現 況 分 析 における 顕 著 な 変 化 に ついての 説 明 書 研 究 平 成 22 年 6 月 国 立 大 学 法 人 東 京 工 業 大 学
目 次 9. 応 用 セラミックス 研 究 所 1
整 理 番 号 28-9-1 分 析 項 目 Ⅰ 研 究 活 動 の 状 況 顕 著 な 変 化 のあった 観 点 名 : 共 同 利 用 共 同 研 究 の 実 施 状 況 平 成 20,21 年 度 は 教 授 の 退 職 により 教 員 総 数 は 減 少 したが, 教 員 当 たりの 共 同 研 究 数 および 延 べ 来 所 人 数 は 2.6 件 および 22.0 人 で 活 発 に 活 動 しており, 関 係 ソサエティに 対 して 継 続 的 に 充 分 な 貢 献 を 果 たすことができている( 資 料 1) また 平 成 21 年 度 には, 共 同 利 用 研 究 の 成 果 が4 件 新 聞 発 表 された 平 成 19 年 度 から STAC など 研 究 所 が 主 催 する 国 際 会 議 を 毎 年 開 催 しており,その 発 表 件 数 は 148 件, 216 件,236 件 と 年 を 追 って 顕 著 に 増 加 している この 他, 平 成 20,21 年 度 からはセキュアマテリ アル 研 究 センターおよび 建 築 物 理 研 究 センターも 含 めて 主 催 共 催 する 国 際 会 議 の 数 が 顕 著 に 増 加 し, 国 際 連 携 の 強 化, 国 際 性 の 向 上 に 効 果 が 上 がっている( 資 料 2) 平 成 17~21 年 度 に 実 施 された3 研 連 携 プロジェクトでは, 平 成 19 年 度 より 共 同 研 究 論 文 数 および 共 同 出 願 特 許 件 数 が 顕 著 に 増 加 し, 連 携 プロジェクトの 成 果 があげられた これらの 成 果 により, 平 成 22 年 度 からは 発 展 的 に6 研 連 携 プロジェクトへと 進 化 することができた( 資 料 1) 資 料 1. 共 同 利 用 共 同 研 究 および3 研 連 携 に 関 するデータ 年 度 件 数 延 べ 来 所 人 数 教 員 人 数 教 授 ( 人 ) 講 師 助 教 授 准 教 授 ( 人 ) 助 手 助 教 ( 人 ) 件 数 / 教 員 延 べ 来 所 人 数 / 教 員 共 同 研 究 経 費 ( 千 円 ) 3 研 連 携 論 文 数 ( 特 許 数 ) H16 88 747 36 14 10 11 2.4 20.8 20,071 - H17 88 736 35 12 11 9 2.5 21.0 19,217 2(0) H18 98 826 32 12 7 9 3.1 25.8 22,372 8(0) H19 93 796 38 13 15 10 2.2 20.9 22,233 21(4) H20 89 777 35 11 15 9 2.5 22.2 22,097 26(2) H21 81 674 31 9 15 7 2.6 21.7 21,876 34(4) 平 均 90 759 34.5 11.8 12.2 9.2 2.6 22.1 21,311 18.2(2) 資 料 2. 応 セラ 研 主 催 共 催 の 国 際 会 議 年 度 国 際 会 議 名 発 表 件 数 ( 参 加 人 数 ) H19 STAC1(International Conference on the Science and Technology 148(159) for Advanced Ceramics) H20 STAC2/STSI1 Joint International Conferences 216(250) H20 Symposium on Fe-oxipnictides Superconductors 45(250) H20 4th Symposium on the New Frontiers of Thermal Studies of Materials 77(110) H20 6th Conference on Transparent Oxides for Electronics and Optics 150(230) H21 STAC3 236(250) H21 ICCCI2009( 金 属 ガラス 無 機 材 料 接 合 技 術 国 際 会 議 ) 144(-) H21 第 1 回 日 中 韓 防 水 シンポジウム 17(173) H21 Work Shop on Transparent Amorphous Oxide Semiconductors 200(400) H21 第 7 回 都 市 地 震 工 学 国 際 会 議 / 第 5 回 地 震 工 学 国 際 会 議 310(460) 1
整 理 番 号 28-9-2 分 析 項 目 Ⅱ: 研 究 成 果 の 状 況 顕 著 な 変 化 のあった 観 点 名 研 究 成 果 の 状 況 平 成 20 年 (2008 年 )に 細 野 秀 雄 教 授 グループによって 発 表 された 鉄 基 化 合 物 の 新 規 超 伝 導 体 の 発 見 は 従 来 の 超 伝 導 体 物 質 探 索 の 常 識 を 大 きく 覆 し 同 分 野 の 研 究 者 にとって 非 常 に 大 きな 影 響 のある 研 究 成 果 である 最 初 にこの 現 象 を 発 表 した Journal of the American Chemical Society(アメリカ 科 学 会 により 発 行 されている 学 術 雑 誌 )に 掲 載 された 論 文 は 米 国 の 国 際 的 な 科 学 誌 である サイエン ス が 選 定 した 10 件 の breakthrough of the year 2008 に 選 ばれたことでもそのインパクトの 大 きさ がよく 分 かる また 同 論 文 は ISI(Thomson Reuters 社 の ISI Web of Knowledge)がまとめた 2008 年 に 発 表 の 全 論 文 中 で 世 界 第 一 位 の 被 引 用 数 を 記 録 した この 卓 越 した 研 究 成 果 により 細 野 教 授 は 超 伝 導 分 野 の 最 高 の 学 術 賞 である Bernd T.Matthias 賞 をはじめ 紫 綬 褒 章 も 受 章 している また 多 く の 権 威 ある 国 際 会 議 に 招 待 され 基 調 講 演 を 行 うなど 関 連 分 野 の 研 究 者 に 大 きなインパクトを 与 え 続 けている この 他 にも 林 克 郎 准 教 授 は 本 中 期 目 標 中 期 計 画 中 に 研 究 した C12A7 に 関 する 研 究 成 果 が 高 く 評 価 され 平 成 20 年 には 文 部 科 学 大 臣 表 彰 若 手 科 学 者 賞 活 性 陰 イオンを 起 源 とする 12CaO 7Al 2 O 3 結 晶 の 機 能 性 開 拓 を 受 賞 平 成 21 年 には Versatile ceramics consisting of abundant elements の 研 究 で ドイツから 優 れた 研 究 成 果 を 挙 げた 若 手 研 究 者 に 授 与 される 第 1 回 ゴッドフリード ワグネ ル 賞 の 第 1 回 受 賞 者 に 選 ばれている 松 本 祐 司 准 教 授 と 鯉 沼 秀 臣 名 誉 教 授 は 平 成 20 年 に 文 部 科 学 大 臣 表 彰 科 学 技 術 賞 ( 研 究 部 門 )を 受 賞 している また 建 築 分 野 では 林 静 雄 教 授 が 鉄 筋 コンクリート 構 造 の 可 能 性 を 広 げた 高 強 度 せん 断 補 強 筋 の 開 発 と 実 用 化 に 関 する 研 究 により 平 成 21 年 の 日 本 建 築 学 会 賞 ( 業 績 賞 )を 受 賞 している 以 上 のように 本 研 究 所 で 行 われた 研 究 成 果 は 我 が 国 のみならず 世 界 の 科 学 技 術 に 対 しても 大 きな インパクトを 与 え 社 会 的 にも 高 く 評 価 されている 平 成 20 21 年 度 にあげたこれらの 成 果 は 平 成 16~19 年 度 の 当 研 究 所 の 研 究 成 果 の 状 況 に 対 する 評 価 判 定 を 変 更 するに 値 する 顕 著 な 変 化 といえ る 2
整 理 番 号 28-9-3 事 例 2 セキュアマテリアル 研 究 センター ( 分 析 項 目 Ⅰ) 本 研 究 センターは 平 成 18 年 4 月 に 設 置 されたもので 評 価 時 点 は 発 足 直 後 であったため 平 成 18 年 度 及 び 平 成 19 年 度 のみが 評 価 対 象 となり 比 較 すべき 業 績 資 料 が 限 られていた しかし 平 成 20 年 以 後 本 格 的 な 取 り 組 みが 始 まるとともに 以 下 の 顕 著 な 成 果 が 得 られた まず 本 研 究 センターのミッションは 以 下 のとおりである; 1 建 築 系 教 員 と 無 機 材 料 系 教 員 が 協 力 して 脆 性 破 壊 を 克 服 する 新 たな 構 造 材 料 の 概 念 を 提 唱 し 偶 発 的 材 料 破 壊 に 対 しての 安 全 な 材 料 とシステムを 探 索 する 2ユビキタス 元 素 協 同 戦 略 拠 点 として 探 索 型 研 究 と 拠 点 形 成 を 推 進 し 国 が 推 進 する 元 素 戦 略 研 究 の 取 り 組 みの 一 端 を 担 う これに 基 づき シーズ 指 向 型 研 究 となりやすい 新 材 料 探 索 研 究 に 対 して 安 全 安 心 な 社 会 を 求 め る 社 会 的 な 価 値 観 の 下 に 人 類 社 会 の 未 来 材 料 を 提 案 している 平 成 20 年 度 には 文 部 科 学 省 元 素 戦 略 プロジェクト に 本 センターの 教 員 をコアとするチーム が 提 案 した 材 料 ユビキタス 元 素 協 同 戦 略 が 採 択 された クラーク 数 上 位 の 豊 富 な 元 素 を 用 いてナ ノオーダーの 構 造 などを 工 夫 することで 新 しい 機 能 をもつ 無 機 材 料 の 実 現 を 目 指 す 研 究 を 開 始 し 希 土 類 を 含 まない 鉄 系 超 伝 導 物 質 (J.Am.Chem.Soc)を 発 見 した この 報 告 は 被 引 用 回 数 世 界 No.1の 論 文 として 内 外 の 注 目 を 集 めている 元 素 戦 略 研 究 に 関 係 しては 林 克 郎 准 教 授 が C12A7 に 関 する 研 究 成 果 が 高 く 評 価 され 平 成 20 年 には 文 部 科 学 大 臣 表 彰 若 手 科 学 者 賞 活 性 陰 イオンを 起 源 とする 12CaO 7Al 2 O 3 結 晶 の 機 能 性 開 拓 を 受 賞 平 成 21 年 には Versatile ceramics consisting of abundant elements の 研 究 で ドイツか ら 優 れた 研 究 成 果 を 挙 げた 若 手 研 究 者 に 授 与 される 第 1 回 ゴッドフリード ワグネル 賞 の 第 1 回 受 賞 者 に 選 ばれている 安 全 安 心 な 社 会 のための 材 料 という 視 点 からも ムライトセラミックスでのプログラムされた 破 壊 現 象 (Adv.Mater.)の 発 見 などの 成 果 がでている さらに セキュアマテリアルを 冠 するプロジェ クトの 発 足 ワークショップやシンポジウムを 開 催 するとともに それらの 業 績 は 日 本 建 築 学 会 業 績 賞 セメント 協 会 論 文 賞 The American Ceramic Society Fellow など 国 内 外 で 評 価 されている 資 料 1に 前 回 の 評 価 対 象 となった 平 成 18-19 年 度 とそれ 以 後 の2 年 間 における 成 果 等 の 発 表 状 況 研 究 資 金 獲 得 状 況 学 会 等 表 彰 状 況 を 比 較 して 示 す 評 価 以 後 の2 年 間 はそれ 以 前 に 比 べて 順 調 に 伸 びている 特 に 研 究 費 と 学 会 等 表 彰 数 は 4 倍 以 上 の 顕 著 な 伸 びを 示 していることからも 大 きく 改 善 向 上 していると 判 断 される 資 料 1 研 究 成 果 研 究 資 金 学 会 等 表 彰 数 の 比 較 H18+H19 H20+H21 伸 び 率 (%) 学 術 誌 論 文 数 59 62 105 研 究 費 ( 千 円 ) 41,825 166,301 398 学 会 等 表 彰 1 10 1000 3