第 3 章 第 5 次 計 画 の 成 果 と 課 題 第 5 次 計 画 の 期 間 においては 本 市 ならではの 三 層 構 造 による 地 域 包 括 ケア 推 進 体 制 の 整 備 を 推 進 することにより 医 療 と 介 護 の 連 携 強 化 認 知 症 施 策 の 推 進 などに 取 り 組 んできました 以 下 に 前 計 画 の 成 果 と 課 題 を 整 理 します (1) 四 日 市 市 がめざす 地 域 包 括 ケアのしくみについて 平 成 12 年 度 の 介 護 保 険 制 度 の 開 始 以 降 高 齢 者 をいかに 社 会 が 支 えるかということがテーマ となり 介 護 サービスの 充 実 と 合 わせて 地 域 における 組 織 や 活 動 などの 社 会 資 源 の 活 用 が 重 要 視 されてきました とりわけ 地 域 包 括 ケア の 考 え 方 が 注 目 されるようになった 平 成 22 年 以 降 介 護 のみならず 医 療 介 護 予 防 生 活 支 援 住 まいといった 要 素 を 組 み 合 わせて 高 齢 者 を 支 えることが 求 められています 本 市 では 平 成 18 年 度 に 地 域 包 括 支 援 センターを 開 設 した 際 に 在 宅 介 護 支 援 センター - 地 域 包 括 支 援 センター - 市 の 三 層 構 造 を 構 築 し 地 域 できめ 細 かく 高 齢 者 を 支 えるとと もに より 高 度 化 専 門 化 する 事 案 に 対 応 できる 体 制 を 整 えました 同 時 に 在 宅 介 護 支 援 セン ターにおける 地 域 ケアネットワーク 会 議 の 開 催 などを 進 め 地 域 における 支 援 者 との 関 係 を 強 化 するとともに 地 域 包 括 支 援 センターが 調 整 役 となって 医 療 介 護 ネットワーク 会 議 を 開 催 し 医 療 関 係 者 と 介 護 職 との 橋 渡 しが 円 滑 に 進 むようにするなど 地 域 包 括 ケア を 実 現 するため のしくみづくりに 取 り 組 んできました 今 後 団 塊 の 世 代 が 75 歳 を 迎 える 2025 年 ( 平 成 37 年 )を 見 通 した 地 域 包 括 ケアシステム の 確 立 をめざす 必 要 があることから 四 日 市 市 独 自 のしくみを 活 用 しながら 高 齢 者 が 住 み 慣 れ た 地 域 で 安 心 して 暮 らし 続 けられるしくみを 構 築 していくことが 必 要 です 24
序 論 (2) 安 心 な 暮 らしを 支 える 相 談 支 援 の 充 実 について 本 市 においては 高 齢 者 に 対 する 相 談 や 支 援 においても 三 層 構 造 を 活 用 しています 特 に 高 齢 者 からの 身 近 な 相 談 窓 口 となる 在 宅 介 護 支 援 センターについては これまで 未 設 置 であった 橋 北 地 区 と 水 沢 地 区 への 整 備 を 行 い 市 内 全 24 地 区 に 配 置 が 完 了 しました さらに 高 齢 化 が 進 むにつれ 医 療 に 関 する 専 門 的 な 相 談 や 支 援 も 必 要 となってきていることから 本 市 で は 在 宅 介 護 支 援 センターに 医 療 職 ( 看 護 職 )の 配 置 を 進 めており 平 成 25 年 度 には5か 所 平 成 26 年 度 には9か 所 の 在 宅 介 護 支 援 センターに 配 置 を 行 いました また 各 地 域 包 括 支 援 センターの 担 当 圏 域 ごとに 在 宅 介 護 支 援 センターとのブロック 会 議 を 開 催 し 課 題 の 共 有 や 意 見 交 換 を 行 っています 高 齢 者 からの 相 談 件 数 は 年 度 により 増 減 していま すが 高 齢 者 等 の 権 利 擁 護 に 関 するもの( 虐 待 消 費 者 被 害 成 年 後 見 地 域 福 祉 権 利 擁 護 など) も 増 えてきており 在 宅 介 護 支 援 センターと 地 域 包 括 支 援 センターとの 連 携 により 対 応 してい ます ケアマネジャーを 支 援 する 機 能 としては 地 域 包 括 支 援 センターが 中 心 となって 介 護 サービ ス 事 業 者 連 絡 会 居 宅 介 護 支 援 部 会 を 開 催 し 情 報 交 換 や 研 修 を 実 施 してきたほか 多 様 な 生 活 課 題 を 抱 えた 支 援 が 困 難 な 事 例 ( 困 難 事 例 )などへの 対 応 についてケアマネジャーへの 助 言 や 同 行 訪 問 を 行 うとともに 医 療 機 関 やサービス 提 供 事 業 所 などへのつなぎを 行 っています 今 後 も 在 宅 介 護 支 援 センターと 地 域 包 括 支 援 センターは 地 域 で 高 齢 者 を 支 える 核 となるこ とから 機 能 分 担 を 図 りつつ 連 携 して 相 談 支 援 に 当 たることにより 高 齢 者 や 介 護 する 家 族 な どの 不 安 や 負 担 感 の 解 消 につなげていくことが 重 要 です 表 地 域 包 括 支 援 センター 在 宅 介 護 支 援 センターの 事 業 実 施 状 況 相 談 支 援 状 況 在 宅 介 護 支 援 センター 40,187 件 38,388 件 46,645 件 地 域 包 括 支 援 センター 20,235 件 20,836 件 25,621 件 ケアマネジャーに 対 する 支 援 340 件 350 件 341 件 連 絡 会 などの 開 催 参 加 7 件 10 件 15 件 介 護 予 防 ケアプラン 数 ( 要 支 援 者 ) 25,048 件 25,277 件 27,513 件 権 利 擁 護 に 関 する 相 談 1,045 件 1,161 件 1,202 件 25
(3) 在 宅 生 活 を 支 えるサービスの 充 実 について 1 介 護 保 険 サービスの 給 付 認 定 者 数 及 びサービス 利 用 者 数 の 増 加 に 伴 い 主 要 な3 居 宅 サービス( 訪 問 介 護 通 所 介 護 短 期 入 所 生 活 介 護 )はいずれも 給 付 を 伸 ばしています 中 でも 通 所 介 護 については 対 前 年 比 10% 以 上 の 伸 びを 見 せています 一 方 訪 問 看 護 訪 問 リハビリテーションなどの 医 療 系 のサー ビスについては 前 述 の3 居 宅 サービスに 比 べると 給 付 量 は 少 ないものの 引 き 続 き 伸 びてきてい ます 本 格 化 する 高 齢 者 数 の 増 加 に 対 応 し こうした 居 宅 サービスの 量 の 確 保 を 図 るとともに 利 用 者 のニーズにあったサービスが 提 供 されるよう 質 の 向 上 にも 取 り 組 む 必 要 があります 表 主 な 介 護 サービスの 給 付 状 況 ( 予 防 給 付 を 含 む1か 月 あたり 給 付 日 数 ) 訪 問 介 護 25,283 日 25,089 日 26,383 日 通 所 介 護 34,957 日 39,260 日 43,727 日 短 期 入 所 生 活 介 護 9,901 日 10,016 日 10,920 日 訪 問 看 護 2,739 日 2,857 日 3,413 日 訪 問 リハビリテーション 1,105 日 1,364 日 1,439 日 通 所 リハビリテーション 8,870 日 9,041 日 9,259 日 2 高 齢 者 福 祉 事 業 の 実 施 高 齢 者 の 日 常 生 活 や 介 護 家 族 を 支 える 福 祉 事 業 の 主 なものについては 配 食 と 安 否 確 認 による 見 守 りを 行 う 訪 問 給 食 の 給 付 が 月 平 均 約 900 人 前 後 とやや 減 少 し 家 族 介 護 の 負 担 を 軽 減 するお むつ 券 の 支 給 は 月 平 均 約 1,300 人 と 微 増 しています 高 齢 者 が 気 軽 に 集 える 場 であるふれあいい きいきサロンについては 116 か 所 のサロンを 支 援 しています こうした 生 活 支 援 については 今 後 介 護 予 防 日 常 生 活 支 援 総 合 事 業 として 実 施 していくこ とも 考 えられるため その 担 い 手 となる 地 域 の 社 会 資 源 を 掘 り 起 こしていくことが 求 められます 表 主 な 高 齢 者 福 祉 事 業 などの 実 施 状 況 訪 問 給 食 ( 月 平 均 ) 933 人 883 人 902 人 おむつ 券 支 給 ( 月 平 均 ) 1,305 人 1,303 人 1,314 人 ふれあいいきいきサロン 99 か 所 111 か 所 116 か 所 26
序 論 3 介 護 予 防 事 業 の 実 施 要 介 護 状 態 になるおそれの 高 い 高 齢 者 を 対 象 とした 二 次 予 防 事 業 のみを 地 域 包 括 支 援 センタ ーが 実 施 してきましたが 平 成 25 年 度 からは 高 齢 者 全 般 を 対 象 とした 一 次 予 防 事 業 も 地 域 包 括 支 援 センターが 実 施 し 元 気 な 方 から 要 介 護 状 態 の 高 齢 者 まで 一 貫 した 予 防 事 業 を 実 施 してい ます また 一 次 予 防 事 業 は 在 宅 介 護 支 援 センターから 地 域 への 効 果 的 な 誘 い 掛 けや 健 康 ボランテ ィアの 協 力 のもとで 実 施 を 進 めており より 参 加 しやすい 教 室 にしています ここでは 認 知 症 や 転 倒 予 防 等 の 講 座 運 動 指 導 や 相 談 などを 行 っています 運 動 機 能 の 維 持 や 認 知 症 予 防 などの 介 護 予 防 は できるだけ 多 くの 人 が 参 加 できるものとして いくことが 重 要 であり 今 後 も より 身 近 な 地 域 に 出 向 く 中 で 予 防 活 動 を 拡 充 していくことが 必 要 です 表 主 な 介 護 予 防 事 業 の 実 施 状 況 一 次 予 防 事 業 二 次 予 防 事 業 介 護 予 防 普 及 啓 発 事 業 694 回 801 回 665 回 地 域 介 護 予 防 活 動 支 援 事 業 850 回 818 回 586 回 通 所 事 業 376 人 478 人 376 人 訪 問 事 業 28 人 54 人 15 人 4 在 宅 医 療 との 連 携 在 宅 医 療 については 在 宅 医 療 を 支 える 医 療 機 関 や 訪 問 看 護 ステーションが 増 え 在 宅 での 看 取 り も 進 みつつあります また ケアマネジャーが 医 療 機 関 連 携 リスト を 活 用 して 医 療 機 関 と 情 報 共 有 するとともに 病 院 から 退 院 する 高 齢 者 をケアするためのカンファレンスへの 参 加 も 増 えています さらに 療 養 生 活 を 医 療 面 で 支 える 訪 問 看 護 ステーションを 充 実 するため 本 市 では 整 備 にか かる 支 援 を 行 い 現 在 市 内 で 20 か 所 に 増 設 されています また 認 知 症 高 齢 者 や 家 族 の 生 活 支 援 のための 医 療 と 介 護 の 情 報 共 有 ツールとして 認 知 症 地 域 連 携 パスポート くすのき 手 帳 を 配 布 し 活 用 を 進 めています 今 後 在 宅 での 療 養 生 活 を 支 える 上 では 医 療 と 介 護 の 連 携 が 不 可 欠 であることから より 一 層 の 取 り 組 みが 求 められます 27
5 地 域 における 見 守 り 活 動 地 域 において 認 知 症 高 齢 者 などを 見 守 るため 認 知 症 サポーターの 養 成 を 進 めており 平 成 25 年 度 末 で 14,000 人 を 超 えるサポーターが 養 成 されました さらに 認 知 症 高 齢 者 の 徘 徊 を 早 期 に 発 見 するため 防 災 メールを 利 用 して 協 力 可 能 な 市 民 に 徘 徊 高 齢 者 情 報 を 配 信 する 徘 徊 高 齢 者 等 SOSメール 配 信 事 業 を 開 始 しました 今 後 ますます 認 知 症 高 齢 者 の 増 加 が 予 想 されて いることから 認 知 症 の 人 や 家 族 が 地 域 で 安 心 して 暮 らすためには 地 域 の 理 解 と 協 力 が 不 可 欠 です また ひとり 暮 らし 高 齢 者 が 増 加 するなかで 孤 立 死 対 策 も 重 要 な 課 題 となっているほか 高 齢 者 虐 待 の 早 期 発 見 も 必 要 であることから 高 齢 者 宅 を 訪 問 する 機 会 が 多 いライフライン 事 業 者 配 達 事 業 者 と 見 守 り 協 定 を 締 結 し 見 守 り 体 制 の 強 化 を 図 りました 今 後 さらに 協 力 者 の 拡 大 を 進 めていく 必 要 があります 表 認 知 症 対 策 の 事 業 実 施 状 況 認 知 症 サポーター( 累 計 ) 10,450 人 12,362 人 14,058 人 28
序 論 (4) 介 護 施 設 や 住 まいの 確 保 について 介 護 保 険 3 施 設 などの 施 設 整 備 状 況 については 介 護 老 人 福 祉 施 設 ( 特 別 養 護 老 人 ホーム)の 整 備 が 平 成 24 年 度 中 に 進 んだものの 介 護 老 人 保 健 施 設 とともに 計 画 値 を 下 回 っています 介 護 療 養 型 医 療 施 設 の 転 換 は 進 み 平 成 26 年 度 末 には3 施 設 になる 見 込 みです 一 方 認 知 症 対 応 型 共 同 生 活 介 護 (グループホーム)は 第 5 次 計 画 期 間 中 に 整 備 を 進 めてきていることから 計 画 どおりに 施 設 数 定 員 数 とも 大 幅 に 増 加 する 見 込 みです 地 域 包 括 ケアシステムの 理 念 のもと できる 限 り 住 み 慣 れた 地 域 で 暮 らし 続 けられるしくみづ くりが 求 められていますが 重 度 の 要 介 護 者 など 必 要 な 人 が 利 用 できる 介 護 保 険 施 設 やグルー プホームが 求 められることから 適 切 な 量 を 見 込 み 地 域 バランスに 配 慮 しながら 誘 導 していく ことが 必 要 です 表 主 な 施 設 居 住 系 施 設 の 整 備 状 況 施 設 種 類 介 護 老 人 福 祉 施 設 ( 地 域 密 着 型 を 含 む) 平 成 24 年 度 施 設 数 (か 所 ) 定 員 数 ( 人 ) 平 成 25 年 度 施 設 数 (か 所 ) 定 員 数 ( 人 ) 平 成 26 年 度 ( 見 込 み) 施 設 数 定 員 数 (か 所 ) ( 人 ) 平 成 26 年 度 ( 計 画 ) 施 設 数 定 員 数 (か 所 ) ( 人 ) 21 1,206 22 1,266 23 1,295 24 1,355 介 護 老 人 保 健 施 設 7 584 7 584 8 613 10 773 介 護 療 養 型 医 療 施 設 5 180 4 165 3 148 5 180 認 知 症 対 応 型 共 同 生 活 介 護 10 108 12 126 17 171 17 171 合 計 43 2,078 45 2,141 51 2,227 56 2,479 数 値 はその 年 度 末 時 点 の 累 計 値 平 成 26 年 度 ( 計 画 )の 値 については 第 5 次 計 画 における 計 画 値 29
(5) 介 護 保 険 事 業 の 適 正 化 について 介 護 保 険 事 業 においては 要 介 護 認 定 ケアマネジメント サービス 給 付 及 び 介 護 報 酬 請 求 の 各 段 階 においてチェックを 行 い 引 き 続 き 適 正 な 事 業 運 営 に 努 めてきました 認 定 調 査 においては 基 準 どおりの 調 査 実 施 がなされているかをチェックし 公 平 公 正 な 調 査 の 実 施 と 調 査 基 準 の 平 準 化 を 図 りました ケアプランについては ケアマネジャーからの 相 談 票 について 指 導 するなどし 適 切 なケアマネジメントにつなげました また 利 用 者 に 対 する 介 護 給 付 費 の 通 知 を 年 3 回 行 うとともに 請 求 にかかるデータをチェッ クし 適 正 化 を 図 りました 事 業 所 の 評 価 だけでなく サービスの 質 の 向 上 を 図 るため 研 修 機 会 の 充 実 を 図 るとともに 介 護 相 談 員 20 人 が 事 業 所 を 訪 問 し 利 用 者 と 施 設 との 橋 渡 し 役 を 担 っています 事 業 所 に 対 し ては 指 導 監 督 を 行 うとともに 自 己 評 価 や 第 三 者 評 価 の 導 入 を 促 しています 今 後 は プランや 給 付 の 件 数 がますます 増 加 することから チェックにあたる 体 制 を 強 化 し 事 業 運 営 が 適 正 な 水 準 になるよう 努 めなければなりません 表 主 なサービスの 質 の 向 上 のための 事 業 の 実 施 状 況 介 護 相 談 員 の 派 遣 127 事 業 所 127 事 業 所 135 事 業 所 なお 介 護 保 険 サービスにかかる 総 給 付 費 については 以 下 のとおりです ( 参 考 ) 表 総 給 付 費 の 状 況 総 給 付 費 147.1 億 円 156.5 億 円 166.6 億 円 介 護 給 付 費 137.8 億 円 147.3 億 円 156.6 億 円 予 防 給 付 費 9.3 億 円 9.2 億 円 10.0 億 円 算 出 上 の 端 数 は 四 捨 五 入 しているため 合 計 が 合 わないことがあります 30