第 6 章 控 除 (1) 控 除 1 控 除 の 概 要 控 除 は 各 種 の の 計 算 の 段 階 で 考 慮 されなかった 損 失 や 支 出 について 税 負 担 面 での 調 整 を 行 う 趣 旨 から 設 けられているものである 雑 損 控 除 医 療 費 控 除 社 会 保 険 料 控 除 控 除 の 種 類 小 規 模 企 業 共 済 等 掛 控 除 趣 旨 担 税 力 の 低 下 を 考 慮 するため のもの 雑 損 控 除 医 療 費 控 除 寄 付 控 除 は 給 与 の 場 合 年 末 調 整 でその 適 用 を 受 け ることはできず 確 定 申 告 を 要 する 生 命 保 険 料 控 除 社 会 政 策 上 の 要 請 によるもの 地 震 保 険 料 控 除 寄 付 控 除 障 害 者 控 除 寡 婦 ( 寡 夫 ) 控 除 勤 労 学 生 控 除 個 人 的 事 情 を 考 慮 するため のもの 配 偶 者 控 除 配 偶 者 特 別 控 除 扶 養 控 除 最 低 生 活 費 を 保 障 するため のもの 基 礎 控 除 2 控 除 の 控 除 の 順 序 控 除 に 雑 損 控 除 の がある 場 合 まず 雑 損 控 除 を 行 い 次 に 他 の 控 除 を 行 う 控 除 は 次 の 順 序 で 控 除 する 総 短 期 譲 渡 の 長 期 譲 渡 の 株 式 等 に 係 る 譲 渡 等 の 先 物 取 引 に 係 る 雑 等 の 山 林 退 職 雑 損 控 除 だけは 他 の 控 除 と 異 なり 控 除 しきれない を 翌 年 以 降 に 繰 り 越 して 控 除 することが 認 められている その ための 控 除 の 順 序 に 関 しても 他 の 控 除 に 優 先 して 行 う( 税 法 第 87 条 ) 56 LEC 東 京 リーガルマインド/ファイナンシャル プランナー/ 複 製 頒 布 を 禁 じます
(2) 雑 損 控 除 1 適 用 対 象 者 本 人 および 本 人 と 生 計 を 一 にする 配 偶 者 やその 他 の 親 族 で その 年 の 課 税 標 準 の 合 計 が 38 万 円 以 下 の 者 <P78(9) 災 害 減 免 法 による 税 控 除 と 比 較 > 2 対 象 となる 資 産 生 活 に 通 常 必 要 な 資 産 など 居 住 用 家 屋 家 財 衣 類 現 1 個 又 は 1 組 の 価 が 30 万 円 以 下 の 貴 属 絵 画 など 生 活 に 通 常 必 要 でない 資 産 棚 卸 資 産 事 業 の 用 に 供 される 固 定 資 産 等 は 対 象 とならない 3 損 失 の 原 因 1 震 災 風 水 害 冷 害 雪 害 落 雷 など 自 然 現 象 の 異 変 による 災 害 2 火 災 火 薬 類 の 爆 発 など 人 為 による 異 常 な 災 害 3 害 虫 などの 生 物 による 異 常 な 災 害 4 被 害 者 の 意 思 に 関 係 なく 被 る 盗 難 横 領 ( 詐 欺 や 恐 喝 の 場 合 は 雑 損 控 除 は 対 象 外 ) 4 控 除 控 除 = 次 のいずれか 多 い 方 の (a) 差 引 損 失 - 課 税 標 準 の 合 計 10% (b) 差 引 損 失 のうち 災 害 関 連 支 出 の -5 万 円 差 引 損 失 = 損 害 + 災 害 関 連 支 出 の - 保 険 などで 補 て んされる 5 関 連 事 項 の 整 理 年 間 合 計 が 1000 万 円 超 の 人 が 使 えるのは 雑 損 控 除 の み 年 間 合 計 が 1000 万 円 以 下 の 人 は 雑 損 控 除 と 災 害 減 免 法 どちらか1つを 選 択 できる 東 日 本 大 震 災 によ り 住 宅 や 家 財 等 に 生 じた 損 失 については 平 成 22 年 分 の 総 から 雑 損 控 除 と して 控 除 できる 控 除 しきれない 雑 損 失 の 繰 越 期 間 は5 年 となる ( 震 災 特 例 法 4,5 法 71,72) 損 失 が 大 きくて その 年 の か ら 控 除 しきれない 場 合 には 翌 年 以 後 (3 年 間 が 限 度 )に 繰 り 越 して 各 年 の から 控 除 することが できる このため 雑 損 控 除 は 他 の 控 除 に 優 先 して 控 除 す ることになっている ( 税 法 第 87 条 ) 区 分 具 体 例 譲 渡 益 譲 渡 損 雑 損 控 除 生 活 に 通 常 必 要 な 資 産 生 活 の 用 に 供 する 家 具 什 器 衣 服 自 家 用 車 1 個 又 は 1 組 の 価 が 30 万 円 以 下 の 貴 属 書 画 骨 董 美 術 品 等 非 課 税 損 失 はなかっ たものとみな される 適 用 あり 競 走 馬 等 の 動 産 生 活 に 通 常 必 要 でない 資 産 1 個 又 は 1 組 の 価 が 30 万 円 を 超 える 貴 属 書 画 骨 董 美 術 品 等 趣 味 娯 楽 保 養 等 の 目 的 で 有 する 不 動 産 (= 保 養 別 荘 等 ) 課 税 損 益 通 算 不 可 ( 内 部 通 算 は 可 ) 適 用 なし ゴルフ 会 員 権 ( 平 成 26 年 4 月 1 日 以 後 適 用 ) LEC 東 京 リーガルマインド/ファイナンシャル プランナー/ 複 製 頒 布 を 禁 じます 57
(3) 医 療 費 控 除 1 適 用 対 象 者 本 人 及 びその 本 人 と 生 計 を 一 にする 配 偶 者 その 他 の 親 族 ( 要 件 なし) 控 除 対 象 配 偶 者 や 扶 養 親 族 に 該 当 しなくても 適 用 できる 2 範 囲 3 控 除 控 除 ( 最 高 200 万 円 ) =( 医 療 費 の 支 出 - 保 険 等 で 補 てんされる )-(10 万 円 又 は 総 等 5%のいずれか 少 ない ) 通 常 は 10 万 円 であるが 総 等 が 200 万 円 未 満 の 場 合 には 総 等 の 5%となる 対 象 となる 医 療 費 医 師 歯 科 医 師 に 支 払 った 診 療 費 治 療 費 通 院 費 食 事 代 付 添 看 護 士 による 療 養 上 の 世 話 代 出 産 費 用 ( 定 期 健 診 検 査 費 用 含 む) 重 大 な 疾 病 が 発 見 され かつ 引 き 続 き 治 療 をした 場 合 の 人 間 ドックの 費 用 介 護 老 人 保 健 施 設 の 利 用 料 おむつ 使 用 証 明 書 のあるおむつ 代 特 定 健 康 診 査 に 基 づき 特 定 保 険 指 導 を 受 けた 場 合 の 医 療 費 4 医 療 費 を 補 てんする 保 険 等 医 療 費 の 補 てんを 目 的 として 支 払 いを 受 ける 保 険 等 は 医 療 費 控 除 の 計 算 上 医 療 費 から 差 し 引 かなければならないが 生 活 の 保 障 のために 支 給 され たもの 等 は 差 し 引 かなくてよい 医 療 費 を 補 てんする 保 険 等 ( 差 し 引 くもの) 療 養 費 出 産 育 児 一 時 高 療 養 費 移 送 費 等 医 療 保 険 入 院 費 給 付 傷 害 費 用 保 険 等 健 康 保 険 法 の 規 定 により 支 給 を 受 ける 出 産 育 児 一 時 ( 家 族 出 産 育 児 一 時 ) は 差 し 引 かなくてはならない 対 象 とならない 医 療 費 美 容 整 形 費 用 自 家 用 車 のガソリン 代 健 康 増 進 や 疾 病 予 防 のため の 医 薬 品 購 入 費 用 医 薬 品 以 外 の 漢 方 薬 等 人 間 ドックの 費 用 ( 異 状 が 発 見 されない 場 合 ) 美 容 を 目 的 とした 歯 列 矯 正 患 者 の 希 望 による 差 室 料 医 療 費 を 補 てんする 保 険 等 に 該 当 しな いもの( 差 し 引 かなくてよいもの) 傷 病 手 当 出 産 手 当 等 保 障 のための 保 険 勤 務 会 社 から 受 ける 見 舞 治 療 等 を 受 けた 時 点 で 生 計 を 一 にして いれば その 後 別 生 計 となった 場 合 でも そ の 医 療 費 は 医 療 費 控 除 の 対 象 となる また 生 計 を 一 にし ている 者 に 係 る 医 療 費 であれば その 者 が 別 居 であっても 他 に があったとして も 医 療 費 控 除 の 対 象 となる おむつ 使 用 証 明 書 6ヵ 月 以 上 寝 たき りの 状 態 にあり 継 続 的 な 治 療 が 必 要 で 医 師 の 発 行 するおむ つ 使 用 証 明 書 があれ ば 医 療 費 控 除 の 対 象 となる 妻 が 夫 の 控 除 対 象 配 偶 者 ではないが 生 計 を 一 にしていて か つ 医 療 費 を 夫 が 負 担 している 場 合 その 医 療 費 は 夫 の 医 療 費 控 除 の 対 象 となる 出 産 手 当 出 産 のために 欠 勤 した 場 合 に 支 給 され る 出 産 手 当 は 欠 勤 による 給 与 の 減 を 補 てんするもの であるため 医 療 費 控 除 の 計 算 において 差 し 引 かなくてよい 58 LEC 東 京 リーガルマインド/ファイナンシャル プランナー/ 複 製 頒 布 を 禁 じます
5 計 算 の 際 の 注 意 点 医 療 費 控 除 の 対 象 となる 医 療 費 は その 年 中 に 現 実 に 支 払 った に 限 られるので 未 払 いとなっている 医 療 費 は 現 実 に 支 払 われるまで 控 除 の 対 象 とはならない 医 療 費 を 補 てんする 保 険 等 の が 医 療 費 を 支 払 った 年 分 の 確 定 申 告 期 限 までに 確 定 していない 場 合 には その 保 険 等 の 見 込 み によって 計 算 をする 妻 が 妊 娠 と 診 断 さ れてからの 定 期 健 診 や 検 査 などの 費 用 通 院 費 用 出 産 費 用 は 税 の 医 療 費 控 除 の 対 象 となる 平 成 27 年 中 にBさんが 支 払 った 医 療 費 および 受 取 った 保 険 等 が 以 下 の 通 りである 場 合 平 成 27 年 分 のBさんの 医 療 費 控 除 はいくらか ただし Bさんの 給 与 の は 1,920,000 円 とする 入 院 費 用 例 題 入 院 給 付 傷 病 手 当 587,000 円 食 事 代 42,000 円 と 本 人 の 希 望 による 差 ベッド 料 220,000 円 が 含 まれている 150,000 円 生 命 保 険 会 社 から 受 領 180,000 円 加 入 する 健 康 保 険 組 合 から 支 給 勤 務 している 会 社 から 受 け 取 った 出 産 祝 い で 社 会 通 念 上 相 当 の であるも のについては 税 は 課 税 されない 入 院 費 用 に 含 まれる 入 院 患 者 の 食 事 代 は 医 療 費 控 除 の 対 象 となる また 差 ベッド 料 は 本 人 の 希 望 による 場 合 は 医 療 費 控 除 の 対 象 とならない 健 康 保 険 法 の 規 定 による 傷 病 手 当 は 医 療 費 を 補 てんする 保 険 等 に 該 当 しない 1 医 療 費 の 587,000 円 -220,000 円 =367,000 円 2 保 険 等 により 補 てんされる 150,000 円 3 医 療 費 控 除 1,920,000 円 5%=96,000 円 <100,000 円 96,000 円 1-2-96,000 円 =121,000 円 医 療 費 を 支 出 すべ き 事 由 が 生 じた 時 ま たは 実 際 に 医 療 費 を 支 払 った 時 に 生 計 を 一 にする 親 族 の 医 療 費 を 支 払 った 場 合 も 医 療 費 控 除 が 適 用 さ れる したがって 父 の 生 存 中 に 父 の 預 から 支 払 われた 医 療 費 は 父 の 準 確 定 申 告 にお いて 医 療 費 控 除 の 対 象 となるが 父 の 死 亡 後 に 息 子 が 相 続 財 産 から 支 払 った 医 療 費 は 息 子 の 確 定 申 告 に おいて 医 療 費 控 除 の 対 象 となる LEC 東 京 リーガルマインド/ファイナンシャル プランナー/ 複 製 頒 布 を 禁 じます 59
(7) 道 路 1 建 築 基 準 法 上 の 道 路 (1) 原 則 建 築 基 準 法 上 の 道 路 とは 幅 員 4m 以 上 のもので 次 のものをいう 道 路 法 による 道 路 都 市 計 画 法 土 地 区 画 整 理 法 都 市 再 開 発 法 等 による 道 路 建 築 基 準 法 が 適 用 されるに 至 った 際 ( 昭 和 25 年 ) 既 に 存 在 する 道 路 (い わゆる 既 存 道 路 ) 特 定 行 政 庁 が その 地 方 の 気 候 風 土 の 特 殊 性 等 により 必 要 と 認 めて 都 道 府 県 都 市 計 画 審 議 会 の 議 を 経 て 指 定 する 区 域 内 で は6m 以 上 新 設 または 変 更 の 事 業 計 画 がある 道 路 で 2 年 以 内 にその 事 業 が 施 行 される 予 定 として 特 定 行 政 庁 が 指 定 したもの 一 定 の 基 準 に 適 合 する 道 ( 私 道 )で 特 定 行 政 庁 からその 位 置 の 指 定 をうけたもの(= 位 置 指 定 道 路 ) (2) 例 外 建 築 基 準 法 施 行 のとき すでに 建 築 物 が 建 ち 並 んでいる 幅 員 4m 未 満 の 道 路 で 特 定 行 政 庁 が 指 定 したものは 道 路 とみなされる ( 第 42 条 2 項 道 路 ) 種 類 道 路 の 幅 員 原 則 建 築 基 準 法 上 の 道 路 4m 以 上 または 6m 以 上 例 外 第 42 条 2 項 道 路 4m 未 満 位 置 の 指 定 を 受 け ていない 私 道 は 単 な る 通 路 である 言 葉 の 意 味 特 定 行 政 庁 建 築 主 事 を 置 いて 建 築 基 準 法 を 執 行 し 建 築 行 政 を 管 掌 する 行 政 機 関 のこと 具 体 的 には 建 築 主 事 のいる 市 町 村 はそ の 長 いない 区 域 につ いては 知 事 をいう LEC 東 京 リーガルマインド/ファイナンシャル プランナー/ 複 製 頒 布 を 禁 じます 39
2 第 42 条 2 項 道 路 (1) 原 則 道 路 の 中 心 線 から 2m 後 退 した 線 が 道 路 の 境 界 線 とみなされる 建 築 物 の 敷 地 4m 未 満 セットバック 部 分 道 路 中 心 線 2m セットバック (2)A 地 が がけ 地 川 線 路 敷 地 等 の 場 合 建 築 物 の 敷 地 の 反 対 側 の 道 路 境 界 線 から 4m 後 退 した 線 が 道 路 境 界 線 とみなされる 建 築 物 の 敷 地 セットバック 部 分 セットバック 4m 未 満 4m 道 路 中 心 線 A 地 ( 道 路 の 反 対 側 の 敷 地 ) セットバック 部 分 は 建 築 基 準 法 上 の 道 路 とみなされるため 建 築 物 の 建 築 は 不 可 セットバック 部 分 は 建 ぺい 率 容 積 率 の 計 算 の 際 に 敷 地 面 積 に 算 入 されない 40 LEC 東 京 リーガルマインド/ファイナンシャル プランナー/ 複 製 頒 布 を 禁 じます
3 接 道 義 務 (1) 原 則 建 築 物 の 敷 地 は 原 則 として 建 築 基 準 法 上 の 道 路 に 2m 以 上 接 しなけれ ばならない( 接 道 義 務 ) ただし 建 築 物 の 周 囲 に 広 い 空 き 地 がある 等 特 定 行 政 庁 が 交 通 安 全 自 動 車 専 用 道 路 な どは 接 道 義 務 の 対 象 となる 道 路 には 含 ま れない 上 支 障 ないと 認 めて 建 築 審 査 会 の 同 意 を て 許 可 したものについては 2m 以 上 接 していなくても 建 築 可 能 ( 法 第 43 条 但 書 ) (2) 条 例 による 制 限 の 付 加 地 方 公 共 団 体 は 特 殊 建 築 物 等 の 敷 地 について その 建 築 物 の 敷 地 が 接 しなければならない 道 路 の 幅 員 その 敷 地 が 道 路 に 接 する 長 さなどについ て 条 例 で 必 要 な 制 限 を 付 加 できるが 緩 和 することはできない 私 道 は 原 則 として 届 出 許 可 の 手 続 きなく 廃 道 できる ただし 特 定 行 政 庁 は 私 道 の 廃 道 変 更 により その 私 道 に 接 する 敷 地 が 接 道 基 準 に 適 合 しなくなる 場 合 には その 変 更 廃 道 を 禁 止 または 制 限 できる 言 葉 の 意 味 特 殊 建 築 物 学 校 体 育 館 病 院 劇 場 観 覧 場 集 会 場 展 示 場 百 貨 店 市 場 ダンスホール 遊 技 場 公 衆 浴 場 旅 館 共 同 住 宅 寄 宿 舎 下 宿 工 場 倉 庫 自 動 車 車 庫 等 の 用 途 に 供 する 建 築 物 のこと ( 例 ) 土 地 B 有 者 B 土 地 A 有 者 A 道 路 A 有 の 私 道 廃 道 すると 土 地 Bが 接 道 義 務 に 適 合 しなくなる 廃 道 を 禁 止 することがで きる 4 道 路 内 の 建 築 制 限 (1) 原 則 建 築 物 または 敷 地 を 造 成 するための 擁 壁 は 道 路 内 または 道 路 に 突 き 出 して 建 築 または 築 造 してはならない (2) 例 外 として 建 築 できる 建 築 物 地 盤 面 下 に 設 ける 建 築 物 公 衆 便 派 出 など 公 益 上 必 要 な 建 築 物 で 一 定 のもの 等 LEC 東 京 リーガルマインド/ファイナンシャル プランナー/ 複 製 頒 布 を 禁 じます 41
(6) 特 定 会 社 等 の 評 価 方 法 特 定 会 社 等 として 次 の 要 件 に 該 当 する 会 社 は 次 の 通 りの 評 価 方 式 を 適 用 する なお 同 族 株 主 等 以 外 の 株 主 が 取 した 株 式 については 特 例 的 評 価 方 式 で ある 配 当 還 元 方 式 により 評 価 することができる ただし 開 業 前 休 業 中 清 算 中 の 会 社 については 同 族 株 主 等 以 外 の 株 主 が 取 した 場 合 であっても 配 当 還 元 方 式 により 評 価 することができない 1 比 準 要 素 1 の 会 社 類 似 業 種 比 準 価 の3 要 素 (1 株 あたりの 配 当 1 株 あたりの 利 益 1 株 あたりの 純 資 産 価 )のうち 2 要 素 がゼロの 会 社 については 類 似 業 種 比 準 価 0.25+ 純 資 産 価 0.75 純 資 産 価 のうちいずれか 低 い 方 で 評 価 する 2 土 地 保 有 特 定 会 社 要 件 土 地 保 有 割 合 評 価 方 式 大 会 社 70% 以 上 土 地 保 有 割 合 株 主 保 有 割 合 とは いずれ も 総 資 産 価 ( 相 続 税 評 価 による)に 占 め る 割 合 をいう 特 定 の 評 価 会 社 は 会 社 の 規 模 に 関 わら ず 純 資 産 評 価 方 式 と なるが これは 行 き 過 ぎた 相 続 対 策 に 歯 止 めをかけるためと 言 われている 中 会 社 大 90% 以 上 70% 以 上 純 資 産 価 小 会 社 中 90% 以 上 小 非 適 用 3 株 式 保 有 特 定 会 社 要 件 株 式 保 有 割 合 評 価 方 式 大 会 社 25% 以 上 純 資 産 価 ( 注 ) 中 小 会 社 50% 以 上 ( 注 ) 取 者 の 選 択 により いわゆる S1+S2 方 式 ( 詳 細 は 省 略 )で 評 価 するこ とができる 4 その 他 その 他 の 会 社 評 価 方 式 比 準 要 素 の 全 てがゼロの 会 社 開 業 後 3 年 未 満 の 会 社 純 資 産 価 開 業 前 の 会 社 休 業 中 の 会 社 同 族 関 係 者 グルー プ の 議 決 権 割 合 が 50% 超 で そのグルー プに 属 する 株 主 自 身 の 議 決 権 割 合 が5% 以 上 であれば 原 則 的 評 価 方 式 で 評 価 する この 場 合 50% 超 の グループ 以 外 のグル ープに 属 する 株 主 は 特 例 的 評 価 方 式 で 評 価 する 清 算 中 の 会 社 清 算 分 配 見 込 LEC 東 京 リーガルマインド/ファイナンシャル プランナー/ 複 製 頒 布 を 禁 じます 125
(7) 類 似 業 種 比 準 方 式 事 業 内 容 が 類 似 する 上 場 企 業 の 業 種 の 株 価 を 基 に 自 社 株 を 評 価 する 方 式 で 原 則 的 な 評 価 方 式 である (1) 類 似 業 種 比 準 方 式 の 計 算 式 A b B +3 c C +d D 5 1 E 1 株 あたりの 資 本 等 の 50 円 A 類 似 業 種 の 平 均 株 価 B 類 似 業 種 1 株 あたりの 配 当 C 類 似 業 種 1 株 あたりの 年 利 益 D 類 似 業 種 1 株 あたりの 純 資 産 価 b 評 価 会 社 1 株 あたりの 配 当 ( 過 去 2 年 間 の 平 均 ) c 評 価 会 社 1 株 あたりの 年 利 益 ( 過 去 2 年 間 の 平 均 と 直 前 のどち らか 低 い ) d 評 価 会 社 1 株 あたりの 純 資 産 価 ( 直 前 期 の 帳 簿 価 ) E 斟 酌 率 大 会 社 0.7 中 会 社 0.6 小 会 社 0.5 1 評 価 会 社 1 株 あたりの 年 利 益 (c)が 0 のときは 3 とする が 平 成 20 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 等 からは 5 のままである (2) 類 似 業 種 比 準 方 式 の 特 徴 業 績 のよい 会 社 類 似 業 種 の 株 価 ( 上 記 A)の 高 い 会 社 は 株 価 が 高 くなる 株 価 は 市 況 状 況 の 動 向 により 左 右 される 土 地 等 の 資 産 の 含 み 益 が 株 価 に 反 映 されることはない (3) 算 定 上 の 留 意 点 上 記 計 算 式 の 中 のA B C Dは 国 税 庁 より 公 表 される 評 価 会 社 の 1 株 あたりの 配 当 (b)には 非 経 常 的 な 配 当 は 含 めない 評 価 会 社 の 1 株 あたりの 年 利 益 (c)には 固 定 資 産 売 却 益 などの 非 経 常 的 な は 差 し 引 く 126 LEC 東 京 リーガルマインド/ファイナンシャル プランナー/ 複 製 頒 布 を 禁 じます
(8) 純 資 産 価 方 式 (1) 純 資 産 価 方 式 の 計 算 式 (A-B)-{(A-B)-(C-D)} 38% E 言 葉 の 意 味 純 資 産 価 方 式 課 税 時 期 における A 課 税 時 期 における 相 続 税 評 価 で 計 算 した 総 資 産 相 続 税 評 価 ベース の 純 資 産 価 を 基 に B 課 税 時 期 における 相 続 税 評 価 で 計 算 した 負 債 ( 引 当 等 を 除 く) 自 社 株 を 評 価 する 方 式 である C 課 税 時 期 における 帳 簿 価 による 総 資 産 D 課 税 時 期 における 帳 簿 価 による 負 債 ( 引 当 準 備 を 除 く) 平 成 27 年 度 税 制 改 E 課 税 時 期 における 発 行 済 株 式 数 ( 自 己 株 式 を 除 く) 正 にて 法 人 税 率 が 引 き 下 げられたことに 伴 い 法 人 税 等 の 合 (2) 純 資 産 価 方 式 の 特 徴 と 留 意 点 計 割 合 が40%から 38%に 改 正 された 資 産 の 含 み 益 が 株 価 に 反 映 する なお 平 成 27 年 4 月 1 評 価 会 社 が 課 税 時 期 以 前 3 年 以 内 に 取 した 土 地 建 物 等 については 日 以 降 の 相 続 遺 贈 又 は 贈 与 により 取 し 通 常 の 取 引 価 により 評 価 する た 財 産 の 評 価 に 適 用 する 中 小 会 社 の 場 合 株 式 取 者 とその 同 族 関 係 者 の 議 決 権 割 合 が 50% 未 満 の 時 は 本 来 の 純 資 産 価 の 80% 相 当 で 評 価 する 言 葉 の 意 味 負 債 例 題 純 資 産 価 方 式 による 1 株 あたり 相 続 税 評 価 はいくらか? 総 資 産 価 ( 相 続 税 評 価 ) 140,000 千 円 負 債 ( 相 続 税 評 価 ) 40,000 千 円 総 資 産 価 ( 帳 簿 価 ) 120,000 千 円 負 債 ( 帳 簿 価 ) 40,000 千 円 課 税 時 期 における 発 行 済 株 式 数 10,000 株 < 解 答 > 相 続 税 評 価 で 計 算 した 純 資 産 価 140,000 千 円 -40,000 千 円 =100,000 千 円 帳 簿 価 で 計 算 した 純 資 産 価 120,000 千 円 -40,000 千 円 =80,000 千 円 純 資 産 価 方 式 の 総 の 計 算 100,000 千 円 -(100,000 千 円 -80,000 千 円 ) 38% =92,400 千 円 1 株 あたりの 92,400 千 円 10,000 株 =9,240 円 負 債 の は 相 続 税 法 上 の 規 定 により 債 務 控 除 の 対 象 とな る 債 務 すなわち 確 実 な 債 務 に 限 られてい る 従 って 貸 倒 引 当 納 税 引 当 その 他 の 引 当 及 び 準 備 は 負 債 計 上 できない なお 支 給 する 死 亡 退 職 は 未 払 とし て 負 債 に 計 上 できる LEC 東 京 リーガルマインド/ファイナンシャル プランナー/ 複 製 頒 布 を 禁 じます 127