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第 3 章 治 安 情 勢 18 第 1 公 安 情 勢 18 1 右 翼 等 18 (1) 抗 議 活 動 の 状 況 18 (2) 街 頭 宣 伝 活 動 の 状 況 19 (3) 違 法 行 為 の 取 締 り 20 (4) 右 派 系 市 民 グループをめぐる 動 向 21 2 極 左 暴 力 集 団 21 (1) 革 マル 派 の 動 向 21 (2) 中 核 派 の 動 向 22 (3) 革 労 協 の 動 向 24 (4) 成 田 空 港 をめぐる 情 勢 25 (5) 極 左 対 策 の 推 進 25 3 オウム 真 理 教 26 (1) 教 団 の 状 況 26 (2) オウム 真 理 教 対 策 の 推 進 28 4 日 本 共 産 党 28 (1) 第 23 回 参 議 院 議 員 通 常 選 挙 の 結 果 28 (2) TPP 問 題 等 を 捉 えた 一 点 共 闘 の 取 組 を 展 開 29 (3) 第 26 回 党 大 会 に 向 けた 動 向 30 5 大 衆 運 動 31 (1) 原 子 力 政 策 をめぐる 運 動 31 (2) 反 戦 反 基 地 運 動 32 (3) 特 定 秘 密 の 保 護 に 関 する 法 律 をめぐる 運 動 32 (4) 国 際 会 議 等 を 捉 えた 反 グローバリズム 等 の 社 会 運 動 33 (5) 我 が 国 の 捕 鯨 をめぐる 動 向 33 (6) TPPをめぐる 運 動 35 (7) 2020 年 東 京 オリンピック パラリンピック 競 技 大 会 をめぐる 運 動 35 (8) 雇 用 問 題 をめぐる 運 動 35

第 2 外 事 情 勢 37 1 北 朝 鮮 による 対 日 有 害 活 動 37 (1) 一 般 情 勢 37 (2) 北 朝 鮮 等 による 対 日 諸 工 作 39 (3) 対 北 朝 鮮 措 置 に 係 る 違 法 行 為 の 検 挙 42 2 北 朝 鮮 による 拉 致 容 疑 事 案 43 (1) 北 朝 鮮 による 拉 致 容 疑 事 案 等 をめぐる 動 き 43 (2) 拉 致 の 目 的 45 (3) 日 朝 協 議 の 動 向 46 3 中 国 による 対 日 有 害 活 動 47 (1) 一 般 情 勢 47 (2) 中 国 による 対 日 諸 工 作 等 57 4 ロシアによる 対 日 有 害 活 動 58 (1) 一 般 情 勢 58 (2) ロシア 情 報 機 関 員 による 違 法 な 情 報 収 集 活 動 63 5 大 量 破 壊 兵 器 関 連 物 資 等 の 不 正 輸 出 64 (1) 国 際 情 勢 64 (2) 不 正 輸 出 対 策 の 推 進 73 6 不 法 入 国 不 法 滞 在 事 犯 73 第 3 国 際 テロ 情 勢 75 1 国 際 テロ 情 勢 75 (1) イスラム 過 激 派 の 動 向 と 国 際 テロの 脅 威 75 (2) 我 が 国 への 国 際 テロの 脅 威 77 (3) 日 本 赤 軍 及 び よど 号 グループの 動 向 78 2 国 際 テロ 対 策 79 (1) 情 報 収 集 と 捜 査 79 (2) 水 際 対 策 の 強 化 80 (3) 爆 発 物 の 原 料 となり 得 る 化 学 物 質 の 販 売 事 業 者 に 対 する 管 理 者 対 策 80 (4) 防 衛 省 自 衛 隊 との 連 携 81

(5) 重 要 施 設 の 警 戒 82 (6) NBCテロ 対 策 82 (7) 特 殊 部 隊 銃 器 対 策 部 隊 の 充 実 強 化 82 (8) スカイ マーシャルの 運 用 83 (9) 武 力 攻 撃 事 態 等 への 対 処 83 (10) 国 際 協 力 の 推 進 84 3 国 際 テロ 対 策 に 係 るデータのインターネット 上 への 掲 出 事 案 84 第 4 サイバー 空 間 における 警 備 情 勢 85 1 サイバー 攻 撃 に 関 する 情 勢 85 (1) 国 内 における 情 勢 85 (2) 海 外 における 情 勢 86 2 サイバー 攻 撃 対 策 87 (1) 体 制 の 強 化 87 (2) サイバー 攻 撃 の 実 態 解 明 87 (3) 官 民 連 携 の 推 進 による 被 害 の 未 然 防 止 87 第 4 章 警 備 実 施 89 第 1 警 衛 警 護 89 1 警 衛 89 2 警 護 89 (1) 外 国 要 人 89 (2) 国 内 要 人 90 第 2 自 然 災 害 等 への 対 応 90 1 東 日 本 大 震 災 を 踏 まえた 大 規 模 災 害 への 備 え 90 (1) 東 日 本 大 震 災 への 対 応 90 (2) 原 子 力 災 害 への 対 応 91 (3) 今 後 の 大 規 模 災 害 への 備 え 92

2 大 雨 による 被 害 93 (1) 概 要 93 (2) 警 察 措 置 93 3 台 風 による 被 害 94 (1) 台 風 第 18 号 94 (2) 台 風 第 26 号 94 4 地 震 による 被 害 95 (1) 概 要 95 (2) 警 察 措 置 95 5 竜 巻 等 による 被 害 95 (1) 概 要 95 (2) 警 察 措 置 96

別 添 資 料 1 オウム 真 理 教 の 拠 点 施 設 等 (1) 2 右 翼 による テロ ゲリラ 事 件 の 発 生 状 況 及 び 右 翼 関 係 事 件 の 検 挙 状 況 (2) 3 平 成 25 年 中 における 右 翼 等 による 主 な 事 件 の 検 挙 状 況 (3) 4 極 左 暴 力 集 団 による テロ ゲリラ 事 件 の 発 生 状 況 及 び 極 左 事 件 の 検 挙 状 況 (5) 5 北 朝 鮮 による 拉 致 容 疑 事 案 (6) 6 北 朝 鮮 関 係 諜 報 事 件 一 覧 表 (7) 7 大 量 破 壊 兵 器 関 連 物 資 等 不 正 輸 出 事 件 一 覧 表 (9) 8 対 北 朝 鮮 措 置 に 係 る 事 件 一 覧 表 (12) 9 来 日 外 国 人 入 管 法 違 反 の 推 移 (17) 10 国 際 テロ 事 件 発 生 状 況 (18) 11 主 な 行 幸 啓 行 啓 一 覧 表 (20) 12 自 然 災 害 による 被 害 状 況 (21) 13 平 成 25 年 における 警 備 関 係 事 件 主 要 判 決 (22) 14 主 要 事 件 災 害 等 発 生 日 記 念 日 一 覧 表 (24) 平 成 25 年 年 表 (25)

概 説 第 1 平 成 25 年 の 治 安 情 勢 の 回 顧 国 際 情 勢 国 際 情 勢 については エジプトにおける 大 統 領 解 任 やシリアにおける 化 学 兵 器 使 用 疑 惑 等 中 東 アフリカ 地 域 における 事 象 が 国 際 的 な 注 目 を 集 め シリア については 国 際 管 理 下 での 化 学 兵 器 廃 棄 手 続 が 進 められた 世 界 経 済 は 米 国 で 緩 やかなペースで 回 復 が 続 いたものの 予 算 編 成 に 伴 う 協 議 が 整 わず 約 17 年 ぶりに 政 府 機 能 が 一 部 停 止 した 欧 州 連 合 ( EU) では 危 機 状 態 にあった 経 済 が 回 復 への 兆 しを 見 せたものの 一 部 加 盟 国 で 緊 縮 財 政 等 に 対 する 不 満 からデモが 発 生 した こうした 中 キムジヨンウン 北 朝 鮮 は 金 正 恩 国 防 委 員 会 第 一 委 員 長 の 動 静 報 道 等 を 通 じて 同 第 一 委 員 長 の 下 への 結 集 を 呼 び 掛 け 同 第 一 委 員 長 を 中 心 とした 体 制 の 安 定 化 を 推 進 した 一 方 北 朝 鮮 は 2013 年 3 月 に 朝 鮮 労 働 党 中 央 委 員 会 全 員 会 議 を 開 催 し 経 済 建 設 と 核 武 力 建 設 を 並 行 して 推 進 する 新 たな 並 進 路 線 を 採 択 し これまでどおり 軍 事 力 強 化 を 継 続 する 姿 勢 を 鮮 明 にした さら に 北 朝 鮮 は 2 月 に3 回 目 の 核 実 験 を 実 施 したほか 3 月 から4 月 にかけ て 米 韓 合 同 軍 事 演 習 等 に 反 発 し 朝 鮮 戦 争 休 戦 協 定 の 白 紙 化 を 表 明 するなど 朝 鮮 半 島 における 緊 張 状 態 を 高 めたが 5 月 以 降 は それまでの 強 硬 姿 勢 を 改 め 各 国 との 対 話 を 志 向 する 姿 勢 を 示 した また 北 朝 鮮 は 直 接 又 は 朝 れん 鮮 総 聯 を 介 して 我 が 国 に 対 する 厳 しい 非 難 や 各 種 働 き 掛 けを 行 った 警 察 では 拉 致 容 疑 事 案 等 の 捜 査 や 調 査 を 進 めたほか 対 北 朝 鮮 措 置 に 係 る 外 国 為 替 及 び 外 国 貿 易 法 違 反 事 件 を 検 挙 した 中 国 は 2012 年 11 月 に 開 催 された 共 産 党 第 18 期 全 国 代 表 大 会 で 党 と 軍 の しゅうきんぺい トップとなった 習 近 平 総 書 記 が 2013 年 3 月 に 行 われた 第 12 期 全 国 人 民 代 表 大 会 で 国 家 主 席 に 就 任 し 名 実 共 に 中 国 の 最 高 指 導 者 となった 中 国 は 尖 閣 諸 島 を 自 国 の 領 土 と 主 張 し その 周 辺 海 域 に 公 船 を 相 次 いで 派 遣 して 我 が 国 領 海 に 侵 入 したほか 海 軍 艦 艇 や 戦 闘 機 を 接 近 させるなど 強 - 1-

硬 姿 勢 を 明 らかにした 8 月 日 中 平 和 友 好 条 約 締 結 35 周 年 を 迎 えたが 両 政 府 でそれぞれ 予 定 されていた 記 念 式 典 の 開 催 が 見 送 られるなど 異 例 の 事 態 となった このため 9 月 に 我 が 国 政 府 による 尖 閣 諸 島 国 有 化 1 周 年 及 び 満 州 事 変 の 発 端 となった 柳 条 湖 事 件 82 周 年 をそれぞれ 迎 える 中 で 前 年 同 様 中 国 国 内 における 大 規 模 な 反 日 デモの 発 生 が 懸 念 されたが 日 系 企 業 等 が 襲 撃 されるような 混 乱 はなかった 中 国 は 依 然 外 交 面 で 対 日 強 硬 姿 勢 を 堅 持 し 続 ける 中 安 倍 政 権 発 足 後 初 め て 閣 僚 会 談 が 行 われたほか 自 治 体 や 経 済 界 の 交 流 が 再 開 されるなど 我 が 国 と の 関 係 改 善 に 向 けて 動 き 始 めたと 捉 える 見 方 もある 一 方 中 国 は 我 が 国 にお いて 先 端 技 術 保 有 企 業 防 衛 関 連 企 業 研 究 機 関 等 に 研 究 者 技 術 者 留 学 生 等 を 派 遣 するなどして 巧 妙 かつ 多 様 な 手 段 で 各 種 情 報 活 動 を 行 っているほか 政 財 官 学 等 各 界 関 係 者 に 対 する 働 き 掛 けを 行 うなどの 対 日 諸 工 作 を 行 っているも のとみられる ロシアは プーチン 大 統 領 が 就 任 当 時 から 掲 げていた 国 家 の 近 代 化 へ 向 けた 各 種 政 策 を 推 し 進 めた ロシアでは 2012 年 中 に 多 発 したプーチン 政 権 に 対 する 大 規 模 な 反 政 権 集 会 やデモの 勢 いは 政 府 に 対 する 抗 議 活 動 を 抑 制 する 法 案 を 同 年 中 に 成 立 さ せ 締 め 付 けを 強 化 したことに 伴 い 衰 えつつあるが 政 府 への 不 満 は 依 然 くすぶり 続 けており 再 燃 する 可 能 性 を 含 んでいる プーチン 大 統 領 は4 月 モスクワで 安 倍 晋 三 首 相 と 会 談 し 両 首 脳 は 第 二 次 世 界 大 戦 後 67 年 を 経 て 日 ロ 間 で 平 和 条 約 が 締 結 されていない 状 態 は 異 常 であるとの 認 識 で 一 致 した 一 方 ロシアは 依 然 ドイツにおいてスパイを 利 用 した 情 報 収 集 活 動 が 発 覚 するなど 情 報 機 関 による 違 法 な 情 報 収 集 活 動 を 活 発 に 行 っていることが 明 らかになっている 他 方 米 国 との 関 係 においては 人 権 問 題 シリア 情 勢 ミサイル 防 衛 ( M D) 問 題 等 をめぐり 対 立 は 深 まったままである 国 際 テロ 情 勢 は 引 き 続 き 厳 しい 状 況 で 推 移 した アル カーイダ を 始 めとするイスラム 過 激 派 組 織 及 びその 支 援 者 は インターネット 等 のメデ ぱ ィアを 効 果 的 に 活 用 して ジハード 思 想 を 伝 播 している その 影 響 を 受 けて 各 地 のテロ 組 織 等 がテロを 企 図 する 傾 向 がみられ 2013 年 中 も アフガニス - 2-

タン パキスタンやイラクを 始 め 世 界 各 地 でテロ 事 件 が 発 生 した 特 に1 月 在 アルジェリア 邦 人 に 対 するテロ 事 件 で 多 数 の 邦 人 が 犠 牲 となったほか 9 月 にはケニア ナイロビのショッピングモールにおける 襲 撃 テロ 事 件 が 発 生 し 実 行 犯 グループが 非 イスラム 教 徒 を 襲 撃 の 対 象 にしていたとされる 中 多 数 の 外 国 人 が 死 傷 した また 4 月 に 発 生 した 米 国 ボストンにおける 爆 弾 テロ 事 件 は テロ 組 織 からの 指 示 や 支 援 を 受 けない 個 人 による ローン ウルフ( 一 匹 おおかみ ) 型 のテロとみられ 改 めてその 危 険 性 が 認 識 され た シリアにおいては 長 引 く 内 戦 に 乗 じて イスラム 過 激 派 の 活 動 の 活 発 化 や 外 国 人 戦 闘 員 の 流 入 といった 状 況 がみられ シリア 及 び 周 辺 国 におけ る 治 安 悪 化 の 要 因 となっている 警 察 は 国 内 の 関 係 機 関 外 国 治 安 情 報 機 関 等 と 緊 密 に 情 報 を 交 換 するとともに 情 報 収 集 活 動 や 捜 査 活 動 を 実 施 した 国 内 情 勢 平 成 25 年 7 月 21 日 第 23 回 参 議 院 議 員 通 常 選 挙 で 与 党 が 圧 勝 し 国 会 におけ る ねじれ が 解 消 した 安 倍 首 相 は 3 月 に 環 太 平 洋 パートナーシップ(TPP) 協 定 交 渉 への 参 加 を 表 明 し 10 月 には26 年 4 月 からの 消 費 税 率 の8%への 引 き 上 げを 閣 議 決 定 し た 6 月 の 通 常 国 会 に 提 出 された 外 交 安 全 保 障 政 策 の 司 令 塔 となる 国 家 安 全 保 障 会 議 ( 日 本 版 NSC)を 設 置 するための 関 連 法 案 は 秋 の 臨 時 国 会 で 成 立 し 同 会 議 が12 月 に 発 足 した また 経 済 については デフレ 脱 却 と 景 気 回 復 を 目 的 に 安 倍 内 閣 の 経 済 財 政 政 策 いわゆるアベノミクスを 推 進 した 原 子 力 発 電 所 をめぐっては 7 月 安 全 性 を 判 断 する 新 規 制 基 準 が 施 行 され 再 稼 働 に 必 要 な 安 全 審 査 が 進 められた こうした 中 よう 右 翼 は 我 が 国 政 府 の 政 策 や 領 土 問 題 等 を 捉 えて 執 拗 な 抗 議 活 動 に 取 り 組 み その 過 程 で 多 数 の 事 件 を 引 き 起 こした 警 察 は 右 翼 による 違 法 行 為 に ついて 1,583 件 1,643 人 を 検 挙 した 極 左 暴 力 集 団 は 社 会 経 済 情 勢 を 捉 え 反 原 発 運 動 や 反 戦 反 基 地 運 動 等 の 取 組 を 通 じて 組 織 の 維 持 拡 大 を 図 った 警 察 は 極 左 暴 力 集 団 に 対 する 事 件 捜 査 や 各 種 対 策 を 推 進 し 極 左 活 動 家 ら36 人 を 検 挙 した - 3-

オウム 真 理 教 については 主 流 派 は 麻 原 彰 晃 こと 松 本 智 津 夫 への 絶 対 的 帰 依 を 強 調 する 原 点 回 帰 を 強 めるとともに 上 祐 派 は 松 本 の 影 響 力 がない かのように 装 い 開 かれた 教 団 をアピールした 警 察 は 組 織 的 違 法 行 為 に 対 する 厳 正 な 取 締 りを 推 進 し 調 査 活 動 中 の 公 安 調 査 官 に 対 する 公 務 執 行 妨 害 罪 で 主 流 派 出 家 信 者 2 人 を 検 挙 した 日 本 共 産 党 は 7 月 の 第 23 回 参 議 院 議 員 通 常 選 挙 で 改 選 前 3 議 席 から8 議 席 に 議 席 を 伸 ばし 非 改 選 と 合 わせ11 議 席 となった 反 グローバリズムを 掲 げる 勢 力 等 は 国 内 では 6 月 に 開 催 された 第 5 回 アフリカ 開 発 会 議 (TICAD V ) に 際 し 抗 議 活 動 に 取 り 組 んだ 拉 致 問 題 について 1 月 に 政 府 は 安 倍 首 相 を 本 部 長 とし 全 閣 僚 を 構 成 員 とする 新 たな 拉 致 問 題 対 策 本 部 を 内 閣 に 設 置 し その 第 1 回 会 合 におい て 全 ての 拉 致 被 害 者 の 安 全 確 保 及 び 即 時 帰 国 拉 致 に 関 する 真 相 究 明 拉 致 実 行 犯 の 引 渡 しの 追 求 等 の 方 針 と 拉 致 問 題 の 解 決 に 向 けた 具 体 的 施 策 を 盛 り 込 んだ 拉 致 問 題 の 解 決 に 向 けた 方 針 と 具 体 的 施 策 を 決 定 したほか 新 たな 対 策 本 部 の 設 置 に 合 わせ 政 府 与 野 党 拉 致 問 題 対 策 機 関 連 絡 協 議 会 及 び 拉 致 問 題 に 関 する 有 識 者 との 懇 談 会 も 設 置 するなど 拉 致 問 題 の 解 決 に 向 けてオールジャパンで 取 り 組 む 姿 勢 を 内 外 に 示 した 警 察 では 拉 致 容 疑 事 案 はもとより 拉 致 の 可 能 性 を 排 除 できない 事 案 についても 真 相 解 明 に 向 けた 警 察 の 取 組 を 更 に 強 化 するため 3 月 警 察 庁 警 備 局 外 事 情 報 部 外 事 課 に 特 別 指 導 班 を 設 置 し 都 道 府 県 警 察 に 対 する 指 導 を 強 化 したほか 海 上 保 安 庁 との 連 携 の 強 化 や 積 極 的 なDNA 型 鑑 定 資 料 の 採 取 事 案 概 要 等 の 都 道 府 県 警 察 ウェブサイトへの 掲 載 行 方 不 明 者 一 覧 表 の 警 察 庁 ウェブサ イトへの 掲 載 拉 致 問 題 啓 発 ポスターの 全 国 の 警 察 施 設 への 掲 出 等 を 実 施 し た また サイバー 空 間 をめぐっては 情 報 通 信 技 術 を 悪 用 した 攻 撃 により 重 要 インフラ 事 業 者 等 の 提 供 するサービスが 停 止 するなどの 国 民 生 活 や 社 会 経 済 活 動 に 甚 大 な 影 響 を 与 える 事 案 は 発 生 しなかったものの 1 月 には 農 林 水 産 省 のコンピュータが 不 正 プログラムに 感 染 していたことが 判 明 し 行 政 文 書 が 外 部 に 流 出 した 可 能 性 があることが 確 認 された また 4 月 には 宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構 (JAXA)において 不 正 アクセスにより 国 際 宇 宙 ス - 4-

テーション 補 給 機 に 関 する 情 報 等 が 流 出 した 可 能 性 があることが 明 らかにな った 警 察 では 4 月 13 都 道 府 県 警 察 に サイバー 攻 撃 特 別 捜 査 隊 を 設 置 し 全 国 で 約 140 人 の 専 従 捜 査 員 が 対 策 を 推 進 する 体 制 を 構 築 したほか 5 月 サイバー 攻 撃 対 策 の 司 令 塔 機 能 を 強 化 するため 警 察 庁 に サイバー 攻 撃 対 策 官 を 長 とする サイバー 攻 撃 分 析 センター を 設 置 した 第 2 平 成 26 年 の 治 安 情 勢 の 展 望 国 際 情 勢 北 朝 鮮 は 金 正 恩 国 防 委 員 会 第 一 委 員 長 を 中 心 とした 体 制 の 更 なる 安 定 化 に 向 けて 経 済 の 立 て 直 しを 図 るとみられる また 対 外 的 には 米 国 から の 体 制 保 証 の 獲 得 に 向 け 韓 国 や 中 国 との 対 話 姿 勢 を 継 続 することにより 融 和 的 な 雰 囲 気 を 創 出 するなど 硬 軟 織 り 交 ぜた 駆 け 引 きを 展 開 するものとみ られる 朝 鮮 総 聯 は 北 朝 鮮 に 対 する ヒト モノ カネ による 貢 献 を 継 続 するほか 対 北 朝 鮮 措 置 の 解 除 等 に 向 け 引 き 続 き 我 が 国 において 朝 鮮 総 聯 やその 傘 下 団 体 等 が 主 催 する 各 種 行 事 に 国 会 議 員 地 方 議 員 著 名 人 等 を 招 待 するなどし 各 種 宣 伝 活 動 や 各 界 各 層 に 対 する 諸 工 作 を 展 開 するも のとみられる 中 国 では 都 市 部 と 農 村 部 の 所 得 格 差 や 党 政 府 幹 部 の 腐 敗 等 に 対 する 国 民 の 不 満 不 安 の 拡 大 経 済 の 減 速 環 境 汚 染 土 地 収 用 家 屋 立 ち 退 き 領 土 領 海 をめぐる 我 が 国 を 含 む 近 隣 諸 国 との 緊 張 軋 轢 等 国 内 外 の 問 題 が 山 積 する 中 習 近 平 指 導 部 の 政 権 運 営 対 日 政 策 が 注 目 される また 中 国 は 引 き 続 き 国 防 科 学 技 術 等 の 獲 得 を 企 図 した 情 報 収 集 活 動 や 政 財 官 学 等 各 界 関 係 者 に 対 する 働 き 掛 けを 行 うなどの 対 日 諸 工 作 を 行 っていくものとみ られる ロシアでは プーチン 大 統 領 が 国 家 の 近 代 化 を 図 り 政 治 経 済 外 交 等 を 発 展 させる 各 種 政 策 を 更 に 推 し 進 めていくものとみられる また 情 報 機 関 出 身 であるプーチン 大 統 領 は 内 政 外 交 のあらゆる 局 面 で 情 報 機 関 を 重 用 し 我 が 国 においても 日 ロ 間 の 各 種 交 渉 の 裏 で 在 日 ロ シア 情 報 機 関 員 が 活 発 な 情 報 収 集 活 動 を 展 開 するものとみられる 国 際 テロ 情 勢 は 引 き 続 き 厳 しく 今 後 も イスラム 過 激 派 を 中 心 とした - 5-

国 際 テロ 組 織 が 世 界 各 地 でテロ 事 件 を 引 き 起 こすことが 懸 念 される 我 が 国 は イスラム 過 激 派 がテロの 対 象 としてきた 米 国 関 係 施 設 が 多 数 存 在 して いることに 加 え 過 去 に アル カーイダ 幹 部 による 声 明 等 において テ ロの 標 的 として 名 指 しされたことがあることなどに 鑑 みると 大 規 模 無 差 別 テロの 脅 威 に 直 面 しているといえる また グローバル 化 の 進 展 に 伴 い 日 系 企 業 の 海 外 進 出 等 が 進 んでいるところ 在 アルジェリア 邦 人 に 対 するテ ロ 事 件 や ケニア ナイロビのショッピングモールに 対 する 襲 撃 テロ 事 件 を 踏 まえると 海 外 において 邦 人 や 我 が 国 の 権 益 がテロに 巻 き 込 まれる 可 能 性 がある さらに 我 が 国 においても イスラム 過 激 派 が イスラム 諸 国 出 身 者 のコミュニティ 等 を 悪 用 し 資 金 や 資 機 材 の 調 達 若 者 の 過 激 化 等 に 関 与 することが 懸 念 される 警 察 は 今 後 も 国 際 テロや 北 朝 鮮 中 国 ロシア 等 による 対 日 有 害 活 動 に 対 する 情 報 収 集 分 析 機 能 の 強 化 を 図 り テロの 未 然 防 止 拉 致 容 疑 事 案 等 の 真 相 解 明 に 向 けた 取 組 対 日 有 害 活 動 や 大 量 破 壊 兵 器 関 連 物 資 等 の 不 正 輸 出 に 対 する 徹 底 した 取 締 りを 一 層 推 進 するとともに 不 法 入 国 不 法 滞 在 事 犯 についても 関 係 機 関 との 緊 密 な 連 携 の 下 取 締 りを 推 進 していくこと としている 国 内 情 勢 右 翼 は 内 外 の 諸 問 題 に 敏 感 に 反 応 し 我 が 国 政 府 や 関 係 諸 国 等 に 対 する 抗 議 活 動 を 執 拗 に 展 開 するものとみられ その 過 程 で 政 党 要 人 政 府 機 関 外 国 公 館 報 道 機 関 等 に 対 するテロ 等 重 大 事 件 を 引 き 起 こすおそれがある また いわゆる 右 派 系 市 民 グループは 各 種 活 動 の 過 程 で 一 部 の 過 激 な 参 加 者 が 違 法 行 為 を 引 き 起 こすことが 懸 念 される 極 左 暴 力 集 団 は 組 織 の 維 持 拡 大 を 図 るため 引 き 続 き 大 衆 運 動 や 労 働 運 動 に 介 入 するものとみられ その 過 程 で 調 査 活 動 に 伴 う 違 法 行 為 や テ ロ ゲリラ 事 件 等 を 引 き 起 こすおそれがある オウム 真 理 教 については 主 流 派 は 松 本 への 絶 対 的 帰 依 をより 一 層 強 め 上 祐 派 は 同 派 のイメージアップを 通 じ 無 差 別 大 量 殺 人 行 為 を 行 った 団 体 の 規 制 に 関 する 法 律 に 基 づく 観 察 処 分 の 適 用 回 避 に 全 力 を 挙 げるものとみられ る - 6-

警 察 は これらの 団 体 に 対 する 情 報 収 集 活 動 を 強 化 し テロ 等 の 未 然 防 止 を 図 るとともに 違 法 行 為 に 対 する 徹 底 した 取 締 りを 一 層 推 進 することとし ている 日 本 共 産 党 は 平 成 26 年 1 月 に 開 催 する 党 大 会 に 向 けた 第 26 回 党 大 会 成 功 党 勢 拡 大 大 運 動 を 通 じ 党 勢 拡 大 に 取 り 組 む 気 風 を 全 党 に 定 着 させる としており 党 大 会 後 も 党 建 設 を 重 視 していくものとみられる 反 グローバリズムを 掲 げる 勢 力 等 は 今 後 も 国 内 外 諸 勢 力 との 連 帯 連 携 を 図 りながら 国 際 会 議 等 に 対 する 抗 議 行 動 や 各 種 社 会 運 動 に 取 り 組 んでい くものとみられる サイバー 空 間 の 脅 威 については 今 後 も 政 府 機 関 重 要 インフラ 事 業 者 等 に 対 するサイバー 攻 撃 が 行 われることが 懸 念 される - 7-

第 1 章 国 際 情 勢 1 米 国 内 外 情 勢 (1) 内 政 オバマ 大 統 領 は2013 年 1 月 2 期 目 の 就 任 演 説 を 行 い 党 派 対 立 を 超 えて 前 進 するよう 国 民 に 訴 え 議 会 に 対 し 財 政 再 建 問 題 等 の 解 決 に 向 けた 協 力 を 呼 び 掛 けた 2 月 に 行 われた 一 般 教 書 演 説 では 2012 年 の 演 説 と 同 様 中 間 所 得 層 を 重 視 し 所 得 格 差 の 是 正 と 共 に 富 裕 層 等 への 税 負 担 増 を 迫 る 内 容 等 と なっていたことから 野 党 共 和 党 の 強 い 反 発 を 受 けるものとなった 米 国 経 済 については 12 月 米 連 邦 準 備 制 度 理 事 会 が 失 業 率 の 低 下 等 雇 用 情 勢 が 一 層 の 改 善 を 示 したことなどを 受 け 経 済 活 動 は 緩 やかな 拡 大 が 続 いて いる との 判 断 を 示 し 景 気 を 下 支 えしてきた 量 的 緩 和 策 の 縮 小 を 決 定 した 財 政 をめぐっては 財 政 赤 字 を 削 減 するための 歳 出 の 強 制 削 減 が3 月 に 発 効 し 2021 年 9 月 までに 政 府 支 出 を 計 1 兆 2,000 億 ドル( 約 110 兆 円 ) 削 減 するこ とになり 9 月 には 予 算 編 成 と 連 邦 債 務 上 限 の 引 き 上 げに 向 けた 与 野 党 協 議 が 決 裂 した これにより 10 月 1 日 には 約 17 年 ぶりに 政 府 機 能 が 一 部 停 止 する 結 果 となったが 17 日 に 暫 定 予 算 の 策 定 と 連 邦 債 務 上 限 の 引 き 上 げ 等 を 内 容 と する 法 案 が 成 立 オバマ 大 統 領 が 一 部 政 府 機 関 の 再 開 を 宣 言 し 12 月 には 議 会 両 院 が 2015 会 計 年 度 までの 予 算 枠 を 定 めた 関 連 法 案 を 可 決 してオバマ 大 統 領 の 署 名 により 成 立 した また 4 月 米 国 ボストンにおける 爆 弾 テロ 事 件 が 発 生 し 3 人 が 死 亡 し た 米 本 土 でテロ 事 件 の 犠 牲 者 が 出 たのは201 年 の 同 時 多 発 テロ 事 件 以 来 で 被 疑 者 であるチェチェン 系 移 民 の 兄 弟 は 兄 が 警 官 隊 との 銃 撃 戦 で 負 傷 して 搬 送 先 の 病 院 で 死 亡 し 弟 は 逮 捕 された (2) 外 交 オバマ 大 統 領 は 一 般 教 書 演 説 の 外 交 政 策 部 分 で アフガニスタンからの20 14 年 末 までの 米 兵 撤 収 を 強 調 した また 核 兵 器 なき 世 界 の 実 現 を 改 めて 訴 え 演 説 前 に 行 われた 北 朝 鮮 による 核 実 験 を 非 難 し ロシアとの 間 で 核 弾 頭 の 更 なる 削 減 を 目 指 すと 明 言 した -8-

2013 年 3 月 オバマ 大 統 領 は 就 任 後 初 めてイスラエルを 訪 問 し ネタニヤフ 首 相 との 会 談 後 訪 れたパレスチナ 自 治 区 で 自 治 政 府 のアッバース 議 長 とも 会 談 して 中 東 和 平 交 渉 の 進 展 を 訴 え 7 月 には イスラエルとパレスチナ 自 治 政 府 の 担 当 者 による 直 接 交 渉 が 米 国 の 仲 介 で 約 3 年 ぶりに 行 われた 6 月 米 国 家 安 全 保 障 局 ( 以 下 NSA という )がインターネット 上 の 情 報 や 電 話 通 信 記 録 を 入 手 し 情 報 監 視 活 動 を 行 っていたことが スノーデン 元 米 中 央 情 報 局 ( 以 下 CIA という ) 職 員 の 暴 露 で 明 らかになった 同 職 員 は 香 港 を 経 由 した 上 でロシアに 一 時 亡 命 したもので 同 職 員 による 一 連 の 暴 露 により ドイツ 首 相 に 対 する 盗 聴 疑 惑 が 浮 上 するなどし ドイツを 始 め とする 欧 州 各 国 等 から 米 国 に 対 し 反 発 が 起 きた テロとの 戦 いでは 10 月 米 国 防 総 省 は テロ 対 策 軍 事 作 戦 により 1998 年 の 在 ケニア 米 国 大 使 館 等 爆 破 事 件 に 関 与 した 国 際 テロ 組 織 アル カーイダ の 幹 部 をリビアで 拘 束 した また 7 月 には イエメンを 拠 点 とする アラビ ア 半 島 のアル カーイダ の 副 官 が 11 月 には パキスタンのイスラム 過 激 派 組 織 パキスタン タリバン 運 動 ( 以 下 TTP という ) の 最 高 指 導 者 が 米 国 の 無 人 機 攻 撃 により 死 亡 したと 報 じられた また オバマ 大 統 領 が 一 般 教 書 演 説 で 妥 結 を 目 指 すとしていた 環 太 平 洋 パー トナーシップ( 以 下 TPP という ) 協 定 交 渉 については 年 内 で 妥 結 が できず 越 年 となった 中 国 との 間 では 6 月 カリフォルニア 州 パームスプリングス 近 郊 で 就 任 後 間 もない 習 近 平 国 家 主 席 と2 日 間 で8 時 間 に 及 ぶ 首 脳 会 談 を 行 い 協 力 関 係 の 構 築 を 確 認 した 7 月 には 両 国 の 経 済 や 安 全 保 障 上 の 懸 案 等 を 話 し 合 う 米 中 戦 略 経 済 対 話 がワシントンで 開 かれたが 安 全 保 障 分 野 の 焦 点 だったサイバー 問 題 の 協 議 は 平 行 線 をたどり 協 議 の 継 続 を 確 認 するにとどまった ロシアとの 間 では 5 月 在 ロシア 米 国 大 使 館 の 書 記 官 が ロシア 情 報 機 関 員 を 勧 誘 したとしてロシア 連 邦 保 安 庁 ( 以 下 FSB という )に 拘 束 され る 事 件 が 発 生 し 8 月 には NSAによる 情 報 監 視 活 動 を 暴 露 した 元 CIA 職 員 が ロシアに 一 時 亡 命 した こうした 情 勢 の 中 オバマ 大 統 領 は 米 ロ 関 係 のあり 方 を 再 検 討 する 時 期 に 来 た と 表 明 した 8 月 に 発 生 したシリアにおける 化 学 兵 器 使 用 疑 惑 をめぐっては オバマ 大 統 -9-

領 がシリアへの 軍 事 介 入 を 表 明 し 9 月 のG20 首 脳 会 議 で 軍 事 介 入 への 支 持 を 各 国 から 得 ようとしたが ロシア 等 が 反 対 した その 後 オバマ 大 統 領 は 国 際 連 合 安 全 保 障 理 事 会 ( 以 下 国 連 安 保 理 という )を 通 じた 外 交 的 手 段 に よる 解 決 を 優 先 することを 国 民 向 け 演 説 で 表 明 したほか 米 国 のケリー 国 務 長 官 とロシアのラヴロフ 外 相 は スイス ジュネーブにおいて 会 談 を 行 い シリ アが 保 有 する 化 学 兵 器 を 国 際 管 理 下 で 完 全 廃 棄 するための 枠 組 みについて 合 意 した 2 日 米 関 係 日 米 両 政 府 は 平 成 25 年 1 月 17 日 自 衛 隊 と 米 軍 の 協 力 の 在 り 方 を 定 めた 日 米 防 衛 協 力 のための 指 針 (ガイドライン) の 再 改 定 に 向 けた 協 議 を 開 始 した 安 倍 首 相 は 就 任 後 初 めて 訪 米 し 2 月 22 日 ホワイトハウスでオバマ 大 統 領 と 首 脳 会 談 を 行 った 会 談 後 に 発 表 された 日 米 共 同 声 明 は TPP 協 定 交 渉 へ の 参 加 に 際 し 全 ての 関 税 撤 廃 を 前 提 としないことを 掲 げた また 北 朝 鮮 尖 閣 諸 島 米 軍 再 編 問 題 等 で 協 力 して 対 応 することでも 一 致 し 会 談 後 の 記 者 会 見 で 安 倍 首 相 は 日 米 同 盟 の 信 頼 強 い 絆 は 完 全 に 復 活 した と 明 言 した 日 本 政 府 は3 月 22 日 米 軍 普 天 間 飛 行 場 の 名 護 市 辺 野 古 への 移 設 に 向 け 公 有 水 面 の 埋 立 承 認 を 沖 縄 県 の 仲 井 眞 弘 多 知 事 に 申 請 し 日 米 両 政 府 は4 月 5 日 嘉 手 納 基 地 以 南 の 米 軍 施 設 区 域 の 返 還 計 画 を 公 表 した その 中 で 普 天 間 飛 行 場 の 返 還 時 期 は 名 護 市 辺 野 古 への 移 設 を 前 提 に 202 年 度 又 はその 後 とした 6 月 10 日 から 行 われたカリフォルニア 州 沖 での 米 軍 演 習 ドーン ブリッツ しょ では 陸 海 空 自 衛 隊 が 初 めて 参 加 し 島 嶼 侵 攻 対 処 訓 練 を 実 施 した この 訓 練 で は 米 軍 の 垂 直 離 着 陸 輸 送 機 オスプレイが 日 本 の 護 衛 艦 ひゅうが に 初 めて 着 艦 するなどした 10 月 3 日 には 外 務 防 衛 担 当 閣 僚 による 日 米 安 全 保 障 協 議 委 員 会 (2プラス 2)が 東 京 で 開 かれ 日 米 防 衛 協 力 のための 指 針 (ガイドライン) を26 年 末 までに 再 改 定 することや 普 天 間 飛 行 場 の 辺 野 古 移 設 の 実 現 在 沖 縄 海 兵 隊 のグ アム 移 転 を2020 年 代 前 半 に 開 始 することなどを 内 容 とする 共 同 文 書 を 発 表 した 11 月 19 日 には オバマ 大 統 領 に 太 いパイプを 持 つとされるキャロライン ケネ ディ 氏 が 正 式 に 駐 日 大 使 に 就 任 した -10-

12 月 26 日 の 安 倍 首 相 の 靖 国 神 社 参 拝 に 関 しては 12 月 30 日 国 務 省 副 報 道 官 が 記 者 会 見 で 近 隣 国 との 関 係 を 悪 化 させるような 行 動 をとったことに 失 望 してい る と 述 べた 一 方 で 日 米 関 係 全 体 に 影 響 はないという 認 識 を 示 した 3 欧 州 経 済 危 機 債 務 危 機 に 陥 っていたギリシャは 欧 州 連 合 ( 以 下 EU という ) 等 から の 資 金 援 助 を 受 け 2012 年 の 基 礎 的 財 政 収 支 が 初 めて 黒 字 に 転 じたと 発 表 した サマラス 内 閣 は 6 月 に 緊 縮 財 政 の 一 環 として 国 営 テレビを 閉 鎖 し 約 2,60 0 人 の 従 業 員 を 解 雇 したが 閉 鎖 に 反 対 する 左 派 政 党 の 連 立 からの 離 脱 を 招 き 政 権 基 盤 が 弱 体 化 した ギリシャ 債 務 危 機 はキプロスにも 影 響 を 与 え 銀 行 の 不 良 債 権 が 急 増 した 3 月 キプロスに 対 する 金 融 支 援 の 条 件 として ユーロ 圏 財 務 相 会 合 で 銀 行 預 金 に 課 税 措 置 を 行 うよう 表 明 されたことから 国 民 が 預 金 引 き 出 しに 殺 到 する 混 乱 が 生 じた こうした 情 勢 の 中 5 月 スウェーデンでは 刃 物 を 持 った 男 性 が 警 察 官 に 射 殺 されたことを 発 端 に 高 い 失 業 率 等 に 不 満 を 持 った 移 民 の 若 者 らが 大 規 模 な 暴 動 を 起 こし 6 月 スペインでは 経 済 危 機 による 緊 縮 財 政 と 記 録 的 な 失 業 率 に 抗 議 するデモが 発 生 した 8 月 EUが ユーロ 圏 の 実 質 域 内 総 生 産 (GDP)について 2011 年 7~9 月 期 以 来 のプラス 成 長 に 転 じたと 発 表 した プラスに 転 じた 要 因 としては 経 済 規 模 の 大 きいドイツやフランスの 景 気 が 回 復 したことと ギリシャやスペイン 等 南 欧 諸 国 の 悪 化 ペースが 和 らいだことも 貢 献 したものとみられ 12 月 には 経 済 危 機 をめぐり 支 援 を 受 けていた 国 の 中 では 初 めてアイルランドが 支 援 からの 脱 却 を 宣 言 した 4 中 東 アフリカ 中 東 和 平 をめぐっては 2013 年 7 月 ワシントンで イスラエルとパレスチナ 自 治 政 府 の 直 接 協 議 が 約 3 年 ぶりに 行 われた パレスチナ 自 治 政 府 のアッバース 議 長 は 9 月 に 行 った 国 連 演 説 の 中 で 今 回 の 交 渉 を 和 平 実 現 のための 最 後 の チャンス と 述 べた -11-

イランでは 6 月 に 行 われた 大 統 領 選 挙 で 核 の 平 和 的 利 用 は 譲 れない 権 利 と 主 張 しつつも 米 国 等 との 対 話 外 交 を 訴 えた 保 守 穏 健 派 のローハニ 師 が 当 選 した ローハニ 大 統 領 の 就 任 により 9 月 には1979 年 のイラン 革 命 以 来 初 となる 米 イ ラン 首 脳 電 話 会 談 が 実 現 したほか 11 月 に 開 催 された 国 連 安 保 理 の 常 任 理 事 国 にドイツを 加 えた6か 国 とイランとの 核 問 題 をめぐる 協 議 において イランが 核 開 発 を 制 限 する 見 返 りに 6か 国 側 が 凍 結 資 産 の 解 除 等 の 制 裁 一 部 緩 和 で 応 じる 共 同 行 動 計 画 の 合 意 がなされた シリアでは 8 月 内 戦 状 態 が 続 く 中 で 化 学 兵 器 の 使 用 疑 惑 が 浮 上 した 米 国 はアサド 政 権 が 化 学 兵 器 を 使 用 したとして 一 旦 はオバマ 大 統 領 が 議 会 の 承 認 を 得 た 上 でシリアに 対 する 軍 事 介 入 を 行 うと 表 明 したが 9 月 軍 事 介 入 に 反 対 するロシアとの 間 でシリアの 化 学 兵 器 を 国 際 管 理 下 で 廃 棄 することで 合 意 した トルコでは 5 月 最 大 都 市 イスタンブールで 公 園 の 再 開 発 に 反 対 する 環 境 活 動 家 らのデモを 政 府 が 強 制 排 除 したことに 端 を 発 した 抗 議 デモが エルドアン 首 相 への 反 政 府 デモとして 全 土 に 拡 大 したほか 12 月 には 主 要 閣 僚 子 息 が 関 わ ったとされる 贈 収 賄 事 件 が 摘 発 され 政 権 に 対 する 批 判 が 強 まり 反 政 府 デモが 行 われた エジプトでは ムルスィー 大 統 領 支 持 派 と 反 大 統 領 派 がそれぞれ 大 規 模 デモを 行 い 国 内 の 分 裂 が 深 刻 化 していたところ 7 月 大 統 領 が 解 任 され 暫 定 政 府 が 樹 立 された 前 大 統 領 の 支 持 母 体 であるムスリム 同 胞 団 等 は 前 大 統 領 の 復 帰 を 求 めてエジプト 各 地 でデモを 行 い 治 安 部 隊 と 衝 突 して 多 数 の 死 傷 者 が 出 た 南 スーダンでは 12 月 首 都 ジュバ 等 で 政 府 軍 と 反 政 府 勢 力 の 戦 闘 が 続 き P KO 部 隊 施 設 が 襲 撃 を 受 けるなどした 5 アジア パ ク ク ネ 韓 国 では 2013 年 2 月 朴 槿 恵 氏 が 第 18 代 大 統 領 に 就 任 した 就 任 演 説 で 北 朝 鮮 に 核 放 棄 を 要 求 した 同 大 統 領 は 5 月 にオバマ 大 統 領 6 月 に 習 近 平 国 家 主 席 と 首 脳 会 談 を 行 い 朝 鮮 半 島 の 非 核 化 に 向 けた 連 携 を 確 認 した また 9 月 韓 国 の 国 家 情 報 院 等 は 北 朝 鮮 に 呼 応 して 武 装 蜂 起 を 謀 議 した 内 乱 陰 謀 等 の 容 疑 で 統 合 進 歩 党 の 国 会 議 員 を 逮 捕 した フィリピンでは 1 月 南 シナ 海 での 領 有 権 問 題 をめぐり 中 国 を 国 連 海 洋 法 条 -12-

約 に 基 づく 仲 裁 裁 判 所 に 単 独 で 提 訴 し 8 月 米 国 との 間 で 軍 事 協 力 関 係 を 強 化 するための 新 協 定 締 結 に 向 けた 協 議 を 行 ったと 発 表 した ミャンマーでは 5 月 テイン セイン 大 統 領 が 主 要 武 装 勢 力 のカチン 独 立 機 構 との 停 戦 に 暫 定 合 意 し 今 後 の 全 面 的 な 停 戦 に 向 けた 意 欲 を 表 明 した しか し 同 国 では 仏 教 徒 とイスラム 系 少 数 民 族 との 対 立 が 続 き 多 数 の 死 傷 者 が 出 た また 12 月 にはテイン セイン 大 統 領 が 全 ての 政 治 犯 に 恩 赦 を 与 える 大 統 領 令 を 出 した インドでは パキスタンとの 間 で 領 有 権 を 争 うカシミール 地 方 での 衝 突 が 発 生 し 中 国 軍 も 同 地 方 に 進 出 してインド 軍 と 対 峙 するなど 緊 張 が 高 まった また 8 月 インド 海 軍 が 初 の 国 産 空 母 を 進 水 させるなどして 海 軍 力 強 化 を 進 めた パキスタンでは 5 月 国 民 議 会 選 挙 が 行 われ 1990 年 代 に2 度 首 相 を 務 めた シャリフ 氏 が 率 いる 最 大 野 党 が 勝 利 した 6 月 に3 度 目 となる 首 相 に 就 任 したシ ャリフ 氏 は9 月 国 連 総 会 出 席 のため 訪 れた 米 国 でインドのシン 首 相 と 会 談 し カシミール 地 方 等 の 紛 争 で 暴 力 の 停 止 に 努 めることで 合 意 した -13-

第 2 章 国 内 情 勢 1 政 治 情 勢 (1) 第 23 回 参 議 院 議 員 通 常 選 挙 で 与 党 が 圧 勝 ~ねじれ 国 会 が 解 消 ~ 平 成 25 年 7 月 21 日 第 23 回 参 議 院 議 員 通 常 選 挙 の 投 開 票 が 行 われ 自 民 党 は 改 選 前 34 議 席 を 大 きく 上 回 り 現 行 制 度 で 過 去 最 多 の65 議 席 を 獲 得 して 参 議 院 で6 年 ぶりに 第 1 党 を 奪 還 した また 公 明 党 は 選 挙 区 で4 候 補 者 全 員 が 当 選 し 比 例 代 表 でも7 議 席 を 獲 得 して 自 民 党 と 公 明 党 を 合 わせた 与 党 は 非 改 選 を 含 め 過 半 数 (12 議 席 )を 超 える135 議 席 を 確 保 し ねじれ 国 会 は 解 消 された 一 方 民 主 党 は 改 選 前 44 議 席 から 過 去 最 低 の17 議 席 に 落 ち 込 み 日 本 維 新 の 会 とみんなの 党 は 議 席 は 増 やしたものの 伸 び 悩 んだ 社 民 党 は 比 例 代 表 の1 議 席 にとどまり 福 島 瑞 穂 党 首 は 辞 任 し 生 活 の 党 とみどりの 風 は 議 席 を 獲 得 することができなかった 日 本 共 産 党 は 12 年 ぶりに 選 挙 区 での 議 席 を 獲 得 し 比 例 も 含 めて 改 選 前 3 議 席 を8 議 席 に 増 やした (2) TPP 協 定 交 渉 に 正 式 参 加 安 倍 首 相 は 平 成 25 年 3 月 15 日 首 相 官 邸 で 記 者 会 見 し TPP 協 定 交 渉 に 日 本 が 参 加 すると 正 式 に 表 明 した 安 倍 首 相 は2 月 22 日 ワシントンでオバマ 大 統 領 と 会 談 し TPP 協 定 交 渉 への 参 加 に 際 し 全 ての 関 税 撤 廃 が 前 提 にはならない とする 共 同 声 明 を 発 表 していた また その 後 の2 月 28 日 の 施 政 方 針 演 説 では TPP 協 定 交 渉 参 加 について 政 府 の 責 任 において 判 断 する と 表 明 していた 日 本 は7 月 23 日 マレーシアでのTPP 協 定 交 渉 に 12 番 目 のメンバーとし て 初 めて 正 式 参 加 した 10 月 8 日 には インドネシアのバリ 島 で 首 脳 会 合 が 開 催 され 年 内 の 交 渉 妥 結 に 向 けて 協 議 を 前 進 させる との 首 脳 声 明 を 採 択 したが 12 月 の 閣 僚 会 合 でも 妥 結 に 至 らず 交 渉 は26 年 に 持 ち 越 しとなった (3) 平 成 26 年 4 月 からの 消 費 増 税 が 決 定 政 府 は 平 成 25 年 10 月 1 日 の 閣 議 で 26 年 4 月 から 消 費 税 率 を8%に 引 き 上 -14-

げることを 決 定 した 24 年 に 成 立 した 消 費 増 税 を 柱 とする 社 会 保 障 税 一 体 改 革 関 連 法 は 消 費 税 率 を26 年 4 月 に8% 27 年 10 月 に10%へと2 段 階 で 引 き 上 げることとなっており 引 上 げは9 年 に3%から 現 行 の5%として 以 来 17 年 ぶり2 回 目 となる 安 倍 首 相 は 決 定 後 の 記 者 会 見 で 経 済 成 長 と 財 政 健 全 化 は 両 立 可 能 である とした 上 で 増 税 に 備 えた 企 業 向 け 減 税 に 加 え 5 兆 円 規 模 の 経 済 対 策 を 策 定 する と 表 明 した 法 人 実 効 税 率 の 引 き 下 げも 真 剣 に 検 討 する と 強 調 し 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 財 源 に 充 てる 特 別 法 人 税 は 25 年 度 末 に1 年 前 倒 し で 廃 止 を 検 討 する とした また 27 年 10 月 に 予 定 されている 消 費 税 率 の10 %への 引 上 げについては 経 済 状 況 を 総 合 的 に 勘 案 し 判 断 時 期 を 含 めて 適 切 に 決 断 する とした (4) 外 交 安 全 保 障 体 制 の 強 化 への 取 組 政 府 は 平 成 25 年 1 月 25 日 の 閣 議 で 22 年 に 策 定 された 防 衛 計 画 の 大 綱 の 見 直 しと 同 大 綱 に 基 づく 中 期 防 衛 力 整 備 計 画 の 廃 止 を 決 定 し 新 た な 大 綱 等 を 策 定 することとした 外 交 安 全 保 障 政 策 の 司 令 塔 となる 国 家 安 全 保 障 会 議 の 創 設 のため 政 府 は 6 月 7 日 設 置 関 連 法 案 を 通 常 国 会 に 提 出 した その 後 継 続 審 議 となり 臨 時 国 会 において 成 立 同 会 議 は12 月 4 日 に 発 足 し 第 1 回 目 となる4 大 臣 会 合 が 開 催 された また 機 密 情 報 漏 洩 防 止 を 目 的 とした 特 定 秘 密 の 保 護 に 関 す る 法 律 案 については 9 月 下 旬 に 実 施 した 意 見 公 募 を 踏 まえ 与 党 内 での 調 整 を 進 めた 結 果 10 月 25 日 臨 時 国 会 に 提 出 され 12 月 6 日 に 成 立 13 日 に 公 布 され1 年 以 内 に 施 行 されることとなった 政 府 は2 月 8 日 第 1 次 安 倍 内 閣 で 設 置 し 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 について 検 討 した 安 全 保 障 の 法 的 基 盤 の 再 構 築 に 関 する 懇 談 会 を5 年 ぶりに 再 開 した 安 倍 首 相 は 同 会 合 で 安 全 保 障 環 境 の 変 化 を 踏 まえ 日 米 安 保 体 制 の 最 も 効 果 的 な 運 用 を 含 め 何 をなすべきか 議 論 してほしい と 述 べた また 9 月 12 日 には 外 交 安 全 保 障 政 策 の 指 針 となる 国 家 安 全 保 障 戦 略 を 議 論 する 有 識 者 会 議 安 全 保 障 と 防 衛 力 に 関 する 懇 談 会 の 初 会 合 が 開 かれ た 安 倍 首 相 は 同 会 合 において 国 益 を 長 期 的 視 野 から 見 定 め 国 家 安 全 保 障 政 策 を 戦 略 的 で 体 系 的 なものにする と 同 戦 略 策 定 の 意 義 を 強 調 した -15-

その 後 政 府 は12 月 17 日 国 家 安 全 保 障 戦 略 と 共 に 防 衛 計 画 の 大 綱 及 び 中 期 防 衛 力 整 備 計 画 を 閣 議 決 定 したが 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 をめぐる 議 論 については 26 年 以 降 も 継 続 されることとなった 2 経 済 社 会 情 勢 (1) 安 倍 内 閣 の 経 済 財 政 政 策 安 倍 首 相 は 長 期 にわたるデフレと 景 気 低 迷 からの 脱 却 を 目 指 し 大 胆 な 金 融 政 策 機 動 的 な 財 政 政 策 民 間 投 資 を 喚 起 する 成 長 戦 略 のいわゆ る3 本 の 矢 からなる アベノミクス と 呼 ばれる 経 済 財 政 政 策 に 取 り 組 んで いる 大 胆 な 金 融 政 策 としては 平 成 25 年 1 月 22 日 の 金 融 政 策 決 定 会 合 で 日 本 銀 行 は 2%の 物 価 上 昇 率 目 標 の 導 入 を 柱 とする 政 府 との 共 同 声 明 を 発 表 し た 4 月 4 日 には 黒 田 東 彦 日 本 銀 行 総 裁 の 就 任 後 初 となる 金 融 政 策 決 定 会 合 で 2%の 物 価 上 昇 率 目 標 を2 年 程 度 の 期 間 を 念 頭 にできるだけ 早 期 に 達 成 す ることとし その 実 現 のため 資 金 供 給 量 を2 年 で2 倍 にすることなどを 内 容 とした 量 的 質 的 金 融 緩 和 策 の 導 入 等 を 決 定 した 機 動 的 な 財 政 政 策 としては 政 府 は1 月 15 日 経 済 再 生 に 向 けた 緊 急 経 済 対 策 を 盛 り 込 んだ13 兆 円 に 上 る 平 成 24 年 度 補 正 予 算 を 閣 議 決 定 し 2 月 26 日 に 成 立 させた また 5 月 15 日 には 経 済 活 性 化 等 を 重 点 化 した平 成 25 年 度 予 算 も 成 立 させた 民 間 投 資 を 喚 起 する 成 長 戦 略 としては 政 府 は6 月 14 日 10 年 間 の 平 均 で 物 価 変 動 の 影 響 を 除 いた 実 質 GDP( 国 内 総 生 産 ) 成 長 率 2% 程 度 の 実 現 や10 年 後 の 一 人 当 たりの 国 民 総 所 得 を150 万 円 以 上 増 加 させることなどを 目 標 に 掲 げた 成 長 戦 略 日 本 再 興 戦 略 -JAPAN isback を 閣 議 決 定 した 同 成 長 戦 略 には 企 業 の 生 産 設 備 の 更 新 等 を 促 すため 思 い 切 った 投 資 減 税 で 法 人 負 担 を 軽 減 する と 明 記 しており 企 業 再 編 や 起 業 促 進 等 を 後 押 しする 税 制 優 遇 措 置 を 盛 り 込 んだ 産 業 競 争 力 強 化 法 案 が 秋 の 臨 時 国 会 に 提 出 され 成 立 した こうした 中 為 替 は24 年 11 月 時 点 で1ドル=70 円 台 だったが 安 倍 内 閣 発 足 後 徐 々に 円 安 傾 向 となり 25 年 5 月 には1ドル=100 円 を 超 え 12 月 には105 円 -16-

台 となった また 24 年 11 月 時 点 で9,000 円 を 割 っていた 日 経 平 均 株 価 は 25 年 12 月 には1 万 6,000 円 台 にまで 回 復 し 年 末 最 後 の 取 引 となった30 日 の 東 京 株 式 市 場 でも 終 値 が 同 年 の 最 高 値 を 塗 り 替 え 年 間 上 昇 率 は57%と 高 水 準 を 記 録 したほか 実 質 GDPの 成 長 率 (1 次 速 報 値 )も25 年 中 4 四 半 期 連 続 して プラスとなった (2) 原 子 力 規 制 委 員 会 が 新 規 制 基 準 を 発 表 平 成 25 年 7 月 8 日 原 子 力 発 電 所 ( 以 下 原 発 という )の 安 全 性 を 判 断 する 新 規 制 基 準 が 施 行 され 原 子 力 規 制 委 員 会 は 再 稼 働 に 必 要 な 審 査 の 受 付 けを 開 始 し 同 日 原 発 を 抱 える 北 海 道 関 西 四 国 九 州 の 電 力 4 社 が 申 請 を 行 い 年 末 までに7 社 が 申 請 をした 新 基 準 は 福 島 第 一 原 発 事 故 の 教 訓 を 踏 まえ これまで 電 力 会 社 に 委 ねてい た 重 大 事 故 対 策 等 を 義 務 付 けたほか 地 震 や 津 波 への 備 えも 大 幅 に 強 化 した 一 方 9 月 15 日 には 国 内 で 唯 一 稼 働 していた 関 西 電 力 大 飯 発 電 所 4 号 機 が 定 期 検 査 のため 運 転 を 停 止 し 1 年 2か 月 ぶりに 全 ての 原 発 が 停 止 した (3) 2020 年 オリンピック パラリンピック 競 技 大 会 の 東 京 開 催 が 決 定 2013 年 9 月 7 日 アルゼンチン ブエノスアイレスで 開 かれた 国 際 オリンピ ック 委 員 会 ( 以 下 IOC という ) 総 会 において 2020 年 オリンピック パラリンピック 競 技 大 会 が 東 京 で 開 催 されることが 決 定 した 東 京 で 開 かれる のは 昭 和 39 年 以 来 56 年 ぶりで 安 倍 首 相 は 成 長 に 大 きな 追 い 風 になる 15 年 続 いたデフレや 縮 み 志 向 の 経 済 を 五 輪 開 催 を 起 爆 剤 に 払 拭 していきたい と 述 べた 決 定 を 受 け 東 京 都 は 平 成 25 年 9 月 11 日 大 会 実 施 準 備 会 議 を 設 置 し 警 察 庁 及 び 警 視 庁 は12 日 大 会 連 絡 室 を 設 置 した 13 日 下 村 博 文 文 部 科 学 相 が 担 当 相 に 任 命 されたほか 10 月 4 日 には 2020 年 オリンピック パラリンピッ ク 東 京 大 会 推 進 室 が 内 閣 官 房 に 設 置 された -17-

第 3 章 治 安 情 勢 第 1 公 安 情 勢 1 右 翼 等 (1) 抗 議 活 動 の 状 況 右 翼 は 平 成 25 年 中 領 土 問 題 等 をめぐり 活 発 な 街 頭 宣 伝 活 動 等 に 取 り 組 んだほか 憲 法 問 題 を 始 めとする 右 翼 が 関 心 を 示 す 諸 問 題 を 捉 え 街 頭 宣 伝 活 動 等 に 取 り 組 んだ 中 国 問 題 では 1 月 東 シナ 海 の 公 海 上 において 中 国 海 軍 艦 艇 が 海 上 自 衛 隊 護 衛 艦 に 対 し 火 器 管 制 レーダーを 照 射 したことを 捉 え 明 らかに 日 本 への 攻 撃 を 前 提 とする 中 国 側 の 挑 発 行 為 にほかならない などと 批 判 したほか 中 国 公 船 が 尖 閣 諸 島 周 辺 の 領 海 を 侵 犯 していることを 捉 え 国 は 日 本 が 尖 閣 諸 島 を 国 有 化 したことに 対 抗 し 領 海 侵 犯 を 繰 り 返 し 実 効 支 配 をアピールしている などと 主 張 した 右 翼 は25 年 中 中 国 問 題 で 延 べ 約 1,940 団 体 約 5,210 人 街 頭 宣 伝 車 約 1,590 台 (24 年 : 延 べ 約 2,200 団 体 約 5,800 人 街 頭 宣 伝 車 約 1,680 台 ) を 動 員 し 街 頭 宣 伝 活 動 等 を 行 った 韓 国 問 題 では 朴 槿 恵 韓 国 大 統 領 の 竹 島 問 題 や 歴 史 認 識 問 題 等 に 関 する 発 言 を 捉 え 竹 島 は 歴 史 的 に 見 ても 日 本 領 である 韓 国 は 歴 史 認 識 問 題 を 出 してくるが 歴 史 を 捏 造 しているのは 韓 国 である などと 批 判 したほか 8 月 韓 国 の 国 会 議 員 が 竹 島 に 上 陸 したことを 捉 え 韓 国 による 不 法 行 為 は 絶 対 に 許 せない などと 主 張 した 右 翼 は25 年 中 韓 国 問 題 で 延 べ 約 2,220 団 体 約 5,690 人 街 頭 宣 伝 車 約 1,920 台 (24 年 : 延 べ 約 2,450 団 体 約 6,630 人 街 頭 宣 伝 車 約 2,160 台 )を 動 員 し 街 頭 宣 伝 活 動 等 を 行 った 北 朝 鮮 問 題 では 2 月 に 核 実 験 を 強 行 したことを 捉 え 北 朝 鮮 による 核 実 験 は 全 世 界 の 平 和 と 安 全 を 脅 かす 暴 挙 である などと 批 判 したほか 5 月 朝 鮮 半 島 東 岸 から 日 本 海 に 向 けて 短 距 離 ミサイルを 発 射 したことを 捉 え 北 朝 鮮 は ミサイルを 発 射 するなど 挑 発 行 為 を 繰 り 返 している な どと 主 張 した 右 翼 は25 年 中 北 朝 鮮 問 題 で 延 べ 約 910 団 体 約 2,470 人 街 頭 宣 伝 車 約 820 台 ( 24 年 : 延 べ 約 660 団 体 約 1,48 0 人 街 頭 宣 伝 車 約 480 台 ) 中 -18-

を 動 員 し 街 頭 宣 伝 活 動 等 を 行 った ロシア 問 題 では 4 月 の 日 ロ 首 脳 会 談 において 北 方 領 土 問 題 を 含 む 平 和 条 約 締 結 交 渉 の 再 開 が 確 認 され 共 同 声 明 が 発 表 されたことを 捉 え 北 方 領 土 交 渉 の 再 スタートに 向 けた 道 筋 ができたことは 評 価 されるべき 北 方 領 土 問 題 を 解 決 するには 絶 好 の 機 会 である などと 期 待 を 示 す 反 応 があ る 一 方 で 我 が 国 の 領 土 が 奪 われているというのに 平 和 条 約 を 締 結 しよ うとするなどもってのほか などと 批 判 する 動 向 もみられた 右 翼 は25 年 中 北 方 領 土 の 日 (2 月 7 日 )に 約 160 団 体 約 380 人 街 頭 宣 伝 車 約 150 台 (24 年 : 約 120 団 体 約 370 人 街 頭 宣 伝 車 約 120 台 )を 反 ロデー (8 月 9 日 ) に 約 190 団 体 約 710 人 街 頭 宣 伝 車 約 240 台 (24 年 : 約 220 団 体 約 810 人 街 頭 宣 伝 車 約 270 台 )を それぞれ 動 員 し 街 頭 宣 伝 活 動 等 を 行 った 政 局 をめぐる 問 題 では 7 月 第 23 回 参 議 院 議 員 通 常 選 挙 において 自 民 公 明 両 党 が76 議 席 を 獲 得 し 非 改 選 を 含 めて 絶 対 安 定 多 数 となる135 議 席 を 確 保 して ねじれ 国 会 を 解 消 したことを 捉 え 今 回 の 参 院 選 で 自 民 党 が 圧 勝 して 自 主 憲 法 制 定 への 道 筋 ができた 安 倍 首 相 には 必 ず 実 行 しても らいたい などと 主 張 した 一 方 安 倍 首 相 が 8 月 15 日 の 終 戦 記 念 日 に 靖 国 神 社 参 拝 を 見 送 ったことを 捉 え 安 倍 首 相 は 今 回 も 中 国 や 韓 国 の 圧 力 に 屈 し 終 戦 記 念 日 の 靖 国 参 拝 を 見 送 った などと 批 判 した 右 翼 は25 年 中 延 べ 約 1,050 団 体 約 2,540 人 街 頭 宣 伝 車 約 680 台 (24 年 : 延 べ 約 2,240 団 体 約 6,410 人 街 頭 宣 伝 車 約 1,900 台 )を 動 員 し 政 府 批 判 の 街 頭 宣 伝 活 動 等 を 行 った 右 翼 は 26 年 も 引 き 続 き 内 外 の 諸 問 題 に 敏 感 に 反 応 し 我 が 国 政 府 や 関 係 諸 国 等 に 対 する 抗 議 活 動 を 執 拗 に 展 開 するものとみられ その 過 程 で 政 党 要 人 政 府 機 関 外 国 公 館 報 道 機 関 等 に 対 するテロ 等 重 大 事 件 を 引 き 起 こすおそれがある (2) 街 頭 宣 伝 活 動 の 状 況 右 翼 の 街 頭 宣 伝 車 数 は 全 国 で 約 1,400 台 とみられるが 一 部 の 右 翼 は 企 業 等 に 対 して 糾 弾 活 動 と 称 し 街 頭 宣 伝 車 を 用 いて 大 音 量 で 執 拗 な 街 頭 宣 伝 活 動 を 行 い 騒 音 被 害 や 交 通 渋 滞 を 引 き 起 こすなど 市 民 生 活 の -19-

平 穏 を 害 している 平 成 25 年 中 糾 弾 街 頭 宣 伝 活 動 の 対 象 となった 企 業 は 約 190 社 (24 年 : 約 220 社 )に 上 った 一 部 の 右 翼 は 26 年 も 引 き 続 き 市 民 生 活 の 平 穏 を 害 するこうした 街 頭 宣 伝 活 動 を 展 開 するとともに 取 締 りや 仮 処 分 命 令 を 免 れるため 名 指 し を 避 けて 企 業 糾 弾 を 行 うなど 活 動 方 法 を 一 層 巧 妙 化 させるものとみられ る (3) 違 法 行 為 の 取 締 り 右 翼 は 時 局 問 題 等 を 捉 えて 執 拗 に 活 動 を 展 開 しており その 過 程 にお いて テロ ゲリラ 事 件 を 実 行 しているほか 資 金 獲 得 目 的 の 活 動 や 街 頭 宣 伝 活 動 に 伴 って 多 数 の 違 法 行 為 を 引 き 起 こしている ア テロ 等 重 大 事 件 の 未 然 防 止 平 成 25 年 中 に 発 生 した テロ ゲリラ 事 件 は 街 宣 車 を 運 転 してオ ウム 真 理 教 主 流 派 ( Aleph(アレフ ) )の 拠 点 施 設 ( 足 立 入 谷 施 設 )に 突 入 させ 同 施 設 建 物 等 を 損 壊 した オウム 真 理 教 ( 主 流 派 ) 足 立 入 谷 施 設 に 対 する 街 宣 車 突 入 事 件 (11 月 警 視 庁 )の1 件 であり 同 事 件 で 右 翼 団 体 代 表 を 逮 捕 した また 警 察 は 右 翼 によるテロ 等 重 大 事 件 を 未 然 に 防 止 するため 各 種 の 情 報 活 動 を 推 進 し 拳 銃 等 の 銃 器 摘 発 に 努 めた 結 果 25 年 中 は 右 翼 及 びその 周 辺 者 から 拳 銃 4 丁 (24 年 :8 丁 )を 押 収 した イ 右 翼 による 違 法 行 為 の 取 締 り 右 翼 による 違 法 行 為 の 検 挙 件 数 及 び 人 員 は 24 年 中 の1,733 件 1,824 人 に 対 し 25 年 中 は 1,583 件 1,643 人 であった これらの 検 挙 事 件 のうち 資 金 獲 得 を 目 的 とした 恐 喝 事 件 や 詐 欺 事 件 等 の 悪 質 な 犯 罪 の 検 挙 は289 件 323 人 に 上 り 道 路 交 通 法 違 反 を 除 く 全 検 挙 件 数 (674 件 )の 約 43%を 占 め 悪 質 な 資 金 源 犯 罪 が 依 然 として 後 を 絶 たない 状 況 にある また 市 民 の 平 穏 な 生 活 を 害 する 悪 質 な 街 頭 宣 伝 活 動 に 対 しては そ の 内 容 や 形 態 を 捉 え 静 穏 保 持 法 違 反 名 誉 毀 損 等 により27 件 32 人 (24-20-

年 :29 件 48 人 )を 検 挙 した 警 察 は 右 翼 による 違 法 行 為 に 対 し 引 き 続 き 徹 底 した 取 締 りを 行 う こととしている (4) 右 派 系 市 民 グループをめぐる 動 向 平 成 25 年 中 極 端 な 民 族 主 義 排 外 主 義 的 主 張 に 基 づき 活 動 するいわゆ る 右 派 系 市 民 グループが 韓 国 や 北 朝 鮮 問 題 等 を 捉 えた 徒 歩 デモや 街 頭 宣 伝 活 動 等 を 各 地 で 展 開 した 最 近 では その 活 動 が 広 域 化 しているほか 動 員 数 も 増 加 する 傾 向 にあり 都 内 で 数 百 人 程 度 が 参 加 する 取 組 もみられ た 特 に 東 京 や 大 阪 の 在 日 韓 国 人 朝 鮮 人 が 多 く 居 住 する 地 区 等 におい て 一 部 の 過 激 な 参 加 者 が 人 種 差 別 的 排 外 主 義 的 な 街 頭 宣 伝 活 動 を 行 っ ていることが いわゆるヘイトスピーチ 問 題 として 社 会 の 注 目 を 集 めた こうした 中 右 派 系 市 民 グループの 主 義 主 張 に 反 対 する 勢 力 が 出 現 した これら 勢 力 はインターネットで 賛 同 者 を 集 め 右 派 系 市 民 グループの 取 組 に 対 してカウンターと 称 する 対 抗 行 動 に 取 り 組 み その 一 部 は 抗 議 行 動 を 過 激 化 させた 特 に 6 月 に 都 内 で 行 われた 取 組 の 際 には 主 催 者 側 であ る 右 派 系 市 民 グループ4 人 と 反 対 する 勢 力 側 4 人 の 合 計 8 人 が 暴 行 事 件 で 逮 捕 されるなど 双 方 の 間 で 対 立 が 激 化 する 状 況 もみられた 右 派 系 市 民 グループは 26 年 中 も 引 き 続 き 内 外 の 諸 問 題 に 敏 感 に 反 応 し 徒 歩 デモ 等 により 自 らの 主 張 を 訴 えるものとみられ その 過 程 で 反 対 勢 力 とのトラブル 事 案 等 違 法 行 為 の 発 生 が 懸 念 されるほか 外 国 公 館 等 に 対 する 抗 議 活 動 を 継 続 するものとみられる 2 極 左 暴 力 集 団 (1) 革 マル 派 の 動 向 革 マル 派 は 平 成 25 年 も 労 働 運 動 や 大 衆 運 動 に 取 り 組 み 組 織 の 維 持 拡 大 を 図 った 昭 和 38 年 に 結 成 された 革 マル 派 は 平 成 25 年 結 成 50 周 年 を 迎 えた 2 月 10 日 に 開 催 した 革 共 同 政 治 集 会 では 結 成 50 周 年 を 大 々 的 にアピール し 会 場 ロビーにおいて 同 志 黒 田 の 思 索 と 探 究 の 世 界 と 題 する 特 別 展 -21-

示 を 行 い 黒 田 の 遺 品 を 展 示 するなど 改 めて 黒 田 寛 一 前 議 長 ( 故 人 ) の 遺 志 継 承 と 更 なる 組 織 建 設 を 訴 えた 労 働 運 動 では 労 働 組 合 が 主 催 する 定 期 大 会 等 会 場 周 辺 に 活 動 家 を 動 員 し その 労 組 指 導 部 を 批 判 するビラを 配 布 して 同 調 者 の 獲 得 を 図 った 特 に 日 本 教 職 員 組 合 ( 日 教 組 )に 対 しては 日 教 組 本 部 の 闘 争 放 棄 を 弾 劾 し 教 育 のネオ ファシズム 的 再 編 反 対 の 闘 いを 創 造 しよう 全 日 本 教 職 員 組 合 ( 全 教 )に 対 しては 全 教 中 央 を 弾 劾 し 創 造 的 な 論 議 をまきお こそう などと 日 本 郵 政 グループ 労 働 組 合 (JP 労 組 )に 対 しては 新 たな 人 事 給 与 制 度 の 妥 結 承 認 を 許 すな などと 主 張 した 大 衆 運 動 では 安 倍 政 権 が 進 める 諸 施 策 に 反 対 し 政 権 打 倒 を 主 張 す る 独 自 の 集 会 デモに 取 り 組 んだ また オスプレイの 追 加 配 備 日 米 共 同 訓 練 の 実 施 や 特 定 秘 密 の 保 護 に 関 する 法 律 制 定 等 を 捉 えて 開 催 された 集 会 デモ 等 に 活 動 家 を 動 員 し 参 加 者 にビラを 配 布 したり のぼりやプラ カードを 掲 出 するなどした 同 派 は このような 取 組 を 通 じて 自 派 の 主 張 を 展 開 し 同 調 者 の 獲 得 を 図 った 同 派 が 相 当 浸 透 しているとみられる 全 日 本 鉄 道 労 働 組 合 総 連 合 会 (JR 総 連 ) 及 び 東 日 本 旅 客 鉄 道 労 働 組 合 ( 以 下 JR 東 労 組 という )は 革 マル 派 創 設 時 の 副 議 長 であり 22 年 に 死 亡 した 松 嵜 明 元 JR 東 労 組 会 長 の 講 演 録 や 評 伝 を 機 関 誌 等 に 掲 載 し 傘 下 組 合 員 に 対 して 同 人 が 提 唱 した 労 働 運 動 理 論 の 実 践 を 呼 び 掛 けた また JR 東 労 組 の 組 合 員 らによる 組 合 脱 退 及 び 退 職 強 要 事 件 について は 刑 事 裁 判 の 終 結 (24 年 2 月 に 有 罪 判 決 が 確 定 ) 後 も 同 事 件 を 国 策 弾 圧 えん 罪 事 件 と 主 張 し 続 け 11 月 1 日 には 都 内 で 弾 圧 に 抗 し た11 年! 美 世 志 会 とともに 当 たり 前 の 職 場 活 動 を 守 り 抜 く11.1 大 集 会 を 開 催 した 同 派 は 今 後 も 黒 田 前 議 長 が 提 唱 した 理 論 に 依 拠 しながら 組 織 の 維 持 拡 大 を 図 るものとみられる (2) 中 核 派 の 動 向 中 核 派 ( 党 中 央 )は 労 働 運 動 を 通 じて 組 織 拡 大 を 図 る 階 級 的 労 働 運 -22-

動 路 線 を 堅 持 し 国 鉄 反 原 発 決 戦 と 全 証 拠 開 示 大 運 動 ( 注 )を 主 要 闘 争 課 題 に 掲 げて 活 動 した ( 注 ) 全 証 拠 開 示 大 運 動 昭 和 46 年 の 渋 谷 暴 動 事 件 における 殺 人 罪 等 で 無 期 懲 役 が 確 定 し 徳 島 刑 務 所 に 服 役 中 の 同 派 活 動 家 の 再 審 請 求 の 過 程 で 証 拠 の 開 示 を 訴 えている 運 動 同 派 は 昭 和 38 年 2 月 に 革 マル 派 と 分 裂 し 誕 生 してから50 年 を 迎 えた ことから 平 成 25 年 12 月 に 革 共 同 50 年 史 として 現 代 革 命 への 挑 戦 上 巻 を 刊 行 した 大 衆 運 動 では 反 原 発 闘 争 において 東 日 本 大 震 災 後 2 年 を 捉 えて 3 月 11 日 福 島 県 内 で 3.11 反 原 発 福 島 行 動 '13 を 開 催 し 東 北 及 び 関 東 を 中 心 に 全 国 から 活 動 家 や 支 援 者 等 を 動 員 した また 反 原 発 運 動 の 高 まりに 乗 じて23 年 8 月 に 結 成 した すべての 原 発 いますぐなくそう! 全 国 会 議 ( 略 称 : な 全 )は 独 自 の 集 会 デモ 等 に 取 り 組 むとともに 首 都 圏 を 中 心 に 各 地 で な 全 の 結 成 を 進 めるなど 当 初 の 目 的 である 全 国 組 織 化 に 向 けた 広 がりをみせた さらに 第 23 回 参 議 院 議 員 通 常 選 挙 に 立 候 補 し 当 選 した な 全 呼 び 掛 け 人 の1 人 の 選 挙 運 動 を 同 派 も 組 織 を 挙 げて 支 援 した 労 働 運 動 では 6 月 9 日 都 内 で 今 こそ 国 鉄 闘 争 の 火 をもっと 大 きく をスローガンとして 国 鉄 闘 争 全 国 運 動 6.9 全 国 集 会 を 開 催 し 22 年 に 立 ち 上 げた 国 鉄 闘 争 全 国 運 動 の 発 展 を 通 じた 国 鉄 闘 争 の 更 なる 強 化 を 訴 えた また 同 派 は 闘 う 労 働 組 合 を 全 国 の 職 場 に をスローガンに 11 月 3 日 東 京 日 比 谷 野 外 音 楽 堂 で 11.3 全 国 労 働 者 総 決 起 集 会 を 開 催 した この 集 会 には 全 国 の 活 動 家 支 援 者 及 び 数 か 国 の 労 働 団 体 代 表 等 が 参 加 し 集 会 終 了 後 デモに 取 り 組 んだ 主 要 闘 争 課 題 に 掲 げている 全 証 拠 開 示 大 運 動 では 9 月 8 日 9. 8 徳 島 刑 務 所 デモ に 取 り 組 み 同 志 を 取 り 戻 そう 全 証 拠 を 開 示 しろ などと 訴 えた -23-

一 方 19 年 11 月 に 党 中 央 と 分 裂 した 関 西 地 方 委 員 会 ( 関 西 反 中 央 派 ) は 今 後 10 年 間 日 本 階 級 闘 争 の 最 重 要 のテーマは 間 違 いなく 原 発 問 題 であ る との 闘 争 方 針 により 反 原 発 団 体 等 が 主 催 する 集 会 デモ 等 に 積 極 的 に 参 加 した とりわけ 関 西 電 力 大 飯 発 電 所 の 再 稼 働 1 周 年 を 捉 えて 25 年 6 月 30 日 福 井 県 内 で 反 原 発 団 体 等 が 主 催 した 取 組 には 近 隣 府 県 から 活 動 家 等 を 動 員 した また 6 月 9 日 新 聞 紙 上 にオスプレイ 反 対 等 を 訴 える 広 告 を 掲 載 する 沖 縄 意 見 広 告 運 動 に 同 派 活 動 家 等 が 賛 同 者 として 参 加 したほか 市 民 団 体 等 が 主 催 する 集 会 デモ 等 に 積 極 的 に 参 加 し 反 戦 反 基 地 を 訴 えた 党 中 央 は26 年 も 国 鉄 闘 争 と 反 原 発 闘 争 を 中 心 とした 取 組 を 継 続 し 組 織 の 維 持 拡 大 を 図 るものとみられる また 関 西 反 中 央 派 は 原 発 の 再 稼 働 反 対 や 反 戦 反 基 地 問 題 等 を 捉 えた 闘 争 に 取 り 組 むものとみられる (3) 革 労 協 の 動 向 革 労 協 主 流 派 は 農 地 強 奪 阻 止 空 港 廃 港 をスローガンに 平 成 25 年 7 月 6 日 三 里 塚 を 闘 う 九 州 実 行 委 員 会 ( 福 岡 )を 結 成 するなど 成 田 闘 争 の 盛 り 上 げを 図 った また 同 派 は 組 織 内 で 発 生 した 部 落 差 別 問 題 や 女 性 差 別 問 題 等 で 活 動 家 が 離 反 したことについて 引 き 続 き 自 己 批 判 に 取 り 組 み 組 織 の 立 て 直 しを 図 っていることを 機 関 紙 で 明 らかにした 革 労 協 反 主 流 派 は ソマリア 沖 海 賊 対 処 行 動 への 自 衛 隊 の 交 替 部 隊 派 遣 や オスプレイの 普 天 間 飛 行 場 への 追 加 配 備 に 対 する 抗 議 行 動 等 反 戦 反 基 地 闘 争 を 重 点 に 取 り 組 み 11 月 28 日 には 在 日 米 空 軍 横 田 基 地 に 向 けた 飛 翔 弾 発 射 事 件 を 引 き 起 こし 犯 行 声 明 で 自 衛 隊 と 米 軍 による 共 同 訓 練 等 に 反 対 しての 犯 行 であることを 自 認 した また 電 源 開 発 大 間 原 子 力 発 電 所 の 建 設 や 四 国 電 力 伊 方 発 電 所 の 再 稼 動 に 反 対 して 現 地 でデモを 行 うなど 反 原 発 反 核 燃 闘 争 にも 取 り 組 んだ このほか 24 年 6 月 に 結 成 した 全 国 労 働 組 合 運 動 交 流 会 の 活 動 を 通 じて 非 正 規 労 働 者 等 の 獲 得 を 図 り 25 年 12 月 には 障 害 者 の 獲 得 を 図 るため 新 たに 全 国 障 害 者 解 放 運 動 共 闘 会 議 を 結 成 した 両 派 は 今 後 も 組 織 の 維 持 拡 大 を 図 るとともに それぞれが 取 り 組 む 成 -24-

田 闘 争 や 反 戦 反 基 地 闘 争 等 をめぐる 情 勢 次 第 では テロ ゲリラ 事 件 を 引 き 起 こすことが 懸 念 される (4) 成 田 空 港 をめぐる 情 勢 成 田 国 際 空 港 株 式 会 社 ( 以 下 空 港 会 社 という )は 空 港 機 能 の 充 実 ( 年 間 発 着 回 数 30 万 回 への 拡 大 )と 安 全 性 の 向 上 に 向 けて 空 港 施 設 の 整 備 を 進 め 平 成 25 年 3 月 7 日 成 田 国 際 空 港 のB 滑 走 路 と 第 2 旅 客 ターミナ ル 地 区 をつなぐ3 本 目 の 西 側 誘 導 路 ( 通 称 : 第 3 誘 導 路 )の 供 用 を 開 始 し た 一 方 空 港 会 社 と 三 里 塚 芝 山 連 合 空 港 反 対 同 盟 北 原 グループ( 以 下 反 対 同 盟 北 原 グループ という )との 間 では 航 空 機 の 運 行 と 空 港 関 連 施 設 の 建 設 工 事 に 影 響 を 与 える 耕 作 農 地 の 土 地 明 渡 裁 判 等 が 争 われている 反 対 同 盟 北 原 グループ 及 びこれを 支 援 する 極 左 暴 力 集 団 は 7 月 29 日 に 千 葉 地 方 裁 判 所 で 土 地 明 渡 裁 判 の 第 一 審 判 決 が 言 い 渡 されることを 捉 え 同 月 14 日 千 葉 市 内 において 7.14 全 国 総 決 起 集 会 を 開 催 し 農 地 を 奪 う 判 決 許 すな などと 訴 えた さらに 判 決 当 日 は 裁 判 傍 聴 や 集 会 デモに 取 り 組 み 裁 判 闘 争 の 盛 り 上 げを 図 った 裁 判 では 農 地 等 の 明 渡 しを 命 じる 判 決 が 言 い 渡 されたが 空 港 会 社 が 求 めた 判 決 確 定 前 に 強 制 執 行 が 可 能 となる 仮 執 行 宣 言 は 付 されなかった 反 対 同 盟 北 原 グループは8 月 8 日 同 判 決 を 不 服 として 東 京 高 等 裁 判 所 に 控 訴 した また 反 対 同 盟 北 原 グループの 中 心 的 立 場 で 活 発 に 活 動 してきた 事 務 局 次 長 が12 月 21 日 に 死 亡 した 極 左 暴 力 集 団 は 引 き 続 き 農 地 死 守 を 主 要 課 題 として 成 田 闘 争 に 取 り 組 み 土 地 明 渡 裁 判 等 の 進 捗 状 況 を 捉 えて 空 港 関 係 者 空 港 関 連 施 設 等 に 対 する 違 法 行 為 や テロ ゲリラ 事 件 を 引 き 起 こすおそれがある (5) 極 左 対 策 の 推 進 警 察 では 極 左 暴 力 集 団 に 対 する 事 件 捜 査 及 び 非 公 然 アジト 発 見 に 向 けた マンション アパート 等 に 対 するローラーを 推 進 するとともに これらの 活 動 に 対 する 国 民 の 理 解 と 協 力 を 得 るため ポスターを 始 めとする 各 種 広 報 媒 体 を 活 用 した 広 報 活 動 等 を 推 進 した -25-

平 成 25 年 3 月 4 日 には 革 マル 派 幹 部 活 動 家 3 人 を 有 印 私 文 書 偽 造 同 行 使 罪 で 逮 捕 するとともに 同 派 の 非 公 然 アジトを 摘 発 した また 11 月 13 日 には 同 派 の 非 公 然 アジトを 摘 発 し 11 月 28 日 同 派 幹 部 活 動 家 を 有 印 私 文 書 偽 造 同 行 使 罪 で 逮 捕 した 4 月 25 日 には 管 理 者 の 許 可 を 得 ることなく 法 政 大 学 市 ヶ 谷 キャンパス 内 に 不 法 に 侵 入 した 中 核 派 ( 党 中 央 ) 系 全 学 連 活 動 家 2 人 を 建 造 物 侵 入 罪 で 逮 捕 するとともに 同 大 学 前 で 開 催 した 無 許 可 集 会 を 指 揮 扇 動 した 同 派 系 全 学 連 委 員 長 ら4 人 を 集 会 集 団 行 進 及 び 集 団 示 威 運 動 に 関 する 条 例 違 反 等 で 逮 捕 し 10 月 24 日 には 虚 偽 の 住 所 地 を 申 告 して 運 転 免 許 証 を 更 新 した 中 核 派 ( 党 中 央 ) 非 公 然 活 動 家 を 免 状 不 実 記 載 罪 で 逮 捕 した さらに 11 月 28 日 には 虚 偽 の 住 所 氏 名 でホテルに 宿 泊 した 革 労 協 反 主 流 派 最 高 幹 部 ら2 人 を 有 印 私 文 書 偽 造 同 行 使 罪 等 で 逮 捕 するなど 25 年 中 革 マル 派 の 非 公 然 アジト2か 所 を 摘 発 するとともに 極 左 活 動 家 ら36 人 を 検 挙 した 警 察 では 引 き 続 き 国 民 の 理 解 と 協 力 を 得 ながら 極 左 暴 力 集 団 に 対 す る 取 締 りを 徹 底 することとしている 3 オウム 真 理 教 (1) 教 団 の 状 況 ア 松 本 への 絶 対 的 帰 依 を 強 める 主 流 派 と 観 察 処 分 の 適 用 回 避 に 全 力 を 挙 げる 上 祐 派 オウム 真 理 教 ( 以 下 教 団 という )は 麻 原 彰 晃 こと 松 本 智 津 夫 へ の 絶 対 的 帰 依 を 強 調 する 主 流 派 ( Aleph(アレフ))と 松 本 の 影 響 力 がな いかのように 装 う 上 祐 派 ( ひかりの 輪 )を 中 心 に 活 動 している 主 流 派 は 依 然 として 松 本 を 尊 師 と 尊 称 し 同 人 の 生 誕 祭 を 開 催 しているほか 松 本 の 写 真 等 を 拠 点 施 設 の 祭 壇 等 に 飾 ったり 説 法 会 等 を 定 期 的 に 開 催 し 信 者 に 対 して 同 人 の 偉 大 性 を 称 賛 する 内 容 のDVDを 視 聴 させたり 同 人 への 絶 対 的 帰 依 を 求 める 文 言 を 繰 り 返 し 唱 和 する 修 行 や 同 人 の 延 命 を 祈 願 する 修 行 等 に 取 り 組 ませたりするなど 松 本 への 絶 対 的 帰 依 を 強 調 する 原 点 回 帰 路 線 を 強 めている また -26-

同 派 は 従 前 と 同 様 出 家 信 者 を 当 該 団 体 管 理 下 の 拠 点 施 設 等 に 集 団 居 住 させて 一 般 社 会 と 融 和 しない 独 自 の 閉 鎖 社 会 を 構 築 している この ほか 公 安 調 査 庁 による 立 入 検 査 により 刃 物 様 の 物 で 串 刺 しにされた 公 安 調 査 官 や 警 察 官 らの 顔 写 真 が 同 派 施 設 内 に 置 かれていたことも 判 明 している 一 方 上 祐 派 は 同 派 のウェブサイトに 旧 教 団 時 代 の 反 省 総 括 の 概 要 を 掲 載 したり 各 種 メディアを 通 じて 松 本 からの 脱 却 を 強 調 した りするなどし 松 本 の 影 響 力 がないかのように 装 って 活 動 しているほか 著 名 人 との 対 談 やマスコミの 取 材 等 を 積 極 的 に 受 け 入 れるなどし 開 か れた 教 団 のアピールに 努 めている このほか 上 祐 史 浩 代 表 が 平 成 24 年 12 月 に 教 団 による 一 連 の 事 件 を 総 括 した 書 籍 を 25 年 5 月 に 過 去 に 教 団 幹 部 を 刺 殺 したことで 服 役 していた 人 物 等 との 対 談 の 内 容 を 取 りまと めた 書 籍 を それぞれ 出 版 し これら 書 籍 の 印 税 収 入 を 被 害 者 賠 償 に 充 てるなどしている 今 後 主 流 派 は 松 本 への 絶 対 的 帰 依 をより 強 めていくものとみられ る 一 方 上 祐 派 は 同 派 のイメージアップを 通 じ 無 差 別 大 量 殺 人 行 為 を 行 った 団 体 の 規 制 に 関 する 法 律 ( 以 下 団 体 規 制 法 という )に 基 づく 観 察 処 分 の 適 用 回 避 に 全 力 を 挙 げるものとみられる イ 組 織 拡 大 に 向 けた 動 向 教 団 は 15 都 道 府 県 に32か 所 の 拠 点 施 設 を 有 し 両 派 の 信 者 数 は そ の 活 動 状 況 等 から 合 計 で 約 1,650 人 とみられる 主 流 派 は 街 頭 や 書 店 における 声 掛 けのほか ソーシャル ネットワ ーキング サービス(SNS) 等 を 利 用 したり 大 学 関 連 のサークル 活 動 を 装 ったりしながら 青 年 層 を 中 心 に 接 触 を 図 り 教 団 名 を 秘 匿 しな がらヨーガ 教 室 に 勧 誘 するなどして 新 規 信 者 を 獲 得 している 一 方 上 祐 派 は 各 拠 点 施 設 で 開 催 している 上 祐 代 表 説 法 会 や 集 中 セミナー 各 地 の 神 社 仏 閣 等 を 訪 問 する 聖 地 修 行 等 の 行 事 につい て 在 家 信 者 に 限 らず 一 般 人 に 対 しても ウェブサイトを 通 じて 参 加 を 呼 び 掛 けるなどし 信 者 獲 得 を 図 っている -27-

(2) オウム 真 理 教 対 策 の 推 進 平 成 24 年 中 に 全 てのオウム 真 理 教 関 係 警 察 庁 指 定 特 別 手 配 被 疑 者 ( 以 下 特 別 手 配 被 疑 者 という )が 逮 捕 されたことにより これまで 全 国 警 察 を 挙 げて 推 進 してきた 追 跡 捜 査 は 終 了 した しかし 教 団 は 依 然 として 松 本 及 び 同 人 の 説 く 教 義 を 存 立 の 基 盤 とし 無 差 別 大 量 殺 人 行 為 に 及 ぶ 危 険 性 が 認 められるとして 団 体 規 制 法 に 基 づく 観 察 処 分 に 付 されるなどしており そ の 本 質 に 変 化 がないと 認 められることから 警 察 では 引 き 続 き 関 係 機 関 と 連 携 して 教 団 の 実 態 解 明 に 努 めるとともに 教 団 による 組 織 的 違 法 行 為 に 対 する 厳 正 な 取 締 りを 推 進 しており 25 年 中 調 査 活 動 中 の 公 安 調 査 官 に 対 する 公 務 執 行 妨 害 罪 で 主 流 派 出 家 信 者 2 人 を 検 挙 した(2 月 福 岡 ) また 特 別 手 配 被 疑 者 の 逮 捕 を 受 け 今 後 時 間 の 経 過 とともに 教 団 に 対 する 国 民 の 関 心 が 薄 れ 地 下 鉄 サリン 事 件 を 始 めとする 一 連 の 凶 悪 事 件 に 対 する 記 憶 が 風 化 することなどにより 教 団 の 本 質 が 正 しく 理 解 されないこと も 懸 念 される そのため 警 察 では 各 種 機 会 を 通 じ 教 団 の 現 状 について 広 報 しているほか 教 団 の 組 織 的 違 法 行 為 に 対 する 検 挙 事 例 や 警 戒 活 動 等 教 団 に 対 する 警 察 の 取 組 について 住 民 や 地 方 自 治 体 等 に 対 して 積 極 的 に 情 報 発 信 を 行 っている さらに 教 団 施 設 周 辺 の 地 域 住 民 の 安 全 安 心 を 確 保 するため その 要 望 を 踏 まえ 教 団 施 設 周 辺 におけるパトロール 等 の 警 戒 警 備 活 動 を 実 施 している 4 日 本 共 産 党 (1) 第 23 回 参 議 院 議 員 通 常 選 挙 の 結 果 日 本 共 産 党 は 平 成 25 年 7 月 の 第 23 回 参 議 院 議 員 通 常 選 挙 で 比 例 代 表 で5 議 席 絶 対 確 保 650 万 票 以 上 の 得 票 を 目 標 に 掲 げ 選 挙 区 で46 人 ( 沖 縄 選 挙 区 を 除 く ) 比 例 代 表 で17 人 の 公 認 候 補 を 擁 立 した 共 産 党 は 参 院 選 の 前 哨 戦 と 位 置 付 けていた6 月 の 東 京 都 議 会 議 員 選 挙 で 改 選 前 8 議 席 から17 議 席 に 議 席 を 倍 増 させた 志 位 和 夫 委 員 長 は 都 議 選 後 に 開 催 した 参 議 院 選 挙 必 勝 全 国 決 起 集 会 で 都 議 選 における 躍 進 が 自 動 的 に 参 院 選 での 躍 進 にはならないとしながらも 政 党 間 の 力 関 係 は 短 期 間 のうちに 変 えられる と 強 調 し 参 院 選 での 躍 進 を 勝 ち 取 るために 全 党 が -28-

奮 起 することを 訴 えた 結 果 は 改 選 前 3 議 席 ( いずれも 比 例 代 表 ) から 選 挙 区 で3 議 席 ( 東 京 京 都 及 び 大 阪 ) 比 例 代 表 で5 議 席 の 合 計 8 議 席 を 獲 得 し 非 改 選 と 合 わせ ると11 議 席 となった とりわけ 選 挙 区 に 関 しては 東 京 では12 年 ぶり 京 都 大 阪 では15 年 ぶりの 議 席 回 復 であった また 得 票 数 及 び 得 票 率 は 選 挙 区 で 得 票 数 564 万 5,937 票 ( 前 回 比 138 万 9,537 票 増 ) 得 票 率 10.64%( 前 回 比 3.35ポイント 増 ) 比 例 代 表 で 得 票 数 515 万 4,055 票 ( 前 回 比 159 万 499 票 増 ) 得 票 率 9.68%( 前 回 比 3.58ポイント 増 )と それぞれ 増 加 した この 結 果 について 共 産 党 は 9 月 の 第 8 回 中 央 委 員 会 総 会 ( 以 下 8 中 総 という ) で 1960 年 代 の 終 わりから70 年 代 にかけての 第 1の 躍 進 1990 年 代 後 半 の 第 2の 躍 進 に 続 く 第 3の 躍 進 の 始 まりともいうべ き 歴 史 的 意 義 をもつものとなった ( 注 )と 強 調 した 一 方 で 二 大 政 党 づくり の 動 きや 第 三 極 の 動 きが 廃 れて 自 共 対 決 の 構 図 が 鮮 明 にな るという 客 観 的 条 件 も 躍 進 に 有 利 に 働 いたとの 認 識 を 示 した 上 で 今 回 の 躍 進 は 私 たちの 実 力 以 上 の 結 果 であることを リアルに 直 視 する 必 要 があ る などと 総 括 し 強 く 大 きな 党 をつくることが 絶 対 不 可 欠 である と 訴 えた ( 注 ) 志 位 委 員 長 が 言 及 した 第 1の 躍 進 では 衆 参 両 議 院 合 わせた 国 会 議 員 数 は 最 多 時 で 衆 議 院 議 員 38 人 参 議 院 議 員 20 人 の 合 計 58 人 であった また 第 2の 躍 進 では 衆 議 院 議 員 26 人 参 議 院 議 員 23 人 の 合 計 49 人 であった (2) TPP 問 題 等 を 捉 えた 一 点 共 闘 の 取 組 を 展 開 日 本 共 産 党 は 政 治 的 立 場 の 違 い 党 派 の 垣 根 を 越 えた 一 点 共 闘 に 取 り 組 み 平 成 25 年 3 月 に 全 国 農 業 協 同 組 合 中 央 会 ( 以 下 JA 全 中 という ) 等 が 主 催 したTPP 反 対 集 会 に 志 位 委 員 長 が 参 加 し 連 帯 挨 拶 を 行 ったほか 党 国 会 議 員 がJA 全 中 全 国 漁 業 協 同 組 合 連 合 会 及 び 全 国 森 林 組 合 連 合 会 を 訪 問 して 共 闘 の 働 き 掛 けを 行 った また 都 道 府 県 レベルでも 地 方 議 員 等 が 農 業 協 同 組 合 や 漁 業 協 同 組 合 連 合 会 森 林 組 合 連 合 会 及 び 医 師 会 等 主 催 による 反 対 集 会 への 参 加 や 各 団 体 関 係 者 との 懇 談 に 取 り 組 んだ -29-

このほか 原 発 問 題 では 首 都 圏 反 原 発 連 合 主 催 の 首 相 官 邸 前 抗 議 行 動 を しんぶん 赤 旗 で 毎 週 取 り 上 げているほか 同 抗 議 行 動 に 志 位 委 員 長 を 始 めとする 党 国 会 議 員 等 が 参 加 しスピーチを 行 った また 9 月 には 消 費 税 増 税 中 止 の 一 点 で 一 致 する 全 ての 政 党 団 体 個 人 に 対 して 共 同 を 呼 び 掛 けるアピールを 発 表 した さらに 特 定 秘 密 の 保 護 に 関 する 法 律 案 を 捉 えて は 10 月 国 民 の 知 る 権 利 を 奪 うとして 同 法 律 案 に 反 対 する 声 明 を 発 表 し 立 場 の 違 いを 越 えて 民 主 主 義 破 壊 の 悪 法 に 反 対 する 一 点 で 力 を 合 わせ 闘 い 抜 くなどと 訴 えるとともに 12 月 6 日 に 日 比 谷 野 外 音 楽 堂 で 行 われた 秘 密 保 護 法 廃 案 へ!12 6 大 集 会 では 志 位 委 員 長 が 参 加 し 廃 案 を 訴 え た 志 位 委 員 長 は 9 月 の8 中 総 で 一 点 共 闘 の 取 組 を 通 じ 参 院 選 では 保 守 層 や 無 党 派 層 に 支 持 が 広 がる 状 況 が 生 まれたとして 今 後 も 国 民 の 多 様 な 要 求 と 関 心 にこたえた 多 面 的 な 活 動 にとりくみ また 参 加 しよう な どと 一 点 共 闘 による 国 民 運 動 の 発 展 強 化 を 訴 えた (3) 第 26 回 党 大 会 に 向 けた 動 向 日 本 共 産 党 は 平 成 25 年 9 月 の8 中 総 で 第 26 回 党 大 会 を26 年 1 月 15 日 か ら18 日 までの4 日 間 の 日 程 で 招 集 することを 決 定 した 党 大 会 の 開 催 は 22 年 1 月 の 第 25 回 党 大 会 以 来 約 4 年 ぶりである また 8 中 総 では 党 大 会 を 開 催 する26 年 1 月 末 日 までの4か 月 半 を 期 間 とする 第 26 回 党 大 会 成 功 党 勢 拡 大 大 運 動 に 取 り 組 むことを 決 定 した 達 成 目 標 は 党 員 拡 大 では2 万 人 以 上 しんぶん 赤 旗 読 者 拡 大 では 日 刊 紙 で3 万 5,000 人 日 曜 版 で18 万 9,000 人 以 上 とした( 注 1 ) かつて 共 産 党 は 23 年 7 月 から24 年 9 月 までの1 年 3か 月 間 に 及 ぶ 党 創 立 90 周 年 をめざす 党 員 拡 大 を 中 心 とした 党 勢 拡 大 大 運 動 ( 注 2)に 取 り 組 んだ 結 果 約 2 万 人 の 新 入 党 員 を 獲 得 したものの しんぶん 赤 旗 読 者 拡 大 では 開 始 時 に 比 べ 減 少 する 結 果 となった これに 対 し 今 回 は 期 間 が 4か 月 半 ということもあり 目 標 達 成 は 困 難 なものとみられるが 共 産 党 は 今 次 党 勢 拡 大 大 運 動 を 通 じて 党 勢 拡 大 に 取 り 組 む 気 風 を 全 党 に 定 着 さ せるとしており 党 大 会 後 も 党 建 設 を 重 視 していくものとみられる ( 注 1) 第 26 回 党 大 会 成 功 党 勢 拡 大 大 運 動 の 達 成 目 標 -30-

党 員 拡 大 では すべての 党 支 部 が 新 しい 党 員 を 迎 えること 全 党 的 には2 万 人 を 超 える 党 員 拡 大 に 挑 戦 しよう とし しんぶん 赤 旗 読 者 拡 大 では 日 刊 紙 日 曜 版 とも 第 25 回 党 大 会 の 水 準 の 回 復 突 破 をめ ざす 全 党 的 には 日 刊 紙 で3 万 5 千 人 日 曜 版 は18 万 9 千 人 以 上 の 拡 大 に 挑 戦 する としている ( 注 2) 党 創 立 90 周 年 をめざす 党 員 拡 大 を 中 心 とした 党 勢 拡 大 大 運 動 共 産 党 は 平 成 23 年 7 月 の 第 3 回 中 央 委 員 会 総 会 で 24 年 7 月 までを 期 間 とする 党 創 立 90 周 年 をめざす 党 員 拡 大 を 中 心 とした 党 勢 拡 大 大 運 動 に 取 り 組 むことを 決 定 し 全 支 部 での 党 員 拡 大 を 指 示 した た なお 期 限 については その 後 2か 月 間 延 長 し 24 年 9 月 末 までとし 5 大 衆 運 動 (1) 原 子 力 政 策 をめぐる 運 動 反 原 発 運 動 は 平 成 24 年 5 月 全 ての 原 発 が 停 止 した 後 7 月 の 関 西 電 力 大 飯 発 電 所 の 運 転 再 開 を 捉 え 盛 り 上 がりをみせた 大 衆 団 体 等 は 現 在 も 首 相 官 邸 前 抗 議 及 び 全 国 連 帯 取 組 を 継 続 しており 首 相 官 邸 前 抗 議 に 日 本 共 産 党 の 国 会 議 員 や 国 政 選 挙 候 補 者 が 参 加 し 全 国 連 帯 取 組 にも 同 党 の 地 方 議 員 や 国 政 選 挙 等 候 補 者 が 参 加 している 大 衆 団 体 等 は25 年 6 月 2 日 都 内 明 治 公 園 等 で 6.2 NO NUKES DAY と 題 して 集 会 デモ 及 び 国 会 議 事 堂 前 における 抗 議 行 動 に 取 り 組 んだ( 主 催 者 発 表 延 べ8 万 5,00 人 )ほか 10 月 13 日 にも 10.13 NO NUKES DAY と 題 する 統 一 行 動 として 都 内 日 比 谷 公 会 堂 で 集 会 デモ 後 国 会 議 事 堂 前 における 抗 議 行 動 に 取 り 組 んだ( 主 催 者 発 表 延 べ4 万 人 ) 一 方 国 内 の 原 発 は 唯 一 稼 働 していた 関 西 電 力 大 飯 発 電 所 が9 月 に 定 期 検 査 入 りし 再 び 全 てが 停 止 した 電 力 各 社 は 原 子 力 規 制 委 員 会 に 原 発 の 安 全 審 査 を 申 請 し 同 規 制 委 員 会 による 安 全 審 査 が 行 われている 大 衆 団 体 等 は 今 後 原 発 の 運 転 再 開 を 捉 え 反 原 発 運 動 の 盛 り 上 げを 図 り 各 種 取 組 を 活 発 化 させるものとみられる -31-

(2) 反 戦 反 基 地 運 動 平 成 25 年 1 月 27 日 都 内 日 比 谷 野 外 音 楽 堂 で NO OSPREY 東 京 集 会 が 開 催 された 同 集 会 には 反 戦 反 基 地 運 動 に 取 り 組 む 大 衆 団 体 等 の 関 係 者 を 含 め 全 国 から4,000 人 以 上 ( 主 催 者 発 表 )が 参 加 した また オスプレイの 追 加 配 備 を 捉 え 7 月 下 旬 から9 月 下 旬 にかけて 沖 縄 県 や 一 時 駐 機 先 の 岩 国 飛 行 場 がある 山 口 県 等 各 地 で 集 会 デモ 等 が 取 り 組 まれたほか 首 相 官 邸 前 抗 議 も 行 われた このうち 8 月 及 び9 月 に は 沖 縄 県 普 天 間 飛 行 場 野 嵩 ゲート 前 において 公 務 執 行 妨 害 罪 で1 人 刑 事 特 別 法 違 反 ( 施 設 又 は 区 域 を 侵 す 罪 )で1 人 をそれぞれ 逮 捕 した さらに 10 月 オスプレイを 使 用 して 行 われた 滋 賀 県 での 日 米 合 同 訓 練 を 捉 え 現 地 等 で 集 会 デモ 等 が 取 り 組 まれた 普 天 間 飛 行 場 の 名 護 市 辺 野 古 移 設 をめぐり 沖 縄 県 では 政 府 が 県 に 提 出 した 公 有 水 面 埋 立 申 請 に 対 する 沖 縄 県 知 事 の 承 認 を 捉 え 抗 議 行 動 が 取 り 組 まれた 大 衆 団 体 等 は 知 事 の 不 承 認 を 訴 え 12 月 25 日 沖 縄 県 庁 包 囲 行 動 に 取 り 組 んだ( 主 催 者 発 表 約 1,500 人 ) また 知 事 が 承 認 した27 日 にも 承 認 撤 回 等 を 訴 えて 同 行 動 に 取 り 組 んだほか( 主 催 者 発 表 約 2,00 人 ) 参 加 者 の 一 部 が 沖 縄 県 庁 ロビーで 座 込 み 等 の 抗 議 行 動 に 取 り 組 んだ さらに 県 庁 前 の 県 民 広 場 での 抗 議 集 会 や 連 日 の 座 込 み 知 事 公 舎 前 での 抗 議 行 動 に 取 り 組 んだほか 都 内 では 首 相 官 邸 前 で 抗 議 行 動 に 取 り 組 んだ 大 衆 団 体 等 は 26 年 も 引 き 続 き 普 天 間 飛 行 場 の 移 設 やオスプレイの 飛 行 訓 練 等 を 捉 え 反 戦 反 基 地 運 動 を 活 発 に 展 開 するものとみられる (3) 特 定 秘 密 の 保 護 に 関 する 法 律 をめぐる 運 動 大 衆 団 体 等 は 特 定 秘 密 の 保 護 に 関 する 法 律 案 に 対 し 現 代 の 治 安 維 持 法 であるなどとして 同 法 案 の 廃 案 等 を 訴 え 首 相 官 邸 前 や 国 会 議 事 堂 周 辺 等 において 平 成 25 年 10 月 下 旬 から 連 日 抗 議 行 動 に 取 り 組 んだ 全 国 労 働 組 合 総 連 合 ( 以 下 全 労 連 という ) 等 が 参 加 する 秘 密 保 護 法 廃 案 へ! 実 行 委 員 会 は11 月 21 日 都 内 日 比 谷 野 外 音 楽 堂 で S TOP! 秘 密 保 護 法 11 21 大 集 会 及 びデモに 取 り 組 んだ( 主 催 者 発 表 約 1 万 人 )ほか 同 法 案 が 参 議 院 本 会 議 で 可 決 された12 月 6 日 には 都 内 日 比 谷 野 外 音 楽 堂 で 秘 密 保 護 法 廃 案 へ!12 6 大 集 会 及 びデモに 取 -32-

り 組 んだ( 主 催 者 発 表 約 1 万 5,000 人 ) また 毎 週 金 曜 日 に 首 相 官 邸 前 国 会 議 事 堂 前 経 済 産 業 省 前 原 子 力 規 制 庁 前 等 で 反 原 発 の 抗 議 行 動 に 取 り 組 んでいる 団 体 等 は12 月 6 日 国 会 議 事 堂 周 辺 で 終 日 抗 議 を 行 った その 際 に 警 備 に 当 たっていた 警 察 官 に 体 当 たりをするなどした2 人 を 公 務 執 行 妨 害 罪 で 逮 捕 した 特 定 秘 密 の 保 護 に 関 する 法 律 は 12 月 13 日 に 公 布 され 公 布 後 1 年 以 内 に 施 行 することとされている 大 衆 団 体 等 は 同 法 の 成 立 後 も 法 律 の 廃 止 に 向 けて 闘 いを 継 続 するとしており 26 年 も 引 き 続 き 各 種 取 組 を 活 発 に 展 開 していくものとみられる (4) 国 際 会 議 等 を 捉 えた 反 グローバリズム 等 の 社 会 運 動 平 成 25 年 中 に 開 催 された 主 要 な 国 際 会 議 では 暴 動 を 伴 う 大 規 模 な 抗 議 行 動 の 発 生 はなかったが 反 グローバリズムを 掲 げる 勢 力 等 が 国 際 会 議 を 標 的 とする 姿 勢 に 変 化 はなかった 海 外 では 6 月 に 英 国 で 開 催 されたG8ロック アーン サミットに 際 し て 英 国 の 反 G8 活 動 家 らが 北 アイルランド ベルファストでの2,000 人 規 模 の 抗 議 デモを 始 め 複 数 の 都 市 で 抗 議 行 動 に 取 り 組 んだが 大 きな 混 乱 には 至 らなかった 一 方 国 内 の 反 グローバリズムを 掲 げる 勢 力 等 は 6 月 に 横 浜 市 内 で 開 催 された 第 5 回 アフリカ 開 発 会 議 (TICAD V ) に 際 して 海 外 活 動 家 を 招 へいして 集 会 デモに 取 り 組 んだ 同 勢 力 等 は 国 際 会 議 への 抗 議 行 動 のみならず 海 外 の 反 政 府 デモ 等 大 規 模 抗 議 行 動 にも 高 い 関 心 を 示 すと ともに 国 内 では 反 原 発 運 動 等 の 各 種 社 会 運 動 に 積 極 的 に 介 入 し その 過 程 において 国 内 外 諸 勢 力 との 連 帯 連 携 を 維 持 強 化 しながら 自 勢 力 の 拡 大 を 図 っており 今 後 も 国 際 会 議 等 に 対 する 抗 議 行 動 や 各 種 社 会 運 動 に 取 り 組 んでいくものとみられる (5) 我 が 国 の 捕 鯨 をめぐる 動 向 南 極 海 における 我 が 国 の 調 査 捕 鯨 に 対 して 執 拗 かつ 過 激 な 妨 害 活 動 を 繰 り 返 す 米 国 の 環 境 保 護 団 体 シー シェパード(SeaShepher d)は 我 が 国 の 平 成 24 年 度 調 査 捕 鯨 に 対 し 容 赦 なき 作 戦 と 称 して スクリューに 絡 ませることを 狙 って ロープを 海 中 に 投 げ 入 れたり 捕 鯨 船 等 に 抗 議 船 -33-

で 体 当 たりを 行 うなど 過 激 な 妨 害 活 動 に 取 り 組 んだ こうした 妨 害 活 動 は 24 年 12 月 に 米 国 サンフランシスコの 連 邦 控 訴 裁 判 所 がシー シェパードに 対 して 捕 鯨 船 への 妨 害 を 差 し 止 める 仮 処 分 命 令 を 下 した 後 にも 引 き 続 き 行 われたことから 25 年 2 月 11 日 財 団 法 人 日 本 鯨 類 研 究 所 等 は 同 裁 判 所 に 対 し 仮 命 令 処 分 に 違 反 しているとして 法 廷 侮 辱 の 裁 定 を 申 し 立 てた 同 裁 判 所 は2 月 25 日 シー シェパードの 妨 害 活 動 を 国 際 法 が 禁 じている 海 賊 行 為 と 認 定 した こうした 中 6 月 から7 月 にかけてオランダ ハーグの 国 際 司 法 裁 判 所 では 22 年 5 月 にオーストラリアが 調 査 捕 鯨 の 実 態 は 商 業 捕 鯨 であり 国 際 法 違 反 である などとして 調 査 捕 鯨 の 中 止 を 求 めて 提 訴 した 裁 判 の 審 理 が 行 われた シー シェパードは 和 歌 山 県 太 地 町 のイルカ 漁 に 反 対 するため 前 年 度 までと 同 様 イルカ 追 い 込 み 漁 が 行 われる24 年 9 月 から25 年 2 月 まで 同 町 に 活 動 家 を 常 駐 させ イルカ 漁 の 様 子 をビデオ 撮 影 して イルカ 漁 に 反 対 する 主 張 を 一 方 的 にウェブサイトで 公 表 するなどの 抗 議 活 動 に 取 り 組 ん だ 海 外 では シー シェパード 関 係 者 とみられる 活 動 家 らが イルカ 漁 に 反 対 するため 日 本 車 を 破 壊 して 日 本 製 品 のボイコットを 訴 えるなど の 過 激 な 抗 議 活 動 に 取 り 組 んだ また 25 年 9 月 には イルカ 漁 解 禁 に 合 わせて 在 外 日 本 公 館 等 への 抗 議 行 動 を 行 う 反 イルカ 漁 キャンペーン ジャパン ドルフィンズ デー が 世 界 各 国 で 取 り 組 まれたほか 国 内 の 反 捕 鯨 団 体 がこれに 連 帯 連 携 し 都 内 において 集 会 デモを 行 うなど 国 内 での 取 組 が 拡 散 活 発 化 してい る 和 歌 山 県 警 察 では 太 地 町 特 別 警 戒 本 部 を 設 置 し 海 上 保 安 庁 等 との 合 同 警 備 訓 練 を 実 施 するとともに 同 町 の 臨 時 交 番 を 拠 点 に 関 係 機 関 等 と 連 携 して 警 戒 活 動 を 推 進 している シー シェパードを 始 めとするこれらの 反 捕 鯨 勢 力 は 今 後 も 国 内 外 の 情 勢 を 捉 えて 様 々な 抗 議 活 動 に 取 り 組 むものとみられる -34-

(6) TPPをめぐる 運 動 TPPをめぐっては 参 加 反 対 を 訴 える 大 衆 団 体 のほか 全 労 連 を 始 めと する 労 働 組 合 業 界 団 体 等 が 各 地 で 集 会 デモ 等 に 取 り 組 んだ 平 成 25 年 6 月 15 日 に 北 海 道 大 通 公 園 で 開 催 された 集 会 デモには 北 海 道 全 域 か ら5,000 人 ( 主 催 者 発 表 )が また 12 月 8 日 に 都 内 日 比 谷 野 外 音 楽 堂 で 開 催 された 集 会 デモには 約 2,700 人 ( 主 催 者 発 表 )が それぞれ 参 加 し た このほか 毎 月 第 一 火 曜 日 には 国 内 の 反 グローバリズムを 掲 げる 勢 力 等 を 始 めとする 多 様 な 団 体 が 首 相 官 邸 前 でTPP 参 加 反 対 を 訴 える 抗 議 行 動 に 取 り 組 んでいる TPPについては 条 約 締 結 に 続 いて 国 会 での 批 准 が 焦 点 になると 予 想 さ れることから 26 年 も 引 き 続 き 大 衆 団 体 等 は TPP 参 加 反 対 運 動 を 活 発 に 展 開 するものとみられる (7) 2020 年 東 京 オリンピック パラリンピック 競 技 大 会 をめぐる 運 動 IOCは2013 年 9 月 7 日 2020 年 オリンピック パラリンピック 競 技 大 会 の 東 京 開 催 を 決 定 した 大 衆 団 体 等 は 平 成 25 年 3 月 5 日 及 び6 日 IOCの 東 京 視 察 に 対 し 都 内 で 東 京 招 致 反 対 をアピールする 抗 議 行 動 に 取 り 組 んだほか 極 左 暴 力 集 団 等 が9 月 28 日 に 都 内 で 取 り 組 んだ 集 会 デモにおいても オリンピック 開 催 に 反 対 するアピールがみられた 大 衆 団 体 極 左 暴 力 集 団 等 は 今 後 も 2020 年 東 京 オリンピック パラ リンピック 競 技 大 会 開 催 に 対 し 各 種 反 対 運 動 に 取 り 組 むものとみられる (8) 雇 用 問 題 をめぐる 運 動 全 労 連 は 平 成 24 年 7 月 の 第 26 回 定 期 大 会 において 採 択 された 労 働 雇 用 破 壊 の 暴 走 とたたかい 安 全 安 心 社 会 をめざす 大 運 動 ( 全 労 連 大 運 動 )に 総 力 をあげてとりくみ 強 く 大 きな 全 労 連 をつくる との 今 後 2 年 間 の 運 動 方 針 に 基 づき 25 年 も 引 き 続 き 労 働 者 派 遣 法 の 改 正 反 対 や 最 低 賃 金 の 引 上 げ 等 を 求 める 運 動 に 取 り 組 んだ また 労 働 法 制 の 規 制 緩 和 により 労 働 者 の 雇 用 環 境 が 悪 化 し 大 きな 社 会 問 題 となっているとして 青 年 層 の 雇 用 の 安 定 化 や 就 職 難 の 改 善 等 を 目 指 した 取 組 を 行 った また 貧 困 問 題 に 取 り 組 む 団 体 は 人 間 らしい 生 活 と 労 働 の 保 障 を 求 め -35-