総 合 政 策 論 叢 第 28 号 (2014 年 9 月 ) 島 根 県 立 大 学 総 合 政 策 学 会 [ 研 究 ノート] 中 ロ 接 近 の 契 機 と 貿 易 拡 大 の 可 能 性 について 劉 張 暁 音 忠 任 はじめに 北 東 アジアの 経 済 情 勢 は 2010 年 3 月 の 韓 国 哨 戒 艦 沈 没 事 件 とくに2012 年 9 月 の 尖 閣 諸 島 ( 中 国 名 : 釣 魚 島 ) 国 有 化 問 題 などにより 大 きく 変 化 して 新 しい 冷 戦 状 況 になっ てきた このようにして 日 中 にはいわゆる 政 冷 経 熱 から 政 寒 経 冷 へと 転 化 して そして 日 本 のTPP 加 入 問 題 などによって 複 雑 化 の 局 面 を 迎 えている とくに 2012 年 の 中 国 の 貿 易 総 額 が 米 国 を 抜 いて 初 めて 世 界 最 大 となったと 同 時 に 日 本 は 中 国 の5 番 目 の 貿 易 パートナーに 落 ちた そして 2013 年 の 日 中 貿 易 は 前 年 比 6.5% 減 ( 日 本 側 統 計 ) となり 日 本 の 対 世 界 輸 出 に 占 める 中 国 のシェアは 米 国 に 抜 かれ5 年 ぶりに 第 2 位 に 落 ち た 貿 易 に 依 存 して 経 済 成 長 を 遂 げてきた 中 国 経 済 に 大 きな 影 響 をもたらすはずであるた め 貿 易 に 新 しい 道 を 求 めることが 必 要 になる また 近 年 ロシアとの 貿 易 の 約 半 分 を 占 める 欧 州 経 済 がマイナス 成 長 になり ロシアはアジア 市 場 を 拡 大 することが 必 要 になる しかし クリミア 問 題 による 対 ロシア 経 済 制 裁 などにより 日 ロ 経 済 関 係 を 発 展 させにく くなるようである このような 国 際 情 勢 は 中 ロ 接 近 の 契 機 となり とくに 中 ロ 貿 易 の 拡 大 を 展 望 することができるかと 考 えられる 本 稿 は 世 界 経 済 情 勢 とくに 北 東 アジア 経 済 情 勢 から 中 国 とロシアの 経 済 概 況 と 貿 易 の 展 開 過 程 を 考 察 し 中 ロ 経 済 関 係 の 特 徴 と 問 題 点 を 分 析 し とくにクリミア 問 題 発 生 後 中 ロ 接 近 の 動 きに 注 目 し 両 国 間 貿 易 拡 大 の 可 能 性 に 着 眼 して その 影 響 を 検 討 しようと している 1. 中 国 とロシアの 経 済 概 況 と 相 互 補 完 性 この 節 で 中 ロ 経 済 の 相 互 補 完 性 を 考 察 した 上 で それが 内 在 的 要 因 として 中 ロ 貿 易 拡 大 の 条 件 となることについて 分 析 する ロシアの 実 質 GDP 成 長 率 は 独 立 国 家 共 同 体 (CIS)が 設 立 された1991 年 から2008 年 まで の 間 平 均 4.6%で 推 移 してきたが 2008 年 の 世 界 金 融 危 機 の 影 響 から2009 年 のGDP 成 長 率 は 7.82%に 落 ち 込 んで 2010~2011 年 には 一 度 4% 台 に 回 復 しても2012 年 より 再 び 低 迷 を 見 せて2013 年 には1.6%に 低 下 した 同 時 期 には 中 国 は 年 平 均 10.5%の 実 質 成 長 率 を 記 録 し ており 世 界 金 融 危 機 以 降 低 下 しても9% 以 上 であって 2012 年 より8% 割 れになったが 7.5% 以 上 であった つまり 同 時 期 には 平 均 して 実 質 GDP 成 長 率 では 中 国 はロシアよ り6% 高 くなっている 名 目 GDP 規 模 では 1992 年 に 中 国 はロシアを 追 い 越 し 1998 年 に ロシアは 中 国 の1/5 以 下 になった 後 起 伏 があっても 2013 年 には1/4 未 満 となっている( 図 1 参 照 ) 63
島 根 県 立 大 学 総 合 政 策 論 叢 第 28 号 (2014 年 9 月 ) 図 1 中 ロのGDPと 成 長 率 の 推 移 ( 億 ドル %) 出 典 : 中 国 統 計 年 鑑 とロシア 連 邦 統 計 局 データにより 作 成 1 人 当 たり 名 目 GDPでは ロシアは 中 国 より 高 くなっており 中 国 との 差 が 縮 小 してき たものの 2013 年 時 点 でロシアは 中 国 の 倍 であった また ロシアの1 人 当 たり 名 目 GDP は 2008 年 に1 万 ドルを 超 えたあと 2009 年 に 世 界 金 融 危 機 の 影 響 で8 千 ドル 台 に 落 ち 込 んだが 2010 年 より 再 び1 万 ドルを 超 え 進 んできて 中 所 得 国 の 水 準 となっている 1) ただ し 2013 年 に 1 人 当 たり 名 目 GDPでは 中 国 とロシアは それぞれ 日 本 の1/6と3/8と なっているので( 図 2 参 照 ) 経 済 成 長 する 余 地 がありそうである また 中 ロにおける 産 業 構 造 には 相 互 補 完 性 が 存 在 する ロシアにとって 中 国 は 軽 工 業 製 品 など 中 国 にとっ て ロシアは 宇 宙 航 行 技 術 精 密 機 器 石 油 化 工 などについて 優 位 性 を 持 っている 2) 比 較 優 位 性 指 数 (Revealed Comparative Advantage)では ロシアの 燃 料 =5.24 鉱 産 品 =4.16; 中 国 の 服 装 =3.84 紡 績 品 =2.64 事 務 室 器 械 と 電 信 設 備 (Office Machines and Telecom Equipment)=2.10であった 3) そして 中 国 では 2008 年 から 形 成 されたバブル の 下 で 2011 年 より 減 速 されており 2013 年 10 月 15 日 中 国 国 務 院 が 公 布 した 生 産 能 力 過 剰 を 解 消 する 政 策 に 関 するガイド 意 見 では 鉄 鋼 セメント 電 解 アルミニウム 板 ガラス 船 舶 等 の5 産 業 において 生 産 過 剰 問 題 が 存 在 することが 示 されている よって これらの 産 業 における 生 産 過 剰 問 題 を 軽 減 するため インフラ 施 設 建 設 を 整 備 しているロ シアへの 輸 出 も 期 待 されている さらには 中 ロには 資 源 の 相 互 補 完 性 もある とくに ロシアは 世 界 でも 有 数 の 原 油 天 然 ガス 産 出 国 である BP 統 計 (2013)によると 2012 年 末 時 点 の 石 油 埋 蔵 量 は872 億 バ レル( 世 界 第 8 位, 世 界 シェアは5.2%) 可 採 年 数 ( 埋 蔵 量 /1 年 あたり 生 産 量 )は22 年 で あり また 天 然 ガス 埋 蔵 量 は32.9 兆 立 方 メートル)( 世 界 第 2 位 世 界 シェアは17.6%), 可 採 年 数 は56 年 である 4) 労 働 力 が 不 足 しているロシアに 対 し 中 国 の 豊 富 な 労 働 力 が 優 位 性 を 持 つ 64
中 ロ 接 近 の 契 機 と 貿 易 拡 大 の 可 能 性 について 図 2 日 中 ロにおける1 人 当 たりのGDPの 推 移 (ドル) 出 典 : 中 国 統 計 年 鑑 およびロシア 連 邦 統 計 局 データにより 作 成 2. 中 ロ 貿 易 の 展 開 と 特 徴 この 節 で これまでの 中 ロ 貿 易 の 特 徴 を 分 析 して 中 ロ 間 貿 易 の 必 要 性 と 問 題 点 を 検 討 する 新 中 国 が 建 国 された1949 年 から1960 年 代 に 中 ソの 政 治 的 対 立 が 激 化 するまでは 中 ソ 貿 易 は 中 国 の 対 外 貿 易 全 体 の 約 50%を 占 めていた 当 時 ソ 連 の 経 済 技 術 援 助 と 機 械 設 備 供 給 は 中 国 の 初 期 工 業 化 において 決 定 的 役 割 を 果 たした ソ 連 にとっても 中 国 は 最 大 の 貿 易 相 手 国 であり 1959 年 にはソ 連 の 対 外 貿 易 全 体 の 約 20%が 中 国 との 貿 易 であった 5) その 後 中 ソ 貿 易 は 劇 的 に 減 少 して 起 伏 があったが シェアが 大 きくならなかった ロシア 連 邦 に 変 わると 1999 年 までは 中 ロ 貿 易 額 は 緩 慢 に 伸 びており 2000~2008 年 には 年 平 均 25.4%の 高 伸 び 率 を 見 せていた 2009 年 には 世 界 金 融 危 機 の 影 響 で 一 度 落 ち 込 んだが その 後 対 前 年 比 は43.3%に 一 躍 した 後 だんだん 低 下 してきており 2013 年 には1.2%になった 中 国 の 温 家 宝 総 理 は2010 年 11 月 に ロシアを 公 式 訪 問 した 訪 問 中 両 国 は 経 済 貿 易 協 力 事 業 などについて 意 見 を 交 換 した 2010 年 の 中 ロ 貿 易 額 年 間 500 億 ドルを 上 回 り 中 国 は 初 めてロシアにとって 最 大 の 貿 易 相 手 となった 中 ロ 貿 易 額 は2011 年 に792.5 億 ドル 2012 年 に881.6 億 ドル 2013 年 に892.1 億 ドルに 増 大 してきた( 図 3 参 照 ) 在 ロシア 中 国 商 業 連 合 会 の 蔡 桂 茹 会 長 によると 中 ロ 間 の 経 済 貿 易 協 力 は 主 にエネルギーなどの 重 工 業 分 野 に 集 中 している 6) また ロシアでは 中 国 製 の 日 用 品 に 対 する 需 要 が 非 常 に 高 いと 思 われ ていた 上 述 した 通 り 中 ロ 貿 易 には 以 下 のような 特 徴 があるとまとめられる (1)1993 年 から2013 年 にかけて 中 ロ 貿 易 の 年 平 均 伸 び 率 は16.5%であったが 33.8% (1994 年 )~44.4%(2007 年 )の 間 に 波 動 していた とくに 中 国 の 対 ロ 輸 出 のほうがさらに 激 しくて 46.9%(2009 年 )~102.8%(2007 年 )の 間 に 乱 高 下 していた( 図 3 参 照 ) (2) 中 ロの 貿 易 地 位 は 非 対 称 である 1993 年 から2013 年 にかけて 中 ロ 貿 易 額 は80 億 ドル 未 満 から900 億 ドルへと 増 加 してきたが 中 ロ 貿 易 額 が 中 国 対 外 貿 易 総 額 に 占 める 比 率 が 小 さくて 2% 前 後 だけで ほぼ 横 ばいとなってきた ロシア 側 の 統 計 によれば ロシアの 65
島 根 県 立 大 学 総 合 政 策 論 叢 第 28 号 (2014 年 9 月 ) 図 3 中 ロ 輸 出 入 の 推 移 ( 億 ドル %) 出 典 : 中 国 統 計 年 鑑 各 年 版 により 作 成 対 中 貿 易 額 がロシア 貿 易 総 額 に 占 める 比 率 が27% 前 後 であって 7) それがロシア 貿 易 総 額 の 1/4を 占 めているため ロシア 経 済 にとっての 重 要 性 はかなり 高 くみられる 2010 年 には 中 国 はロシアの 最 大 の 貿 易 相 手 となったが 貿 易 相 手 先 としてロシアは2011 年 に 中 国 の10 番 手 2012 年 に 中 国 の9 番 手 になっている 8) (3)2006 年 までに 中 ロ 貿 易 には 中 国 にとってずっと 赤 字 であって 2007 年 より 黒 字 に 転 じて その 後 赤 字 と 黒 字 の 交 替 が 見 られて 2013 年 には 約 100ドルの 黒 字 であった ただ し 石 油 などの 天 然 資 源 の 国 際 価 格 上 昇 為 替 レートの 変 化 も 黒 字 になる 原 因 の1つだと 思 われている (4) 中 国 の 対 ロ 輸 出 のほうが 輸 入 よりも 大 きく 伸 びている 1993 年 から2013 年 にかけて 中 国 の 対 ロ 輸 出 の 平 均 伸 び 率 は21.2%であって 対 ロ 輸 入 の 平 均 伸 び 率 は14.7%であった とくに 伸 びに 鈍 化 してきた 中 ロ 貿 易 では 2013 年 に 中 国 の 対 ロ 輸 出 の 伸 び 率 は12.6%であっ て 対 ロ 輸 入 の 伸 び 率 は 10.2%でマイナス 成 長 になった (5) 中 国 の 対 ロ 輸 入 ( 金 額 ベース)では 半 分 以 上 が 燃 料 である 中 国 のエネルギー 消 費 は1990 年 からの20 年 間 で3 倍 以 上 2000 年 から10 年 間 では2 倍 以 上 に 増 え 2009 年 に 世 界 最 大 のエネルギー 消 費 国 となった この 急 速 なエネルギー 需 要 の 増 加 で 国 産 の 原 油 やガ スでは 全 てを 賄 いきれなくなっており 1996 年 に 原 油 で 2008 年 にはガスでの 純 輸 入 国 に 転 じた 石 炭 ですら 世 界 最 大 の 生 産 国 でありながら 原 料 炭 の 不 足 や 内 外 価 格 差 に 起 因 66
中 ロ 接 近 の 契 機 と 貿 易 拡 大 の 可 能 性 について 図 4 中 国 の 対 ロ 輸 入 の 構 成 ( 金 額 ベース) 出 典 : 中 国 経 済 貿 易 年 鑑 により 作 成 して2009 年 に 純 輸 入 国 となった 2011 年 に 中 国 はロシアからのエネルギー 資 源 輸 入 量 は 原 油 は332131.9 万 トン(9.7% 7.3%) 石 炭 763.4 万 トン(6.9% 5.3%) LNG 25.6 万 トン (2.4% 2.1%)に 達 した(カッコ 内 の 比 率 はそれぞれロシアの 輸 出 に 占 める 割 合 中 国 の 輸 入 に 占 める 割 合 ) 9) 中 国 の 対 ロ 輸 入 は 燃 料 に 次 いで 木 材 海 産 品 と 肥 料 である( 図 4 参 照 ) 3. 目 前 の 世 界 経 済 情 勢 と 課 題 この 節 で 変 化 している 国 際 経 済 情 勢 は 外 在 的 な 要 因 として 中 ロ 接 近 の 契 機 となることに ついて 分 析 しておこう 2012 年 は ロシアとの 貿 易 の 約 半 分 を 占 める 欧 州 経 済 がマイナス 成 長 になることや ロ シアの 最 大 貿 易 国 である 中 国 の 経 済 が 減 速 していることから ロシアのGDP 成 長 率 は 低 下 してきて 2013 年 には1.6%に 落 ち 込 んだ 2012 年 8 月 に ロシアは 約 20 年 間 を 経 て つい にWTOに 正 式 に 加 盟 を 実 現 して 当 年 対 EU 輸 出 が6.6% 対 EU 輸 入 が13.7% 増 加 した 2013 年 に 入 り 輸 出 額 の 伸 びが 鈍 化 しており 1~7 月 の 対 EU 輸 出 額 は 前 年 同 期 比 2.2% 増 にとどまった 鈍 化 の 要 因 は 約 4 割 を 占 める 原 油 輸 出 額 の 減 少 であった 原 油 価 格 が 前 年 同 期 比 で 下 落 するとともに 需 要 も 減 少 したため 1~7 月 の 原 油 輸 出 額 は8.2% 減 となっ た 他 方 天 然 ガスは30.2% 増 だった 2013 年 第 1 四 半 期 のころは 寒 さが 続 き ガス 暖 房 用 の 需 要 が 増 加 したためだ ロシアのEUからの 輸 入 額 は 2013 年 に 入 っても 伸 び 率 はほぼ 変 わらず 1~7 月 は 前 年 同 期 比 3.3% 増 となった 特 にイタリアおよびポーランドからの 輸 入 増 が 全 体 の 増 加 に 寄 与 した イタリアからはターボジェットなど 航 空 機 用 部 品 ポーラ ンドからはリンゴ 車 両 用 エンジン 冷 凍 冷 蔵 庫 類 などの 輸 入 が 増 加 した 10) しかし 2014 年 2 月 に 起 きたウクライナ 問 題 による 対 ロ 制 裁 が3 月 からスタートして 米 国 はロシア 政 府 関 係 者 の 渡 航 禁 止 や 資 産 凍 結 などの 制 裁 措 置 を 発 動 し EUも 段 階 的 制 裁 67
島 根 県 立 大 学 総 合 政 策 論 叢 第 28 号 (2014 年 9 月 ) を 決 議 した 3 月 18 日 に 日 本 も 歩 調 を 合 わせ 経 済 制 裁 の 発 動 に 踏 み 切 って ロシアへの 経 済 制 裁 を 決 定 し ビザ 緩 和 協 議 の 停 止 や 新 投 資 協 定 や 宇 宙 協 定 など3つの 新 たな 日 ロ 協 定 の 締 結 交 渉 開 始 凍 結 が 含 まれている このような 経 済 制 裁 が 進 んだら 最 悪 のケースは 経 済 封 鎖 によるロシアの 完 全 孤 立 化 も 想 像 される 11) しかし ロシアは 世 界 最 大 の 天 然 ガス 産 出 国 であるなど 資 源 大 国 であり 欧 州 はもとより 日 本 とも 資 源 エネルギー 分 野 で 関 係 は 深 い ウクライナ 危 機 の 経 済 的 影 響 についても 今 後 の 対 ロ 制 裁 がガス 禁 輸 などの 強 硬 措 置 へ 拡 大 されるかで 大 きく 左 右 される ただし もし 日 本 が 米 欧 の 対 ロ 制 裁 と 軌 を 一 にせず 独 自 の 行 動 を 取 れば 一 気 に 中 国 にその 隙 を 突 か れてしまうだろう ここは 日 本 としては 追 随 と 言 われようとなんと 言 われようが ロ シア 制 裁 という 米 欧 の 動 きに 強 調 して 行 動 するしかないのであると 思 われている 12) したがって ロシアは 欧 米 と 日 本 との 貿 易 は 特 に 拡 大 が 期 待 されなくなるが 経 済 封 鎖 によるロシアの 完 全 孤 立 化 については 可 能 性 が 薄 いと 思 われる 経 済 制 裁 はロシアにとって 特 に 輸 出 への 影 響 が 大 きい ロシアの 輸 出 額 の 品 目 別 割 合 は 燃 料 鉱 物 類 が71.4%を 占 め 引 き 続 き 圧 倒 的 主 要 輸 出 品 目 であり 石 油 天 然 ガス を 中 心 としたエネルギー 資 源 の 輸 出 に 大 きく 偏 った 輸 出 構 造 になっている( 図 5 参 照 ) 13) 現 在 ロシア 経 済 は 燃 料 鉱 物 類 に 過 度 に 依 存 しているため 持 続 的 な 経 済 発 展 をする には 天 然 資 源 頼 みの 経 済 から 脱 し 経 済 構 造 の 多 角 化 をしなければならないと 思 われて いるが 今 の 段 階 で 新 たに 輸 出 市 場 を 拡 大 すべきである 可 能 な 対 象 輸 出 先 は 中 国 である もともと 日 本 は 日 中 関 係 および 日 韓 関 係 の 悪 化 などによってロシアとの 経 済 関 係 に 興 味 があり 2013 年 の 日 ロ 貿 易 額 は 過 去 最 高 で3 兆 円 を 突 破 した( 輸 出 6% 増 輸 入 39% 増 ) が ウクライナ 問 題 によるロシア 制 裁 は 日 ロ 接 近 の 道 を 阻 害 している 図 5 ロシア 輸 出 の 構 成 ( 金 額 ベース) 出 典 : 北 東 アジア 経 済 データブック (2013)により 作 成 68
中 ロ 接 近 の 契 機 と 貿 易 拡 大 の 可 能 性 について 図 6 中 国 の 輸 出 入 と 輸 出 依 存 度 の 推 移 (ドル %) 出 典 : 中 国 統 計 年 鑑 各 年 版 により 作 成 中 国 は1978 年 からスタートした 改 革 開 放 以 来 輸 出 に 依 存 して 経 済 成 長 を 遂 げてきた ( 図 6 参 照 ) 2012 年 より 中 国 の 輸 出 が 鈍 化 して 減 速 の 主 要 な 要 因 となる 2013 年 に 入 る と 2 月 に 輸 出 額 は1,141 億 ドル( 前 年 同 期 比 18.10%) 3 月 に 輸 出 額 は1,701 億 ドル( 前 年 同 期 比 6.60%)であった 中 国 の 輸 出 低 下 になる 要 因 の1つは 日 中 関 係 の 悪 化 である 中 国 税 関 のデータによると 2013 年 には 中 日 貿 易 総 額 が5.1% 減 少 して そのうち 対 日 本 輸 入 は8.7% 対 日 本 輸 出 が0.9% 減 少 した 2014 年 1 月 に 発 表 された 日 本 財 務 省 貿 易 統 計 ( 円 ベース 輸 出 は 確 報 値 輸 入 は 速 報 値 ) をジェトロがドル 建 て 換 算 したところ 2013 年 の 日 中 貿 易 は 総 額 3,119 億 9,518 万 ドル( 前 年 比 6.5% 減 )と 2 年 連 続 の 減 少 となった 輸 出 入 別 では 輸 出 が1,298 億 8,328 万 ドル( 同 10.2% 減 ) 輸 入 が1,821 億 1,190 万 ドル( 同 3.7% 減 )となり 貿 易 収 支 は 日 本 側 の522 億 2,863 万 ドルの 赤 字 となった なお 日 本 の 対 世 界 輸 出 は7,193 億 3,221 万 ドルと 前 年 比 10.2% 減 少 となった 日 本 の 対 世 界 輸 出 の 増 減 に 対 する 中 国 の 寄 与 度 はマイナス1.9%と 単 一 国 としては 最 大 となり 対 中 輸 出 の 減 少 が 日 本 の 輸 出 減 少 の 主 因 と 思 われる 日 本 の 対 世 界 貿 易 における 中 国 のシェア は 貿 易 総 額 (シェア20.0%)と 輸 入 額 ( 同 21.7%)は 引 き 続 き 第 1 位 であるが 輸 出 ( 同 18.1%)は 2008 年 以 来 5 年 ぶりに 米 国 ( 同 18.5%)に 抜 かれ2 位 に 順 位 を 落 とした そして 将 来 日 本 のTPP(Trans-Pacific Partnership= 環 太 平 洋 戦 略 的 経 済 連 携 協 定 ) 加 入 も 日 中 接 近 の 原 因 となる 2010 年 10 月 よりTPPは 中 国 を 除 外 する 形 でアメリカ 主 導 の 下 に 急 速 に 推 し 進 められてきた それは 中 国 を 除 外 し 日 本 をアジアから 脱 離 させ 北 東 アジ ア 経 済 にもそして 東 アジア 経 済 にも 遠 心 力 主 導 の 時 代 に 入 っているだろうと 思 われる 14) そ れは 世 界 経 済 規 模 2 位 の 中 国 と 世 界 経 済 規 模 3 位 の 日 本 との 接 近 には 障 壁 を 設 けることを も 意 味 する したがって 中 国 も 新 たに 輸 出 市 場 を 拡 大 すべきであり 可 能 な 対 象 輸 出 先 はロシアで ある 69
島 根 県 立 大 学 総 合 政 策 論 叢 第 28 号 (2014 年 9 月 ) また 世 界 最 大 のエネルギー 消 費 国 となった 中 国 にとってはロシアからの 燃 料 も 必 要 で ある 中 国 とロシアはすでに 接 近 している 中 ロ 政 府 は2014 年 5 月 にロシアから 中 国 への 天 然 ガス 供 給 に 係 る 契 約 を 締 結 した 15) これは10 年 以 上 滞 っていた 天 然 ガスの30 年 の 供 給 契 約 で あった 確 かに 中 国 にとってロシアはエネルギー 木 材 その 他 の 資 源 供 給 国 として また 消 費 物 資 や 工 業 製 品 の 輸 出 国 として 重 要 な 相 互 補 完 性 を 有 する ところが エネルギーなどの 資 源 輸 出 で 経 済 的 に 潤 ったロシアは 資 源 輸 出 に 依 存 した 経 済 構 造 で 後 進 国 型 として 危 険 性 を 自 覚 して 資 源 依 存 型 からの 脱 却 を 国 家 戦 略 とした この 戦 略 転 換 は 中 ロの 経 済 関 係 に 大 きな 影 響 を 及 ぼしており ロシアは 現 在 の 中 ロ 貿 易 構 造 とその 傾 向 に 警 戒 心 を 持 つ よって 中 ロは 接 近 しても 貿 易 を 拡 大 する 道 はどうなるかも 懸 念 される なお 対 ロシア 経 済 制 裁 は 中 国 にリスクをもたらす 可 能 性 もある とくに ロシアの 約 5,000 億 ドルの 外 貨 準 備 には ドルとユーロはそれぞれ46%と41%を 占 めている 欧 米 はロ シアの 外 貨 資 産 を 凍 結 すれば 中 国 への 支 払 いもできなくなることも 可 能 になる また 中 国 とロシア 間 の 貿 易 業 務 の 多 くはルーブル 建 てで 決 済 されているので ロシアの 外 貨 資 産 凍 結 についてリスクが 低 くみられるが 対 ロシア 経 済 制 裁 によってルーブルが 大 幅 に 安 く なったら 中 国 の 対 ロ 輸 出 に 不 利 になる 恐 れもある 16) 中 ロ 接 近 によって 北 東 アジアにおける 経 済 関 係 は 再 編 成 になる これまで 日 中 韓 の 経 済 協 力 はもちろん 環 日 本 海 経 済 圏 もASEAN+3も 東 アジア 共 同 体 も 進 まなかった この ようにして 中 国 はロシアへ 接 近 するし 日 本 は 日 中 関 係 の 悪 化 やTPPに 加 入 することに し ぶ ん ご れ つ よって 北 東 アジア 経 済 関 係 は 四 分 五 裂 になるだろう むすびにかえて 本 稿 を 通 じて 明 らかになった 点 はおよそ 以 下 のとおりである 北 東 アジアの 経 済 情 勢 は 2010 年 3 月 より 大 きく 変 化 して 新 しい 冷 戦 状 況 になっ て 日 中 関 係 も 政 冷 経 熱 から 政 寒 経 冷 へと 転 化 し 日 中 貿 易 額 は 減 少 して 輸 出 に 依 存 して 経 済 成 長 を 遂 げてきた 中 国 は 新 たに 国 際 市 場 を 開 拓 する 必 要 がある 近 年 ロシアとの 貿 易 の 約 半 分 を 占 める 欧 州 経 済 がマイナス 成 長 になり そしてウクライ ナ 問 題 による 対 ロシア 経 済 制 裁 などにより ロシアは 欧 米 市 場 を 確 保 しにくくなる 対 ロ シア 経 済 制 裁 も 日 ロ 経 済 関 係 の 発 展 を 阻 害 する ロシアも 新 たに 国 際 市 場 を 拡 大 すること が 必 要 になる また 国 際 市 場 拡 大 を 狙 った 中 ロには 経 済 の 相 互 補 完 性 は 強 く 中 国 の 低 コストな 製 造 業 と ロシアの 豊 富 な 自 然 資 源 はお 互 いにとって 必 要 である そして 中 国 の 経 済 減 速 によって 鉄 鋼 セメント 電 解 アルミニウム 板 ガラス 船 舶 等 の5 産 業 において 生 産 過 剰 になる これらの 産 業 の 生 産 過 剰 問 題 を 軽 減 するため インフラ 施 設 建 設 を 整 備 して いるロシアへの 輸 出 を 拡 大 することも 中 国 が 期 待 される とくに 中 ロ 間 天 然 ガスの 供 給 協 議 に 調 印 したことで ロシアは 中 ロ 天 然 ガスパイプ ライン 東 線 を 用 い 2018 年 から30 年 間 天 然 ガスを 中 国 に 供 給 するとされる この 供 給 量 はロシアの 天 然 ガス 輸 出 量 の 約 2 割 を 占 めるそうである それによって 東 シベリア 開 発 などの 主 導 権 が 中 国 に 握 られれば 日 本 のエネルギー 戦 略 にも 影 響 が 出 るおそれがあると 70
中 ロ 接 近 の 契 機 と 貿 易 拡 大 の 可 能 性 について 思 われている 以 上 のような 国 際 経 済 情 勢 は 外 在 的 な 要 因 として 中 ロ 接 近 の 契 機 となり 中 ロ 経 済 の 相 互 補 完 性 は 内 在 的 要 因 として 中 ロ 貿 易 拡 大 の 条 件 となるため 中 ロ 経 済 の 新 展 開 は 必 然 に なりそうである なお 期 待 された 日 中 韓 の 経 済 協 力 関 係 構 築 が 進 んでおらず 中 ロ 接 近 によって 北 東 ア ジアにおける 経 済 関 係 を 再 編 成 する 時 期 を 迎 えるだろう 注 1) 一 般 に 中 所 得 国 は 1 人 当 たりのGDPが3 千 ドルから1 万 ドル 程 度 の 国 を 指 している 2) 李 艶 中 ロ 貿 易 の 相 互 補 完 性 と 発 展 対 策 に 関 する 研 究 対 外 貿 易 2013 年 第 4 号 3) 楊 希 燕 王 笛 中 ロ 貿 易 の 相 互 補 完 性 の 分 析 世 界 経 済 研 究 2005 年 第 7 号 4) 栗 田 抄 苗 ロシアの 石 油 ガス 東 方 戦 略 経 済 学 研 究 63-2 2014 年 1 月 5) 小 川 和 男 中 国 と 旧 ソ 連 ロシアとの 新 しい 経 済 関 係 スラヴ 研 究 (Slavic Studies) 第 41 号 1994 年 6) 中 国 国 家 エネルギー 局 国 際 協 力 司 の 顧 駿 副 司 長 は 中 ロのエネルギー 分 野 における 協 力 は 原 油 天 然 ガス 電 力 石 炭 原 子 力 エネルギー 再 生 可 能 エネルギーなどにおよび 協 力 の 仕 方 も 貿 易 から 資 源 探 査 開 発 パイプラインの 建 設 事 業 請 負 合 弁 協 力 へと 広 がっている と 話 した 人 民 網 日 本 語 版 2010 年 11 月 22 日 による 7) 中 ロ 貿 易 額 について 中 国 側 の 統 計 とロシア 側 の 統 計 の 食 い 違 いが 存 在 しており また 年 々 大 きく なっていると 指 摘 されている 封 安 全 中 ロ 貿 易 統 計 の 分 析 両 国 統 計 の 食 い 違 いを 中 心 に 比 較 経 済 研 究 第 45 巻 第 2 号 をご 参 照 8) 李 元 偉 中 ロ 貿 易 の 問 題 点 と 対 策 に 関 する 研 究 現 代 商 貿 工 業 2014 年 第 3 号 9) 酒 井 明 司 ロシアと 中 国 エネルギー 資 源 での 関 係 アナリシス Vol. 46 No. 4 2012 年 7 月 10) 日 本 貿 易 振 興 機 構 (ジェトロ) 海 外 調 査 部 欧 州 ロシア CIS 課 欧 州 企 業 の 対 ロシアビジネスの 現 状 2014 年 2 月 (http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07001571/07001571.pdf) 11) 本 村 真 澄 ウクライナ 情 勢 がさらに 悪 化 すると 影 響 甚 大 東 洋 経 済 オンライン 2014 年 3 月 10 日 12) 中 西 輝 政 クリミアと 尖 閣 は 表 裏 一 体 日 米 同 盟 の 緊 密 化 が 世 界 秩 序 を 維 持 する WEDGE June Vol. 26 No. 6 13) 環 日 本 海 経 済 研 究 所 北 東 アジア 経 済 データブック (2013)を 参 照 14) 張 忠 任 東 アジア 経 済 協 力 における 三 つの 可 能 性 について 北 東 アジア 研 究 別 冊 第 2 号 2013 年 および 張 忠 任 北 東 アジア 経 済 関 係 における 向 心 力 と 遠 心 力 復 旦 大 学 国 際 問 題 研 究 院 島 根 県 立 大 学 合 同 国 際 シンポジウム 論 文 2013 年 7 月 15)その 経 緯 については RIAノーボスチ 通 信 の 報 道 によると ロシアのガスプロムは アレクセ イ ミレル 取 締 役 会 長 と 中 国 石 油 天 然 気 集 団 公 司 ( 中 石 油 )の 周 吉 平 董 事 長 は29 日 にモスクワで 会 談 を 行 った ロシアが 東 パイプラインを 通 じ 中 国 に 向 けて 天 然 ガスを 供 給 する 契 約 の 準 備 計 画 のプロ セスについて 話 し 合 った と 発 表 した その 後 中 国 国 営 新 華 社 通 信 は 5 月 21 日 に 国 有 石 油 大 手 の 中 国 石 油 天 然 ガス 集 団 (CNPC)がロシア 政 府 系 大 手 ガスプロムと 年 間 380 億 立 方 メートルの 東 シ ベリア 産 天 然 ガスを パイプライン 経 由 で2018 年 から30 年 間 にわたって 輸 入 する 契 約 に 同 日 調 印 した と 報 じた 16) 陶 冶 欧 米 制 裁 の 中 ロ 貿 易 への 影 響 について 金 融 時 報 2014 年 4 月 2 日 71
島 根 県 立 大 学 総 合 政 策 論 叢 第 28 号 (2014 年 9 月 ) 参 考 文 献 大 澤 正 治 東 アジア 共 同 体 への 道 筋 図 們 江 流 域 開 発 の 経 験 地 域 研 究 2011 年 8 月 号 小 川 和 男 中 国 と 旧 ソ 連 ロシアとの 新 しい 経 済 関 係 スラヴ 研 究 (Slavic Studies) 第 41 号 1994 年 環 日 本 海 経 済 研 究 所 北 東 アジア 経 済 データブック (2013) 環 日 本 海 経 済 研 究 所 2013 年 牛 福 蓮 対 ロ 貿 易 を 推 進 するための 制 度 障 壁 除 去 について 全 国 人 大 代 表 黒 竜 江 省 省 黑 河 市 張 恩 亮 市 长 インタビュー 中 国 経 済 時 報 2014 年 3 月 5 日 栗 田 抄 苗 ロシアの 石 油 ガス 東 方 戦 略 経 済 学 研 究 63-2 2014 年 1 月 酒 井 明 司 ロシアと 中 国 エネルギー 資 源 での 関 係 アナリシス Vol. 46 No. 4 2012 年 7 月 杉 山 秀 子 中 露 国 境 経 済 とロシア 少 子 化 問 題 駒 澤 大 学 外 国 語 論 集 第 14 号 2013 年 3 月 張 忠 任 環 日 本 海 経 済 圏 : 回 顧 と 展 望 環 日 本 海 研 究 第 4 号 1998 年 10 月 張 忠 任 東 アジア 経 済 協 力 における 三 つの 可 能 性 について 北 東 アジア 研 究 別 冊 第 2 号 2013 年 張 忠 任 北 東 アジア 経 済 関 係 における 向 心 力 と 遠 心 力 復 旦 大 学 国 際 問 題 研 究 院 島 根 県 立 大 学 合 同 国 際 シンポジウム 論 文 2013 年 7 月 中 国 国 務 院 生 産 能 力 過 剰 を 解 消 する 政 策 に 関 するガイド 意 見 ( 国 発 2013 41 号 )2013 年 10 月 15 日 陶 冶 欧 米 制 裁 の 中 ロ 貿 易 への 影 響 について 金 融 時 報 2014 年 4 月 2 日 中 西 輝 政 クリミアと 尖 閣 は 表 裏 一 体 日 米 同 盟 の 緊 密 化 が 世 界 秩 序 を 維 持 する WEDGE June Vol. 26 No. 6 日 本 貿 易 振 興 機 構 (ジェトロ) 海 外 調 査 部 欧 州 ロシア CIS 課 欧 州 企 業 の 対 ロシアビジネスの 現 状 2014 年 2 月 (http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07001571/07001571.pdf) 封 安 全 中 ロ 貿 易 統 計 の 分 析 両 国 統 計 の 食 い 違 いを 中 心 に 比 較 経 済 研 究 第 45 巻 第 2 号 (2008 年 6 月 ) 本 村 真 澄 ウクライナ 情 勢 がさらに 悪 化 すると 影 響 甚 大 東 洋 経 済 オンライン 2014 年 3 月 10 日 (http://toyokeizai.net/articles/-/32534?page=3) 楊 希 燕 王 笛 中 ロ 貿 易 の 相 互 補 完 性 の 分 析 世 界 経 済 研 究 2005 年 第 7 号 李 艶 中 ロ 貿 易 の 相 互 補 完 性 と 発 展 対 策 に 関 する 研 究 対 外 貿 易 2013 年 第 4 号 李 元 偉 中 ロ 貿 易 の 問 題 点 と 対 策 に 関 する 研 究 現 代 商 貿 工 業 2014 年 第 3 号 ロシア 連 邦 統 計 局 ホームページ(http://www.gks.ru/wps/wcm/connect/rosstat_main/rosstat/en/main/) キーワード: 中 ロ 接 近 貿 易 拡 大 相 互 補 完 性 天 然 ガス 日 中 関 係 (Liu Xiaoyin, Zhang Zhongren) 72