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レポート 証 券 決 済 とブロックチェーン その 可 能 性 と 課 題 みずほ 証 券 グローバル 戦 略 部 村 松 みずほ 銀 行 証 券 部 調 査 チーム 小 野 健 潔 1.はじめに 今 後 の 金 融 のあり 方 に 大 きな 変 革 を 促 す 動 きとして Fintech( 金 融 (Finance)と 技 術 (Technology)を 掛 け 合 わせた 造 語 であり 主 にITを 活 用 した 革 新 的 な 金 融 サービス 事 業 を 指 す ( 注 1) )が 注 目 されている 特 に 仮 想 通 貨 であるビットコインの 中 核 技 術 であ るブロックチェーンについては 分 散 型 台 帳 ( 注 2) と 関 係 者 の 相 互 承 認 (Proof of Work) 目 次 1.はじめに 2. 証 券 決 済 のポイント 3.ブロックチェーンにおける 証 券 決 済 4.ブロックチェーンによる 証 券 決 済 の 課 題 5.ブロックチェーンの 活 用 に 向 けて を 軸 とした 仕 組 みが 取 引 の 安 定 性 向 上 とコ スト 削 減 に 寄 与 する 可 能 性 が 指 摘 され 様 々 な 金 融 実 務 への 活 用 について 検 討 が 進 んで いるようだ 特 にネットワーク 参 加 者 がそれ ぞれ 台 帳 を 保 有 する 分 散 型 台 帳 との 発 想 は 現 行 の 実 務 の 前 提 となっている 集 約 型 台 帳 と 正 反 対 の 考 え 方 であり 効 率 化 等 の 効 果 が 得 られた 場 合 現 行 制 度 からのコペルニクス 的 転 回 とも 評 価 されよう 本 稿 においては 証 券 決 済 を 題 材 に ブロ ックチェーン 活 用 の 可 能 性 を 探 ると 共 に 現 行 実 務 を 踏 まえた 課 題 と 思 われる 点 につき 考 えてみたい なお ブロックチェーンの 技 術 的 な 内 容 の 詳 細 については 筆 者 能 力 の 及 ぶところではな く 筆 者 の 理 解 の 範 囲 での 記 載 となることに つき 予 めご 容 赦 頂 くと 共 に 本 稿 中 意 見 に 係 る 部 分 は 筆 者 の 個 人 的 な 見 解 であり 筆 者 の 所 属 する 組 織 の 見 解 を 示 すものではないこ 52

( 図 表 1)DVPの 仕 組 みイメージ ( 出 所 ) 筆 者 作 成 とをお 断 りさせて 頂 きたい 2. 証 券 決 済 のポイント まず ブロックチェーンの 活 用 を 念 頭 に 現 行 の 証 券 決 済 の 仕 組 み 考 え 方 のポイント につきご 説 明 したい 証 券 決 済 とは 決 済 の 一 形 態 であり 1 証 券 の 売 り 手 から 買 い 手 への 証 券 の 移 動 と 共 に 2 買 い 手 から 売 り 手 への 資 金 の 移 動 を 伴 うも のである 単 純 な 資 金 の 移 動 が2のみで 一 方 通 行 ( 単 純 型 )であるのに 対 し 証 券 決 済 は 1と2を 包 含 した 双 方 向 の 取 引 ( 価 値 交 換 型 )であることが 特 徴 である また 株 や 債 券 といった 証 券 は 通 貨 単 位 と は 別 に 最 低 売 買 単 位 (たとえば1 億 円 )が 定 められており かつ 投 資 家 も 金 融 機 関 など の 法 人 が 中 心 であることから 小 口 ではなく 大 口 の 取 引 となることが 一 般 的 である 証 券 決 済 は 双 方 向 での 取 引 であるがゆえ に 証 券 が 移 転 したものの 資 金 決 済 が 行 われ ない(もしくはその 逆 )といった 取 りっぱ ぐれ のリスク( 元 本 リスク)を 内 在 してい る 大 口 取 引 であることや 証 券 取 引 が 証 券 の 流 通 市 場 の 存 在 を 前 提 とするものであるこ とを 踏 まえると 証 券 決 済 の 安 全 性 が 確 保 さ れることは 証 券 市 場 成 立 の 大 前 提 と 言 えよ う 一 般 債 振 替 制 度 においては 中 立 的 なガバ ナンス 構 造 を 有 する 株 式 会 社 証 券 保 管 振 替 機 構 が 証 券 決 済 機 関 (CSD, Central Securities Depository)となり 台 帳 の 管 理 を 行 い 台 帳 管 理 の 安 全 性 を 担 保 すると 共 に 制 度 全 般 を 管 理 運 営 している また CSDと 中 央 銀 行 ( 日 本 銀 行 )との 間 でシステム 接 続 等 のリンクを 構 築 し 証 券 の 引 き 渡 し(Delivery, 1)と 資 金 の 支 払 (Payment, 2)を 相 互 に 条 件 付 けして 行 う(Delivery Versus Payment)こ 53

( 図 表 2)パブリック 型 ブロックチェーンにおける 証 券 決 済 イメージ ( 出 所 ) 筆 者 作 成 とで 元 本 リスクを 統 御 している なお 資 金 の 支 払 が 中 央 銀 行 において 行 わ れることは ファイナリティ( 決 済 完 了 性 ) の 観 点 から 重 要 となる 中 央 銀 行 マネーで 決 済 が 行 われることにより 決 済 が 無 条 件 かつ 取 消 不 能 となり 組 み 戻 し 等 の 恐 れがないこ と すなわちファイナリティが 確 保 され 決 済 の 安 全 性 が 確 保 される また 投 資 家 の 匿 名 性 も 重 要 な 論 点 と 思 わ れる 証 券 の 売 買 は 投 資 家 の 相 場 観 や 商 品 によっては 個 別 発 行 体 に 関 する 業 況 判 断 がそ の 前 提 に 存 在 することから 投 資 家 の 匿 名 性 が 維 持 されることが 必 要 となる 以 上 証 券 決 済 の 仕 組 みのポイントをご 説 明 した 以 下 では これを 踏 まえ ブロックチ ェーンにおける 証 券 決 済 の 仕 組 みにつき 考 え てみたい 3.ブロックチェーンにおけ る 証 券 決 済 ブロックチェーンは ノード(Node)と 呼 ばれるコンピューターの 端 末 がブロックチ ェーンのネットワークに 参 加 し かつ それ ぞれに 台 帳 を 保 有 する 分 散 型 台 帳 を 基 本 とし ている 証 券 決 済 においては 各 ノードが 台 帳 を 保 有 し 証 券 の 移 転 に 際 しては Proof of Workと 呼 ばれるノード 間 の 合 意 形 成 作 業 において 合 意 が 為 された 場 合 当 該 証 券 の 移 転 が 承 認 され 台 帳 に 記 載 されることとなる 証 券 決 済 におけるブロックチェーン 活 用 の メリットは 多 様 な 参 加 者 (ノード)の 存 在 を 背 景 とする 安 全 性 と 効 率 性 の 向 上 と 考 え られる 従 来 の 証 券 決 済 制 度 においては 台 帳 が CSDに 集 約 されているため 災 害 等 により 54

( 図 表 3) 一 般 債 振 替 制 度 とブロックチェーンを 活 用 した 場 合 の 比 較 ブロックチェーン 一 般 債 振 替 制 度 パブリック 型 プライベート 型 台 帳 集 約 型 台 帳 分 散 的 台 帳 CSD ( 証 券 保 管 振 替 機 構 ) (なし) (なし 管 理 者 あり) 管 理 残 高 管 理 単 位 毎 管 理 DVP ( 要 検 討 ) コスト 負 担 ルール ( 利 用 者 負 担 ) ( 要 検 討 ) 制 度 参 加 ( 制 約 あり) ( 自 由 ) ( 制 約 あり) ( 出 所 ) 筆 者 作 成 CSDが 被 害 を 受 け 台 帳 の 復 旧 が 困 難 となる ケースが 理 論 上 は 想 定 され 得 る 地 理 的 に 隔 離 されたバックアップオフィスの 整 備 等 によ り 実 際 このようなリスクは 極 小 化 されてい るものの 態 勢 整 備 において 一 定 のコスト 負 担 が 生 じていることは 事 実 であろう 一 方 ブロックチェーンにおいては 参 加 者 の 地 理 的 分 散 等 が 期 待 され 現 行 制 度 との 対 比 では 軽 微 なコスト 負 担 で 安 全 性 と 効 率 性 の 双 方 が 実 現 可 能 である なお 台 帳 の 改 ざんリスク に 関 しても 同 様 の 整 理 が 可 能 と 思 われる ネットワークの 開 放 による 多 様 な 参 加 者 の 存 在 は 分 散 効 果 によるガバナンス 向 上 を 背 景 に ブロックチェーンの 優 位 性 を 構 成 する 革 新 的 部 分 と 言 えよう 一 方 参 加 者 の 悪 意 ある 行 動 により 証 券 市 場 が 混 乱 することを 懸 念 し ノードとしてどのような 主 体 でも 参 加 を 可 能 とすることについて 懸 念 する 向 きも あろう ブロックチェーンの 枠 組 みにおいては 管 理 者 を 設 けず 誰 でもノードとして 参 加 可 能 な パブリック 型 以 外 にも 管 理 者 を 設 け 傘 下 に 一 定 の 選 定 基 準 を 設 けるプライベート 型 (も しくはコンソーシアム 型 )も 存 在 し 証 券 決 済 においては プライベート 型 を 採 用 するこ とも 一 案 かと 思 われる ただし パブリック 型 とプライベート 型 の 違 いに 関 しては 管 理 者 を 設 けるプライベート 型 においては パブ リック 型 との 対 比 で 効 率 性 が 損 なわれること には 留 意 が 必 要 であろう またプライベート 型 における 管 理 者 については その 中 立 性 を 担 保 するために ガバナンス 態 勢 構 築 が 求 め られると 共 に ガバナンスの 維 持 にコストを 要 することは 注 意 すべきと 思 われる 上 述 の 通 り ブロックチェーンの 仕 組 みは 証 券 決 済 との 一 定 の 親 和 性 が 認 められるよう だ では 導 入 においてはどのような 課 題 が あるのだろうか 4.ブロックチェーンによる 証 券 決 済 の 課 題 ブロックチェーンの 証 券 決 済 への 活 用 にお いては 課 題 が 多 いように 思 われる これま 55

で 説 明 した 従 来 の 証 券 決 済 制 度 とブロックチ ェーンを 活 用 した 証 券 決 済 の 仕 組 みを 踏 ま え ここでは ⑴ DVPの 実 現 ⑵ 合 意 形 成 に 関 するインセンティブの 検 討 ⑶ 投 資 家 の 匿 名 性 の 確 保 ⑷ 二 重 譲 渡 と 善 意 取 得 ⑸ その 他 を 取 り 上 げたい ⑴ DVPの 実 現 証 券 決 済 は 双 方 向 性 を 有 しており 証 券 決 済 のみでは 完 結 せず 資 金 決 済 とのリンクが 重 要 であることについては 前 述 の 通 りであ る 一 般 債 振 替 制 度 においては 中 央 銀 行 と の 接 続 により 証 券 決 済 と 資 金 決 済 を 相 互 に 条 件 付 けし 決 済 を 行 うDVPの 仕 組 みを 整 備 し 元 本 リスクを 統 御 している つまり DVPは 証 券 決 済 において 必 要 不 可 欠 な 機 能 である 一 方 ブロックチェーンはそもそも 分 散 型 台 帳 を 前 提 としており 中 央 銀 行 との1 対 1 のリンクには 馴 染 まない 側 面 を 有 している 多 数 の 参 加 者 の 存 在 を 前 提 に 合 意 形 成 の 状 況 を 正 確 かつ 迅 速 に 中 央 銀 行 に 伝 達 するすべ はあるのか 中 央 銀 行 における 資 金 決 済 のタ イミングに 応 じ 証 券 決 済 を 安 全 確 実 に 運 営 することは 可 能 か ( 注 3) といった 点 につき 技 術 面 を 含 め 慎 重 な 検 討 を 要 するだろう ( 注 4) なお DVPの 実 現 のためには 管 理 者 を 設 け 管 理 者 経 由 で 合 意 形 成 を 伝 達 すること が 可 能 なプライベート 型 の 活 用 は 検 討 に 値 す るように 思 われる 一 方 プライベート 型 に おいてもDVP 実 現 の 技 術 面 の 課 題 がなくな るわけではなく 十 分 な 検 討 を 要 することに 変 わりはない ⑵ 合 意 形 成 に 関 するインセンティブ の 検 討 多 様 な 集 合 を 本 質 とするブロックチェーン においては 各 参 加 者 のProof of Workによ り 決 済 の 安 全 性 が 担 保 されていることから Proof of Work 実 施 に 向 けた 各 参 加 者 のイン センティブ 付 けが 必 要 となる ビットコイン においてはProof of Workに 参 加 することで 新 規 のビットコインの 獲 得 が 可 能 となること がインセンティブとなっているようだ 一 方 証 券 決 済 自 体 は 新 たな 価 値 を 生 み 出 すものではない 証 券 決 済 制 度 の 運 営 コスト につき どのような 負 担 が 望 ましいかについ ては 過 去 より 議 論 のあるところではあるが 発 行 体 や 投 資 家 といった 証 券 決 済 制 度 の 利 用 者 ( 受 益 者 )の 負 担 は 不 可 避 であろう 証 券 決 済 におけるブロックチェーンの 導 入 におい ては 利 用 者 間 の 適 正 な 費 用 配 分 ルールと 利 用 者 から 手 数 料 を 徴 収 し 参 加 者 (ノード) に 分 配 する 仕 組 み 作 りが 必 要 だ すなわち 費 用 の 原 資 として ブロックチェーン 活 用 に よる 利 用 者 にコスト 削 減 効 果 が 生 じることが 大 前 提 となる なお 本 件 は プライベート 型 を 活 用 した 場 合 についても 課 題 となろう また 制 度 移 行 に 伴 う 先 行 コストの 位 置 付 け については 十 分 な 議 論 が 必 要 と 思 われる 56

⑶ 投 資 家 の 匿 名 性 の 確 保 前 述 の 通 り 投 資 家 の 匿 名 性 確 保 も 重 要 と なろう 有 価 証 券 取 引 は 一 定 の 場 合 を 除 き 投 資 家 の 匿 名 性 が 重 視 される 世 界 であり 投 資 家 の 相 場 観 やクレジットに 関 する 見 方 が 周 知 のものとなるのは 望 ましくない 一 方 ブ ロックチェーンはすべての 取 引 履 歴 が 参 加 者 間 で 共 有 されることが 前 提 となり 投 資 家 の 匿 名 性 とは 本 質 的 には 相 容 れない 枠 組 みとな っている 技 術 的 に 対 応 可 能 な 面 もあるよう だが ブロックチェーンの 導 入 においては 匿 名 性 の 維 持 に 関 し 投 資 家 の 納 得 のいく 形 での 説 明 が 要 求 されよう ⑷ 二 重 譲 渡 と 善 意 取 得 ブロックチェーンを 活 用 した 証 券 決 済 の 仕 組 みにおいて Proof of Workに 相 応 の 時 間 を 要 することを 踏 まえると 売 り 手 における 事 務 的 なミスを 含 め 二 重 譲 渡 発 生 の 可 能 性 は 排 除 しきれないであろう 二 重 譲 渡 は 一 義 的 には 売 り 手 に 帰 責 するものと 思 われるが ブロックチェーンを 活 用 した 場 合 において も その 可 能 性 が 排 除 できないならば 善 意 取 得 者 である 買 い 手 を 保 護 する 制 度 的 枠 組 み も 必 要 となる ⑶ 投 資 家 の 匿 名 性 確 保 と ⑷ 二 重 譲 渡 については 特 に 技 術 革 新 が 期 待 される 分 野 と 目 され 課 題 解 決 に 向 けた 取 り 組 みに 期 待 したい ⑸ その 他 一 般 債 振 替 制 度 など 従 来 の 証 券 決 済 制 度 と ブロックチェーンは 様 々な 点 で 考 え 方 が 異 なる 面 がある たとえば ブロックチェーンにおける 決 済 は 取 引 毎 にファイナリティ( 完 了 性 )を 有 するとの 考 え 方 に 立 っており 個 別 にProof of Workを 行 い 合 意 形 成 承 認 が 行 われる と 取 消 しやキャンセルといった 処 理 は 行 え なくなることが 想 定 される 一 般 債 振 替 制 度 においては 取 消 しといった 処 理 も 想 定 され ており この 点 については 影 響 について 実 務 的 な 検 討 が 必 要 であろう また 証 券 決 済 においては 連 続 する 取 引 の 中 で 証 券 の 玉 繰 りや 資 金 流 動 性 の 観 点 か ら 取 引 執 行 の 順 序 が 問 われる 局 面 が 存 在 す る CSDにおいて 集 約 型 台 帳 に 基 づく 管 理 が 行 われ 取 引 の 連 続 性 に 配 慮 した 決 済 が 行 わ れる 場 合 は 特 段 問 題 は 生 じなかったが ブ ロックチェーンを 活 用 した 証 券 決 済 において は 取 引 毎 にファイナリティを 有 することが 想 定 される 中 取 引 の 連 続 性 を 勘 案 し 順 序 を 決 めるためのなんらかの 機 能 が 必 要 となるよ うに 思 われる なお 一 般 債 振 替 制 度 等 においては 投 資 家 毎 の 保 有 状 況 すなわち 1 誰 が 2な にを 3いくら 持 っているか といった3 点 を 踏 まえた 残 高 ベースでの 管 理 を 行 ってい る 現 在 ブロックチェーンが 行 っているビッ トコインの 決 済 については 1 誰 が 3い くら 持 っているか といった2 点 の 管 理 を 行 57

っているものと 思 われ 2なにを に 相 当 す る 個 別 証 券 の 銘 柄 の 情 報 の 導 入 については 技 術 的 な 面 を 含 め 検 討 を 要 するのではない か 現 在 の 一 般 債 振 替 制 度 等 においては 最 低 振 替 単 位 (たとえば1 億 円 )が 設 けられてお り 最 低 振 替 単 位 未 満 での 取 引 は 行 えなくな っている また 配 当 や 元 利 金 の 支 払 担 保 や 投 資 家 の 課 税 属 性 確 認 といった 関 連 する 様 々な 処 理 を CSDを 中 心 に 行 っている 側 面 がある なお ユーロクリアといった 国 際 的 な 証 券 決 済 機 関 は 自 身 の 有 する 集 約 型 台 帳 の 情 報 を 用 い トライパーティ レポなど 市 場 に 欠 かせない 多 様 なサービスを 提 供 して いることも 見 逃 せない 事 実 である ブロックチェーンを 活 用 した 場 合 CSD 本 来 の 機 能 である 台 帳 の 管 理 は 分 散 型 台 帳 へと 移 行 することとなるが CSDの 有 する 多 様 な 機 能 をどのように 継 承 していくか その 担 い 手 とインセンティブの 確 保 については 慎 重 な 検 討 を 要 することとなりそうだ 5.ブロックチェーンの 活 用 に 向 けて 本 稿 では 従 来 の 証 券 決 済 制 度 を 踏 まえ ブロックチェーンの 活 用 による 証 券 決 済 の 仕 組 み 作 りについて 考 えた ブロックチェーンの 活 用 により 安 全 性 や 効 率 性 の 向 上 といった 明 確 なメリットが 期 待 さ れる 一 方 DVPの 実 現 や 合 意 形 成 に 関 する インセンティブの 検 討 など 技 術 的 な 点 も 含 めて 課 題 は 多 い プライベート 型 といった 管 理 者 を 特 定 する 枠 組 みの 採 用 は 一 定 程 度 そ のような 課 題 を 軽 減 する 効 果 が 期 待 できそう だが 効 率 性 を 損 なうことや 管 理 者 のガバ ナンス 態 勢 構 築 など ブロックチェーン 活 用 の 本 来 的 な 意 義 を 損 なう 面 を 有 することには 留 意 が 必 要 であろう 証 券 決 済 制 度 は 資 本 市 場 の 根 幹 であり そ の 発 展 は 国 民 の 利 益 と 一 致 する 日 本 では 過 去 より 大 所 高 所 の 判 断 を 踏 まえ 取 引 の 安 全 性 効 率 性 を 高 め 決 済 リスクを 削 減 すべく 現 物 債 からペーパレス 化 を 着 実 に 進 めてきた 経 緯 が 存 在 する 証 券 決 済 におけるブロックチェーンの 活 用 が 国 民 の 利 益 に 資 するものであるかについ ては 未 だ 慎 重 な 判 断 を 要 するものと 思 われ るが 試 行 錯 誤 を 含 め 様 々な 観 点 で 取 り 組 みを 進 めることが 重 要 な 局 面 ではないだろう か ( 注 5) グローバルな 市 場 間 競 争 における 東 京 市 場 の 生 き 残 りや 日 本 の 金 融 ビジネス の 活 性 化 の 意 義 も 認 められよう 市 場 関 係 者 の 着 実 な 取 組 みに 期 待 したい ( 注 1) 決 済 業 務 等 の 高 度 化 に 関 するワーキング グループ 報 告 決 済 高 度 化 に 向 けた 戦 略 的 取 組 み (p2) 金 融 審 議 会 [2015.12.22] ( 注 2) 分 散 型 台 帳 については 分 散 型 元 帳 との 表 記 も 見 られるが 本 稿 においては 分 散 型 台 帳 とした ( 注 3) 一 般 債 振 替 制 度 における 債 券 売 買 に 伴 う 振 替 においては 約 定 照 合 の 結 果 に 基 づき 1 当 該 債 58

券 の 振 替 口 への 振 替 2 日 銀 における 資 金 決 済 3 振 替 口 から 買 い 手 口 座 への 振 替 と3 段 階 を 経 て 行 うこととなる ブロックチェーンを 活 用 した 場 合 においても 安 全 確 保 のため 何 らかのプロ セスが 必 要 となろう ( 注 4) なお 当 初 は 証 券 と 資 金 の 決 済 を 別 々に 行 う FOP(Free of Payment)の 活 用 も 一 考 に 値 しよう 現 在 ブロックチェーンを 活 用 した 証 券 決 済 の 検 討 が 行 われている 事 例 (たとえばNasdaqにおける Nasdaq Linq)が 頻 繁 な 売 買 を 前 提 としない 商 品 性 ( 未 公 開 株 式 など) 中 心 となっていることにつ いては DVPの 実 現 を 含 む 技 術 的 な 課 題 の 重 さを 示 唆 するように 思 われる ( 注 5) 現 在 ポスト トレード 処 理 におけるブロッ クチェーンの 活 用 に 関 する 取 り 組 みが 進 みつつあ ることは 現 実 的 なアプローチとして 注 目 に 値 し よう(たとえば みずほ 銀 行 と 富 士 通 国 境 を 越 えた 証 券 取 引 の 決 済 プロセス 効 率 化 に 向 けた 実 証 実 験 を 実 施 [2016.3.8 プレスリリース]) 1 59