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日 常 診 療 に 役 立 つ 漢 方 講 座 第 152 回 筑 豊 漢 方 研 究 会 平 成 18 年 (2006)3 月 9 日 女 性 のための 漢 方 ~ 当 帰 芍 薬 散, 加 味 逍 遥 散, 桂 枝 茯 苓 丸 を 中 心 に~ 飯 塚 病 院 東 洋 医 学 センター 漢 方 診 療 科 三 潴 忠 道 1

しょう 漢 方 医 学 的 な 病 態 ( 証 )の 二 大 別 陽 証 陽 性 の 病 態 : 体 力 が 優 勢 活 動 性 発 揚 性 熱 が 主 体 陰 証 陰 性 の 病 態 : 体 力 が 劣 勢 非 活 動 性 沈 降 性 寒 が 主 体 陽 証 は 体 力 優 勢 が 優 勢 で 活 動 的 発 揚 性 熱 が 主 体 の 状 態 陰 証 は 体 力 が 劣 勢 で 非 活 動 性 沈 降 性 寒 が 主 体 の 状 態 2

陰 陽 と 体 力 と 病 毒 との 量 的 消 長 の 関 係 時 間 陽 証 病 期 陰 証 病 期 体 力 初 発 太 陽 病 期 少 陽 病 期 陽 明 病 期 病 毒 太 少 陰 陰 病 病 期 期 厥 陰 病 期 死 病 気 は 陽 証 から 陰 証 へ 向 かって 進 み 前 半 が 陽 証 期 後 半 が 陰 証 期 となる 慢 性 疾 患 では はっきりしないことがあるが 急 性 熱 性 疾 患 では 陽 証 期 は 太 陽 少 陽 陽 明 と 分 かれ 陰 証 期 は 太 陰 少 陰 厥 陰 となり 最 後 は 死 に 至 る 慢 性 疾 患 では 陽 証 期 は 少 陽 陰 証 期 は 少 陰 が 多 い 3

漢 方 医 学 の 陰 陽 全 体 証 ( 病 態 ) 構 成 成 分 体 内 循 環 要 素 薬 性 陽 陽 証 表 熱 実 気 温 陰 陰 証 裏 寒 虚 血 ( 血 + 水 ) 涼 陰 陽 の 中 の 成 分 として 表 裏 寒 熱 虚 実 などがある これらは1つの 側 面 を 見 たもので 全 くかぶらないわけではない 体 内 の 循 環 要 素 としては 気 (エネルギーのようなもの)と 血 ( 代 謝 の 実 質 的 な 面 を 支 える 液 体 成 分 )に 分 かれる 薬 も 温 める 薬 ( 陽 ) 冷 ます 薬 ( 陰 )に 分 かれる 4

生 体 を 維 持 する 三 要 素 生 命 活 動 を 営 む 根 源 的 エネルギー 失 調 病 態 : 気 逆 気 虚 気 鬱 気 生 体 を 物 質 的 に 支 える 赤 色 の 液 体 失 調 病 態 : 瘀 血 血 虚 血 水 生 体 を 物 質 的 に 支 える 無 色 の 液 体 失 調 病 態 : 水 滞 血 はさらに 赤 い 液 体 成 分 ( 血 )と 無 色 の 液 体 成 分 ( 水 )に 分 けられる 気 血 水 は 生 命 体 に はなくてはならないものだが 女 性 特 有 の 病 気 ( 月 経 出 産 更 年 期 )は 血 が 関 わるもの が 多 い 5

瘀 血 とは? スラスラと 流 通 すべき 血 が 何 らかの 原 因 によりつかえて スムーズに 流 れなくなった 状 態 をいう 言 葉 である 柴 崎 保 三 1969 血 の 流 通 障 害 流 通 障 害 を 来 たした 非 生 理 的 ( 不 健 康 )な 血 成 因 : 過 食 ( 高 脂 肪 高 蛋 白 動 物 食 ) ステロイド 剤 運 動 不 足 便 秘 外 的 なストレス( 寒 湿 熱 ) 打 撲 手 術 内 出 血 精 神 的 ストレス 睡 眠 不 足 参 考 : 症 例 から 学 ぶ 和 漢 診 療 学 寺 澤 捷 年 瘀 血 とは 血 がスムーズに 流 れなくなった 状 態 をいう 女 性 は 月 経 中 下 腹 部 がうっ 血 し 普 段 より 下 腹 部 の 圧 痛 しこりが 強 くなる 下 腹 部 のうっ 血 により 様 々な 心 身 の 変 調 をき たす 女 性 は 瘀 血 で 見 られるような 病 態 が 出 やすいと 考 えられる 6

駆 瘀 血 剤 を 使 用 することが 多 い 病 態 1) 打 撲 捻 挫 2) 皮 下 および 粘 膜 下 の 出 血 紫 斑 3) 静 脈 瘤 静 脈 炎 血 栓 症 など 4) 月 経 異 常 不 妊 症 排 卵 異 常 5) 産 後 の 諸 種 の 異 常 ( 腰 痛 めまい 帯 下 など) 6)いわゆる 冷 え 症 7) 肝 障 害 糖 尿 病 などの 代 謝 疾 患 8) 常 習 便 秘 痔 疾 9) 外 科 領 域 ( 術 後 の 回 復 促 進 ) 10) 精 神 神 経 疾 患 ( 頭 痛 うつ 状 態 脳 血 管 障 害 ) 11) 皮 膚 疾 患 ( 湿 疹 蕁 麻 疹 しもやけなど) 12)その 他 ( 血 尿 膠 原 病 ステロイド 剤 使 用 時 など) ( 財 ) 日 本 漢 方 医 学 研 究 所 編 : 新 版 漢 方 医 学 1990より 引 用 駆 瘀 血 剤 を 使 うことが 多 い 病 態 は 男 性 女 性 両 方 あるが どちらかといえば 女 性 の 方 が 多 く 月 経 不 妊 排 卵 異 常 産 後 の 異 常 などは 女 性 特 有 のものである 7

望 診 瘀 血 篇 手 掌 紅 斑 眼 輪 部 の 色 素 沈 着 舌 口 唇 の 暗 赤 色 皮 下 溢 血 細 絡 ( 毛 細 血 管 拡 張 ) 望 診 では 皮 膚 粘 膜 血 管 の 異 常 など 表 から 見 えるものを 確 認 する 手 掌 紅 斑 眼 輪 部 の 色 素 沈 着 舌 口 唇 の 暗 赤 色 皮 下 溢 血 細 絡 などは 瘀 血 によくみられる 8

陰 証 虚 証 水 毒? 望 診 舌 診 陽 証 実 証 瘀 血? 舌 質 淡 白 紅 腫 大 (ー) 歯 痕 (+) 舌 苔 やや 湿 潤 白 苔 厚 さ 中 等 度 舌 質 暗 赤 色 腫 大 (ー) 歯 痕 (±) 舌 苔 乾 燥 白 苔 厚 い 舌 の 淡 白 なものは 瘀 血 ととるにしても 陰 証 で 虚 証 どす 黒 く 赤 紫 色 の 舌 は 本 格 的 な 駆 瘀 血 が 必 要 な 実 証 タイプが 多 い 9

腹 診 の 順 序 1) 腹 力 2) 腹 直 筋 の 攣 急 3) 心 下 痞 鞕 4) 胸 脇 苦 満 5) 心 下 振 水 音 6) 腹 動 ( 臍 上 悸 ) 7) 臍 傍 抵 抗 圧 痛 ( 瘀 血 の 圧 痛 ) 8) 小 腹 不 仁 4 2 3 5~ 1 8 6 7 切 診 では 腹 診 が 瘀 血 の 診 断 に 重 要 下 腹 部 を 中 心 に 瘀 血 の 抵 抗 と 圧 痛 がある 胸 脇 苦 満 は 直 接 の 瘀 血 の 所 見 ではないが 瘀 血 病 態 に 伴 いやすい 10

診 断 基 準 ( 瘀 血 スコア) 男 女 眼 輪 部 の 色 素 沈 着 10 10 顔 面 の 色 素 沈 着 2 2 皮 膚 の 甲 錯 2 5 口 唇 の 暗 赤 化 2 2 歯 肉 の 暗 赤 化 10 5 舌 の 暗 赤 化 10 10 細 絡 5 5 皮 下 溢 血 2 10 手 掌 紅 斑 2 5 男 女 臍 傍 圧 痛 抵 抗 左 10 10 右 10 15 正 中 5 5 回 盲 部 圧 痛 抵 抗 5 2 S 状 部 圧 痛 抵 抗 5 5 季 肋 部 圧 痛 抵 抗 5 5 痔 疾 10 5 月 経 障 害 5 判 定 20 点 以 下 : 非 瘀 血 21 点 以 上 : 軽 度 瘀 血 40 点 以 上 : 重 度 瘀 血 病 態 ( 科 学 技 術 庁 研 究 班 ) 瘀 血 の 診 断 基 準 には 望 診 での 皮 膚 粘 膜 血 管 の 異 常 や 切 診 での 下 腹 部 の 抵 抗 圧 痛 胸 脇 苦 満 さらに 下 腹 部 が 鬱 血 するので 痔 や 月 経 障 害 などが 入 っている 11

方 剤 病 位 女 性 のための 主 な 駆 瘀 血 剤 と 鑑 別 構 成 生 薬 特 徴 応 用 ケ イシブ クリ ョ ウガン 桂 枝 茯 苓 丸 少 陽 ヤヤ 実 桂 枝 茯 苓 牡 丹 皮 桃 仁 芍 薬 駆 瘀 血 剤 の 代 表 頬 に 赤 味 臍 斜 め 下 の 硬 結 圧 痛 虚 血 性 疾 患 婦 人 病 トウキ シャクヤクサン 当 帰 芍 薬 散 太 陰 虚 当 帰 芍 薬 茯 苓 白 朮 沢 瀉 川 芎 瘀 血 + 水 毒 冷 え 水 様 帯 下 生 理 痛 腹 直 筋 攣 急 心 下 部 振 水 音 右 臍 傍 圧 痛 カ ミ シ ョ ウ ヨ ウ サ ン 加 味 逍 遥 散 少 陽 ~ 太 陰 虚 当 帰 芍 薬 白 朮 茯 苓 柴 胡 甘 草 牡 丹 皮 山 梔 子 生 姜 薄 荷 葉 = 柴 胡 桂 枝 乾 姜 湯 証 - 寒 + 熱 + 瘀 血 舌 質 深 紅 舌 裏 静 脈 怒 張 不 定 愁 訴 逍 遥 熱 更 年 期 一 般 的 によく 使 われるのはこの3 方 剤 慢 性 疾 患 の 治 療 では 仕 上 げの 時 期 にだいたい 駆 瘀 血 剤 が 必 要 になる 〇 桂 枝 茯 苓 丸 : 最 も 代 表 的 な 駆 瘀 血 剤 少 陽 のやや 実 証 だが 瘀 血 が 強 ければ 幅 広 く 使 える 構 成 は 実 証 の 瘀 血 をさばく 牡 丹 皮 桃 仁 と 血 を 補 う 芍 薬 気 を 巡 らせる 桂 枝 水 をさばき 安 神 作 用 のある 茯 苓 から 成 る 桂 枝 が 入 るので のぼせっぽく 頬 に 赤 みがある 血 を 巡 ら せるためには 気 も 水 も 必 要 で これらに 強 く 配 慮 している 動 脈 硬 化 や 血 流 異 常 を 伴 う 疾 患 にはファーストチョイス 女 性 特 有 の 生 理 機 能 に 伴 い 症 状 が 出 現 するものは 瘀 血 と 考 え られ 典 型 的 なものには 桂 枝 茯 苓 丸 が 使 われることが 多 い 〇 当 帰 芍 薬 散 : 太 陰 の 虚 証 当 帰 芍 薬 は 虚 証 の 瘀 血 をさばき 血 を 補 う 血 が 足 りないこ とにより 皮 膚 がかさついたり 手 足 の 末 端 が 冷 えてしもやけなる 茯 苓 白 朮 沢 瀉 など 半 分 は 水 をさばく 薬 から 成 る 水 は 冷 えを 伴 いやすいので 冷 えっぽい 顔 ( 果 物 顔 )で 帯 下 も 水 っぽく 舌 は 淡 白 な 感 じで むくみやすい 冷 え 症 の 女 性 にはよく 使 われる 当 帰 が 胃 に 障 る 人 は 酒 服 がよい 〇 加 味 逍 遥 散 : 少 陽 の 虚 証 当 帰 芍 薬 散 の 当 帰 芍 薬 茯 苓 白 朮 に 柴 胡 が 入 り 牡 丹 皮 で 血 を 強 くさばき 山 梔 子 で 胸 の 中 にこもった 熱 を 冷 まし 気 を 巡 らせる 虚 証 なので 瘀 血 の 圧 痛 はあまり 強 くない 舌 はしまった 感 じでスッとしており 暗 赤 色 で 熱 がこもっ ているので 赤 みが 強 い 舌 裏 静 脈 が 下 から2/3 位 まで 膨 らんでいる 口 内 炎 など 口 の 中 に 熱 があるような 病 気 や 不 定 愁 訴 によい 熱 のふけさめがみられる 柴 胡 桂 枝 乾 姜 湯 と 桂 枝 茯 苓 丸 を 合 方 して 乾 姜 を 抜 いたものに 近 い 感 じ 12

桂 枝 茯 苓 丸 少 陽 実 ( 特 徴 ) 頬 に 赤 み 婦 人 病 各 種 虚 血 性 疾 患 ( 左 ) 臍 傍 圧 痛 桂 枝 茯 苓 丸 の 腹 部 所 見 は 臍 の 斜 め 下 が 盛 り 上 がり そこに 圧 痛 を 伴 うしこりを 触 れるの が 特 徴 圧 痛 は 右 よりも 左 に 強 く 出 ることが 多 い 瘀 血 の 圧 痛 は 放 散 するので どこかに ひびかないかを 聞 く しこりはつまんで 持 ち 上 げるとコリッと 触 れるのでわかる 13

当 帰 芍 薬 散 準 太 陰 虚 ( 右 ) 臍 傍 圧 痛 ( 特 徴 ) 瘀 血 + 水 毒 寒 ( 特 に 四 肢 端 ) 水 様 帯 下 振 水 音 果 物 顔 生 理 痛 当 帰 芍 薬 散 の 腹 証 について 冷 えによる 症 状 は 右 に 出 やすいので 圧 痛 点 も 右 側 が 優 位 芍 薬 が 入 るので 腹 直 筋 の 緊 張 もあり 虚 証 で 水 っぽいので お 腹 がチャプチャプいう 心 下 部 に 振 水 音 が 見 られる 冷 え 症 の 女 性 で 腹 直 筋 の 緊 張 があれば 生 理 痛 や 月 経 困 難 症 な どが 起 こりやすいとも 言 える 14

加 味 逍 遙 散 少 陽 虚 柴 胡 剤 + 瘀 血 熱 (ふけさめ) 舌 : 暗 赤 色 加 味 逍 遥 散 も 腹 証 は 胸 脇 苦 満 は 弱 く 熱 を 冷 ますほうなので 瘀 血 の 圧 痛 は 左 に 多 い 腹 動 は 少 しあることが 多 い また 皮 膚 がなめらかでつやがある 15

加 味 逍 遥 散 から 診 た 証 空 間 - 血 三 態 柴 胡 剤 血 熱 瘀 血 実 虚 大 柴 胡 湯 柴 胡 加 龍 骨 牡 蛎 湯 小 柴 胡 湯 柴 胡 桂 枝 湯 柴 胡 桂 枝 乾 姜 湯 上 三 黄 瀉 心 湯 黄 連 解 毒 湯 万 病 回 春 外 台 秘 要 加 味 逍 遥 散 四 物 湯 桃 核 承 気 湯 桂 枝 茯 苓 丸 当 帰 芍 薬 散 下 桂 枝 加 龍 骨 牡 蛎 湯 温 経 湯 加 味 逍 遥 散 からみた 証 空 間 を 考 えた 場 合 加 味 逍 遥 散 の 熱 がもっと 強 くなると 実 証 の 黄 連 解 毒 湯 になる 体 のあちこちにある 瘀 血 が 絡 んだ 熱 ( 三 焦 の 実 熱 )をさばく パーッとの ぼせる 感 じなら 三 黄 瀉 心 湯 柴 胡 剤 の 流 れでみると 柴 胡 剤 は 肝 の 血 をさばくので 上 腹 部 の 駆 瘀 血 剤 とも 考 えることができる 加 味 逍 遥 散 にならんで 最 も 虚 証 は 柴 胡 桂 枝 乾 姜 湯 で もう 少 し 実 証 なら 柴 胡 桂 枝 湯 虚 実 中 間 かやや 実 証 なら 小 柴 胡 湯 さらに 実 証 にいけ ば 柴 胡 加 龍 骨 牡 蛎 湯 大 柴 胡 湯 となる 瘀 血 の 流 れでみると 所 見 は 下 腹 部 が 中 心 となり 同 じくらいの 病 位 では 当 帰 芍 薬 散 がある 熱 がない 分 少 し 陰 証 で 虚 証 になる 本 格 的 な 実 証 の 瘀 血 になれば 桂 枝 茯 苓 丸 で もっと 強 い 瘀 血 でのぼせがあれば 桃 核 承 気 湯 となる 精 神 不 安 が 強 ければ 龍 骨 牡 蛎 を 加 えるかわりにエキスでは 桂 枝 加 龍 骨 牡 蛎 湯 を 合 方 しても よい 虚 証 の 駆 瘀 血 剤 として 温 経 湯 は 冷 えのぼせ 手 のほてり 口 唇 の 乾 燥 を 目 標 に 使 う 加 味 逍 遥 散 のようにパーッとのぼせてから 冷 えるのではなく 初 めから 足 が 冷 えている 16

主 な 駆 瘀 血 剤 と 使 用 上 の 目 標 虚 実 方 剤 六 病 位 主 な 使 用 目 標 便 秘 傾 向 冷 えのぼせ 肉 顔 ニキビ 桃 核 承 気 湯 準 陽 明 少 腹 急 結 実 虚 虚 大 黄 牡 丹 皮 湯 腸 癰 湯 桂 枝 茯 苓 丸 疎 経 活 血 湯 当 帰 芍 薬 散 四 物 湯 準 陽 明 準 陽 明 少 陽 少 陽 準 太 陰 準 太 陰 便 秘 傾 向 顔 色 不 良 腰 以 下 重 い 痔 小 腹 腫 痞 大 黄 牡 丹 皮 湯 証 で 便 秘 せず 卵 巣 大 腸 疾 患 駆 瘀 血 剤 の 代 表 頬 に 赤 味 婦 人 病 虚 血 性 疾 患 痩 せ 気 味 赤 ら 顔 筋 肉 圧 痛 ( 左 半 身 ) 腹 直 筋 緊 張 瘀 血 + 水 毒 冷 え 水 様 帯 下 生 理 痛 右 臍 傍 圧 痛 補 血 剤 の 代 表 貧 血 皮 膚 枯 燥 その 他 の 駆 瘀 血 剤 について 〇 桃 核 承 気 湯 : 桂 枝 甘 草 の 組 み 合 わせが 入 り 芍 薬 がないので のぼせが 強 い 調 胃 承 気 湯 が 入 っているので 便 秘 があって 上 腹 部 中 心 に 腹 がはり 少 し 熱 がこもっている 左 の 下 腹 部 に 圧 痛 がある 〇 大 黄 牡 丹 皮 湯 : 桃 核 承 気 湯 と 陰 陽 虚 実 はほぼ 同 じで 少 陽 の 実 証 からやや 陽 明 寄 り 瘀 血 が 下 にかたまっているタイプで 痔 が 多 い 実 証 だが 顔 色 がよくない 右 の 下 腹 部 に 圧 痛 が ある 〇 腸 癰 湯 : 大 黄 牡 丹 皮 湯 の 少 し 虚 証 で 便 秘 のないもの 〇 疎 経 活 血 湯 : 左 半 身 の 筋 肉 の 圧 痛 が 特 徴 腰 や 脚 の 痛 みを 訴 える 病 位 は 少 陽 から 太 陰 で 虚 証 冷 えを 伴 う 痛 みであれば 附 子 を 加 える 〇 四 物 湯 : 補 血 剤 の 代 表 的 な 薬 だが これだけで 使 うことは 少 ない 17

のぼせ( 顔 の 火 照 り)を 中 心 とした 漢 方 方 剤 の 展 開 血 熱 の 上 衝 黄 連 含 有 方 剤 が 典 型 的 瘀 血 駆 瘀 血 剤 は 桂 枝 含 有 が 多 い 竜 骨 牡 蛎 易 驚 悪 夢 実 三 黄 瀉 心 湯 心 下 痞 便 秘 黄 連 解 毒 湯 舌 暗 赤 下 腹 部 圧 痛 皮 膚 症 状 桃 核 承 気 湯 冷 えのぼせ 便 秘 少 腹 急 結 桂 枝 茯 苓 丸 典 型 的 代 表 的 駆 瘀 血 剤 柴 胡 加 龍 骨 牡 蛎 湯 胸 脇 苦 満 心 下 悸 虚 加 味 逍 遥 散 熱 のふけ 冷 め 多 愁 訴 柴 胡 桂 枝 乾 姜 湯 虚 証 の 柴 胡 剤 冷 え 症 状 温 経 湯 桂 枝 加 龍 骨 牡 蛎 湯 冷 えのぼせ 手 掌 煩 熱 唇 口 乾 燥 表 虚 証 で 心 下 悸 桂 枝 は 上 衝 を 主 る といわれ 桂 枝 含 有 方 剤 はのぼせ 傾 向 が 使 用 目 標 になり 得 る 苓 桂 五 味 甘 草 湯 : 真 っ 赤 な 顔 ( 酔 状 ) 桂 枝 加 桂 湯 : 強 い 頭 痛 陰 虚 証 の のぼせ ( 真 寒 仮 熱 ) : 極 端 な 陰 虚 証 で 出 現 する 通 脈 四 逆 湯 証 が 典 型 女 性 に 多 いのぼせを 中 心 に 方 剤 をみた 場 合 血 熱 の 上 衝 では 三 黄 瀉 心 湯 や 黄 連 解 毒 湯 など がある 黄 連 は 血 が 上 にのぼせる 時 ( 赤 い 顔 など)に 使 う 駆 瘀 血 剤 において 冷 えのぼせ で 実 証 の 代 表 は 桃 核 承 気 湯 桂 枝 茯 苓 丸 も 桂 枝 が 入 っているので 少 しのぼせる 傾 向 がある 加 味 逍 遥 散 は 熱 のふけさめで パーッと 暑 くのぼせてからスーッと 引 くのが 特 徴 温 経 湯 は 冷 えのぼせでも 発 作 的 に 来 るのではなく 手 もほてるのが 特 徴 龍 骨 牡 蛎 が 入 った 気 が 揺 さぶられるタイプののぼせでは 実 証 で 柴 胡 加 龍 骨 牡 蛎 湯 があり ドキドキしてのぼせ る 精 神 不 安 定 なものに 使 う 柴 胡 桂 枝 乾 姜 湯 はあまりのぼせは 強 くなく 乾 姜 が 入 るので 顔 も 青 白 い 少 しのぼせる 傾 向 はあるので 鼻 炎 で 鼻 が 詰 まったり 唇 が 乾 くようなものに よい 桂 枝 加 龍 骨 牡 蛎 湯 は 桂 枝 湯 に 龍 骨 牡 蛎 が 入 るので 心 因 的 なものでパーッとのぼせ るようなものによい 気 だけの 上 衝 であれば 苓 桂 味 甘 湯 桂 枝 加 桂 湯 がある 例 外 的 には 陰 虚 証 であまりに 冷 えきって 弱 ると 体 の 中 に 熱 を 蓄 えきれずにのぼせて 顔 が 赤 くなる 真 寒 仮 熱 を 呈 する 通 脈 四 逆 湯 が 典 型 18

Ⅰ 冷 え(のぼせ) 1. 全 身 の 冷 え 陰 証 の 方 剤 倦 怠 感 を 伴 う 四 逆 湯 類 (20) 特 に 冷 える 部 分 により 下 肢 下 腿 八 味 地 黄 丸 類 (19) 腰 がスースー 苓 姜 朮 甘 湯 背 中 附 子 湯 腹 上 腹 部 : 人 参 湯 ( 附 子 理 中 湯 ) 臍 付 近 : 大 建 中 湯 下 腹 部 : 八 味 地 黄 丸 四 肢 端 当 帰 四 逆 加 呉 茱 萸 生 姜 湯 当 帰 芍 薬 散 ( 合 人 参 湯 ) 2. 末 梢 の 冷 え: 駆 瘀 血 剤 補 血 剤 当 帰 四 逆 加 呉 茱 萸 生 姜 湯 当 帰 芍 薬 散 桂 枝 茯 苓 丸 3. 冷 えのぼせ 桃 核 承 気 湯 温 経 湯 苓 桂 五 味 甘 草 湯 ( 柴 胡 桂 枝 乾 姜 湯 ) 瘀 血 によるものではなく 全 身 的 な 冷 えの 場 合 は 陰 証 の 方 剤 が 必 要 下 肢 が 中 心 なら 八 味 地 黄 丸 腰 がスースー 冷 えたり 重 い 時 は 苓 姜 朮 甘 湯 背 中 が 寒 い 時 は 附 子 湯 みずおちのあ たりが 冷 えている 時 は 人 参 湯 それでいてのぼせがひどければ 黄 連 湯 軽 いのぼせなら 桂 枝 人 参 湯 臍 を 中 心 に 冷 えている 時 は 大 建 中 湯 を 使 う 末 梢 の 冷 えは 瘀 血 がからみ 有 名 なものには 当 帰 四 逆 加 呉 茱 萸 生 姜 湯 がある しもやけ レイノーによく 使 われる 鼠 径 靭 帯 に 圧 痛 があり 左 に 強 いことが 多 い 脈 は 細 く 弱 い 冷 えが 強 ければ 附 子 を 加 える そ の 他 当 帰 芍 薬 散 や 桂 枝 茯 苓 丸 でも 血 が 巡 らないため 冷 えることがある 19

Ⅱ 月 経 障 害 1. 月 経 不 順 帯 下 駆 瘀 血 剤 ( 概 説 p.25~) 八 味 地 黄 丸 2. 月 経 困 難 症 : 虚 証 では 加 附 子 が 多 い 駆 瘀 血 剤 : 主 に 基 礎 治 療 に 当 帰 芍 薬 散 痛 みに 対 して 当 帰 建 中 湯 (+ 附 子 ) 芍 薬 甘 草 ( 附 子 ) 湯 3. 不 正 出 血 駆 瘀 血 剤 実 証 の 方 剤 では 助 長 することあり 芎 帰 膠 艾 湯 黄 土 湯 ( 黄 連 解 毒 湯 ) Ⅲ 妊 娠 に 伴 う 不 調 1.つわり 小 半 夏 加 茯 苓 湯 乾 姜 人 参 半 夏 丸 ( 料 ) 2. 浮 腫 下 腹 が 張 る 眞 武 湯 ( 附 子 湯 ) 当 帰 芍 薬 散 当 帰 建 中 湯 3.その 他 出 血 : 芎 帰 膠 艾 湯 産 後 : 芎 帰 調 血 飲 月 経 障 害 において 八 味 地 黄 丸 は 先 天 の 気 が 宿 る 腎 を 補 うことで 生 殖 に 関 わる 月 経 の 不 順 や 過 小 月 経 を 改 善 する 老 人 性 腟 炎 にも 良 い 生 理 痛 に 普 段 使 う 駆 瘀 血 剤 は 当 帰 芍 薬 散 が 最 も 多 いが 急 性 期 に 頓 服 として 使 いやすいものは 当 帰 建 中 湯 キューッとくる 痛 みに は 芍 薬 甘 草 湯 冷 えを 伴 うなら 芍 薬 甘 草 附 子 湯 を 使 う 不 正 出 血 に 駆 瘀 血 剤 を 用 いる 場 合 桂 枝 茯 苓 丸 や 桃 核 承 気 湯 などは 証 を 見 誤 ると 出 血 を 助 長 することがあるので 注 意 が 必 要 その 他 帰 膠 艾 湯 は 有 名 でエキスにもある つわりは 小 半 夏 加 茯 苓 湯 が 約 7 割 で 有 効 少 しずつ 冷 服 させるのがコツ 妊 娠 中 にむくむ 人 はたいてい 下 腹 が 張 るが 真 武 湯 は 苓 朮 附 で 温 めて 水 をさばき さらに 芍 薬 も 入 っているのでよい またこういう 人 は 脈 が 細 く 真 武 湯 証 であることが 多 い 当 帰 芍 薬 散 は 水 もさばくので 普 段 飲 ませておくとよいが 本 当 に 張 ってきた 時 には 当 帰 建 中 湯 が 一 番 効 く 当 帰 建 中 湯 証 では 腹 直 筋 の 緊 張 が 下 腹 部 ま ではっきり 触 れる 出 血 傾 向 には 帰 膠 艾 湯 が 使 われる 病 位 は 太 陰 の 虚 証 その 他 にも 痔 の 出 血 や 切 迫 流 産 などに 使 われる ここから 四 物 湯 が 抽 出 されたといわれているため 皮 膚 がかさつくなど 血 虚 の 症 状 がみられ 皮 下 出 血 しやすい 不 正 出 血 や 生 理 が 長 引 いて なかなか 止 まらないような 時 にもよく 使 われる 20

芎 帰 膠 艾 湯 準 太 陰 虚 血 虚 易 出 血 性 切 迫 流 産 痔 出 血 左 臍 傍 一 横 指 下 帰 膠 艾 湯 証 の 腹 力 は 弱 く 臍 より 少 し 下 左 臍 傍 より1,2 横 指 下 に 圧 痛 があることが 多 い 陰 証 の 虚 証 なので しこりはないかあっても 柔 らかい 21