2013 年 5 月 30 日 発 行 市 場 調 査 部 主 席 研 究 員 シニアエコノミスト 小 野 亮 03-3591-1219 市 場 調 査 部 エコノミスト 山 崎 亮 03-3591-1289

みずほ 米 国 経 済 情 報 2013 年 5 月 号 [ 米 国 経 済 の 概 況 ] 米 国 経 済 では 企 業 の 生 産 受 注 活 動 などに 減 速 感 がうかがえるが 雇 用 や 消 費 住 宅 など 家 計 を 取 り 巻 く 経 済 活 動 は 総 じて 堅 調 であり 明 暗 が 分 かれている 製 造 業 や 非 製 造 業 の 業 況 は 拡 大 テンポが 減 速 しており 緊 縮 財 政 や 海 外 経 済 の 減 速 が 影 響 している 可 能 性 が 示 唆 される 一 方 金 融 政 策 面 で 特 に 注 目 される 労 働 市 場 では 回 復 が 続 いている 今 月 初 めのFOMCではQE3(1カ 月 当 たり850 億 ト ルの 証 券 購 入 プログラム) を 柔 軟 に 運 営 する 方 針 が 示 された 議 事 録 によれば 参 加 者 のほとんどが 昨 年 9 月 比 で 労 働 市 場 の 見 通 しが 改 善 したと 判 断 している 現 時 点 でQE3 縮 小 を 躊 躇 させる 理 由 はFOMCに 自 信 がないからだ 上 述 のように 企 業 活 動 は 軟 調 で 不 透 明 感 が 燻 る 緊 縮 財 政 の 影 響 が 緩 和 し 新 学 期 商 戦 の 動 向 も 確 認 できる9 月 会 合 が 自 信 回 復 の 時 期 となろう 一 方 連 邦 財 政 は 劇 的 な 収 支 改 善 が 見 込 まれるようになった 税 収 増 のほ か 実 質 国 有 化 している 住 宅 金 融 機 関 からの 配 当 急 増 が 要 因 だ CBOに よる 今 年 度 の 収 支 見 通 しは2 月 公 表 値 と 比 べて2,000 億 ト ル 以 上 も 縮 小 した

2013 年 5 月 30 日 発 行 市 場 調 査 部 主 席 研 究 員 シニアエコノミスト 小 野 亮 03-3591-1219 makoto.ono@mizuho-ri.co.jp 市 場 調 査 部 エコノミスト 山 崎 亮 03-3591-1289 ryo.yamasaki@mizuho-ri.co.jp 当 レポートは 情 報 提 供 のみを 目 的 として 作 成 されたものであり 商 品 の 勧 誘 を 目 的 としたものではあり ません 本 資 料 は 当 社 が 信 頼 できると 判 断 した 各 種 データに 基 づき 作 成 されておりますが その 正 確 性 確 実 性 を 保 証 するものではありません また 本 資 料 に 記 載 された 内 容 は 予 告 なしに 変 更 されるこ ともあります

1.トピック:QE3 縮 小 の 鍵 を 握 る 神 風 と 自 信 2,000 億 ドル 超 の 劇 的 改 議 会 予 算 局 (CBO)は 5 月 8 日 2013-2023 年 度 の 財 政 見 通 しを 改 訂 した 善 が 見 込 まれる 米 国 財 政 足 元 では 財 政 収 支 の 劇 的 改 善 が 見 込 まれている CBOは 今 年 2 月 に 財 政 見 通 しを 発 表 しているが それと 比 べると 2013 年 度 の 財 政 赤 字 額 は 8,450 億 ドルから 6,420 億 ドルへと 2,030 億 ドル 縮 小 した 2014 年 度 以 降 も 赤 字 額 は 2 月 見 通 しと 比 べ 縮 小 した(2014 年 度 では 560 億 ドルの 改 善 ) ファニーメイとフレディ 2013 年 度 の 劇 的 改 善 をもたらした 要 因 は 実 質 国 有 化 している 連 邦 抵 当 金 庫 マックの 国 有 化 の 見 返 り (ファニーメイ)と 連 邦 住 宅 貸 付 抵 当 公 社 (フレディマック)から 政 府 への 巨 額 が 長 期 金 利 安 定 の 神 風 に 配 当 と 個 人 所 得 税 法 人 税 の 増 収 だ ファニーメイとフレディマックへの 政 府 支 援 については その 見 返 りとして 従 来 公 的 資 本 注 入 額 の 10% を 配 当 として 政 府 が 受 け 取 る 契 約 だったが 2012 年 8 月 の 見 直 しで 配 当 額 は 純 資 産 全 額 に 変 更 されていた この 契 約 変 更 に 最 近 の 両 社 の 業 績 改 善 が 相 まって 950 億 ドル もの 巨 額 配 当 が 見 込 まれることになったのである ファニーメイとフレディマッ クの 国 有 化 がこのような 形 で 恩 恵 を 及 ぼすとは 想 定 されておらず オバマ 政 権 に とってまさに 神 風 と 言 えるだろう FOMC はQE3の 柔 軟 な さらにこの 神 風 は QE3 縮 小 に 向 けて 動 き 出 す 連 邦 公 開 市 場 委 員 会 (FOMC) 運 営 を 目 指 す 方 針 を 明 ら にとっても 過 度 な 金 利 上 昇 を 抑 える 要 因 となり 得 る 神 風 だ FOMC がQE3 かに 今 のところ 最 初 の 縮 小 という 第 一 歩 を 踏 み 出 すには あとは 彼 らの 自 信 があればよい 一 歩 は QE3 縮 小 の 今 月 初 めに 開 催 された FOMC では QE3のペースを 状 況 に 応 じて 増 減 させるこ 公 算 とが 明 確 になった その 際 の 判 断 材 料 として 従 来 の 労 働 市 場 見 通 しだけではな くインフレ 見 通 しも 新 たに 加 わったが QE3 運 営 の 柔 軟 性 を 担 保 するためであ ることが 議 事 録 やバーナンキ 議 長 の 議 会 証 言 ( 共 に 5 月 22 日 )から 読 み 取 れる... バーナンキ 議 長 は 条 件 が 整 えば 今 後 数 回 の 会 合 で 購 入 ペースを 落 とすこと ができる と 述 べた ただ 縮 小 が 始 まったとしても それが 完 全 なQE3 停 止 に 向 けたオートクルーズ( 自 動 運 転 )の 始 まりではなく 先 行 きの 状 況 次 第 で 証 券 購 入 ペースを 増 減 させる 方 針 であるとも 言 う 現 状 では 懸 念 は 小 さいが ディ スインフレが 行 き 過 ぎれば 縮 小 から 拡 大 に 転 じる 可 能 性 もあるということだろう 今 のところ QE3 変 更 の 最 初 の 一 歩 は 縮 小 であり 拡 大 ではない 議 事 録 で... は 参 加 者 のほとんどがプログラムを 開 始 した 昨 年 9 月 と 比 べて 労 働 市 場 の 見 通 しが 改 善 したと 考 えている ( 傍 点 筆 者 )ことが 明 らかになった QE3を 見 直 す 当 初 からの 条 件 であった 労 働 市 場 見 通 しの 大 幅 な 改 善 の 基 準 点 が 昨 年 9 月 であることがこれではっきりした 実 際 にQE3 見 直 しに 踏 み 込 むには 1 持 続 的 な 改 善 2 見 通 しに 対 する 一 段 の 自 信 あるいは3ダウンサイド リスクの 後 退 が 必 要 だ と 多 くの FOMC 参 加 者 が 指 摘 している これはバーナンキ 議 長 が 議 会 で 述 べた リアルで 持 続 的 な 労 働 市 場 の 改 善 と 同 義 であり 先 行 きに 自 信 が 持 てればQE3 縮 小 に 踏 み 出 す 方 針 だ 6 月 7 月 の 会 合 ではまだ 自 信 が 持 てず 早 くても 9 月 がターニングポイントだろう この 度 みずほ 総 合 研 究 所 では やっぱりアメリカ 経 済 を 学 びなさい ( 小 野 亮 安 井 明 彦 著 東 洋 経 済 新 報 社 )を 上 梓 いたしま した(5 月 24 日 発 売 ) 財 政 出 口 戦 略 国 際 通 貨 問 題 破 たん 制 度 など 専 門 的 な 事 柄 に 踏 み 込 みながら 平 易 な 解 説 によるアメ リカ 経 済 の 入 門 書 となっております 是 非 ご 一 読 ご 活 用 賜 りますよう よろしくお 願 い 申 し 上 げます 1 みずほ 米 国 経 済 情 報 (2013 年 5 月 号 )

2. 生 産 雇 用 動 向 : 企 業 業 況 の 改 善 テンポは 減 速 し 生 産 には 頭 打 ち 感 雇 用 は 堅 調 企 業 業 況 は 製 造 業 非 製 造 業 ともに 2 カ 月 連 続 で 改 善 テンポが 減 速 製 造 業 の 企 業 業 況 を 表 す 製 造 業 ISM 指 数 は 4 月 50.7(3 月 51.3)と 2 カ 月 連 続 で 低 下 した また 非 製 造 業 ISM 指 数 も 53.1(3 月 54.4)と 2 カ 月 連 続 で 低 下 した( 図 表 1) 製 造 業 からのコメントでは 緊 縮 財 政 による 防 衛 産 業 への 影 響 などが 減 速 要 因 として 挙 げられている このほか 中 国 や 欧 州 経 済 が 冴 えないこ とも 企 業 業 況 の 重 石 となっている 可 能 性 がある 製 造 業 ISM 指 数 の 構 成 項 目 を 見 ると 4 月 の 雇 用 指 数 は 50.2(3 月 54.2) 在 庫 指 数 が 46.5(3 月 49.5)とそれぞれ 大 きく 低 下 した 一 方 新 規 受 注 指 数 が 52.3 (3 月 51.4) 生 産 指 数 が 53.5(3 月 52.2) 入 荷 遅 延 指 数 が 50.9(3 月 49.4)と それぞれ 上 昇 したが いずれも 3 月 の 低 下 幅 を 埋 めるには 至 っていない 非 製 造 業 ISM 指 数 の 構 成 項 目 では 新 規 受 注 指 数 が 4 月 54.5(3 月 54.6)と ほぼ 横 ばいとなった 一 方 製 造 業 の 生 産 指 数 に 相 当 する 事 業 活 動 (Business Activity) 指 数 が 55.0(3 月 56.5) 雇 用 指 数 が 52.0(3 月 53.3) 入 荷 遅 延 指 数 が 51.0(3 月 53.0)といずれも 低 下 し 総 合 指 数 を 押 し 下 げた 鉱 工 業 生 産 には 頭 打 ち 感 生 産 活 動 は 2012 年 11 月 にハリケーン サンディ の 下 押 しの 反 動 等 で 大 き く 持 ち 直 し それ 以 降 拡 大 傾 向 にあったが 足 元 では 頭 打 ち 感 が 見 られる 4 月 の 鉱 工 業 生 産 指 数 (FRB)は 前 月 比 0.5%(3 月 同 +0.3%)と 低 下 した 内 訳 をみると エネルギー 部 門 が 同 1.1%(3 月 同 +2.3%)の 減 産 となり 全 体 を 下 押 しした 2 3 月 には 寒 冷 な 天 候 を 背 景 とした 暖 房 需 要 が 電 力 ガスな どの 生 産 を 押 し 上 げた 模 様 だが 4 月 にはこの 押 し 上 げがはく 落 した 格 好 だ 非 エネルギー 部 門 は 幅 広 い 業 種 で 冴 えない 内 容 また 非 エネルギー 部 門 は 4 月 前 月 比 0.3%(3 月 同 0.4%)と 2 カ 月 連 続 の 減 産 となった( 図 表 2) 内 訳 を 見 ると IT 部 門 が 増 産 となり 2012 年 10 月 頃 からの 踊 り 場 から 抜 け 出 す 兆 しが 出 始 めた 以 外 総 じて 冴 えない 内 容 だ 建 設 ビジネスサプライ 関 連 素 材 関 連 は 2 カ 月 連 続 で 軟 調 な 推 移 となり 消 費 財 や 設 備 機 器 関 連 も 冴 えない 自 動 車 部 品 は 前 月 から 減 産 となり 2012 年 11 月 頃 か ら 一 進 一 退 の 推 移 となっている 鉱 工 業 全 体 の4 月 の 稼 働 率 は77.8%(3 月 78.3%) 製 造 業 は75.9%(3 月 76.3%) と 共 に 低 下 した( 図 表 2) 図 表 1 企 業 業 況 図 表 2 鉱 工 業 生 産 と 稼 働 率 図 表 3 雇 用 統 計 (2007=100) (%) ( 前 月 比, 千 人 ) (%) (DI,%) 60 96 80 350 8.8 300 8.6 55 50 95 79 94 78 93 77 250 200 150 100 50 8.4 8.2 8.0 7.8 7.6 45 製 造 業 ISM 指 数 非 製 造 業 ISM 指 数 ( 資 料 ) 米 国 サプライマネジメント 協 会 (ISM) 92 76 鉱 工 業 生 産 ( 除 くエネルキ ー) 設 備 稼 働 率 ( 総 合, 右 目 盛 ) ( 資 料 ) 連 邦 準 備 制 度 理 事 会 0 7.4 非 農 業 部 門 雇 用 者 数 失 業 率 ( 右 目 盛 ) ( 資 料 ) 米 国 労 働 省 2 みずほ 米 国 経 済 情 報 (2013 年 5 月 号 )

5 月 の 製 造 業 業 況 は 軟 調 が 続 く 特 別 質 問 では 調 査 対 象 企 業 の 約 1/4が4~6 月 期 に 在 庫 を 減 少 させる 予 定 であると 回 答 6 カ 月 先 の 先 行 きの 業 況 判 断 DIはまちまち 設 備 投 資 判 断 は 上 昇 4 月 の 非 農 業 部 門 雇 用 者 数 は 緩 やかな 増 加 失 業 率 は 低 下 最 も 広 義 の 失 業 率 も 低 下 傾 向 労 働 時 間 は 減 少 した 一 方 賃 金 は 増 加 5 月 の 製 造 業 の 業 況 も 軟 調 だ フィラデルフィア 連 邦 準 備 銀 行 の 製 造 業 調 査 ( 以 下 PHL 調 査 )では 現 状 の 業 況 判 断 DIが 5 月 5.2(4 月 +1.3)と 3 カ 月 ぶりにマイナス 圏 に 転 落 した 個 別 指 数 を 見 ると 新 規 受 注 指 数 が 7.9(3 月 1.0) 出 荷 指 数 が 8.5(3 月 +9.1) 雇 用 指 数 が 5 月 8.7(4 月 6.8)といず れも 低 下 した また ニューヨーク 連 邦 準 備 銀 行 の 製 造 業 調 査 ( 以 下 NY 調 査 ) でも 現 状 の 業 況 判 断 DIが 5 月 1.4(4 月 +3.1)と 4 カ 月 ぶりにマイナス 圏 に 転 落 した 個 別 指 数 をみると 新 規 受 注 指 数 が 5 月 1.2(4 月 +2.2) 出 荷 指 数 が±0.0(4 月 +0.8) 雇 用 指 数 が+5.7(4 月 +6.8)といずれも 低 下 しており PHL 調 査 とあわせて 製 造 業 業 況 の 軟 調 さを 示 した 5 月 のPHL 調 査 では 製 造 業 の 在 庫 動 向 に 関 する 特 別 質 問 を 実 施 した それ によれば 調 査 対 象 企 業 の 58.1%が 現 在 の 在 庫 状 況 について 適 切 であると 回 答 し た 一 方 25.6%が 在 庫 が 積 み 上 がり 過 ぎであり 4~6 月 期 に 減 少 させる 予 定 で ある と 回 答 した 現 状 の 在 庫 指 数 を 確 認 すると PHL 調 査 では 5 月 +4.1(4 月 22.2)と 前 月 から 大 きく 持 ち 直 した 企 業 の 先 行 き 見 通 しを 表 す 指 標 を 見 ると 6 カ 月 先 の 業 況 に 関 する 判 断 DIは NY 調 査 が 5 月 +25.5(4 月 +32.0)と 2 カ 月 連 続 で 低 下 した 一 方 PHL 調 査 は+32.3(4 月 +19.5)と 上 昇 し PHL 調 査 では 4 月 の 大 幅 低 下 を 取 り 戻 す 格 好 となった 他 方 設 備 投 資 判 断 DIはNY 調 査 が 5 月 +22.8(4 月 +20.5) P HL 調 査 が+11.5(4 月 +7.8)と 共 に 上 昇 した 4 月 の 雇 用 統 計 では 非 農 業 部 門 雇 用 者 数 が 4 月 前 月 差 +16.5 万 人 と 緩 やかな 増 加 を 示 した また 2 3 月 実 績 が 上 方 修 正 されたことにより(2 月 +26.8 万 人 +33.2 万 人 3 月 +8.8 万 人 +13.8 万 人 ) 1~3 月 期 の 月 当 り 平 均 増 加 数 は 20 万 人 を 超 える 堅 調 な 推 移 であったことが 確 認 された 4 月 の 非 農 業 部 門 雇 用 者 数 の 内 訳 では 民 間 財 生 産 部 門 で 建 設 業 の 減 少 が 目 立 つが 住 宅 関 連 の 建 設 業 雇 用 は 底 堅 く 下 押 しは 非 住 宅 土 木 建 築 部 門 によるも のだ 民 間 サービス 部 門 では 3 月 に 落 ち 込 んだ 小 売 業 が 持 ち 直 したほか 宿 泊 食 品 サービスの 堅 調 さや 運 輸 倉 庫 業 の 減 少 傾 向 一 服 などを 背 景 に 全 体 とし て 前 月 から 雇 用 者 数 の 増 加 幅 は 拡 大 した 一 方 政 府 部 門 の 雇 用 悪 化 の 継 続 や 民 間 雇 用 DIの 4 カ 月 連 続 の 低 下 (3 月 56.2 4 月 53.9)が 示 すように 民 間 雇 用 の 広 がりが 鈍 っている 点 は 気 がかりだ 失 業 率 は 4 月 7.5%(3 月 7.6%)と 前 月 から 低 下 し QE3を 実 質 的 に 導 入 し た 昨 年 9 月 時 点 における 2013 年 FRB 失 業 率 見 通 し( 中 央 傾 向 値 7.6%~7.9%) の 下 限 を 下 回 った フルタイム 職 が 見 つからず 不 本 意 ながらパートタイム 職 に 就 いている 労 働 者 や 雇 用 難 から 求 職 を 諦 めたディスカレッジドワーカーなども 失 業 者 とみなした 最 も 広 義 の 失 業 率 (U6と 呼 ばれる)は 4 月 13.9%(3 月 13.8%) と 上 昇 したが 均 してみれば 低 下 傾 向 が 続 いている また 長 期 失 業 者 ( 失 業 期 間 が 27 週 以 上 の 失 業 者 )の 数 も 減 少 傾 向 を 維 持 している 4 月 の 週 当 たり 労 働 時 間 ( 農 業 を 除 く 民 間 部 門 )は 34.4 時 間 (3 月 34.6 時 間 ) と 前 月 から 減 少 した 一 方 時 間 当 たり 賃 金 ( 農 業 を 除 く 民 間 部 門 )は 4 月 前 月 比 +0.2%(3 月 同 ±0.0%)と 前 月 から 増 加 した( 図 表 4) 3 みずほ 米 国 経 済 情 報 (2013 年 5 月 号 )

5 月 に 入 ってからの 雇 用 環 境 は 緩 やかに 回 復 5 月 雇 用 統 計 の 参 照 週 にあたる 5 月 12 日 ~5 月 18 日 の 週 の 米 失 業 保 険 新 規 申 請 件 数 は 34.0 万 人 と 前 週 から 改 善 した 4 週 平 均 でみると 2 週 連 続 でほぼ 横 ば いとなり 本 統 計 では 雇 用 環 境 が 緩 やかな 改 善 を 続 けていることが 示 されている 3. 需 要 動 向 : 消 費 は 底 堅 く 住 宅 は 総 じて 回 復 が 継 続 設 備 投 資 には 頭 打 ち 感 3 月 の 実 質 個 人 消 費 支 出 はサービス 消 費 が 牽 引 4 月 小 売 売 上 高 は 底 堅 い 結 果 5 月 の 消 費 の 週 次 統 計 は まちまち 消 費 者 マインド 指 標 は 大 幅 上 昇 株 の 底 堅 さ 住 宅 価 格 の 上 昇 が 下 支 え 3 月 の 実 質 個 人 消 費 支 出 は 前 月 比 +0.3%(2 月 同 +0.3%)と 堅 調 な 伸 びを 続 けた 内 訳 を 見 ると 財 消 費 が 前 月 比 0.3%と 減 少 し 特 に 非 耐 久 財 消 費 が 同 0.4% 減 少 しており 寒 冷 な 天 候 や 雪 害 などに 備 えた 備 蓄 需 要 により 2 月 に 押 し 上 げられたと 見 られる 食 品 飲 料 などが 下 押 しした 一 方 サービス 消 費 は 同 +0.6% と 大 幅 に 増 加 し 寒 冷 な 天 候 を 背 景 に 暖 房 需 要 が 強 まったことによる 電 気 ガス 料 金 支 払 いの 増 加 がけん 引 役 となった 4 月 の 消 費 は 底 堅 い 推 移 が 続 いた 4 月 の 小 売 売 上 高 は 前 月 比 +0.1%(3 月 同 0.5%)と 緩 やかに 拡 大 した( 図 表 5) 業 種 別 で 見 ると 4 月 にガソリン 価 格 が 下 落 したことなどからガソリンスタンド 売 上 高 が 同 4.7%と 減 少 した 一 方 自 動 車 ディーラー 売 上 高 は 同 +1.0%と 増 加 した 4 月 の 新 車 自 動 車 販 売 台 数 (Autodata Corporation)は 前 月 比 で 減 少 ( 年 率 1,492 万 台 前 月 比 2.3%)し ており 新 車 価 格 の 上 昇 ( 消 費 者 物 価 指 数 ベースで 前 月 比 +0.3%)や 中 古 自 動 車 販 売 の 増 加 が 下 支 えした 模 様 だ 4 月 のコア 小 売 ( 自 動 車 ガソリン 建 材 造 園 関 連 を 除 く 小 売 )は 前 月 比 +0.5%(3 月 同 +0.1%)と 堅 調 な 推 移 となった 内 訳 をみると 総 合 小 売 業 無 店 舗 小 売 販 売 衣 料 品 販 売 などが 増 加 した 5 月 に 入 ってからの 消 費 は 週 次 統 計 によってまちまちだ Redbook の 週 間 チェー ン 店 指 数 では 5 月 第 1~3 週 までの 既 存 店 売 上 高 が 前 月 同 期 間 比 +0.5%と 増 加 したことを 示 している 一 方 米 国 際 ショッピングセンター 協 会 (ICSC)の 週 間 チェーン 店 売 上 高 指 数 ( 既 存 店 売 上 高 ベース)は 5 月 に 入 り 軟 調 に 推 移 している 消 費 者 マインド 面 では 5 月 のミシガン 大 学 消 費 者 信 頼 感 指 数 ( 速 報 値 )が83.7 (4 月 確 報 値 76.4) カンファレンスボード 消 費 者 信 頼 感 指 数 が 76.2(4 月 69.0) と 共 に 大 きく 上 昇 した( 図 表 6) 米 国 の 代 表 的 な 株 価 指 数 であるダウ 工 業 株 30 種 平 均 指 数 やS&P500 種 株 価 平 均 指 数 が 過 去 最 高 値 を 更 新 するなど 株 価 は 堅 図 表 4 時 間 当 たり 賃 金 上 昇 率 ( 前 月 比 ) 0.5% 0.4% 0.3% 0.2% 0.1% 0.0% 0.1% ( 資 料 ) 米 国 労 働 省 ( 前 月 比 ) 1.5% 1.0% 0.5% 0.0% 0.5% 図 表 5 小 売 統 計 1.0% ( 資 料 ) 米 国 商 務 省 自 動 車 ( 寄 与 度 ) 除 く 自 動 車 ( 同 ) 85 80 75 70 65 60 図 表 6 消 費 者 マインド (66Q1=100) (1985=100) 80 75 70 65 60 55 12/5 12/11 13/5 ミシカ ン 大 学 カンファレンスホ ート( 右 目 盛 ) ( 資 料 )ミシカ ン 大 学 カンファレンスホ ート 4 みずほ 米 国 経 済 情 報 (2013 年 5 月 号 )

4 月 の 住 宅 着 工 は 大 幅 減 少 しかし 着 工 許 可 の 大 幅 増 は 心 強 い 材 料 建 設 業 者 の 景 況 感 は 5 カ 月 ぶりに 上 昇 4 月 の 新 築 住 宅 販 売 は 増 加 し 回 復 傾 向 を 維 持 4 月 の 中 古 住 宅 販 売 は 頭 打 ちが 続 く 4 月 の 住 宅 在 庫 率 は 新 築 が 横 ばい 中 古 は 上 昇 調 であり 後 述 のように 住 宅 価 格 も 上 昇 が 続 いている こうした 資 産 価 格 の 上 昇 が 消 費 マインドの 下 支 えとなっていると 考 えられる 4 月 の 住 宅 着 工 件 数 ( 米 国 商 務 省 )は85.3 万 件 ( 年 率 以 下 同 じ 前 月 比 16.5%) と 前 月 から 大 幅 に 減 少 した 一 方 住 宅 着 工 件 数 の 先 行 指 標 と 考 えられる 住 宅 着 工 許 可 件 数 は 4 月 100.5 万 件 ( 前 月 比 +12.9%)と 前 月 から 大 きく 増 加 しており 今 後 の 住 宅 市 場 にとって 心 強 い 材 料 だ( 図 表 7) 住 宅 着 工 件 数 の 内 訳 では 集 合 住 宅 着 工 が 24.3 万 件 ( 前 月 比 38.9%)と 大 幅 に 減 少 し 戸 建 て 住 宅 着 工 も 61.0 万 件 ( 前 月 比 2.1%)と 減 少 した 4 大 地 域 別 にみると これまで 堅 調 な 推 移 を 続 けていた 南 部 (40.6 万 件 前 月 比 27.9%) が 大 幅 に 減 少 したほか 西 部 (21.2 万 件 前 月 比 6.2%)や 北 東 部 (8.2 万 件 前 月 比 12.8%)で 軟 調 な 推 移 が 続 いた 一 方 1 月 に 急 減 した 中 西 部 (15.3 万 件 前 月 比 +10.9%)では 落 ち 込 みからの 持 ち 直 しが 続 いている 住 宅 着 工 許 可 件 数 の 内 訳 を 見 ると 集 合 住 宅 の 着 工 許 可 件 数 が 39.1 万 件 ( 同 + 34.4%)と 大 幅 に 増 加 し 戸 建 て 住 宅 の 着 工 許 可 件 数 も 61.4 万 件 ( 前 月 比 +2.5%) と 増 加 した 4 大 地 域 別 にみると 3 月 に 減 少 した 南 部 (51.5 万 件 前 月 比 +14.4%) 西 部 (22.6 万 件 前 月 比 +12.4%) 中 西 部 (16.5 万 件 前 月 比 +18.7%)が 反 発 した 一 方 北 東 部 (9.9 万 件 前 月 比 1.0%)は 前 月 からほぼ 横 ばいとなった 戸 建 て 住 宅 販 売 の 現 状 と 6 カ 月 先 の 見 通 し 見 込 み 客 の 動 向 をもとに 作 成 され ている 住 宅 市 場 指 数 ( 全 米 住 宅 建 設 業 者 協 会 Housing Market Index 0~100 の 範 囲 を 取 り 水 準 が 高 いほど 良 好 )は 5 月 44(4 月 41)と 5 カ 月 ぶりに 上 昇 し た( 図 表 7) 内 訳 をみると 戸 建 て 販 売 の 現 状 指 数 見 通 し 指 数 見 込 み 客 の 動 向 指 数 とのいずれも 指 数 も 上 昇 し 持 ち 直 しの 兆 しが 見 られた 戸 建 て 住 宅 の 需 要 動 向 をみると 4 月 の 新 築 住 宅 販 売 ( 戸 建 て 米 国 商 務 省 ) は 45.4 万 件 ( 年 率 以 下 同 じ 前 月 比 +2.3%)と 前 月 から 増 加 し 回 復 傾 向 を 維 持 した( 図 表 8) 4 大 地 域 別 に 見 ると 2 3 月 と 2 カ 月 連 続 で 減 少 していた 西 部 (12.3 万 件 前 月 比 +10.8%)が 持 ち 直 したほか 南 部 (24.2 万 件 前 月 比 + 3.0%)は 2 カ 月 連 続 で 増 加 した 一 方 2012 年 終 盤 から 堅 調 な 推 移 が 続 いてい た 北 東 部 (3.0 万 件 前 月 比 16.7%)は 減 少 し 中 西 部 (5.9 万 件 前 月 比 4.8%) では 2 月 頃 から 頭 打 ち 感 が 出 始 めている 中 古 住 宅 販 売 ( 戸 建 て 及 び 集 合 住 宅 全 米 不 動 産 協 会 )は 4 月 497 万 件 ( 前 月 比 +0.6%)と 小 幅 増 加 に 留 まった( 図 表 8) 内 訳 を 見 ると 戸 建 て 住 宅 (438 万 件 前 月 比 +1.2%)で 頭 打 ちが 続 いており 集 合 住 宅 (59 万 件 前 月 比 3.3%) は 2 カ 月 連 続 で 減 少 した 4 大 地 域 別 に 見 ると 南 部 (4 月 201 万 件 前 月 比 +2.0%) は 足 踏 み 状 態 が 続 いているほか 北 東 部 (4 月 64 万 件 前 月 比 +1.6%) 西 部 (4 月 120 万 件 前 月 比 +1.7%)で 横 ばい 圏 中 西 部 (4 月 112 万 件 前 月 比 3.4%) でやや 軟 調 な 推 移 となっている 4 月 の 新 築 住 宅 在 庫 率 ( 米 国 商 務 省 )は 4.1 カ 月 (3 月 4.1 カ 月 )と 横 ばいとな り 2005 年 前 半 以 来 の 低 位 推 移 が 続 いている 一 方 中 古 住 宅 在 庫 率 ( 全 米 不 動 産 協 会 )は 5.2 カ 月 (3 月 4.7 カ 月 )と 上 昇 した 5 みずほ 米 国 経 済 情 報 (2013 年 5 月 号 )

住 宅 価 格 は 上 昇 基 調 主 要 な 住 宅 価 格 指 数 ( 以 下 中 古 住 宅 を 対 象 とした 品 質 調 整 済 み 価 格 指 数 )は 足 元 で 持 ち 直 しが 続 いている スタンダード&プアーズ(S&P)/ケース シ ラー 住 宅 価 格 指 数 ( 主 要 10 都 市 圏 ベース)は 3 月 前 月 比 +1.36%(2 月 同 +1.48%) と 上 昇 が 続 き 主 要 20 都 市 圏 を 対 象 とする 指 数 も 3 月 前 月 比 +1.12%(2 月 同 + 1.32%)と 上 昇 を 続 けている 連 邦 準 備 制 度 理 事 会 (FRB)が 注 目 していると 言 われる 米 調 査 会 社 CoreLogic による 住 宅 価 格 指 数 ( 全 米 ベース 差 し 押 さえ 物 件 を 含 む 系 列 )は 3 月 時 点 で 前 月 比 +1.39%(2 月 同 +0.78%)と 上 昇 を 続 け 差 し 押 さえ 物 件 を 除 く 系 列 も 3 月 前 月 比 +1.95%(2 月 同 +1.31%)と 上 昇 傾 向 にある 連 邦 住 宅 金 融 局 (FHFA)による 住 宅 価 格 指 数 ( 全 米 ベース リファイナンスに 伴 う 再 評 価 を 除 く 売 買 取 引 の 価 格 情 報 のみを 対 象 とした 系 列 )は 3 月 時 点 で 前 月 比 +1.28%(2 月 同 +0.88%)と 上 昇 した 設 備 投 資 は 頭 打 ち 感 米 企 業 の 設 備 投 資 は 足 元 で 頭 打 ち 感 が 出 始 めている 一 方 受 注 には 緩 やかな 持 ち 直 しが 見 られる 機 械 関 連 の 設 備 投 資 動 向 を 示 す 非 国 防 資 本 財 ( 除 く 航 空 関 連 )の 出 荷 額 は 4 月 前 月 比 1.5%(3 月 同 +0.5%)と 減 少 し 頭 打 ち 感 が 出 始 めている( 図 表 9) 一 方 新 規 受 注 額 は 4 月 同 +1.2%(3 月 同 +0.9%)と 2 カ 月 連 続 で 増 加 し 大 幅 減 少 となった 2 月 から 緩 やかに 持 ち 直 している 建 設 投 資 は 3 月 に 減 少 事 業 用 の 建 設 投 資 ( 工 場 オフィス 等 住 宅 を 除 く 建 設 支 出 額 米 国 商 務 省 ) は 3 月 前 月 比 1.5%と 減 少 した( 図 表 10) 昨 年 終 盤 にハリケーンの 被 害 からの 復 旧 需 要 と 見 られる 急 増 があった 電 力 関 連 では 反 落 した 1 月 以 降 横 ばい 圏 での 推 移 となっている 一 方 電 力 関 連 を 除 く 建 設 投 資 は 緩 やかな 減 少 傾 向 を 示 して おり 2012 年 半 ば 以 降 の 平 均 的 な 水 準 に 戻 っている 貿 易 赤 字 は 縮 小 米 国 商 務 省 によれば 2013 年 3 月 の 貿 易 収 支 (サービスを 含 む 名 目 )は 388 億 ドル(3 月 436 億 ドル)と 前 月 から 赤 字 幅 が 縮 小 した 内 訳 を 見 ると 輸 出 金 額 が 前 月 比 0.9%(2 月 同 +0.9%)と 減 少 したものの 輸 入 金 額 が 同 2.8%(2 月 同 +0.3%)と 大 きく 減 少 したことが 赤 字 縮 小 に 繋 がった( 図 表 11) 財 輸 入 金 額 の 内 訳 を 見 ると 衣 料 品 や 娯 楽 用 品 などの 消 費 財 コンピューターなどの 資 本 財 原 油 などの 産 業 用 資 材 の 減 少 が 全 体 を 押 し 下 げた 図 表 7 住 宅 着 工 住 宅 市 場 指 数 ( 年 率, 万 件 ) 105 100 95 90 85 80 75 70 55 50 45 40 35 30 25 20 12/3 12/10 13/5 住 宅 市 場 指 数 ( 右 目 盛 ) 住 宅 着 工 件 数 ( 資 料 ) 全 米 住 宅 建 築 業 者 協 会 米 国 商 務 省 50 45 40 35 図 表 8 住 宅 販 売 件 数 ( 年 率, 万 件 ) ( 年 率, 万 件 ) 550 500 450 400 中 古 住 宅 販 売 ( 右 目 盛 ) 新 築 住 宅 販 売 ( 資 料 ) 全 米 不 動 産 協 会 米 国 商 務 省 図 表 9 資 本 財 出 荷 新 規 受 注 ( 年 率,10 億 ト ル) 70 68 66 64 62 いずれも 60 航 空 関 連 を 除 く 58 非 国 防 資 本 財 出 荷 非 国 防 資 本 財 新 規 受 注 ( 資 料 ) 米 国 商 務 省 6 みずほ 米 国 経 済 情 報 (2013 年 5 月 号 )

財 輸 出 金 額 は 均 してみれ ば 踊 り 場 が 続 く 4 月 の 連 邦 財 政 収 支 は 前 年 度 同 月 よりも 黒 字 幅 が 拡 大 財 輸 出 金 額 は 3 月 前 月 比 1.6%と 減 少 し 均 してみれば 踊 り 場 が 続 いている 財 輸 出 金 額 の 内 訳 を 見 ると 幅 広 く 減 少 傾 向 を 示 しており 大 豆 や 飼 料 などが 減 少 した 食 品 飼 料 飲 料 や 石 油 製 品 をはじめとする 産 業 資 材 自 動 車 部 品 や 電 気 機 器 などの 資 本 財 が 全 体 を 押 し 下 げた 地 域 別 の 前 年 比 で 見 ると EU27 カ 国 がマイナス 圏 となり 北 米 中 国 日 本 NIEs( 韓 国 台 湾 香 港 シンガポー ル) 向 けなどが 前 年 比 横 ばい 圏 での 推 移 となっている また OPEC 向 けでは 前 年 比 プラス 幅 が 縮 小 している 財 政 面 では 4 月 の 連 邦 財 政 収 支 が+1,129 億 ドル(3 月 1,065 億 ドル)と 前 年 度 同 月 よりも 黒 字 幅 が 拡 大 した( 前 年 度 同 月 +591 億 ドル) 内 訳 を 見 ると 歳 出 が 2,938 億 ドルと 前 年 度 同 月 (2,597 億 ドル)から 減 少 した 一 方 歳 入 が 4,067 億 ドルと 前 年 度 同 月 (3,188 億 ドル)と 増 加 している また 米 国 議 会 予 算 局 (C BO)によれば 2012 年 4 月 の 連 邦 財 政 収 支 は 2012 年 4 月 1 日 が 日 曜 だったこ とによる 歳 出 支 払 日 のずれ( 暦 効 果 )が 影 響 して 本 来 よりも 黒 字 が 拡 大 した 格 好 となっていた その 為 この 点 を 加 味 すれば 今 月 の 結 果 は 足 元 の 財 政 が 実 績 値 以 上 に 改 善 していることを 示 すものと 言 える 2012 年 10 月 から 始 まった 2013 財 政 年 度 の 累 計 ベースでは 連 邦 財 政 収 支 が 4 月 4,876 億 ドル( 前 年 度 同 月 7,199 億 ドル)と 前 年 度 よりも 赤 字 幅 が 大 幅 に 縮 小 している( 図 表 12) 収 支 の 内 訳 を 見 ると 年 度 累 計 の 歳 出 が 4 月 2 兆 909 億 ドル( 前 年 度 同 月 2 兆 1,031 億 ドル) と 前 年 度 の 水 準 を 下 回 る 一 方 同 歳 入 が 1 兆 6,033 億 ドル( 前 年 度 同 月 1 兆 3,832 億 ドル)と 前 年 度 の 水 準 を 大 きく 上 回 っている 4. 物 価 動 向 : 個 人 消 費 分 野 のコア インフレ 率 は 低 下 傾 向 輸 入 物 価 は 前 年 比 で 下 落 仕 入 れコストの 上 昇 圧 力 は 緩 和 米 国 労 働 省 が 公 表 した 4 月 の 輸 入 物 価 は 前 年 比 2.6%(3 月 同 2.2%)とな り 前 年 比 で 下 落 が 続 いている( 図 表 13) 輸 入 最 終 財 物 価 の 上 昇 率 はマイナス に 転 じており 輸 入 面 からのディスインフレ 圧 力 が 続 いている 米 国 企 業 の 4 月 の 仕 入 れコストの 上 昇 圧 力 は 緩 和 した 模 様 だ ISMの 仕 入 れ 価 格 判 断 DIは 製 造 業 が 4 月 50.0(3 月 54.5) 非 製 造 業 が 51.2(3 月 55.9) といずれも 50 近 傍 まで 低 下 した 図 表 10 非 住 宅 建 設 投 資 ( 年 率,10 億 ト ル) 340 320 300 280 12/3 12/9 13/3 ( 資 料 ) 米 国 商 務 省 図 表 11 輸 出 輸 入 ( 前 月 比 ) 6% 4% 2% 0% 2% 4% 12/3 12/9 13/3 輸 出 輸 入 ( 資 料 ) 米 国 商 務 省 図 表 12 累 積 連 邦 財 政 収 支 (10 億 ト ル) 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 ( 資 料 ) 米 国 財 務 省 10 12 2 4 6 8 ( 月 ) 2013 年 度 2012 年 度 2011 年 度 7 みずほ 米 国 経 済 情 報 (2013 年 5 月 号 )

最 終 財 PPIはインフレ 率 が 低 下 コア 最 終 財 P PIは 落 ち 着 いた 推 移 企 業 の 販 売 価 格 はまちま ちな 動 き CPIは 低 下 その 他 の 基 調 的 な 物 価 変 動 を 表 す 指 標 も 低 下 傾 向 米 国 労 働 省 によれば 4 月 の 最 終 財 生 産 者 物 価 (PPI)は 前 月 比 0.7%(3 月 同 0.6%)となり インフレ 率 は 2 カ 月 連 続 で 低 下 した コア 最 終 財 PPIは 前 年 比 +1.7%となり ディスインフレ 傾 向 には 歯 止 めがかかっている 様 子 だ 前 月 比 では+0.1%(3 月 同 +0.2%)と インフレ 率 は 低 下 した( 図 表 14) 個 別 品 目 では 3 月 に 物 価 が 大 きく 上 昇 した 民 間 航 空 機 で 反 動 減 がでた 格 好 と なったほか 自 動 車 関 連 では 乗 用 車 が4 月 前 月 比 0.4%と 低 下 した Light motor trucks は 4 月 同 0.1%と 落 ち 着 いた 推 移 となっている 企 業 の 販 売 価 格 を 示 す 指 標 の 動 きはまちまちである 連 銀 製 造 業 調 査 の 販 売 価 格 DI( 現 状 判 断 )を 見 ると 5 月 はPHL 調 査 が 3.3(4 月 7.5)とマイナス 幅 が 縮 小 した 一 方 NY 調 査 では+4.6(4 月 +5.7)と 低 下 した CPIは 4 月 前 年 比 +1.1%(3 月 同 +1.5%) コアCPIは 同 +1.72%(3 月 同 +1.89%)といずれもインフレ 率 が 低 下 した( 図 表 15) コアCPIインフレ 率 は 前 年 比 ベースで 2012 年 8 月 から 総 じて 安 定 していたが 足 元 で 低 下 傾 向 を 示 している 他 方 物 価 判 断 の 指 標 として FOMC が 注 目 するコア 個 人 消 費 支 出 (PCE)デフ レーター( 米 国 商 務 省 )は 3 月 時 点 で 前 年 比 +1.13%(2 月 同 +1.29%)となり ディスインフレが 続 いている 食 品 とエネルギーを 含 む いわゆるヘッドライン のPCEデフレーターは 同 +1.0%(2 月 同 +1.3%)と 低 下 した その 他 の 基 調 的 な 物 価 変 動 を 表 す 指 標 も 総 じて 個 人 消 費 関 連 物 価 の 低 下 傾 向 を 示 している 市 場 取 引 ベースのコアPCEデフレーター( 米 国 商 務 省 )は 3 月 前 年 比 +1.31% (2 月 同 +1.41%)とインフレ 率 が 低 下 し 刈 込 平 均 PCEデフレーター(ダラ ス 連 邦 準 備 銀 行 )も 同 +1.43%(2 月 同 +1.53%)とインフレ 率 が 低 下 した 以 上 図 表 13 輸 入 物 価 ( 前 年 比 ) ( 前 年 比 ) 10% 2% 図 表 14 コア 最 終 財 PPI ( 前 月 比 ) ( 前 年 比 ) 0.6% 3% 図 表 15 消 費 関 連 コア 物 価 指 数 ( 前 年 比 ) 2.5% 5% 1% 0.4% 2% 2.0% 0.2% 1% 0% 0% 0.0% 0% 1.5% 5% 1% 輸 入 物 価 うち 最 終 財 ( 右 目 盛 ) ( 資 料 ) 米 国 労 働 省 0.2% 1% ( 資 料 ) 米 国 労 働 省 前 年 比 ( 右 目 盛 ) 前 月 比 1.0% ( 資 料 ) 米 国 労 働 省 コアCPI コアPCEテ フレーター 8 みずほ 米 国 経 済 情 報 (2013 年 5 月 号 )

巻 末 資 料 : 米 国 主 要 経 済 指 標 10Q4 11Q1 Q2 Q3 Q4 12Q1 Q2 Q3 Q4 13Q1 実 質 GDP(% 前 期 比 年 率 ) 2.4 0.1 2.5 1.3 4.1 2.0 1.3 3.1 0.4 2.5 労 働 生 産 性 (% 前 期 比 年 率 非 農 業 部 門 ) 1.3 1.9 0.5 0.2 2.4 0.8 1.6 2.8 1.6 1.2 雇 用 コスト 指 数 (% 前 期 比 ) 0.5 0.5 0.6 0.3 0.4 0.5 0.5 0.5 0.4 0.3 経 常 収 支 (10 億 ドル) 104.7 120.0 119.1 108.2 118.7 133.8 118.4 112.4 110.4 #N/A 名 目 GDP 比 (%) 2.8 3.2 3.2 2.9 3.1 3.5 3.0 2.8 2.8 #N/A 前 月 比 前 年 比 Dec-12 Jan-13 Feb Mar Apr Dec-12 Jan-13 Feb Mar Apr カンファレンスホ ート 景 気 先 行 指 数 (%) 0.4 0.4 0.4 0.2 0.6 1.7 2.2 1.8 1.4 2.3 小 売 売 上 高 (%) 0.5 0.1 1.1 0.5 0.1 2.4 5.9 1.0 1.9 4.5 除 く 自 動 車 (%) 0.3 0.1 1.1 0.4 0.1 2.1 4.8 0.4 1.7 3.0 国 内 自 動 車 販 売 台 数 ( 万 台 年 率 ) *1533 *1522 *1532 *1521 *1487 9.0 14.2 3.7 3.4 8.4 住 宅 着 工 件 数 ( 万 件 年 率 ) *98 *90 *97 *102 *85 48.0 24.4 33.0 45.7 14.8 住 宅 着 工 許 可 件 数 ( 万 件 年 率 ) *94 *92 *95 *89 *101 30.2 33.3 23.4 9.1 41.2 ホームビルダー マーケット 指 数 *47 *47 *46 *44 *41 MBA 購 入 指 数 (%) 3.0 7.4 4.4 5.1 4.3 ミシカ ン 大 消 費 者 センチメント 指 数 (66Q1=100) *73 *74 *78 *79 *76 カンファレンスホ ート 消 費 者 信 頼 感 指 数 (85=100) *67 *58 *68 *62 *69 国 防 を 除 く 資 本 財 出 荷 (%) 0.2 0.8 0.4 2.4 3.0 4.4 2.9 1.5 1.7 0.7 除 く 航 空 機 同 部 品 (%) 0.0 0.5 1.6 0.5 1.5 0.9 3.3 0.2 0.1 2.1 国 防 を 除 く 資 本 財 受 注 (%) 2.4 0.0 9.2 9.0 3.3 7.4 7.1 0.2 0.5 6.2 除 く 航 空 機 同 部 品 (%) 1.9 8.9 4.8 0.9 1.2 4.2 7.2 3.8 0.4 4.7 民 間 建 設 支 出 ( 非 居 住 用,%) 2.8 6.7 0.8 1.5 #N/A 0.0 0.0 0.0 0.0 #N/A 貿 易 収 支 (10 億 ドル) * 38.1 * 44.5 * 43.6 * 38.8 #N/A 実 質 財 貿 易 収 支 (10 億 ドル) * 44.2 * 48.1 * 47.8 * 44.4 #N/A 実 質 財 輸 出 (%) 2.7 1.7 0.3 0.9 #N/A 2.7 1.5 2.2 1.5 #N/A 実 質 財 輸 入 (%) 3.1 1.3 0.0 2.8 #N/A 1.0 0.3 3.5 4.4 #N/A 財 政 収 支 (10 億 ドル) * 1.2 *2.9 * 203.5 * 106.5 *112.9 鉱 工 業 生 産 (%) 0.1 0.1 0.9 0.3 0.5 2.8 2.0 2.4 3.3 1.9 最 終 財 生 産 (%) 0.0 0.4 0.9 0.7 0.6 3.1 2.1 2.4 3.7 2.2 設 備 稼 働 率 (%) *77.8 *77.6 *78.2 *78.3 *77.8 民 間 在 庫 投 資 (10 億 ドル) *4.6 *14.3 *1.0 * 0.6 #N/A 在 庫 率 (カ 月 ) *1.28 *1.30 *1.28 *1.30 #N/A ISM 製 造 業 指 数 *50.2 *53.1 *54.2 *51.3 *50.7 ISM 非 製 造 業 指 数 *55.7 *55.2 *56.0 *54.4 *53.1 NFIB 楽 観 指 数 (1986=100) *88.0 *88.9 *90.8 *89.5 *92.1 フィラテ ルフィア 連 銀 景 況 感 指 数 *4.6 * 5.8 * 12.5 *2.0 *1.3 失 業 率 (%) *7.8 *7.9 *7.7 *7.6 *7.5 非 農 業 部 門 雇 用 者 数 ( 千 人 ) 219.0 148.0 332.0 138.0 165.0 製 造 業 雇 用 者 数 ( 千 人 ) 13.0 14.0 23.0 2.0 0.0 週 平 均 労 働 時 間 ( 時 間 全 従 業 員 ベース) *34.5 *34.4 *34.5 *34.6 34.4 時 間 当 り 賃 金 (% 全 従 業 員 ベース) 0.3 0.1 0.2 0.0 0.2 2.1 2.1 2.1 1.8 1.9 輸 入 物 価 (% 除 く 石 油 関 連 ) 0.1 0.1 0.0-0.1-0.1 0.1 0.2 0.3 0.2 0.3 生 産 者 物 価 最 終 財 コア(%) 0.2 0.2 0.2 0.2 0.1 2.1 1.8 1.7 1.7 1.7 コア 消 費 者 物 価 (%) 0.0 0.0 0.7 0.2 0.4 1.9 1.9 2.0 1.9 1.7 コアPCEデフレーター(%) 0.0 0.2 0.1 0.0 #N/A 1.4 1.4 1.3 1.1 #N/A FF 金 利 誘 導 目 標 ( 末 値,%) *0.13 *0.13 *0.13 *0.13 *0.13 2 年 債 金 利 (%) *0.26 *0.27 *0.27 *0.26 *0.23 10 年 債 金 利 (%) *1.72 *1.91 *1.98 *1.96 *1.76 商 工 業 向 け 銀 行 貸 出 (%) 1.4 1.1 0.5 0.8 0.6 13.0 12.8 11.4 11.5 10.5 不 動 産 向 け 銀 行 貸 出 (%) 0.1 0.3 0.2 0.1 0.2 1.5 1.3 0.3 0.0 0.3 マネーサプライ(%) 1.1 0.4 0.2 0.3 0.6 8.2 7.5 6.9 7.1 6.9 ダウ 工 業 30 種 平 均 ( 末 値 ) *13104.14 *13860.58 *14054.49 *14578.54 *14839.80 NASDAQ( 末 値 ) *3019.51 *3142.13 *3160.19 *3267.52 *3328.79 円 ドルレート( 末 値,\/$) *86.64 *91.28 *92.36 *94.16 *97.52 ドル ユーロレート( 末 値,$/Euro) *1.3186 *1.3584 *1.3079 *1.2816 *1.3168 ( 注 )* 印 は 水 準 ( 資 料 ) 米 国 商 務 省 米 国 労 働 省 米 連 邦 準 備 制 度 理 事 会 カンファレンスボード 米 サプライマネジメント 協 会 (ISM) モーゲージバンカーズ 協 会 (MBA) 米 住 宅 建 築 業 協 会 米 独 立 企 業 連 盟 (NFIB) HAVER ANALYTICS 9 みずほ 米 国 経 済 情 報 (2013 年 5 月 号 )