Q&A 販 売 元 : 日 本 ベクトン ディッキンソン 株 式 会 社 製 造 販 売 元 :わかもと 製 薬 株 式 会 社 POCT ホームページ http://www.bd.com/jp/poct/ 上 記 弊 社 のホームページに 製 品 情 報 が 掲 載 されています ぜひご 利 用 ください カスタマーサービス TEL:0120-8555-90 ( 受 付 時 間 :9:00~17:00) 1 日 本 ベクトン ディッキンソン 株 式 会 社 ダイアグノスティックシステム 事 業 部 POC グループ
はじめに テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 について テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 は わかもと 製 薬 において 開 発 された 糞 便 中 のヘリコバクター ピロリ 抗 原 ( 未 変 性 カタラーゼ)に 特 異 的 に 反 応 するモノクローナル 抗 体 を 用 いた イムノクロマトグラフィー 法 を 原 理 とする 糞 便 中 ヘ リコバクター ピロリ 抗 原 検 出 用 試 薬 です 本 品 は 固 相 化 抗 体 標 識 抗 体 ともモノクローナル 抗 体 を 使 用 し 特 異 性 が 優 れています ヘリコバクター ピロリについて 1983 年 Warren 及 び Marshall によって ヘリコバクター ピロリ( 以 下 H.ピロリ)が 胃 炎 患 者 の 胃 粘 膜 から 分 離 され ました 現 在 では 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 胃 炎 胃 癌 等 の 疾 患 に H.ピロリの 感 染 が 深 く 関 わっている 事 が 知 られています H.ピロリはグラム 陰 性 のらせん 菌 で 数 本 の 鞭 毛 を 持 ち 大 きさは2~5ミクロン 程 度 です 強 いウレアーゼを 産 生 して アンモニアで 自 らの 周 辺 の 胃 酸 を 中 和 (ph6~8)し 胃 に 感 染 し 続 けます ヘリコバクター ピロリの 除 菌 治 療 初 回 治 療 ( 一 次 除 菌 ):プロトンポンプ 阻 害 薬 (PPI)*+アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM)の 3 剤 併 用 療 法 一 次 除 菌 が 不 成 功 であった 場 合 の 再 除 菌 療 法 ( 二 次 除 菌 ):プロトンポンプ 阻 害 薬 (PPI)*+アモキシシリン (AMPC)+メトロニダゾール(MNZ)の 3 剤 併 用 療 法 が 保 険 適 用 となっています *PPI については ランソプラゾール(LPZ) オメプラゾール(OPZ) ラベプラゾール(RPZ)が 承 認 されています 2
検 査 の 原 理 テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 は イムノクロマトグラフィー 法 により 便 中 の H.ピロリ 抗 原 を 検 出 します 希 釈 し た 便 検 体 を 反 応 シートの 試 料 滴 下 部 位 に 滴 下 し 検 体 中 に H.ピロリ 抗 原 が 存 在 すると 反 応 シート 中 の 赤 色 標 識 抗 体 と 結 合 し 免 疫 複 合 体 を 形 成 します この 免 疫 複 合 体 は 毛 細 管 現 象 により 移 動 し 反 応 シート 上 の 固 相 化 された 捕 捉 抗 体 に 捕 捉 され 赤 色 判 定 ラインを 形 成 します 一 方 免 疫 複 合 体 を 形 成 しなかった 赤 色 標 識 抗 体 は 固 相 化 されたコントロール 抗 体 に 捕 捉 されて 赤 色 コントロールラインを 形 成 しますので 検 査 の 正 確 性 の 指 標 となります こ れらの 赤 色 ラインを 目 視 で 確 認 する 事 により 検 体 中 の H.ピロリ 抗 原 を 検 出 します 図 1 テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 の 原 理 他 の H.ピロリ 診 断 検 査 との 比 較 ピロリ 菌 の 感 染 診 断 のための 他 の 検 査 法 として 内 視 鏡 による 侵 襲 を 伴 う 検 査 法 としては 迅 速 ウレアーゼ 試 験 鏡 検 法 培 養 法 非 侵 襲 的 検 査 法 としては 抗 体 測 定 および 尿 素 呼 気 試 験 があります 迅 速 ウレアーゼ 試 験 は 侵 襲 的 かつ 間 接 的 な 検 査 法 です 尿 素 呼 気 試 験 は 非 侵 襲 的 で 簡 便 ですが ピロリ 菌 の 直 接 検 出 法 ではありません 一 方 便 中 抗 原 検 査 はピロリ 菌 の 非 侵 襲 的 かつ 直 接 的 な 検 出 法 で 中 でも テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 は イムノク ロマトグラフィー 法 を 原 理 として 採 用 することにより 迅 速 かつ 簡 便 に 検 査 ができる すべての 条 件 を 満 たしたはじめ ての 検 査 法 です さらに 本 キットは 固 相 化 抗 体 標 識 抗 体 ともにモノクローナル 抗 体 を 用 いているため 従 来 のポリ クローナル 抗 体 を 使 用 した 抗 原 検 査 に 比 べ 特 異 性 に 優 れています 本 検 査 法 は 内 視 鏡 内 服 薬 等 を 必 要 としな いことから 患 者 負 担 を 低 く 抑 えることができます 表 1 H.ピロリ 感 染 の 診 断 法 (*: 検 査 法 としてより 好 ましいとされる 特 性 ) 診 断 方 法 便 中 抗 原 検 査 迅 速 ウレアーゼ 試 験 鏡 検 法 培 養 法 抗 体 測 定 尿 素 呼 気 試 験 検 査 材 料 糞 便 生 検 組 織 生 検 組 織 生 検 組 織 血 液 / 尿 呼 気 侵 襲 性 a) * 非 侵 襲 性 侵 襲 性 侵 襲 性 侵 襲 性 侵 襲 性 / * 非 侵 襲 性 * 非 侵 襲 性 診 断 対 象 1b) * 面 診 断 点 診 断 点 診 断 点 診 断 * 面 診 断 * 面 診 断 診 断 対 象 2c) * 直 接 間 接 * 直 接 * 直 接 間 接 間 接 測 定 原 理 抗 原 の 免 疫 学 的 検 出 ウレアーゼ 活 性 染 色 顕 鏡 培 養 抗 体 価 測 定 検 体 採 取 者 患 者 医 師 医 師 医 師 材 料 採 取 に 必 要 な 時 間 測 定 時 間 医 師 / 看 護 師 / 検 査 技 師 炭 酸 ガス 濃 度 測 定 赤 外 分 光 測 定 医 師 / 看 護 師 / 検 査 技 師 / 患 者 * 1 分 15 分 15 分 15 分 1~10 分 20 分 *10 分 (イムノクロマト) 70 分 (EIA) 1~120 分 1~2 日 5~7 日 10~180 分 *6 分 定 性 / 定 量 定 性 判 定 量 定 性 定 性 定 性 定 量 定 量 a) 侵 襲 性 : 内 視 鏡 による 侵 襲 を 伴 った 検 査 法 b) 点 診 断 : 生 検 組 織 による 検 査 のように 点 的 に 検 体 を 採 取 して 行 う 検 査 で サンプリングエラーによる 見 逃 しが 起 こりうる 面 診 断 : 胃 の 全 体 を 反 映 する 検 査 で 点 診 断 で 起 こりうるような 見 逃 しがない c) 直 接 :H.ピロリの 菌 体 もしくは 菌 体 成 分 そのものを 検 出 するので 他 の 菌 の 影 響 を 受 けない 間 接 :H.ピロリの 生 物 学 的 活 性 による 産 物 を 測 定 する 検 査 で 同 様 の 生 物 学 的 活 性 を 有 する 他 の 菌 が 存 在 すると 偽 陽 性 を 生 じ その 場 合 H.ピロリとの 判 別 ができない 3
1. 製 品 について 1.1 何 を 検 出 しているのですか? テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 は 標 的 抗 原 として H.ピロリの 未 変 性 (native)カタラーゼを 検 出 します 未 変 性 カタラーゼは H.ピロリの 菌 体 内 酵 素 で H.ピロリの 溶 菌 に 伴 って 細 胞 外 へ 排 泄 されています それ が 糞 便 中 に 含 まれています 未 変 性 カタラーゼは 便 中 で 休 眠 中 の H.ピロリ(コッコイドフォーム)においても 活 性 を 示 し 活 動 中 の H.ピロリ(ヘリカルフォーム)と 同 様 に 本 キットを 用 いて 抗 原 を 検 出 することができ ます カタラーゼは 細 菌 のみならず 酸 素 のある 環 境 で 生 育 する 動 植 物 に 普 遍 的 に 認 められる 一 般 的 な 酵 素 で すが テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 は H.ピロリのカタラーゼに 特 異 的 な 立 体 構 造 を 認 識 するモノクロ ーナル 抗 体 を 用 いているので 高 い 特 異 性 で H.ピロリのカタラーゼだけを 検 出 できるのです 1.2 キットの 保 存 温 度 は 何 度 ですか? 有 効 期 間 は 何 年 ですか? 室 温 保 存 です(1~30 ) 使 用 期 限 は 試 薬 の 外 箱 に 記 載 してあります 1.3 反 応 シートは 開 封 後 どのくらいの 時 間 有 効 ですか? テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 の 反 応 シートは 吸 湿 すると 劣 化 しますので 必 要 な 数 の 反 応 シートを 取 り 出 し 使 用 しない 反 応 シートはすみやかにアルミ 袋 に 戻 し 必 ずチャックをしめ 封 をしてください 吸 湿 の 程 度 は 環 境 の 湿 度 に 左 右 されるため 開 封 後 の 有 効 時 間 は 何 分 ということを 一 概 にいうことはできませ ん アルミ 袋 に 入 っている 乾 燥 剤 は 取 り 出 さないでください 1.4 反 応 シートの 裏 側 に 開 口 部 があります 便 検 体 が 漏 れたりしませんか? 試 料 滴 下 部 に 所 定 の 滴 下 量 (1 滴 )を 滴 下 していただく 限 りは 検 体 漏 れをおこすことはありません 1.5 テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 には 陽 性 コントロールはついていないのですか? テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 には 陽 性 コントロールはついていません 製 品 は 陽 性 コントロール 陰 性 コントロールを 用 いたロットごとの 品 質 検 査 で 正 常 に 反 応 することが 確 認 されています 2. 検 体 について 2.1 採 便 量 はどのくらいですか? 過 剰 採 取 された 採 便 容 器 の 便 は 希 釈 可 能 ですか? 専 用 の 採 便 容 器 で 適 正 に 採 便 された 場 合 の 採 便 量 は 約 30mg(5mm の 小 片 )です 採 便 容 器 には 検 体 希 釈 液 1mL が 入 っており 約 30 倍 に 希 釈 されます 過 剰 採 取 された 採 便 容 器 の 便 は 希 釈 可 能 です 採 便 容 器 の 側 面 にある 白 ラベルをはがすと 採 便 容 器 が 二 つに 折 れる 構 造 になっております そこからマイクロピ ペットやスポイトなどで 検 体 を 採 取 し 未 使 用 の 採 便 容 器 の 検 体 希 釈 液 を 用 いて 適 宜 希 釈 してください 2.2 専 用 採 便 容 器 で 採 便 した 場 合 の 検 体 の 保 存 方 法 は? 検 査 は 採 便 後 できるだけすみやかに 行 ってください 採 取 した 採 便 容 器 をやむをえず 保 存 する 場 合 には 7 日 まで 25 以 下 で 保 存 してください 7 日 を 超 える 場 合 は 2~10 に 冷 蔵 保 存 してください 医 療 施 設 到 着 後 すみやかに 検 査 できない 場 合 も 2~10 に 冷 蔵 保 存 してください 2.3 テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 で 検 査 を 行 うのに 専 用 の 検 体 希 釈 液 を 患 者 さんに 渡 さず 別 の 容 器 に 便 を 採 取 してもらって 検 査 することも 可 能 ですか? 別 の 容 器 に 採 取 した 便 を 用 いて 検 査 できますが テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 の 反 応 シートに 供 す る 試 料 には 必 ず テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 専 用 の 検 体 希 釈 液 で 希 釈 した 便 検 体 を 用 いる 必 要 が あります 被 験 者 に 別 の 容 器 に 適 当 量 の 便 を 採 取 してきてもらい 検 査 実 施 者 が 検 査 室 にて 必 ず テストメ イト ラピッド ピロリ 抗 原 検 体 希 釈 液 を 使 用 して 検 査 を 行 ってください 4
2.4 別 の 容 器 に 便 を 採 取 した 場 合 の 保 存 方 法 を 教 えてください 検 査 は 採 便 後 速 やかに 実 施 していただくことを 推 奨 いたしますが 検 査 に 供 するまで 便 の 状 態 で( 希 釈 し ないで) 検 体 を 保 存 する 場 合 は 密 閉 して 7 日 まで 冷 暗 所 に 保 存 してください 7 日 を 超 える 場 合 は 2~ 10 に 冷 蔵 保 存 してください 検 体 が 検 査 室 到 着 後 すみやかに 検 査 できない 場 合 も 2~10 に 冷 蔵 保 存 してください 2.5 検 体 を 長 期 保 存 したいのですが どのように 保 存 すればよいでしょうか? -20 以 下 で 凍 結 保 存 してください 検 体 の 凍 結 融 解 の 繰 り 返 しは 避 けてください 2.6 便 のどこをとっても 正 しく 検 査 できますか? 便 の 先 端 部 中 央 部 尾 部 また 表 面 内 部 のどこから 採 取 しても テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 で の 検 査 結 果 に 影 響 はありません 採 取 部 位 の 違 いにより 検 査 結 果 に 違 いはありません 2.7 他 の 検 査 の 採 便 容 器 は 使 えますか? 本 キットの 専 用 採 便 容 器 には テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 でのイムノクロマト 展 開 に 必 要 な 緩 衝 液 が 含 まれています 他 の 採 便 容 器 を 代 用 して 検 査 を 行 うと 正 しい 結 果 を 得 られません 3. 検 査 について 3.1 検 査 手 順 を 教 えてください 1. 専 用 の 採 便 容 器 ( テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 検 体 希 釈 液 )に 少 量 の 便 を 採 便 します 採 便 容 器 には 検 体 希 釈 液 が 含 まれており 便 はそれに 懸 濁 されます 2. 採 便 容 器 のオレンジ 色 のキャップを 開 けて 最 初 の 2 滴 を 捨 てます 3. 反 応 シートの 滴 下 部 位 に 便 を 含 む 検 体 希 釈 液 を 1 滴 滴 下 します 4. 10 分 放 置 後 目 視 で 判 定 します 反 応 シートの 判 定 窓 に 赤 いラインが 2 本 出 れば 陽 性 1 本 なら 陰 性 で す 3.2 なぜ 最 初 の 2 滴 を 捨 てるのですか? 最 初 の 1~2 滴 には 泡 などが 含 まれることが 多 く また 濃 度 の 薄 い 不 均 一 な 検 体 となる 場 合 があるため 最 初 の 2 滴 は 除 いて 検 査 します 3.3 最 初 の 2 滴 を 捨 てるのを 忘 れて 反 応 シートに 試 料 を 滴 下 してしまいました どうしたらよいですか? 採 便 容 器 に 残 っている 検 体 を 用 いて 新 しい 反 応 シートで 検 査 をやり 直 してください 3.4 試 料 を 2 滴 以 上 滴 下 したり いったん 反 応 させた 後 もう 一 度 滴 下 したりすることにより より 感 度 良 く 抗 原 を 検 出 することができますか? そのようにした 場 合 の 性 能 は 確 認 されていません 反 応 シートの 試 料 滴 下 部 への 試 料 滴 下 は 所 定 の 滴 下 量 (1 滴 )を 必 ず 守 り 一 度 だけにしてください 3.5 検 体 希 釈 液 の 役 目 は 何 ですか? 検 体 希 釈 液 は H.ピロリ 抗 原 を 溶 出 し イムノクロマトグラフィーにおいて 抗 原 成 分 抗 体 成 分 を 運 搬 するク ロマト 展 開 剤 の 役 割 を 果 たすと 同 時 に 蛋 白 質 などが 担 体 へ 非 特 異 的 に 吸 着 するのを 防 止 します テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 の 検 体 希 釈 液 は テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 で 最 高 の 感 度 と 特 異 性 を 発 揮 できるよう 特 別 に 調 製 された 試 薬 です 検 体 希 釈 液 を 使 用 せずに 水 や 生 理 食 塩 水 など 他 の 液 を 使 用 した 場 合 正 しい 結 果 が 得 られないことがありますので 必 ず 専 用 の 検 体 希 釈 液 を 使 用 し 添 付 文 書 の 記 載 に 従 って 正 しく 検 査 を 行 ってください 3.6 便 以 外 の 検 体 で 検 査 できますか? 便 以 外 の 検 体 での 検 査 は 行 えません 5
3.7 便 潜 血 といっしょに 検 査 できますか? 希 釈 倍 率 希 釈 液 の 組 成 が 異 なるため 便 潜 血 といっしょには 検 査 できません 2015.2.10 3.8 便 に 血 が 含 まれていました 正 しく 検 査 できますか? 血 液 が 検 体 希 釈 液 に 1%( 1) 含 まれても 陰 性 結 果 陽 性 結 果 いずれにも 影 響 されないことが 確 認 されて います ( 1)これは 採 取 した 便 の 30%が 血 液 であった 場 合 に 相 当 します 3.9 薬 を 服 用 しています 検 査 結 果 に 影 響 はでないでしょうか? 以 下 の 薬 剤 を 用 いて 本 キットの 検 査 を 行 いましたが いずれも テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 の 判 定 結 果 に 影 響 を 与 えませんでした 下 記 の 濃 度 は 1 日 使 用 量 の 上 限 量 が 1 日 便 量 に 全 量 排 出 されたと 仮 定 し それを 30 倍 希 釈 して( 2) 検 査 を 行 ったものです 従 って これらの 薬 剤 が 用 量 通 り 服 用 されている 場 合 検 査 の 結 果 に 影 響 を 与 えないと 考 えられます ( 2) 本 キットにおける 便 の 希 釈 倍 率 と 同 じ 表 3 薬 剤 の 影 響 薬 剤 ガスター[ 散 ]10% セルベックスカプセル パリエット 錠 ネイチャーメイドBコンプレックス バロスパースW 供 試 濃 度 0.075mg/mL 0.03mg/mL 0.05mg/mL 0.066mg/mL 30mg/mL 4. 判 定 について 4.1 判 定 は 何 分 後 ですか? 10 分 後 に 目 視 で 判 定 します 4.2 試 料 滴 下 後 10 分 経 過 前 に 判 定 ラインが 現 れた 場 合 は その 時 点 で 陽 性 と 判 定 してもよいですか? 判 定 は 試 料 滴 下 後 10 分 で 行 ってください 10 分 経 過 前 に 判 定 ラインとコントロールラインが 現 れても 必 ず 10 分 待 ってから 判 定 するようにしてください 4.3 試 料 滴 下 直 後 にグレーの( 影 のような) 判 定 ラインが 現 れた 場 合 は その 時 点 で 陽 性 と 判 定 してもよいです か? 判 定 は 試 料 滴 下 後 10 分 での 赤 色 の 判 定 ラインとコントロールラインの 有 無 により 行 ってください 反 応 シー トの 判 定 ライン 部 分 には 抗 ヘリコバクター ピロリ 抗 体 がライン 状 に 固 相 化 されております 検 体 ( 検 体 希 釈 液 )の 展 開 途 中 で 抗 体 固 相 化 部 分 が 展 開 液 により 濡 れ 半 透 明 に 透 き 通 って 見 えることがあります こ れらの 原 因 については 下 記 の 2 点 が 指 摘 されています 1 抗 体 が 固 相 化 された 部 分 は 蛋 白 質 が 介 在 しているため その 他 の 部 分 との 親 水 性 に 差 が 生 じて 濡 れ 具 合 が 変 わり ライン 影 のように 見 える 場 合 があります 2ニトロセルロース 膜 はセルロース 繊 維 が 網 目 構 造 になっており 抗 体 固 相 化 部 分 は 若 干 網 目 構 造 に 違 いがあります そのため 展 開 途 中 で 標 識 物 等 が 固 相 化 部 分 の 網 目 に 掛 かかり 濡 れ 具 合 に 違 いが 生 じ ライン 影 または 赤 いラインのように 見 える 場 合 があります これらの 現 象 は 展 開 が 進 む 段 階 で 緩 衝 液 の 洗 浄 効 果 により 解 消 されるものです 判 定 は 試 料 滴 下 後 10 分 後 に 必 ず 行 ってください また イムノクロマト 法 の 抗 原 抗 体 反 応 においては 赤 色 に 発 色 したラインが 出 現 するためこれ 以 外 の 発 色 を 示 すラインは 無 効 としてください 6
4.4 試 料 滴 下 後 10 分 放 置 する 間 反 応 シートを 動 かしても 大 丈 夫 ですか? 試 料 が 試 料 滴 下 部 位 に 吸 収 されたあとは 多 少 動 かしても 問 題 ありません ただし 落 下 など 強 い 衝 撃 を 与 えた 場 合 には クロマト 展 開 が 正 常 に 行 われず 反 応 に 支 障 をきたす 可 能 性 が 考 えられます 4.5 10 分 を 過 ぎて 判 定 できますか? 試 料 滴 下 後 反 応 シートを 長 時 間 放 置 しておくと 乾 燥 や 逆 流 の 影 響 等 により 非 特 異 なラインが 現 れたり 逆 にラインが 薄 くなったりする 可 能 性 があります 従 って 判 定 は 試 料 滴 下 後 10 分 後 に 行 い 長 時 間 放 置 した 反 応 シートを 用 いての 判 定 は 行 わないでください 4.6 判 定 ラインが 薄 い 場 合 の 判 定 を 教 えてください ラインが 薄 くても 肉 眼 で 確 認 できるラインがあれば 陽 性 と 判 定 します 抗 原 量 が 少 なく 検 出 限 界 に 近 い 場 合 には 判 定 ラインの 線 は 薄 くなります 判 定 は 十 分 に 明 るいところで 判 定 部 を 真 上 から 観 察 して 行 って ください 4.7 試 料 滴 下 後 コントロールラインが 現 れなかった 場 合 どのように 対 処 しますか? コントロールラインは 反 応 シートの 判 定 窓 の 上 方 ( 試 薬 滴 下 側 の 判 定 窓 の 縁 より 1cm のところ)に 現 れます 操 作 が 不 適 当 又 は 試 薬 が 劣 化 していた 等 の 場 合 にコントロールラインが 現 れないことがあります これら の 原 因 が 疑 われる 場 合 には 別 の 反 応 シートでの 再 検 査 を 行 ってください また 検 体 の 強 粘 性 過 剰 採 取 などの 影 響 により 反 応 シート 上 での 展 開 に 影 響 する 疑 いがある 場 合 は 上 記 の Q&A 2.1 を 参 照 し 適 宜 希 釈 し 再 検 査 を 行 ってください 4.8 試 料 滴 下 後 何 も 現 れなかった 反 応 シートを 再 利 用 する 事 はできますか? できません 一 度 試 料 を 滴 下 すると 試 薬 部 の 抗 体 が 溶 出 してしまうからです 5.その 他 5.1 最 小 検 出 感 度 は? 検 出 限 界 は 便 への 添 加 試 験 においてヘリコバクター ピロリ 菌 体 破 砕 物 のタンパク 濃 度 として 18.8ng/mL です これは 10 の 4~5 乗 個 /ml の H.ピロリ 菌 の 持 つ 抗 原 量 に 相 当 します 5.2 感 度 特 異 性 を 教 えてください 糞 便 検 体 107 検 体 について 本 品 と 総 合 判 定 を 検 討 した 結 果 以 下 のような 相 関 性 を 示 しました 表 4 総 合 判 定 との 相 関 性 1) 総 合 判 定 陽 性 陰 性 計 本 品 陽 性 75 0 75 陰 性 4 28 32 計 79 28 107 感 度 75/79=94.9% 特 異 度 28/28=100% 一 致 率 (75+28)/107=96.3% 本 品 と 総 合 判 定 の 一 致 率 は96.3%でした 総 合 判 定 は 便 中 抗 原 検 査 を 除 く 方 法 により ヘリコバクター ピロリ 感 染 診 断 を 実 施 し その 他 の 臨 床 症 状 とあわせて ヘリコバクター ピロリ 陰 性 あるいは 陽 性 を 消 化 器 内 科 の 専 門 医 が 判 定 した 5.3 添 付 文 書 にある 総 合 判 定 とは 何 ですか? 培 養 法 鏡 検 法 及 び 迅 速 ウレアーゼ 試 験 を 実 施 し 3 法 の 結 果 で 3 法 陽 性 培 養 陽 性 鏡 検 法 と 迅 速 ウレ アーゼ 試 験 2 法 陽 性 の 場 合 を H.ピロリ 陽 性 と 診 断 しました 3 法 陰 性 培 養 法 陰 性 かつ 鏡 検 法 と 迅 速 ウレ アーゼ 試 験 の 2 法 のいずれか 1 法 が 陰 性 の 場 合 を H.ピロリ 陰 性 と 診 断 し その 他 の 場 合 は 診 断 困 難 とし て 除 外 いたしました 7
5.4 EIA 法 を 用 いた 便 中 抗 原 検 査 とどう 違 うのですか? EIA 法 を 用 いた 便 中 抗 原 検 査 は 検 出 原 理 が 以 下 の 点 で 異 なります 1モノクローナル 抗 体 を 固 相 化 したマイクロプレートを 用 いる 2 酵 素 反 応 で 標 識 を 発 色 させるため 基 質 や 反 応 停 止 液 など 複 数 の 試 薬 が 必 要 である 3 洗 浄 操 作 が 必 要 で 操 作 ステップも 多 く 時 間 が 1 時 間 以 上 かかる 4 試 薬 を 冷 蔵 で 保 存 しなければならない 2015.2.10 5.5 テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 で 検 査 した 場 合 の 保 険 点 数 は 何 点 ですか? D012 感 染 症 免 疫 学 的 検 査 1 糞 便 中 ヘリコバクター ピロリ 抗 原 定 性 146 点 1 免 疫 学 的 検 査 判 断 料 144 点 5.6 H.ピロリ 感 染 診 断 の 保 険 適 応 となる 対 象 患 者 はどのようなものですか? H.ピロリ 感 染 症 に 係 る 検 査 については 以 下 に 掲 げる 患 者 のうち H.ピロリ 感 染 症 が 疑 われる 場 合 に 限 り 算 定 できます 1 内 視 鏡 検 査 又 は 造 影 検 査 において 胃 潰 瘍 又 は 十 二 指 腸 潰 瘍 の 確 定 診 断 がなされた 患 者 2 胃 MALTリンパ 腫 の 患 者 3 特 発 性 血 小 板 減 少 性 紫 斑 病 の 患 者 4 早 期 胃 癌 に 対 する 内 視 鏡 的 治 療 後 の 患 者 5 内 視 鏡 検 査 において 胃 炎 の 確 定 診 断 がなされた 患 者 a) これらに 該 当 せず H.ピロリ 感 染 診 断 を 希 望 される 場 合 は 自 費 での 検 査 になります 詳 しくは 各 都 道 府 県 の 支 払 い 基 金 にお 問 い 合 わせください 5.7 自 費 で 検 査 して H.ピロリ 陽 性 だったとき 除 菌 治 療 できますか? 自 費 で 感 染 診 断 の 検 査 を 実 施 して その 結 果 に 基 づいた 除 菌 治 療 を 行 う 場 合 も 自 費 になります 詳 しくは 各 都 道 府 県 の 支 払 い 基 金 にお 問 い 合 わせください 5.8 テストメイト ラピッド ピロリ 抗 原 はスクリーニングに 使 えますか? 菌 体 成 分 の 直 接 検 査 面 診 断 非 侵 襲 検 査 の 3 要 素 を 全 て 満 たす 唯 一 の 検 査 法 であり 特 に 内 視 鏡 を 必 要 としない 非 侵 襲 の 検 査 でありますので 患 者 様 への 負 担 がなく スクリーニングに 最 適 です 表 1 をご 参 照 ください 5.9 除 菌 診 断 の 場 合 便 中 抗 原 検 査 の 場 合 は4 週 間 待 たないでもいいですか? 偽 陰 性 判 定 を 避 けるため 便 中 抗 原 を 用 いた 除 菌 判 定 であっても 除 菌 薬 服 用 終 了 後 4 週 間 以 上 経 過 し て 検 査 を 行 ってください 5.10 これまでピロリ 菌 の 検 査 をするのに 呼 気 テストをしていました その 検 査 ではプロトンポンプ 阻 害 剤 を 使 っているとピロリ 菌 の 活 性 が 無 くなり 偽 陰 性 になる 可 能 性 があるということなのですが この 抗 原 検 査 の 場 合 はそのような 心 配 は 無 いのでしょうか? 最 近 プロトンポンプ 阻 害 薬 の 便 中 抗 原 測 定 への 影 響 について 下 記 のような 報 告 がなされています プ ロトンポンプ 阻 害 薬 の 服 用 が 尿 素 呼 気 試 験 と 便 中 抗 原 測 定 に 及 ぼす 影 響 を 調 べたところ 尿 素 呼 気 試 験 では 偽 陰 性 の 傾 向 がみられたにもかかわらず 便 中 抗 原 測 定 では 偽 陰 性 がみられなかった 2) しかしながら プロトンポンプ 阻 害 薬 の 便 中 抗 原 測 定 への 影 響 については 未 だ 確 立 されておらず 引 き 続 きさらなる 検 討 が 必 要 であると 思 われます 8
参 考 情 報 a) 厚 生 労 働 省 平 成 25 年 2 月 21 日 保 医 発 0221 第 31 号 参 考 文 献 2) 福 田 能 啓 他 : 医 学 と 薬 学,52(3),469(2004) 3) 福 田 能 啓 新 しい H. pylori 診 断 法 - 尿 素 呼 気 試 験 と 便 中 H pylori 抗 原 測 定 法 臨 床 消 化 器 内 科 Vol.20 No.1: 79-85, 2005 販 売 元 : 日 本 ベクトン ディッキンソン 株 式 会 社 107-0052 東 京 都 港 区 赤 坂 4-15-1 赤 坂 ガーデンシティ カスタマーサービス TEL:0120-8555-90 製 造 販 売 元 :わかもと 製 薬 株 式 会 社 103-8330 東 京 都 中 央 区 日 本 橋 本 町 2-2-2 *テストメイトラピッドピロリ 抗 原 はわかもと 製 薬 株 式 会 社 の 登 録 商 標 です *BD BD ロゴおよびその 他 の 商 標 は Becton, Dickinson and Company が 保 有 します 2015 BD 9