から 受 けた 仕 事 の 完 成 に 対 して 報 酬 が 支 払 われるというものなので こうした 形 態 で 働 く 人 は 注 文 主 の 指 揮 命 令 を 受 けず 基 本 的 には 労 働 者 としての 保 護 を 受 けること にはなりません ただし 業 務 委 託 や 請 負 といった 契 約 をしていても 実 態 として 使 用 従 属 関 係 が 認 められるときは この 関 係 は 労 働 関 係 であり 働 く 人 は 労 働 基 準 法 上 の 労 働 者 であるということになります もう 一 歩 進 んで 強 行 規 定 と 任 意 規 定 法 律 または 個 々の 条 文 の 性 格 によって 強 行 規 定 と 任 意 規 定 に 分 け られます 強 行 規 定 は 当 事 者 の 意 思 とは 関 係 なく 適 用 されるもので 公 の 秩 序 や 善 良 な 風 俗 に 関 して 定 めています 一 方 任 意 規 定 とは 当 事 者 が 関 係 する 法 令 や 条 文 の 定 めとは 異 なる 意 思 を 表 示 しない 場 合 にはその 条 文 が 適 用 されるものをいい 民 法 の 多 くの 規 定 な どがこれに 当 たります なお 強 行 規 定 任 意 規 定 ともにその 解 釈 や 運 用 について 当 事 者 間 に 争 いが あるときには 最 終 的 には 裁 判 で 決 着 することになります 労 働 基 準 法 で 定 められた 労 働 条 件 の 基 準 ( 例 えば 労 働 時 間 は 週 40 時 間 1 日 8 時 間 )は 最 低 のもので 必 ず 守 らなければいけないものとして 定 められ ています このため 労 働 基 準 法 では 労 働 契 約 のうちこの 基 準 に 違 反 した 定 めをした 部 分 は 無 効 とし 無 効 となった 部 分 は 労 働 基 準 法 が 定 めた 基 準 によるとして います( 労 働 基 準 法 第 13 条 ) 契 約 自 由 という 民 事 上 の 大 原 則 に 従 って 結 ば れた 契 約 内 容 を 修 正 し その 部 分 には 労 働 基 準 法 の 効 力 が 及 ぶという 強 行 法 規 であることが 明 らかにされているのです もう 一 歩 進 んで 労 働 基 準 法 が 守 られる 仕 組 み 労 働 基 準 法 に 違 反 した 場 合 には 罰 金 又 は 懲 役 の 刑 を 科 すこととされていま す さらに 労 働 基 準 監 督 官 には この 法 律 が 守 られるように 会 社 に 立 ち 入 る 等 の 権 限 や 重 大 または 悪 質 な 違 反 については 捜 査 し 検 察 庁 に 送 検 する 司 法 警 察 員 としての 権 限 を 与 えており 日 常 的 に 労 働 基 準 法 が 遵 守 されるような 仕 組 みが 定 められています 2
もう 一 歩 進 んで 労 働 基 準 法 上 の 労 働 者 とは 労 働 基 準 法 上 の 労 働 者 とは 使 用 者 の 指 揮 命 令 の 下 で 働 き その 報 酬 として 賃 金 を 受 ける 者 をいい 職 種 は 問 いません 主 に 会 社 の 指 揮 監 督 の 下 で 働 い ているか 否 か( 指 示 された 仕 事 を 拒 否 する 自 由 があるか 時 間 を 拘 束 され 場 所 を 指 定 されているか 他 の 者 で 代 替 できるか 等 々) 受 け 取 る 報 酬 が 指 揮 監 督 の 下 で 働 いたことに 対 する 報 酬 か 否 か( 請 負 代 金 や 成 功 報 酬 的 なものとなって いないか 等 々)によって 労 働 基 準 法 上 の 労 働 者 であるか 否 かが 決 まります なお この 労 働 者 には 雇 われて 働 いている 人 は 皆 含 まれるため 正 社 員 だけではなく パートタイム 労 働 者 やアルバイトも 労 働 者 に 含 まれます 2 労 働 組 合 法 について 労 働 組 合 とは 労 働 者 が 主 体 となって 自 主 的 に 労 働 条 件 の 維 持 改 善 や 経 済 的 地 位 の 向 上 を 目 的 として 組 織 する 団 体 です 労 働 者 が 集 団 となることで 労 働 者 が 会 社 と 対 等 な 立 場 で 交 渉 できるよう 日 本 国 憲 法 では 1 労 働 者 が 労 働 組 合 を 結 成 する 権 利 ( 団 結 権 ) 2 労 働 者 が 使 用 者 ( 会 社 )と 団 体 交 渉 する 権 利 ( 団 体 交 渉 権 ) 3 労 働 者 が 要 求 実 現 のために 団 体 で 行 動 する 権 利 ( 団 体 行 動 権 ( 争 議 権 )) の 労 働 三 権 を 保 障 しています( 日 本 国 憲 法 第 28 条 ) そして この 権 利 を 具 体 的 に 保 障 するため 労 働 組 合 法 が 定 められています 労 働 組 合 法 は 使 用 者 の 以 下 の 行 為 を 不 当 労 働 行 為 として 禁 止 しています 1 労 働 組 合 への 加 入 や 正 当 な 労 働 組 合 活 動 ( 争 議 行 為 )などを 理 由 に 解 雇 や 降 格 給 料 の 引 下 げ 嫌 がらせ 等 の 不 利 益 な 取 扱 いをすること (スト 時 間 分 の 賃 金 をカットすること ストに 対 するロックアウト 等 を 除 く ) 2 正 当 な 理 由 のない 団 体 交 渉 の 拒 否 ( 労 働 組 合 からの 団 体 交 渉 申 入 れには 拒 否 する 正 当 な 理 由 がある 場 合 を 除 き 応 じなければなりません ) 3 労 働 組 合 の 結 成 や 運 営 に 対 する 支 配 や 介 入 組 合 運 営 経 費 の 援 助 ( 従 業 員 の 組 合 結 成 加 入 や 組 合 活 動 を 妨 害 する 言 動 などが 該 当 ) 4 労 働 者 が 労 働 委 員 会 に 救 済 を 申 立 てたり 労 働 委 員 会 での 発 言 や 証 拠 提 出 をしたことを 理 由 に 不 利 益 な 取 扱 いをすること 3
もう 一 歩 進 んで 労 働 委 員 会 について 労 働 委 員 会 とは 労 働 者 が 団 結 することを 擁 護 したり 労 使 紛 争 の 公 正 な 調 整 を 行 ったりすることを 目 的 として 設 置 された 機 関 です 労 働 委 員 会 は 公 益 使 用 者 労 働 者 のそれぞれを 代 表 する 委 員 からなる 三 者 構 成 の 委 員 会 であり 都 道 府 県 の 機 関 として 都 道 府 県 ごとに 都 道 府 県 労 働 委 員 会 国 の 機 関 としては 中 央 労 働 委 員 会 が 設 けられています 労 働 委 員 会 では 労 働 組 合 などからの 申 立 てを 受 けて 不 当 労 働 行 為 があっ た 場 合 に 救 済 命 令 を 発 したり 労 働 争 議 を 解 決 するため あっせん 調 停 仲 裁 の3 種 の 調 整 を 行 っています 労 働 組 合 との 間 で 紛 争 が 発 生 した 場 合 使 用 者 も 労 働 委 員 会 に あっせん 調 停 仲 裁 を 申 請 することができます( ) 調 停 仲 裁 は 労 使 双 方 の 申 請 が 必 要 です 4
第 2 章 労 働 者 を 雇 い 入 れるとき 1 労 働 契 約 を 結 ぶとき 使 用 者 と 労 働 者 の 雇 用 関 係 は 労 働 契 約 を 締 結 することによって 始 まります 労 働 契 約 を 結 ぶに 当 たっては 使 用 者 は 労 働 者 に 対 して 賃 金 労 働 時 間 などの 労 働 条 件 を 必 ず 明 示 しなければなりません 更 に 特 に 重 要 な 次 の6 項 目 については 労 働 者 に 対 してきちんと 書 面 を 交 付 し なければいけません( 労 働 基 準 法 第 15 条 ) 1 契 約 はいつまでか( 労 働 契 約 の 期 間 に 関 すること) 2 期 限 の 定 めがある 契 約 の 更 新 についてのきまり( 更 新 があるかどうか 更 新 する 場 合 の 判 断 のしかたなど) 3 労 働 者 がどこでどんな 仕 事 をするのか( 仕 事 をする 場 所 仕 事 の 内 容 ) 4 仕 事 の 時 間 や 休 みはどうなっているのか( 仕 事 の 始 めと 終 わりの 時 刻 残 業 の 有 無 休 憩 時 間 休 日 休 暇 交 替 制 勤 務 のローテーション 等 ) 5 賃 金 はどのように 支 払 われるのか( 賃 金 の 決 定 計 算 と 支 払 いの 方 法 締 切 と 支 払 日 の 時 期 ) 6 労 働 者 が 辞 めるときのきまり( 退 職 に 関 すること( 解 雇 の 事 由 を 含 む)) 労 働 契 約 を 締 結 するときに 期 間 を 定 める 場 合 と 期 間 を 定 めない 場 合 があ ります 期 間 の 定 めのある 契 約 は 原 則 として3 年 を 超 えてはならないとされて います( 労 働 基 準 法 第 14 条 ) パートタイム 労 働 者 を 雇 い 入 れたときは 上 記 に 加 え 昇 給 退 職 手 当 及 び 賞 与 の 有 無 並 びにパートタイム 労 働 者 の 雇 用 管 理 の 改 善 等 に 関 する 事 項 に 係 る 相 談 窓 口 を 文 書 の 交 付 などにより 当 該 労 働 者 に 明 示 しなければなりません(パ ートタイム 労 働 法 第 6 条 第 1 項 ) これら 以 外 の 労 働 契 約 の 内 容 についても 使 用 者 と 労 働 者 はできる 限 り 書 面 で 確 認 する 必 要 があると 定 められています( 労 働 契 約 法 4 条 第 2 項 ) 5
もう 一 歩 進 んで 労 働 契 約 の 禁 止 事 項 労 働 基 準 法 では 使 用 者 が 契 約 に 盛 り 込 んではならない 条 件 も 定 めていま す 1 賃 金 労 働 時 間 その 他 の 労 働 条 件 について 国 籍 信 条 又 は 社 会 的 身 分 を 理 由 として 差 別 的 取 扱 いをすること( 労 働 基 準 法 第 3 条 ) 2 女 性 であることを 理 由 として 賃 金 について 男 性 と 差 別 的 取 扱 いをする こと( 労 働 基 準 法 第 4 条 ) 3 労 働 者 が 労 働 契 約 に 違 反 した 場 合 に 違 約 金 を 支 払 わせることやその 額 を あらかじめ 決 めておくこと( 労 働 基 準 法 第 16 条 ) 4 労 働 することを 条 件 として 労 働 者 にお 金 を 前 貸 しし 毎 月 の 給 料 から 一 方 的 に 天 引 きする 形 で 返 済 させること( 労 働 基 準 法 第 17 条 ) 5 労 働 者 に 強 制 的 に 会 社 にお 金 を 積 み 立 てさせること( 労 働 基 準 法 第 18 条 ) 2 就 業 規 則 職 場 において 守 られるべき 規 律 や 共 通 の 労 働 条 件 を 定 めたものが 就 業 規 則 です 職 場 でのルールを 定 め それを 守 ることで 労 働 者 が 安 心 して 働 き 無 用 のト ラブルを 防 ぐことができるので 就 業 規 則 の 役 割 は 重 要 です 就 業 規 則 について 使 用 者 が 気 をつけるべき 事 項 には 以 下 のようなものがあります 常 時 10 人 以 上 の 労 働 者 を 使 用 する 事 業 場 は 必 ず 就 業 規 則 を 作 成 し 労 働 基 準 監 督 署 に 届 け 出 なければなりません( 労 働 基 準 法 第 89 条 ) 労 働 者 にはパートタイム 労 働 者 やアルバイト 等 も 含 まれます 就 業 規 則 に 必 ず 記 載 しなければいけない 事 項 ( 労 働 基 準 法 第 89 条 ) 始 業 及 び 終 業 の 時 刻 休 憩 時 間 休 日 休 暇 交 替 勤 務 制 の 場 合 の 就 業 時 転 換 ( 交 替 制 )に 関 する 事 項 賃 金 に 関 する 事 項 退 職 に 関 する 事 項 就 業 規 則 の 作 成 変 更 をする 際 には 必 ず 労 働 者 代 表 の 意 見 を 聴 かなければな りません( 労 働 基 準 法 第 90 条 ) 労 働 者 代 表 とは 1 事 業 場 に 労 働 者 の 過 半 数 で 組 織 する 労 働 組 合 があ る 場 合 にはその 労 働 組 合 2そのような 労 働 組 合 がない 場 合 には 労 働 者 の 過 半 数 を 代 表 する 者 とされています 就 業 規 則 の 内 容 は 法 令 や 労 働 協 約 に 反 してはなりません( 労 働 基 準 法 第 92 条 労 働 契 約 法 第 13 条 ) 6
就 業 規 則 は 作 業 場 の 見 やすい 場 所 に 常 時 掲 示 するか 備 え 付 ける 労 働 者 に 配 布 するなどの 方 法 により 周 知 しなければなりません( 労 働 基 準 法 第 106 条 ) 3 各 種 保 険 と 年 金 制 度 労 働 者 が 安 心 して 働 くことができるよう 労 働 者 が 病 気 や 怪 我 をしたときなど 様 々な 場 面 で 必 要 な 給 付 を 受 けられるようにして 労 働 者 の 生 活 を 守 ることを 目 的 とした 制 度 があります これらは 法 律 に 基 づき 事 業 主 等 に 保 険 料 等 の 費 用 の 負 担 が 義 務 付 けられており これによって 必 要 な 給 付 等 が 行 われます もう 一 歩 進 んで それぞれの 制 度 を 見 てみよう 労 災 保 険 労 災 保 険 は 労 働 者 の 業 務 が 原 因 の 怪 我 病 気 障 害 死 亡 ( 業 務 災 害 ) または 通 勤 の 途 中 の 事 故 などの 場 合 ( 通 勤 災 害 )に 国 が 会 社 に 代 わって 給 付 を 行 う 制 度 です パートタイム 労 働 者 やアルバイトを 含 むすべての 労 働 者 が 適 用 対 象 となります 基 本 的 に 労 働 者 を1 人 でも 雇 用 する 会 社 は 加 入 が 義 務 付 けられており 雇 用 保 険 と 同 様 に 保 険 関 係 が 成 立 した 日 から 10 日 以 内 に 所 轄 の 労 働 基 準 監 督 署 に 保 険 関 係 成 立 届 を 提 出 するとともに 保 険 関 係 の 成 立 の 日 から 50 日 以 内 に 概 算 保 険 料 申 告 書 を 提 出 し 概 算 保 険 料 を 納 付 する 必 要 があります 労 働 基 準 法 には 労 働 者 が 業 務 上 負 傷 したり 病 気 になったりした 場 合 等 には 使 用 者 が 責 任 を 負 わなければならないと 定 められており( 災 害 補 償 責 任 ) この 責 任 は 労 働 者 の 負 傷 等 について 使 用 者 に 過 失 がなくても 災 害 を 補 償 する 責 任 を 負 うという 無 過 失 責 任 です しかし 使 用 者 が 必 ずしもこの 義 務 を 果 たすことができるとは 限 らないため この 補 償 の 義 務 を 保 険 化 して 労 働 災 害 に 遭 った 労 働 者 に 様 々な 給 付 を 行 い 保 護 するものとして 存 在 するの が 労 災 保 険 です また 労 働 者 が 仕 事 を 休 業 しなければならないほどの 労 働 災 害 に 遭 った 場 合 には 労 働 者 による 労 災 請 求 とは 別 に 会 社 が 労 災 事 故 に ついて 労 働 基 準 監 督 署 に 届 け 出 る 必 要 があり 届 け 出 ない 場 合 労 災 かく し として 法 律 違 反 となります 労 災 保 険 について 詳 しくはこちらをご 覧 下 さい http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudou kijun/zigyonushi/zigyonushi_hoken.html 7
雇 用 保 険 雇 用 保 険 は 労 働 者 が 失 業 した 場 合 に 生 活 の 安 定 と 就 職 の 促 進 のための 給 付 を 行 う 制 度 です 勤 め 先 の 事 業 所 規 模 にかかわらず 11 週 間 の 所 定 労 働 時 間 が 20 時 間 以 上 で 231 日 以 上 の 雇 用 見 込 がある 人 は 適 用 対 象 となり ます 雇 用 保 険 について 詳 しくはこちらをご 覧 下 さい http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken.html 健 康 保 険 健 康 保 険 は 労 働 者 やその 家 族 が 病 気 や 怪 我 をしたときや 出 産 をしたと き 亡 くなったときなどに 必 要 な 医 療 給 付 や 手 当 金 の 支 給 をすることで 生 活 を 安 定 させることを 目 的 とした 制 度 です 法 人 の 事 業 所 または 一 定 の 業 種 で 常 時 5 人 以 上 を 雇 用 する 個 人 事 業 所 で は 強 制 適 用 となっており 適 用 事 業 所 で 働 く 労 働 者 は 被 保 険 者 となります 適 用 事 業 主 は 事 実 が 成 立 した 日 から5 日 以 内 に 所 定 の 新 規 適 用 届 や 被 保 険 者 資 格 取 得 届 等 を 所 轄 の 年 金 事 務 所 又 は 健 康 保 険 組 合 に 提 出 しなければなりません 健 康 保 険 について 詳 しくは ご 加 入 の 医 療 保 険 者 ( 全 国 健 康 保 険 協 会 又 は 健 康 保 険 組 合 ) 年 金 事 務 所 にお 問 い 合 わせ 下 さい 厚 生 年 金 保 険 厚 生 年 金 保 険 は 労 働 者 が 高 齢 となって 働 けなくなったり 何 らかの 病 気 や 怪 我 によって 身 体 に 障 害 が 残 ってしまったり 大 黒 柱 を 亡 くしてその 遺 族 が 困 窮 してしまうといった 事 態 に 際 し 保 険 給 付 を 行 い 労 働 者 とその 遺 族 の 生 活 の 安 定 と 福 祉 の 向 上 に 寄 与 することを 目 的 とした 制 度 です 厚 生 年 金 保 険 の 適 用 事 業 所 は 健 康 保 険 と 同 様 法 人 の 事 業 所 または 一 定 の 業 種 で 常 時 5 人 以 上 を 雇 用 する 個 人 事 業 所 では 強 制 適 用 となっており 適 用 事 業 所 で 働 く 労 働 者 は 被 保 険 者 となります 適 用 事 業 主 は 事 実 が 発 生 し た 日 から5 日 以 内 に 所 定 の 新 規 適 用 届 や 被 保 険 者 資 格 取 得 届 等 を 所 轄 の 年 金 事 務 所 に 提 出 しなければなりません 厚 生 年 金 保 険 について 詳 しくはこちらをご 覧 下 さい http://www.nenkin.go.jp/n/www/index.html 8
第 3 章 労 働 条 件 に 関 するルール 1 賃 金 賃 金 とは 賃 金 給 料 手 当 賞 与 その 他 名 称 の 如 何 を 問 わず 労 働 の 対 償 として 使 用 者 が 労 働 者 に 支 払 うすべてのもの をいいます( 労 働 基 準 法 第 11 条 ) したがって 1 使 用 者 が 労 働 者 に 支 払 うもの 2 労 働 の 対 償 であるもの の2つの 要 件 を 満 たすものは 名 称 の 如 何 を 問 わず 全 て 賃 金 です 賃 金 の 決 定 に 当 たって 賃 金 の 決 定 の 仕 方 や 額 については 使 用 者 と 労 働 者 が 対 等 の 立 場 で 決 定 する のが 基 本 ですが 以 下 の 点 について 気 をつけなければなりません 最 低 賃 金 法 に 基 づき 定 められた 最 低 賃 金 額 を 下 回 る 金 額 とすることは 法 律 違 反 となります( 最 低 賃 金 法 第 4 条 ) 使 用 者 は 事 業 場 ごとに 賃 金 台 帳 を 作 成 しなければなりません( 労 働 基 準 法 第 108 条 ) もう 一 歩 進 んで 最 低 賃 金 の 種 類 最 低 賃 金 には すべての 労 働 者 とその 使 用 者 に 適 用 される 地 域 別 最 低 賃 金 と 特 定 の 産 業 に 従 事 する 労 働 者 とその 使 用 者 に 適 用 される 特 定 最 低 賃 金 があり それぞれ 都 道 府 県 ごとに 決 められています 両 方 の 最 低 賃 金 が 同 時 に 適 用 される 場 合 には 高 い 方 の 最 低 賃 金 が 適 用 されます 最 低 賃 金 制 度 や 最 低 賃 金 額 について 詳 しくは HP をご 覧 ください 最 低 賃 金 制 度 賃 金 の 支 払 い 方 について 賃 金 が 全 額 確 実 に 労 働 者 に 渡 るように 支 払 い 方 にも 決 まりがあり 次 の4つ の 原 則 が 定 められています( 労 働 基 準 法 第 24 条 ) 1 通 貨 払 いの 原 則 賃 金 は 現 金 で 支 払 わなければならず 現 物 で 支 払 ってはいけません ただし 労 働 者 の 同 意 を 得 た 場 合 は 銀 行 振 込 み 等 の 方 法 によることができ また 法 令 または 労 働 協 約 で 定 めた 場 合 は 通 貨 以 外 のもので 支 払 うことができます 9
2 直 接 払 いの 原 則 賃 金 は 労 働 者 本 人 に 支 払 わなければならず 労 働 者 の 代 理 人 や 親 権 者 等 に 代 わりに 支 払 うことはできません 3 全 額 払 いの 原 則 賃 金 はその 全 額 を 支 払 わなければなりません したがって 強 制 的 に 賃 金 の 一 部 を 控 除 して( 天 引 きして) 支 払 うことは 禁 止 されています ただし 所 得 税 や 社 会 保 険 料 など 法 令 で 定 められているものの 控 除 は 認 めら れています それ 以 外 の 控 除 ( 社 宅 の 費 用 など)は 労 働 者 の 過 半 数 で 組 織 する 労 働 組 合 または 労 働 者 の 過 半 数 を 代 表 する 者 と 労 使 協 定 を 結 んでいる 場 合 は 認 められます 4 毎 月 1 回 以 上 定 期 払 いの 原 則 賃 金 は 毎 月 1 回 以 上 一 定 の 期 日 を 定 めて 支 払 わなければなりません 一 定 期 日 なので 毎 月 15 日 というように 明 確 に 支 払 期 日 を 定 めてその 期 日 に 支 払 う 必 要 があります 年 俸 契 約 の 場 合 も 先 払 いでない 限 り 毎 月 分 割 払 いしなければなりません ただし 臨 時 の 賃 金 や 賞 与 (ボーナス)は 例 外 です もう 一 歩 進 んで 休 業 手 当 労 働 者 は 働 く 用 意 があるのに 会 社 の 都 合 による 場 合 など 使 用 者 の 責 め に 帰 すべき 事 由 による 休 業 によって 労 働 者 が 働 くことができなかった 場 合 には 労 働 者 の 生 活 を 保 護 するという 観 点 から 使 用 者 は 平 均 賃 金 の6 割 以 上 の 休 業 手 当 を 支 払 わなければなりません 使 用 者 の 責 めに 帰 すべき 事 由 と は 天 災 などの 不 可 抗 力 による 場 合 を 除 き 機 械 の 故 障 により 休 業 せざるを 得 なかった 場 合 や 仕 事 がないために 休 業 した 場 合 など 会 社 都 合 によるものを いいます もう 一 歩 進 んで 減 給 の 定 めの 制 限 労 働 者 が 無 断 欠 勤 や 遅 刻 を 繰 り 返 したりして 職 場 の 秩 序 を 乱 したり 職 場 の 備 品 を 勝 手 に 私 用 で 持 ち 出 したりする 等 の 規 律 違 反 をしたことを 理 由 に 制 裁 として 賃 金 の 一 部 を 減 額 することを 減 給 といいます 1 回 の 減 給 金 額 は 平 均 賃 金 の1 日 分 の 半 額 を 超 えてはなりません また 複 数 回 規 律 違 反 をしたと しても 減 給 の 総 額 が 一 賃 金 支 払 期 における 金 額 ( 月 給 なら 月 給 の 金 額 )の 10 分 の1 以 下 でなくてはなりません また 減 給 の 制 裁 を 行 うには あらかじめ 就 業 規 則 で 定 めておくことが 必 要 です 10
もう 一 歩 進 んで 給 与 明 細 書 ( 所 得 税 法 第 231 条 ) 労 働 基 準 法 には 給 与 明 細 書 を 必 ず 渡 さなければいけないという 決 まりはあ りませんが 所 得 税 法 において 給 与 を 支 払 う 者 は 給 与 の 支 払 を 受 ける 者 に 支 払 明 細 書 を 交 付 しなくてはならないと 定 められています したがって 使 用 者 は 労 働 者 に 給 与 明 細 書 を 交 付 する 義 務 があり 給 与 を 支 払 う 際 に 交 付 しなけれ ばいけません 2 労 働 時 間 と 休 憩 休 日 など 業 務 の 能 率 生 産 性 の 向 上 のため また 労 働 者 の 生 活 の 充 実 向 上 のために も 労 働 時 間 や 休 日 などを 適 正 に 管 理 することが 必 要 です 労 働 時 間 労 働 時 間 とは 始 業 時 刻 から 終 業 時 刻 までの 時 間 から 休 憩 時 間 を 除 いた 時 間 をいいます この 労 働 時 間 は 労 働 者 が 使 用 者 の 指 揮 監 督 下 にある 時 間 を いい 必 ずしも 実 際 に 作 業 に 従 事 していることは 要 しません したがって 会 議 が 始 まるまでの 待 機 時 間 や 途 切 れた 資 材 の 到 着 を 待 って 作 業 の 手 を 止 め ている 場 合 など 実 際 には 何 もしていなくてもその 場 を 離 れることができな い 場 合 これらの 時 間 ( 一 般 に 手 待 時 間 といいます )は 労 働 時 間 という ことになります 労 働 時 間 の 長 さは 法 律 で 制 限 されており 労 働 基 準 法 では 1 日 の 労 働 時 間 を8 時 間 以 内 1 週 間 の 労 働 時 間 を 40 時 間 以 内 と 定 めています( 法 定 労 働 時 間 労 働 基 準 法 第 32 条 ) 時 間 外 労 働 休 日 労 働 法 定 労 働 時 間 を 超 えて 労 働 者 を 働 かせる 場 合 には あらかじめ 労 働 者 の 過 半 数 を 代 表 する 者 又 は 労 働 組 合 との 間 に 時 間 外 労 働 休 日 労 働 に 関 する 協 定 を 締 結 し 労 働 基 準 監 督 署 に 届 け 出 なければいけません( 労 働 基 準 法 第 36 条 ) こ の 協 定 は 労 働 基 準 法 第 36 条 に 規 定 されていることから 36 協 定 (サブロク 協 定 ) と 呼 ばれています 36 協 定 を 結 んで 労 働 者 を 使 用 する 場 合 に 気 をつけるべきことは 以 下 のとおり です 使 用 者 は 時 間 外 労 働 休 日 労 働 を 行 わせるためには 労 働 者 の 過 半 数 を 代 11
表 する 者 又 は 労 働 組 合 との 間 で 書 面 により36 協 定 を 締 結 しなければなりませ ん 使 用 者 はこの36 協 定 を 所 轄 の 労 働 基 準 監 督 署 に 届 け 出 なければなりませ ん 36 協 定 により 延 長 できる 労 働 時 間 については 厚 生 労 働 大 臣 が 定 める 時 間 外 労 働 の 限 度 に 関 する 基 準 ( 厚 生 労 働 省 告 示 )において 上 限 時 間 が 示 されており 協 定 内 容 はこの 基 準 に 適 合 するようにしなければなりません( 原 則 月 45 時 間 年 360 時 間 ) ただし この 限 度 基 準 には 例 外 があり 特 別 の 事 情 が 生 じた 時 に 限 り 限 度 時 間 を 超 える 一 定 の 延 長 時 間 の 協 定 が 可 能 です( 特 別 条 項 付 き 協 定 ) この 特 別 の 事 情 は 臨 時 的 なものに 限 る こととされており 臨 時 的 なもの とは 一 時 的 または 突 発 的 に 時 間 外 労 働 を 行 わせる 必 要 のあるものであり 全 体 として1 年 の 半 分 を 超 えないことが 見 込 まれるものをいいます また 使 用 者 が 労 働 者 に 時 間 外 労 働 をさせた 場 合 には 割 増 賃 金 を 支 払 わなけれ ばなりません 1 法 定 労 働 時 間 を 超 えて 働 かせた 時 ( 時 間 外 労 働 )は 25% 以 上 増 2 法 定 休 日 に 働 かせた 時 ( 休 日 労 働 )は 35% 以 上 増 午 後 10 時 から 午 前 5 時 までの 深 夜 に 働 かせた 時 ( 深 夜 労 働 )は 25% 以 上 増 例 えば 法 定 労 働 時 間 外 の 労 働 かつ 深 夜 労 働 であった 場 合 (1+3)は 支 給 される 賃 金 は 50% 以 上 増 えます 1 か 月 60 時 間 を 超 える 時 間 外 労 働 については 50% 以 上 の 割 増 賃 金 を 支 払 わ なければなりません ただし 中 小 企 業 については 当 分 の 間 25% 以 上 の 割 増 賃 金 の 支 払 いで 足 りるとされています この 割 増 賃 金 は 雇 用 形 態 に 関 わらず すべての 労 働 者 に 適 用 されます よって アルバイトやパートタイム 労 働 者 にも 支 払 わなければなりません 休 憩 休 日 使 用 者 は1 日 の 労 働 時 間 が6 時 間 を 超 える 場 合 には 少 なくとも 45 分 8 時 間 を 超 える 場 合 には 少 なくとも 60 分 の 休 憩 を 勤 務 時 間 の 途 中 で 与 えなければいけま せん( 労 働 基 準 法 第 34 条 ) 休 憩 時 間 は 原 則 として 労 働 時 間 の 途 中 で 一 斉 に 与 え かつ 自 由 に 利 用 させなければなりません(ただし 労 使 協 定 を 締 結 すること により この 一 斉 付 与 の 原 則 が 適 用 除 外 となります ) したがって 労 働 者 が 休 憩 中 でも 電 話 や 来 客 の 対 応 をするように 指 示 されてい れば それは 休 憩 時 間 ではなく 労 働 時 間 とみなされます また 労 働 契 約 において 労 働 義 務 を 免 除 されている 日 のことを 休 日 といいます 使 用 者 は 労 働 者 に 毎 週 少 なくとも1 回 あるいは4 週 間 を 通 じて4 日 以 上 の 休 日 を 12
与 えなければなりません( 法 定 休 日 労 働 基 準 法 第 35 条 ) 休 日 については 以 下 のことにも 気 をつけなければなりません 1 週 間 の 中 で 何 曜 日 を 休 日 としても 週 によって 休 日 の 曜 日 が 異 なってもかまい ません 休 日 は 原 則 として 午 前 0 時 から 午 後 12 時 までの 継 続 24 時 間 の 暦 日 で 与 え なければなりません 1 日 のうち 一 部 でも 仕 事 をさせれば たとえ1 時 間 くらいの 短 い 時 間 であっ たとしても その 日 は 休 日 を 与 えたことにはなりません( 休 日 としていた 日 であれば 休 日 労 働 をさせたことになります ) もう 一 歩 進 んで 変 形 労 働 時 間 制 ( 労 働 基 準 法 第 32 条 の2~ 第 32 条 の5) 変 形 労 働 時 間 制 とは 一 定 の 要 件 の 下 一 定 の 期 間 を 平 均 して1 週 間 の 労 働 時 間 が 40 時 間 を 超 えない 範 囲 で 特 定 の 日 の 労 働 時 間 が8 時 間 を 超 えた り 特 定 の 週 の 労 働 時 間 が 40 時 間 を 超 えて 労 働 者 を 労 働 させることができ る 制 度 です この 制 度 は 業 務 の 忙 しいときと 比 較 的 暇 なときに 応 じて 労 働 時 間 をあらかじめ 計 画 的 に 配 分 し 一 定 の 期 間 を 平 均 して 法 定 労 働 時 間 の 範 囲 内 に 収 め 全 体 で 労 働 時 間 を 短 縮 することをねらいとするものです 変 形 労 働 時 間 制 には 1か 月 単 位 1 年 単 位 の 変 形 労 働 時 間 制 1 週 間 以 内 の 非 定 型 的 変 形 労 働 時 間 制 労 働 者 が 自 分 で 始 業 時 刻 終 業 時 刻 を 決 定 で きるフレックスタイム 制 があります 変 形 労 働 時 間 制 を 導 入 する 場 合 には 就 業 規 則 や 労 使 協 定 で 定 めておくな どの 要 件 を 満 たす 必 要 があります 妊 産 婦 や 育 児 介 護 を 行 う 労 働 者 には 適 用 制 限 があり 変 形 制 といっても 全 く 自 由 に 長 時 間 連 続 で 働 かせることがで きるわけではなく 法 令 上 上 限 や 時 間 外 労 働 休 日 に 関 する 規 定 が 定 めら れており それに 反 することはできません また 労 働 者 が 自 分 で 始 業 時 刻 終 業 時 刻 を 決 定 できるフレックスタイム 制 を 除 き 変 形 労 働 時 間 制 を 採 用 する 場 合 には 変 形 期 間 における 各 日 各 週 の 労 働 時 間 はあらかじめ 特 定 しておかなければならず 変 形 期 間 の 開 始 後 に 使 用 者 が 業 務 の 都 合 によって 特 定 した 労 働 時 間 を 任 意 に 変 更 することは できません 変 形 労 働 時 間 制 の 詳 細 については こちらをご 覧 下 さい http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/henkei.html 13
年 次 有 給 休 暇 労 働 基 準 法 では 一 定 の 要 件 を 満 たした 労 働 者 に 対 して 年 次 有 給 休 暇 を 与 えることを 使 用 者 に 義 務 付 けています( 労 働 基 準 法 第 39 条 ) 年 次 有 給 休 暇 を 付 与 する 際 には 以 下 のことに 気 をつけなければなりません 年 次 有 給 休 暇 の 付 与 要 件 は 16か 月 継 続 勤 務 し 2 所 定 労 働 日 の8 割 以 上 を 出 勤 することで この 要 件 を 満 たした 労 働 者 には 最 低 10 日 間 の 年 次 有 給 休 暇 を 付 与 しなければなりません その 後 勤 続 年 数 が 増 えていくと 8 割 以 上 の 出 勤 の 条 件 を 満 たしている 限 り 1 年 ごとに 取 れる 休 暇 日 数 は 増 え ていきます(20 日 が 上 限 ) 年 次 有 給 休 暇 の 付 与 日 数 ( 一 般 の 労 働 者 ) 勤 続 年 数 6 か 月 1 年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 6 か 月 6 か 月 6 か 月 6 か 月 6 か 月 6 か 月 以 上 付 与 日 数 10 日 11 日 12 日 14 日 16 日 18 日 20 日 年 次 有 給 休 暇 は 原 則 として 労 働 者 の 指 定 する 時 季 に 与 えなければなりませ ん しかし 労 働 者 が 指 定 した 時 季 に 年 次 有 給 休 暇 を 与 えることが 事 業 の 正 常 な 運 営 を 妨 げる 場 合 には 使 用 者 は 他 の 時 季 に 変 更 することができます ( 時 季 変 更 権 ) 年 次 有 給 休 暇 日 数 のうち5 日 を 超 える 部 分 については 労 使 協 定 で 年 次 有 給 休 暇 を 与 える 時 季 に 関 する 定 めをしたときは この 定 めによって 年 次 有 給 休 暇 を 与 えることができます( 計 画 的 付 与 ) 年 次 有 給 休 暇 1 日 に 対 しては 就 業 規 則 その 他 で 定 めるところにより 1 平 均 賃 金 2 通 常 の 賃 金 または3 労 使 協 定 により 健 康 保 険 法 で 定 める 標 準 報 酬 日 額 のいずれかの 金 額 を 支 払 わなければなりません アルバイトやパートタイム 労 働 者 でも 16か 月 間 の 継 続 勤 務 2 全 労 働 日 の8 割 以 上 の 出 勤 3 週 5 日 以 上 の 勤 務 という3つの 要 件 を 満 たせば 有 給 休 暇 は 正 社 員 と 同 じだけ 付 与 しなければなりません( 週 4 日 以 下 の 勤 務 であ ったとしても 週 の 所 定 労 働 時 間 が30 時 間 以 上 であれば 正 社 員 と 同 じだ け 有 給 休 暇 を 付 与 しなければなりません ) 加 えて 週 の 所 定 労 働 時 間 が4 日 以 下 で 週 の 所 定 労 働 時 間 が30 時 間 未 満 の 場 合 でも その 所 定 労 働 日 数 に 応 じた 日 数 の 年 次 有 給 休 暇 を 付 与 しなけ ればなりません 14
年 次 有 給 休 暇 の 付 与 日 数 ( 週 所 定 労 働 時 間 が30 時 間 未 満 の 労 働 者 ) 週 所 定 年 間 所 定 労 働 勤 続 年 数 労 働 日 数 日 数 6 か 月 1 年 6 か 月 2 年 6 か 月 3 年 6 か 月 4 年 6 か 月 5 年 6 か 月 6 年 6 か 月 4 日 169~216 日 7 日 8 日 9 日 10 日 12 日 13 日 15 日 3 日 121~168 日 5 日 6 日 6 日 8 日 9 日 10 日 11 日 2 日 73~120 日 3 日 4 日 4 日 5 日 6 日 6 日 7 日 1 日 48~72 日 1 日 2 日 2 日 2 日 3 日 3 日 3 日 3 安 全 衛 生 及 び 健 康 管 理 労 働 安 全 衛 生 法 は 職 場 における 労 働 者 の 安 全 と 衛 生 を 確 保 し 快 適 な 職 場 環 境 の 形 成 を 促 進 することを 目 的 としています この 法 律 では 労 働 災 害 や 健 康 障 害 を 防 ぐために 1 国 が 労 働 災 害 防 止 計 画 を 立 て 2 事 業 者 は (ⅰ) 自 主 的 に 労 働 災 害 を 防 止 するために 安 全 衛 生 管 理 体 制 を 整 え (ⅱ) 危 険 な 機 械 や 有 害 物 には 防 護 措 置 を 講 じ (ⅲ) 必 要 な 教 育 講 習 を 実 施 し (ⅳ) 作 業 環 境 の 改 善 や 健 康 診 断 の 実 施 を 通 じて 健 康 の 保 持 増 進 に 努 め (ⅴ) 作 業 環 境 の 管 理 作 業 方 法 の 改 善 施 設 設 備 の 設 置 整 備 等 を 通 じて 快 適 な 職 場 を 形 成 すべきことなどが 定 められています もう 一 歩 進 んで 健 康 診 断 の 実 施 事 業 者 は 健 康 診 断 を 必 ず 実 施 する 義 務 があります 労 働 者 は 事 業 者 の 指 定 する 医 師 の 健 康 診 断 を 希 望 しないときは 自 己 の 希 望 する 医 師 の 健 康 診 断 を 受 けなければならず その 結 果 を 事 業 者 に 報 告 しなければなりません 健 康 診 断 は 労 働 者 の 雇 入 れの 際 及 び1 年 以 内 ごとに1 回 ( 有 害 な 業 務 や 深 夜 業 等 に 従 事 する 労 働 者 については6か 月 ごとに1 回 ) 定 期 的 に 実 施 しな ければなりません 健 康 診 断 の 実 施 の 対 象 は 常 時 使 用 する 労 働 者 です パートタイム 労 働 者 等 においては 1 年 以 上 継 続 勤 務 し 1 週 間 の 所 定 労 働 時 間 が 当 該 事 業 場 の 通 常 の 労 働 者 の4 分 の3 以 上 の 者 について 健 康 診 断 を 実 施 しなければ なりません 健 診 項 目 は 1 既 往 歴 及 び 業 務 歴 の 調 査 2 自 覚 症 状 及 び 他 覚 症 状 の 有 無 15
の 検 査 3 身 長 体 重 視 力 及 び 聴 力 の 検 査 等 です 事 業 者 は 健 康 診 断 の 結 果 を 労 働 者 に 通 知 しなければなりません また 健 康 診 断 の 結 果 特 に 健 康 の 保 持 に 努 める 必 要 があると 認 める 労 働 者 に 対 し 医 師 等 による 保 健 指 導 を 行 うように 努 めなければなりません もう 一 歩 進 んで メンタルヘルス 対 策 について メンタルヘルス 対 策 の1つとして 労 働 者 のメンタルヘルス 不 調 を 未 然 に 防 止 することを 目 的 に 平 成 26 年 6 月 に 労 働 安 全 衛 生 法 が 改 正 され 平 成 27 年 12 月 1 日 から 従 業 員 50 人 以 上 の 事 業 場 に 対 し 1 年 以 内 ごとに1 回 医 師 保 健 師 等 による 心 理 的 な 負 担 を 把 握 する 検 査 (ストレスチェック) を 実 施 すること 等 が 義 務 化 されました( 従 業 員 50 人 未 満 の 事 業 場 は 当 分 の 間 は 努 力 義 務 となっています ) ストレスチェックの 結 果 事 業 者 は 高 ストレス 者 でストレスチェックの 実 施 者 から 面 接 指 導 が 必 要 とされた 労 働 者 から 申 出 があった 場 合 医 師 によ る 面 接 指 導 を 実 施 し 医 師 の 意 見 を 勘 案 して 必 要 な 場 合 は 以 下 の 適 切 な 措 置 を 講 じなければなりません 1. 就 業 場 所 の 変 更 作 業 の 転 換 労 働 時 間 の 短 縮 深 夜 業 の 回 数 の 減 少 2. その 他 の 就 業 上 の 措 置 ストレスチェックの 対 象 者 は 次 のいずれの 要 件 をも 満 たす 者 で パートタ イム 労 働 者 についても 要 件 を 満 たす 場 合 は ストレスチェックの 対 象 とな ります 1 期 間 の 定 めのない 労 働 契 約 により 使 用 される 者 ( 期 間 の 定 めのある 労 働 契 約 により 使 用 される 者 であって 契 約 期 間 が1 年 以 上 である 者 契 約 更 新 により1 年 以 上 使 用 されることが 予 定 されている 者 1 年 以 上 引 き 続 き 使 用 されている 者 を 含 む ) 2 1 週 間 の 所 定 労 働 時 間 が 同 じ 事 業 所 において 同 種 の 業 務 に 従 事 する 通 常 の 労 働 者 の4 分 の3 以 上 である 者 なお 1 週 間 の 労 働 時 間 数 が 当 該 事 業 場 において 同 種 の 業 務 に 従 事 する 通 常 の 労 働 者 の1 週 間 の 所 定 労 働 時 間 数 の4 分 の3 未 満 である 労 働 者 であっ ても 上 記 の1の 要 件 を 満 たし 1 週 間 の 労 働 時 間 数 が 当 該 事 業 場 において 同 種 の 業 務 に 従 事 する 通 常 の 労 働 者 の1 週 間 の 所 定 労 働 時 間 数 のおおむね 2 分 の1 以 上 である 者 に 対 しても ストレスチェックを 実 施 することが 望 ま れます また 事 業 者 は ストレスチェックの 結 果 を 一 定 規 模 の 集 団 ごとに 集 計 分 析 を 行 うよう 努 め 職 場 環 境 の 改 善 のために 活 用 することが 必 要 です 16
4 労 働 条 件 の 変 更 労 働 者 が 実 際 に 働 いていく 中 では 賃 金 や 労 働 時 間 などの 労 働 条 件 が 変 わるこ ともあります 労 働 条 件 の 変 更 についてトラブルにならないよう 使 用 者 と 労 働 者 で 十 分 に 話 し 合 うことが 必 要 です 使 用 者 と 労 働 者 の 間 で 合 意 があるときには 労 働 契 約 を 変 更 することができます ( 労 働 契 約 法 第 8 条 ) 一 方 で 就 業 規 則 で 労 働 条 件 を 統 一 的 に 設 定 し 労 働 条 件 の 変 更 も 就 業 規 則 の 変 更 によって 行 うことが 広 く 行 われていますが 労 働 者 の 合 意 なしに 一 方 的 に 就 業 規 則 の 変 更 によって 労 働 契 約 の 内 容 である 労 働 条 件 を 労 働 者 の 不 利 益 に 変 更 することはできません( 労 働 契 約 法 第 9 条 ) 就 業 規 則 の 変 更 によって 労 働 条 件 を 変 更 する 場 合 には 次 のことが 必 要 です( 労 働 契 約 法 第 10 条 ) その 変 更 が 以 下 の 事 情 などに 照 らして 合 理 的 であること 労 働 者 の 受 ける 不 利 益 の 程 度 労 働 条 件 の 変 更 の 必 要 性 変 更 後 の 就 業 規 則 の 内 容 の 相 当 性 労 働 組 合 等 との 交 渉 の 状 況 労 働 者 に 変 更 後 の 就 業 規 則 を 周 知 させること 17
第 4 章 労 働 関 係 が 終 了 するとき 労 働 関 係 の 終 了 とは 労 働 者 が 何 らかのかたちで 会 社 を 辞 め 会 社 との 労 働 関 係 を 消 滅 させることをいいます 終 了 のかたちは 大 別 して3つ(1 退 職 2 解 雇 3 契 約 期 間 の 満 了 等 による 終 了 )あります 1 退 職 労 働 者 からの 申 し 出 によって 労 働 契 約 を 終 了 することを 退 職 といいます 退 職 はその 意 思 表 示 から2 週 間 で 効 力 を 生 じることになります( 民 法 第 627 条 第 1 項 ) 会 社 の 就 業 規 則 等 には 退 職 に 関 する 手 続 きについて 労 働 者 が 自 己 の 都 合 に より 退 職 しようとするときには 少 なくとも14 日 前 までに 申 し 出 なければならない と いうような 規 定 をおいていることが 多 いようです また 契 約 期 間 の 定 めがある 有 期 労 働 契 約 を 結 んでいた 場 合 には やむを 得 な い 事 情 がある 場 合 を 除 いて 使 用 者 は 契 約 を 解 除 することはできません 2 解 雇 解 雇 は 使 用 者 から 一 方 的 に 労 働 契 約 を 終 了 するもので 労 働 者 に 重 大 な 影 響 を 及 ぼすことから 客 観 的 に 合 理 的 な 理 由 を 欠 き 社 会 通 念 上 相 当 と 認 められな い 場 合 は 労 働 者 を 解 雇 することはできません( 労 働 契 約 法 第 16 条 ) 個 別 の 事 案 について 解 雇 が 無 効 かどうかの 判 断 は 訴 訟 の 中 で 裁 判 所 によって 行 われま す また 労 働 契 約 法 だけでなく 他 の 法 律 においても 一 定 の 場 合 については 解 雇 が 明 示 的 に 禁 止 されています( 以 下 主 なもの) 労 働 基 準 法 業 務 上 災 害 のため 療 養 中 の 期 間 とその 後 の30 日 間 の 解 雇 産 前 産 後 の 休 業 期 間 とその 後 の30 日 間 の 解 雇 労 働 基 準 監 督 署 に 申 告 したことを 理 由 とする 解 雇 労 働 組 合 法 労 働 組 合 の 組 合 員 であること 等 を 理 由 とする 解 雇 男 女 雇 用 機 会 均 等 法 労 働 者 の 性 別 を 理 由 とする 解 雇 女 性 労 働 者 が 結 婚 妊 娠 出 産 産 前 産 後 の 休 業 をしたことを 理 由 とする 解 雇 育 児 介 護 休 業 法 労 働 者 が 育 児 介 護 休 業 等 を 申 し 出 たこと または 育 児 介 護 休 業 等 を したことを 理 由 とする 解 雇 18
使 用 者 が 労 働 者 を 解 雇 する 際 に 気 をつけなければならない 事 項 は 以 下 のとお りです 使 用 者 は 就 業 規 則 に 解 雇 事 由 を 記 載 しておかなければなりません( 労 働 基 準 法 第 89 条 ) 合 理 的 な 理 由 があっても 使 用 者 が 労 働 者 を 解 雇 しようとする 場 合 には 少 なくとも 30 日 前 に 解 雇 の 予 告 をする 必 要 があります 解 雇 の 予 告 をしない 場 合 には 30 日 分 以 上 の 平 均 賃 金 (= 解 雇 予 告 手 当 )を 支 払 わなければなり ません( 予 告 の 日 数 が 30 日 に 満 たない 場 合 には その 不 足 日 数 分 の 平 均 賃 金 を 解 雇 予 告 手 当 として 支 払 う 必 要 があります 例 えば 解 雇 日 の 10 日 前 に 予 告 した 場 合 は 20 日 平 均 賃 金 を 支 払 う 必 要 があります )( 労 働 基 準 法 第 20 条 ) 労 働 者 が 解 雇 の 理 由 について 証 明 書 を 請 求 した 場 合 には 会 社 はすぐに 労 働 者 に 証 明 書 を 交 付 しなければなりません( 労 働 基 準 法 第 22 条 ) 3 契 約 期 間 の 満 了 等 による 労 働 契 約 の 終 了 労 働 契 約 期 間 の 満 了 期 間 の 定 めのある 労 働 契 約 ( 有 期 労 働 契 約 )を 締 結 する 場 合 上 限 は 原 則 3 年 以 内 とされています 労 働 契 約 に 期 間 が 定 められている 場 合 には その 期 間 が 満 了 することにより 労 使 双 方 からの 意 思 表 示 がなくても 労 働 契 約 は 当 然 に 終 了 するので 解 雇 の 予 告 等 は 必 要 ありません ただし 3 回 以 上 契 約 が 更 新 されている 場 合 や1 年 を 超 えて 継 続 勤 務 している 人 については 契 約 を 更 新 しない 場 合 使 用 者 は 30 日 前 までに 予 告 をしなけれ ばならないとされています( 有 期 労 働 契 約 の 締 結 更 新 及 び 雇 止 めに 関 する 基 準 < 厚 生 労 働 省 告 示 >) さらに 反 復 更 新 の 実 態 などから 実 質 的 に 期 限 の 定 めのない 契 約 と 変 わらな いといえる 場 合 や 雇 用 の 継 続 を 期 待 することが 合 理 的 であると 考 えられる 場 合 雇 止 め( 契 約 期 間 が 満 了 し 契 約 が 更 新 されていないこと)をすることに 客 観 的 合 理 的 な 理 由 がなく 社 会 通 念 上 相 当 であると 認 められないときは 雇 止 めが 認 められません その 場 合 今 までと 同 じ 労 働 条 件 で 有 期 労 働 契 約 が 更 新 され ることになります( 労 働 契 約 法 第 19 条 ) なお 有 期 労 働 契 約 が 繰 り 返 し 更 新 されて 通 算 5 年 を 超 えたときは 労 働 者 の 申 込 みがあった 場 合 には 期 限 の 定 めのない 労 働 契 約 ( 無 期 労 働 契 約 )に 転 換 することになります( 労 働 契 約 法 第 18 条 ) 大 学 等 及 び 研 究 開 発 法 人 の 研 究 者 教 員 等 や 高 度 な 専 門 的 知 識 等 を 有 する 有 期 雇 用 労 働 者 定 年 後 に 引 き 続 き 雇 用 される 有 期 雇 用 労 働 者 につ いては 特 例 があります 詳 細 については こちらをご 覧 下 さい http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou /roudoukijun/keiyaku/kaisei/ 19
定 年 定 年 は 就 業 規 則 等 で 定 められているのが 一 般 的 です このような 定 年 制 は 労 働 者 がその 年 齢 に 達 したときに 自 動 的 に 労 働 契 約 が 終 了 する 制 度 です この 場 合 には 解 雇 の 予 告 等 は 必 要 ありません なお 定 年 の 定 めをする 場 合 に は 60 歳 を 下 回 ることはできないとされています( 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 第 8 条 ) ま た 定 年 年 齢 を65 歳 未 満 と 定 めている 事 業 主 は 65 歳 までの 安 定 的 な 雇 用 確 保 を 図 るために 1 定 年 年 齢 を 65 歳 まで 引 き 上 げる265 歳 までの 継 続 雇 用 制 度 の 導 入 ( 希 望 者 全 員 を 65 歳 まで 継 続 雇 用 する 制 度 )3 定 年 の 定 めの 廃 止 のいず れかの 措 置 をとらなければなりません( 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 第 9 条 ) もう 一 歩 進 んで 整 理 解 雇 使 用 者 が 不 況 や 経 営 不 振 などの 理 由 により 解 雇 せざるを 得 ない 場 合 に 人 員 削 減 のために 行 う 解 雇 を 整 理 解 雇 といいます これは 使 用 者 側 の 事 情 による 解 雇 ですから 次 の 事 項 に 照 らして 整 理 解 雇 が 有 効 か 否 か 厳 しく 判 断 されます 1 人 員 削 減 の 必 要 性 人 員 削 減 措 置 の 実 施 が 不 況 経 営 不 振 などによる 企 業 経 営 上 の 十 分 な 必 要 性 に 基 づいていること 2 解 雇 回 避 の 努 力 配 置 転 換 希 望 退 職 者 の 募 集 など 他 の 手 段 によって 解 雇 回 避 のために 努 力 したこと 3 人 選 の 合 理 性 整 理 解 雇 の 対 象 者 を 決 める 基 準 が 客 観 的 合 理 的 で その 運 用 も 公 正 で あること 4 解 雇 手 続 の 妥 当 性 労 働 組 合 または 労 働 者 に 対 して 解 雇 の 必 要 性 とその 時 期 規 模 方 法 について 納 得 を 得 るために 説 明 を 行 うこと もう 一 歩 進 んで 退 職 勧 奨 について 退 職 勧 奨 とは 使 用 者 が 労 働 者 に 対 し 辞 めて 欲 しい などといって 退 職 を 勧 めることをいいますが これは 解 雇 予 告 とは 異 なり 退 職 勧 奨 に 応 じるか 否 かは 労 働 者 の 自 由 です 多 数 回 や 長 期 にわたる 退 職 勧 奨 が 違 法 な 権 利 侵 害 に 当 たるとされた 裁 判 例 もあります 20
働 くときのルールについての 相 談 窓 口 労 働 基 準 監 督 署 賃 金 労 働 時 間 安 全 衛 生 などについての 監 督 指 導 労 働 基 準 関 係 法 令 に 基 づく 許 可 認 可 などの 事 務 を 行 っています 労 働 基 準 監 督 署 の 所 在 地 や 連 絡 先 については 下 記 ホームページをご 覧 下 さい http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/location.html 労 働 基 準 監 督 官 について 労 働 基 準 監 督 官 は 労 働 基 準 監 督 署 などに 配 置 され 各 企 業 において 適 正 な 労 働 条 件 が 確 保 されるよう 会 社 を 指 導 する 専 門 職 の 職 員 です 具 体 的 にはあらゆ る 会 社 に 立 ち 入 り 法 律 に 定 められた 賃 金 労 働 時 間 や 安 全 衛 生 に 関 する 基 準 が 守 られているか 調 査 し これが 守 られていない 場 合 には その 是 正 を 指 導 すること によって 労 働 者 の 労 働 条 件 を 確 保 し 向 上 させることを 任 務 としています 労 働 者 は 労 働 基 準 関 係 法 令 に 違 反 がある 場 合 には 労 働 基 準 監 督 官 に 権 利 救 済 を 求 めることができます(これを 申 告 といいます) 申 告 を 契 機 として 労 働 基 準 監 督 官 が 会 社 へ 赴 くなどした 際 法 律 違 反 が 認 められた 場 合 には 是 正 を 図 る よう 行 政 指 導 を 行 います 申 告 は 匿 名 でも 行 うことができ 使 用 者 は 労 働 者 が 申 告 をしたことを 理 由 として 不 利 益 な 取 り 扱 いをしてはならないとされています 労 働 基 準 監 督 官 が 取 り 扱 う 法 律 は 労 働 基 準 法 労 働 安 全 衛 生 法 最 低 賃 金 法 などの 労 働 基 準 関 係 法 令 です 労 働 条 件 相 談 ほっとライン 違 法 な 時 間 外 労 働 過 重 労 働 による 健 康 障 害 賃 金 不 払 残 業 などの 労 働 基 準 関 係 法 令 に 関 する 問 題 について 専 門 知 識 を 持 つ 相 談 員 が 法 令 裁 判 例 などの 説 明 や 各 関 係 機 関 の 紹 介 などを 行 う 無 料 電 話 相 談 です フリーダイヤル 0120-811-610 (はい! ろうどう) 受 付 時 間 : 平 日 ( 月 火 木 金 ) 17 時 ~22 時 土 日 10 時 ~17 時 労 働 条 件 ポータルサイト 確 かめよう 労 働 条 件 労 務 管 理 に 関 するQ&A 法 令 制 度 や 相 談 機 関 の 紹 介 など 労 働 条 件 に 関 す る 情 報 を 分 かりやすく 掲 載 しています 詳 細 については 下 記 ホームページをご 覧 下 さい http://www.check-roudou.mhlw.go.jp 21
総 合 労 働 相 談 コーナー 全 国 各 地 の 労 働 局 や 労 働 基 準 監 督 署 などに 設 置 している 総 合 労 働 相 談 コー ナーでは 労 働 条 件 募 集 採 用 男 女 均 等 取 扱 い いじめなど 労 働 問 題 に 関 するあらゆる 分 野 についての 労 働 者 事 業 主 からの 相 談 を 専 門 の 相 談 員 が 面 談 あるいは 電 話 で 受 けています(ご 相 談 は 無 料 です) 労 働 関 係 で 困 ったこ とがあった 場 合 ぜひ 相 談 してみて 下 さい 各 地 に 設 置 している 総 合 労 働 相 談 コーナーの 所 在 地 や 連 絡 先 については 下 記 ホームページをご 覧 下 さい http://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html 社 会 保 険 労 務 士 社 会 保 険 労 務 士 は 国 家 資 格 であり 労 務 管 理 や 労 働 保 険 社 会 保 険 に 関 す る 相 談 等 に 応 じることができる 労 働 社 会 保 険 分 野 のエキスパートです 労 務 管 理 や 各 種 保 険 関 係 の 手 続 などについて 分 からないこと 困 ったことがあ った 場 合 は 相 談 することができますし 書 類 の 作 成 や 提 出 代 行 などを 依 頼 する こともできます 労 働 委 員 会 不 当 労 働 行 為 (P.3 参 照 )があった 場 合 に 労 働 組 合 や 労 働 者 を 救 済 したり ストラ イキなどの 労 働 争 議 があった 場 合 に 労 働 組 合 と 会 社 の 間 の 争 いの 解 決 のための 調 整 (あっせん 調 停 仲 裁 )を 行 います また 労 働 者 個 人 と 会 社 の 間 での 労 働 条 件 など 労 働 問 題 に 関 する 争 いを 解 決 するための 支 援 ( 個 別 労 働 紛 争 のあっせん)を 行 っています( 注 : 個 別 労 働 紛 争 のあっせんについては 一 部 の 都 道 府 県 労 働 委 員 会 を 除 く) 労 使 間 で 紛 争 が 解 決 困 難 な 場 合 はご 相 談 下 さい なお ご 利 用 は 無 料 で す 都 道 府 県 労 働 委 員 会 の 所 在 地 や 連 絡 先 については 下 記 ホームページをご 覧 下 さい http://www.mhlw.go.jp/churoi/chihou/pref.html ( 都 道 府 県 労 働 委 員 会 ) (H28.3) 22