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Transcription:

市 内 遺 跡 9 - 平 成 26 年 度 埋 蔵 文 化 財 発 掘 調 査 報 告 書 - 2015.9 茅 野 市 教 育 委 員 会

序 文 茅 野 市 は 長 野 県 南 東 部 に 位 置 する 風 光 明 媚 な 高 原 都 市 です 東 に 八 ヶ 岳 連 峰 西 に 赤 石 山 脈 から 続 く 山 脚 北 に 霧 ヶ 峰 山 塊 を 擁 し 霧 ヶ 峰 の 南 麓 からは 遠 く 富 士 山 を 望 むことができます 当 市 には 特 別 史 跡 尖 石 遺 跡 史 跡 上 之 段 遺 跡 や 駒 形 遺 跡 をは じめとする 多 くの 縄 文 時 代 の 遺 跡 があり 縄 文 の 里 として 全 国 にその 名 を 知 られています また それらの 縄 文 遺 跡 にかく れがちであった 弥 生 時 代 から 江 戸 時 代 の 遺 跡 も 市 街 地 周 辺 に おける 近 年 の 発 掘 調 査 によってその 数 を 増 しています 当 市 では 市 内 各 所 で 行 われる 各 種 開 発 事 業 と 遺 跡 の 保 護 調 整 を 図 るために 国 庫 補 助 事 業 による 試 掘 調 査 ならびに 本 調 査 等 を 進 めてきました その 中 で 平 成 26 年 度 に 実 施 した 10 件 の 調 査 成 果 が 本 報 告 書 にまとめられています 報 告 する 発 掘 調 査 は いずれも 遺 跡 の 一 部 を 対 象 に 行 われた 小 規 模 なものですが このような 調 査 を 地 道 に 繰 り 返 し 行 うこ とで 遺 跡 の 広 がりやその 性 格 が 解 き 明 かされていくものと 期 待 されます 最 後 になりましたが 発 掘 調 査 にご 理 解 とご 協 力 を 賜 りまし た 地 権 者 ならびに 事 業 関 係 者 の 皆 さま 調 査 に 従 事 された 作 業 員 の 皆 さまに 心 からお 礼 を 申 し 上 げます 平 成 27 年 9 月 茅 野 市 教 育 委 員 会 教 育 長 牛 山 英 彦

例 言 1 本 書 は 長 野 県 茅 野 市 が 平 成 26 年 度 に 国 宝 重 要 文 化 財 等 保 存 整 備 費 補 助 金 を 受 け 作 成 した 平 成 26 年 度 の 各 種 開 発 事 業 に 伴 う 市 内 遺 跡 発 掘 調 査 報 告 書 である 2 本 書 に 掲 載 した 遺 跡 は 平 成 26 年 4 月 1 日 から 平 成 27 年 3 月 31 日 までに 調 査 した 遺 跡 である 3 整 理 作 業 ならびに 報 告 書 作 成 は 平 成 27 年 5 月 1 日 から 平 成 27 年 8 月 28 日 に 実 施 した 4 各 遺 跡 の 所 在 地 は 本 文 中 に 記 した 5 本 調 査 に 係 わる 出 土 品 諸 記 録 は 茅 野 市 尖 石 縄 文 考 古 館 で 収 蔵 保 管 している 6 発 掘 調 査 から 報 告 書 作 成 までに 長 野 県 教 育 委 員 会 事 務 局 文 化 財 生 涯 学 習 課 長 野 県 考 古 学 会 諏 訪 考 古 学 研 究 会 の 諸 氏 からご 指 導 ご 助 言 を 頂 いた 記 して 感 謝 する 次 第 である 凡 例 1 遺 跡 番 号 に 枝 番 を 付 してあるものは 茅 野 市 遺 跡 台 帳 の 枝 番 であり 発 掘 届 け 受 け 付 け 順 となっているが 本 報 告 においては 実 際 の 調 査 順 としたため 順 番 が 前 後 するものがある 2 本 書 における 挿 図 の 縮 尺 は 挿 図 中 に 記 している 3 挿 図 における 遺 構 の 略 号 は 以 下 のとおりである 1 1 号 住 居 址 1 住 2 1 号 竪 穴 状 遺 構 1 竪 穴 3 1 号 土 坑 1 土 など 4 土 層 断 面 図 のレベルで 未 記 入 のものは 現 地 表 面 のレベルを 基 に 任 意 で 設 定 している 目 次 第 1 章 市 内 遺 跡 発 掘 調 査 等 事 業 の 概 要 1 第 1 節 茅 野 市 における 埋 蔵 文 化 財 保 護 の 概 要 1 第 2 節 平 成 26 年 度 事 業 の 概 要 1 第 3 節 調 査 の 体 制 1 第 2 章 試 掘 調 査 3 第 3 章 本 調 査 13 抄 録

第 1 章 市 内 遺 跡 発 掘 調 査 等 事 業 の 概 要 第 1 節 茅 野 市 における 埋 蔵 文 化 財 保 護 の 概 要 平 成 26 年 3 月 現 在 茅 野 市 における 周 知 の 埋 蔵 文 化 財 包 蔵 地 ( 以 下 遺 跡 とする)は 348 箇 所 である 遺 跡 内 およびその 隣 接 地 で 開 発 行 為 が 計 画 された 場 合 事 業 者 と 市 教 育 委 員 会 との 間 で 埋 蔵 文 化 財 保 護 に 関 わる 取 り 扱 いを 協 議 し 試 掘 調 査 ( 確 認 調 査 )の 実 施 を 基 本 に 埋 蔵 文 化 財 ( 遺 構 遺 物 )の 有 無 を 確 認 することにしている 埋 蔵 文 化 財 が 確 認 された 場 合 工 事 の 計 画 変 更 による 遺 跡 の 現 状 保 存 を 事 業 者 に 求 めているが やむを 得 ず 失 わ れる 場 合 には 事 業 者 の 協 力 を 得 て 本 調 査 による 記 録 保 存 を 実 施 している 近 年 の 当 市 における 発 掘 調 査 等 は ほ 場 整 備 土 地 区 画 整 理 幹 線 道 路 新 設 事 業 などの 公 共 性 の 高 い 大 規 模 な 開 発 に 伴 うものから 宅 地 造 成 集 合 住 宅 建 築 個 人 住 宅 建 築 工 事 などの 民 間 個 人 が 事 業 者 となる 小 規 模 な 開 発 に 伴 うものへ 移 行 している 今 後 も 人 口 の 増 加 と 相 まって このような 小 規 模 開 発 に 伴 う 調 査 は 増 加 の 一 途 を 辿 ることが 予 想 される これに 対 処 するため 市 教 育 委 員 会 では 埋 蔵 文 化 財 の 保 護 保 存 に 対 する 理 解 と 協 力 を 得 るためのさまざまな 事 業 を 展 開 してきた 平 成 18 年 度 は 遺 跡 位 置 図 を 掲 載 した 埋 蔵 文 化 財 の 取 り 扱 いに 関 するリーフレットを 市 内 全 戸 に 配 布 し 保 護 保 存 に 関 する 啓 蒙 普 及 活 動 を 行 った 平 成 19 年 度 は 周 知 の 遺 跡 の 範 囲 を 全 面 的 に 見 直 し 遺 跡 位 置 図 を 改 訂 した 平 成 20 年 度 は 遺 跡 の 位 置 と 内 容 の 周 知 化 をさらに 進 めるため 遺 跡 位 置 図 ならびに 遺 跡 台 地 を 電 子 化 し 茅 野 市 ホームページ 上 での 公 開 を 開 始 した また こうした 取 り 組 みにあわせて 平 成 19 20 年 度 には 市 内 の 不 動 産 取 引 業 者 土 木 および 建 設 業 者 建 築 設 計 業 者 と 埋 蔵 文 化 財 の 取 り 扱 いに 関 する 勉 強 会 を 合 同 で 開 催 し 遺 跡 の 位 置 や 遺 跡 内 で 工 事 を 行 う 際 の 法 的 手 続 きな どを 相 互 で 確 認 した この 他 地 域 の 歴 史 を 直 に 感 じていただく 機 会 として 市 民 対 象 の 発 掘 現 場 の 現 地 説 明 会 を 開 催 している 規 模 の 大 きな 発 掘 調 査 としては 平 成 26 年 度 には 国 史 跡 駒 形 遺 跡 の 確 認 調 査 を 実 施 したほか 集 合 住 宅 の 建 築 工 事 に 伴 い 構 井 阿 弥 陀 堂 遺 跡 の 発 掘 調 査 を 受 託 事 業 として 実 施 した 第 2 節 平 成 26 年 度 事 業 の 概 要 平 成 26 年 度 に 受 理 した 土 木 工 事 等 のための 埋 蔵 文 化 財 発 掘 の 届 出 書 (93 条 第 1 項 ) ならびに 土 木 工 事 等 のための 埋 蔵 文 化 財 発 掘 の 通 知 書 (94 条 第 1 項 ) は 49 件 である この 中 で 平 成 26 年 度 国 宝 重 要 文 化 財 等 保 存 整 備 費 事 業 補 助 金 の 市 内 遺 跡 発 掘 調 査 等 事 業 の 対 象 事 業 は 試 掘 調 査 が 5 件 本 調 査 が 5 件 ) 補 助 対 象 事 業 費 が 1,303,326 円 であった 本 報 告 では 予 算 の 執 行 を 伴 わない 立 会 調 査 25 件 は 割 愛 した 第 3 節 調 査 の 体 制 発 掘 調 査 は 茅 野 市 教 育 委 員 会 事 務 局 尖 石 縄 文 考 古 館 および 文 化 財 課 が 実 施 した 組 織 は 下 記 のとおりである 1 調 査 主 体 者 教 育 長 牛 山 英 彦 2 事 務 局 生 涯 学 習 部 長 木 川 亮 一 3 尖 石 縄 文 考 古 館 守 矢 昌 文 ( 尖 石 縄 文 考 古 館 長 文 化 財 課 長 ) 小 池 岳 史 ( 考 古 館 係 長 平 成 26 年 4 月 1 日 から) 功 刀 司 ( 尖 石 史 跡 整 備 担 当 ) 小 林 深 志 ( 文 化 財 係 長 ) 山 科 哲 大 月 三 千 代 鵜 飼 幸 雄 塩 澤 恭 輔 4 調 査 担 当 小 林 深 志 鵜 飼 幸 雄 塩 澤 恭 輔 ( 発 掘 調 査 整 理 作 業 報 告 書 担 当 ) 5 発 掘 調 査 参 加 者 補 助 員 牛 山 矩 子 酒 井 みさを 大 勝 弘 子 武 居 八 千 代 立 岩 貴 江 子 作 業 員 後 藤 信 一 -1-

山寺 上原城下町 上原城下町 下蟹河原 長峰 上御前 一本木 向坂 頭殿沢上 第 1 図 調査遺跡位置図 1/100,000-2-

第 2 章 試 掘 調 査 1 下 蟹 河 原 遺 跡 遺 跡 番 号 112-9 所 在 地 茅 野 市 ちの 字 下 蟹 河 原 3316-1 他 7 筆 調 査 原 因 宅 地 造 成 調 査 期 間 平 成 26 年 4 月 10 日 調 査 面 積 22.3m2 遺 構 多 数 遺 物 平 安 土 師 器 7 第 2 図 調 査 地 点 図 (1/5,000) 2 区 1 区 2 第 3 図 下 蟹 河 原 試 掘 調 査 全 体 図 (1/400) 4 第 4 図 1 区 遺 構 分 布 図 (1/100) 遺 跡 の 概 要 JR 茅 野 駅 の 西 300 mにあり 駅 のある 上 川 の 沖 積 台 地 の 西 端 で 比 高 差 約 10m の 茅 野 断 層 の 崖 下 の 低 地 にある 標 高 は 769 mを 測 る 本 遺 跡 内 には 達 屋 酢 蔵 神 社 や 御 社 宮 司 社 などの 古 社 もあり 古 くから 開 けたところで 人 家 が 密 集 している 本 遺 跡 は 昭 和 6 年 に 遺 物 の 発 見 を 知 った 矢 島 数 由 氏 により 発 掘 調 査 が 行 われ 住 居 址 一 括 資 料 が 発 掘 された ことによって 広 く 知 られるところとなった この 資 料 については 藤 森 栄 一 氏 の 報 告 に 詳 しいが 古 墳 時 代 初 頭 の 一 括 資 料 として 位 置 づけられるもので 東 海 地 方 との 関 わりがうかがわれる 資 料 として 編 年 学 的 にも 重 要 -3-

な 資 料 となった 近 年 個 人 住 宅 や 集 合 住 宅 の 建 設 に 伴 い 小 規 模 な 発 掘 調 査 や 試 掘 調 査 が 行 われ 弥 生 時 代 から 古 代 にかけて 長 期 間 継 続 された 遺 跡 であることが 確 認 されている 調 査 の 概 要 遺 跡 範 囲 の 南 東 端 に 位 置 する 場 所 に 宅 地 造 成 工 事 が 計 画 された 今 回 の 調 査 地 点 の 西 側 隣 接 地 で は 平 成 20 年 度 に 集 合 住 宅 を 建 設 する 際 に 試 掘 調 査 を 行 い 計 画 された 基 礎 工 事 の 掘 削 深 度 ( 現 況 地 盤 以 下 50 ~ 55cm ) まで 掘 り 下 げたところ 地 山 である 暗 褐 色 砂 質 土 層 面 に 17 個 所 以 上 の 落 ち 込 みを 確 認 し 多 くの 遺 物 が 出 土 している 今 回 の 工 事 では L 字 型 擁 壁 と 側 溝 設 置 のため 幅 約 1 m 掘 削 深 度 ( 現 況 地 盤 より 40 ~ 60cm ) まで 掘 り 下 げる 工 事 が 計 画 された そのため 隣 接 地 である 当 地 でも 遺 構 面 に 達 すると 考 え まず 試 掘 調 査 を 行 い 事 業 者 と 協 議 することとした 調 査 は 掘 削 の 影 響 を 受 ける 場 所 2 個 所 にトレンチを 設 定 し 工 事 予 定 掘 削 深 度 まで 掘 り 下 げを 行 った その 結 果 一 部 にカマドの 粘 土 らしい 場 所 がみられるものの 多 数 の 遺 構 が 重 複 しており 詳 細 は 不 明 であった また これ 以 上 の 掘 削 がなく 出 土 した 土 器 も 小 さな 破 片 がわずかなこともあり 明 確 には 分 からなかった 調 査 結 果 を 見 る 限 り 事 業 により 遺 構 が 破 壊 される 可 能 性 は 低 いと 考 えられた そのため 本 調 査 に 移 行 する 必 要 はないと 判 断 し 調 査 を 終 了 とした 図 版 1 調 査 前 現 況 ( 北 から ) 図 版 2 調 査 風 景 ( 東 から ) 図 版 3 1 区 完 掘 状 況 ( 南 から ) 図 版 4 2 区 完 掘 状 況 ( 東 から ) -4-

2 一 本 木 遺 跡 遺 跡 番 号 163-10 所 在 地 茅 野 市 玉 川 川 久 保 日 向 8444-1 他 調 査 原 因 宅 地 造 成 調 査 期 間 平 成 26 年 4 月 16 日 ~17 日 調 査 面 積 175.9m2 遺 構 焼 土 址 1 土 坑 2 遺 物 縄 文 土 器 黒 曜 石 第 5 図 調 査 地 点 図 (1/5,000) 遺 跡 の 概 要 八 ヶ 岳 の 西 麓 東 西 に 伸 びる 台 地 上 に 所 在 する 地 籍 は 玉 川 地 区 山 田 である 台 地 平 坦 面 の 頂 部 付 近 から 南 側 斜 面 に 縄 文 時 代 中 期 末 葉 の 土 器 や 石 器 が 散 布 し 約 25,000m2が 遺 跡 に 登 録 されている 遺 跡 内 の 標 高 は 960 ~ 946 mを 測 る 平 成 に 入 り 本 遺 跡 とその 周 辺 は 急 速 に 宅 地 化 したが 調 査 事 例 が 極 めて 少 ない 平 成 10 年 に 遺 跡 西 端 の 個 人 住 宅 建 築 工 事 に 伴 う 工 事 立 会 で 時 期 不 明 の 土 坑 が 発 見 された 以 外 に 調 査 等 による 遺 跡 の 情 報 は 得 られてい ない そのために 遺 跡 の 広 がり 時 期 性 格 などは 不 明 なままである また 平 成 24 年 には 今 回 の 北 側 に 近 接 する 地 点 で 個 人 住 宅 建 築 工 事 に 伴 う 調 査 が 行 われているが 遺 構 や 遺 物 は 検 出 されていない 図 版 5 調 査 前 現 況 ( 北 西 から ) 図 版 6 調 査 風 景 ( 東 から ) 図 版 7 試 掘 調 査 全 景 ( 北 東 から ) 図 版 8 1 区 焼 土 址 ( 東 から ) -5-

図 版 9 2 区 土 坑 検 出 状 態 ( 東 から ) 図 版 10 3 区 土 坑 検 出 状 態 ( 東 から ) 調 査 の 概 要 遺 跡 の 中 央 付 近 緩 やかな 斜 面 に 2,791m2の 範 囲 に 宅 地 造 成 工 事 が 計 画 された 範 囲 も 広 く 台 地 頂 部 約 450m2を 切 り 土 する 計 画 であったため 予 め 範 囲 確 認 の 試 掘 調 査 を 行 うことで 事 業 主 の 了 解 を 得 た 切 り 土 によって 壊 される 範 囲 に 7 本 のトレンチを 設 定 し 計 175.9m2を 試 掘 調 査 した 結 果 土 坑 2 基 焼 土 址 1 箇 所 を 確 認 した また 現 状 地 形 に 沿 って 地 山 が 続 くことも 確 認 できた ただし 耕 作 土 層 が 20 ~ 30cm 程 しかなく 耕 作 による 撹 乱 や 小 型 重 機 の 爪 痕 が 残 るなど 既 に 大 きな 改 変 を 受 けていると 思 われる 事 業 主 との 協 議 の 結 果 委 託 契 約 を 締 結 し 本 調 査 に 切 り 替 えた 本 遺 跡 の 委 託 事 業 に 伴 う 発 掘 調 査 報 告 書 は 平 成 26 年 度 に 既 に 刊 行 している 土 坑 焼 土 址 土 坑 0 10m 第 6 図 一 本 木 遺 跡 試 掘 調 査 全 体 図 (1/400) -6-

3 長 峰 遺 跡 遺 跡 番 号 145-19 所 在 地 茅 野 市 宮 川 11109-1 調 査 原 因 個 人 住 宅 調 査 期 間 平 成 26 年 5 月 25 日 調 査 面 積 27m2 遺 構 住 居 址 1 遺 物 縄 文 土 器 13 黒 曜 石 3 第 7 図 調 査 地 点 図 (1/5,000) 調 査 の 概 要 遺 跡 のほぼ 中 央 に 建 売 の 個 人 住 宅 建 設 工 事 が 計 画 された 平 成 16 年 7 月 に 当 該 事 業 地 の 東 へ 約 50 mの 地 点 で 個 人 住 宅 建 築 工 事 に 伴 う 発 掘 調 査 が 行 われ 縄 文 時 代 中 期 後 葉 期 ( 曽 利 Ⅲ~Ⅳ 式 期 ) の 竪 穴 住 居 址 1 軒 と 当 該 期 から 後 期 初 頭 期 とみられる 多 数 の 土 坑 が 検 出 されているほ か 周 囲 から 縄 文 時 代 中 期 の 遺 構 遺 物 が 多 数 検 出 されている これらの 調 査 例 から 当 該 事 業 地 に 遺 構 が 存 するものとみて 事 業 者 の 協 力 の 下 予 定 掘 削 深 度 までの 試 掘 調 査 を 行 った 試 掘 調 査 の 結 果 住 居 址 1 軒 を 検 出 したほか 土 器 片 13 点 黒 曜 石 3 点 が 出 土 した 住 居 址 の 時 期 は 覆 土 から 出 土 した 土 器 片 も 小 さく わず かであったため 特 定 には 至 らなかった また 現 況 の 地 形 は 西 へ 緩 やか に 傾 斜 しているが 計 画 地 内 東 側 では 黒 色 の 耕 作 土 の 上 に 多 量 のローム 塊 を 含 んだ 堆 積 がみられたことから 畑 になる 際 あるいは 周 囲 を 削 平 した 際 の 盛 り 土 と 思 われる 今 回 の 工 事 では 遺 構 検 出 面 以 下 に 掘 削 が 及 ばな いため 記 録 保 存 して 保 護 措 置 とした 1 第 8 図 調 査 位 置 図 (1/400) 図 版 11 住 居 址 検 出 状 態 ( 西 から ) 図 版 12 住 居 址 検 出 状 態 ( 東 から ) -7-

住 居 址 4 第 9 図 長 峰 遺 跡 試 掘 調 査 全 体 図 (1/100) 4 頭 殿 沢 上 遺 跡 遺 跡 番 号 197-5 所 在 地 茅 野 市 金 沢 御 狩 野 5568-6 他 調 査 原 因 工 場 増 築 調 査 期 間 平 成 26 年 5 月 26 日 調 査 面 積 67m2 遺 構 土 坑 4 遺 物 縄 文 土 器 13 打 製 石 斧 1 黒 曜 石 1 第 10 図 調 査 地 点 図 (1/5,000) 遺 跡 の 概 要 当 遺 跡 は 八 ヶ 岳 西 麓 の 台 地 上 にあり 標 高 は 982 m 程 である 中 央 自 動 車 道 建 設 の 際 に 調 査 された 頭 殿 沢 遺 跡 からは 直 線 距 離 で 約 400m 東 に 位 置 する 縄 文 時 代 中 期 土 器 の 採 集 により 登 録 された 遺 跡 であるが 長 い 間 実 体 が 不 明 であった 平 成 16 年 12 月 下 水 道 敷 設 工 事 の 仮 設 道 路 掘 削 に 伴 う 発 掘 調 査 で 平 安 時 代 と 考 えられる 住 居 址 が 地 表 下 30 cmから 1 軒 検 出 され ようやく 遺 跡 の 実 体 が 見 え 始 めてきた 平 成 17 年 の 植 林 工 事 に 伴 う 工 事 立 会 では 掘 削 深 が 20cm 前 後 と 浅 かったために 遺 構 等 の 確 認 はされてはいない また 平 成 25 年 には 本 計 画 地 西 にソーラー パネル 設 置 工 事 に 伴 い 試 掘 調 査 を 行 っているが この 場 所 でも 何 も 検 出 されなかった 遺 跡 の 東 端 の 現 在 畑 として 利 用 されている 場 所 に 隣 接 する 工 場 の 増 築 工 事 が 計 画 された 平 成 6 年 に 行 っ た 当 該 工 場 建 設 の 際 の 立 会 い 調 査 では 遺 構 遺 物 は 検 出 されていない 調 査 の 概 要 過 去 の 調 査 からは 遺 跡 として 指 定 されてはいるものの その 性 格 や 時 期 が 不 明 確 であった そこで -8-

範 囲 や 内 容 を 確 認 するため 事 業 主 の 了 解 協 力 の 下 基 礎 工 事 による 掘 削 が 予 定 される 箇 所 を 遺 構 検 出 面 まで 掘 り 下 げる 試 掘 調 査 を 行 った 重 機 により 徐 々に 掘 り 下 げを 行 っていったが 調 査 区 内 は 長 芋 の 栽 培 を 行 っていた 畑 で トレンチャーの 溝 が 規 則 的 にみられ 遺 構 の 検 出 は 難 しいように 感 じられた 調 査 範 囲 内 を 精 査 した 結 果 小 さな 土 坑 4 基 を 検 出 したほか 遺 構 の 内 外 を 含 め 縄 文 土 器 11 点 打 製 石 斧 1 点 黒 曜 石 1 点 が 出 土 した 遺 構 土 坑 4 基 を 検 出 した 1 号 土 坑 調 査 区 が 限 られており 南 側 は 不 明 であるが 径 1m ほどの 円 形 を 呈 すると 考 えられる トレンチの 壁 面 の 観 察 からは 深 さが 30cmほどあったと 考 えられる 覆 土 内 からは 中 期 初 頭 の 縄 文 土 器 が 出 土 しており 該 期 の 遺 構 と 考 えられる また 打 製 石 斧 の 出 土 もあった 2 号 土 坑 径 80 ~ 85cmの 円 形 を 呈 する 周 囲 をローム 面 まで 掘 り 下 げてしまったため 深 さは 15cmほどであっ たが 1 号 土 坑 と 同 様 30cmほどの 深 さがあったと 考 えられる 覆 土 内 から 縄 文 土 器 片 が 1 点 出 土 している 3 号 土 坑 南 側 の 壁 面 を 検 出 できなかったが 径 80cmほどの 円 形 を 呈 するものと 考 えられる 覆 土 はほとんど 残 っ ていないが 30cmほどの 深 さがあったと 考 えられる 4 号 土 坑 調 査 区 が 限 られており 南 側 は 不 明 であるが 径 60cmほどの 円 形 を 呈 すると 考 えられる トレンチの 壁 面 の 観 察 からは 深 さが 30cmほどあったと 考 えられる 覆 土 内 からは 縄 文 土 器 が 1 点 出 土 している 小 片 であり 時 期 は 不 明 であるが 1 号 土 坑 出 土 の 縄 文 土 器 と 同 じような 雲 母 を 含 む 胎 土 であることから 同 時 期 のも のと 考 えられる 覆 土 はいずれも 黒 色 から 黒 褐 色 を 呈 している 遺 物 の 出 土 していない 遺 構 もあるが 周 辺 で 出 土 した 土 器 が 中 期 初 頭 のものしかないことから 該 期 の 遺 構 と 考 えてよいものと 思 われる 第 11 図 調 査 位 置 図 (1/400) 図 版 13 調 査 前 現 況 ( 南 西 から ) 図 版 14 調 査 風 景 ( 東 から ) -9-

4 号 土 坑 1 号 土 坑 2 号 土 坑 3 号 土 坑 1 号 土 坑 黒 色 土 10YR1.7/1 硬 く 良 く 締 まっている 1mm 以 下 の 石 粒 を 7% 以 下 含 む 1mm 以 下 のロー ム 粒 子 を 10% 含 む 粘 性 は 弱 い 2 号 土 坑 黒 褐 色 土 10YR3/2 締 まりは 弱 い 石 粒 の 混 じりは 少 ない 1mm 以 下 のローム 粒 子 を 3% 含 む 粘 性 あり 第 12 図 1 ~ 4 号 土 坑 (1/80) 図 版 15 1 号 土 坑 検 出 状 態 ( 北 西 から ) 図 版 16 2 号 土 坑 検 出 状 況 ( 北 西 から ) 図 版 17 3 号 土 坑 検 出 状 況 ( 北 西 から ) 図 版 18 4 号 土 坑 検 出 状 況 ( 北 西 から ) -10-

図 版 19 1 号 土 坑 完 掘 状 態 ( 北 西 から ) 図 版 20 2 号 土 坑 完 掘 状 態 ( 北 西 から ) 図 版 21 3 号 土 坑 完 掘 状 態 ( 北 西 から ) 図 版 22 4 号 土 坑 完 掘 状 態 ( 北 西 から ) 図 版 23 完 掘 全 景 ( 北 から ) 図 版 24 完 掘 全 景 ( 北 東 から ) -11-

5 上 御 前 遺 跡 遺 跡 番 号 161-6 所 在 地 茅 野 市 玉 川 上 ノ 宮 上 3121-1 番 他 調 査 原 因 道 路 改 良 工 事 調 査 期 間 平 成 26 年 11 月 4 日 調 査 面 積 16.56m2 遺 構 なし 遺 物 なし 第 13 図 調 査 地 点 図 (1/5,000) 調 査 地 点 現 況 道 路 計 画 道 路 第 14 図 調 査 地 点 図 (1/300) 遺 跡 の 概 要 八 ヶ 岳 西 麓 の 東 西 に 延 びる 舌 状 台 地 に 所 在 する 昭 和 45 年 から 47 年 に 岡 谷 南 高 校 歴 史 クラブ 考 古 班 による 3 次 の 発 掘 調 査 が 行 われ 縄 文 時 代 前 期 末 葉 から 中 期 初 頭 の 竪 穴 住 居 址 早 期 後 半 の 居 住 施 設 とも 考 えられる 小 竪 穴 中 世 の 地 下 式 坑 などとともに 旧 石 器 時 代 のナイフ 形 石 器 縄 文 時 代 早 期 前 期 中 期 晩 期 の 各 種 遺 物 が 検 出 された この 調 査 結 果 から 断 続 的 ながら 長 期 にわたって 生 活 の 痕 跡 が 認 められる 点 が 特 徴 とされている また 同 一 地 点 から 異 なる 時 期 の 縄 文 時 代 の 遺 物 が 出 土 した 要 因 として 舌 状 台 地 先 端 の 南 裾 にある 豊 富 な 湧 水 との 関 わりが 考 えられている 平 成 13 年 には 宅 地 造 成 工 事 に 伴 う 発 掘 調 査 が 行 われ 縄 文 時 代 前 期 末 葉 の 竪 穴 住 居 址 1 軒 前 期 末 葉 とみられる 土 坑 1 基 焼 土 址 1 基 が 検 出 された 調 査 の 概 要 遺 跡 やや 東 寄 りの 市 道 において 道 路 の 舗 装 工 事 とブ ロック 積 み 工 事 が 計 画 された 周 囲 の 発 掘 調 査 例 も 少 なく 工 事 によっ て 大 きく 削 られてしまうことから 事 前 に 試 掘 調 査 を 行 い その 結 果 を 元 に 市 担 当 者 と 工 事 について 協 議 することとした 図 版 25 トレンチ 掘 削 状 況 ( 北 から ) 本 工 事 ではさらに 約 20cm 掘 り 下 げられるが 今 回 の 工 事 が 道 路 工 事 ということや 地 域 住 民 がよく 利 用 する 道 路 であることから 全 面 を 通 行 止 めにしての 調 査 ができず 隣 地 にトレンチを 入 れることで 地 下 の 様 子 を 把 握 することとした 道 路 脇 の 個 人 所 有 の 土 地 を 所 有 者 の 許 可 を 得 た 上 でトレンチを 設 定 し 掘 り 進 めた 結 果 現 況 か ら 50cm 程 下 で 黄 褐 色 の 地 山 を 確 認 した その 面 で 遺 構 や 遺 物 の 有 無 について 精 査 したが 遺 構 遺 物 共 に 検 出 は 無 かった 今 回 の 調 査 結 果 から この 周 囲 には 遺 構 のある 可 能 性 は 少 ないと 判 断 し 工 事 に 際 しての 立 会 へと 切 り 替 えた -12-

第 3 章 本 調 査 1 長 峰 遺 跡 遺 跡 番 号 145-20 所 在 地 茅 野 市 宮 川 11109-1 2 調 査 原 因 個 人 住 宅 調 査 期 間 平 成 26 年 6 月 11 日 ~12 日 調 査 面 積 32m2 遺 構 縄 文 住 居 址 2 遺 物 縄 文 土 器 石 器 黒 曜 石 整 理 箱 1 1 第 15 図 調 査 地 点 図 (1/5,000) 2 調 査 の 概 要 遺 跡 のほぼ 中 央 で 個 人 住 宅 の 建 築 工 事 が 計 画 された 26 年 の 4 月 に 隣 接 地 で 住 宅 建 設 が 行 われ 試 掘 調 査 を 行 ったところ 耕 作 土 の 上 に 盛 土 があり 掘 削 面 まで 掘 り 下 げて 住 居 址 を 検 出 したものの これ 以 下 に 掘 削 が 及 ばないことか ら 住 居 址 の 輪 郭 を 記 録 保 存 し 終 了 としている 今 回 も 耕 作 土 の 上 に 盛 土 があると 考 えられ 掘 削 が 遺 構 にかからないのではない かと 考 え 立 会 調 査 とした 事 業 者 の 協 力 の 下 重 機 により 耕 作 土 以 下 を 徐 々に 掘 り 下 げていった 結 果 住 居 址 2 軒 を 検 出 した そこで 事 業 者 と 協 議 のうえ 発 掘 調 査 に 切 り 替 え 計 画 して いる 掘 削 面 までを 作 業 員 を 導 入 して 掘 り 下 げていった 5 第 16 図 調 査 地 点 図 (1/400) 住 居 址 は 重 複 しており トレンチ 壁 面 の 土 層 観 察 や 平 面 の 観 察 から 東 側 の 住 居 址 1 が 古 く 西 側 の 住 居 址 2 が 新 しいことが 確 認 されている ただ 住 居 址 2 は 西 側 トレンチが 遺 構 確 認 面 に 達 していないため 遺 物 包 含 層 を 平 面 プランととらえた 可 能 性 もある 東 側 の 住 居 址 1 は 西 側 の 住 居 址 2 に 切 られており 規 模 は 不 明 である また 西 側 の 住 居 址 2 は 計 画 する 掘 削 面 が 耕 作 土 内 で 止 まっているため 確 認 できず 同 じく 規 模 は 不 明 である 2 軒 の 住 居 址 の 覆 土 内 からは 縄 文 時 代 中 期 後 半 の 土 器 石 器 黒 曜 石 が 合 わせて 整 理 箱 1 箱 分 出 土 した 発 掘 調 査 は 掘 削 深 度 までを 掘 り 下 げ 終 了 とした 掘 削 面 以 下 に 遺 構 や 遺 物 は 保 存 されている 図 版 26 調 査 区 全 景 ( 北 西 から ) 図 版 27 遺 構 検 出 状 態 ( 東 から ) -13-

第 17 図 遺 構 分 布 図 (1/100) 1:1 住 2:1 住 3:2 住 4:2 住 5:2 住 6:2 住 第 18 図 出 土 遺 物 (1 2 は 1/4 3 ~ 6 は 1/3) -14-

2 上 原 城 下 町 遺 跡 遺 跡 番 号 224-173 所 在 地 茅 野 市 ちの 字 山 下 山 ノ 神 1766-3 調 査 原 因 個 人 住 宅 調 査 期 間 平 成 26 年 9 月 5 日 調 査 面 積 18m2 遺 構 なし 遺 物 なし 第 19 図 調 査 地 点 図 (1/5,000) 遺 跡 の 概 要 市 域 の 北 端 に 位 置 する 永 明 寺 山 (1,119 m)の 一 支 脈 金 比 羅 山 (978 m)には 県 史 跡 諏 訪 氏 城 跡 上 原 城 が 築 かれる その 直 下 西 向 きの 緩 やかな 斜 面 一 帯 に 本 遺 跡 は 所 在 する 地 籍 はちの 地 区 上 原 である 遺 跡 内 の 標 高 は 768 ~ 805 mを 測 る 城 下 町 のなごりを 留 める 小 字 や 地 割 りから 上 原 集 落 のほぼ 全 域 となる 約 535,000m2が 遺 跡 に 登 録 されている 平 成 2 年 の 試 掘 調 査 ( 詳 細 分 布 調 査 ) 以 降 各 種 の 開 発 工 事 に 伴 う 発 掘 調 査 等 が 160 以 上 の 地 点 で 行 われた 結 果 中 世 城 下 町 に 関 わる 遺 構 のほかに 弥 生 時 代 中 期 後 半 から 平 安 時 代 の 竪 穴 住 居 址 弥 生 時 代 から 古 墳 時 代 の 墓 ( 周 溝 墓 古 墳 )などが 確 認 された また 遺 構 は 発 見 されていないものの 縄 文 土 器 の 出 土 も 報 告 されている 調 査 の 概 要 調 査 地 点 は 遺 跡 の 北 側 にあたり 国 道 20 号 線 や JR 中 央 東 線 と 並 行 して 永 明 寺 山 の 麓 を 南 北 に 走 る 旧 道 沿 いにあたる 道 路 より 山 側 に 面 しており 石 垣 により 道 より 一 段 高 くなっている 基 礎 工 事 は 周 囲 が 布 掘 りで 掘 削 深 度 は 45cmとなっている し かし 表 層 地 盤 改 良 により 建 物 の 北 西 部 分 は 2.3 mの 深 さまで 掘 削 する 計 画 であった これまで 周 辺 の 個 人 住 宅 の 建 築 の 際 の 立 会 では 遺 構 や 遺 物 の 検 出 はなかったが 掘 削 深 度 が 深 く 遺 跡 に 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 があっ 第 20 図 調 査 位 置 図 (1/500) たため 基 礎 工 事 に 先 立 ち 事 業 者 の 許 可 を 得 て 事 前 に 確 認 調 査 を 行 うこととした 調 査 は 重 機 により 外 周 の 基 礎 部 分 を 掘 削 深 度 まで 慎 重 に 掘 り 下 げていった 調 査 地 点 は かつて 水 田 として 利 用 されていたものを 周 囲 の 宅 地 化 に 伴 って 盛 土 がなされているところで 表 土 層 は 永 明 寺 山 を 形 成 する 花 崗 閃 緑 岩 が 5mmほどの 砂 状 となったものが 混 じる 2 層 目 は 粒 子 が 粗 く 粘 性 に 乏 しい 暗 褐 色 土 で 3 層 目 に 水 田 の 耕 土 である 黒 色 土 がある 水 分 を 多 く 含 み 暗 青 灰 色 のヘドロ 化 した 土 層 で 暗 渠 として 埋 められた 板 材 やヨシが 入 っている 最 も 深 い 掘 削 となる 建 物 北 西 部 は 水 田 の 耕 土 の 下 に 赤 褐 色 の 床 土 が 10cmほどあり その 下 は 明 青 灰 色 の 砂 層 となる このため これ 以 上 の 掘 り 下 げを 行 っても 遺 構 の 検 出 はないと 考 えられたため 計 画 深 度 には 達 しな いものの 調 査 を 終 了 し 調 査 範 囲 の 図 化 や 写 真 撮 影 を 行 った 後 重 機 による 埋 め 戻 しを 行 い 調 査 を 終 了 した 今 回 の 調 査 による 遺 構 の 検 出 遺 物 の 出 土 はなかった -15-

図 版 28 調 査 風 景 ( 北 から ) 図 版 29 調 査 区 全 景 ( 北 東 から ) 3 上 原 城 下 町 遺 跡 遺 跡 番 号 224-177 所 在 地 茅 野 市 ちの 1136 調 査 原 因 個 人 住 宅 調 査 期 間 平 成 26 年 10 月 21 日 調 査 面 積 49m2 遺 構 ピット 2 土 坑 3 遺 物 中 世 土 器 5 時 期 不 明 土 器 11 打 製 石 斧 1 第 21 図 調 査 地 点 図 (1/5,000) 調 査 の 概 要 調 査 地 点 は 遺 跡 の 北 東 にあたり 永 明 寺 山 からの 南 東 の 傾 斜 に 位 置 する 計 画 は 個 人 住 宅 建 築 工 事 とそれに 伴 う 計 画 地 内 谷 側 に 擁 壁 造 成 工 事 であった 住 宅 部 分 については 布 掘 りで 幅 約 60cm 掘 削 深 度 は 約 55cm 擁 壁 工 事 は 現 況 から 2.65m 段 下 から 85cm 掘 削 幅 は 約 1.85m の 予 定 であった 掘 削 が 深 くまで 行 われ ることから 工 事 に 先 立 ち 事 業 者 の 許 可 を 得 て 事 前 に 確 認 調 査 を 行 うこととした 計 画 面 まで 掘 り 下 げ 精 査 した 結 果 ピットが 2 か 所 不 均 一 な 土 坑 のような 遺 構 が 3 か 所 検 出 された 遺 物 が 少 なく 時 期 用 途 等 は 判 断 できなかった 検 出 された 遺 構 は 写 真 と 図 面 によって 記 録 し 調 査 を 終 了 した 1 2 1 2 3 1 2 3 第 22 図 調 査 位 置 図 (1/400) 第 23 図 検 出 された 遺 構 (1/80) -16-

図 版 30 西 側 トレンチ 検 出 遺 構 ( 南 から ) 図 版 31 南 側 トレンチ 検 出 遺 構 ( 東 から ) 4 上 原 城 下 町 遺 跡 遺 跡 番 号 224-176 所 在 地 茅 野 市 ちのちの 字 下 山 ノ 神 1761-5 1761-3 の 一 部 調 査 原 因 倉 庫 新 築 工 事 調 査 期 間 平 成 26 年 10 月 22 日 調 査 面 積 14.25m2 遺 構 なし 遺 物 なし 第 24 図 調 査 地 点 図 (1/5,000) 調 査 概 要 調 査 地 点 は 遺 跡 の 北 端 にあたり 頼 岳 寺 より 南 東 のやや 急 な 斜 面 に 位 置 し 道 路 よりも 高 い 地 形 である 計 画 地 の 谷 側 に 擁 壁 を 入 れることとなり 深 さが 地 表 面 から 3.7m 道 路 面 から 70cm 掘 り 下 げる 計 画 が 提 出 された 擁 壁 で 壊 される 部 分 は 広 く 遺 構 が 残 っていた 場 合 壊 される 可 能 性 が 生 じたため 試 掘 調 査 を 行 うこ ととした 試 掘 調 査 では 擁 壁 を 入 れる 部 分 を 計 画 の 高 さまで 掘 り 下 げていったところ 道 路 面 と 同 じ 高 さで 砂 質 の 地 山 が 確 認 でき 2m 近 い 大 きな 礫 もいくつも 検 出 された 周 辺 住 民 の 話 では 昔 は 川 が 流 れていたという 掘 削 面 を 精 査 したが 遺 構 は 確 認 で きず 遺 物 も 出 土 しないことから 工 事 に 影 響 はないと 判 断 し 調 査 を 終 了 した 第 25 図 調 査 位 置 図 (1/400) -17-

図 版 32 調 査 区 全 景 ( 北 から ) 図 版 33 掘 削 状 況 ( 南 から ) 5 向 坂 遺 跡 遺 跡 番 号 187-1 所 在 地 茅 野 市 金 沢 字 向 坂 1543 番 1 調 査 原 因 太 陽 光 発 電 調 査 期 間 平 成 26 年 10 月 30 日 調 査 面 積 33.75m2 遺 構 なし 遺 物 縄 文 土 器 8 点 石 器 1 点 中 世 土 器 1 点 第 26 図 調 査 地 点 図 (1/5,000) 調 査 の 概 要 遺 跡 内 ほぼ 中 央 の 休 耕 地 に 太 陽 光 パネル 設 置 工 事 が 計 画 され た 遺 跡 内 の 過 去 の 調 査 例 はないが 近 くの 芥 沢 遺 跡 からは 縄 文 時 代 早 期 か ら 中 期 にかけての 集 落 跡 が 見 つかっている そのため 遺 跡 の 実 態 把 握 のた めにも 今 回 施 主 事 業 者 にご 協 力 いただき 事 前 の 試 掘 調 査 を 行 った パネル 設 置 場 所 を 外 しながら 1.5m 四 方 のトレンチを 計 15 カ 所 に 入 れて 調 査 を 行 った 南 側 の 高 い 場 所 では 耕 作 土 下 16cm 程 の 所 で 黄 褐 色 の 地 山 が 検 出 され 最 も 深 く 掘 った 北 側 でも 50cm 程 であった 精 査 したが 耕 作 を していた 時 の 撹 乱 のみの 検 出 に 留 まり 遺 構 は 検 出 されなかった 撹 乱 は 木 の 根 によるものや 長 いもを 植 える 際 の 溝 であると 思 われる また 地 権 者 の 方 からは 以 前 は 桑 畑 だったとの 話 もあるが 根 による 撹 乱 は 土 地 内 の 段 差 付 近 のみであり 既 に 土 地 内 が 改 変 されている 可 能 性 もある 南 側 での 地 山 までの 深 さが 浅 かったのもそれによるものとも 考 えられる 遺 物 も 黒 曜 石 を 中 心 に 若 干 出 土 しているが いずれも 耕 作 土 内 や 撹 乱 の 中 からの 出 土 であり 周 辺 から 流 れてきた あるいは 土 と 一 緒 に 運 ばれてきた 第 27 図 調 査 位 置 図 (1/800) -18-

ものと 思 われる 主 な 遺 物 は 黒 曜 石 や 石 鏃 縄 文 前 期 初 頭 の 土 器 片 である 調 査 から 当 該 敷 地 内 に 遺 構 はないものと 判 断 し 埋 め 戻 し 後 調 査 を 終 了 とした 図 版 34 調 査 前 現 況 ( 北 東 から ) 図 版 35 調 査 区 全 景 ( 北 から) -19-

市 内 遺 跡 9 - 平 成 26 年 度 埋 蔵 文 化 財 発 掘 調 査 報 告 書 - 平 成 27 年 9 月 25 日 印 刷 平 成 27 年 9 月 30 日 発 行 編 集 茅 野 市 教 育 委 員 会 発 行 長 野 県 茅 野 市 塚 原 二 丁 目 6 番 1 号 (0266)72-2101( 代 ) 印 刷 永 明 社 印 刷 所 長 野 県 茅 野 市 塚 原 二 丁 目 12 番 地 30 号