各 県 別 海 事 産 業 の 経 済 学 青 森 県 掲 載 誌 掲 載 年 月 : 日 本 海 事 新 聞 1401 日 本 海 事 センター 企 画 研 究 部 情 報 課 長 奈 良 孝 1. 県 勢 青 森 県 は 日 本 の 本 州 最 北 端 に 位 置 し 北 は 津 軽 海 峡 を 隔 てて 北 海 道 に 相 対 し 東 は 太 平 洋 西 は 日 本 海 に 面 し 南 は 岩 手 県 秋 田 県 に 隣 接 している 面 積 は 9,644.5km 2 と 全 国 第 8 位 で 日 本 国 土 の 約 2.5%を 占 め 海 岸 線 総 延 長 は 796.2km と 全 国 第 13 位 の 長 さである 八 甲 田 連 峰 で 県 内 が 津 軽 ( 西 部 )と 南 部 ( 南 東 部 )とに 二 分 され それぞれの 地 域 が 豊 かな 個 性 を 持 ち 文 化 歴 史 方 言 気 質 等 に 違 いがある 海 運 港 湾 の 歴 史 をみると 津 軽 海 峡 は 古 くから 本 州 から 蝦 夷 地 北 海 道 へ 向 か う 拠 点 であり 北 方 世 界 から 本 州 への 入 口 として 人 ものが 交 差 する 交 通 の 動 脈 であった 青 森 の 海 運 港 を 語 る 上 で 欠 かせないのが 十 三 湊 (とさみなと 近 世 以 降 じゅうさんみなと )である 同 湊 は 鎌 倉 時 代 後 期 に 豪 族 安 東 氏 の 本 拠 地 で 北 海 道 のアイヌと 和 人 との 間 の 重 要 な 交 易 拠 点 であった 司 馬 遼 太 郎 氏 によれば 安 東 氏 は 北 海 道 と 朝 鮮 中 国 を 一 つの 円 内 におさめて 津 軽 の 地 理 的 位 置 を 海 上 交 易 に 使 っており 十 三 湊 とその 周 辺 こそ 北 のまほろば だったかもしれない ( 街 道 をゆく)という また 日 本 海 側 の 湊 は 江 戸 時 代 中 期 から 明 治 三 十 年 代 まで 大 阪 と 北 海 道 を 日 本 海 航 路 で 結 んでいた 回 船 である 北 前 船 との 関 わりが 深 い 県 庁 所 在 地 は 青 森 市 で 市 町 村 数 は 40 県 の 人 口 は 1,349 千 人 ( 12 年 10 月 現 在 ) で 全 国 第 31 位 海 運 業 を 含 む 運 輸 業 の 就 業 人 口 は 4.0 万 人 (シェア 5.9% 以 下 同 様 )である 第 一 次 産 業 従 事 者 の 割 合 は 13.0%と 全 国 平 均 の 5.0%に 比 べ 高 い 水 準 に あり 青 森 県 の 産 業 の 特 徴 の 一 つといえる 10 年 度 の 県 内 総 生 産 は 4 兆 4,748 億 円 で 日 本 全 体 の 0.903%で 全 国 第 28 位 の 規 模 である 県 内 総 生 産 のうち 第 一 次 産 業 は 0.17 兆 円 (3.8%) 第 二 次 産 業 は 0.96 兆 円 (21.5%) 第 三 次 産 業 は 3.35 兆 円 (74.6%)である また 海 運 業 を 含 む 運 輸 通 信 業 の 総 生 産 額 は 0.28 兆 円 (8.2%) である 全 国 第 1 位 の 生 産 を 誇 る 特 産 品 としては 農 産 物 ではリンゴ にんにく ながい も ごぼう 等 水 産 物 ではヒラメ いか 類 わかさぎ 等 がある また 製 造 品 出 荷 額 (12 年 工 業 統 計 )が 全 国 的 に 上 位 の 工 業 製 品 としては 食 品 関 連 ではさば 缶 詰 ( 出 荷 額 44 億 円 シェア 42.8% 1) 繊 維 関 連 ではパンティス 1
トッキング( 同 56 億 円 同 17.4% 1) 業 務 用 機 械 電 子 部 品 関 連 では 事 務 用 機 械 器 具 の 部 分 品 附 属 品 ( 同 723 億 円 同 20.8% 2) 等 がある( 数 字 は 全 国 の 順 位 ) 青 森 市 周 辺 の 交 通 の 特 徴 は 中 心 市 街 地 に 青 森 港 と 青 森 駅 が 隣 接 し 青 森 空 港 東 北 自 動 車 道 へのアクセスがよいことにもみられるとおり 陸 海 空 それぞれの 輸 送 拠 点 が 密 接 に 連 携 していることである さらに 北 海 道 新 幹 線 ( 新 青 森 - 新 函 館 ( 仮 称 ))が 16 年 3 月 開 業 予 定 であることから 北 海 道 との 交 通 の 利 便 性 向 上 も 見 込 まれ クルーズ 客 船 寄 港 誘 致 促 進 の 一 つの 大 きな 売 りとなっている 港 湾 では 青 森 港 は 本 州 と 北 海 道 を 結 ぶ 拠 点 であり フェリー 等 の 入 出 港 が 多 い ことから 内 貿 貨 物 取 扱 量 で 東 北 第 1 位 八 戸 港 は 産 業 集 積 を 背 景 に 工 業 港 商 港 漁 港 の 性 格 を 備 えており 外 貿 貨 物 取 扱 量 は 東 北 第 3 位 とそれぞれの 特 徴 を 活 かし た 役 割 機 能 分 担 がされている また 水 産 業 では 大 間 のマグロが 全 国 的 に 有 名 であり 漁 業 就 業 者 数 漁 業 経 営 体 数 漁 獲 量 等 も 全 国 的 に 上 位 で 日 本 有 数 の 漁 業 県 である 2. 港 湾 (1) 港 湾 概 観 青 森 県 には 重 要 港 湾 の 青 森 港 八 戸 港 むつ 小 川 原 港 の 3 港 大 間 港 尻 屋 岬 港 深 浦 港 等 の 地 方 港 湾 11 港 と 関 根 浜 港 の 合 計 15 港 があり 漁 港 の 92 港 も 含 めると 青 森 県 の 港 の 数 は 107 港 になる ちなみに 重 要 港 湾 地 方 港 湾 の 合 計 の 15 は 東 北 地 方 で 最 多 である (2) 青 森 港 青 森 港 は 本 州 の 北 の 玄 関 として 古 くから 北 海 道 とを 結 ぶ 連 絡 港 や 東 北 地 方 以 南 に 対 する 物 流 の 中 心 として 栄 えた 1871 年 の 廃 藩 置 県 により 青 森 市 には 青 森 県 庁 が 設 置 され 県 の 財 政 経 済 文 化 の 中 心 地 となり 1891 年 東 北 本 線 1894 年 に 奥 羽 本 線 が 開 通 したことにより 青 森 港 は 北 海 道 連 絡 の 発 着 地 点 として 陸 海 交 通 の 重 要 拠 点 となった 1907 年 には 第 2 種 重 要 港 湾 に 指 定 され 1908 年 には 鉄 道 省 に よる 鉄 道 連 絡 船 (1988 年 までの 80 年 )が 設 定 された 1925 年 には 青 函 航 路 に 当 時 交 通 史 上 はじめて 貨 物 車 航 送 が 開 始 され 輸 送 力 の 増 強 確 保 が 図 られた 2010 年 に は 重 要 港 湾 のうちから 重 点 的 に 投 資 し 港 湾 政 策 に 徹 底 することを 目 的 に 国 土 交 通 大 臣 が 指 定 する 重 点 港 湾 に 選 定 された 港 周 辺 には 食 品 関 連 企 業 木 材 関 連 企 業 等 のほかに A-Factory アスパム ね ぶたの 家 ワ ラッセ メモリアルシップ 八 甲 田 丸 等 の 観 光 商 業 施 設 が 隣 接 してお り 背 後 圏 には 西 部 工 業 団 地 青 森 中 核 工 業 団 地 等 の 工 業 団 地 がある 11 年 の 外 貿 内 貿 取 扱 貨 物 量 は 33.4 百 万 トン 輸 出 入 貨 物 合 計 は 543 千 トン( 輸 出 99 千 トン 輸 入 は 444 千 トン)と 07 年 から 09 年 まで 前 年 比 3 年 連 続 で 減 少 し たが 10 年 からは 同 2 年 連 続 で 増 加 している 輸 出 の 主 要 品 目 は 全 輸 出 の 98.5% 2
が 金 属 くず 類 (97.5 千 トン) 輸 入 の 主 要 品 目 は 全 輸 入 の 91.3%が 中 東 からの LPG (406 千 トン)である 移 出 入 をみると 移 出 入 貨 物 合 計 は 32.8 百 万 トン( 移 出 15.6 百 万 トン 移 入 17.1 百 万 トン)と 10 年 から 前 年 比 2 年 連 続 で 増 加 している 主 な 移 出 貨 物 の 97.9% 移 入 貨 物 の 88.3%はフェリーによる 車 両 であるが それ を 除 く 移 出 貨 物 は LPG 非 金 属 鉱 物 等 で 移 入 貨 物 では 石 油 製 品 セメント 重 油 等 である 係 留 施 設 として 31 のバースであり うち 岸 壁 20 バース 桟 橋 11 バースが 整 備 されている また 周 辺 の 東 西 オイル 桟 橋 に 東 西 オイルターミナル 野 内 桟 橋 には ジャパンオイルネットワーク 等 のエネルギー 関 連 企 業 の 専 用 ターミナルがある また 65 年 よりカーフェリーが 就 航 したことに 伴 い 72 年 に 青 森 県 フェリー 埠 頭 公 社 が 設 立 され 74 年 に 3 バースの 供 用 を 開 始 し 現 在 4 バースを 供 用 してい る クルーズ 客 船 は 12 年 度 で 11 船 が 寄 港 した 新 中 央 埠 頭 岸 壁 はクルーズ 船 が 訪 れ る 東 北 地 方 唯 一 の 大 型 客 船 対 応 ターミナルで 中 心 市 街 地 に 隣 接 している < 図 1> 青 森 港 の 外 観 青 森 港 湾 事 務 所 HP (3) 八 戸 港 八 戸 港 は 青 森 県 の 太 平 洋 南 部 に 位 置 する 重 要 港 湾 である 製 紙 金 属 製 造 業 等 を 中 心 とした 生 産 拠 点 でもある 1929 年 に 八 戸 市 が 誕 生 し 1930 年 に 鮫 浦 港 から 八 戸 港 へと 改 称 1951 年 に 重 要 港 湾 に 指 定 された その 後 八 戸 火 力 発 電 所 日 曹 製 鋼 の 立 地 があり 日 本 石 油 出 光 興 産 等 十 数 社 に 及 ぶ 石 油 メーカーの 油 槽 施 設 が 立 地 した 64 年 には 八 戸 地 区 が 新 産 業 都 市 に 指 定 されると 臨 海 部 に 製 紙 業 非 鉄 金 属 3
業 等 の 基 礎 素 材 型 企 業 が 相 次 いで 立 地 して 工 業 港 として 本 格 的 な 整 備 が 進 められ た 港 周 辺 の 後 背 地 には 北 日 本 造 船 大 平 洋 金 属 八 戸 製 錬 三 菱 製 紙 コープ ケミカル 東 北 グレーンターミナル 等 の 企 業 が 立 地 している また 同 港 は 03 年 に は 総 合 静 脈 物 流 拠 点 港 に 指 定 され 10 年 には 重 点 港 湾 に 選 定 された 海 外 との 交 流 では 米 国 タコマ 港 と 95 年 に 経 済 貿 易 協 定 を 締 結 10 年 には 新 経 済 貿 易 協 定 を 締 結 更 新 した 11 年 の 外 貿 内 貿 取 扱 貨 物 量 は 19.8 百 万 トン 輸 出 入 貨 物 合 計 は 5.4 百 万 トン( 輸 出 395 千 トン 輸 入 は 5,004 千 トン)で 10 年 は 前 年 比 5 年 ぶりで 増 加 したが 11 年 は 東 日 本 大 震 災 の 影 響 により 前 年 比 28.2% 減 と 大 幅 に 減 少 した 輸 出 量 は 07 年 以 来 前 年 比 4 年 ぶりの 減 少 となる 17.0% 減 の 395 千 トン 一 方 10 年 の 輸 入 量 は 前 年 比 5 年 ぶりで 増 加 したが 11 年 は 前 年 比 29.0% 減 となる 5,004 千 トンと 大 幅 に 減 少 した 輸 出 の 品 目 別 では 鉄 鋼 (135 千 トン) 非 金 属 鉱 物 (110 千 トン) 水 産 品 (34 千 トン)の 順 で 上 位 3 品 目 で 全 輸 出 量 の 約 7 割 を 占 める 一 方 輸 入 の 品 目 別 で は 金 属 鉱 (1,606 千 トン) とうもろこし(892 千 トン) 木 材 チップ(857 千 トン) 石 炭 (654 千 トン)の 順 で 上 位 4 品 目 で 全 輸 入 量 の 約 8 割 を 占 める 移 出 入 をみると 移 出 入 量 合 計 は 14.4 百 万 トン( 移 出 6.8 百 万 トン 移 入 7.6 百 万 トン)で 移 出 移 入 量 ともに 前 年 比 2 年 ぶりの 減 少 となった 移 出 貨 物 の 品 目 別 ではフェリー 貨 物 が 全 移 出 量 の 約 5 割 を 占 め それを 除 くと 石 灰 石 セメントの 順 移 入 貨 物 でもフェリー 貨 物 が 全 移 入 量 の 約 5 割 を 占 め それ を 除 くと 石 油 製 品 重 油 完 成 自 動 車 の 順 となっている クルーズ 客 船 は 08 年 以 降 は 毎 年 1 船 寄 港 している 3. 海 運 等 (1) 外 航 海 運 内 航 海 運 八 戸 港 においては 94 年 に 東 北 で 初 めて 東 南 アジアコンテナ 航 路 が 開 設 され 外 貿 コンテナ 貨 物 の 取 扱 を 開 始 した 97 年 には 中 国 98 年 には 韓 国 北 米 西 岸 コン テナとの 間 で 定 期 航 路 が 開 設 された また 中 国 コンテナ 定 期 航 路 は 98 年 より 中 国 韓 国 コンテナ 定 期 航 路 として 韓 国 船 社 の 南 星 海 運 がサービスを 行 っている 12 年 5 月 には 航 路 が 再 編 され 釜 山 と 八 戸 間 にフルコンテナ 船 5 隻 投 入 して 2 便 / 週 体 制 となった 外 貿 内 貿 コンテナ 貨 物 取 扱 量 ( 実 入 り)は 10 年 (21,513TEU)は 過 去 最 高 の 取 扱 量 を 記 録 11 年 は 東 日 本 大 震 災 の 影 響 により 前 年 比 33.7% 減 の 15,131TEU となったが 12 年 は 同 37.3% 増 の 19,425TEU まで 回 復 した 外 貿 コンテナの 輸 出 コンテナ 取 扱 量 の 品 目 別 (トンベース)では 鉄 鋼 (シェア 44% 以 下 同 様 ) 水 産 品 (15.8%) 再 利 用 資 材 (9.6%)の 順 で 国 別 では 中 国 (35%) オランダ(24%) 台 湾 (19%)の 順 となっている 輸 入 コンテナ 取 扱 量 の 品 目 別 で 4
は 動 植 物 性 製 造 飼 肥 料 (13.4%) 製 造 食 品 (9.6%) 化 学 薬 品 (8.5%)の 順 で 国 別 では 中 国 (33%) 韓 国 (15%) 米 国 (10%)の 順 となっている < 図 表 1> 八 戸 港 コンテナ 貨 物 取 扱 量 の 推 移 コンテナ 貨 物 外 貿 コンテナ 貨 物 内 貿 コンテナ 貨 物 年 輸 移 出 輸 移 入 合 計 伸 率 (%) 輸 出 輸 入 小 計 伸 率 (%) 移 出 移 入 小 計 伸 率 (%) 平 成 13(2001) 年 6,948 9,806 16,754 6,888 9,473 16,361 60 333 393 平 成 14(2002) 年 7,018 10,459 17,477 4.3 6,937 9,994 16,931 3.5 81 465 546 38.9 平 成 15(2003) 年 6,660 10,953 17,613 0.8 6,645 10,593 17,238 1.8 15 360 375 31.3 平 成 16(2004) 年 7,113 11,668 18,781 6.6 7,086 11,393 18,479 7.2 27 275 302 19.5 平 成 17(2005) 年 7,813 12,319 20,132 7.2 7,802 12,112 19,914 7.8 11 207 218 27.8 平 成 18(2006) 年 8,006 13,036 21,042 4.5 7,202 12,908 20,110 1.0 804 128 932 327.5 平 成 19(2007) 年 7,953 13,085 21,038 0.0 6,669 13,038 19,707 2.0 1,284 47 1,331 42.8 平 成 20(2008) 年 8,891 13,915 22,806 8.4 6,352 13,242 19,594 0.6 2,539 673 3,212 141.3 平 成 21(2009) 年 12,008 12,962 24,970 9.5 9,440 10,197 19,637 0.2 2,568 2,765 5,333 66.0 平 成 22(2010) 年 15,402 12,815 28,217 13.0 11,533 9,980 21,513 9.6 3,869 2,835 6,704 25.7 平 成 23(2011) 年 9,942 8,759 18,701 33.7 7,265 7,866 15,131 29.7 2,677 893 3,570 46.7 平 成 24(2012) 年 13,878 11,803 25,681 37.3 9,408 10,017 19,425 28.4 4,470 1,786 6,256 75.2 八 戸 港 統 計 年 報 内 航 海 運 (11 年 3 月 現 在 )では 100 総 トン 以 上 の 船 舶 を 使 用 している 登 録 事 業 者 が 23 社 38 隻 100 総 トン 未 満 の 船 舶 を 使 用 している 届 出 事 業 者 は 41 社 76 隻 となっている 地 元 企 業 では 青 森 市 に 細 川 産 業 等 があり 八 戸 市 には 扶 桑 船 舶 八 戸 船 舶 等 が ある また 地 元 企 業 ではないが 八 戸 港 寄 港 の 内 航 フィーダーサービスを 行 って いるのは 神 戸 市 の 井 本 商 運 ( 京 浜 八 戸 : 週 1 便 ) 静 岡 市 の 鈴 与 海 運 ( 横 浜 八 戸 苫 小 牧 仙 台 等 : 週 1 便 ) 横 浜 市 の 横 浜 コンテナライン( 横 浜 仙 台 宮 古 八 戸 苫 小 牧 : 週 1 便 )の 3 社 である また RORO 船 定 期 航 路 のサービスを 行 っているのは 神 戸 市 のプリンス 海 運 ( 苫 小 牧 八 戸 川 崎 : 週 2 便 )と 名 古 屋 市 のフジトランスコーポレーション( 名 古 屋 仙 台 苫 小 牧 八 戸 :1 便 /4 日 ) の 2 社 である (2)フェリー 旅 客 船 フェリー 事 業 では 青 函 ( 青 森 港 - 函 館 港 ) 航 路 にフェリーを 運 航 させているの は 津 軽 海 峡 フェリーと 青 函 フェリーである 津 軽 海 峡 フェリー( 本 社 : 函 館 市 )は ブルーオーシャンのグループ 会 社 で 青 函 航 路 (8 往 復 / 日 )と 大 函 航 路 ( 大 間 港 - 函 館 港 :2 往 復 / 日 )でフェリーを 就 航 させている 青 函 航 路 の 運 航 船 は ブルードルフィン 等 4 隻 大 函 航 路 は 大 間 町 と 函 館 市 の 生 活 航 路 となっている 13 年 4 月 に 新 造 船 大 函 丸 が 就 航 し それ に 合 わせて 大 間 港 に 新 ターミナルがオープンした 青 函 フェリー( 本 社 : 函 館 市 )は 栗 林 商 船 グループで 一 般 旅 客 定 期 航 路 事 業 5
内 航 運 送 取 扱 業 船 舶 代 理 業 等 を 営 む 共 栄 海 運 と 日 本 通 運 グループで 一 般 旅 客 定 期 航 路 事 業 内 航 運 送 取 扱 業 を 営 む 北 日 本 海 運 の 共 同 で はやぶさ 等 4 隻 (8 往 復 / 日 )を 運 航 している 川 崎 近 海 汽 船 は 八 苫 航 路 ( 八 戸 港 - 苫 小 牧 港 )にフェリーを 運 航 させており この 航 路 は シルバーフェリー の 愛 称 で 呼 ばれる 同 航 路 (4 往 復 / 日 )の 運 航 船 は シルバープリンセス 等 4 隻 また 同 社 は 東 日 本 大 震 災 の 影 響 により 運 航 中 止 していた 八 苫 航 路 の 振 替 航 路 として 一 時 的 に 青 苫 航 路 ( 青 森 - 苫 小 牧 )に フェリーを 就 航 させた 12 年 度 の 旅 客 人 数 34.4 万 人 乗 用 車 63 千 台 等 と 震 災 前 よりも 増 加 した また 東 津 軽 郡 外 ヶ 浜 町 のむつ 湾 フェリーは むつ 湾 内 の 蟹 田 - 脇 野 沢 間 ( 冬 期 休 航 )にフェリーを 就 航 させている 青 森 市 のシィラインは 青 森 - 脇 野 沢 - 牛 滝 - 福 浦 - 佐 井 間 に 高 速 船 を 就 航 させており 生 活 航 路 観 光 航 路 としての 役 割 を 担 っている その 他 に 旅 客 船 事 業 では 13 年 7 月 現 在 13 の 旅 客 船 事 業 者 21 の 旅 客 航 路 ( 一 般 旅 客 定 期 航 路 9 旅 客 不 定 期 航 路 12)がある < 図 表 2> フェリー 航 路 の 現 状 事 業 者 名 航 路 名 事 業 開 始 年 月 所 要 時 間 ( 時 間 : 分 ) 運 航 回 航 路 距 離 (Km) 数 等 船 名 ( 総 トン: 旅 客 定 員 : 航 海 速 度 [ノット]) 青 函 フェリー 定 期 航 路 S47(1972).6 113 3:50~4:00 はやぶさ (1,777トン:80 名 ) [ 共 栄 運 輸 ( 株 ) 北 日 本 海 運 ( 株 ) 共 同 ] 青 森 ~ 函 館 3 号 はやぶさ (2,107トン:105 名 ) 1 日 8 往 復 あさかぜ (2,048トン:198 名 ) あさかぜ5 号 (1,958トン:103 名 ) 津 軽 海 峡 フェリー( 株 ) 定 期 航 路 S47(1972).8 113 3:40~3:50 ブルードルフィン (7,003トン:586 名 :20.0) 青 森 ~ 函 館 びなす (7,198トン:590 名 :20.0) 1 日 8 往 復 びるご (6,706トン:580 名 :20.0) えさん2000 (2,367トン:78 名 :17.5) 川 崎 近 海 汽 船 ( 株 ) 定 期 航 路 S48(1973).4 242 7:15~9:00 シルバークイーン (7,005トン:600 名 :20.7) 八 戸 ~ 苫 小 牧 シルバープリンセス (10,500トン:500 名 :18.2) 1 日 4 往 復 べにりあ (6,558トン:450 名 :19.4) シルバーエイト (9,483トン:600 名 :20.5) 津 軽 海 峡 フェリー( 株 ) 定 期 航 路 H20(2008).12 40 1:40 大 函 丸 (1,912トン:478 名 :18.0) 大 間 ~ 函 館 1 日 2 往 復 むつ 湾 フェリー( 株 ) 定 期 航 路 S55(1980).4 22.6 1:00 かもしか(611トン:240 名 ) 蟹 田 ~ 脇 野 沢 1 日 4 便 (8.8~18は6 便 ) 業 務 概 要 ( 国 土 交 通 省 東 北 運 輸 局 青 森 運 輸 支 局 ) (3) 港 湾 運 送 業 倉 庫 業 青 森 港 の 港 湾 運 送 では 一 般 港 湾 運 送 事 業 を 行 う 青 森 通 運 と 日 本 通 運 青 森 支 店 の 2 社 がある 八 戸 港 の 港 湾 運 送 では 一 般 港 湾 運 送 事 業 を 行 う 八 戸 港 湾 運 送 と 新 丸 港 運 の 2 社 がある 八 戸 港 湾 運 送 は 1942 年 創 業 で むつ 小 川 原 港 に 営 業 所 を 持 ち 船 舶 代 理 店 業 倉 庫 業 等 も 行 っている 主 な 取 引 先 は 三 菱 製 紙 東 北 グレーンター 6
ミナル 東 北 電 力 八 戸 製 錬 等 がある 倉 庫 業 では 1947 年 に 青 森 県 倉 庫 協 会 が 設 立 され 11 年 1 月 現 在 の 会 員 会 社 数 は 28 社 青 森 市 には 日 本 通 運 青 森 支 店 青 森 通 運 やヤマウ 鳥 谷 部 臨 港 倉 庫 等 の 地 元 企 業 が 10 社 八 戸 市 には 八 戸 運 輸 倉 庫 八 戸 臨 港 倉 庫 等 の 地 元 企 業 が 13 社 弘 前 市 他 に 5 社 がある 4. 造 船 業 舶 用 工 業 青 森 県 には 造 船 法 及 び 小 型 造 船 業 法 の 許 可 登 録 届 出 事 業 所 は 17 社 事 業 所 がある 青 森 市 には 細 川 産 業 の 関 係 企 業 で 1980 年 創 業 の 北 浜 造 船 鉄 工 がある 主 な 事 業 は 船 舶 の 建 造 修 理 及 び 舶 用 機 関 機 器 の 修 理 等 で 500 総 トン 以 上 の 小 型 鋼 船 木 船 の 建 造 設 備 を 有 する 12 年 の 建 造 実 績 は 曳 船 タグボート 作 業 船 等 5 隻 八 戸 市 には 北 日 本 造 船 八 戸 造 船 事 業 協 同 組 合 八 戸 港 造 船 沼 館 工 場 角 清 造 船 等 がある 1969 年 創 業 の 北 日 本 造 船 は 建 造 船 台 1 台 建 造 乾 ドック 台 1 台 等 の 設 備 を 有 する 近 年 は 冷 蔵 運 搬 船 混 載 自 動 車 専 用 船 LPG 運 搬 船 等 各 種 多 様 な 高 付 価 値 船 を 建 造 し 09 年 の 建 造 実 績 は 9 隻 で 青 森 県 の 船 舶 の 輸 出 に 貢 献 している その 他 に 十 和 田 湖 観 光 汽 船 十 和 田 湖 造 船 所 十 和 田 観 光 電 鉄 十 和 田 湖 造 船 所 等 が ある 舶 用 工 業 では 舶 用 機 関 修 繕 整 備 販 売 業 は 17 社 であるが 舶 用 機 関 機 器 製 造 業 を 営 む 企 業 はない 5. 曳 船 水 先 案 内 人 海 事 代 理 士 青 森 港 では 青 森 県 青 森 港 管 理 所 八 戸 港 では 八 戸 港 湾 運 送 の 関 係 企 業 の 東 日 本 タ グボートが 曳 船 事 業 を 行 っている 水 先 関 連 では 八 戸 水 先 区 水 先 人 会 の 会 員 数 (12 年 度 )は 2 名 で 同 年 度 の 実 績 は 日 本 船 舶 が 44 隻 外 国 船 舶 が 494 隻 と 合 計 538 隻 13.5 万 総 トンとなっている 青 森 県 の 海 事 代 理 士 は 12 年 で 17 名 と 東 北 では 宮 城 県 の 39 名 に 次 ぐ 人 数 である 6. 船 員 教 育 育 成 機 関 と 船 員 数 青 森 県 (11 年 )で 雇 用 されている 船 員 は 1,418 名 ( 乗 組 員 1,371 名 と 予 備 員 47 名 ) で 内 訳 は 汽 船 99 名 漁 船 1,093 名 その 他 船 舶 が 179 名 東 北 六 県 合 計 の 船 員 数 は 5,933 名 (うち 予 備 員 157 名 )で 青 森 県 が 23.9%を 占 め 宮 城 県 に 次 いで 第 2 位 である 八 戸 市 に 県 内 唯 一 の 水 産 海 洋 系 高 校 である 青 森 県 立 八 戸 水 産 高 等 学 校 がある 1909 年 に 青 森 県 水 産 試 験 場 伝 習 部 として 創 立 され 1918 年 に 青 森 県 水 産 講 習 所 に 改 称 され 08 年 に 創 立 100 周 年 を 迎 えた 学 科 は 海 洋 生 産 科 水 産 食 品 科 等 に 加 え 専 攻 科 として 漁 業 科 機 関 科 がある 03 年 にはハワイ 南 西 海 域 に 航 海 実 習 を 行 う 実 習 船 青 森 丸 が 建 造 された 7