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(3) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 5 年 月 日 現 在 ) 決 定 初 任 給 採 用 年 経 過 後 給 料 月 額 大 学 卒 7, 8, 一 般 行 政 職 短 大 卒 9,8 6, 高 校 卒, 8,5 () 職 員 の 経 験 年 数 別 学 歴 別 平 均 給 料

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

もの( 交 通 事 故 事 件 に 係 るものを 除 く ) 3 重 大 な 交 通 事 故 事 件 とは 次 に 掲 げる 交 通 事 故 事 件 をいう (1) 死 亡 ひき 逃 げ 事 件 車 両 等 の 交 通 により 人 が 死 亡 した 場 合 において 道 路 交 通 法 ( 昭 和


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ずれの 年 度 においても これら 在 職 機 関 と 住 商 エアロシステム 株 式 会 社 との 間 で 締 結 された 契 約 の 総 額 が 当 該 年 度 における 住 商 エアロシステム 株 式 会 社 の 売 上 額 の 総 額 に 占 める 割 合 (いずれの 年 度 も0%)は 2

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続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

異 議 申 立 人 が 主 張 する 異 議 申 立 ての 理 由 は 異 議 申 立 書 の 記 載 によると おおむね 次 のとおりである 1 処 分 庁 の 名 称 の 非 公 開 について 本 件 審 査 請 求 書 等 について 処 分 庁 を 非 公 開 とする 処 分 は 秋 田 県

示 とする 原 処 分 を 行 ったところ 異 議 申 立 てが 提 起 されたものである なお, 本 件 対 象 文 書 の 一 部 開 示 決 定 に 係 る 審 査 会 への 諮 問 は2 度 目 であ り, 前 回 の 一 部 開 示 決 定 について,その 決 定 は 妥 当 である 旨

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

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Transcription:

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Ⅰ 給 油 量 取 り 違 え 事 案 ( 中 間 報 告 )の 概 要 Ⅱ 過 去 におけるその 他 の 事 案 1 陸 上 自 衛 隊 における 違 法 射 撃 事 案 2 海 上 自 衛 隊 におけるCIWSの 不 時 発 射 事 案 Ⅲ 文 民 統 制 の 徹 底 1 給 油 量 取 り 違 え 事 案 と 文 民 統 制 の 徹 底 との 関 係 2 抜 本 的 な 措 置 Ⅳ 検 討 に 資 する 事 項 1 防 衛 大 臣 を 事 務 的 に 補 佐 する 現 在 の 体 制 2 文 民 統 制 に 係 る 歴 史 的 経 緯 (1) 戦 前 (2) 警 察 予 備 隊 (3) 保 安 庁 3 各 国 の 体 制 (1) 米 国 (2) 英 国 (3) 独 国 (4) 仏 国 1

Ⅰ 給 油 量 取 り 違 え 事 案 ( 中 間 報 告 )の 概 要 本 事 案 については 平 成 19 年 9 月 20 日 民 間 団 体 から 指 摘 がなされた ことを 踏 まえ 事 実 関 係 の 確 認 を 行 ったところ 判 明 したものである 1 給 油 量 の 取 り 違 え 平 成 15 年 2 月 25 日 インド 洋 方 面 派 遣 部 隊 の 海 自 補 給 艦 ときわ が 米 補 給 艦 ペコス に3000KL( 約 80 万 ガロン) 米 駆 逐 艦 ポ ール ハミルトン に812KL( 約 20 万 ガロン)の 給 油 を 行 い そ れらの 給 油 量 については 現 地 から 海 幕 に 対 して 正 しく 伝 えられた 海 幕 運 用 課 オペレーションルームでは 業 務 用 基 礎 資 料 として パソ コンで 給 油 量 の 集 計 表 を 作 成 しており 2 月 25 日 の 給 油 量 が 記 載 され た 集 計 表 には 給 油 量 について ペコス に812KL( 約 20 万 ガロ ン) ポール ハミルトン に3000KL( 約 80 万 ガロン)と 取 り 違 えて 入 力 されていた なお 取 り 違 えて 入 力 した 者 はオペレーション ルームの 勤 務 員 であると 推 定 されるが 特 定 することができなかった 2 統 幕 議 長 等 による 誤 った 説 明 平 成 15 年 5 月 6 日 米 海 軍 第 5 空 母 群 のマシュー G モフィット 司 令 官 は 記 者 会 見 において 海 上 自 衛 隊 から 米 軍 の 補 給 艦 を 経 由 して 間 接 的 に 約 80 万 ガロンの 燃 料 補 給 を 受 けた 旨 述 べたとされている 5 月 8 日 海 幕 防 衛 課 長 は 上 記 について 海 幕 防 衛 課 員 に 対 外 応 答 要 領 を 作 成 させた 誰 がどの 資 料 を 用 いたのかは 明 らかではないが 当 時 の 海 幕 防 衛 課 のファイルに 前 述 の 集 計 表 の2 月 25 日 の 給 油 量 が 記 載 された 頁 が 綴 じ 込 まれていた 状 況 から 判 断 すれば 右 給 油 量 のデータ を 使 って 対 外 応 答 要 領 には ときわ から ペコス への 給 油 量 を 約 20 万 ガロンであると 誤 って 記 載 したものと 推 定 される 海 幕 防 衛 課 長 は 5 月 8 日 の 午 後 ときわ が ペコス への 給 油 量 は 約 20 万 ガロンであるという 内 容 を 統 幕 議 長 の 記 者 会 見 前 に 統 幕 議 長 に 対 して 説 明 した 2

記 者 会 見 において 統 幕 議 長 は 2 月 25 日 にキティーホークが 米 国 の 補 給 艦 から80 万 ガロンを 受 給 しており そのことの 前 になりますが 同 日 に 海 上 自 衛 隊 から ペコス に 約 20 万 ガロンの 補 給 を 実 施 してい ます ( 中 略 ) キティーホーク が 海 上 自 衛 隊 から 受 けた 油 をイラク 作 戦 で 使 用 されたことはなかった と 給 油 量 を 誤 って 説 明 した 5 月 8 日 17 時 頃 海 幕 防 衛 課 長 は 統 幕 議 長 の 記 者 会 見 を 受 けて 防 衛 庁 内 において 記 者 ブリーフィングを 行 い 同 趣 旨 の 内 容 を 説 明 した 3 給 油 量 誤 りの 報 告 が 行 われなかった 理 由 海 幕 には ペコス への 給 油 量 が 正 しく 記 入 された 資 料 もあり 海 幕 需 品 課 燃 料 班 長 は 5 月 9 日 新 聞 報 道 を 見 て 給 油 量 の 誤 りに 気 付 き 海 幕 防 衛 課 ( 人 物 は 特 定 できない)に その 旨 を 指 摘 した 海 幕 防 衛 課 長 は 以 下 のような 理 由 から 上 司 への 報 告 や 内 局 への 報 告 を 行 わず 当 該 誤 りに 係 る 訂 正 の 措 置 をとらなかった 既 に 統 幕 議 長 が 記 者 会 見 で ときわ から ペコス への 給 油 量 は 約 20 万 ガロンである 旨 を 述 べていること 米 国 から 海 自 から 米 海 軍 に 提 供 される 燃 料 が これまでも 今 後 も テロ 特 措 法 の 趣 旨 と 目 的 に 反 して 使 用 されることはない 旨 の 回 答 を 得 ていたこと キティーホーク への 間 接 給 油 問 題 が 沈 静 化 しつつあったため 給 油 量 がたとえ 約 80 万 ガロンであっても キティーホーク が 不 朽 の 自 由 作 戦 従 事 中 に 当 該 燃 料 を 完 全 に 消 費 することは 確 実 であり 米 海 軍 が 目 的 外 の 使 用 をすることはできないだろうと 判 断 したこと 給 油 量 が 間 違 っていた 件 は 本 質 的 な 誤 りではなく この 時 期 に 事 務 的 な 数 字 の 誤 りの 訂 正 のみをするまでのことはないという 結 論 に 至 ったこと 燃 料 に 関 する 報 告 について 海 幕 防 衛 課 は 直 接 関 与 することとはなっ ておらず 海 幕 防 衛 部 内 では 海 幕 運 用 課 系 統 で 海 幕 装 備 部 内 では 海 幕 需 品 課 系 統 で 報 告 されることとなっていたため 訂 正 はそれらの 系 統 で 行 われるべきものと 認 識 していたこと 3

4 官 房 長 官 及 び 防 衛 庁 長 官 による 誤 った 答 弁 防 衛 局 防 衛 政 策 課 は 5 月 8 日 の 統 幕 議 長 の 記 者 会 見 で 同 議 長 が 述 べ た 給 油 量 の 数 値 を 基 にして 以 後 の 防 衛 庁 の 対 外 応 答 要 領 を 作 成 した 内 局 関 係 課 の 担 当 者 は ペコス への 給 油 量 に 関 する 正 しい 数 値 が 記 載 された 資 料 を 海 幕 から 受 領 していたが 当 該 資 料 が 対 外 応 答 要 領 の 担 当 者 により 参 照 されることはなかったとみられることや 担 当 者 が 個 別 の 艦 艇 への 給 油 量 の 一 々に 着 目 して 当 該 資 料 を 取 り 扱 うことがなかった ことなどから 5 月 8 日 の 統 幕 議 長 の 記 者 会 見 で 述 べられた 数 値 が 誤 り であることを 認 識 することはなかった こうした 事 情 から 内 閣 官 房 長 官 が5 月 9 日 の 記 者 会 見 において 防 衛 庁 長 官 が5 月 15 日 の 参 議 院 外 交 防 衛 委 員 会 において 5 月 8 日 に 作 成 された 防 衛 庁 としての 対 外 応 答 要 領 の 答 弁 ラインに 沿 って ときわ から ペコス への 給 油 量 は 誤 った 数 字 である 約 20 万 ガロンである 旨 の 説 明 をすることとなった Ⅱ 過 去 におけるその 他 の 事 案 1 陸 上 自 衛 隊 における 違 法 射 撃 事 案 (1) 事 案 の 概 要 平 成 6 年 11 月 16 日 に 当 時 の 第 1 空 挺 団 普 通 科 群 長 が 東 富 士 演 習 場 内 の 小 火 器 戦 闘 射 場 において 部 外 者 3 名 を 招 いて 射 撃 訓 練 を 見 学 させた 際 部 外 者 のうちの1 名 が 携 行 していた 猟 銃 を 借 りて 射 撃 を 実 施 したとされる 事 案 が 起 きた 本 事 案 については 当 時 陸 幕 以 下 で 調 査 や 処 分 が 行 われるなどの 不 適 正 な 処 理 が 行 われ 内 局 に 報 告 されなかった 約 5 年 後 の 平 成 12 年 1 月 に 報 道 関 係 者 から 上 記 の 事 案 の 処 理 に 問 題 があったのではないかとの 問 い 合 わせがあったことを 受 けて 防 衛 庁 長 官 が 徹 底 的 な 再 調 査 を 指 示 した 4

陸 自 において 調 査 を 行 ったところ 上 記 の 事 案 に 加 え 当 該 群 長 は 部 外 者 に 小 銃 機 関 銃 を 射 撃 させていたという 銃 刀 法 違 反 事 案 が 新 た に 判 明 し 当 該 群 長 は 逮 捕 されたものである (2) 陸 幕 以 下 による 処 理 が 行 われた 理 由 第 一 空 挺 団 長 等 は 猟 銃 の 射 撃 について 安 全 管 理 の 徹 底 した 自 衛 隊 の 射 場 の 中 で 行 われており 部 外 に 与 える 影 響 も 少 ないと 考 えて この 事 案 を 軽 視 してしまった また 後 の 調 査 で 現 場 に 居 合 わせた 隊 員 は 当 該 群 長 による 猟 銃 射 撃 や 部 外 者 による 小 銃 機 関 銃 の 射 撃 を 黙 認 し 又 は 一 部 の 者 はそ の 準 備 作 業 等 に 協 力 したことが 判 明 しているが 当 時 の 調 査 では 当 該 郡 長 の 立 場 を 考 慮 して それら 隊 員 に 対 する 事 情 聴 取 は 行 われず 短 期 間 で 調 査 を 終 了 させた 陸 幕 において 当 時 の 服 務 を 担 当 する 人 事 計 画 課 長 は 自 衛 隊 への 影 響 を 考 慮 して 努 めて 公 にならない 方 向 で 処 置 を 検 討 するよう 直 接 提 案 し 本 事 案 を 軽 微 なものとして 処 理 する 主 導 的 な 役 割 を 果 たすとと もに 当 時 の 人 事 部 長 は 本 事 案 について 人 に 危 害 を 与 えていない こと 銃 刀 法 違 反 となれば 部 外 者 に 多 大 な 迷 惑 をかけること 等 を 考 慮 し 公 にならないよう 内 局 への 報 告 は 行 わないとの 方 針 を 確 認 した (3) 人 事 上 の 措 置 平 成 12 年 4 月 27 日 部 外 者 に 自 衛 隊 の 小 銃 機 関 銃 を 違 法 に 射 撃 させたこと 等 から 第 1 空 挺 団 普 通 科 群 長 を 懲 戒 免 職 本 事 案 に 対 する 関 係 者 の 一 連 の 取 り 組 みが 不 適 切 であったこと 等 から 陸 幕 人 事 部 長 を 停 職 20 日 人 事 計 画 課 長 を 停 職 20 日 とする 等 の 処 分 を 行 った (4) 再 発 防 止 策 武 器 の 管 理 の 徹 底 と 規 律 の 一 層 の 保 持 を 周 知 徹 底 するとともに 上 級 幹 部 に 責 任 感 を 自 覚 させるための 教 育 を 実 施 するほか 部 外 者 との 交 流 に 関 する 周 囲 ないし 上 司 の 適 切 な 指 導 や 平 素 からの 服 務 指 導 の 徹 底 につ いて 措 置 したところである 5

2 海 上 自 衛 隊 におけるCIWSの 不 時 発 射 事 案 (1) 概 要 平 成 11 年 2 月 18 日 舞 鶴 港 停 泊 時 護 衛 艦 はるな において 高 性 能 20ミリ 機 関 砲 (CIWS)の 発 砲 回 路 の 試 験 中 に 22 番 砲 に 混 入 されていた 実 弾 2 発 が 不 時 発 射 されてしまった この 実 弾 2 発 については CIWS 員 長 (CIWSの 管 理 者 )が CIWSの 特 性 上 計 画 弾 数 と 実 際 の 発 射 弾 数 に 差 が 生 じることが 許 容 されていることを 知 りながら 計 画 弾 数 と 発 射 弾 数 が 一 致 すること が 技 能 の 高 さを 示 すものと 誤 って 認 識 し 前 年 の12 月 12 日 に 行 わ れた 射 撃 訓 練 の 後 両 者 が 一 致 するよう 偽 装 工 作 を 企 て 22 番 砲 の 中 に 混 入 隠 蔽 したものである はるな 艦 長 は 不 時 発 射 について 第 3 護 衛 隊 群 司 令 に 報 告 し 同 司 令 は 護 衛 艦 隊 司 令 官 に 報 告 した 報 告 を 受 けた 護 衛 艦 隊 司 令 官 は 不 時 発 射 の 処 理 は 一 元 的 に 自 らが 実 施 することとしたが 上 級 司 令 部 には 報 告 しないこととした その 後 関 係 者 からの 問 い 合 わせがあり 平 成 11 年 6 月 17 日 自 衛 艦 隊 司 令 官 が 第 3 護 衛 隊 群 司 令 に 確 認 し 本 事 案 が 判 明 した (2) 護 衛 艦 隊 司 令 官 以 下 による 処 理 が 行 われた 理 由 護 衛 艦 隊 司 令 官 は 不 時 発 射 に 関 する 報 告 を 受 けた 後 予 想 弾 着 地 点 付 近 及 びその 近 傍 を 捜 索 した 結 果 被 害 等 は 確 認 さ れておらず また 民 家 及 び 民 間 人 等 の 被 害 に 関 する 警 察 等 からの 情 報 も 得 られていなかったこと 護 衛 艦 隊 内 における 弾 火 薬 類 の 点 検 などの 再 発 防 止 対 策 について は 自 己 の 職 責 の 範 囲 内 でできること などから 上 級 司 令 部 に 報 告 しないこととした (3) 人 事 上 の 措 置 こうした 事 案 については 内 部 規 定 により 速 やかに 海 上 幕 僚 長 に 報 告 することとされており 同 年 7 月 1 日 CIWS 員 長 を 停 職 30 日 護 衛 艦 隊 司 令 官 を 停 職 10 日 第 3 護 衛 隊 群 司 令 を 減 給 1 月 1/6とす る 等 の 処 分 を 行 った 6

(4) 再 発 防 止 策 不 時 発 射 に 関 しては 射 撃 実 施 における 指 揮 監 督 の 強 化 弾 火 薬 類 の 厳 正 管 理 を 事 故 報 告 未 実 施 等 に 関 しては 臨 時 指 揮 官 会 議 を 招 集 し 指 揮 監 督 の 強 化 海 幕 監 察 による 部 隊 における 指 揮 監 督 の 強 化 を それぞ れ 実 施 した Ⅲ 文 民 統 制 の 徹 底 1 給 油 量 取 り 違 え 事 案 と 文 民 統 制 の 徹 底 との 関 係 上 記 のような 過 去 の 事 案 がありながら 今 回 給 油 量 取 り 違 え 事 案 が 起 きたことは 文 民 統 制 の 徹 底 を 図 る 上 で 以 下 のとおり 極 めて 重 大 な 問 題 であり 深 刻 に 受 け 止 めるべきものである 防 衛 省 内 の 事 務 処 理 が 誤 って 行 われたこと( 取 り 違 えたこと 報 告 が 行 われなかったこと 等 )は 文 民 統 制 の 主 体 である 防 衛 大 臣 に 対 する 補 佐 が 適 切 にできなくなることを 示 すものであること 文 民 統 制 の 主 体 である 国 会 において 誤 った 数 値 を 根 拠 にした 答 弁 が 行 われたことは 国 会 による 防 衛 省 自 衛 隊 に 対 するコントロールが 適 切 にできなくなることを 示 すものであること 同 時 に 記 者 会 見 を 通 じて 直 接 国 民 に 対 して 誤 った 情 報 を 知 ら しめたことは 文 民 統 制 の 根 幹 に 関 わる 由 々しき 事 態 であること 2 抜 本 的 な 措 置 (1) 文 民 統 制 の 徹 底 今 回 の 事 案 を 深 く 反 省 し 文 民 統 制 を 徹 底 させるため 防 衛 大 臣 を 補 佐 する 体 制 我 が 国 における 文 民 統 制 の 経 緯 各 国 の 体 制 なども 踏 まえ ながら 以 下 の 事 項 について 基 本 に 立 ち 返 り 国 民 の 目 線 に 立 った 検 討 を 行 い 組 織 の 見 直 しを 含 む 抜 本 的 な 措 置 を 講 ずることが 必 要 である 7

防 衛 省 内 の 事 務 処 理 の 在 り 方 防 衛 大 臣 を 補 佐 する 体 制 の 在 り 方 自 衛 隊 の 最 高 指 揮 官 である 内 閣 総 理 大 臣 を 補 佐 する 体 制 の 在 り 方 ( 国 会 によるコントロールを 徹 底 させる 方 策 ) (2) 防 衛 省 の 対 応 防 衛 大 臣 を 委 員 長 とする 文 民 統 制 の 徹 底 を 図 るための 抜 本 的 対 策 検 討 委 員 会 を 設 置 し これまで3 回 開 催 しており 再 発 防 止 の 徹 底 を 含 め 適 切 な 文 書 の 管 理 教 育 意 識 改 革 対 外 応 答 要 領 のチェッ ク 体 制 の 確 立 等 のほか 中 長 期 的 観 点 から 組 織 改 革 を 含 む 抜 本 的 改 革 案 を 検 討 し 所 要 の 措 置 を 講 ずることとしている 具 体 的 には 例 えば 国 会 答 弁 資 料 をはじめとする 重 要 な 業 務 用 資 料 の 作 成 に 関 しては 関 係 部 局 複 数 による 確 実 な 点 検 を 実 施 するため 内 部 部 局 及 び 各 幕 僚 監 部 における 関 係 部 局 が 必 ず 相 互 に 確 認 し 合 う 仕 組 みを 確 立 する こと 業 務 上 の 問 題 点 を 認 識 した 場 合 には 必 ず 上 司 や 関 係 部 局 に 報 告 通 報 するための 隊 員 の 意 識 改 革 を 推 進 すること などについて 検 討 を 行 い 所 要 の 措 置 を 講 ずることとしている Ⅳ 検 討 に 資 する 事 項 1 防 衛 大 臣 を 事 務 的 に 補 佐 する 現 在 の 体 制 事 務 次 官 は 防 衛 大 臣 を 助 け 省 務 を 整 理 し 各 部 局 及 び 機 関 の 事 務 を 監 督 する( 国 家 行 政 組 織 法 第 18 条 ) 防 衛 参 事 官 は 命 を 受 けて 防 衛 省 の 所 掌 事 務 に 関 する 基 本 的 方 針 の 策 定 について 防 衛 大 臣 を 補 佐 する( 防 衛 省 設 置 法 第 7 条 ) 防 衛 省 の 所 掌 事 務 を 遂 行 するため 官 房 及 び 局 ( 内 部 部 局 )が 置 かれ ( 国 家 行 政 組 織 法 第 7 条 ) 防 衛 及 び 警 備 に 関 すること 各 自 衛 隊 の 組 織 定 員 編 成 装 備 などに 関 することの 基 本 についての 事 務 をつかさどる ( 防 衛 省 設 置 法 第 8 条 ) 8

官 房 長 及 び 局 長 は 以 下 の 事 項 について 防 衛 大 臣 を 補 佐 する( 防 衛 省 設 置 法 第 12 条 ) 各 自 衛 隊 又 は 統 合 幕 僚 監 部 に 関 する 各 般 の 方 針 及 び 基 本 的 な 実 施 計 画 の 作 成 について 防 衛 大 臣 の 行 う 各 幕 僚 長 に 対 する 指 示 各 自 衛 隊 又 は 統 合 幕 僚 監 部 に 関 する 事 項 に 関 して 幕 僚 長 の 作 成 した 方 針 及 び 基 本 的 な 実 施 計 画 についての 防 衛 大 臣 の 行 う 承 認 各 自 衛 隊 及 び 統 合 幕 僚 監 部 に 関 し 防 衛 大 臣 の 行 う 一 般 的 な 監 督 防 衛 大 臣 による 各 自 衛 隊 の 部 隊 等 に 対 する 指 揮 監 督 は 各 幕 僚 長 を 通 じて 行 い( 自 衛 隊 法 第 8 条 ) 各 幕 僚 長 は 各 自 衛 隊 の 隊 務 に 関 し 最 高 の 専 門 的 助 言 者 として 防 衛 大 臣 を 補 佐 するとともに 部 隊 等 に 対 する 防 衛 大 臣 の 命 令 を 執 行 する( 自 衛 隊 法 第 9 条 ) 各 自 衛 隊 の 隊 務 に 関 する 防 衛 大 臣 の 幕 僚 機 関 として 統 合 幕 僚 監 部 陸 上 海 上 航 空 幕 僚 監 部 を 置 く( 防 衛 省 設 置 法 第 19 及 び20 条 ) 統 合 幕 僚 監 部 は 各 自 衛 隊 について 統 合 運 用 による 円 滑 な 任 務 遂 行 を 図 る 見 地 からの 防 衛 及 び 警 備 に 関 する 計 画 の 立 案 各 幕 僚 監 部 は 各 自 衛 隊 について 防 衛 及 び 警 備 に 関 する 計 画 の 立 案 を 所 掌 するほか 教 育 訓 練 編 成 装 備 配 置 経 理 調 達 などを 所 掌 する( 防 衛 省 設 置 法 第 22 及 び23 条 ) 2 文 民 統 制 に 係 る 歴 史 的 経 緯 我 が 国 の 場 合 終 戦 までの 経 緯 に 対 する 反 省 もあり 自 衛 隊 が 国 民 の 意 思 によって 整 備 運 用 されることを 確 保 するため 旧 憲 法 下 の 体 制 と 全 く 異 なる 厳 格 な 文 民 統 制 に 関 する 諸 制 度 を 採 用 しているが 戦 前 における 軍 防 衛 省 自 衛 隊 の 前 身 である 警 察 予 備 隊 保 安 庁 に 関 する 体 制 等 について は 以 下 のとおりである (1) 戦 前 天 皇 は 一 切 の 統 治 権 を 総 攬 しており( 大 日 本 帝 国 憲 法 ( 旧 憲 法 ) 第 4 条 ) 陸 海 軍 を 統 帥 する 統 帥 権 を 持 ち( 旧 憲 法 第 11 条 ) 統 帥 権 は 軍 の 専 権 とされていた( 統 帥 権 の 独 立 ) 9

軍 関 係 のものも 含 め 法 律 や 予 算 については 帝 国 議 会 の 協 賛 が 必 要 とされていた また 政 治 との 距 離 を 保 つとの 観 点 から 現 役 の 陸 海 軍 人 は 選 挙 権 及 び 被 選 挙 権 を 有 しなかったとされる 旧 憲 法 下 における 行 政 は 各 国 務 大 臣 の 輔 弼 を 受 けながら 原 則 とし て 天 皇 自 らが 行 うものとされ( 旧 憲 法 第 55 条 ) 陸 海 軍 大 臣 は 軍 に 関 する 主 管 の 大 臣 として 天 皇 への 補 弼 責 任 を 負 うとされていた 参 謀 総 長 軍 令 部 長 陸 海 軍 大 臣 は 統 帥 又 は 編 制 に 関 する 事 項 に ついて 閣 議 に 通 さず 天 皇 に 対 して 上 奏 していたとされている 陸 海 軍 大 臣 には 現 役 の 将 官 をあてる いわゆる 軍 部 大 臣 現 役 武 官 制 が 昭 和 11 年 の 2.26 事 件 以 降 軍 の 要 求 を 実 現 する 手 段 と して 利 用 され 軍 の 政 治 への 介 入 が 進 んでいったとされる (2) 警 察 予 備 隊 ( 昭 和 25 年 ) 国 民 を 代 表 する 国 会 が 警 察 予 備 隊 の 警 察 官 を 含 む 職 員 の 定 数 主 要 組 織 等 を 法 律 ( 警 察 予 備 隊 令 (ポツダム 政 令 )) 予 算 の 形 で 国 会 に おいて 議 決 していた なお 具 体 的 な 組 織 編 成 等 は 総 理 府 令 で 規 定 さ れていた( 警 察 予 備 隊 令 第 10 条 ) 警 察 予 備 隊 本 部 長 官 は 国 務 大 臣 をもってあてることとはされてい ないが 内 閣 総 理 大 臣 が 任 命 するとともに 内 閣 総 理 大 臣 の 指 揮 監 督 を 受 け 警 察 予 備 隊 の 長 として 隊 務 を 統 率 することとされていた( 警 察 予 備 隊 令 第 7 条 ) 警 察 予 備 隊 本 部 には 長 官 のほか 次 長 一 人 と 官 房 及 び 各 局 が 置 か れていた( 警 察 予 備 隊 令 第 6 及 び7 条 )が 警 察 官 を 配 置 しないこと とされていた (3) 保 安 庁 ( 昭 和 27 年 ) 国 会 が 保 安 官 警 備 官 を 含 む 職 員 の 定 数 主 要 組 織 等 を 法 律 予 算 の 形 で 議 決 するとともに 命 令 出 動 の 承 認 を 行 うこととされていた なお 保 安 隊 及 び 警 備 隊 ( 保 安 隊 等 )の 部 隊 の 組 織 編 成 は 政 令 で 規 定 されていた 10

保 安 庁 長 官 は 国 務 大 臣 をもってあてられ 内 閣 総 理 大 臣 の 指 揮 監 督 を 受 け 庁 務 の 統 括 等 を 行 うこととされていた( 保 安 庁 法 第 3 条 ) 保 安 庁 には 次 長 一 人 と 内 部 部 局 に 官 房 及 び 各 局 並 びに 第 一 及 び 第 二 幕 僚 監 部 が 置 かれていた( 保 安 庁 法 第 9 条 ) 官 房 及 び 各 局 は 以 下 の 事 項 について 長 官 を 補 佐 することとされて いた( 保 安 庁 法 第 10 条 ) 保 安 隊 等 に 関 する 各 般 の 方 針 及 び 基 本 的 な 実 施 計 画 の 作 成 につい て 長 官 の 行 う 第 一 幕 僚 長 又 は 第 二 幕 僚 長 に 対 する 指 示 保 安 隊 等 に 関 する 事 項 に 関 して 第 一 幕 僚 長 又 は 第 二 幕 僚 長 の 作 成 した 方 針 及 び 基 本 的 な 実 施 計 画 について 長 官 の 行 う 承 認 保 安 隊 等 の 隊 務 に 関 して 長 官 の 行 う 一 般 的 監 督 第 一 及 び 第 二 幕 僚 監 部 は 保 安 隊 等 の 隊 務 に 関 する 長 官 の 幕 僚 機 関 であり( 保 安 庁 法 第 18 条 ) その 長 である 幕 僚 長 は 保 安 隊 等 の 隊 務 に 関 する 最 高 の 専 門 的 助 言 者 として 長 官 を 補 佐 するとともに 部 隊 等 に 対 する 長 官 の 命 令 を 執 行 することとされていた( 保 安 庁 法 第 19 条 ) 第 一 幕 僚 長 は 保 安 官 をもって 第 二 幕 僚 長 は 警 備 官 をもってあてる こととされていた( 保 安 庁 法 第 19 条 )が 官 房 長 局 長 課 長 は 幹 部 保 安 官 又 は 幹 部 警 備 官 の 経 歴 を 有 さない 者 から 任 用 することとさ れていた 官 房 及 び 各 局 と 幕 僚 監 部 との 間 の 事 務 の 適 正 な 運 営 の 方 法 を 指 定 す るため 保 安 庁 の 長 官 官 房 及 び 各 局 と 幕 僚 監 部 との 事 務 調 整 に 関 する 訓 令 が 定 められ 例 えば 官 房 及 び 各 局 は 保 安 庁 に 関 する 基 本 的 方 針 の 立 案 法 律 政 令 等 の 案 の 作 成 国 会 その 他 の 中 央 官 公 諸 機 関 と の 連 絡 交 渉 などを 行 うものとされていた なお 当 該 訓 令 は 平 成 9 年 に 廃 止 された 3 各 国 の 体 制 米 英 独 及 び 仏 については 各 国 ともに 議 会 が 軍 に 関 する 重 要 な 事 項 について 法 律 予 算 の 形 で 議 決 するほか 以 下 のような 体 制 をとるなど 厳 格 な 文 民 統 制 に 関 する 諸 制 度 を 採 用 している 11

(1) 米 国 大 統 領 は 軍 の 総 指 揮 官 であり その 指 揮 監 督 の 下 に 国 防 長 官 が 軍 を 統 括 するほか 大 統 領 の 国 家 安 全 保 障 に 関 する 最 高 の 助 言 機 関 として 大 統 領 副 大 統 領 国 務 及 び 国 防 長 官 を 構 成 員 とする 国 家 安 全 保 障 会 議 が 設 けられている 国 防 長 官 を 政 策 面 で 補 佐 する 文 官 中 心 の 国 防 長 官 府 と 作 戦 面 で 補 佐 する 軍 人 中 心 の 統 合 参 謀 本 部 が 設 けられ 両 者 は 並 列 関 係 にあると されているが 国 防 長 官 府 は 緊 急 事 態 対 処 計 画 の 作 成 等 について 長 官 を 補 佐 するなど 軍 の 作 戦 にも 関 与 している また 陸 海 空 軍 省 が 置 かれ 軍 が 任 務 を 達 成 できるよう 装 備 補 給 訓 練 募 集 等 に 関 する 業 務 を 行 っている 国 防 長 官 府 では 議 会 の 承 認 を 必 要 とする 国 防 副 長 官 次 官 次 官 補 等 のほか 次 官 補 代 理 クラスに 至 るまで 幅 広 く 政 治 任 用 が 行 われ ている (2) 英 国 軍 の 総 指 揮 官 は 国 王 であるが その 地 位 は 儀 礼 的 なものであり 首 相 が 国 王 の 名 においてその 権 限 を 代 行 する 首 相 及 び 内 閣 は 国 防 に 関 する 最 高 の 責 任 を 有 しており 首 相 のほか 外 務 大 蔵 国 防 大 臣 等 を 構 成 員 とする 国 防 海 外 政 策 委 員 会 が 設 けられている 国 防 大 臣 は 国 防 政 策 の 企 画 立 案 やそれを 実 行 する 責 任 を 有 し 国 防 大 臣 の 最 高 の 補 佐 機 関 として 軍 事 調 達 等 を 担 当 する 政 治 任 用 の 2 人 の 閣 外 大 臣 及 び 政 務 次 官 事 務 次 官 国 防 参 謀 総 長 等 を 構 成 員 と する 国 防 会 議 が 置 かれ その 下 に 国 防 管 理 委 員 会 及 び 参 謀 長 委 員 会 が 置 かれている 事 務 次 官 は 政 策 財 政 管 理 に 関 して 国 防 参 謀 総 長 は 軍 事 計 画 作 戦 に 関 して それぞれ 分 担 して 大 臣 を 補 佐 するが 基 本 的 な 事 項 につ いては 両 者 が 常 に 協 議 調 整 しているとされる また 中 央 部 局 は 文 官 と 軍 人 が 混 合 する 組 織 としている 12

(3) 独 国 独 国 では 最 高 法 規 であるドイツ 基 本 法 において 防 衛 委 員 会 や 防 衛 監 察 委 員 による 調 査 が 規 定 されているなど 議 会 による 軍 の 統 制 につ いて 特 に 意 を 用 いているとされている 平 時 においては 首 相 が 決 定 した 防 衛 政 策 の 一 般 方 針 の 枠 内 で 防 衛 大 臣 が 軍 に 対 する 指 揮 権 を 有 しているが 有 事 には 首 相 自 らが 軍 を 指 揮 し 軍 事 行 政 全 般 について 議 会 に 対 して 責 任 を 負 う また 内 閣 には 首 相 国 防 外 務 大 蔵 大 臣 等 を 構 成 員 とする 連 邦 安 全 保 障 委 員 会 が 置 かれている 国 防 省 は 国 防 大 臣 政 務 次 官 2 人 事 務 次 官 2 人 からなる 指 導 部 と 補 佐 機 関 行 政 面 を 担 当 する 文 官 中 心 の 省 局 軍 事 面 を 担 当 する 軍 人 中 心 の 連 邦 軍 参 謀 部 等 で 構 成 される なお 国 防 大 臣 及 び 政 務 次 官 2 人 は 政 治 任 用 されており 指 導 部 の 補 佐 機 関 のうちの 政 策 企 画 室 長 については 政 治 任 用 も 可 能 であるとさ れている (4) 仏 国 仏 国 では 議 会 よりも 行 政 府 による 統 制 がより 強 いとされている 大 統 領 は 国 防 の 最 高 指 揮 官 であり 国 防 の 全 般 方 針 を 決 定 する 国 防 会 議 全 般 方 針 の 枠 内 で 軍 事 方 針 を 決 定 する 国 防 小 会 議 を 主 宰 し 行 政 府 においては 首 相 の 補 佐 機 関 として 文 官 及 び 軍 人 が 混 合 した 国 防 事 務 総 局 が 置 かれ 国 防 政 策 全 般 に 関 する 事 務 を 行 っている 国 防 大 臣 は 大 統 領 及 び 首 相 の 下 で 国 防 会 議 等 で 決 定 された 事 項 の 執 行 に 関 する 責 任 を 負 う 国 防 省 には 文 官 及 び 軍 人 が 混 合 した 戦 略 問 題 代 表 部 文 官 中 心 の 全 般 行 政 局 軍 事 中 心 の 統 合 参 謀 部 等 が 置 かれ 統 合 参 謀 長 は 国 防 大 臣 のみならず 大 統 領 及 び 首 相 の 補 佐 も 行 う 国 防 大 臣 のほか 官 房 長 官 房 の 各 補 佐 官 戦 略 問 題 代 表 部 長 国 防 情 報 通 信 部 長 などについては 政 治 任 用 とされている 13