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慶應義塾利益相反対処規程

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03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

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Transcription:

氏 名 : 宮 下 朋 子 学 位 の 種 類 : 博 士 ( 学 術 ) 学 位 記 番 号 : 博 甲 第 28 号 学 位 授 与 の 日 付 : 平 成 26 年 3 月 18 日 学 位 授 与 の 要 件 : 東 京 家 政 大 学 大 学 院 学 位 規 程 第 3 条 第 2 項 該 当 家 政 学 研 究 科 人 間 生 活 学 専 攻 学 位 論 文 題 目 : 気 泡 分 散 系 食 品 の 品 質 と QOL を 高 める 嚥 下 困 難 者 用 食 品 への 提 案 論 文 審 査 委 員 : ( 主 査 ) 教 授 長 尾 慶 子 教 授 岡 純 教 授 岡 田 宣 子 教 授 高 野 貴 子 教 授 飯 塚 堯 介 論 文 の 内 容 の 要 旨 食 品 のおいしさの 重 要 な 要 素 であるテクスチャーは 含 まれる 成 分 や 加 工 方 法 などの 要 因 によって 様 々に 変 化 する 中 でも 食 品 中 に 気 泡 を 含 有 分 散 させた 場 合 外 観 はもとより 食 品 の 物 性 食 感 などが 変 化 し 嗜 好 性 が 向 上 する 本 論 文 では 性 質 の 異 なる 泡 沫 系 食 品 として 鶏 卵 白 (メレンゲ) 自 然 薯 入 り 米 粉 ( 蒸 しパン) 及 び 煮 こごり を 想 定 した 撹 拌 自 然 薯 ゼラチンゲルの 3 種 をとりあげ それぞれの 連 続 相 に 気 泡 を 加 熱 または 冷 却 によって 固 定 分 散 させ 各 食 品 の 物 理 的 性 状 に 及 ぼす 気 泡 の 影 響 と 嗜 好 性 について 検 討 した さらに これら 製 品 を 用 いて 調 製 した 嚥 下 困 難 者 用 食 品 への 利 用 適 性 についても 検 討 を 行 な った 本 論 文 は 以 下 の 4 章 で 構 成 されている 第 1 章 では フレンチメレンゲの 性 状 に 及 ぼす 卵 白 気 泡 の 影 響 を 知 るため 生 フレンチメレンゲ( 以 下 生 メレンゲと 称 す) 中 に 分 散 する 気 泡 の 状 態 と 製 品 の 性 状 を 物 性 試 験 と 官 能 評 価 から 検 討 した さらに 焼 成 フレンチメレンゲ( 以 下 焼 成 メレンゲと 称 す)にとろみ 液 を 混 合 した 製 品 を 調 製 し, 嚥 下 困 難 者 用 食 品 としての 利 用 適 性 を 検 討 した その 結 果 生 メレンゲのテクスチャーは 嚥 下 困 難 者 用 食 品 の 許 可 規 準 ⅡまたはⅢに 該 当 した 焼 成 メレンゲのみかけの 破 断 応 力 では 撹 拌 7 分 の 試 料 が 最 も 低 くなり 砕 けやすいメレンゲとなった また 焼 成 メレンゲにおける 気 泡 総 面 積 と 破 断 応 力 の 間 には r=0.961 の 高 い 相 関 関 係 が 認 められた 上 記 7 分 試 料 にとろみ 液 を 混 合 した 製 品 ( 以 下 とろみ 混 合 メレンゲ と 称 す)は 嚥 下 困 難 者 用 食 品 の 許 可 規 準 Ⅲに 該 当 した 官 能 評 価 の 結 果 でも とろみ 混 合 メレンゲ は 撹 拌 7 分 の 試 料 が 最 も 好 まれた 以 上 のように 加 熱 前 ( 生 ) 及 び 焼 成 後 のメレンゲは 含 有 する 気 泡 量 を 撹 拌 時 間 でコン トロールする 事 で 嚥 下 困 難 者 用 食 品 としての 基 準 に 合 致 した 製 品 の 調 製 が 可 能 となることが 示 唆 さ れた 第 2 章 では 著 者 の 地 元 福 島 県 産 の 粘 りの 強 いヤマノイモ( 自 然 薯 )を 用 いて 撹 拌 時 間 を 変 え ることで 含 有 する 気 泡 量 を 変 えた 各 自 然 薯 試 料 を 米 粉 に 加 えて 蒸 しパン 製 品 を 調 製 し 製 品 中 に 分 散 する 気 泡 の 状 態 が 蒸 しパンの 品 質 に 及 ぼす 影 響 について 検 討 した 次 いでこれらの 自 然 薯 蒸 しパン 1

に 水 を 加 えて 蒸 しパン 粥 を 調 製 し 嚥 下 困 難 者 用 食 品 としての 利 用 適 性 を 検 討 した その 結 果 自 然 薯 蒸 しパン 製 品 の 比 容 積 ( 容 量 / 重 量 )は 撹 拌 時 間 10 分 まで 上 昇 し 膨 化 は 最 大 となった 自 然 薯 蒸 しパンから 調 製 した 自 然 薯 粥 の 官 能 評 価 では 撹 拌 8 分 の 製 品 が 飲 み 込 みやすさ 及 び 味 において 有 意 に 好 まれた 抗 酸 化 能 の 指 標 の 一 つである ORAC 値 は 生 自 然 薯 皮 付 きで 361[μmol TE/100g]の 高 い 抗 酸 化 能 が 明 らかとなったが 自 然 薯 蒸 しパン 及 び 蒸 しパン 粥 にも 抗 酸 化 能 が 認 められ た 今 後 は 副 材 料 を 工 夫 することで 抗 酸 化 能 嗜 好 性 ともに 高 めた 製 品 の 調 製 が 期 待 できる 第 3 章 では 上 記 自 然 薯 の 含 有 気 泡 量 の 異 なる 各 試 料 をゼラチンゾルに 加 えて 自 然 薯 ゼラチン ゲル 試 料 を 調 製 し 製 品 中 に 分 散 する 気 泡 の 状 態 が 製 品 の 品 質 や 熱 移 動 に 及 ぼす 影 響 を 検 討 した その 結 果 を 参 考 にして 自 然 薯 ゲル 製 品 の 嚥 下 困 難 者 用 への 利 用 適 性 について 検 討 した 気 泡 含 有 量 の 指 標 となるみかけ 密 度 は 撹 拌 時 間 10 分 までは 低 下 し その 後 定 常 となった このこ とは 撹 拌 10 分 で 混 入 気 泡 量 が 最 大 となることを 示 している 各 試 料 ゾルを 5 で 冷 却 しゲル 化 する 際 の 内 部 温 度 下 降 速 度 は 撹 拌 時 間 が 長 く 混 入 する 気 泡 量 が 多 くにつれて 緩 慢 になった このことは 気 泡 含 有 自 然 薯 ゲル 製 品 の 調 製 には 十 分 なゲル 化 時 間 をと る 必 要 があることを 示 唆 している 本 研 究 における 調 製 条 件 での 自 然 薯 ゲル 試 料 のテクスチャーは い ずれも 嚥 下 困 難 者 用 食 品 の 許 可 基 準 ⅡないしⅢに 該 当 した 官 能 評 価 では 8 分 の 試 料 は 撹 拌 時 間 の 短 い 2 分 の 製 品 に 比 べて 総 合 評 価 において 高 い 評 価 を 得 ていた 今 後 は 製 品 にだし 汁 や 塩 分 などの 副 材 料 を 添 加 することで 嗜 好 的 にも 好 まれる 惣 菜 料 理 への 利 用 が 期 待 できる 第 4 章 では 本 研 究 で 取 り 上 げてきた メレンゲ 撹 拌 自 然 薯 及 び 煮 凝 り(ゼラチンゾル)に 魚 肉 を 混 合 した 魚 肉 混 合 ムース 製 品 を 調 製 し 製 品 の 嚥 下 困 難 者 用 食 品 としての 適 性 抗 酸 化 性 及 び 嗜 好 性 について 検 討 した その 結 果 タラの 落 とし 身 を 添 加 した タラムース 製 品 のテクスチャーは 嚥 下 困 難 者 用 食 品 の 許 可 基 準 Ⅲに 該 当 していた また ORAC 値 は 583[μmol TE/100g]であり 極 めて 高 い 抗 酸 化 能 を 有 す ることが 認 められた さらに 嗜 好 性 においても 味 総 合 評 価 において 他 の 項 目 より 良 い 評 価 を 得 ており 嚥 下 困 難 者 用 食 品 として 適 することが 示 唆 された 以 上 の 結 果 から タラムース 製 品 は 調 味 料 に 味 噌 を 用 いたり 魚 の 残 渣 部 から 取 った 煮 汁 を 加 えるなどの 嗜 好 面 や 物 性 面 における 工 夫 を 講 じることで 抗 酸 化 能 も 高 く より 満 足 できる 製 品 の 調 製 が 期 待 できる 事 を 明 らかにした 要 約 1) 食 品 に 気 泡 を 含 有 させると 製 品 は 柔 らかくなり 嗜 好 性 の 向 上 に 寄 与 できる 2) 気 泡 含 有 食 品 の 破 断 ( 圧 縮 ) 応 力 もしくは 圧 縮 エネルギーと 気 泡 面 積 は 負 の 高 い 相 関 がみられた 3) 気 泡 含 有 製 品 は いずれも 嚥 下 困 難 者 用 食 品 の 許 可 基 準 に 該 当 し 嚥 下 困 難 者 用 食 品 としての 利 用 適 性 が 確 認 できた 4) 気 泡 含 有 製 品 内 部 における 熱 移 動 速 度 は 内 部 に 混 入 する 気 泡 量 が 増 加 するほど 遅 くなる 傾 向 にあ った 5) より 高 い 嗜 好 性 のある 製 品 抗 酸 化 性 の 高 い 製 品 を 得 るためには 副 材 料 や 調 味 料 のほか 前 処 理 も 必 要 であることが 示 唆 された 本 研 究 で 取 り 上 げた 気 泡 含 有 食 品 の 基 礎 的 性 状 が 明 らかにされたことから 今 後 は これまでに 取 り 上 げた 以 外 の 食 品 にも 対 象 を 広 げることや 加 える 副 材 料 や 調 味 料 前 処 理 などを 工 夫 することで 健 康 機 能 性 や 嗜 好 性 をより 高 め 調 理 の 簡 便 性 も 兼 ね 備 えた 介 護 食 品 の 開 発 実 用 化 へと 発 展 させること を 願 っている 2

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 近 年 の 超 高 齢 化 に 対 処 して 生 活 のあらゆる 分 野 での 高 齢 者 向 けの 技 術 開 発 が 求 められていること は 周 知 のとおりである 食 の 分 野 においては 高 齢 者 にとって 毎 日 摂 食 する 食 事 が 何 にも 増 して 快 適 で 楽 しいものであるこ とが 望 まれることからも 高 齢 化 に 伴 う 摂 食 嚥 下 機 能 の 低 下 に 対 応 した 食 品 の 研 究 と 開 発 が 喫 緊 の 課 題 である そのような 背 景 のもと 本 研 究 は 食 品 中 に 含 有 される 気 泡 に 着 目 し 日 常 的 に 食 べ 慣 れた 食 材 を 用 いて 調 製 時 の 含 有 気 泡 量 をコントロールし 適 切 に 分 散 させることによって 嚥 下 困 難 者 向 けの 食 べ 物 をつくれないかという 意 図 からなされたものである すなわち 本 研 究 では 性 質 の 異 なる 起 泡 分 散 系 食 材 として 鶏 卵 白 (メレンゲ) 自 然 薯 入 りの 米 粉 蒸 しパンならびに 蒸 しパン 粥 及 び 煮 こごりを 想 定 したゲル 製 品 最 後 にそれらを 組 み 合 わせた 応 用 調 理 品 としての 魚 肉 混 合 ムース 製 品 を 創 成 し それぞれの 嚥 下 困 難 者 用 としての 適 性 を 検 討 し ている 測 定 には 物 性 試 験 官 能 評 価 試 験 組 織 の 形 態 学 的 観 察 抗 酸 化 能 評 価 等 多 岐 に 渡 って 実 験 を 行 い 嚥 下 困 難 者 用 食 品 として 利 用 できる 可 能 性 を 提 示 している その 内 容 は 上 記 分 散 系 食 材 ごとに 4 章 にまとめられている 第 1 章 では 完 全 栄 養 食 品 である 鶏 卵 を 対 象 に 起 泡 力 の 高 い 卵 白 を 用 いて 嚥 下 困 難 者 用 食 品 の 許 可 規 準 ⅡまたはⅢに 該 当 するメレンゲの 調 製 条 件 を 決 定 した さらに 保 存 性 を 高 めた 焼 成 メレンゲ とし 嚥 下 用 食 品 としての 利 用 適 性 を 検 討 したものである 生 メレンゲの 研 究 は 多 方 面 から 数 多 くされているが 高 齢 者 を 対 象 とした 焼 成 メレンゲの 研 究 はみ られない 著 者 は 焼 成 メレンゲを 嚥 下 困 難 者 用 としての 視 点 から 取 上 げ テクスチャーとして 嚥 下 困 難 者 用 食 品 の 許 可 基 準 ( 消 費 者 庁 制 定 )と 嗜 好 面 から 官 能 評 価 を 実 施 し 検 討 している すなわち 生 メレンゲを 焼 成 すると 物 性 とテクスチャーが 大 きく 変 化 し 水 を 吸 着 しマシュマロ 状 に 柔 らかくなる 性 質 に 着 目 し 細 かく 砕 いた 焼 成 メレンゲと 市 販 の とろみ 液 を 混 合 した とろみ 混 合 メレンゲ を 調 製 して 嚥 下 困 難 者 用 食 品 としての 許 可 基 準 に 適 合 するかどうかを 検 討 したもの である この 焼 成 メレンゲを 細 かく 砕 き とろみ 液 を 加 えるという 著 者 の 発 想 は 常 識 では 想 像 し がたいものがあり 調 理 する 現 場 の 方 からもなかなか 理 解 されにくい 面 があった しかし マシュマロ 状 の 食 感 で 且 つ 焼 き 風 味 を 有 する とろみ 混 合 メレンゲ 製 品 は テクスチャ ー 試 験 から 嚥 下 困 難 者 用 食 品 の 許 可 規 準 Ⅲに 該 当 した さらに 官 能 評 価 試 験 でも 撹 拌 7 分 の 生 メレ ンゲを 焼 成 した 製 品 が 嗜 好 的 に 最 も 好 ましい 評 価 を 得 ている メレンゲは 幼 児 期 より 食 べ 慣 れた 好 ましい 食 べ 物 である また 市 場 では 卵 黄 が 製 品 に 利 用 され た 後 の 卵 白 は 余 剰 食 材 としてその 用 途 に 苦 慮 していることからも 安 価 で 栄 養 価 に 優 れた 卵 白 を 嚥 下 困 難 者 用 に 活 用 することは 大 いに 期 待 できるものである 第 2 章 では 芋 類 の 中 でも 起 泡 性 があり 粘 りの 強 い 福 島 産 ヤマノイモ( 自 然 薯 )を 対 象 にして 撹 拌 条 件 を 変 えて 含 有 気 泡 量 の 異 なる 自 然 薯 を 米 粉 に 加 えた 自 然 薯 蒸 しパンを 調 製 している さらにそ れをもとに 蒸 しパン 粥 を 調 製 し 嚥 下 困 難 者 用 食 品 としての 適 性 を 検 討 している その 結 果 として 撹 拌 時 間 10 分 の 自 然 薯 で 調 製 した 蒸 しパンの 膨 化 度 が 最 大 となること さらに 3

自 然 薯 蒸 しパンから 調 製 した 蒸 しパン 粥 の 官 能 評 価 で 撹 拌 8 分 の 粥 製 品 が 飲 み 込 みやすさ 及 び 味 にお いて 有 意 に 好 まれることを 報 告 している また 自 然 薯 素 材 そのものに 活 性 酸 素 ペルオキシラジカル に 対 しての 高 い 抗 酸 化 力 があることを ORAC( 活 性 酸 素 吸 収 能 力 ) 法 による 測 定 データから 明 らかに している このように 本 章 で 明 らかにされたことは 日 本 人 の 主 食 である 米 の 活 用 と 高 齢 者 が 好 んで 食 する とろろ 芋 料 理 の 素 材 で 抗 酸 化 力 の 高 い 自 然 薯 とから 作 った 蒸 しパン 並 びに 蒸 しパン 粥 製 品 が 単 に 嚥 下 困 難 者 用 食 品 として 適 する 食 べ 物 であるというだけでなく 高 齢 化 につれて 咀 嚼 や 嚥 下 機 能 の 低 下 してくる 一 般 高 齢 者 用 の 主 食 料 理 (エネルギー 源 )としても 優 れた 食 べ 物 として 推 奨 できることである 第 3 章 では 自 然 薯 ゼラチンゲル 製 品 の 品 質 に 及 ぼす 気 泡 の 影 響 と 嚥 下 困 難 者 用 食 品 への 利 用 適 性 を 検 討 している すなわち 前 述 のごとく 含 有 気 泡 量 を 変 えた 自 然 薯 をゼラチンゾルに 加 え 冷 却 して 得 られた 自 然 薯 ゼラチンゲル 製 品 について 分 散 する 気 泡 の 状 態 が 製 品 の 品 質 や 熱 移 動 に 及 ぼす 影 響 を 検 討 したものである 一 般 に 流 動 しやすいゾル 試 料 の 気 泡 混 入 量 を 測 定 することは 難 しいが 本 章 ではみかけ 密 度 を 測 定 す ることで 含 有 気 泡 量 を 推 定 している その 結 果 自 然 薯 を 撹 拌 時 間 10 分 で 調 製 した 試 料 は みかけ 密 度 が 最 も 低 下 し すなわち 混 入 気 泡 量 が 最 大 になることを 確 認 している それら 気 泡 量 の 異 なる 各 ゾル 試 料 を 5 で 冷 却 し ゲル 化 までの 試 料 内 部 の 温 度 降 下 曲 線 をもとに 緩 和 時 間 を 算 出 し 各 試 料 の 温 度 降 下 速 度 を 比 較 しているが 撹 拌 時 間 を 長 くし 混 入 気 泡 量 が 多 くなるに つれて 温 度 降 下 が 緩 慢 でゲル 化 が 遅 れることを 明 らかにしている この 結 果 は 気 泡 混 入 量 を 多 くし 安 定 した 軟 らかいゲル 製 品 を 得 るには 充 分 な 冷 却 時 間 を 必 要 とすることを 示 唆 するものである さらに 本 実 験 で 撹 拌 時 間 を 変 えた 自 然 薯 ゲル 製 品 のテクスチャーは いずれも 嚥 下 困 難 者 用 食 品 の 許 可 基 準 ⅡまたはⅢに 該 当 することを 確 認 している さらに 製 品 の 嗜 好 性 を 官 能 評 価 試 験 から 検 討 し 撹 拌 時 間 8 分 の 自 然 薯 ゲル 製 品 が 撹 拌 時 間 の 短 い 製 品 に 比 べて 総 合 評 価 で 有 意 に 高 い 評 価 を 得 ているこ とも 明 らかにしている 本 実 験 で 対 象 とした 自 然 薯 ゲル 製 品 は 調 味 料 や 副 材 料 を 全 く 使 用 していないモデル 系 であるため 水 の 代 替 としてだし 汁 や 魚 の 煮 汁 から 得 た 煮 凝 りを 使 用 することや 香 味 野 菜 や 魚 などの 副 材 料 を 選 択 工 夫 することで 嗜 好 性 を 高 め 万 人 に 好 まれる 惣 菜 料 理 への 利 用 が 期 待 できる 第 4 章 では 前 章 までに 各 種 嚥 下 困 難 者 用 食 品 として 検 討 し 得 られた 知 見 を 総 合 した 応 用 調 理 食 品 を 提 案 したものである 著 者 は 日 本 で 日 常 的 に 食 され 健 康 的 にも 優 れている 魚 を 新 たに 素 材 に 取 り 入 れた 嚥 下 困 難 者 用 製 品 を 創 成 している すなわち メレンゲ 及 び 撹 拌 自 然 薯 に 魚 肉 落 とし 身 とその 残 渣 部 から 取 った 煮 汁 ( 冷 却 で 煮 凝 り 化 す る)を 混 合 した 軟 らかいムース 製 品 を 調 製 し テクスチャー 抗 酸 化 能 及 び 嗜 好 面 からの 測 定 を 実 施 し 嚥 下 困 難 者 用 食 品 としての 応 用 適 性 を 検 討 している 実 験 に 先 立 ち 著 者 が 比 較 対 象 に 挙 げたのは 日 本 の 代 表 的 な 魚 肉 練 り 製 品 としての 市 販 はんぺん である しかしながら はんぺん のテクスチャーが 消 費 者 庁 の 定 める 嚥 下 困 難 者 用 食 品 の 規 格 基 準 の 範 疇 に 入 らないものであったことから 食 材 の 配 合 量 が 規 格 基 準 として 適 正 になるように 試 行 錯 誤 しながら 水 分 量 を 工 夫 し 結 果 として 許 可 基 準 Ⅲに 該 当 する 軟 らかい 魚 肉 混 合 ムース 製 品 を 創 成 し ている 4

その ORAC 値 は 583 [μmol TE/100g]であり 市 販 はんぺん の 49-129[ μmol TE/100g]に 比 べ て 非 常 に 高 い 抗 酸 化 能 を 有 する 製 品 を 得 ている 嗜 好 面 では 官 能 評 価 の 総 合 評 価 に 於 いて 良 い 評 価 を 得 ており 嚥 下 困 難 者 用 食 品 として 適 することを 確 認 している さらに 抗 酸 化 能 の 高 い 調 味 料 の 味 噌 を 食 塩 の 代 替 としたり 香 味 野 菜 を 添 加 する 等 の 工 夫 により 嗜 好 物 性 抗 酸 化 面 からも 満 足 できる 製 品 として 提 案 できる 事 が 示 されている 本 研 究 で 得 られた 成 果 は 高 齢 者 用 食 品 の 品 質 を 向 上 させ 摂 食 者 の QOL を 高 める 製 品 としての 貢 献 が 十 分 に 期 待 できる 提 案 された 食 品 が 嚥 下 困 難 者 に 真 に 好 まれる 食 品 となっているのか 否 か 今 後 は 高 齢 者 パネルの 選 定 も 含 めて 一 層 の 研 究 開 発 の 進 展 が 望 まれる 本 論 文 の 内 容 は 筆 頭 著 者 論 文 4 報 (4 月 掲 載 予 定 論 文 1 報 を 含 む) 共 著 英 語 論 文 1 報 が 関 連 学 術 誌 に 報 告 されており それらが 章 立 てされて 構 成 されている 以 上 研 究 課 題 の 設 定 が 時 宜 を 得 たものであること 研 究 手 法 が 多 方 面 にわたり 追 究 された 内 容 で あること 総 括 的 議 論 が 適 切 にされていること 等 に 鑑 みて 審 査 員 一 同 は 本 論 文 が 本 学 の 博 士 号 授 与 に 十 分 に 値 するものと 認 める 5