Ⅰ 土 地 所 有 者 情 報 調 査 マニュアルの 目 的 東 日 本 大 震 災 における 被 災 地 の 各 自 治 体 においてこれからの 本 格 的 な 復 興 を 円 滑 に 実 現 するために は 復 興 計 画 の 作 成 や 復 興 事 業 の 実 施 にあたり その 計 画 予 定 区 域 や 事 業 実 施 予 定 区 域 の 調 査 測 量 や 用 地 取 得 等 のため その 対 象 となる 土 地 の 所 有 者 や 占 有 者 その 他 権 利 者 は 誰 か どこにお 住 まいな のかなど 土 地 の 所 有 者 等 の 土 地 に 関 する 各 種 の 情 報 を 調 査 する 必 要 があります しかしながら 被 災 地 においては 依 然 として 多 数 の 行 方 不 明 者 がいらっしゃるほか 県 外 等 も 含 む 遠 隔 地 への 避 難 者 が 多 数 存 在 しており そのような 状 況 の 中 で 土 地 所 有 者 等 の 情 報 の 調 査 を 実 施 し 土 地 所 有 者 等 の 特 定 などを 進 めていくことには 多 くの 困 難 が 予 想 されます この 土 地 所 有 者 情 報 調 査 マニュアル は 被 災 地 の 復 興 計 画 や 復 興 事 業 の 中 心 を 担 う 自 治 体 職 員 の 皆 様 が このように 様 々な 困 難 が 予 想 される 土 地 所 有 者 情 報 調 査 を 可 能 な 限 り 円 滑 かつ 効 率 的 に 実 施 し 土 地 の 所 有 者 等 の 土 地 に 関 する 情 報 を 速 やかに 把 握 し 円 滑 な 復 興 に 取 り 組 めるよう その 手 順 や 方 法 各 種 関 連 情 報 等 を 整 理 するとともに 調 査 過 程 において 想 定 される 課 題 について 具 体 事 例 や 専 門 家 の 知 見 を 踏 まえた 対 応 策 を 分 かりやすく 解 説 し 取 りまとめたものです なお このマニュアルは 土 地 所 有 者 情 報 調 査 に 精 通 した 職 員 のみならず 必 ずしも 精 通 していな い 職 員 にあっても 基 本 的 な 事 項 から 調 査 全 体 まで 理 解 して 頂 けるような 内 容 構 成 となっています また このマニュアルに 示 した 調 査 の 流 れは 絶 対 的 なものではなく その 目 的 や 状 況 に 応 じて 様 々 な 方 法 手 順 があり 得 ることに 留 意 の 上 で 参 考 にして 頂 ければ 幸 いです 東 日 本 大 震 災 で 亡 くなられた 方 々のご 冥 福 を 心 よりお 祈 り 申 し 上 げ 被 害 を 受 けられた 皆 様 にお 見 舞 いを 申 し 上 げますと 共 に 被 災 地 の 本 格 復 興 を 一 日 も 早 く 成 し 遂 げるため このマニュアルが 被 災 地 の 自 治 体 職 員 の 皆 様 に 広 く 活 用 されますことを 切 に 願 っております 国 土 交 通 省 土 地 建 設 産 業 局 企 画 課 1
Ⅱ 土 地 所 有 者 情 報 調 査 の 手 順 及 び 概 要 1. 土 地 所 有 者 情 報 調 査 の 手 順 復 興 計 画 の 作 成 や 復 興 事 業 の 実 施 に 際 し 復 興 予 定 区 域 や 事 業 実 施 予 定 区 域 の 土 地 について その 土 地 の 測 量 や 地 質 調 査 資 材 置 き 場 等 の 設 置 のための 土 地 の 賃 借 道 路 や 堤 防 といった 公 共 施 設 の 設 置 の ための 土 地 の 買 収 等 の 手 続 を 進 めるためには 土 地 の 所 有 者 や 占 有 者 その 他 その 土 地 に 関 する 様 々な 権 利 を 有 する 者 の 了 解 を 得 る 必 要 があります そのため 土 地 の 調 査 測 量 や 賃 借 買 収 等 の 前 に その 土 地 がどの 範 囲 に 存 在 し その 所 有 者 等 が 誰 で その 所 在 はどこかを 調 査 する 必 要 があります 1 このような 土 地 所 有 者 情 報 調 査 を 行 うに 当 たっては 1どのような 目 的 のために 2どの 程 度 の 期 間 をかけて 3どのような 調 査 内 容 で 行 うのかをあらかじめ 整 理 しておく 必 要 があります 1 目 的 の 例 今 後 のまちづくりに 関 する 意 向 調 査 のため 事 業 計 画 策 定 における 候 補 地 選 定 のため 公 共 事 業 等 に 必 要 な 用 地 取 得 のため 2 期 間 について 考 慮 すべき 事 項 の 例 復 興 スケジュールの 中 で 計 画 素 案 検 討 の 期 限 公 共 事 業 等 の 事 業 の 施 行 予 定 3 調 査 内 容 の 例 とるべき 調 査 内 容 は 1の 目 的 2の 期 間 に 応 じて 異 なる 書 類 調 査 ( 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 等 戸 籍 謄 本 等 住 民 票 の 写 し 等 による 書 類 調 査 ) 現 地 調 査 ( 本 人 確 認 現 地 の 近 隣 住 民 への 聞 取 り 等 ) 以 上 の 点 に 留 意 したうえで 被 災 地 での 土 地 所 有 者 情 報 調 査 として 一 般 に 想 定 しうる 手 順 を 示 すと 次 のフローのようになります 1 土 地 所 有 者 情 報 調 査 とは 対 象 となる 土 地 の 所 有 者 や 占 有 者 その 他 権 利 者 の 氏 名 居 所 土 地 の 境 界 の 状 況 など 土 地 に 関 する 各 種 の 情 報 を 調 査 し 土 地 所 有 者 等 の 特 定 などを 進 めていくことを 指 すこととする 2
2. 土 地 所 有 者 情 報 調 査 のフローと 本 マニュアルの 構 成 標 準 期 間 Ⅱ 3.1. 対 象 とする 土 地 の 範 囲 の 概 況 を 把 握 1-1 土 地 所 有 者 情 報 調 査 の 対 象 区 域 及 び 調 査 項 目 の 決 定 (1) 土 地 所 有 者 の 概 数 を 把 握 したい 場 合 (2) 土 地 所 有 者 の 氏 名 と 住 所 を 把 握 したい 場 合 (3) 契 約 締 結 等 のため 土 地 所 有 者 の 特 定 が 必 要 な 場 合 1 週 間 Ⅱ 3.2. 対 象 とする 土 地 の 範 囲 権 利 者 の 特 定 2-1 登 記 簿 上 の 土 地 の 範 囲 権 利 者 の 特 定 ( 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 地 積 測 量 図 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 等 調 査 ) 1~ 2 週 間 土 地 所 有 者 の 把 握 Ⅱ 3.3. 対 象 とする 土 地 の 所 有 者 等 の 特 定 3-1 登 記 簿 上 の 権 利 者 の 所 在 の 確 認 ( 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 と 住 民 基 本 台 帳 の 情 報 の 突 合 調 査 ) 相 続 人 調 査 Ⅳ 1(2) 相 続 財 産 管 理 人 制 度 4~ 6 週 間 土 地 所 有 者 の 把 握 Ⅱ 3.4. 所 有 者 等 の 被 災 状 況 の 確 認 居 所 の 把 握 4-1 避 難 者 情 報 の 収 集 突 合 4-2 所 有 者 等 の 居 所 の 把 握 パターン 別 の 展 開 土 地 所 有 者 の 特 定 行 方 不 明 者 Ⅳ 1(1) 不 在 者 財 産 管 理 人 制 度 Ⅳ 2(1) 失 踪 宣 告 制 度 Ⅳ 2(2) 認 定 死 亡 制 度 Ⅳ 2(3) 東 日 本 大 震 災 での 死 亡 届 の 取 扱 いについて 6~ 1 0 ヵ 月 事 業 計 画 の 段 階 事 業 実 施 の 段 階 Ⅳ 3(3) 東 日 本 大 震 災 復 興 特 別 区 域 法 ( 以 下 復 興 特 区 法 ) 上 の 制 度 復 興 整 備 計 画 のための 土 地 の 立 入 り 等 ( 第 65 条 ) 復 興 整 備 計 画 のための 障 害 物 の 伐 除 及 び 土 地 の 試 掘 等 ( 第 66 条 ) Ⅳ 3(1) 土 地 収 用 法 の 不 明 裁 決 制 度 Ⅳ 3(2) 復 興 特 区 法 上 の 制 度 不 動 産 登 記 法 の 筆 界 特 定 制 度 の 特 例 ( 第 73 条 ) Ⅳ 3(3) 復 興 特 区 法 上 の 制 度 復 興 整 備 事 業 のための 土 地 の 立 入 り 等 ( 第 67 条 ) 復 興 整 備 事 業 のための 障 害 物 の 伐 除 及 び 土 地 の 試 掘 等 ( 第 68 条 ) 3
3. 土 地 所 有 者 情 報 調 査 の 概 要 1. 対 象 とする 土 地 の 範 囲 の 概 況 を 把 握 1-1 土 地 所 有 者 情 報 調 査 の 対 象 区 域 及 び 調 査 項 目 の 決 定 < 目 的 > まちづくりに 関 する 意 向 調 査 や 事 業 計 画 の 策 定 等 のために 土 地 所 有 者 等 を 調 査 する 必 要 が 生 じた 場 合 事 業 スケジュールとの 関 係 も 考 慮 しその 調 査 目 的 に 応 じた 適 切 な 土 地 所 有 者 情 報 調 査 が 行 えるよう 調 査 対 象 の 区 域 及 びいつま でにどこまで 詳 細 な 調 査 を 行 うのか( 調 査 項 目 )を 決 定 します < 内 容 > 土 地 所 有 者 情 報 調 査 対 象 区 域 の 決 定 は 事 業 計 画 を 検 討 している 区 域 や 土 地 所 有 者 への 意 向 調 査 対 象 区 域 など 事 業 等 の 規 模 によりますが どこまで 詳 細 な 土 地 所 有 者 情 報 調 査 を 行 うべきかについては 以 下 で 例 示 するように その 目 的 や 事 業 等 の 内 容 により 異 なります (1) 土 地 所 有 者 の 概 数 を 把 握 したい 場 合 事 業 計 画 策 定 のための 候 補 地 選 定 などの 計 画 ルートの 検 討 を 行 う 場 合 に おいては 候 補 となる 地 区 内 の 土 地 に 用 地 取 得 が 難 航 ( 共 有 地 や 区 分 所 有 建 物 の 存 在 等 権 利 者 多 数 の 場 合 における 用 地 取 得 など)する 等 ルートを 検 討 する 上 での 重 要 な 要 因 を 備 えた 土 地 の 有 無 等 について 確 認 を 行 う 必 要 が あります 候 補 地 周 辺 に 点 在 する 事 業 の 阻 害 要 因 となりそうな 土 地 等 に 関 しての 所 有 者 等 を 把 握 することが 重 要 です 調 査 対 象 となる 土 地 所 有 者 を 把 握 する 1 2 ために 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 土 地 登 記 事 項 要 約 書 といった 比 較 的 入 手 容 易 な 資 料 収 集 による 調 査 にとどめます 地 図 又 は 公 図 について Ⅴ 参 考 資 料 P67 参 照 登 記 事 項 要 約 書 について (2) 土 地 所 有 者 の 氏 名 と 住 所 を 把 握 したい 場 合 Ⅴ 参 考 資 料 P69 参 照 土 地 所 有 者 へのまちづくりに 関 する 意 向 調 査 などのアンケート 調 査 ( 郵 送 )を 行 う 場 合 においては 対 象 となる 土 地 の 所 有 者 の 氏 名 及 び 住 所 が 必 要 となります 復 興 に 関 するおおまかな 意 向 等 を 把 握 する 調 査 で 直 ちに 権 利 関 係 に 影 響 を 与 えるものではないような 内 容 のアンケート 調 査 の 場 合 には 労 力 を 費 や 1 法 務 局 備 付 け 地 図 とは 不 動 産 登 記 法 第 14 条 第 1 項 に 規 定 する 地 図 を 指 すものであり 不 動 産 登 記 規 則 でその 作 成 のための 測 量 方 法 及 び 誤 差 の 限 度 が 定 められている 2 公 図 とは 一 般 に 旧 土 地 台 帳 附 属 地 図 と 呼 ばれており 不 動 産 登 記 法 第 14 条 第 4 項 に 規 定 され 法 務 局 備 付 け 地 図 に 準 ずる 図 面 を 指 す 公 図 は 法 務 局 備 付 け 地 図 よりも 精 度 が 低 く 登 記 所 ( 法 務 局 )に 地 図 が 備 えられるまでの 間 こ れに 準 ずる 図 面 を 備 えることとされているもの 土 地 の 図 面 の 写 しの 交 付 申 請 では 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 のい ずれかが 交 付 される 4
して 全 ての 権 利 者 を 特 定 することよりも アンケートの 一 部 が 未 回 収 となっ たとしても 一 定 割 合 以 上 の 回 答 を 迅 速 に 得 られることが 優 先 されます 調 査 対 象 となる 土 地 所 有 者 の 氏 名 と 住 所 を 把 握 するために 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 土 地 登 記 事 項 要 約 書 の 調 査 及 び 住 民 票 の 写 しの 調 査 といった 比 較 的 入 手 容 易 な 資 料 収 集 による 調 査 にとどめます なお 土 地 所 有 者 ではなく 居 住 者 に 対 するアンケート 調 査 を 行 う のであれば 登 記 事 項 要 約 書 よりも 住 民 票 の 写 しに 基 づく 情 報 などが 中 心 となります (3) 契 約 締 結 等 のため 土 地 所 有 者 の 特 定 が 必 要 な 場 合 事 業 に 必 要 な 用 地 取 得 など 最 終 的 には 契 約 締 結 を 予 定 している 場 合 にお いては (1)や(2)とは 大 きく 異 なり 土 地 所 有 者 の 住 所 氏 名 連 絡 先 は 勿 論 ですが 所 有 権 登 記 名 義 人 が 実 際 は 死 亡 しており 相 続 登 記 がされ ていない 場 合 は 法 定 相 続 人 土 地 に 関 するその 他 権 利 を 有 する 者 等 がいる 場 合 はこれらの 者 についても それぞれ 土 地 所 有 者 と 同 一 の 情 報 を 収 集 しなけ ればなりません また 書 類 調 査 にとどまらず 土 地 所 有 者 を 特 定 するため に 近 隣 への 聞 取 りなど 非 常 に 詳 細 な 調 査 が 必 要 となるため その 期 間 も 長 期 となります 参 考 なお 効 率 的 かつ 効 果 的 な 土 地 所 有 者 情 報 調 査 を 行 うためには 調 査 完 了 目 標 期 限 を 見 据 えた 工 程 管 理 計 画 書 を 作 成 し 工 程 を 管 理 することも 有 効 な 手 段 です 工 程 管 理 計 画 書 には 調 査 作 業 工 程 に 関 し それぞれの 作 業 項 目 ( 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 の 調 査 登 記 事 項 証 明 書 等 調 査 住 民 票 の 写 しの 調 査 相 続 人 追 跡 調 査 避 難 者 情 報 の 収 集 突 合 等 )における 作 業 完 了 目 標 を 設 定 し 効 率 的 な 作 業 を 行 います 作 成 にあたり 記 載 する 主 な 内 容 としては 以 下 の ものが 挙 げられます 調 査 完 了 目 標 期 限 調 査 作 業 項 目 及 び 作 業 工 程 調 査 における 阻 害 要 因 ( 土 地 所 有 者 死 亡 に 伴 う 相 続 発 生 等 ) 調 査 作 業 進 捗 状 況 法 定 相 続 人 の 追 跡 調 査 に ついて Ⅴ 参 考 資 料 P77 参 照 登 記 事 項 証 明 書 について Ⅴ 参 考 資 料 P69 参 照 工 程 管 理 計 画 書 のイメージ 工 程 管 理 計 画 書 のひな 形 添 付 CD-ROM( 書 式 集 に 収 録 ) 5
現 地 踏 査 < 目 的 > 現 地 踏 査 とは 事 業 の 区 域 内 と 想 定 される 土 地 や 事 業 区 域 に 隣 接 する 土 地 に 関 して 土 地 所 有 者 の 居 住 実 態 がないため 面 談 に 時 間 を 要 する 可 能 性 がある 等 の 新 たな 調 査 阻 害 要 因 等 がないかを 確 認 するために 行 うものです 現 地 踏 査 は 現 地 の 概 況 把 握 のため 公 道 等 から 調 査 するもので 地 権 者 等 の 占 有 する 土 地 や 建 物 に 立 ち 入 って 調 査 を 行 う 実 地 調 査 又 は 立 入 り 調 査 とは 異 なります < 内 容 > 現 地 踏 査 の 下 準 備 として 地 図 ( 市 販 の 道 路 地 図 や 住 宅 地 図 で 可 ) 航 空 写 真 等 を 用 意 し 現 在 の 現 地 の 状 況 を 把 握 するために 利 用 します 現 地 踏 査 では 公 道 等 から 調 査 対 象 となる 土 地 や 家 屋 等 の 概 況 地 形 等 を 把 握 します 特 に 確 認 しておいた 方 が 良 いポイントは 事 業 区 域 内 やその 隣 接 地 の 土 地 の 境 界 の 状 況 ( 例 : 境 界 杭 や 塀 があるか) 被 災 の 状 況 や 程 度 ( 例 : 陥 没 しているか) 建 築 物 の 有 無 居 住 実 態 の 有 無 などが 挙 げられます なお 現 地 踏 査 の 目 的 は 担 当 職 員 が 現 地 のおおまかな 状 況 を 把 握 すること であり 現 地 踏 査 を 通 じてその 後 の 調 査 実 施 に 不 可 欠 な 書 類 の 作 成 等 まで 行 う ことは 予 定 されていません < 標 準 目 安 期 間 > 対 象 地 域 の 広 さにもよりますが 概 ね1 日 程 度 6
2. 対 象 とする 土 地 の 範 囲 権 利 者 の 特 定 2-1 登 記 簿 上 の 土 地 の 範 囲 権 利 者 の 特 定 ( 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 地 積 測 量 図 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 等 調 査 ) 想 定 課 題 と 対 応 例 ( 課 題 1)P19 参 照 < 目 的 > 事 業 等 に 必 要 な 土 地 の 範 囲 を 正 確 に 特 定 し どの 範 囲 の 所 有 者 を 調 査 し 特 定 する 必 要 があるのかを 把 握 するためには 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 を 調 査 することが 必 要 となります また 今 後 の 調 査 の 基 本 となる 地 番 所 有 者 名 所 有 者 住 所 などの 重 要 な データが 記 載 されている 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 等 を 調 査 すること が 必 要 です ( 課 題 2)P19 参 照 登 記 事 項 証 明 書 の 他 に 登 記 事 項 要 約 書 が 挙 げられ る 両 者 の 違 い 等 につい < 内 容 > 管 轄 法 務 局 での 具 体 的 な 作 業 内 容 としては 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 の 写 し 地 積 測 量 図 の 写 し 及 び 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 等 の 収 集 を 行 い ます ては ( 課 題 3)P20 参 照 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 の 写 し 地 図 について 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 は 住 居 表 示 ではなく 地 番 によって 管 理 されていることから 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 の 写 しを 入 手 して 調 査 対 象 地 域 の 各 筆 の 地 番 を 調 査 します Ⅴ 参 考 資 料 P67 参 照 地 積 測 量 図 地 積 測 量 図 について 地 積 測 量 図 が 存 在 することにより 対 象 土 地 所 有 者 と 隣 接 土 地 所 有 者 との 境 界 確 認 が 済 んでいることが 推 定 できるため 地 積 測 量 図 の 写 しの 交 付 を 申 請 し 土 地 境 界 確 認 状 況 の 把 握 を 行 います Ⅴ 参 考 資 料 P68 参 照 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 等 登 記 事 項 証 明 書 について 登 記 には 所 在 地 番 地 目 地 積 所 有 者 の 住 所 及 び 氏 名 所 有 権 以 外 の 権 利 1 に 関 する 事 項 等 が 記 録 されています 登 記 の 目 的 のひとつは 不 動 産 に 関 する 権 利 を 公 示 することであり 登 記 に 記 録 されている 事 項 は 第 三 者 に 対 して 権 利 を 主 張 できるため 土 地 の 所 有 者 等 を 探 索 するにあたって 最 も 基 礎 的 な 資 料 です このため 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 等 を 収 集 して 土 地 所 有 者 ( 所 有 権 に 関 する 事 項 欄 記 載 の 所 有 者 )の 住 所 及 び 氏 名 等 を 確 認 しま す この 段 階 で 入 手 した 情 報 は その 後 の 調 査 過 程 において 収 集 する 様 々な 資 料 Ⅴ 参 考 資 料 P69 参 照 1 所 有 権 以 外 の 権 利 とは 地 上 権 永 小 作 権 地 役 権 先 取 特 権 質 権 抵 当 権 賃 借 権 採 石 権 等 を 指 す 7
との 突 合 の 際 に 必 須 となる 極 めて 重 要 な 情 報 であることから 以 下 の 項 目 につ いて 正 確 に 整 理 しておく 必 要 があります 土 地 の 所 在 並 びに 地 番 及 び 当 該 地 番 に 係 る 最 終 支 号 地 目 及 び 地 積 土 地 の 所 有 者 の 住 所 及 び 氏 名 又 は 名 称 共 有 地 については 共 有 者 の 持 分 土 地 に 関 する 所 有 権 以 外 の 権 利 があるときは 権 利 者 の 住 所 及 び 氏 名 又 は 名 称 権 利 の 種 類 及 び 内 容 並 びに 権 利 の 始 期 及 び 存 続 期 間 仮 登 記 等 があるときはその 内 容 その 他 必 要 と 認 められる 事 項 なお 上 記 に 列 記 した 項 目 は 用 地 取 得 を 前 提 とした 場 合 の 例 となりますの で 実 際 の 調 査 では その 目 的 に 応 じて 必 要 な 項 目 を 整 理 します 整 理 方 法 としては 地 番 をベースに 収 集 した 情 報 をデータベースに 入 力 していき ます なお 事 業 計 画 策 定 のための 候 補 地 選 定 や 事 業 に 必 要 な 用 地 取 得 等 土 地 の 形 状 や 土 地 の 所 有 者 の 氏 名 等 に 関 する 情 報 を 連 続 的 に 見 る 場 合 には 一 般 にこの 作 業 に 付 随 して 地 図 等 転 写 連 続 図 1 を 作 成 します ( 参 考 ) 地 方 整 備 局 用 地 事 務 取 扱 細 則 準 則 第 18 条 別 添 データベースファ イル 地 図 等 転 写 連 続 図 の 作 成 について < 標 準 目 安 期 間 > Ⅴ 参 考 資 料 P71 参 照 対 象 地 域 の 広 さにもよりますが 仮 に2 人 で 作 業 を 行 った 場 合 対 象 面 積 1 万 m2(100 筆 程 度 )あたり 約 2~3 日 (1 日 8 時 間 作 業 として) 注 意 : 管 轄 法 務 局 への 申 請 から 交 付 までに 要 する 期 間 について 管 轄 法 務 局 により 異 なりますが 現 在 被 災 地 では 建 物 の 滅 失 登 記 や 登 記 名 義 人 死 亡 に 伴 う 相 続 登 記 など 平 常 時 に 比 して 業 務 量 が 増 加 していることが 推 測 され 交 付 には 通 常 時 を 超 える 期 間 ( 通 常 100 筆 程 度 の 登 記 事 項 証 明 書 を 公 用 で 申 請 した 場 合 交 付 までに2 日 程 度 のところ 今 回 であれば4 日 程 度 )を 要 する 可 能 性 があります 場 合 によっては 大 量 の 交 付 を 申 請 する 必 要 もあるため 事 前 に 法 務 局 と 打 合 せを 行 い 調 整 を 図 ることが 必 要 となります 公 用 申 請 について Ⅴ 参 考 資 料 P66 参 照 1 地 図 等 転 写 連 続 図 は 法 務 局 にて 収 集 した 法 務 局 備 付 け 地 図 又 は 公 図 の 写 しを 複 写 し 連 続 させた 地 図 をいい 記 入 する 事 項 としては 工 事 計 画 平 面 図 等 に 基 づく 土 地 の 取 得 等 の 予 定 線 登 記 名 義 人 の 氏 名 等 管 轄 登 記 所 名 転 写 年 月 日 及 び 転 写 年 月 日 等 8
3. 対 象 とする 土 地 の 所 有 者 等 の 特 定 3-1 登 記 簿 上 の 権 利 者 の 所 在 の 確 認 ( 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 と 住 民 基 本 台 帳 の 情 報 の 突 合 調 査 ) 想 定 課 題 と 対 応 例 ( 課 題 6)P22 参 照 < 目 的 > 事 業 計 画 策 定 のための 候 補 地 選 定 のように 住 民 票 の 写 しの 調 査 までを 行 う 必 要 がない 場 合 もありますが 公 共 事 業 における 用 地 取 得 等 の 場 合 には 土 地 所 有 者 の 所 在 の 探 索 が 必 要 不 可 欠 です 登 記 簿 によって 調 査 した 所 有 者 について 登 記 簿 上 に 記 載 された 住 所 に 住 ん でいるか 死 亡 していないか 未 成 年 者 ではないかなどを 把 握 するために 登 記 簿 上 の 氏 名 住 所 を 住 民 基 本 台 帳 上 の 情 報 と 突 合 します ( 課 題 7)P23 参 照 ( 課 題 8)P24 参 照 ( 課 題 9)P25 参 照 < 内 容 > 登 記 簿 上 の 情 報 と 突 合 するものとしては 住 民 の 居 住 関 係 を 公 証 する 情 報 で ある 住 民 票 に 記 載 された 氏 名 生 年 月 日 住 所 などを 用 いるのが 最 も 一 般 的 で す 住 民 票 の 写 しは 住 所 を 管 轄 する 市 区 町 村 に 対 し 住 民 基 本 台 帳 法 ( 昭 42 7 25 法 律 第 81 号 ) 第 11 条 に 基 づく 公 用 での 申 請 を 行 います (なお 公 用 申 請 が 可 能 かどうかは 事 業 の 目 的 等 にもよりますので 事 前 に 住 所 を 管 轄 す る 市 区 町 村 の 担 当 部 署 とよく 相 談 して 下 さい ) 自 らの 市 区 町 村 内 での 調 査 の 場 合 どのような 手 続 で 住 民 票 の 写 し 又 はそれ に 代 わる 情 報 を 得 るかは 担 当 課 と 十 分 に 相 談 の 上 行 って 下 さい 実 際 の 突 合 作 業 では 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 等 記 載 の 所 有 者 の 住 所 及 び 氏 名 について 住 民 票 に 記 載 された 以 下 の 内 容 の 確 認 を 行 います 登 記 における 住 所 と 住 民 票 住 所 は 同 一 か 登 記 における 所 有 者 名 は 住 民 票 と 同 一 か 登 記 における 所 有 者 は 未 成 年 ではないか( 住 民 票 の 生 年 月 日 確 認 ) 登 記 における 所 有 者 は 死 亡 していないか ( 死 亡 の 場 合 の 住 民 票 ( 除 かれた 住 民 票 1 : 保 存 期 間 は 死 亡 から5 年 )に は 本 人 の 欄 に 死 亡 に 関 する 記 載 あり) なお 公 共 事 業 における 用 地 取 得 等 の 場 合 には 最 終 的 には 土 地 の 所 有 者 と 契 約 を 行 う 必 要 があることから 調 査 した 所 有 者 が 制 限 行 為 能 力 者 たる 未 成 年 者 であったり 死 亡 していることが 判 明 したときは 未 成 年 者 にあっては 親 権 者 2 あるいは 未 成 年 後 見 人 3 といった 法 定 代 理 人 の 住 所 氏 名 を 所 有 者 死 亡 にあっては その 法 定 相 続 人 の 住 所 氏 名 を 調 査 する 必 要 があります 公 用 申 請 について Ⅴ 参 考 資 料 P73 参 照 1 除 かれた 住 民 票 とは 死 亡 や 転 出 により 住 民 登 録 が 抹 消 された 住 民 票 を 指 す 2 親 権 者 とは 未 成 年 者 ( 満 20 歳 未 満 の 者 であって 婚 姻 をしたことがない 者 )に 対 して 親 権 を 行 う 者 をいう 3 未 成 年 後 見 人 とは 未 成 年 者 に 対 して 親 権 を 行 う 者 がいないとき 又 は 親 権 を 行 う 者 が 管 理 権 ( 財 産 に 関 する 権 限 ) を 有 しないときに 法 定 代 理 人 となる 者 をいう 9
死 亡 が 確 認 された 場 合 には 本 籍 地 ( 除 かれた 住 民 票 において 確 認 できます) の 市 区 町 村 に 対 して 戸 籍 謄 本 等 の 交 付 申 請 を 行 い 相 続 人 の 追 跡 調 査 を 行 うこ ととなります なお 住 民 票 の 写 しの 交 付 申 請 を 行 う 場 合 には 土 地 所 有 者 が 死 亡 している 場 合 も 想 定 し 本 籍 の 記 載 を 省 略 しないよう 依 頼 する 必 要 があります 法 定 相 続 人 の 追 跡 調 査 に ついて Ⅴ 参 考 資 料 P77 参 照 10
4. 所 有 者 等 の 被 災 状 況 の 確 認 居 所 の 把 握 4-1 避 難 者 情 報 の 収 集 突 合 想 定 課 題 と 対 応 例 < 目 的 > 通 常 の 土 地 所 有 者 情 報 調 査 であれば 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 等 調 査 住 民 票 の 写 しの 調 査 を 経 て 土 地 の 所 有 者 の 住 所 が 判 明 することとなりま すが 被 災 地 の 場 合 には その 被 害 の 甚 大 さから 住 民 票 住 所 を 離 れ 避 難 し ている 方 が 多 数 存 在 します また 登 記 事 項 証 明 書 や 住 民 票 に 記 された 情 報 の 更 新 手 続 が 通 常 よりも 進 んでいないことも 多 くあります このような 状 況 のな かで 土 地 の 所 有 者 の 居 所 を 調 査 するためには 各 種 の 情 報 を 収 集 し 最 新 の 情 報 による 居 所 を 把 握 する 必 要 があります 具 体 には 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 等 調 査 や 住 民 票 の 写 しの 調 査 などで 得 られた 情 報 と 避 難 者 名 簿 や 課 税 台 帳 等 の 各 種 情 報 を 突 合 し 現 在 の 土 地 の 所 有 者 の 居 所 を 確 認 します ( 課 題 10)P26 参 照 ( 課 題 11)P27 参 照 ( 課 題 12)P27 参 照 ( 課 題 13)P28 参 照 ( 課 題 14)P29 参 照 ( 課 題 15)P30 参 照 < 内 容 > 1)データの 種 類 想 定 される 各 種 情 報 には 例 えば 以 下 のようなものがあります < 自 治 体 が 通 常 保 有 する 情 報 ( 例 )> 住 民 基 本 台 帳 課 税 台 帳 選 挙 人 名 簿 < 避 難 者 等 への 対 応 のために 保 有 する 情 報 ( 例 )> 避 難 者 名 簿 ( 避 難 先 住 所 ) 安 否 リスト( 生 存 / 死 亡 を 記 した 情 報 ) 仮 設 住 宅 入 居 者 リスト 意 向 調 査 票 や 広 報 の 配 布 宛 名 リスト これらの 情 報 のうち 特 に 被 災 対 応 のために 作 成 されたデータについて は 統 一 的 な 様 式 や 作 成 方 法 があるわけではありません 含 まれる 情 報 の 内 容 ( 氏 名 住 所 本 籍 等 )はもちろんのこと それぞれの 情 報 の 根 拠 出 所 や 作 成 日 時 などに 注 意 して 効 果 的 に 利 用 することが 必 要 です 2) 各 種 データの 活 用 について 各 自 治 体 の 保 有 する 避 難 者 の 氏 名 居 所 連 絡 先 等 に 関 する 情 報 ( 避 難 者 名 簿 等 )を 土 地 所 有 者 情 報 調 査 のために 利 用 しようとする 場 合 個 人 情 報 保 護 の 観 点 から 各 担 当 部 局 から 当 該 情 報 の 提 供 を 受 けられないといった 場 面 が 想 定 されます しかし 各 自 治 体 の 個 人 情 報 保 護 条 例 等 の 個 人 情 報 の 利 用 及 び 提 供 の 制 限 に する 規 定 には 当 該 目 的 のための 個 人 情 報 の 利 用 や 提 供 について 本 人 の 同 意 が 11
なくても 例 えば 法 令 に 定 めのあるとき 同 一 実 施 機 関 内 で 利 用 する 場 合 又 は 他 の 実 施 機 関 実 施 機 関 以 外 の 市 の 機 関 国 独 立 行 政 法 人 等 他 の 地 方 公 共 団 体 若 しくは 地 方 独 立 行 政 法 人 に 提 供 する 場 合 であって 事 務 に 必 要 な 限 度 で 使 用 し かつ 使 用 することに 相 当 な 理 由 があると 認 められるとき 等 に 個 人 情 報 の 利 用 や 提 供 が 可 能 である 旨 が 定 められている 場 合 が 多 く これ らの 規 定 を 適 用 することで 当 該 情 報 の 利 用 や 提 供 が 認 められることがありま す このため 各 自 治 体 の 個 人 情 報 保 護 条 例 の 規 定 等 を 踏 まえ 自 治 体 内 あるい は 自 治 体 間 で 十 分 調 整 を 図 ることが 重 要 です また 被 災 自 治 体 の 各 種 行 政 事 務 を 効 率 化 するため 各 種 の 住 民 情 報 を 統 合 してデータベース 化 する 動 きも 見 られます こうした 住 民 情 報 の 一 本 化 が 図 れ れば 土 地 所 有 者 情 報 調 査 にとっても 非 常 に 有 意 義 なことであり 所 有 者 の 居 所 の 把 握 については これらの 各 種 情 報 を 活 用 して 最 新 の 情 報 入 手 に 努 める 必 要 があります 参 考 宮 城 県 気 仙 沼 市 では 被 災 者 への 支 援 制 度 の 通 知 義 えん 金 の 受 取 り 年 金 の 手 続 きなどの 周 知 徹 底 と 被 災 者 情 報 の 一 元 化 を 図 ることを 目 的 として 市 役 所 の 各 課 が 情 報 を 持 ち 寄 り 住 民 の 情 報 を 総 合 的 に 把 握 する 被 災 者 支 援 シス テム の 作 成 についての 検 討 が 進 められています 兵 庫 県 西 宮 市 では 1995 年 に 発 生 した 阪 神 淡 路 大 震 災 で 市 街 地 のほぼ 全 域 が 被 災 した 中 市 の 日 常 業 務 の 復 旧 と 合 わせて 被 災 者 を 支 援 するため 被 災 者 台 帳 避 難 者 台 帳 緊 急 物 資 入 庫 情 報 仮 設 住 宅 情 報 犠 牲 者 情 報 倒 壊 家 屋 管 理 台 帳 の 各 種 情 報 の 検 索 及 び 照 会 機 能 のあるシステムを 構 築 し 被 災 者 支 援 や 復 旧 復 興 業 務 に 大 きな 力 を 発 揮 しました この 被 災 地 としての 経 験 と 教 訓 情 報 化 のノウハウを 生 かした 被 災 者 支 援 システム は 汎 用 Webシ ステムとして 全 国 の 自 治 体 に 無 償 で 公 開 提 供 されています ( 参 考 ) 西 宮 市 HP 被 災 者 支 援 システム http://www.nishi.or.jp /homepage/hisaishashie n/ 4-2 所 有 者 等 の 居 所 の 把 握 パターン 別 の 展 開 < 目 的 > 事 業 に 必 要 な 用 地 取 得 等 における 土 地 所 有 者 情 報 調 査 においては 土 地 所 有 者 の 特 定 が 必 要 となることから 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 等 調 査 や 住 民 票 の 写 しの 調 査 などで 得 られた 情 報 と 避 難 者 名 簿 や 課 税 台 帳 等 の 各 種 情 報 を 突 合 した 結 果 書 面 上 での 土 地 所 有 者 の 生 存 及 び 居 所 が 判 明 した 場 合 には 現 地 での 居 住 確 認 調 査 若 しくは 郵 便 調 査 を 経 て 土 地 所 有 者 の 特 定 を 行 うこと 想 定 課 題 と 対 応 例 ( 課 題 16)P31 参 照 ( 課 題 17)P31 参 照 ( 課 題 18)P32 参 照 ( 課 題 19)P32 参 照 ( 課 題 20)P33 参 照 12
となります しかし 書 面 上 では 土 地 所 有 者 の 生 存 及 び 居 所 が 判 明 しない 場 合 もあることから 各 種 情 報 を 突 合 した 結 果 を 踏 まえて その 状 況 に 応 じた 土 地 所 有 者 情 報 調 査 を 行 う 必 要 があります < 内 容 > 各 種 情 報 を 突 合 すると 1 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 に 記 載 された 住 所 住 民 票 上 の 住 所 避 難 者 名 簿 上 の 被 災 前 の 住 所 が 合 致 する 場 合 等 土 地 所 有 者 の 書 面 上 の 居 所 が 判 明 する 場 合 2 書 面 上 であっても 各 種 情 報 に 記 載 された 住 所 に 相 違 があり 土 地 所 有 者 の 書 面 上 の 居 所 が 判 明 しない 場 合 の 大 きく2 種 類 に 分 類 できます 前 者 にあっては その 土 地 所 有 者 の 生 存 が 確 認 された 場 合 の 調 査 及 び 死 亡 の 場 合 の 調 査 後 者 にあっては 土 地 所 有 者 のさ らなる 探 索 のための 調 査 が 必 要 となります 以 下 そのパターン 別 にフローを 示 すとともに 内 容 を 説 明 します 所 有 者 等 の 居 所 の 把 握 パターン 別 フロー 図 パターン1 ( 書 面 上 の 居 所 判 明 かつ 書 面 上 生 存 の 場 合 ) 各 種 情 報 を 突 合 した 結 果 (1) 土 地 所 有 者 の 書 面 上 の 居 所 が 判 明 し (2)その 者 が 書 面 上 生 存 している のであれば 土 地 所 有 者 の 特 定 のためには 居 住 確 認 調 査 を 行 う 必 要 があり ます 居 住 確 認 調 査 には 現 地 調 査 と 郵 便 調 査 の2 種 類 の 方 法 があります 13
1 現 地 調 査 判 明 した 書 面 上 の 居 所 が 近 隣 等 現 地 へ 出 向 くことが 可 能 な 場 合 に 実 際 に 現 地 に 赴 いて 行 う 調 査 です 調 査 内 容 は 以 下 の 通 りとなります ア. 土 地 所 有 者 本 人 であるか( 氏 名 生 年 月 日 など) イ. 現 在 の 住 所 での 居 住 に 間 違 いがないか ウ. 連 絡 が 取 れる 電 話 番 号 等 エ. 確 認 した 電 話 へ 連 絡 する 必 要 が 生 じた 場 合 の 希 望 時 間 帯 オ. 他 に 土 地 に 対 して 権 利 を 有 する 者 が 居 ないか カ. 仮 に 他 の 権 利 を 有 する 者 等 が 存 在 する 場 合 には その 者 の 住 所 氏 名 連 絡 先 等 キ. 隣 接 地 所 有 者 との 土 地 境 界 確 定 の 状 況 オ. カ. 及 びキ.については 公 共 事 業 における 用 地 取 得 を 予 定 して いる 場 合 等 に 必 要 となる 項 目 です 上 記 に 掲 げた 各 調 査 項 目 について は 調 査 目 的 によって 必 要 の 有 無 を 判 断 することになります 現 地 へ 出 向 いたものの 調 査 先 住 所 に 居 住 の 実 態 がない 場 合 には 以 下 の 調 査 を 行 います 自 治 会 長 町 内 会 長 仮 設 住 宅 の 代 表 者 等 に 対 し 土 地 所 有 者 の 転 居 先 及 び 連 絡 先 を 聴 取 近 隣 者 に 対 し 転 居 先 及 び 連 絡 先 を 聴 取 上 記 二 項 目 について 何 れも 不 明 である 場 合 は 親 族 等 連 絡 先 を 聴 取 なお 現 地 での 居 住 確 認 調 査 を 行 う 前 提 として 立 ち 入 ろうとする 地 区 の 自 治 会 長 や 町 内 会 長 訪 問 しようとする 仮 設 住 宅 の 代 表 者 等 に 対 し 事 前 に 訪 問 の 趣 旨 を 説 明 しておくことで 仮 に 居 住 の 実 態 がなかった 場 合 等 を 含 めたその 後 の 調 査 への 理 解 が 得 られやすくなります また 現 地 調 査 は 2で 説 明 する 郵 便 調 査 よりも 手 間 がかかりますが 公 共 事 業 等 の 用 地 取 得 が 予 定 されているような 場 合 には その 後 の 事 業 を 円 滑 に 進 める 上 でも 事 業 所 轄 部 局 とも 連 携 して 丁 寧 に 対 応 していくことが 望 まれ ます 2 郵 便 調 査 判 明 した 書 面 上 の 居 所 が 近 隣 ではない 等 現 地 へ 出 向 くことが 困 難 な 場 合 1 は 土 地 の 所 有 者 情 報 に 関 する 返 信 票 等 を 用 い 郵 便 ( 簡 易 書 留 等 受 け 取 り 状 況 が 分 かる 方 法 )にて 土 地 所 有 者 本 人 であるか 等 の 確 認 を 行 います なお 公 共 事 業 における 用 地 取 得 を 予 定 している 場 合 等 については 登 記 さ れていなくても 実 際 には 設 定 されている 所 有 権 以 外 の 権 利 ( 永 小 作 権 借 地 権 使 用 貸 借 権 等 )を 有 する 者 の 調 査 も 併 せて 行 うべく 土 地 に 対 して 所 有 権 以 外 土 地 の 所 有 者 情 報 に 関 する 返 信 票 の 例 につい て 土 地 に 対 して 所 有 権 以 1 簡 易 書 留 郵 便 では 郵 便 物 等 の 引 き 受 けと 配 達 が 記 録 される なお 従 来 あった 配 達 記 録 郵 便 の 制 度 は 2009 年 に 廃 止 された また 配 達 記 録 郵 便 に 代 わって 創 設 された 特 定 記 録 郵 便 では 郵 便 物 等 の 引 き 受 けの 記 録 ( 郵 便 物 等 を 差 し 出 した 記 録 )は 残 るが 配 達 した 記 録 は 残 らないことから 注 意 が 必 要 14
の 権 利 を 有 している 者 に 関 する 返 信 票 等 を 同 封 することで 調 査 の 効 率 化 を 図 ることとします 外 の 権 利 を 有 している 者 に 関 する 返 信 票 の 例 に ついて パターン2 ( 書 面 上 の 居 所 判 明 かつ 書 面 上 死 亡 の 場 合 ) 各 種 情 報 を 突 合 した 結 果 (1) 土 地 所 有 者 の 書 面 上 の 居 所 が 判 明 し (4)その 者 が 書 面 上 死 亡 していることが 判 明 した 場 合 には 法 定 相 続 人 の 追 跡 調 査 を 行 う 必 要 があります 法 定 相 続 人 の 追 跡 調 査 については 除 かれた 住 民 票 に 記 載 された 本 籍 地 での 戸 籍 謄 本 原 戸 籍 1 や 除 籍 簿 2 を 含 め 出 生 時 までさかのぼって 戸 籍 謄 本 を 収 集 します その 収 集 した 戸 籍 謄 本 の 中 から 法 定 相 続 人 となり 得 る 者 を 探 し その 法 定 相 続 人 となり 得 る 者 が 記 載 された 戸 籍 謄 本 から へ 転 籍 のよう に 転 籍 している 場 合 は 転 籍 先 の 戸 籍 謄 本 や 結 婚 等 に 伴 い 分 籍 した 戸 籍 謄 本 の 収 集 を 行 い 最 終 的 に 現 在 の 戸 籍 謄 本 を 確 認 し 生 存 が 確 認 されて 初 めて 法 定 相 続 人 の1 人 が 判 明 したこととなります 同 様 に 他 の 相 続 人 に 関 しても 追 跡 調 査 を 行 います 最 終 的 に 現 在 の 土 地 の 所 有 者 を 特 定 するには 法 定 相 続 人 が 当 該 土 地 を 実 際 に 相 続 したか 否 か またその 相 続 人 が 現 在 もその 土 地 を 所 有 しているか 否 かの 調 査 を 進 める 必 要 があります このため まずは 判 明 した 法 定 相 続 人 の 居 所 の 確 認 が 必 要 となります その 場 合 は 法 定 相 続 人 の 現 在 の 本 籍 地 で 戸 籍 の 附 票 3 の 写 しを 収 集 し そこに 記 載 された 住 所 の 市 区 町 村 に 対 して 住 民 票 の 写 し Ⅴ 参 考 資 料 P79 参 照 依 頼 文 の 例 について Ⅴ 参 考 資 料 P80 参 照 法 定 相 続 人 の 追 跡 調 査 に ついて Ⅴ 参 考 資 料 P77 参 照 の 交 付 申 請 を 行 うことで 現 在 の 書 面 上 の 居 所 が 判 明 することとなります こ の 後 は パターン1による 居 住 確 認 調 査 を 行 い 法 定 相 続 人 と 連 絡 をとって 実 際 の 相 続 人 の 特 定 を 行 う 必 要 があります 通 常 法 定 相 続 人 が 複 数 存 在 する 場 合 には 判 明 した 法 定 相 続 人 のうち まずは 本 家 筋 の 法 定 相 続 人 に 連 絡 をと り 遺 産 分 割 協 議 が 整 っているかを 確 認 し 遺 産 分 割 協 議 が 整 っているようで あれば その 結 果 に 基 づいて 土 地 の 相 続 人 が 特 定 できますが 遺 産 分 割 協 議 が 整 っていない 場 合 には 全 ての 法 定 相 続 人 についてパターン1による 居 住 確 認 調 査 を 行 います なお 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 記 載 の 所 有 者 が 数 十 年 前 に 死 亡 した ものの 未 だ 相 続 登 記 がなされていないままとなっている 例 は 多 々 見 受 けら れます 相 続 登 記 を 行 わないことで その 法 定 相 続 人 は 子 から 孫 へ 孫 からひ 孫 へと 一 代 経 過 するごとに 増 加 します 土 地 所 有 者 を 特 定 するためには これらの 法 定 相 続 人 を 全 て 調 査 することと なりますが その 際 は 相 続 は 死 亡 により 開 始 するものであり 死 亡 時 の 相 続 1 原 戸 籍 とは 現 行 以 前 の 戸 籍 制 度 の 戸 籍 簿 を 指 す 2 除 籍 簿 とは 戸 籍 に 記 載 された 者 全 員 が 死 亡 等 の 理 由 により 除 かれるか 戸 籍 に 記 載 された 者 全 員 が 他 市 区 町 村 へ 移 動 したことにより 除 かれた 戸 籍 を 指 す 3 戸 籍 の 附 票 とは 戸 籍 に 記 載 された 者 全 員 の 住 所 及 び 住 所 を 定 めた 日 を 市 区 町 村 長 が 職 権 にて 作 成 する 書 類 を 指 す 15
法 が 適 用 されることに 留 意 し 相 続 順 位 相 続 持 分 に 注 意 した 法 定 相 続 人 の 特 定 を 行 う 必 要 があります パターン3 ( 書 面 上 の 居 所 不 明 かつ 書 面 上 で 同 姓 同 名 者 生 存 の 場 合 ) 各 種 情 報 を 突 合 した 結 果 (6) 土 地 所 有 者 の 書 面 上 の 居 所 が 判 明 せず (7) 土 地 所 有 者 と 同 姓 同 名 の 者 の 生 存 が 確 認 された 場 合 には その 同 姓 同 名 の 者 が 登 記 簿 上 の 土 地 所 有 者 と 同 一 人 物 であるか 否 かを 確 認 します その 方 法 としては 同 姓 同 名 者 の 住 所 履 歴 を 調 査 するこ とにより 従 前 の 住 所 を 手 掛 かりとして 人 物 の 特 定 を 行 います 具 体 の 住 所 の 履 歴 調 査 については 同 姓 同 名 の 者 の 住 民 基 本 台 帳 データに 記 載 された 本 籍 地 で 戸 籍 の 附 票 の 写 しを 収 集 し そこに 記 載 された 従 前 の 住 所 が 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 に 記 載 された 住 所 と 一 致 するかどうかの 確 認 を 行 い 一 致 していた 場 合 には (1) 書 面 上 の 居 所 が 判 明 したこととなり ますので パターン1による 居 住 確 認 調 査 を 行 います 一 方 住 所 の 履 歴 も 一 致 しなかった 場 合 には 土 地 所 有 者 は 不 明 となり パターン5による 調 査 へと 移 行 します パターン4 ( 書 面 上 の 居 所 不 明 かつ 書 面 上 で 同 姓 同 名 者 死 亡 の 場 合 ) 各 種 情 報 を 突 合 した 結 果 (6) 土 地 所 有 者 の 書 面 上 の 居 所 が 判 明 せず (9) 土 地 所 有 者 と 同 姓 同 名 の 者 の 死 亡 が 確 認 された 場 合 には その 同 姓 同 名 の 者 が 土 地 等 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 に 記 載 された 土 地 所 有 者 であるかどうかの 確 認 を 行 うため パターン3 同 様 戸 籍 の 附 票 の 写 しから 住 所 の 履 歴 を 調 査 することとなります これにより 同 姓 同 名 者 を 従 前 の 土 地 所 有 者 と 特 定 できた 場 合 には その 者 の 法 定 相 続 人 の 追 跡 調 査 を 行 います (パターン2) 一 方 住 所 の 履 歴 も 一 致 しなかった 場 合 は 土 地 所 有 者 は 不 明 となり パターン5による 調 査 へと 移 行 します 法 定 相 続 人 の 追 跡 調 査 に ついて Ⅴ 参 考 資 料 P77 参 照 パターン5 ( 書 面 上 の 居 所 不 明 かつ 手 懸 かりなしの 場 合 ) 各 種 情 報 を 突 合 した 結 果 (6) 土 地 所 有 者 の 書 面 上 の 居 所 が 判 明 しない 場 合 で 何 も 手 懸 かりがなく(11) 不 明 であった 場 合 には 土 地 に 関 する 登 記 事 項 証 明 書 に 記 載 された 住 所 や 課 税 台 帳 等 に 記 載 された 住 所 での 聞 取 り 調 査 を 実 施 しますが 仮 に 津 波 浸 水 区 域 で 周 辺 での 居 住 実 態 が 見 られない 場 合 等 にあっては 地 元 区 長 や 自 治 会 長 等 に 対 し 聞 取 りを 行 います これにより 手 懸 かりとなりそうな 親 族 の 情 報 が 得 られた 場 合 には その 情 報 に 基 づき (12) 親 族 の 住 民 票 の 写 しの 調 査 を 実 施 し (13) 判 明 した 居 所 にて 土 地 所 有 者 に 関 する 聞 取 り 調 査 を 行 うことで 探 16
していた 土 地 所 有 者 の 情 報 が 得 られた 場 合 には 住 民 票 の 写 しの 調 査 を 実 施 し (1) 書 面 上 の 居 所 が 判 明 すれば パターン1による 調 査 を 行 います しかし 書 面 上 の 調 査 現 地 での 調 査 親 族 等 への 聞 取 り 調 査 など あらゆ る 調 査 を 行 っても 土 地 所 有 者 が 生 存 しているが その 行 方 が 判 明 しない 場 合 や その 生 死 すら 判 明 しない 場 合 また 死 亡 は 判 明 しているが その 相 続 人 のあることが 明 らかでない 場 合 等 土 地 所 有 者 たる 者 の 居 所 が 不 明 な 場 合 に は Ⅳで 紹 介 する 各 種 制 度 ( 不 在 者 財 産 管 理 制 度 相 続 財 産 管 理 制 度 等 )の 活 用 を 検 討 するとともに 復 興 特 区 法 に 基 づく 筆 界 特 定 制 度 の 特 例 ( 第 73 条 ) 復 興 整 備 計 画 や 復 興 整 備 事 業 のための 土 地 の 立 入 りについての 特 例 ( 第 65 条 - 第 68 条 )を 活 用 し 事 業 に 必 要 な 用 地 取 得 等 を 進 めることが 考 えられます 不 在 者 財 産 管 理 制 度 につ いて Ⅳ 土 地 の 権 利 者 が 所 在 不 明 の 場 合 の 対 応 P36 参 照 相 続 財 産 管 理 制 度 につい て Ⅳ 土 地 の 権 利 者 が 所 在 不 明 の 場 合 の 対 応 P40 参 照 17