カンキツ 不 知 火 類 の 長 期 貯 蔵 農 業 研 究 センター 果 樹 研 究 所 常 緑 果 樹 研 究 室 相 川 博 志
講 義 内 容 カンキツ 不 知 火 の 生 産 販 売 状 況 カンキツの 貯 蔵 方 法 およびMA 包 装 について MA 個 装 (Pプラス) 不 知 火 果 実 の 収 穫 及 び 貯 蔵 中 の 品 質 区 分 MA 個 装 不 知 火 果 実 の 長 期 貯 蔵 に 適 する 温 度
カンキツ 不 知 火 の 生 産 販 売 状 況
カンキツ 不 知 火 について 清 見 と ポンカン の 雑 種 果 皮 もじょうのうも 薄 く 糖 度 が 高 く 味 は 抜 群 ( 商 標 名 :デコポン) 露 地 栽 培 収 穫 期 :1 月 中 旬 ~ 出 荷 時 期 :3 月 上 旬 ~ 栽 培 面 積 および 生 産 量 とも 熊 本 県 が 全 国 1 位 ( 平 成 23 年 産 実 績 1,286ha 19,829t)
不 知 火 の 果 実 と 着 果 状 況 不 知 火 の 果 実 不 知 火 の 着 果 状 況
熊 本 県 育 成 品 種 肥 の 豊 2003 年 3 月 に 品 種 登 録 < 特 徴 > 従 来 の 不 知 火 より 樹 勢 が 強 く 樹 冠 拡 大 が 早 い 不 知 火 に 比 べクエン 酸 が 低 く 糖 度 は 変 わらない
全 国 の 不 知 火 栽 培 面 積 生 産 量 の 推 移 栽 培 面 積 (ha) 生 産 量 (t) 3,500 50,000 2,000 3,000 生 産 量 2,500 栽 培 面 積 40,000 30,000 1,500 20,000 1,000 500 10,000 0 0 3 5 7 9 11 14 16 18 20 ( 年 次 ) 図 全 国 の 不 知 火 栽 培 面 積 生 産 量 の 推 移 ( 肥 の 豊 除 く) * 全 国 的 に 不 知 火 の 生 産 量 は 増 加 傾 向
円 (kg) (t) 京 浜 市 場 における 不 知 火 の 入 荷 量 と 販 売 単 価 京 浜 市 場 における 不 知 火 の 入 荷 量 の 推 移 6000 5000 4000 3000 2000 1000 H17 H18 H19 H20 H21 0 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 月 加 温 無 加 温 露 地 京 浜 市 場 における 不 知 火 の 販 売 単 価 の 推 移 1200 1000 800 600 400 200 H17 H18 H19 H20 H21 0 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 月
22 年 産 四 大 市 場 県 別 実 績 単 位 :t 県 名 12 月 計 1 月 計 2 月 計 3 月 計 4 月 計 5 月 計 6 月 上 旬 合 計 シェアー 和 歌 山 30 105 587 880 173 46 0 1,823 10.8 愛 媛 61 117 934 2,297 1,765 163 12 5,349 31.7 佐 賀 198 321 547 486 415 54 1 2,022 12.0 大 分 74 18 28 32 8 160 0.9 宮 崎 14 4 14 4 0 1 37 0.2 熊 本 455 723 1,522 1,758 1,538 782 81 6,859 40.6 鹿 児 島 113 127 132 138 96 21 627 3.7
販 売 数 量 (t) 販 売 単 価 ( 円 /kg) 熊 本 デコポン の 時 期 別 販 売 量 と 単 価 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 図 熊 本 デコポンの 販 売 数 量 と 単 価 の 推 移 (21 年 産 ) 出 荷 量 が3 月 4 月 に 集 中 し 単 価 下 がる 出 荷 時 期 の 分 散 平 準 化 価 格 の 維 持 向 上 月 数 量 単 価 出 荷 割 合 (% ) 800 700 600 500 400 300 200 100 0 35 30 25 20 15 10 5 0 7 月 まで 出 荷 期 間 を 拡 大 現 状 (H21) Pフ ラス 普 及 後 12 1 2 3 4 5 6 7 不 知 火 の 月 別 出 荷 割 合 ( 月 )
カンキツの 貯 蔵 方 法 および MA 包 装 について
カンキツの 貯 蔵 方 法 について 収 穫 予 措 貯 蔵 < 予 措 > 果 実 重 量 を3~5% 減 少 させる ( 果 皮 の 水 分 を 少 なくする) 貯 蔵 中 の 呼 吸 養 分 重 量 の 減 少 腐 敗 の 発 生 を 抑 制 する
カンキツ 不 知 火 の 貯 蔵 1 月 に 収 穫 予 措 後 3 月 まで 常 温 貯 蔵 庫 で 貯 蔵 する( 庫 内 温 度 :8~10 湿 度 :90%) 長 期 貯 蔵 する 果 実 は ポリエチレン 袋 に1 個 ずつ 入 れる(ポリ 個 装 ) 4 月 以 降 に 出 荷 する 果 実 は 低 温 貯 蔵 庫 で 貯 蔵 し 5 月 下 旬 まで 出 荷 する
予 措 および 貯 蔵 方 法 の 違 いが 酸 含 量 に 及 ぼす 影 響 ( 広 島 県 :1996) 処 理 区 減 量 歩 合 クエン 酸 含 量 3/15 4/12 5/9 無 予 措 予 措 裸 果 12.1% 1.34 1.23 0.98 ポリ 個 装 1.9% 1.27 1.15 0.76 裸 果 12.5% 1.34 1.26 0.93 ポリ 個 装 5.9% 1.32 1.26 0.87 貯 蔵 時 (2/21)の 酸 含 量 :1.35% ポリ 個 装 で 減 量 が 抑 制 され 減 酸 がやや 早 い 予 措 後 にポリ 個 装 した 果 実 は 予 措 による 減 量 のため 減 酸 が 抑 制 される
長 期 貯 蔵 の 問 題 点 品 質 低 下 および 腐 敗 果 の 増 加 4 月 以 降 常 温 貯 蔵 庫 内 の 温 度 が 上 昇 し 果 実 の 呼 吸 の 高 まりと 水 分 蒸 散 により 袋 内 のガス 環 境 が 悪 化 高 湿 度 嫌 気 状 態 による 腐 敗 の 増 加 果 皮 障 害 (こはん 症 など) ヘタ 枯 れ 貯 蔵 臭 食 味 の 変 化 ( 異 味 )
3/5 3/12 3/19 3/26 4/2 4/9 4/16 4/23 4/30 5/7 5/14 5/21 5/28 6/4 6/11 6/18 6/25 7/2 7/9 7/16 7/23 7/30 常 温 貯 蔵 庫 内 温 度 の 推 移 ( ) 30.0 25.0 5 月 中 旬 以 降 の 最 高 温 度 は20 以 上 庫 内 温 度 20.0 15.0 10.0 6 月 に 入 ると 最 低 温 度 も20 以 上 日 最 高 温 度 C 日 最 小 温 度 C 日 平 均 温 度 C 5.0 図 常 温 貯 蔵 庫 内 温 度 の 推 移
MA(Modified Atmosphere) 包 装 について 青 果 物 の 呼 吸 と 包 装 フィルムのガス 透 過 性 の 相 互 作 用 で 袋 内 酸 素 濃 度 と 二 酸 化 炭 素 濃 度 を 調 整 し 袋 内 のガス 組 織 を 抑 制 する 包 装 の 手 法 低 酸 素 高 二 酸 化 炭 素 状 態 で は 青 果 物 の 呼 吸 が 抑 えられる 品 質 低 下 のスピードがゆるやかになる 長 期 貯 蔵 が 可 能
P-プラス 密 封 包 装 することで 袋 内 を 低 酸 素 高 二 酸 化 炭 素 (MA) 状 態 にできる 鮮 度 保 持 フィルム ポリプロピレンフィルム(ハード) ポリエチレンフィルム(ソフト) フィルムにミクロの 穴 があり ガス 透 過 性 をコントロールできる 青 果 物 の 種 類 によって 穴 の 量 は 異 なる
P-プラス 個 装 した 不 知 火 の 腐 敗 果 発 生 状 況 第 1 表 不 知 火 の 貯 蔵 方 法 包 装 資 材 の 違 いが 腐 敗 果 率 に 及 ぼす 影 響 貯 蔵 方 法 処 理 区 腐 敗 果 率 (%) 累 積 腐 敗 果 率 (%) 3/19 4/21 5/22 6/25 3/19 4/21 5/22 6/25 P-フ ラス 0.0 2.6 0.0 0.0 0.0 2.6 2.6 2.6 常 温 ホ リフィルム 0.0 2.6 7.7 5.9 0.0 2.6 10.3 16.1 低 温 裸 0.0 5.1 5.1 8.8 0.0 5.1 10.3 19.1 P-フ ラス 0.0 2.5 0.0 5.7 0.0 2.5 2.5 8.2 ホ リフィルム 0.0 0.0 0.0 2.9 0.0 0.0 0.0 2.9 裸 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 注 1) 平 成 20 年 1 月 16 日 収 穫 2 月 上 旬 個 装 処 理 2) 低 温 区 は2 月 7 日 から 温 度 5~10 湿 度 90~95% 常 温 貯 蔵 では ポリ 個 装 や 裸 貯 蔵 に 比 べ 腐 敗 の 発 生 は 少 ない(6 月 まで) 低 温 貯 蔵 (5~10 )では 常 温 貯 蔵 に 比 べ 腐 敗 の 発 生 は 少 ない P-プラス 個 装 果 実 は 常 温 貯 蔵 に 比 べ 低 温 貯 蔵 で 腐 敗 が 多 い( 結 露 による 水 腐 れ 症 )
MA 個 装 (Pプラス) 不 知 火 果 実 の 収 穫 及 び 貯 蔵 中 の 品 質 区 分
MA 個 装 不 知 火 果 実 の 糖 度 およびクエン 酸 濃 度 の 推 移 < 材 料 及 び 方 法 > 供 試 果 実 : 所 内 M-16A 不 知 火 不 知 火 1 月 中 旬 に 樹 冠 赤 道 部 の 果 実 を 樹 ごとに 採 取 果 実 分 析 後 クエン 酸 濃 度 で1.8%,1.6%,1.3%,1.1%で 区 分 予 措 後 常 温 貯 蔵 庫 で 貯 蔵 3 月 上 旬 にMA 個 装 気 温 が 高 くなる5 月 中 旬 から16 の 定 温 庫 で 貯 蔵
常 温 貯 蔵 庫 での 貯 蔵 状 況 貯 蔵 中 の 果 実
収 穫 時 の 酸 レベルで 区 分 したときの 糖 度 の 推 移 14.0 糖 度 13.0 12.0 11.0 10.0 収 穫 時 のクエン 酸 1.8% 1.6% 1.3% 1.1% 収 穫 時 個 装 時 16 定 温 貯 蔵 常 温 貯 蔵 1/19 3/6 4/14 5/15 6/16 7/15 ( 月 / 日 ) 図 酸 濃 度 の 異 なる 不 知 火 果 実 の 収 穫 後 における 糖 度 の 推 移 ( 平 成 20 年 産 ) 収 穫 から 予 措 常 温 貯 蔵 中 の 糖 度 は 1 度 上 昇 MA 個 装 後 の 糖 度 の 上 昇 は 見 られず 横 ばいで 推 移 し 6 月 以 降 やや 低 下
収 穫 時 の 酸 レベルで 区 分 したときのクエン 酸 の 推 移 ク エ ン 酸 (%) 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 収 穫 時 個 装 時 常 温 貯 蔵 収 穫 時 のクエン 酸 1.8% 1.6% 1.3% 1.1% 1/19 3/6 4/14 5/15 6/16 7/15 図 酸 濃 度 の 異 なる 不 知 火 果 実 の 収 穫 後 におけるクエン 酸 の 推 移 ( 平 成 20 年 産 ) 注 ) 収 穫 からMA 個 装 までは 裸 果 で 貯 蔵 貯 蔵 中 に 減 酸 16 定 温 貯 蔵 収 穫 時 のクエン 酸 濃 度 クエン 酸 濃 度 1%となる 時 期 1.8% 7 月 中 旬 1.6% 6 月 中 旬 1.3% 4 月 中 旬 ( 月 / 日 )
7 月 までの 出 荷 に 向 けたMA 個 装 不 知 火 果 実 の 収 穫 および 貯 蔵 中 の 品 質 区 分 < 目 的 > 7 月 の 暑 い 時 期 に 美 味 しいと 感 じる 品 質 レベルを 明 らかにし 収 穫 時 や 貯 蔵 中 の 糖 度 およびクエン 酸 に 基 づいた 出 荷 適 期 を 明 らかにする < 材 料 及 び 方 法 > 供 試 果 実 : 所 内 M-16A 不 知 火 不 知 火 肥 の 豊 の 果 実 1 月 中 旬 に 収 穫 予 措 後 常 温 貯 蔵 庫 で 貯 蔵 3 月 上 旬 にMA 個 装 し 気 温 が 高 くなる5 月 中 旬 以 降 は16 の 定 温 庫 で 貯 蔵
糖 酸 度 別 の 食 味 調 査 < 試 食 アンケート> 平 成 21 年 7 月 15 日 ~29 日 にかけて MA 個 装 して 貯 蔵 した 品 質 の 異 なる 果 実 について 食 味 調 査 を 実 施 ( 試 食 した 果 実 の 一 部 を 糖 酸 分 析 機 で 測 定 ) 表 アンケート 調 査 対 象 者 の 性 別 年 齢 別 一 覧 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 不 明 計 男 性 6 3 7 5 23 1 45 女 性 0 6 4 5 15 1 31 計 6 9 11 10 38 2 76
食 味 調 査 項 目 調 査 項 目 5 4 3 2 1 甘 さ 評 価 甘 い やや 甘 い 普 通 あまり 甘 くない 甘 くない 酸 っぱさ 評 価 酸 っぱく ない あまり 酸 っぱく ない 普 通 やや 酸 っぱい 酸 っぱい 総 合 評 価 ( 食 味 ) おいしい まあ おいしい 普 通 あまり おいしくない まずい
糖 酸 度 別 の 食 味 調 査 結 果 (1) 甘 さ 甘 さ 糖 度 11.0~11.9 12.0~12.9 13.0~ <0.6 ク 0.6~ エ 0.7~ ン 0.8~ 酸 0.9~ 1.0~1.1 糖 度 13 度 以 上 クエン 酸 1.1% 以 下 糖 度 11 度 以 上 クエン 酸 0.6% 未 満 50% 以 上 の 人 が 甘 いと 感 じた :50% 以 上 の 人 が 甘 いと 感 じた :40% 以 上 の 人 が 甘 いと 感 じた :30% 以 上 の 人 が 甘 くないと 感 じた :50% 以 上 の 人 が 甘 くないと 感 じた
糖 酸 度 別 の 食 味 調 査 結 果 (2) 酸 っぱさ 酸 っぱさ 糖 度 11.0~11.9 12.0~12.9 13.0~ <0.6 ク 0.6~ エ 0.7~ ン 0.8~ 酸 0.9~ 1.0~1.1 糖 度 11 度 以 上 クエン 酸 0.7% 未 満 は 酸 っぱくない 糖 度 11 度 台 クエン 酸 0.8% 以 上 糖 度 12 度 台 クエン 酸 0.9% 以 上 は 酸 っぱい :80% 以 上 の 人 が 酸 っぱくないと 感 じた :40% 以 上 の 人 が 酸 っぱくないと 感 じた :40% 以 上 の 人 が 酸 っぱいと 感 じた :60% 以 上 の 人 が 酸 っぱいと 感 じた
( ) 糖 酸 度 別 の 食 味 調 査 結 果 (3) 総 合 評 価 食 味 評 価 ク エ ン 酸 濃 度 % 糖 度 11.0~11.9 12.0~12.9 13.0~ <0.6 0.6~ 0.7~ 0.8~ 0.9~ 1.0~1.1 糖 度 13 度 以 上 クエン 酸 1% 以 下 糖 度 11 度 以 上 クエン 酸 0.6% 以 下 は 美 味 しい 糖 度 12 度 以 下 クエン 酸 0.9% 以 上 は 美 味 しくない :50% 以 上 の 人 が 美 味 しいと 感 じた :40% 以 上 の 人 が 美 味 しいと 感 じた :30% 以 上 の 人 が 美 味 しくないと 感 じた :50% 以 上 の 人 が 美 味 しくないと 感 じた
収 穫 時 の 酸 レベルで 区 分 したときのクエン 酸 の 推 移 ク エ ン 酸 (%) 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 収 穫 時 個 装 時 常 温 貯 蔵 収 穫 時 のクエン 酸 1.8% 1.6% 1.3% 1.1% 16 定 温 貯 蔵 1/19 3/6 4/14 5/15 6/16 7/15 図 酸 濃 度 の 異 なる 不 知 火 果 実 の 収 穫 後 におけるクエン 酸 の 推 移 ( 平 成 20 年 産 ) ( 月 / 日 ) 収 穫 時 のクエン 酸 濃 度 クエン 酸 濃 度 1%となる 時 期 1.8% 7 月 中 旬 注 ) 収 穫 からMA 個 装 までは 裸 果 で 貯 蔵 1.6% 6 月 中 旬 1.3% 4 月 中 旬
収 穫 期 およびMA 個 装 時 のクエン 酸 濃 度 と 出 荷 基 準 ( 常 温 貯 蔵 16 ) 出 荷 時 期 収 穫 期 MA 個 装 時 点 (1 月 中 旬 ) (3 月 上 旬 ) 5 月 中 旬 1.4% 以 下 1.3% 以 下 6 月 中 旬 1.6% 以 下 1.5% 以 下 7 月 中 旬 1.8% 以 下 1.6% 以 下 注 ) 出 荷 時 期 のクエン 酸 濃 度 1% 以 下
MA 個 装 不 知 火 果 実 の 長 期 貯 蔵 に 適 する 温 度 MA 個 装 不 知 火 果 実 の 鮮 度 保 持 や 果 実 品 質 が 良 好 になる 貯 蔵 温 度 について 検 討
MA 個 装 した 果 実 の 貯 蔵 温 度 と 果 実 品 質 との 関 係 1 目 的 長 期 貯 蔵 において 果 実 品 質 が 保 持 できる 適 正 な 温 度 を 明 らかにする 2 材 料 及 び 方 法 供 試 果 実 : 所 内 露 地 不 知 火 の 果 実 2010 年 2011 年 の3 月 下 旬 に 収 穫 予 措 した 果 実 を MA 個 装 し 貯 蔵 温 度 8 12 16 20 および 常 温 の5 区 を 設 定 し 4 月 上 旬 から7 月 中 旬 まで 貯 蔵 後 果 実 品 質 および 食 味 について 調 査 した
0.40 12.0 a / b 値 0.39 0.38 0.37 0.36 0.35 0.34 8 12 16 20 常 温 貯 蔵 温 度 貯 蔵 前 貯 蔵 後 増 加 率 第 1 図 MA 個 装 した 不 知 火 の 貯 蔵 前 後 の 果 皮 色 (a/b 値 )の 変 化 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0-2.0 注 1) 数 値 は2010 年 と2011 年 の 平 均 値 2) 3 月 下 旬 に 果 実 を 収 穫 し MA 包 装 資 材 で 個 装 温 度 処 理 期 間 は4 月 上 旬 ~7 月 中 旬 果 皮 色 (a/b 値 )は,16 以 下 で 増 加 し 12 が 最 も 高 い 20 および 常 温 では 差 がない a / b 値 の 増 加 率 ( % )
貯 蔵 温 度 の 違 いと 果 皮 色 8 12 16 20 常 温 (2011 年 8 月 11 日 )
貯 蔵 温 度 の 違 いがMA 個 装 した 不 知 火 の 果 実 品 質 に 及 ぼす 影 響 貯 蔵 温 度 1 果 重 果 肉 歩 合 糖 度 (Brix) クエン 酸 濃 度 糖 酸 比 果 肉 色 味 の 評 価 食 味 貯 蔵 臭 g % % 8 293 78.1 14.5 0.91 16.2 8.2 3.5 0.2 12 277 78.0 14.5 0.92 15.9 8.4 4.0 0.0 16 297 77.6 14.0 0.93 15.1 7.4 3.5 0.7 20 286 78.8 13.9 0.99 14.1 6.1 3.2 1.0 常 温 279 78.9 14.1 0.88 16.2 6.1 3.4 1.5 注 1)2010 年 2011 年 ともに3 月 下 旬 収 穫 7 月 中 旬 調 査 ( 数 値 は2010 年 と2011 年 の 平 均 値 ) 2) 果 肉 色 はカラーチャート 値 で 数 値 が 大 きいほど 濃 い 3) 食 味 (2011のみ)は まずい(1) ややまずい(2) ふつう(3) ややおいしい(4) おいしい(5)の 平 均 値 4) 貯 蔵 臭 (2011のみ)は 全 く 感 じない(0) わずかに 感 じる(1) 感 じる(2) 強 く 感 じる(3)の 平 均 値 糖 度,クエン 酸 には, 貯 蔵 温 度 の 違 いによる 有 意 な 差 はなかった 果 肉 色 は,12 区 が 最 も 優 れ,20 区, 常 温 区 が 劣 った
貯 蔵 温 度 の 違 いと 果 肉 色 (2011 年 7 月 11 日 ) 12 16 20 常 温
12 常 温 (2011 年 7 月 11 日 ) 果 肉 色 は,12 区 が 最 も 優 れ,20 区, 常 温 区 が 劣 った
貯 蔵 温 度 の 違 いがMA 個 装 した 不 知 火 の 果 実 品 質 に 及 ぼす 影 響 貯 蔵 温 度 1 果 重 果 肉 歩 合 糖 度 (Brix) クエン 酸 濃 度 糖 酸 比 果 肉 色 味 の 評 価 食 味 貯 蔵 臭 g % % 8 293 78.1 14.5 0.91 16.2 8.2 3.5 0.2 12 277 78.0 14.5 0.92 15.9 8.4 4.0 0.0 16 297 77.6 14.0 0.93 15.1 7.4 3.5 0.7 20 286 78.8 13.9 0.99 14.1 6.1 3.2 1.0 常 温 279 78.9 14.1 0.88 16.2 6.1 3.4 1.5 注 1)2010 年 2011 年 ともに3 月 下 旬 収 穫 7 月 中 旬 調 査 ( 数 値 は2010 年 と2011 年 の 平 均 値 ) 2) 果 肉 色 はカラーチャート 値 で 数 値 が 大 きいほど 濃 い 3) 食 味 (2011のみ)は まずい(1) ややまずい(2) ふつう(3) ややおいしい(4) おいしい(5)の 平 均 値 4) 貯 蔵 臭 (2011のみ)は 全 く 感 じない(0) わずかに 感 じる(1) 感 じる(2) 強 く 感 じる(3)の 平 均 値 食 味 は,12 区 が 最 も 評 価 が 高 く, 貯 蔵 臭 もなかった 20 区 と 常 温 区 はわずかに 貯 蔵 臭 が 感 じられた
MA 個 装 した 果 実 の 貯 蔵 温 度 と 貯 蔵 性 と の 関 係 1 目 的 長 期 貯 蔵 において 貯 蔵 性 に 優 れた 温 度 を 明 らかに する 2 材 料 及 び 方 法 供 試 果 実 : 所 内 露 地 栽 培 不 知 火 の 果 実 2010 年 の3 月 下 旬 に 収 穫 予 措 した 果 実 をMA 個 装 し 貯 蔵 温 度 8 12 16 20 および 常 温 の5 区 を 設 定 し 4 月 上 旬 から7 月 中 旬 まで 貯 蔵 貯 蔵 後 (2010 年 7 月 15 日 ) 果 実 の 減 量 歩 合 腐 敗 果 皮 障 害 ヘタ 枯 れ 発 生 率 を 調 査
貯 蔵 中 に 発 生 した 果 実 障 害 ヘタ 枯 れ こはん 症
貯 蔵 中 に 発 生 した 果 実 の 腐 敗 腐 敗 常 温 区
貯 蔵 温 度 の 違 いがMA 個 装 した 不 知 火 の 減 量 と 障 害 発 生 に 及 ぼす 影 響 第 2 表 貯 蔵 温 度 の 違 いがMA 個 装 した 不 知 火 の 減 量 と 障 害 発 生 に 及 ぼす 影 響 (2010) 貯 蔵 温 度 減 量 歩 合 (%) 累 積 腐 敗 果 率 (%) コハン 症 発 生 率 (%) ヘタ 枯 れ 発 生 率 (%) 4/1~ 6/4 4/1~ 7/15 4/1~ 6/4 4/1~ 7/15 4/15 6/4 7/15 6/4 7/15 8 0.52 0.84 3.3 3.3 0.0 0.0 0.0 6.7 26.7 12 0.79 0.91 0.0 3.3 0.0 0.0 0.0 6.7 6.7 16 1.33 1.83 10.0 10.0 3.3 13.3 16.7 13.3 13.3 20 1.73 2.36 6.7 6.7 0.0 3.3 3.3 13.3 16.7 常 温 1.50 2.04 20.0 26.7 0.0 13.3 13.3 6.7 23.3 減 量 歩 合 は 貯 蔵 温 度 が 高 い 区 ほど 高 く 常 温 区 でも 高 かった 腐 敗 果 発 生 率 は 8 区 と12 区 が 最 も 低 かった こはん 症 およびヘタ 枯 れ 発 生 率 は12 区 が 最 も 低 かった
ま と め MA 個 装 した 不 知 火 果 実 の 長 期 貯 蔵 温 度 は 果 皮 色 果 肉 色 および 貯 蔵 性 が 優 れた12 が 最 も 適 している
おわりに MA 包 装 資 材 の 活 用 高 品 質 果 実 を 確 実 に 安 定 供 給 デコポンのブランド 力 向 上 信 頼 度 アップ= 高 価 格 の 維 持 所 得 向 上