今 年 の 花 粉 飛 散 量 予 測 と 花 粉 症 対 策 について 今 年 の 花 粉 飛 散 量 は 一 部 の 地 域 を 除 いて 全 国 的 に 例 年 より 多 くなると 予 測 されている 年 々 花 粉 症 の 患 者 数 が 上 昇 するなか 一 部 の 試 算 では 花 粉 症 による 国 内 の 経 済 損 失 は 数 千 億 円 にも 上 るといわれている そこで 今 回 は 今 年 の 花 粉 飛 散 量 予 測 とともに 花 粉 症 の 予 防 策 と 関 連 商 品 の 動 向 につ いてみてみたい 1. 花 粉 症 の 概 要 花 粉 症 とは スギやヒノキなどの 花 粉 が 抗 原 (アレルギーの 原 因 物 質 )となって 起 こるアレ ルギー 疾 患 の 一 種 である 日 本 では 196 年 代 に 初 めてスギ 花 粉 症 の 報 告 がされて 以 来 年 々 患 者 数 は 増 加 傾 向 にあり 現 在 では 人 口 の 約 16%にもなると 推 計 されている 花 粉 症 による 主 な 症 状 は 以 下 のとおりである 花 粉 症 の 主 な 症 状 患 部 症 状 詳 細 鼻 くしゃみ くしゃみは 外 から 入 った 異 物 を 外 に 出 そうとする 防 御 反 応 であり 花 粉 症 で は 連 続 して 何 度 も 起 こるのが 特 徴 水 様 性 鼻 水 ( 水 性 鼻 漏 ) 花 粉 症 で 鼻 水 の 分 泌 が 亢 進 し 鼻 から 出 たり のどに 流 れたりする( 後 鼻 漏 ) 鼻 水 は 水 溶 性 で いくらかんでも 出 てくる 鼻 閉 ( 鼻 づまり) 肥 満 細 胞 から 分 泌 された 化 学 伝 達 物 質 により 生 じる 鼻 粘 膜 膨 脹 や 血 流 悪 化 に よって 生 じる 重 症 化 すると 鼻 が 完 全 につまり 口 呼 吸 になる 眼 眼 の 症 状 激 しいかゆみ 結 膜 充 血 涙 目 など 1 / 7
2. 花 粉 症 有 病 者 の 割 合 およそ6 人 に 1 人 日 本 アレルギー 協 会 の 平 成 15 年 の 疫 学 調 査 によると 近 畿 地 方 の 花 粉 症 の 有 病 率 は 17.4% と 全 国 の 15.6%を 上 回 る 結 果 となった また 近 年 では 花 粉 症 発 症 年 齢 の 若 年 化 が 叫 ばれて いる 花 粉 症 を 引 き 起 こす 植 物 は 日 本 では 約 5 種 類 が 報 告 されており 例 えば スギ 林 の 面 積 は 全 国 の 森 林 の 18% 国 土 の 12%を 占 めている なお 花 粉 症 に 対 して 十 分 な 注 意 が 必 要 といわれる 花 粉 飛 散 量 は 2, 個 /cm2 といわれてい る 35. 地 域 別 花 粉 症 の 有 病 率 ( 単 位 :%) 花 粉 症 の 有 病 率 全 国 平 均 3. 28.7 25. 23.6 2. 21. 17.4 19.1 17.4 16.9 16.4 全 国 平 均 15.6% 15. 13.7 12.8 1. 5.. 東 北 北 関 東 南 関 東 東 海 北 陸 甲 信 越 近 畿 四 国 九 州 沖 縄 資 料 : 厚 生 労 働 省 ホームページ 日 本 アレルギー 協 会 会 長 による 疫 学 調 査 を 参 考 に 作 成 2 / 7
3. 県 内 の 花 粉 量 予 測 前 シーズンより かなり 多 い スギ 及 びヒノキ 花 粉 の 飛 散 量 は 前 年 夏 の 気 象 状 況 に きな 影 響 を 受 ける 花 粉 数 に 影 響 するの は6 月 から8 月 の 日 照 時 間 や 気 温 降 水 量 等 で 特 に7 月 上 旬 から8 月 中 旬 にかけての 期 間 の 影 響 が きい また 少 量 飛 散 年 の 翌 年 は 花 粉 の 飛 散 量 が 増 加 するという 傾 向 が 見 られる 環 境 省 の 平 成 25 年 春 における 都 道 府 県 別 花 粉 総 飛 散 量 (スギ ヒノキの 総 数 ) 予 測 ( 第 3 報 ) によると 県 内 ( 津 )の 平 成 24 年 の1 月 末 から5 月 までの 花 粉 の 飛 散 量 実 績 値 は 4,184 個 / cm2 と 例 年 に 比 べると 少 量 だった しかし 平 成 25 年 の 予 測 値 は 7,65 個 /cm2 で 前 シーズ ン 比 83% 増 と かなり 多 い といわれる 水 準 になった また 例 年 値 ( 過 去 1 年 間 の 平 均 値 )と 比 べても 16% 増 となる 見 込 みである これは 平 成 24 年 7 月 と8 月 の 日 照 時 間 が 長 く 気 温 も 高 めだったことと 前 シーズンが 少 量 飛 散 年 だったことが 影 響 しているとみられている 県 内 の 花 粉 総 飛 散 量 (スギ ヒノキの 総 数 )の 推 移 ( 単 位 : 個 /cm2) 16, 花 粉 総 飛 散 量 例 年 値 ( 過 去 1 年 の 平 均 値 ) 14, 12, 1, 8, 前 シーズン 比 +83% 例 年 比 +16% 7,65 6, 4, 4184 2, H19 年 H2 年 H21 年 H22 年 H23 年 H24 年 H25 年 ( 予 測 ) 資 料 : 環 境 省 都 道 府 県 別 花 粉 総 飛 散 量 (スギ ヒノキの 総 数 ) 予 測 をもとに 作 成 注 : 期 間 は1 月 末 から5 月 まで 3 / 7
4 / 7 4. 全 国 の 花 粉 量 予 測 津 は 第 6 位 今 年 の 花 粉 飛 散 量 の 予 測 については 環 境 省 の 平 成 25 年 春 における 都 道 府 県 別 花 粉 総 飛 散 量 (スギ ヒノキの 総 数 ) 予 測 ( 第 3 報 ) によると 一 部 の 地 域 を 除 き 全 国 的 に 前 シーズンを 上 回 る 予 測 となってい る 津 の 今 年 の 飛 散 量 予 測 は データのある 48 か 所 のうち 6 番 目 となった 全 国 的 に 見 ても かなり 高 い 水 準 になるようだ 4, 8, 12, 16, 水 戸 高 崎 宇 都 宮 津 静 津 福 千 代 田 区 福 井 垣 舟 橋 横 浜 さ い た ま 名 古 屋 高 知 京 都 形 良 甲 府 仙 台 宇 部 富 新 潟 弘 前 今 治 米 子 分 金 沢 森 福 佐 賀 宮 崎 東 阪 長 崎 松 本 西 宮 徳 松 江 秋 田 広 熊 本 和 歌 鹿 児 高 松 函 館 旭 川 札 幌 都 道 府 県 別 花 粉 総 飛 散 量 (スギ ヒノキの 総 数 ) 予 測 ( 単 位 : 個 /cm2) H24 実 測 値 H25 予 測 値 例 年 値 資 料 : 環 境 省 平 成 25 年 春 における 都 道 府 県 別 花 粉 総 飛 散 量 (スギ ヒノキの 総 数 ) 予 測 ( 第 3 報 ) 注 : 期 間 は1 月 末 から5 月 まで
5. 花 粉 症 関 連 の 医 師 数 滋 賀 は 全 国 平 均 をやや 下 回 る 花 粉 症 については 鼻 であれば 耳 鼻 咽 喉 科 目 であれば 眼 科 に 受 信 するのが 一 般 的 である その 他 内 科 小 児 科 アレルギー 科 でも 診 療 が 受 けられる ここでは 厚 生 労 働 省 の 平 成 22 年 医 師 歯 科 医 師 薬 剤 師 調 査 をもとに 人 口 1 万 人 あた りの 耳 鼻 咽 喉 科 と 眼 科 の 医 療 施 設 に 従 事 する 医 師 数 を 確 認 する 全 国 平 均 は 耳 鼻 咽 喉 科 医 数 が 7.1 人 眼 科 医 数 が 1. 人 で 両 方 の 合 計 は 17.1 人 だっ た 滋 賀 県 では 耳 鼻 咽 喉 科 医 数 が 6.7 人 ( 全 国 25 位 ) 眼 科 医 数 が 9.1 人 ( 同 26 位 )で 両 方 の 合 計 が 15.8 人 ( 同 24 位 )と 全 国 平 均 をやや 下 回 った 3 都 道 府 県 別 人 口 1 万 人 あたりの 医 療 施 設 従 事 医 師 数 ( 単 位 : 人 ) 眼 科 耳 鼻 咽 喉 科 25 2 < 滋 賀 県 > 1 眼 耳 科 鼻 医 咽 喉 科 医 9.1 6.7 人 ( 全 国 26 25 位 ) 2 耳 眼 鼻 科 咽 医 喉 科 医 6.7 9.1 人 ( 同 25 26 位 ) 1+2 15.8 人 ( 同 24 位 ) 15 1 5 東 京 香 徳 鳥 愛 福 兵 福 長 高 愛 京 都 阪 川 取 媛 井 庫 良 崎 知 梨 知 和 富 石 広 佐 岐 滋 熊 宮 歌 川 口 賀 阜 賀 本 崎 根 形 神 川 北 宮 海 道 城 鹿 三 福 静 沖 栃 長 群 千 秋 新 岩 埼 青 茨 児 重 縄 分 木 野 馬 葉 田 潟 手 玉 森 城 資 料 : 厚 生 労 働 省 平 成 22 年 医 師 歯 科 医 師 薬 剤 師 調 査 より 耳 鼻 咽 喉 科 と 眼 科 を 抽 出 して 作 成 5 / 7
6. 花 粉 症 対 策 機 能 性 の 高 い 関 連 商 品 に 注 目 治 療 が 必 要 な 場 合 は 医 療 機 関 での 診 察 が 必 要 となるが 予 防 については 自 助 努 力 によりかなりの 対 策 が 可 能 である 一 般 的 には うがいをすること 睡 眠 をよくとること 規 則 正 しい 生 活 習 慣 を 身 につけることは 正 常 な 免 疫 機 能 を 保 つために 重 要 である また 風 邪 をひかないこと お 酒 の 飲 み 過 ぎに 気 をつけること タバコを 控 えることは 鼻 の 粘 膜 を 正 常 に 保 つために 重 要 である さらに 予 防 効 果 を 高 めるための 身 の 回 りの 環 境 対 策 用 品 として 以 下 のものを 例 に 挙 げる 花 粉 症 対 策 用 品 商 品 特 徴 マスク 花 粉 症 対 策 の 代 表 的 な 用 品 マスクの 着 用 で 吸 い 込 む 花 粉 を 約 3 分 の1から6 分 の1に 減 らし 鼻 の 症 状 を 軽 くする 効 果 がある 今 年 は 気 汚 染 対 策 も 兼 ねて 微 粒 子 をカットする 高 機 能 マスクが 好 調 である メガネ 通 常 のメガネでも 着 用 しない 場 合 に 比 べて 目 に 入 る 花 粉 を 約 3 分 の1に 減 らすことが できる 専 門 店 では 花 粉 対 策 機 能 のついた 商 品 を 取 り 扱 っている 服 装 アパレルブランドからは 素 材 に 特 殊 加 工 を 施 し 花 粉 などアレルギー 物 質 を 抑 制 するコ ートが 出 ている 逆 に ウール 製 の 衣 類 は 花 粉 が 付 着 しやすいので 要 注 意 すきま 防 止 建 物 の 隙 間 から 屋 内 に 花 粉 が 侵 入 するのを 防 ぐグッズ グッズ 換 気 口 やサッシの 隙 間 網 戸 に 張 るなど 様 々な 種 類 のものがある 空 気 清 浄 機 外 で 衣 服 に 付 着 した 花 粉 や 屋 内 に 侵 入 した 花 粉 を 除 去 する 花 粉 除 去 に 対 応 したものや 対 策 に 有 効 とされる 加 湿 機 能 の 付 いたものも 多 く 出 ている 空 気 清 浄 機 の 普 及 率 については 次 項 にて 説 明 する 6 / 7
7. 空 気 清 浄 機 の 普 及 台 数 滋 賀 は 全 国 第 4 位 総 務 省 の 平 成 21 年 全 国 消 費 実 態 調 査 によると 全 国 の 1, 世 帯 あたりの 空 気 清 浄 機 の 所 有 台 数 は 416 台 で 普 及 率 は 34.2%だった 滋 賀 県 では 普 及 台 数 が 479 台 ( 全 国 4 位 ) 普 及 率 が 36.4%( 同 9 位 )と 全 国 的 に 上 位 となった 日 本 電 機 工 業 会 (JEMA)によると 空 気 清 浄 機 の 今 年 2 月 の 国 内 出 荷 額 は 115 億 2, 万 円 と 前 月 比 +47.6%で 幅 に 増 加 した 花 粉 や 空 気 中 の 汚 染 物 質 の 飛 散 に 備 えての 需 要 増 加 が 要 因 であると 考 えられている 1, 世 帯 当 たりの 空 気 清 浄 機 の 所 有 数 量 及 び 普 及 率 ( 単 位 : 台 ) ( 単 位 :%) 7 45. 6 所 有 数 量 ( 左 軸 ) 普 及 率 ( 右 軸 ) 4. 5 35. 3. 4 25. 3 2 < 滋 賀 県 > 所 有 数 量 :479 台 ( 全 国 4 位 ) 普 及 率 :36.4 %( 同 9 位 ) 2. 15. 1. 1 5. 良 神 三 滋 兵 徳 埼 東 富 群 京 千 香 川 重 賀 庫 阪 玉 京 馬 都 葉 川 北 広 栃 愛 福 茨 佐 海 道 木 知 城 賀 和 愛 福 石 宮 静 宮 新 長 岐 高 鳥 歌 媛 井 川 城 崎 潟 崎 分 阜 知 根 取 鹿 熊 福 青 長 秋 沖 岩 児 梨 本 形 口 森 野 田 縄 手. 資 料 : 総 務 省 平 成 21 年 全 国 消 費 実 態 調 査 ( 家 計 調 査 地 域 別 1 世 帯 当 たり 主 要 耐 久 財 の 所 有 数 量 及 び 普 及 率 ) より 作 成 今 年 は 環 境 省 発 表 のとおり スギ 及 びヒノキの 飛 散 予 測 量 が 例 年 以 上 に 多 くなる 見 込 みである 元 々 花 粉 症 患 者 の 人 はもちろん 今 年 から 目 鼻 が 気 になるという 人 も 少 なくないだろう 発 症 する と 目 鼻 以 外 にも 頭 がぼんやりして 仕 事 に 集 中 できないといったデメリットが 多 い 最 近 では 特 に 身 の 回 りの 環 境 を 守 るための 機 能 を 強 化 した 商 品 の 売 れ 行 きが 好 調 だという マ スクやメガネなどの 身 近 なものから 耐 久 消 費 財 まで 幅 広 い 私 たちの 体 に 優 しい 身 近 な 環 境 商 品 は 年 々 進 歩 を 遂 げ 場 は 拡 している 更 なる 発 展 に 期 待 を 込 めて その 動 向 に 注 目 したい 213 年 3 月 しがぎん 経 済 文 化 センター 中 村 雅 臣 7 / 7