2012 年 から 新 作 の 瑞 光 の 制 作 が 進 められていた レリーフをほどこされたこの 作 品 は 多 田 先 生 の 陶 板 作 品 として 先 生 が 初 めて 油 絵 による 原 画 を 描 きおろし また 製 作 方 法 においても 初 めて 転 写 紙 を 使 用 この 作 品 は 建 築 家 の 隈 研 吾 氏 により 設 計 された 長 崎 のオリーブベイホテルのエントランスを 飾 る あふ れる 光 と 豊 かな 緑 や 水 に 包 まれたロビー 空 間 を 彩 る 爽 やかで 明 るい 様 子 の 瑞 光 今 までの 作 品 とは 異 なる のびのびとして 大 らかな 色 彩 表 現 が 印 象 的 作 品 寸 法 は 縦 4.3m 横 9m にも 及 ぶ 大 きさで そのダイナ ミックさには 圧 倒 される
1983-2013 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 1983 年 潮 彩 1985 年 虹 彩 1986 年 光 彩 1987 年 拓 1988 年 天 祥 1989 年 Mirage No.7 No.8 No.9 No.10 No.11 No.12 1990 年 レリーフ1 2 1991 年 晶 1991 年 晶 -M 1993 年 竝 1994 年 容 1995 年 文 化 庁 芸 術 祭 トロフィー No.13 No.14 No.15 No.16 レリーフがあるもの 反 対 に 鏡 のように 滑 らかな 仕 上 がりのものなど 多 様 色 彩 に 関 しても 鮮 やかな 色 から 渋 みのある 色 まで 網 羅 し やき もの 独 特 の 表 情 も 作 品 に 取 り 込 む さまざまな 表 現 を 多 用 し 限 りない 陶 の 世 界 を 自 分 の 作 品 へ 昇 華 してきた さらに 作 品 を 設 置 する 環 境 や 作 品 の 取 付 けにも 注 意 を 払 い より 1996 年 GAMUT 1996 年 昊 彩 1996 年 萌 2013 年 瑞 光 心 地 よい 空 間 づくりに 手 を 尽 くされる
大 塚 オーミ 陶 業 での 初 めての 作 品 潮 彩 (1983 年 ) は 陶 板 とステンレスで 構 成 され 山 陽 放 送 メディア コムの 岡 山 市 のビルのエントランス 空 間 を 飾 る 陶 板 の 目 地 は 作 品 の 構 成 に 沿 って 目 立 たないよう 検 討 された 完 成 した 潮 彩 の 陶 板 を 全 て 並 べた 姿 を 初 めて 見 た 的 場 ( 現 弊 社 専 務 )は そのボリュームに 圧 倒 され うわ ごっついなぁ と 思 わず 言 葉 を もらしたそう 今 から 30 年 ほど 前 その 頃 は 東 京 ディズニーランドが 開 園 し 任 天 堂 のファミリーコンピューターが 発 売 されるなど 日 本 経 済 も 加 速 を 見 せる 時 代 だった 私 たちは 信 楽 工 場 に 大 型 陶 板 専 用 の 工 場 を 完 成 させ 大 型 陶 板 を 本 格 的 に 製 作 販 売 を 開 始 した 頃 この 大 型 陶 板 という 素 材 を 利 用 し 多 田 先 生 はその 表 現 力 で 今 までに 見 た 事 のない 陶 作 品 を 次 々と 生 み 出 したのだ ちょうどこの 時 期 から 大 型 陶 板 によるアート 制 作 が 世 に 知 られるようになる 多 田 先 生 と 私 たちが 出 会 った 頃 は 大 塚 オーミ 陶 業 に 大 きな 変 革 期 が 訪 れた 時 だったのである この 作 品 は 30 年 たった 今 も 美 しく 輝 きつづけている レリーフ 1 2 天 祥 昊 彩
テラコッタ 素 材 での 立 体 造 形 作 品 この 作 品 は やきものの 世 界 では 古 くからある 手 びねり(ひも 状 にした 粘 土 を 練 りあげていく 手 法 縄 文 土 器 もこの 方 法 でつくられたとされている )の 技 法 で 造 形 され ている 大 塚 オーミ 陶 業 で 制 作 している 多 田 先 生 の 陶 作 品 の 特 徴 の 1 つに ラスター 釉 の 表 現 がある ラスター 釉 とは やきものの 表 面 にかける うわぐすりの 1 種 で 真 珠 のような 虹 色 の 光 彩 が 発 色 する 薬 品 のこと 多 田 先 生 の 作 品 をきっかけに 大 塚 オーミ 陶 業 もラスター 釉 の 開 発 を 始 める 光 のあたり 方 でいろいろな 表 情 を 見 せる ラスター 釉 多 田 先 生 は たくさんある 発 色 から これぞ! という 自 分 の 表 現 に 適 う ラスター 釉 を 厳 選 多 くの 勉 強 を 重 ね 作 品 へと 昇 華 させていった 大 塚 オーミ 陶 業 で 制 作 の 作 品 には すべてラスター 釉 が 使 われている 多 田 先 生 は 鋳 込 み 技 法 ( 泥 しょう 水 気 の 多 い 粘 土 を 型 に 流 し 込 んで 造 形 する 手 法 )での 立 体 造 形 作 品 にも 取 組 む 1995 年 から 採 用 されている 文 化 庁 芸 術 祭 トロフィー は 鋳 込 み 技 法 を 利 用 した 作 品 やきものと 思 えないほどのシャープな 形 状 で 表 面 には 金 彩 銀 彩 がほどこされている 現 在 もトロフィーの 制 作 は 続 いている
本 レポートインタビューにて
OTSUKA OHMI REPORT おわりに そうですね 30 年 たったんですね インタビューの時 長い時間をかけて培ってきた 先生との関係により製作できた陶板作品ではないか と考えています 瑞光 の誕生により 陶板の可能性が尚 広がったと予感しました 私たちはそう答えました 多田先生も私たちも こうして振り返るとやはり驚きま した インタビューでは 多田先生の素直なことばと制作に対するこだわりや真っ直ぐ 次は一体 どんな作品がどんな空間を彩るのか な気持ちを聞かせて頂く事もできました 次の製作が 今からとても楽しみです 多田先生との出会いから今に至るまで 先生との交流 その全てを知る社員は そう 多田美波先生に敬意を表して 多くありません 今回レポートを作成する機会を得 こんな偉大な作家と 長きに 渡りおつきあいをさせて頂いた事 恥ずかしながら 改めて理解し 光栄に感じる ことができました 今回の制作でも 先生のひたむきな姿を拝見させて頂き 胸を打たれる思いが致し ました 最新作 瑞光 の最終検品の折には 多田先生より ありがとう と言って 私は 建築空間を芸術環境にしたい 頂けた事は 何より有り難く 嬉しい言葉でした 先生の 職人を信じる という心が もう それだけです 弊社 職人の力になった事は言うまでもありません ものづくりは 心と心が伝わって はじめて良い作品と笑顔が現れるものなんだ と再認識いたしました これまでにも多田先生は 陶板をもちいて たくさんの作品を制作してこられました しかし 今回の 瑞光 は 恐らく 30 年前には創れなかった作品なのではないかと 感じています 今の多田先生にしか創れない作品であり そして私たちにとっても Copyright (c) OTSUKA OHMI CERAMICS CO.,LTD. All Rights Reserved.