シンガポール2015年度予算案の解説



Similar documents
(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

Microsoft PowerPoint - 基金制度

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20

Japan Tax Newsletter

所令要綱

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4


代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

弁護士報酬規定(抜粋)

Microsoft PowerPoint - 税制上の特例.pptx

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

スライド 1


第一部【証券情報】

空 き 家 を 売 却 した 場 合 の,000 万 円 控 除 特 例 の 創 設 被 相 続 人 が 住 んでいた 家 屋 及 びその 敷 地 を 相 続 があった 日 から 年 を 経 過 する 年 の 月 日 までに 耐 震 工 事 をしてから あるいは 家 を 除 却 し てから 売 却

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B38FDA8DD72E747874>

【労働保険事務組合事務処理規約】

スライド 1


平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

<4D F736F F D F5A91EE8BC F368C8E3393FA8DC48D F C8E323893FA916493C B95AA8D CE3816A>


定款

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

Q10 適 用 年 度 の 前 事 業 年 度 末 日 に 雇 用 者 がいない 場 合 には 雇 用 増 加 割 合 が 算 出 できないため 適 用 年 度 において 雇 用 促 進 税 制 の 適 用 を 受 けることはできな いのか Q11 新 設 法 人 や 新 たに 事 業 を 開 始

c. 投 資 口 の 譲 渡 に 係 る 税 務 個 人 投 資 主 が 投 資 口 を 譲 渡 した 際 の 譲 渡 益 は 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 として 原 則 20%( 所 得 税 15% 住 民 税 5%)の 税 率 による 申 告 分 離 課 税 の 対 象 となりま

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

(1) 新 規 設 立 に 関 するもの 以 下 の 会 社 形 態 業 態 における 最 低 資 本 金 登 録 資 本 の 払 込 期 限 の 要 求 などが 撤 廃 されました 会 社 形 態 業 態 関 連 規 定 主 な 改 定 条 文 と 内 容 株 式 会 社 外 商 投 資 株 式

事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 事 業 税 は 都 道 府 県 が 所 得 ( 利 益 )に 対 して 課 税 します 1. 個 人 事 業 税 業 種 区 分 税 率 ( 標 準 税 率 ) 第 1 種 事 業 ( 物 品 販 売 業 製 造 業 金 銭 貸 付 業 飲 食 店 業 不 動

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

貸 借 対 照 表 内 訳 表 212 年 3 月 31 日 現 在 公 益 財 団 法 人 神 奈 川 県 公 園 協 会 科 目 公 益 目 的 事 業 会 計 収 益 事 業 等 会 計 法 人 会 計 内 部 取 引 消 去 合 計 Ⅰ 資 産 の 部 1. 流 動 資 産 現 金 預 金

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項



<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B382CC8EE582C893E09765>

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

1 ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 の 事 業 税 の 課 税 について ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 は 収 入 金 額 を 課 税 標 準 として 収 入 割 の 申 告 となります ( 法 72 条 の2 72 条 の 12 第 2 号 ) ガス 供 給 業 とその 他 の 事

住宅税制について

kyoukai.indd

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

資    料 (法人課税)

Japan Tax Newsletter

Slide 1

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

目 次 第 1 部 個 人 所 得 税 の 概 要 居 住 者 非 居 住 者 の 定 義 4 個 人 所 得 税 の 納 付 のしかた( 給 不 所 得 者 ) 5 居 住 者 の 個 人 所 得 税 額 の 計 算 のしくみ( 給 不 所 得 者 ) 6 非 居 住 者 の 個 人 所 得 税

注 雇 促 進 税 制 と 本 制 度 のどちらかを 利 する 可 能 性 があるが あらかじめどちらの 制 度 を 利 するか 判 断 できない という 場 合 雇 促 進 税 制 の 事 前 届 出 ( 雇 促 進 計 画 の 提 出 )をした 上 で 申 告 の 際 にどちらを 利 するかご

< C8EAE81698B4C93FC8FE382CC97AF88D38E968D CA8E86816A2E786C73>

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

事務連絡

賃 金 報 酬 給 与 とは ( 労 働 基 準 法 の 賃 金 ) ( 労 働 基 準 法 この 法 律 ) で 賃 金 とは 賃 金 給 料 手 当 賞 与 その 他 名 称 の 如 何 を 問 わず 労 働 の 対 償 として 使 用 者 が 労 働 者 に 支 払 うすべてのものをいう (

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

法 人 等 に 対 する 課 税 際 課 税 原 則 の 帰 属 主 義 への 見 直 しのポイント 総 合 主 義 から 帰 属 主 義 への 移 行 法 人 及 び 非 居 住 者 ( 法 人 等 )に 対 する 課 税 原 則 について 従 来 のいわゆる 総 合 主 義 を 改 め OECD

PowerPoint プレゼンテーション

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

< B839395CA8E6496F FC817A FC90B E786C73>


<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

 

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

を 行 うこと 又 は 必 要 な 機 能 を 追 加 することをいう ( 補 助 対 象 事 業 ) 第 3 条 補 助 金 の 交 付 対 象 となる 事 業 ( 以 下 補 助 対 象 事 業 という )は, 次 条 に 規 定 するこの 補 助 金 の 交 付 の 対 象 となる 者 ( 以

種 類 控 除 額 小 規 模 企 業 共 済 等 掛 金 控 除 生 命 保 険 料 控 除 地 震 保 険 料 控 除 支 払 った 小 規 模 共 済 心 身 障 害 者 扶 養 共 済 の 掛 金 の 金 額 生 命 保 険 料 控 除 額 = 一 般 生 命 保 険 料 控 除 額 + 個

3 地 震 保 険 の 割 引 地 震 保 険 に 加 入 されている 場 合 耐 震 改 修 後 保 険 料 の 割 引 (10%)が 受 けられる 場 合 があ ります ご 加 入 の 保 険 会 社 にお 問 合 せになり 宅 耐 震 改 修 証 明 書 の 写 し あるいは 固 定 資 産

給 与 所 得 控 除 所 得 税 の 簡 易 給 与 所 得 表 により 給 与 所 得 の 金 額 を 求 めますが 控 除 額 の 計 算 については 次 のとおりです 給 与 等 の 収 入 金 額 給 与 所 得 控 除 額 180 万 円 以 下 の 場 合 180 万 円 を 超 え

所 得 税 と 住 民 税 の 税 率 表 所 得 税 と 住 民 税 の 税 率 は 以 下 の 通 りです 退 職 所 得 の 場 合 も この 税 率 表 を 使 います 1. 平 成 19 年 1 月 1 日 以 降 ( 所 法 891) 課 税 所 得 所 得 税 率 控 除 額 ~195

Microsoft Word - H20中小会計指針新旧対照表 doc

<95CA8E86315F8A6D92E8905C8D908F9182C98AD682B782E B8B4C985E8D8096DA2E786C7378>

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

PowerPoint プレゼンテーション

科 目 予 算 額 決 算 額 差 異 Ⅱ 投 資 活 動 収 支 の 部 1. 投 資 活 動 収 入 特 定 資 産 取 崩 収 入 13,811,848 62,532,864 48,721,016 退 職 給 付 引 当 資 産 取 崩 収 入 2,811,848 54,237,864 51,

40 総 論 41 法 人 課 税 01 租 税 法 概 論 ( 4001 ) 02 税 制 の 動 向 ( 4002 ) 91 事 例 研 究 ( 4091 ) 99 その 他 ( 4099 ) 01 法 人 税 ( 4101 ) 3. 税 務 官 庁 の 組 織 4. 不 服 申 立 て 税 務

退職手当とは

[Q1] 復 興 特 別 所 得 税 の 源 泉 徴 収 はいつから 行 う 必 要 があるのですか 平 成 25 年 1 月 1 日 から 平 成 49 年 12 月 31 日 までの 間 に 生 ずる 所 得 について 源 泉 所 得 税 を 徴 収 する 際 復 興 特 別 所 得 税 を 併

< F2D8CFA944E8AEE8BE08BC696B195F18D908F B8C816A>

スライド 1

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

連結計算書

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

(Microsoft Word - \220\305\220\247\211\374\220\263.doc)

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

第 41 期

目 次 貸 借 対 照 表 1 損 益 計 算 書 2 キャッシュ フロー 計 算 書 3 利 益 の 処 分 に 関 する 書 類 4 国 立 大 学 法 人 等 業 務 実 施 コスト 計 算 書 5 注 記 事 項 6 附 属 明 細 書 別 紙

Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

国 家 税 務 総 局 による 輸 出 貨 物 還 付 ( 免 ) 税 に 関 する 若 干 問 題 の 通 知 国 税 発 [2006]102 号 2006 年 7 月 12 日 国 家 税 務 総 局 各 省 自 治 区 直 轄 市 及 び 計 画 単 列 市 国 家 税 務 局 : 一 部 の

平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財

奨学事業戦略部個人情報ファイル簿

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

<95BD90AC E93788C888E5A82CC8A FEE95F18CF68A4A97702E786C73>

平成10年第4回市議会定例会

Microsoft Word - 4 家計基準

科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

大津市私立幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

Transcription:

シンガポール 2015 年 度 予 算 案 の 解 説 ( 日 本 語 要 約 )

シンガポール 2015 年 度 予 算 案 の 解 説 ( 日 本 語 要 約 )の 発 行 にあたり 2015 年 2 月 23 日 ターマン シャンムガラトナム 副 首 相 兼 財 務 相 より 2015 年 度 予 算 案 が 発 表 されました その 内 容 のうち 税 制 その 他 の 改 正 点 に 関 する 政 府 の 提 言 について 解 釈 及 び 注 釈 を 加 え 私 どもの 税 務 部 門 より Singapore Budget Commentary 2015 ( 英 語 版 )を 発 行 し ております ここに その 日 本 語 要 約 版 をお 送 りいたします この 日 本 語 要 約 は 日 系 企 業 の 関 心 が 特 に 高 いと 思 われる 税 制 改 正 項 目 部 分 を 中 心 に 作 成 しており その 他 の 税 制 改 正 につきましては 省 略 した 部 分 がありますことをご 了 承 いただきたく 存 じます また 最 終 的 に 法 制 化 されるまで その 内 容 に 未 確 定 な 部 分 が 含 まれておりますので 現 段 階 では 参 考 としてご 利 用 されることをお 願 い 申 し 上 げるとともに 記 載 されている 内 容 につき まして 最 終 判 断 をなされる 際 には 弊 事 務 所 の 監 査 税 務 部 門 等 の 専 門 家 とご 相 談 されること をお 勧 めいたします なお 同 時 にお 送 りいたします 英 語 版 を 正 とし 日 本 語 要 約 と 英 語 版 の 内 容 が 異 なる 場 合 には 英 語 版 を 優 先 するものとします また 後 日 2015 年 度 シンガポール 予 算 案 セミナー の 開 催 を 予 定 しておりますので そちらの 内 容 もご 参 照 いただけますと 幸 いです なお 本 稿 に 関 するお 問 い 合 わせは 下 記 にお 願 いいたします Deloitte & Touche LLP 日 系 企 業 サービスグループ プリンシパル 丸 山 友 康 プリンシパル 奥 津 佳 樹 マネジャー 山 本 大 輔 税 務 部 門 マネジャー 黒 坂 史 明 マネジャー 高 木 格 6 Shenton Way OUE Downtown Two #3300 Singapore 068809 Tel: 6562248288 2

目 次 I. シンガポール 予 算 案 ( 税 制 改 正 )の 概 要... 4 II. 2015 年 度 予 算 案 における 主 な 税 制 改 正 提 案... 7 1. 法 人 所 得 税 率 と 法 人 税 リベート... 7 2. Productivity and Innovation Credit(PIC)Bonus の 廃 止... 7 3. M&A スキームの 延 長 改 正... 9 4. 国 際 化 スキームのための Double Tax Deduction(DTD)の 拡 充... 10 5. International Growth Scheme(IGS)の 導 入... 10 6. Approved Foreign Loan(AFL)の 改 正... 11 7. Approved Royalties Incentive(ARI)の 見 直 し 期 限 の 公 表... 11 8. Approved Headquarters Incentive の 廃 止... 12 9. 寄 附 金 控 除 の 延 長 拡 充... 12 10. 銀 行 業 ファイナンスカンパニーにおける 引 当 金 の 優 遇 措 置 の 延 長... 13 11. 保 険 業 に 係 る 優 遇 措 置 の 延 長 拡 充... 13 12. オフショアリースに 係 る 優 遇 税 制 の 縮 小... 13 13. 海 運 セクター 向 け 優 遇 税 制 (MSI)の 延 長 拡 充... 14 14. 個 人 所 得 税 率 と 個 人 所 得 税 リベート... 15 15. GST 課 税 業 者 登 録 前 に 発 生 した GST に 係 る 還 付 手 続 きの 簡 素 化... 17 16. Central Provident Fund (CPF) 拠 出 率 の 改 定... 18 17. Wage Credit Scheme(WCS)の 改 定... 19 18. Foreign Worker Levies(FWL)の 改 定... 19 3

I. シンガポール 予 算 案 ( 税 制 改 正 )の 概 要 シンガポールの 本 年 度 の 予 算 においては 4つの 分 野 将 来 技 術 に 対 する 投 資 技 術 革 新 と 国 際 化 の 促 進 による 経 済 の 再 構 築 経 済 社 会 インフラへの 投 資 並 びに 定 年 後 の 保 証 と 中 所 得 者 層 家 族 の 支 援 強 化 の 実 現 に 向 けた 種 々の 施 策 に 重 点 を 置 くとしている 税 制 面 において 今 回 の 予 算 案 では 過 去 数 年 と 同 様 に 法 人 所 得 税 率 に 関 しては 変 更 の 提 案 はなされず 17%のまま 据 え 置 かれている また 2013 年 の 予 算 案 で 提 言 された Transition Support Package( 経 過 的 な 支 援 パッケージ)の 3 本 柱 である WCS(Wage Credit Scheme= 給 与 補 助 金 スキーム) 法 人 税 リベート PIC(Productivity and Innovation Credit= 生 産 性 向 上 技 術 革 新 新 経 費 控 除 )スキームについては 段 階 的 に 縮 小 する 方 向 での 提 案 がなされてい る 一 方 で 国 際 化 に 向 けた 活 動 に 対 する 税 務 恩 典 の 強 化 として IGS(International Growth Scheme= 国 際 的 成 長 スキーム) 等 の 新 制 度 の 提 言 を 含 めた 施 策 の 提 言 がなされている また 個 人 所 得 税 については 約 30 年 間 にわたり 引 き 下 げられてきた 税 率 が 本 年 度 は 引 き 上 げられている これは 所 得 格 差 是 正 及 び 将 来 的 な 社 会 保 障 の 拡 充 のためと 見 られている 予 算 案 における 税 制 改 正 案 の 主 な 内 容 については 以 下 のとおりである なお 英 訳 版 ページは Singapore Budget Commentary 2015 のページ 番 号 を 付 している 区 分 項 目 英 語 版 ページ 法 人 税 法 人 所 得 税 率 と 法 人 税 リベート 8 ( 一 般 ) Productivity and Innovation Credit(PIC)Bonus の 廃 止 8 M&A スキームの 延 長 改 正 10 国 際 化 スキームのための Double Tax Deduction(DTD)の 拡 充 12 International Growth Scheme(IGS)の 導 入 14 エンジェル 投 資 減 税 (AITD)の 延 長 拡 充 14 ベンチャーキャピタルファンド 向 け 優 遇 税 制 の 改 正 16 Investment Allowance Energy Efficiency(IAEE)スキームの 延 長 17 DEILegal スキームの 延 長 18 Approved Foreign Loan(AFL)の 改 正 18 4

Approved Royalties Incentive(ARI)の 見 直 し 期 限 の 公 表 19 Writing Down Allowance(WDA)の 見 直 し 期 限 の 公 表 19 Approved Headquarters Incentive の 廃 止 26 寄 附 金 控 除 の 延 長 拡 充 26 工 業 所 有 権 等 のロイヤルティに 係 る 優 遇 税 制 の 廃 止 28 ( 金 融 ) 銀 行 業 ファイナンスカンパニーにおける 引 当 金 の 優 遇 措 置 の 延 長 20 保 険 業 に 係 る 優 遇 措 置 の 延 長 拡 充 21 Section 13X EnhancedTier Fund スキームの 拡 充 22 上 場 REIT に 係 る 優 遇 税 制 の 延 長 22 オフショアリースに 係 る 優 遇 税 制 の 縮 小 25 ( 海 運 ) 海 運 セクター 向 け 優 遇 税 制 (MSI)の 延 長 拡 充 23 個 人 所 得 税 個 人 所 得 税 率 と 個 人 所 得 税 リベート 29 非 居 住 者 である 調 停 人 に 係 る 免 税 規 定 の 見 直 し 期 限 の 明 確 化 31 非 居 住 者 である 仲 裁 人 に 係 る 免 税 規 定 の 導 入 32 シンガポール 居 住 用 不 動 産 の 賃 貸 所 得 からの 経 費 控 除 の 改 正 32 GST 上 場 REIT 等 に 係 る GST の 特 例 の 延 長 拡 充 33 GST 課 税 業 者 登 録 前 に 発 生 した GST に 係 る 還 付 手 続 きの 簡 素 化 34 その 他 Central Provident Fund (CPF) 拠 出 率 の 改 定 30 Supplementary Retirement Scheme (SRS) 拠 出 の 上 限 額 の 改 正 31 Wage Credit Scheme(WCS)の 改 定 35 Special Employment Credit (SEC)の 改 定 36 Temporary Employment Credit (TEC)の 改 定 36 Foreign Worker Levies (FWL)の 改 定 37 ガソリンに 対 する 物 品 税 の 増 額 38 Road Tax の 一 年 間 の 減 税 38 5

Carbon Emissionbased Vehicles Scheme(CEVS)の 改 定 39 Appendix A シンガポールの 法 人 税 率 の 変 遷 (1959 年 賦 課 年 度 以 降 ) 40 B 各 国 法 人 税 率 の 比 較 41 C 各 国 個 人 所 得 税 率 の 比 較 42 D シンガポール 居 住 者 の 個 人 所 得 税 率 (2015 年 2016 年 賦 課 年 度 ) 43 E シンガポール 居 住 者 の 個 人 所 得 税 率 (2017 年 賦 課 年 度 以 降 ) 44 F 個 人 所 得 税 上 の 控 除 項 目 (2015 年 賦 課 年 度 ) 45 G 各 国 VAT/GST 税 率 の 比 較 (2015 年 ) 49 6

II. 2015 年 度 予 算 案 における 主 な 税 制 改 正 提 案 以 下 では 2015 年 度 予 算 案 による 税 制 改 正 提 案 のうち 多 くの 企 業 が 対 象 となると 考 えられる 項 目 について 記 載 している その 他 の 税 制 改 正 提 案 については 英 語 版 を 参 照 されたい 1. 法 人 所 得 税 率 と 法 人 税 リベート シンガポールの 法 人 税 率 は 現 行 17%であるが S$300,000 の 課 税 所 得 については 以 下 の 部 分 免 税 が 適 用 される 課 税 所 得 免 税 割 合 課 税 割 合 S$10,000 まで 75% 25% S$290,000 まで 50% 50% S$300,000 を 超 える 部 分 100% また 企 業 の 人 件 費 やオフィス 賃 貸 料 等 のコスト 上 昇 に 鑑 み 2013 賦 課 年 度 から 2015 賦 課 年 度 において 各 賦 課 年 度 の 法 人 所 得 税 額 の 30%( 上 限 S$30,000)の 減 税 を 実 施 するとしていた 2) 2015 年 度 予 算 案 における 提 案 引 き 続 き 上 記 の 免 税 割 合 は 維 持 されるものの 法 人 税 減 税 の 上 限 が S$30,000 から S$20,000 に 引 き 下 げられた 2016 賦 課 年 度 及 び 2017 賦 課 年 度 に 適 用 される 2. Productivity and Innovation Credit(PIC)Bonus の 廃 止 PIC スキームとは 下 記 の 6 項 目 の 活 動 に 対 する 投 資 ( 適 格 支 出 )について 追 加 的 な 経 費 控 除 ( 損 金 算 入 )もしくは 税 務 上 の 割 増 減 価 償 却 を 認 めたものである これらの 投 資 に 係 る 特 定 の 費 用 については 1 年 当 たり S$400,000(PIC+スキームの 場 合 には S$600,000)につい て 400%の 経 費 控 除 もしくは 減 価 償 却 費 の 計 上 が 認 められる 7

a) 研 究 開 発 活 動 b) 知 的 財 産 権 の 取 得 またはインライセンス c) 知 的 財 産 権 の 登 録 d) シンガポール 国 内 での 産 業 もしくはプロダクトデザイン 活 動 への 投 資 e) 特 定 の 自 動 化 設 備 及 びソフトウェアに 対 する 支 出 f) 技 能 向 上 を 目 的 とした 従 業 員 の 研 修 費 用 PIC スキーム 及 び PIC+スキームで 認 められる 400% 経 費 控 除 もしくは 減 価 償 却 の 対 象 となる 適 格 支 出 の 上 限 は 賦 課 年 度 により 通 り 定 められている a) 2011 賦 課 年 度 及 び 2012 賦 課 年 度 : 合 計 S$800,000 まで b) 2013 賦 課 年 度 から 2015 賦 課 年 度 : 合 計 S$1,200,000 まで(PIC+S$1,400,000 まで) c) 2016 賦 課 年 度 から 2018 賦 課 年 度 : 合 計 S$1,200,000 まで(PIC+S$1,800,000 まで) また 下 記 の 要 件 を 充 足 する 企 業 ( 個 人 事 業 主 パートナーシップ 含 む)は 2013 賦 課 年 度 か ら 2018 賦 課 年 度 については 経 費 控 除 もしくは 減 価 償 却 費 の 計 上 の 代 わりに 適 格 支 出 の 60%の 現 金 補 助 金 ( 上 限 :S$60,000)を 申 請 することができる( 当 該 補 助 金 は 非 課 税 ) d) 対 象 期 間 中 に PIC の 適 格 支 出 がある e) シンガポール 国 内 で 事 業 実 体 がある f) 現 金 補 助 金 を 申 請 する 事 業 年 度 の 最 終 月 に CPF 拠 出 対 象 のシンガポール 国 民 又 は 永 住 権 保 持 者 を 3 名 以 上 雇 用 している なお 賦 課 年 度 2016 年 以 降 については 現 金 補 助 金 オプション 申 請 の 直 前 3 ヵ 月 以 上 継 続 して 3 名 以 上 の 雇 用 が 必 要 となっている なお 一 度 補 助 金 を 選 択 した 賦 課 年 度 については 経 費 控 除 もしくは 減 価 償 却 費 の 計 上 に 変 更 することはできない PIC ボーナス PIC の 適 格 支 出 の 100%の 現 金 ボーナス(PIC ボーナス)を 既 存 の PIC スキームによる 経 費 控 除 / 減 価 償 却 または 現 金 補 助 金 に 加 えて 支 給 (ただし 2013~2015 賦 課 年 度 の 合 計 で S$15,000 が 上 限 ) 適 用 要 件 PIC ボーナス 申 請 の 賦 課 年 度 に S$5,000 以 上 の 適 格 支 出 がある シンガポール 国 内 で 実 体 のある 事 業 を 営 んでいる 8

CPF 拠 出 対 象 (*1)となる 従 業 員 を 3 名 以 上 雇 用 している(*2) (*1) シンガポール 国 民 又 は 永 住 権 取 得 者 (*2) 申 請 対 象 の 賦 課 年 度 の 最 終 月 または 現 金 補 助 金 申 請 の 各 四 半 期 の 最 終 で 判 定 PIC ボーナスは 課 税 所 得 となる 2) 2015 年 度 予 算 案 による 提 案 PIC ボーナスに 関 しては 2015 賦 課 年 度 以 降 は 延 長 しない 3. M&A スキームの 延 長 改 正 シンガポールにおける M&A を 奨 励 するために 2015 年 3 月 31 日 までに 実 行 される 適 格 M&A について 以 下 の 恩 典 が 与 えられている (a) 買 収 金 額 の 5% 相 当 額 ( 上 限 S$5 百 万 で 5 年 定 額 償 却 )の 損 金 算 入 (b) 印 紙 税 免 除 ( 上 限 S$200,000) (c) 取 得 関 連 費 用 ( 上 限 S$100,000)について 200% 相 当 額 の 損 金 算 入 ができる 取 得 関 連 費 用 には 弁 護 士 費 用 会 計 税 務 アドバイザリー 費 用 ターゲット 会 社 の 評 価 費 用 な ど 買 収 のために 必 要 となるものが 含 まれる ただし 株 式 保 有 要 件 を 満 たす 必 要 がある i) 買 収 により 50% 以 上 の 株 式 を 保 有 する 結 果 となること ii) 買 収 前 に 50% 超 保 有 している 場 合 は 買 収 により 75% 以 上 の 株 式 を 保 有 する 結 果 と なること また 12month lookback period という 一 定 期 間 に 渡 り 累 積 的 に 株 式 を 買 収 する 場 合 には 別 途 株 式 保 有 要 件 判 定 の 規 定 がある 2) 2015 年 度 予 算 案 による 提 案 2015 年 4 月 1 日 以 降 に 実 行 される M&A については 恩 典 が 与 えられる (a) 買 収 金 額 の 25% 相 当 額 ( 上 限 S$5 百 万 で 5 年 定 額 償 却 )の 損 金 算 入 (b) 印 紙 税 免 除 ( 上 限 S$40,000) (c) 取 得 関 連 費 用 ( 上 限 S$100,000)について 200% 相 当 額 の 損 金 算 入 ができる 9

ただし 株 式 保 有 要 件 を 満 たす 必 要 がある i) 買 収 前 の 株 式 保 有 割 合 が 20% 未 満 である 場 合 には 買 収 により 20% 以 上 の 株 式 を 保 有 する 結 果 となること ii) 買 収 前 の 株 式 保 有 割 合 が 50% 未 満 である 場 合 には 買 収 により 50% 以 上 の 株 式 を 保 有 する 結 果 となること なお 改 正 前 の 上 記 1)ii)の 75% 要 件 は 廃 止 され 買 収 前 に 50% 以 上 保 有 している 場 合 には 優 遇 税 制 の 恩 典 はなくなることになる 一 方 20% 強 のマイノリティー 出 資 の 案 件 について 適 用 範 囲 が 拡 大 されている 上 記 改 正 は 2015 年 4 月 1 日 から 2020 年 3 月 31 日 までに 実 行 される M&A に 適 用 される 2015 年 5 月 までに 詳 細 な 取 扱 いが 公 表 される 予 定 である 4. 国 際 化 スキームのための Double Tax Deduction(DTD)の 拡 充 認 定 を 受 けたシンガポール 企 業 は 所 得 税 法 14B 条 または 14K 条 に 規 定 される 費 用 ( 例 : 展 示 会 の 出 展 に 係 る 費 用 海 外 投 資 費 用 )( 以 下 適 格 費 用 )の 支 出 について 二 重 控 除 (200% 相 当 額 の 損 金 算 入 )が 認 められている さらに 2012 年 4 月 1 日 から 2016 年 3 月 31 日 までの 間 に 支 出 された 年 間 S$100,000 以 下 の 適 格 費 用 については 認 定 を 受 けていないシンガポー ル 企 業 であっても 二 重 控 除 が 認 められている S$100,000 を 超 える 適 格 費 用 の 支 出 については IES(International Enterprise Singapore=シンガポール 国 際 企 業 庁 )の 事 前 の 承 認 が 必 要 とさ れる 2) 2015 年 度 予 算 案 による 提 案 適 格 費 用 の 範 囲 を 拡 大 し 2015 年 7 月 1 日 から 2020 年 3 月 31 日 の 間 に 支 出 した 新 しい 海 外 法 人 に 赴 任 するシンガポール 人 のために 要 した 人 件 費 を 含 むこととされた ただし 当 該 人 件 費 のうち 二 重 税 額 控 除 の 対 象 となるのは 毎 年 S$1 百 万 を 上 限 とし IES の 事 前 承 認 を 要 する なお 2015 年 5 月 末 までに 詳 細 が IES から 公 表 される 予 定 である 5. International Growth Scheme(IGS)の 導 入 IGS(International Growth Scheme= 国 際 成 長 スキーム)は 2015 年 4 月 に 導 入 される 新 し い 優 遇 税 制 であり シンガポール 企 業 の 国 際 化 および 海 外 における 成 長 の 支 援 を 目 的 としてい る IGS の 認 定 を 受 けた 企 業 は 10%の 優 遇 税 率 を 最 長 5 年 にわたって 享 受 できる 優 遇 の 対 10

象 となる 所 得 は 認 定 を 受 けた 活 動 ( 例 : 統 括 機 能 特 定 のビジネスライン)から 得 る 所 得 で 直 近 3 年 間 の 平 均 を 超 える 所 得 ( 増 加 所 得 )である IGS は IES(International Enterprise Singapore=シンガポール 国 際 企 業 庁 )が 管 轄 しており 2015 年 5 月 末 までに 詳 細 が IES から 公 表 される 予 定 である なお IGS の 有 効 期 間 は 2015 年 4 月 1 日 から 2020 年 3 月 31 日 とされている 6. Approved Foreign Loan(AFL)の 改 正 シンガポールにおける 生 産 設 備 を 購 入 する 目 的 で 非 居 住 者 からの 借 入 (S$200,000 以 上 )を 行 った 際 に MTI(Minister for Trade and Industry= 貿 易 産 業 省 )からの 認 可 を 受 けた 上 で 当 該 借 入 に 関 する 利 子 の 源 泉 税 が 減 免 される ただし MTI はその 裁 量 で S$200,000 以 下 の 借 入 であっても 認 可 する 場 合 がある 2) 2015 年 度 予 算 案 における 提 案 当 該 優 遇 措 置 は 2023 年 12 月 31 日 に 見 直 しが 行 われれることとなった また 借 入 の 最 低 金 額 が 上 記 の S$200,000 から S$20 百 万 へ 引 き 上 げられた ( 引 き 続 き MTI の 裁 量 により S$20 百 万 以 下 であっても 承 認 する 場 合 がある) また 本 変 更 は 直 ちに 適 用 される 7. Approved Royalties Incentive(ARI)の 見 直 し 期 限 の 公 表 シンガポール 居 住 者 である 企 業 が 非 居 住 者 へロイヤルティ( 使 用 料 )を 支 払 う 場 合 には 支 払 額 の 10%の 源 泉 税 が 通 常 課 される ただし 租 税 条 約 等 の 規 定 により 源 泉 税 が 減 免 されることも ある ARI は シンガポールにおける 事 業 活 動 への 最 先 端 の 技 術 およびノウハウの 導 入 を 促 進 するための 優 遇 税 制 であり 認 定 されたロイヤルティ 技 術 援 助 料 または 開 発 分 担 金 の 非 居 住 者 への 支 払 いに 対 する 源 泉 税 が 減 免 される 2) 2015 年 度 予 算 案 による 提 案 ARI 制 度 を 2023 年 12 月 31 日 に 見 直 すこととされた 11

8. Approved Headquarters Incentive の 廃 止 シンガポールにおける 統 括 拠 点 に 対 する 優 遇 税 制 としては EEIA(Economic Expansion Incentives (Relief from Income Tax) Act= 経 済 拡 大 奨 励 法 ) 第 III B 章 に 規 定 される DEI (Development and Expansion Incentive= 開 発 拡 張 インセンティブ)の 下 で 認 められる IHQ/RHQ(International/Regional Headquarters Award= 国 際 地 域 統 括 本 部 優 遇 措 置 )が 一 般 的 であるが その 他 に 所 得 税 法 第 43E 条 に 規 定 される 優 遇 税 制 もある 前 者 は 優 遇 税 率 (5~15%)および 条 件 が EDB(Economic Development Board= 経 済 開 発 庁 ) との 交 渉 によって 定 まるのに 対 して 後 者 は 優 遇 税 率 (10%)および 条 件 が 所 得 税 法 によって 定 められているといった 違 いがある 2) 2015 年 度 予 算 案 における 提 案 税 制 の 簡 素 化 を 目 的 として 所 得 税 法 第 43E 条 に 規 定 される 優 遇 税 制 は 2015 年 10 月 1 日 をもって 廃 止 される DEI およびその 下 で 認 められる IHQ/RHQ には 影 響 しない 9. 寄 附 金 控 除 の 延 長 拡 充 所 得 税 法 第 37 条 3 項 b 号 ~f 号 に 規 定 される 一 定 の 寄 附 ( 例 : 政 府 や 公 的 機 関 への 寄 附 金 等 )( 以 下 認 定 寄 附 )は その 200% 相 当 額 を 損 金 として 算 入 することが 認 められている 2009 年 度 予 算 案 において 認 定 寄 附 が 2009 年 1 月 1 日 から 2015 年 12 月 31 日 までの 間 に 行 われた 場 合 は 250% 相 当 額 を 損 金 算 入 できることとされた 2) 2015 年 度 予 算 案 における 提 案 250% 相 当 額 の 損 金 算 入 が 認 められる 期 間 を 2018 年 12 月 31 日 まで 延 長 するとともに シン ガポール 建 国 50 周 年 を 祝 して 認 定 寄 附 が 2015 年 1 月 1 日 から 同 年 12 月 31 日 までの 間 に 行 われた 場 合 は 300% 相 当 額 を 損 金 算 入 できることとされた 12

10. 銀 行 業 ファイナンスカンパニーにおける 引 当 金 の 優 遇 措 置 の 延 長 銀 行 業 ファイナンスカンパニーが FRS39 に 基 づき 認 識 したローンに 対 する 減 損 額 並 びに MAS の Notice に 基 づいて 認 識 した 一 般 貸 倒 引 当 金 は 一 定 の 上 限 まで 所 得 税 法 上 も 損 金 算 入 が 認 められていた 2) 2015 年 度 予 算 案 における 提 案 引 き 続 き 十 分 な 貸 倒 引 当 金 の 水 準 を 確 保 する 必 要 がある 点 に 鑑 み 当 該 取 扱 が 2019 賦 課 年 度 或 いは 2020 賦 課 年 度 ( 当 該 会 社 の 決 算 期 による)まで 延 長 された 11. 保 険 業 に 係 る 優 遇 措 置 の 延 長 拡 充 所 得 税 法 43C 条 に 従 い オフショア 保 険 を 営 む 保 険 業 ( 損 害 保 険 生 命 保 険 生 損 保 兼 営 会 社 )のうち OIB(offshore insurance business) スキームに 基 づき 承 認 を 受 けた 保 険 業 者 は 10 年 を 超 えない 範 囲 で 事 前 に 承 認 を 受 けた 適 格 所 得 に 対 して 10%の 優 遇 税 率 の 適 用 を 受 ける ことができる 当 該 OIB スキームは 2015 年 3 月 31 日 に 期 限 切 れを 迎 える 2) 2015 年 度 予 算 案 における 提 案 シンガポールにおける 保 険 業 の 重 要 性 に 鑑 み OIB スキームは IBD(Insurance Business Development Incentive)スキームと 名 称 変 更 され 引 き 続 き 既 存 の 優 遇 税 率 10%が 2020 年 3 月 31 日 まで 延 長 された この 新 たな IBD スキームについての 詳 細 は MAS より 2015 年 5 月 ま でに 公 表 される 見 込 みである 12. オフショアリースに 係 る 優 遇 税 制 の 縮 小 機 械 プラント 等 のオフショアリースから 得 られるリース 料 収 入 に 対 して 所 得 税 法 第 43I 条 に 基 づき 10%の 優 遇 税 率 が 適 用 されている しかしながら 機 械 プラント の 定 義 は 明 確 でなく 車 両 や 航 空 機 船 舶 コンテナ 等 は 機 械 プラント に 該 当 するものと 解 されている 一 方 で 航 13

空 機 航 空 機 エンジンに 関 するリース 並 びに 船 舶 コンテナに 関 するリースについては 別 途 5 ~10%の 優 遇 税 率 が 設 けられている( 同 法 第 13S 条 43Y 条 および 43ZA 条 ) 2) 2015 年 度 予 算 案 における 提 案 上 記 の 通 り 所 得 税 法 第 43I 条 が 掲 げる 優 遇 税 制 は 対 象 資 産 の 定 義 が 明 瞭 でない 点 や シン ガポール 政 府 が 注 力 している 航 空 機 航 空 機 エンジン 並 びに 船 舶 コンテナについての 優 遇 税 制 は 別 途 設 けられていることから 第 43I 条 に 係 る 優 遇 措 置 は 2016 年 1 月 1 日 以 降 廃 止 され る 13. 海 運 セクター 向 け 優 遇 税 制 (MSI)の 延 長 拡 充 海 運 セクター 向 けに 優 遇 税 制 が 設 けられている i. MSISRS シンガポール 船 籍 について 船 舶 の 運 航 及 び 特 定 の 船 舶 マネジメント 活 動 等 により 生 じる 所 得 が 免 税 とされている ii. MSIAIS 非 シンガポール 船 籍 について 船 舶 の 運 航 及 び 特 定 の 船 舶 マネジメント 活 動 等 により 生 じる 所 得 が 免 税 とされている iii. MSIML 一 定 の 船 舶 のチャーター 又 はファイナンスリースから 生 じる 所 得 は 免 税 とされており コンテナリ ースから 生 じる 一 定 の 所 得 については 5% 又 は 10%の 優 遇 税 率 が 適 用 される また 海 運 関 連 投 資 マネジメント 業 から 生 じる 一 定 の 所 得 については 10%の 優 遇 税 率 が 適 用 さ れる iv. MSISSS 海 運 支 援 サービスから 生 じる 適 格 増 加 所 得 について 10%の 優 遇 税 率 が 適 用 される v. 外 国 ローンの 利 息 に 係 る 源 泉 税 免 除 一 定 の 条 件 を 満 たす 場 合 船 舶 やコンテナの 購 入 や 建 設 費 用 の 調 達 のために 2016 年 5 月 31 日 までに 締 結 された 一 定 の 外 国 ローンの 利 息 支 払 に 係 る 源 泉 税 が 免 除 されている 2) 2015 年 度 予 算 案 による 提 案 (a) 源 泉 税 の 免 除 対 象 が 以 下 の 取 引 に 拡 大 されるとともに 2021 年 5 月 31 日 までに 締 結 される 外 国 ローンが 対 象 となる 形 で 制 度 が 延 長 された 14

ファイナンスリース 割 賦 購 入 100% 保 有 の Special Purpose Vehicles(SPVs)が 船 舶 コンテナ 等 を 取 得 するため に 当 該 SPVs に 対 して 行 う 出 資 又 は 貸 付 のためのローン (b) 産 業 変 化 に 対 応 するために MSISRS, MSIAIS 及 び MSISSS に 係 る 適 格 船 舶 マネ ジメント 活 動 の 定 義 を 見 直 す (c) MSISRS 及 び MSIAIS の 適 格 所 得 に 動 復 員 収 入 ホールディングフィー 及 び 付 帯 コン テナレンタル 収 入 を 含 める (d) MSIAIS の 適 用 を 受 けている 場 合 認 定 された 外 国 支 店 からの 利 益 送 金 について 免 税 とする (e) 既 に MSISSS の 適 用 を 受 けている 場 合 適 用 要 件 を 再 考 の 上 適 用 期 限 を 5 年 間 延 長 する (f) MSIML の 適 格 所 得 に 税 務 上 譲 渡 と 取 り 扱 われるファイナンスリースによる 所 得 を 含 め る (g) MISAIS, MSIML 及 び MSISSS の 適 用 期 間 を 2021 年 5 月 31 日 まで 延 長 する 上 記 の 取 扱 いは 2015 年 2 月 24 日 以 降 に 適 用 される なお 詳 細 な 情 報 は 2015 年 5 月 までに MPA より 公 表 される 予 定 である 14. 個 人 所 得 税 率 と 個 人 所 得 税 リベート 現 状 の 個 人 所 得 税 率 は 下 表 の 通 りであり 最 高 税 率 は 20%であったが 2017 賦 課 年 度 より 最 高 税 率 は 22%となる S$160,000 以 上 の 高 所 得 者 層 に 対 する 課 税 が 強 化 されている 現 状 の 税 率 及 び 税 額 課 税 所 得 (S$) 税 率 (%) 税 額 (S$) 20,000 まで 0 0 10,000 まで 2 200 30,000 まで 200 10,000 まで 3.5 350 550 7 2,800 15

現 状 の 税 率 及 び 税 額 課 税 所 得 (S$) 税 率 (%) 税 額 (S$) 80,000 まで 11.5 3,350 4,600 120,000 まで 15 7,950 6,000 160,000 まで 17 13,950 6,800 200,000 まで 120,000 まで 18 20,750 21,600 それ 以 上 320,000 まで 320.000 超 20 42,350 2015 年 度 予 算 案 における 税 率 及 び 税 額 (2017 賦 課 年 度 より) 課 税 所 得 (S$) 税 率 (%) 税 額 (S$) 20,000 まで 10,000 まで 0 2 0 200 30,000 まで 10,000 まで 3.5 200 350 7 550 2,800 80,000 まで 11.5 3,350 4,600 120,000 まで 15 7,950 6,000 160,000 まで 18 13,950 7,200 16

200,000 まで 21,150 19 7,600 2 28,750 19.5 7,800 280,000 まで 36,550 20 8,000 320,000 まで 44,550 それ 以 上 320.000 超 22 個 人 所 得 税 リベート 2014 賦 課 年 度 において 個 人 所 得 税 リベートは 無 かったが 2015 賦 課 年 度 においては 50%のリ ベート( 上 限 S$1,000)が 付 与 された 15. GST 課 税 業 者 登 録 前 に 発 生 した GST に 係 る 還 付 手 続 きの 簡 素 化 GST(Goods and Services Tax= 財 貨 およびサービス 税 ) 課 税 業 者 登 録 前 に 発 生 した GST の うち GST General Regulation 26 条 又 は 27 条 に 規 定 される 費 用 に 係 る GST( 例 : 車 関 連 費 用 や 医 療 費 ) 以 外 のものについては 一 定 の 条 件 を 満 たした 場 合 課 税 業 者 登 録 時 に 仕 入 税 額 控 除 の 適 用 を 受 けることができる 一 定 の 条 件 とは GST General Regulation 40 条 に 規 定 されて おり 要 約 すると 通 りである 提 供 を 受 けたサービスに 係 る GST は 当 該 サービスが 課 税 業 者 登 録 日 前 に 消 費 された 財 貨 又 は 提 供 されたサービスに 関 連 しない 限 り 仕 入 税 額 控 除 の 適 用 を 受 けることができる また 取 得 した 財 貨 に 係 る GST は 当 該 財 貨 が 課 税 業 者 登 録 日 前 に 使 用 消 費 又 は 販 売 され ていない 限 り 仕 入 税 額 控 除 の 適 用 を 受 けることができる IRAS(Internal Revenue Authority of Singapore=シンガポール 内 国 歳 入 庁 )は 部 分 的 に 使 用 消 費 又 は 販 売 されている 財 貨 やサービスに 係 る GST について 納 税 者 に 仕 入 税 額 控 除 の 対 象 となる GST の 適 切 な 割 当 計 算 を 行 うことを 求 めている 2) 2015 年 度 予 算 案 による 提 案 コンプライアンス 手 続 きを 容 易 にするために 手 続 きを 簡 素 化 する 具 体 的 には GST 課 税 業 者 登 録 日 以 前 6 ヶ 月 以 内 に 発 生 した 一 定 の 財 貨 やサービスに 係 る GST については 全 額 が 仕 入 税 17

額 控 除 の 対 象 となる 課 税 業 者 登 録 日 以 前 6 ヶ 月 前 に 発 生 した 費 用 に 係 る GST に 係 る 仕 入 税 額 控 除 については 従 前 と 同 様 である 当 該 取 扱 いは 2015 年 7 月 1 日 から 適 用 される なお 詳 細 な 取 扱 いは 2015 年 6 月 までに IRAS より 公 表 される 予 定 である 16. Central Provident Fund (CPF) 拠 出 率 の 改 定 CPF(Central Provident Fund= 中 央 積 立 基 金 )の 拠 出 額 は 月 額 給 与 や 賞 与 等 に 一 定 割 合 を 乗 じて 計 算 される 現 行 制 度 では 拠 出 の 対 象 となる 月 額 給 与 の 上 限 額 は S$5,000 であり 拠 出 の 対 象 となった 月 額 給 与 額 の 合 計 額 に 賞 与 等 を 含 めた 年 間 報 酬 額 の 上 限 額 は S$85,000 である 当 該 年 間 報 酬 額 の 上 限 額 は 年 間 賞 与 の 水 準 が 月 額 給 与 5 か 月 相 当 として 算 定 されている 2) 2015 年 度 予 算 案 による 提 案 2016 年 1 月 1 日 以 降 CPF 拠 出 額 の 計 算 対 象 となる 月 額 給 与 の 上 限 額 が S$6,000 に 年 間 報 酬 額 の 上 限 額 が S$102,000 にそれぞれ 引 き 上 げられる なお CPF 拠 出 額 に 係 る 税 額 控 除 の 上 限 額 も 合 わせて 引 き 上 げられる また 年 齢 が 50 歳 から 65 歳 までの 間 で 月 額 給 与 が S$750 以 上 の 従 業 員 の CPF 拠 出 率 が 2016 年 1 月 1 日 以 降 は 以 下 の 通 り 引 き 上 げられる これにより 50 歳 超 55 歳 以 下 の CPF 拠 出 率 は 50 歳 以 下 の 拠 出 率 と 同 じになる CPF 拠 出 率 年 齢 ( 月 額 給 与 S$750 以 上 ) 雇 用 者 拠 出 分 従 業 員 拠 出 分 合 計 50 歳 超 55 歳 以 下 17% (+1.0) 20% (+1.0) 37% (+2.0) 55 歳 超 60 歳 以 下 13% (+1.0) 13% 26% (+1.0) 60 歳 超 65 歳 以 下 9.0% (+0.5) 7.5% 16.5% (+0.5) なお 雇 用 者 拠 出 の 増 額 分 は 特 別 口 座 (Special Account)に 拠 出 され 従 業 員 拠 出 の 増 額 分 は 通 常 口 座 (Ordinary Account)に 拠 出 される また CPF 拠 出 額 に 係 る 税 額 控 除 の 上 限 額 も 合 わせて 引 き 上 げられる 18

17. Wage Credit Scheme(WCS)の 改 定 従 業 員 に 対 する 利 益 還 元 を 奨 励 するため シンガポール 人 従 業 員 に 対 する 昇 給 額 の 40% 相 当 額 を 企 業 に 対 して 支 給 する ただし 昇 給 額 は 少 なくとも S$50 を 超 えている 必 要 があり 月 額 給 与 が S$4,000 以 下 の 従 業 員 が 対 象 であり( 月 額 給 与 の 算 定 は 基 本 給 に 加 え 残 業 代 ボーナ ス CPF 負 担 は 含 めない) S$4,000 を 超 える 部 分 にかかる 昇 給 分 については 対 象 とならない 2) 2015 年 度 予 算 案 における 提 案 Wage Credit Scheme (WCS= 給 与 補 助 金 スキーム)は 2017 年 まで 延 長 されたが 支 給 額 は 昇 給 額 の 20%となった なお 2015 年 の 上 昇 額 については 従 来 どおり 40%が 支 払 われ 2016 年 及 び 2017 年 については 上 昇 額 の 20%が 支 給 額 となる また 従 来 同 様 事 前 申 請 は 不 要 であり 雇 用 者 に 対 して 自 動 的 に 支 払 われる 18. Foreign Worker Levies(FWL)の 改 定 FWL(Foreign Worker Levies= 外 国 人 労 働 者 税 )は 外 国 人 労 働 者 を 採 用 するすべての 雇 用 主 が 毎 月 支 払 うものであり 外 国 人 労 働 者 の 需 要 を 調 整 する 価 格 設 定 制 御 機 構 を 有 している 2010 年 度 より 強 化 を 続 けていた 外 国 人 労 働 者 の 流 入 が 鈍 化 したため FWL の 増 加 ペースを 以 下 のとおり 調 整 している i. S パス 保 有 者 2015 年 7 月 1 日 まで 公 表 されていた 税 額 が 増 加 され 2016 年 7 月 1 日 まで 1 年 延 期 Tier (Sector) Sector Dependency Ratio (DR) Levy Rates (S$) Current Levy Rates (S$) 1 July 2015 Levy Rates (S$) 1 July 2016 Basic Tier (All) 10% 315 315 330 Tier 2 (Services) 1015% 550 550 650 Tier 2 (Other Sectors) 1020% 550 550 650 ii. Work Permit 保 有 者 2015 年 7 月 1 日 まで 公 表 されていた 税 額 が 建 設 業 及 び 製 造 業 を 除 き 増 加 され 2016 年 7 月 1 日 まで 1 年 延 期 19

製 造 業 :2016 年 6 月 30 日 まで 全 ての 層 の 税 額 を 維 持 建 設 業 : 現 状 R2 レベルの 労 働 者 の 昇 格 と よりスキルの 高 い R1 レベルの 労 働 者 の 雇 用 促 進 のため 以 下 のとおり R2 レベルの 税 額 を 増 額 Sector Tier Sector Dependency Ratio (DR) Levy Rates (S$) (R1/R2) Levy Rates (S$) (R1/R2) Levy Rates (S$) (R1/R2) Levy Rates (S$) (R1/R2) Current 1 July 2015 1 July 2016 1 July 2017 Construction Basic Tier 87.5% 300/550 300/550 300/650 300/700 MYEWaiver 700/950 600/950 600/950 600/950 Services Basic Tier 10% 300/420 300/420 300/450 Tier 2 1025% 400/550 400/550 400/600 Tier 3 2540% 600/700 600/700 600/800 Marine Basic Tier 83.3% 300/400 300/400 350/500 Process Basic Tier 87.5% 300/450 300/450 300/500 MYEWaiver 600/750 600/750 600/800 Manufacturing Basic Tier 25% 250/370 250/370 250/370 Tier 2 2550% 350/470 350/470 350/470 Tier 3 5060% 550/650 550/650 550/650 以 上 Deloitte(デロイト)は 監 査 コンサルティング ファイナンシャル アドバイザリーサービス リスクマネジメント 税 務 およびこれらに 関 連 するサービスを さまざまな 業 種 にわたる 上 場 非 上 場 のクライアントに 提 供 しています 全 世 界 150 を 超 える 国 地 域 のメンバーファー ムのネットワークを 通 じ デロイトは 高 度 に 複 合 化 されたビジネスに 取 り 組 むクライアントに 向 けて 深 い 洞 察 に 基 づき 世 界 最 高 水 準 の 陣 容 をもって 高 品 質 なサービスを 提 供 しています デロイトの 約 210,000 名 を 超 える 人 材 は standard of excellence となることを 目 指 しています Deloitte(デロイト)とは 英 国 の 法 令 に 基 づく 保 証 有 限 責 任 会 社 であるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド( DTTL )ならびにそのネット ワーク 組 織 を 構 成 するメンバーファームおよびその 関 係 会 社 のひとつまたは 複 数 を 指 します DTTL および 各 メンバーファームはそれぞ れ 法 的 に 独 立 した 別 個 の 組 織 体 です DTTL(または Deloitte Global )はクライアントへのサービス 提 供 を 行 いません DTTL およびそ のメンバーファームについての 詳 細 は www.deloitte.com/jp/about をご 覧 ください 2015. For information, contact Deloitte & Touche LLP. Member of Deloitte Touche Tohmatsu Limited 20