カンキツ 不 知 火 の 完 熟 安 定 生 産 技 術 Stable Cultivation Technique of Fully Ripended Fruits on Citrus Shiranuhi 古 川 珠 子 三 原 崇 史 奥 田 良 幸 Tamako FURUKAWA,Takashi MIHARA and Yoshiyuki OKUDA 要 約 カンキツ 不 知 火 の 完 熟 栽 培 は 樹 勢 の 低 下 を 招 き 隔 年 結 果 が 助 長 されるとともに 完 全 着 色 した 果 実 は 果 皮 が 弱 いため 果 皮 障 害 の 発 生 が 増 加 しやすい そこで 不 知 火 の 完 熟 栽 培 において 樹 勢 低 下 を 少 なくする 分 割 採 収 方 法 および 果 皮 障 害 を 軽 減 するための 果 実 の 被 覆 資 材 植 物 生 育 調 節 剤 等 の 検 討 を 行 った その 結 果 1~2 月 までの 採 収 割 合 を7 割 3 月 の 採 収 割 合 を3 割 にした 分 割 採 収 を 行 う 方 法 は 樹 勢 低 下 が 少 なく 慣 行 の 採 収 方 法 と 比 べて 年 次 別 収 量 は 変 わらず 1 2 月 採 収 の 貯 蔵 果 実 より 果 実 品 質 は 向 上 した 果 皮 障 害 の 軽 減 方 法 については 期 にジベレリン1. 0ppmの 散 布 を 行 うことで 水 腐 れの 発 生 が 軽 減 された また 二 重 袋 を 掛 け パラフィルムを 袋 の 閉 じ 口 に 巻 き 袋 内 への 雨 水 浸 入 を 防 止 することで 水 腐 れおよび 褐 変 症 発 生 が 軽 減 された キーワード: 不 知 火 完 熟 栽 培 分 割 採 収 果 皮 障 害 袋 掛 け Ⅰ 緒 言 熊 本 県 ではカンキツ 不 知 火 の 露 地 栽 培 での 完 熟 期 は2~3 月 である 完 熟 期 に 収 穫 した 場 合 果 実 品 質 は 向 上 するが 着 果 負 担 がかかり 次 年 度 の 開 花 までに 樹 勢 の 回 復 が 間 に 合 わず 隔 年 結 果 を 助 長 する また 不 知 火 は 完 全 着 色 後 の 果 皮 が 弱 く 成 熟 が 進 むにつれて 果 皮 にクラッキング( 微 細 な 亀 裂 )が 発 生 しやすく 降 雨 により 水 が 溜 まりやすいカラー(デコ) 部 分 や 果 頂 部 に 水 腐 れが 発 生 しやすい この 他 完 熟 期 に 採 収 した 場 合 こはん 症 や 褐 変 症 (ヤケ 果 ) 浮 皮 等 の 果 皮 障 害 鳥 害 寒 波 による 果 実 凍 結 でのす 上 がりなどが 発 生 し 青 果 率 が 著 しく 低 下 する 1) ことがある このため 熊 本 県 では 完 熟 期 より 早 い1 月 に 採 収 を 行 うのが 一 般 的 であ るが 高 酸 果 や 低 糖 果 など 食 味 不 良 であると これらの 果 実 は 貯 蔵 しても 高 糖 低 酸 果 実 にはなりにくく デコポ ン( 商 標 )として 流 通 できない 等 問 題 となっている そこで 露 地 の 完 熟 栽 培 において 高 品 質 果 実 を 連 年 結 果 させるために 樹 勢 低 下 の 少 ない 分 割 採 収 方 法 を 検 討 した 併 せて 袋 掛 けの 実 施 や 植 物 生 育 調 節 剤 の 散 布 に よる 果 皮 障 害 軽 減 効 果 についても 検 討 した Ⅱ 材 料 および 方 法 1 完 熟 栽 培 による 果 実 品 質 および 樹 体 への 影 響 天 草 農 業 研 究 所 内 ほ 場 の 露 地 栽 培 不 知 火 7 年 生 (1999 年 時 点 )の24 樹 (1 区 1 樹 4 反 復 )を 供 試 し 収 量 翌 年 の 樹 体 への 影 響 果 実 品 質 および 果 皮 障 害 の 発 生 状 況 について1999~2003 年 までの5 年 間 調 査 をした 着 果 量 については 単 位 樹 冠 容 積 当 たり(1m 3 )14~15 果 程 度 とし 12 月 上 旬 に 袋 掛 けを 行 った 果 実 分 析 には 日 園 連 糖 酸 分 析 装 置 HORIBA NH-2000を 用 いた 翌 年 の 樹 体 への 影 響 については 果 樹 試 験 場 興 津 支 場 編 の カンキツの 調 査 方 法 (1987)に 従 い 枝 先 20 cm 法 により 着 花 ( 果 ) 数 着 葉 数 の 調 査 を 行 った 採 収 方 法 は 採 収 (1 月 上 旬 に 全 果 を 採 収 した) 区 採 収 (2 月 上 旬 に 全 果 を 採 収 した) 区 採 収 (3 月 上 旬 に 全 果 を 採 収 した) 区 1 ~3 月 分 割 採 収 (1 月 上 旬 に4 割 2 月 上 旬 に3 割 3 月 上 旬 に3 割 採 収 した) 区 採 収 (1 月 上 旬 に7 割 3 月 上 旬 に3 割 採 収 した) 区 採 収 (1 月 上 旬 に5 割 3 月 上 旬 に5 割 採 収 した) 区 の 6 通 りとした( 第 1 表 ) 第 1 表 採 収 時 期 および 採 収 割 合 ( 単 位 ;%) 採 収 時 期 1 月 上 旬 2 月 上 旬 3 月 上 旬 ( 対 照 ) 100 - - - 100 - - - 100 40 30 30 70-30 50-50 熊 本 県 宇 城 農 業 普 及 指 導 課 熊 本 県 上 益 城 農 業 普 及 指 導 課 - 177 -
2 完 熟 栽 培 における 果 皮 障 害 軽 減 方 法 試 験 1 各 種 処 理 剤 の 検 討 2000 年 に 天 草 農 業 研 究 所 内 ほ 場 の 露 地 栽 培 不 知 火 8 年 生 の15 樹 (1 区 1 樹 3 反 復 )を 用 い 処 理 剤 と して カルシウム 資 材 (グルコン 酸 キレートカルシウム / 塩 化 カルシウム500 倍 ) 腐 敗 防 止 剤 (イミノクタジン 酢 酸 塩 2000 倍 ) 植 物 生 育 調 節 剤 (エチクロゼート3000 倍 ) パラフィン 系 展 着 剤 500 倍 を 供 試 した 併 せて 対 照 として 無 散 布 区 を 設 けた 各 処 理 は 袋 掛 け 前 にそれぞ れ2 回 行 った その 後 袋 掛 けは11 月 6 日 12 月 7 日 に 分 け 三 重 袋 ( 外 側 緑 黒 内 側 赤 パラフィン 紙 )を 用 いて 行 った 採 収 時 (3 月 15 日 )に1 樹 当 たり3 果 について 果 実 分 析 30 果 について 果 皮 障 害 調 査 を 行 った 試 験 2 各 種 処 理 剤 とジベレリン( 植 物 生 育 調 節 剤 ) 併 用 の 検 討 また 2003 年 に 天 草 農 業 研 究 所 内 ほ 場 の 露 地 栽 培 不 知 火 11 年 生 の10 樹 (1 区 1 主 枝 3 反 復 )を 供 試 し た 12 月 4 日 に 腐 敗 防 止 剤 (イミノクタジン 酢 酸 塩 20 00 倍 ) パラフィン 系 展 着 剤 600 倍 カルシウム 資 材 (グ ルコン 酸 キレートカルシウム/ 塩 化 カルシウム800 倍 )の 散 布 と それぞれにジベレリン(GA) 処 理 を 組 み 合 わせ て とした 各 処 理 区 に 対 して 期 (11 月 4 日 )と 期 (12 月 3 日 )にジベレリン0.5ppm およびジベレリン1.0ppmを 小 型 噴 霧 機 でそれぞれ 散 布 した 採 収 時 (2 月 12 日 )に1 主 枝 当 たり3 果 について 果 実 分 析 採 収 時 および30 日 後 に 全 果 について 果 皮 障 害 の 調 査 を 行 った 第 2 表 各 処 理 剤 とジベレリン 処 理 時 期 及 び 処 理 濃 度 GA 散 布 時 期 GA 濃 度 腐 敗 防 止 剤 0.5ppm ハ ラフィン 系 展 着 剤 1.0ppm カルシウム 資 材 無 処 理 - 注 : 果 皮 を 強 化 するため 全 に9 月 26 日 と10 月 31 日 に カルシウム 資 材 (グルコン 酸 キレートカルシウム/ 塩 化 カルシウム500 倍 )を 散 布 した 試 験 3 袋 掛 け 資 材 の 種 類 と 果 梗 部 被 覆 (2002~2003 年 ) 天 草 農 業 研 究 所 内 ほ 場 の 露 地 栽 培 不 知 火 10 年 生 (2002 年 時 点 )の9 樹 を 用 いた 袋 掛 け 資 材 としては 慣 行 の 二 重 袋 を 用 い として 袋 の 下 部 を 閉 じたまま の 区 : 下 部 閉 鎖 区 袋 の 下 部 を 開 けた 区 : 下 部 開 放 区 さらに 果 梗 部 にパラフィルム(American National Ca n)を 巻 く 処 理 を 組 み 合 わせた 区 : 下 部 閉 鎖 + 果 梗 部 パラ フィルム 区 と 下 部 開 放 + 果 梗 部 パラフィルム 区 の 全 4 区 を 設 け 各 区 100 果 を12 月 13 日 に 処 理 した 収 穫 時 に1 樹 当 たり3 果 について 果 実 分 析 を 行 い 1 樹 当 たり30 果 について 果 皮 障 害 の 調 査 を 行 った なお 2002 年 には2 月 18 日 2003 年 には2 月 12 日 に 収 穫 を 行 った Ⅲ 結 果 および 考 察 試 験 年 次 中 の 気 象 概 況 及 び 不 知 火 の 生 育 概 況 1999 年 の 平 均 気 温 はやや 高 めに 推 移 した 年 間 降 雨 量 は 平 年 並 みであったが 6 月 9 月 は 平 年 より170mm 以 上 多 かった 6 月 から9 月 の 日 照 時 間 は 平 年 の 約 6 割 程 度 と 少 なく 日 照 不 足 であった 9 月 24 日 に 台 風 18 号 が 上 陸 し 落 果 等 の 被 害 が 見 られた 開 花 時 期 は 平 年 並 み 着 花 はやや 多 め 結 実 率 は 平 年 より 低 く 着 果 量 はやや 少 なめで 減 酸 は 遅 く 中 糖 高 酸 傾 向 であった 2000 年 の 平 均 気 温 は 平 年 よりやや 高 かった 特 に10 月 下 旬 は 平 年 より3 程 度 高 かった 年 間 降 水 量 は 平 年 並 み で 10 月 11 月 は 平 年 の2 倍 以 上 の 降 水 量 があり 秋 期 の 降 水 量 が 多 かった 開 花 時 期 は 平 年 並 み 着 花 は 多 く 結 実 率 は 平 年 より 低 く 着 果 量 は 中 程 度 減 酸 は 平 年 並 みで やや 低 糖 中 酸 傾 向 であった 2001 年 の 平 均 気 温 は1 月 11 月,12 月 を 除 き 平 年 よ り 高 く 推 移 し 特 に 夏 期 は 高 温 になった 年 間 降 水 量 は 平 年 の 約 9 割 と 少 なく 3 月 から8 月 まで 平 年 を 下 回 り 特 に4 月 5 月 は 平 年 の 半 分 以 下 であった 9~11 月 の 降 水 量 は 平 年 よりやや 多 かった 日 照 時 間 は6 月 が 平 年 の 約 半 分 と 少 なかった 開 花 始 期 及 び 満 開 は 平 年 より 早 かったが 開 花 終 期 は 平 年 並 みとなった 着 花 はやや 多 く 有 葉 花 は 少 なかっ た 結 実 率 は 平 年 よりやや 低 かったが 着 果 量 は 中 程 度 で 減 酸 は 夏 期 がやや 悪 く 秋 期 以 降 が 平 年 並 みで 中 糖 中 酸 傾 向 であった 台 風 の 接 近 があった 2002 年 の 平 均 気 温 は1 月 から9 月 まで 平 年 を 上 回 り 特 に1 月 から4 月 に 高 く 推 移 した 年 間 降 水 量 は 平 年 よ り 少 なく 特 に6 月 から9 月 の 降 水 量 が 少 なかったが 11 月 12 月 の 降 水 量 は 多 かった 日 照 時 間 はやや 少 なか った 開 花 時 期 は 平 年 より 早 く 着 花 は 少 なく 結 実 率 はや や 高 く 着 果 量 はやや 多 く 減 酸 は 早 く 高 糖 低 酸 傾 向 で あった 2003 年 の 平 均 気 温 は1 月 3 月 7 月 10 月 を 除 き 高 く 推 移 した 年 間 降 水 量 は 平 年 並 みで 8 月 11 月 が 多 雨 で 9 月 10 月 は 少 雨 であった 日 照 時 間 は 少 なく 4 月 から8 月 は 平 年 の5~8 割 であった - 178 -
開 花 始 期 及 び 満 開 は 平 年 より 早 かったが 開 花 終 期 は 平 年 並 みとなった 着 花 は 平 年 より 多 く 結 実 率 はやや 低 かったが 着 果 量 は 多 く 減 酸 は 早 く 高 糖 低 酸 傾 向 であ った 1 完 熟 栽 培 による 果 実 品 質 および 樹 体 への 影 響 単 位 樹 冠 容 積 当 たりの 年 次 別 収 量 は 採 収 時 期 が1 月 より 遅 くなる 程 着 果 負 担 が 大 きくなり 次 年 度 以 降 の 単 位 樹 冠 容 積 当 たりの 収 量 は 減 少 した しかし 1~2 月 中 に7 割 の 果 実 を 採 取 した 採 収 区 及 び 採 収 区 では 収 量 の 低 下 は 認 められなかっ た ( 第 1 図 ) 葉 花 比 は 1 月 に 採 収 割 合 が 高 い 処 理 区 ほど 小 さく 花 が 多 い 傾 向 がうかがえた 2 月 以 降 の 採 収 割 合 が 高 く なると 葉 花 比 の 変 動 が 大 きく 隔 年 結 果 が 助 長 されてい ると 考 えられる( 第 2 図 ) 新 梢 の 発 生 数 は 採 収 区 採 収 区 で やや 少 なく 採 収 区 と 採 収 区 で 区 と 同 程 度 であった( 第 3 図 ) 着 果 率 の 年 次 間 差 は 採 収 区 と3 月 3 割 分 割 採 収 区 で 小 さかった( 第 4 図 ) 樹 容 積 の 伸 びは 単 位 樹 冠 容 積 当 たりの 収 量 が 少 なか った 採 収 区 採 収 区 および3 月 5 割 分 割 採 収 区 で 大 きく その 他 の 区 は 採 収 区 とほぼ 同 程 度 であった( 第 5 図 ) 採 収 直 後 の 果 実 のクエン 酸 含 量 は 1 月 採 収 果 実 で 高 く 2 月 3 月 採 収 果 実 で 低 下 する 傾 向 が 認 められた 一 方 果 実 糖 度 は1 月 採 収 果 実 と 比 べ2 月 3 月 と 高 ま る 傾 向 が 認 められたが 1 月 に 分 割 採 収 した 区 での2~ 3 月 採 収 果 実 で 糖 度 の 上 昇 が 顕 著 で 1 月 採 収 以 降 の 糖 の 転 流 が 残 された 果 実 に 集 中 するためと 考 えられる( 第 6 図 ) また 3 月 まで 貯 蔵 した1 2 月 採 収 果 実 と3 月 採 収 直 後 の 果 実 を 比 較 した 場 合 1 月 採 収 の 果 実 を 貯 蔵 することにより 糖 度 の 上 昇 が 認 められたが 3 月 採 収 直 後 の 果 実 糖 度 より 低 い 傾 向 が 認 められた 貯 蔵 による 糖 度 の 上 昇 は 貯 蔵 期 間 中 の 果 実 水 分 の 減 少 の 影 響 が 考 えられる( 第 7 図 ) さらに 貯 蔵 によるクエン 酸 の 減 少 は1 月 採 収 果 実 で 顕 著 で 2~3 月 採 収 果 実 とほぼ 同 等 となった( 第 8 図 ) 水 腐 れの 発 生 は 採 収 方 法 に 関 係 なく 1 月 採 収 で 少 なく 採 収 時 期 が 遅 い 特 に3 月 採 収 分 で 多 くなった 浮 皮 発 生 果 率 は 分 割 採 収 区 の1 月 採 収 で 少 ない 傾 向 に あった( 第 3 表 ) 採 収 時 期 を 遅 らせることで 樹 上 での 減 酸 が 進 み 貯 蔵 果 実 に 比 べ 品 質 は 向 上 した 2 採 収 では 翌 年 の 樹 体 への 影 響 が 大 きく 収 量 が 年 々 減 少 する 傾 向 に あった 3 月 採 収 については3 月 上 旬 に 行 ったが 笹 山 収 量 (kg/m 3 ) 葉 花 比 ( 葉 / 花 ) 第 1 図 第 2 図 新 梢 発 生 本 数 ( 本 ) 着 果 率 (%) 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 150 100 50 0 40.0 20.0 0.0 第 3 図 75.0 50.0 25.0 0.0 第 4 図 不 知 火 の 果 実 の 採 収 時 期 および 方 法 が 次 年 度 の 単 位 樹 冠 容 積 当 たりの 収 量 に 及 ぼす 影 響 不 知 火 の 果 実 の 採 収 時 期 および 方 法 が 次 年 度 の 葉 花 比 に 及 ぼす 影 響 不 知 火 の 果 実 の 採 収 時 期 および 方 法 が 次 年 度 の 新 梢 数 に 及 ぼす 影 響 2002 2003 1999 2000 2001 2002 2003 2000 2001 2002 2003 2000 2001 2002 2003 不 知 火 の 果 実 の 採 収 時 期 及 び 方 法 が 着 果 率 に 及 ぼす 影 響 - 179 -
樹 容 積 (m 3 ) 15.0 10.0 5.0 0.0 第 5 図 2000 2001 2002 2003 不 知 火 の 果 実 の 採 収 時 期 及 び 方 法 が 樹 容 積 に 及 ぼす 影 響 ら 2) は 屋 根 かけハウスの 不 知 火 では 発 芽 後 15 日 頃 採 収 することで 高 糖 低 酸 の 果 実 品 質 が 揃 った 完 熟 果 が 生 産 され 着 花 は 少 ないが 春 梢 の 発 育 や 樹 勢 も 良 好 であると 報 告 しており 3 月 3 割 採 収 した 区 ( 区 及 び1 月 7 割 3 月 3 割 区 )ではそれと 同 じ 傾 向 がみられ た ただし 露 地 栽 培 の 場 合 では2 3 月 の 採 収 割 合 が 増 えると 隔 年 結 果 の 兆 候 がみられるので 採 収 と 同 程 度 安 定 した 収 量 が 得 られた3 月 3 割 の 採 収 が 望 ま しいと 考 えられた しかし 採 収 時 期 が 遅 くなれば 水 腐 れや 浮 皮 の 発 生 が 多 くなる 傾 向 にあり 完 熟 栽 培 を 実 施 するには 果 皮 障 害 対 策 が 必 要 である Brix 15.0 13.0 12.0 ( 採 収 月 ) ( ) 糖 度 クエン 酸 1.72 13.9 13.7 1.60 13.7 13.6 1.53 13.3 13.3 1.60 13.5 1.27 12.9 1.32 1.33 12.6 12.7 1.26 1.18 1.21 1 月 2 月 3 月 1 月 2 月 3 月 1 月 3 月 1 月 3 月 1.80 1.60 1.40 1.20 1.00 クエン 酸 (%) 第 6 図 不 知 火 における 採 収 方 法 の 違 いが 採 収 直 後 の 果 実 品 質 に 及 ぼす 影 響 (1999~2003 年 平 均 値 ) Brix 15.0 13.0 13.4 13.7 13.9 14.4 14.1 13.7 13.1 14.2 12.5 13.1 採 収 直 後 貯 蔵 後 (3 月 分 析 ) 13.6 13.6 13.5 12.9 12.0 ( 採 収 月 ) ( ) 1 月 2 月 3 月 1 月 2 月 3 月 1 月 3 月 1 月 3 月 第 7 図 不 知 火 における 採 収 方 法 の 違 いによる 採 収 直 後 と 貯 蔵 後 の 糖 度 の 変 化 (2001~2003 年 平 均 値 ) クエン 酸 (%) 2.00 1.80 1.60 1.40 1.20 1.00 ( 採 収 月 ) ( ) 1.76 1.36 1.25 1.03 1.36 1.57 1.22 1.31 1.29 1.64 1.66 1 月 2 月 3 月 1 月 2 月 3 月 1 月 3 月 1 月 3 月 第 8 図 不 知 火 における 採 収 方 法 の 違 いによる 採 収 直 後 と 貯 蔵 後 のクエン 酸 の 変 化 (2001~2003 年 平 均 値 ) 1.18 1.30 採 収 直 後 貯 蔵 後 (3 月 分 析 ) 1.27 1.29 1.25-180 -
第 3 表 不 知 火 における 採 収 方 法 の 違 いによる 果 皮 障 害 の 月 別 発 生 率 (2000~2003 年 平 均 値 ) 調 査 月 水 腐 れ 浮 皮 発 生 率 浮 皮 指 数 (%) (%) 注 ) 1 月 1.9 28.4 18.0 2 月 6.1 27.8 17.0 3 月 26.3 34.1 23.9 1 ~ 3 月 分 割 1 月 2.4 19.0 11.2 2 月 7.3 38.3 19.0 3 月 37.3 27.7 17.2 1 月 4.4 18.0 9.9 3 月 31.7 27.6 15.5 1 月 5.4 17.6 10.5 3 月 29.7 34.3 21.8 2 完 熟 栽 培 における 障 害 果 発 生 防 止 試 験 1 各 種 処 理 剤 とその 後 の 袋 掛 け 時 期 の 検 討 各 種 資 材 の 果 皮 障 害 の 発 生 を 第 4 表 に 示 した 収 穫 時 の 褐 変 症 発 生 率 を 除 いて 処 理 間 に 有 意 差 はなかった 褐 変 症 の 発 生 率 は 無 処 理 に 比 べ 各 種 処 理 により 高 くなった が カルシウム 資 材 区 では 無 処 理 と 同 程 度 であった 水 注 ) 浮 皮 程 度 を 無 (0) 軽 (1) 中 (2) 甚 (3)に 数 値 化 し 次 式 で 算 出 した {(1* 軽 の 果 数 )+(2* 中 の 果 数 )+(3* 甚 の 数 )}*100 浮 皮 指 数 = 3* 総 調 査 果 数 腐 れの 発 生 は 無 処 理 より 腐 敗 防 止 剤 処 理 で 少 なくなる 傾 向 にあったが 浮 皮 の 発 生 は 多 くなった( 第 4 表 ) ま た 糖 度 およびクエン 酸 については 処 理 区 間 の 差 は 小 さ く 果 皮 色 はカルシウム 資 剤 処 理 区 で 赤 味 (a/b)がや や 濃 い 傾 向 にあった( 第 5 表 ) 第 4 表 不 知 火 の 各 種 処 理 剤 による 果 皮 障 害 発 生 率 (2000 年 ) 水 腐 れ 褐 変 症 浮 皮 浮 皮 発 生 率 (%) 発 生 率 (%) 発 生 率 (%) 指 数 カルシウム 資 材 58.7 1.5 b 37.4 18.5 腐 敗 防 止 剤 39.1 8.7 a 45.7 23.9 植 物 生 育 調 節 剤 48.3 3.0 ab 44.5 19.6 ハ ラフィン 系 展 着 剤 56.3 3.3 ab 47.0 21.1 無 処 理 ( 対 照 ) 58.6 1.2 b 41.1 21.0 有 意 差 y) NS ** NS NS y) 同 一 符 号 間 に 有 意 差 がないことを 示 す(Tukey) *:5% **:1% NS: 無 し 第 5 表 不 知 火 の 各 種 処 理 剤 による 果 実 品 1 果 重 果 肉 Brix クエン 酸 果 皮 色 (g) 歩 合 (%) L a b a/b 質 への 影 響 (2000 年 ) カ ル シ ウ ム 資 材 195.8 75.6 13.6 1.48 52.2 16.2 27.2 0.60 腐 敗 防 止 剤 175.8 74.4 13.7 1.34 52.2 15.2 26.8 0.57 植 物 生 育 調 節 剤 188.2 75.9 13.4 1.25 52.1 13.8 26.5 0.52 ハ ラフィン 系 展 着 剤 191.8 75.2 13.3 1.38 52.5 14.1 27.6 0.51 無 処 理 ( 対 照 ) 182.1 75.0 13.6 1.30 52.4 14.3 27.1 0.53 注 ) 分 析 日 3 月 15 日 浮 皮 の 発 生 果 率 及 び 浮 皮 指 数 は 無 袋 区 に 比 べて 袋 掛 け 処 理 区 で 有 意 に 高 かった 袋 掛 け 処 理 時 期 が 早 い11 月 旬 区 で 発 生 果 率 浮 皮 指 数 とも 有 意 差 はないがやや 高 く なる 傾 向 が 認 められた 水 腐 れの 発 生 は 11 月 上 旬 区 で 多 く 12 月 上 旬 区 では 無 袋 区 と 差 がなかった 褐 変 症 の 発 生 率 は 処 理 間 に 有 意 差 はなかったが 袋 掛 け 処 理 区 で 低 くなる 傾 向 がみられた( 第 6 表 ) 袋 掛 け 処 理 による 果 実 品 質 に 差 はなく 果 皮 色 は 無 袋 に 比 べ11 月 上 旬 袋 掛 け 処 理 区 で 赤 味 (a/b 値 )が 薄 くなり 12 月 上 旬 袋 掛 け 処 理 で 濃 くなる 傾 向 がみられた( 第 7 表 ) 第 6 表 不 知 火 における 袋 掛 けの 時 期 と 果 皮 障 害 の 発 生 率 (2000 年 ) 水 腐 れ 褐 変 症 浮 皮 発 生 率 (%) 発 生 率 (%) 発 生 率 (%) 指 数 11 月 上 旬 70.4b 2.5 56.4a 25.4a 12 月 上 旬 41.2a 5.1 38.5a 19.0ab 無 袋 ( 対 照 ) 42.1a 9.3 18.3b 8.6b 有 意 差 y) * NS ** * y ) 同 一 符 号 間 に 有 意 差 が ない こと を 示 す( Tukey) *: 5% **: 1% NS: 無 し 河 瀬 3) は 果 実 の 完 全 着 色 時 期 では10 日 程 度 の 高 温 条 件 第 7 表 不 知 火 における 袋 掛 けの 時 期 と 果 実 品 質 の 関 係 (2000 年 ) 1 果 重 果 肉 Brix クエン 酸 果 皮 色 (g) 歩 合 (%) (%) L a b a/b 11 月 上 旬 243.0 76.4 13.0 1.13 54.0 12.4 26.9 0.46 12 月 上 旬 253.4 76.9 13.2 1.13 51.4 14.8 26.7 0.55 無 袋 ( 対 照 ) 242.6 75.4 13.9 1.13 52.6 13.5 26.5 0.51 注 ) 分 析 日 3 月 15 日 4) でも 浮 皮 が 進 行 するとしており また 牧 田 はポンカ ンにおいて 完 全 着 色 果 ほど 果 皮 油 胞 の 亀 裂 からの 吸 水 が 早 く 水 腐 れが 発 生 しやすいとしていることから 袋 内 が 過 湿 状 態 にならないようにすることが 重 要 である 袋 掛 け 処 理 により 水 腐 れの 発 生 が 軽 減 できなかったのは 袋 の 閉 じ 口 ( 果 硬 部 )からの 雨 水 の 浸 入 があり 袋 内 が 過 湿 状 態 になったためと 考 えられる 袋 の 閉 じ 口 からの 雨 水 の 浸 入 を 防 ぐ 方 法 の 検 討 が 必 要 となった 11 月 袋 掛 け では 無 袋 より 果 皮 障 害 が 多 くなったため 袋 掛 けの 時 期 は12 月 上 旬 に 行 い 事 前 処 理 は 果 皮 の 撥 水 を 目 的 とする 展 着 剤 果 皮 自 体 の 強 化 を 図 るカルシウム 資 剤 または 微 細 な 亀 裂 からの 菌 の 侵 入 を 防 ぐ 腐 敗 防 止 剤 を 引 き 続 き - 181 -
検 討 することにした 試 験 2 各 種 処 理 剤 とジベレリン( 植 物 生 育 調 節 剤 ) 併 用 の 検 討 浮 皮 の 発 生 は ジベレリン 処 理 区 と 無 処 理 区 で 有 意 な 差 はなかったが 各 種 処 理 剤 については 腐 敗 防 止 剤 の 事 前 処 理 区 では 多 い 傾 向 にあった( 第 9 10 図 ) 水 腐 れについては ジベレリン 処 理 区 が 無 処 理 区 より 発 生 が 少 ない 傾 向 にあった ジベレリンの 散 布 時 期 及 び 処 理 濃 度 では 期 のジベレリン1.0ppm 処 理 が 各 種 処 理 剤 ともに 水 腐 れの 発 生 が 少 なく 効 果 が 安 定 してい た( 第 11 図 ) なお 果 実 品 質 については 各 種 処 理 剤 区 およびジベレリン 処 理 区 による 差 はなかった( 第 8 表 ) 2 月 に 採 収 する 場 合 期 のジベレリン 処 理 による 着 色 遅 延 の 影 響 はほとんどないと 思 われる 以 上 の 結 果 から 水 腐 れの 発 生 を 抑 制 するためには 期 にジベレリン1.0ppmを 散 布 することが 有 効 であった 各 処 理 剤 の 果 皮 障 害 軽 減 効 果 については 今 回 の 試 験 では 明 確 な 効 果 が 見 られなかった 4)5) 牧 田 によると ポンカンにおいて 成 熟 が 進 んだ 果 実 では 温 度 が 高 い 程 吸 水 速 度 は 大 きく 果 実 では10 以 上 の 温 度 条 件 で 48 時 間 以 上 ぬれた 条 件 にあると 果 皮 の 急 速 な 吸 水 によって 生 じる 果 皮 の 膨 潤 により 水 腐 れがひき 起 こされるとしている また 期 (11 月 中 旬 )の1~5ppmジベレリン 散 布 で 水 腐 れの 発 生 を 抑 制 しており ジベレリン 処 理 により 気 孔 の 亀 裂 の 減 少 が 見 られたとの 報 告 がある 本 試 験 の 結 果 から ジベレリン 処 理 により 不 知 火 の 水 腐 れについてもポ ンカンと 同 様 の 果 皮 の 変 化 があったと 推 察 された 浮 皮 発 生 率 (%) 浮 皮 指 数 第 9 図 不 知 火 の 各 種 処 理 剤 とジベレリン 併 用 による 浮 皮 指 数 への 影 響 第 10 図 不 知 火 の 各 種 処 理 剤 とジベレリン 併 用 による 浮 皮 発 生 率 への 影 響 水 腐 れ 発 生 率 (%) 40 20 60 0 0 30 20 10 0 18.2 15.1 13.5 GA 無 処 理 12.4 31.0 GA 無 処 理 腐 敗 防 止 剤 ハ ラフィン 系 展 着 剤 カルシウム 資 材 平 均 7.1 腐 敗 防 止 剤 ハ ラフィン 系 展 着 剤 カルシウム 資 材 50.0 40 38.4 35.1 32.2 31.8 32.0 28.1 30.5 29.5 28.4 26.4 26.6 24.5 21.9 20 18.3 GA 無 処 理 腐 敗 防 止 剤 ハ ラフィン 系 展 着 剤 カルシウム 資 材 21.2 11.2 5.5 22.7 10.9 15.714.3 10.8 3.1 6.1 3.8 39.6 21.4 19.2 17.6 13.5 11.0 10.1 6.3 2.1 2.9 10.3 6.1 第 8 表 不 知 火 の 各 種 処 理 剤 とジベレリン 処 理 による 果 実 品 質 への 影 響 (2003 年 ) 第 11 図 不 知 火 の 各 種 処 理 剤 とジベレリン 併 用 による 水 腐 れ 発 生 率 への 影 響 各 種 資 材 GA 処 理 時 期 GA 濃 度 1 果 重 果 肉 Brix クエン 酸 果 皮 色 (g) 歩 合 (%) L a b a/b 200.7 79.1 13.0 1.48 57.5 15.4 30.5 0.50 193.5 77.7 13.2 1.55 57.9 15.6 31.7 0.49 腐 敗 防 止 剤 189.9 78.4 13.6 1.39 57.6 15.9 31.0 0.51 220.1 78.1 14.1 1.65 58.7 16.6 31.9 0.52 無 処 理 無 処 理 200.8 79.3 13.6 1.63 57.0 15.8 30.6 0.52 222.6 79.1 13.6 1.45 59.0 16.1 32.3 0.50 215.1 77.9 13.6 1.54 58.3 14.7 31.6 0.47 展 着 剤 191.9 78.8 13.0 1.49 57.9 14.2 31.3 0.45 214.2 79.0 13.0 1.36 57.0 15.7 29.8 0.53 無 処 理 無 処 理 224.2 79.3 13.3 1.59 57.8 16.1 31.6 0.51 200.7 78.1 13.5 1.44 59.4 15.3 31.7 0.48 212.4 78.8 13.7 1.69 58.2 16.5 32.1 0.52 カルシウム 資 材 202.2 78.1 13.8 1.49 58.9 15.6 32.1 0.49 183.3 77.8 13.8 1.57 56.8 13.7 29.3 0.47 無 処 理 無 処 理 187.8 78.0 13.9 1.40 58.7 15.8 31.8 0.50 注 ) 分 析 日 2 月 12 日 - 182 -
試 験 3 被 覆 資 材 の 検 討 無 袋 ( 対 照 ) 区 に 比 べて 袋 掛 け 処 理 区 での 褐 変 症 の 発 生 が 少 なかった 浮 皮 については 2002 年 のように 後 に 雨 が 多 い 年 では 袋 掛 け 処 理 によって 逆 に 無 袋 より 助 長 された 二 重 袋 の 閉 じ 口 にパラフィルム 処 理 では 水 腐 れ 軽 減 に 効 果 が 見 られた 慣 行 二 重 袋 区 より 袋 の 閉 じ 口 にパラフィルム 処 理 した 区 で 袋 の 下 部 の 開 閉 に 関 係 なく 水 腐 れと 褐 変 症 は 軽 減 された( 第 9 表 ) すなわち これは 袋 の 閉 じ 口 へパラフィルムを 巻 いたことにより 果 実 の 果 梗 部 からの 雨 水 などの 浸 入 を 防 ぎ 水 が 果 皮 に 接 触 することを 防 止 するとともに 袋 内 の 湿 度 の 上 昇 を 抑 制 したためと 考 えられた 果 実 品 質 については 無 袋 と 袋 掛 けでの 差 はなく 袋 掛 けにより 果 皮 色 の 赤 味 (a/b 値 )がやや 高 くなる 傾 向 がみられた( 第 10 表 ) これは 果 皮 の 退 色 が 進 まなかったためと 考 えられた 第 9 表 不 知 火 の 被 覆 資 材 の 違 いによる 果 皮 障 害 発 生 軽 減 効 果 (2002 年 ) 浮 皮 水 腐 れ 発 生 率 (%) 褐 変 症 発 生 率 (%) 発 生 率 (%) 指 数 収 穫 時 30 日 後 収 穫 時 30 日 後 下 部 閉 鎖 注 ) 33.4 ab 22.1 16.5 ab 1.8 3.6 b 13.9 下 部 開 放 36.6 ab 18.9 28.6 a 9.0 0.0 b 22.0 下 部 閉 鎖 +ハ ラフィルム 35.0 ab 27.2 0.0 b 0.0 3.3 b 2.5 下 部 開 放 +ハ ラフィルム 51.7 a 40.3 2.4 b 2.5 0.0 b 0.0 無 袋 ( 対 照 ) 20.7 b 12.3 18.3 ab 4.4 19.6 a 21.9 有 意 差 y) ** NS * NS ** NS 注 ) 被 覆 資 材 は 二 重 袋 を 使 用 y ) 同 一 符 号 間 に 有 意 差 がないことを 示 す(Tukey) *:5% **:1% NS: 無 し 真 1 パラフィルム 処 理 の 様 子 写 第 10 表 不 知 火 の 被 覆 資 材 の 違 いによる 果 実 品 質 への 影 響 (2002 年 ) 1 果 重 果 肉 Brix クエン 酸 果 皮 色 (g) 歩 合 (%) (%) L a b a/b 下 部 閉 鎖 注 ) 213.1 76.6 14.6 1.28 58.8 15.9a 31.6 0.50 下 部 開 放 206.1 75.9 14.7 1.24 57.3 13.1b 29.8 0.44 下 部 閉 鎖 +ハ ラフィルム 205.9 78.2 15.2 1.28 55.6 17.0ac 29.6 0.57 下 部 開 放 +ハ ラフィルム 222.1 73.1 13.4 1.27 55.8 16.0ab 29.9 0.53 無 袋 ( 対 照 ) 209.3 75.6 14.8 1.24 55.8 13.4b 29.1 0.46 有 意 差 y) NS NS NS NS NS ** NS 注 ) 被 覆 資 材 は 二 重 袋 を 使 用 y) 同 一 符 号 間 に 有 意 差 がないことを 示 す(Tukey) *:5% **:1% NS: 無 し Ⅳ 摘 要 1 不 知 火 では 全 果 実 を3 月 まで 完 熟 栽 培 すると 樹 勢 が 低 下 し 収 量 が 年 々 減 少 するので 3 月 採 収 分 を 全 果 実 の3 割 とした 分 割 採 収 とする なお 採 収 時 期 を 遅 らせることで 樹 上 で 減 酸 が 進 み1 2 月 採 収 の 貯 蔵 果 実 より 品 質 が 向 上 する 2 期 のジベレリン1.0ppm 処 理 により 水 腐 れと 浮 皮 発 生 が 軽 減 される 3 水 腐 れの 発 生 は 採 収 時 期 が 遅 い 程 多 い 傾 向 にあっ た 果 実 の 果 梗 から 袋 内 への 雨 水 などの 侵 入 を 防 ぐ ために 袋 の 閉 じ 口 にパラフィルムを 巻 いた 袋 掛 けを 行 うことで 水 腐 れ 発 生 の 軽 減 できる 4 袋 掛 けにより 褐 変 症 の 発 生 軽 減 が 図 られた Ⅴ 引 用 文 献 1) 河 瀬 憲 次 : 果 樹 試 報 D6,41-56.1984 2) 笹 山 新 生 高 木 信 雄 藤 原 文 孝 : 愛 媛 果 試 研 報 15, 49-53,2002 3) 河 瀬 憲 次 編 著 :デコポンをつくりこなす pp.85-110 農 文 協,1999 4) 牧 田 好 高 : 静 岡 柑 試 研 報 27:7-10.1998 5) 牧 田 好 高 : 静 岡 柑 試 研 報 27:11-16.1998-183 -
Stable Cultivation Technique of Fully Ripended Fruits on Citrus Shiranuhi Tamako FURUKAWA,Takashi MIHARA and Yoshiyuki OKUDA Summary When we do ripened cultivation of Citrus Shiranuhi, it become to foster alternate bearing for causing easily decline of tree vigor, and it become to increase trouble of pericarp for being weaknedpericarap after full coloring. Then, we examined partial harvest method which lessened decline of tree vigor in ripened cultivation, and examined covering materials, plant growth regulator, and etc which lessened damage of pericarp.in consequence, about the harvest method with less tree vigor declines, partial harvest method which harvest at 30 percent ratio in March is as same as annual yeild of conventional method (whole harvest in Janualy ), and is also improved fruit quarity. About plant growth regulator, when we splayed 1ppm dilute solution of Gibellin at 50-60 percent ratio coloring time before covering bag, water rot were mitigated. About mitigation means of pericarp trouble useing covering material, water rot and stem break (kappennsyou ) were mitigated by covering fruit with adouble bag and putting parafilm around peduncle of fruit(closing part of bag). key word: Shiranuhi, ripened cultivation, partial harvest, pericarp trouble, covering bag - 184 -