都 市 公 共 政 策 ワークショップ I 議 事 幼 児 教 育 保 育 をめぐる 国 際 的 動 向 ~ 保 育 政 策 がいかに 社 会 を 支 えるか~ 講 師 : 鈴 木 正 敏 兵 庫 教 育 大 学 院 学 校 教 育 研 究 科 准 教 授 指 導 教 員 : 水 上 啓 吾 都 市 公 共 政 策 研 究 分 野 准 教 授 日 時 :2016 年 6 月 3 日 ( 金 ) 午 後 6 時 30 分 ~9 時 20 分 場 所 : 梅 田 サテライト6 階 107 教 室 議 事 録 担 当 : 江 崎 秀 子 公 共 政 策 研 究 分 野 M1 < 講 師 プロフィール> 幼 稚 園 経 営 の 家 庭 に 育 ち 自 然 に 幼 児 教 育 に 関 心 を 持 たれる 兵 庫 教 育 大 学 卒 業 米 国 University of Wisconsin-Madison で 修 士 博 士 号 取 得 現 在 保 育 政 策 の 改 善 に 向 けて 大 活 躍 中 家 族 : 妻 ( 美 人 右 脳 タイプ 博 士 号 取 得 専 業 主 婦 ) 子 ども( 個 性 豊 かな3 兄 弟 ) < 講 義 内 容 > 1. 保 育 政 策 を 考 える 視 点 2. 保 育 は 子 どもの 未 来 にどうつながるのか? 3. イギリスはいかにして ECEC (Early Childhood Education and Care)への 投 資 を 増 や したか? 4. 他 国 の 保 育 カリキュラム( 例 )の 概 要 5. 思 考 を 共 有 しつなげること 6. 公 共 政 策 としての 幼 児 教 育 保 育 を 考 える 1. 保 育 政 策 を 考 える 視 点 ( 日 本 : 保 育 補 助 金 が 低 い) 1) 幼 児 教 育 / 保 育 (ECEC)へのアクセスの 問 題 : 待 機 児 童 の 解 消 保 育 所 : 待 機 児 童 問 題 ex. 保 育 園 落 ちた 日 本 死 ね!(2016/2/15) 幼 稚 園 ( 預 かり 時 間 14:00 まで): 定 員 割 れ 幼 稚 園 と 保 育 所 が 一 体 化 した 子 ども 園 の 必 要 性 2) 幼 児 教 育 / 保 育 (ECEC)への 質 の 問 題 構 造 的 な 質 (Structural Quality) ex. 建 物 ( 施 設 の 質 ) 教 員 一 人 に 対 する 子 どもの 数 プロセスの 質 (Process Quality) ex. 教 員 と 子 どもがどれだけ 有 意 義 に 触 れ 合 う 時 間 を 持 てるか? 教 員 の 質 資 格 免 許 は 保 有 しているか? 免 許 はあっても 教 員 自 体 の 中 身 はどうか?
3)OECD データ 図 1. 日 本 平 均 図 2. 0~3 歳 : 特 定 の 人 ( 親 )との 親 密 さ(attachment)が 必 要 な 時 期 施 設 に 週 60 時 間 以 上 あずけるのは 良 くないと 言 われている 5 歳 児 では 何 らかの 保 育 機 関 に 入 所 できているが 3 歳 以 下 では 入 所 率 が 低 くなるというアクセスの 問 題 がある 国 際 学 力 テストでは 日 本 は 優 秀 ( 小 中 学 の 教 育 はうまくいっている) 結 婚 できないというのは 経 済 的 な 問 題 がある 子 どもを 養 えないという 問 題 がある 女 性 の 働 きやすい 場 所 を 作 る 日 本 平 均
図 3 Fig. 3 3 歳 児 の 初 期 教 育 と 育 児 への 公 共 支 出 日 本 OECD 加 盟 国 中, 下 から 5 位 2003 年 2007 年 2. 保 育 は 子 どもの 未 来 にどうつながるのか? 1) 幼 児 期 に 投 資 する 理 由 ジェームズ J ヘックマンの 研 究 ; 幼 児 教 育 に 投 資 するとより 良 い 効 果 が 表 れる 特 に3~4 歳 ごろに 質 の 良 い 幼 児 教 育 を 受 けると やる 気 協 調 性 集 中 性 持 久 力 が 付 き より 良 い 職 業 につける 幼 児 期 に IQ を 高 める 学 習 をさせても 効 果 の 継 続 は 期 待 で きない 2)アメリカでの 研 究 (Star: Student Teams Achieving Results) 幼 児 教 育 の 効 果 を 将 来 的 に 追 跡 した 研 究 : 教 歴 10 年 以 上 の 保 育 者 から 教 育 されたクラス 群 と 教 歴 10 年 未 満 の 保 育 ク ラス 群 で 保 育 の 効 果 を 比 較 した 27 歳 時 点 で 前 者 のクラス 群 は 後 者 に 比 べて 約 1104 ドル 年 収 が 上 回 った 学 級 規 模 には 関 係 はなく 中 学 2 年 時 の 成 績 にも 影 響 はなかった しかし 中 学 2 年 時 の 非 認 知 的 技 能 ( 他 者 とうまくやっていくこと 肯 定 的 な 態 度 躾 けられていること)への 効 果 が 見 られた この 効 果 が 年 収 にも 繋 がり よりよく 生 きる 力 が 育 まれたと 結 論 された 3)OECD 提 唱 のキー コンピテンシー 1. 自 立 的 に 行 動 する 能 力 ( 主 体 的 に 生 きていけるか)
2. 多 様 な 社 会 グループでの 人 間 関 係 形 成 能 力 ( 人 と 仲 良 く 協 力 し 合 えるか) 3. 社 会 文 化 的 技 術 的 ツールを 相 互 作 用 的 に 活 用 する 能 力 ( 身 につけたも のをどう 応 用 するか) キー コンピテンシー 知 識 スキル 情 動 的 資 質 ( 感 情 をコントロールする 力 )が 学 びに 向 かう 力 に 繋 がる Well-being; 安 全 安 心 健 康 に 育 つこと メタコンピテンス ( 主 要 能 力 ) 4) 学 びに 向 かう 力 非 認 知 的 技 能 ( 感 情 のコントロール 自 尊 心 意 欲 好 奇 心 粘 り 強 さ) を 育 むことで 学 びに 向 かう 力 が 培 われる アクティブ ラーニング= 人 もの 事 にかかわる 力 自 分 でどこまで 我 慢 できるか 粘 り 強 くできるかを 幼 児 期 に 躾 けることが 大 事 これはワークシートでは 育 たない 好 きなことをやらせる 時 に 粘 り 強 さ が 出 てくる 幼 稚 園 小 中 学 校 の 学 習 指 導 要 領 改 正 :アクティブ ラーニン グを 取 り 入 れ ヒトと 主 体 的 に 関 わっていくかで 学 ぶ 力 を 養 う 5)マシュマロ 実 験 (Walter Mischel, 1968 年 ); 4 歳 児 がある 一 定 時 間 マシュマロを 食 べずに 我 慢 できるか という 実 験 で 結 果 的 に 食 べずに 我 慢 ができた 子 どもは 将 来 的 に 成 功 を 収 めたていた 6) グリット(Grit; 綴 りのコンテスト) = 粘 り 強 さ Grit = Spelling Bee で 勝 った 人 についての 研 究 Angela Lee Duckworth: 結 果 : 勝 利 した 人 は IQ には 関 係 なく 粘 り 強 さが 重 要 であった 本 当 の 才 能 とは 計 画 的 訓 練 に 励 むことであり 粘 り 強 さ(Grit)が 成 功 を 導 く 熱 意 の 継 続 性 ( 飽 きない)と 努 力 の 継 続 性 ( 挫 折 しない)が 重 要 と 評 価 * 成 績 よりも 粘 り 強 さが 大 事 であり 非 認 知 能 力 は 幼 児 期 に 培 われる 質 の 高 い 教 育 をすることで 非 認 知 能 力 が 養 われる 3.イギリスはいかにして ECEC への 投 資 を 増 やしたか? 1)イギリスの 保 育 政 策 効 果 的 な 就 学 前 学 校 教 育 プロジェクト(EPPE: The Effective Provision of Pre-School Education) の 結 果 全 ての 3~4 歳 児 に 対 する 幼 児 教 育 の 無 償 化 を 政 策 として 実 現 するに 至 った (1 日 3 時 間 週 15 時 間 38 週 就 労 家 庭 は 週 30 時 間 ) EPPE によって 就 学 前 教 育 が 子 どもの 発 達 や 学 業 に 影 響 を 与 えることが 明 確 になった 2)イギリスの 研 究 (EPPE) 優 れた 園 は 子 どもから 主 導 して 始 まる 活 動 が 多 く 優 秀 園 と 最 優 秀 園 を
比 べると 最 優 秀 園 は 子 どもが 主 導 して それを 保 育 者 が 伸 ばしていく 活 動 が 多 い 子 どもの 考 える 力 を 伸 ばすようなかかわりをすると 小 学 校 以 降 の 学 業 成 績 が 伸 びる( 教 え 込 みではない) 3)ポイント 研 究 の 結 論 : 保 育 の 質 が 高 いほど 学 業 成 績 にもつながる 女 子 よりも 男 子 の 方 が 教 育 の 質 の 恩 恵 が 高 いことがわかった Cf. 図 3 の UK グラフ 値 では 2003 年 から 2007 年 に 大 幅 に 政 策 費 が 上 昇 EPPE の 研 究 報 告 を 議 会 に 提 出 したことが 政 策 費 の 上 昇 に 繋 がった 4. 他 国 の 保 育 カリキュラム 概 要 4-1 テ ファリキ(ニュージランド;NZ)~ 万 人 が 拠 りどころとする 織 敷 物 ~ 1)テ ファリキ テ ファリキとは 幼 児 教 育 のカリキュラムの 名 称 で 先 住 民 の 伝 統 工 芸 品 の 織 敷 物 の 名 前 を 用 いてカリキュラムの 改 善 を 図 った 系 統 的 カリキュラム X 蜘 蛛 の 巣 モデル 1980~90 年 代 は 幼 児 教 育 を 市 場 原 理 で 捉 え1 政 府 財 務 省 は 親 の 問 題 民 間 企 業 のことと 考 え 2 労 働 省 は 改 革 や 大 きな 投 資 のターゲット と 考 えていた 2)ニュージランドでは 1986 年 より 保 育 所 幼 稚 園 プレイセンターは 教 育 省 が 統 括 している 多 様 性 公 平 性 バイカルチュラリズムの 価 値 観 を 導 入 し 保 育 者 の 養 成 研 修 と 給 与 アップを 政 策 の 柱 とした cf. 図 3. NZ 参 照 当 事 が 良 く 税 収 が 上 昇 し 幼 児 教 育 政 策 費 も 上 昇 した ) 3)テ ファリキ 導 入 の 意 義 学 校 型 カリキュラム( 決 められたスキルと 知 識 の 習 得 )or 発 達 に 即 したカリキュラム( 身 体 的 知 的 情 緒 的 社 会 的 発 達 ) にするかの 論 争 に 終 止 符 が 打 たれた Waikato 大 学 の Helen May と Margaret Carr らのカリキュラム プロジェクト(マオリ 文 化 のカリキュラムへの 統 合 )が 発 起 し 子 どもたちの 権 利 を 保 障 する 社 会 文 化 的 アプローチ となった 4)テ ファリキの 理 念 子 どもたちが 心 身 ともに 健 康 で ゆるぎない 帰 属 感 をもち 自 分 たちは 社 会 に 対 して 価 値 ある 貢 献 ができるという 知 識 を 持 ち 自 信 にあふれた 有 能 な 学 び 手 および 話 し 手 として 成 長 するために(NZ 教 育 省, 1996) 5)ホリスティックなカリキュラム(by Carol Mutch, 2001)
カリキュラムは 伝 えることはできません それは 経 験 されるのみです 教 え 手 と 学 び 手 は 共 にこれらの 経 験 を 構 築 します 評 価 もまた 子 どもの 学 びを 複 合 的 で 事 情 によって 異 なると 考 える ホリスティックなものです 6)テ ファリキの2つの 課 題 1 財 源 法 規 実 践 義 務 適 切 な 保 育 者 養 成 が 必 要 (オリジナルで 新 しいカリキュラムは 質 の 高 い 保 育 者 が 不 可 欠 ) 2 評 価 : 学 校 的 な 知 識 やスキルの 獲 得 ではなく ホリスティックな 目 標 を 強 調 しているために 評 価 が 難 しい 7) 新 しい 評 価 方 法 としてラーニング ストーリーを 開 発 ケイ トゥア オ テ パエ(Kei Tua o te Pae: 地 平 を 越 えて)は 子 ど もが 携 えている 力 が 明 らかになることを 基 にした 評 価 アプローチを 取 る このアプローチは 学 びを 記 録 するために 語 り(Narrative)もしくは 物 語 (Stories) を 使 う. (ロンダー, 2007) * 評 価 方 法 :ラーニング ストーリー 個 人 個 人 のストリー( 何 を 学 んだか)が 本 にして 園 内 においてある 4-2 レッジョ エミリア(イタリア)~ 子 どもたちに 耳 を 傾 ける~ 1)レッジョ エミリアの 実 践 子 どもたちの100の 言 葉 プロジェクトを 中 心 として 芸 術 的 なアプローチをとる 2) 子 どもたちの100の 言 葉 イタリア レッジョ エミリア 市 での 実 践 され ローリス マラグッツィの 哲 学 に 基 づいて 行 われたもの 3) 人 類 の 特 性 人 類 は( 話 し 言 葉 の 他 に)さまざまな 言 葉 によって 自 己 表 現 する Ex 絵 画 音 楽 身 体 表 現 etc. どの 言 葉 も 十 分 に 発 達 すべきであり どれかが 伸 びると 他 も 伸 びる 5. 思 考 を 共 有 しつなげること 1) 参 考 書 Iram Siraj, Denise Kingston & Edward Melhuish, 秋 田 喜 代 美 & 淀 川 裕 美 ( 訳 ): 保 育 プロセスの 質 評 価 スケール 乳 幼 児 期 の ともに 考 え 深 めつづけるこ と と 情 緒 的 な 安 定 安 心 を 捉 えるために, 明 石 書 店, 東 京, 2016 2) 思 考 を 共 有 し つなげること sustained shared thinking 二 人 もしくは 二 人 以 上 が 知 的 な 方 法 で 一 緒 に 取 り 組 み 問 題 を 解 決
し あるいは 概 念 について 明 らかにし 自 分 たちの 活 動 を 捉 え 直 し 語 り を 広 げたりすること どの 参 加 者 も ともに 思 考 することに 貢 献 し 思 考 を 発 展 させたり 広 げたりすることが 求 められる 就 学 前 教 育 の 効 果 的 な 実 践 (EPPE) 研 究 から 出 た 効 果 的 な 幼 児 教 育 法 調 査 (REPEY) のデータから 導 かれた 結 論 1 短 い 会 話 でも 良 い 一 緒 に 考 えることに 参 加 し 貢 献 することが 大 切 2 大 人 は 一 歩 下 がって 感 性 豊 かに 子 どもたちの 探 求 問 題 解 決 を 支 える 3)SSTEW (Sustained Shared Thinking and Emotional Well-being) 思 考 を 共 有 し つなげること と 情 動 的 な 安 定 安 心 施 設 型 保 育 の 実 践 を 観 察 するためのスケール 4) 学 びと 批 判 的 思 考 を 支 える(1 7 段 階 のスケール) 子 どもたちが 探 求 したり 調 べたりするための 支 えがほとんどなされてい ない 科 学 や 算 数 問 題 解 決 あるいは 概 念 について 保 育 者 がほとんど 理 解 を 示 していない 子 どもたちの 探 求 を 促 すための 活 動 や 用 途 の 限 られていない 資 源 を 配 置 している 子 どもたちの 探 求 や 調 査 について 子 どもたちと 一 緒 に 話 し 合 っている 子 どもたちが 観 察 したことと それ 以 前 の 経 験 やこれからのフォローア ップ 活 動 とをつなげられるよう 支 えている そのために ( 本 やパソコンンにある) 写 真 や 他 の 資 源 を 利 用 している 子 どもたちが 想 像 力 や 創 造 性 を 使 って 探 求 し 実 践 するように 支 えている 子 どもたちが 資 源 や 科 学 に 用 いる 道 具 を 持 って ある 場 所 から 別 の 場 所 へ 移 動 することを 促 している 探 求 わくわくする 気 持 ち 驚 きや 不 思 議 に 思 う 気 持 ちをモデルにして 示 し 子 どもたちがそれを 観 察 してから 活 動 に 参 加 できるようにしている 子 どもたちの 行 為 や 興 味 が 生 じた 時 に それらについて 指 摘 し 共 有 し 説 明 している シンプルな 科 学 的 概 念 説 明 的 概 念 を 紹 介 している 子 どもたちが 観 察 する 際 科 学 的 な 方 法 や 問 題 解 決 の 方 法 を 用 いることが できるよう 見 本 を 示 している 子 どもたちと 話 し 行 動 する 中 で 丁 寧 に 観 察 すること 予 想 を 立 てるこ と 表 現 すること 評 価 することを 支 えている 子 どもたちの 経 験 から 出 てくる 身 近 な 言 葉 に 加 えて それらの 経 験 につな がる 科 学 的 な 言 葉 ( 例 えば 溶 ける )を 使 っている 子 どもたちの 科 学 的 活 動 問 題 解 決 の 活 動 探 求 に 参 加 するよう 保 護 者 に 話 し 促 している
6. 公 共 政 策 としての 幼 児 教 育 保 育 を 考 える 1) 日 本 が 生 き 返 るために 子 どもの 将 来 を 見 据 えて どのような 政 策 を 打 つことが 必 要 か? 就 学 前 に 質 の 良 い 環 境 で 情 緒 を 整 える 必 要 がある 政 策 によって どのような 効 果 がもたらされるのか? 保 育 者 が 短 期 で 辞 めるような 安 定 しない 保 育 所 で 育 った 子 どもは 情 緒 の 安 定 しない 状 態 で 育 つ それに 対 して 保 育 者 が 長 く 勤 められ 子 ど もたちのために 話 し 合 いを 持 ち 地 域 も 良 い 子 どもを 育 てようとするよ うなところで 育 った 子 どもたちは 質 のよい 教 育 を 受 けられる 結 局 財 政 の 豊 かな 環 境 で 育 った 子 どもたちは 質 のよい 子 どもに 成 長 し 年 収 も 増 えるということになる 政 策 の 方 向 性 が 鍵 になる エビデンスベース(evidence base)の 政 策 決 定 * 研 究 者 が evidence data を 作 成 し それを evidence base として 政 策 に 活 かすことが 必 要 であるが 現 状 では 研 究 者 の 努 力 と 財 政 の 努 力 が 足 りていない 哲 学 のある 政 策 とは * 何 を 見 て 何 を 勉 強 して 何 を 願 っていくか それには 質 を 問 う 政 策 が 必 要 となる 2) 質 を 問 う 政 策 量 ではなく 質 を 問 う 政 策 が 必 要 Ex. 保 育 者 が 短 期 で 辞 めるような 安 定 しない 保 育 所 で 育 った 子 どもと 長 期 働 けるような 保 育 所 で 育 った 子 どもの 成 長 を 長 期 追 跡 比 較 し 財 力 のあるところに 質 の 良 い 教 育 ができるという evidence data が 必 要 目 に 見 える ものではなく 目 に 見 えないもの を 追 い 求 める 研 究 者 と 政 策 決 定 者 は 同 様 に 質 を 求 め 本 質 を 見 通 す 目 を 持 つこと が 必 要 である 成 熟 した 社 会 成 熟 した 市 民 政 策 を 行 う 人 実 際 に 保 育 を 行 う 人 地 域 の 人 も 共 通 した 認 識 を 持 って おくことが 必 要 である そうするには 保 育 現 場 でのリーダーシップ 地 域 でのリーダーシップをとるのが 重 要 で それらは 政 策 の 決 定 に 委 ね られる < 主 な 質 疑 応 答 > 質 問 1. 講 義 では evidence base が 大 事 だと 説 明 されていたが 日 本 の 場 合 はevidence base がないので data を 評 価 することができない 何 か 課 題 を 持 たれているか?
返 答 : 我 々 研 究 者 は evidence 結 果 を 出 して 政 策 に 役 立 っていることを 示 す 必 要 がある 現 在 幼 児 教 育 政 策 センターが2つ 設 立 されている 東 大 と 文 科 省 ( 国 立 教 育 政 策 研 究 所 )の 中 に 設 立 されているが 予 算 が 少 ない 研 究 費 は 欧 米 では 10 億 単 位 であ るが 日 本 では 科 研 費 2 千 万 円 とるのもやっとで 欧 米 との 差 が 大 き 過 ぎる 研 究 は 既 成 的 な 政 策 決 定 をしないと 難 しい 研 究 者 と 政 策 決 定 者 が これは 大 事 ですよ と 市 民 に 理 解 を 求 めなければならない 長 期 的 な 結 果 を 見 据 えての 研 究 が 必 要 OECD の 結 果 は1つのきっかけに 過 ぎない ( 鈴 木 先 生 は) 北 欧 デンマークあたりの 意 見 を 参 考 に 取 り 入 れて 非 認 知 と 認 知 の 領 域 を 同 時 に 研 究 中 である 質 問 2. 学 びの 継 続 が 重 要 であるとのことだが 幼 児 から 青 年 までのギャップが 大 きすぎ る リンクしているのか? 返 答 : 育 てようとする 力 が 幼 児 教 育 から 高 等 教 育 を1 本 の 線 として 繋 がるのが 大 事 で 認 知 能 力 非 認 知 能 力 を 育 てるのも 大 事 今 指 導 要 綱 の 改 定 の 柱 がそれになっ ていて 内 容 方 法 評 価 の 一 体 化 が 言 われていて 評 価 のところをどうするか が 難 しく 幼 児 期 の 方 から 少 しずつ 上 に 上 げていきたいと 思 っている 大 学 入 試 が 思 考 力 中 心 に 変 わっていくので そのうちに 内 容 が 変 わって 行 く 実 際 に 調 べ て 書 いて 出 す ということ を 幼 児 期 から 慣 れていたら 小 学 校 中 学 校 と それでやって 行 き 高 校 ではしっかり 書 けるかなという 感 じである 質 問 3 少 子 化 とともに 多 民 族 性 の 社 会 が 出 てくる 場 合 どうなるか? 返 答 : 多 文 化 共 生 をどうするか?と 言 う 質 問 であるが まだ 国 として 移 民 政 策 が 定 まっ ていないので 多 文 化 共 生 の 問 題 は 現 在 のところは 教 育 学 的 には 必 要 とされていな い まずは 移 民 政 策 の 決 定 が 先 で 共 生 の 問 題 は 将 来 的 には 必 要 になってくる と 思 われる 他