Microsoft PowerPoint - 231117総合演習(シクロスポリン相互作用)委員

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目次

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平成24年度 福島県患者調査の概況(厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健社会統計課 保健統計室:H )

デュアック 配 合 ゲル に 係 る 医 薬 品 リスク 管 理 計 画 書 (RMP)の 概 要 販 売 名 デュアック 配 合 ゲル 有 効 成 分 クリンダマイシンリン 酸 エステ ル 水 和 物 / 過 酸 化 ベンゾイル 製 造 販 売 業 者 株 式 会 社 ポーラファルマ 薬 効 分

○医療用医薬品の使用上の注意記載要領について

人 間 ドックコース( 脳 検 査 がん 検 査 含 む) 298,000 円 / 税 込 その 他 肥 満 症 やせ 症 高 / 低 血 圧 近 視 乱 視 白 内 障 緑 内 障 網 膜 疾 患 外 部 の 音 を 遮 断 したブースで 音 を 聞 き 取 って 調 難 聴 腹 部 超 音 波

認 定 看 護 師 専 門 看 護 師 集 中 ケア 新 生 児 集 中 ケア A 呼 吸 ケアチーム 加 算 150 点 呼 吸 ケアチームの 設 置 救 急 看 護 小 児 救 急 看 護 慢 性 呼 吸 器 疾 患 看 護 急 性 重 症 患 者 看 護 A 247 認 知 症

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社 内 資 料 ムルキナ 点 眼 液 0.1%の 生 物 学 的 同 等 性 について Ⅰ. 要 旨 プラノプロフェン 0.1% 含 有 点 眼 液 ムルキナ 点 眼 液 0.1%について 他 社 市 販 品 (ニフラン 点 眼 液 千 寿 製 薬 株 式 会 社 )を 対 照 製 剤 とし 薬 理

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ウ 一 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 粒 ~ 粒 お 召 し 上 がりください という 旨 の 幅 の 両 端 をもって 表 示 することも 可 能 です エ 栄 養 成 分 の 量 及 び 熱 量 ( 栄 養 成 分 表 示 ) 一 日 の 摂 取 目 安 量 当 たりの 栄 養 成 分 の

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Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

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第 1 章 実 は, 鼻 炎 は 様 々 5 ハンノキとその 花 粉 図 6 6 アレルギー 性 鼻 炎 患 者 の 右 鼻 腔 内 の 写 真 11

光 輪 はさみこども 園 学 校 保 健 安 全 法 ( 第 19 条 )に 準 ずる(H24.4 改 定 ) 病 名 感 染 しやすい 期 間 登 園 のめやす 症 状 ( 発 熱 全 身 症 状 呼 吸 器 症 状 )がある 期 間 インフルエンザ ( 発 症 前 24 時 間 ~ 発 病 後

Q5 育 児 休 業 を 請 求 する 際 の 事 務 手 続 は? A5 育 児 休 業 を 請 求 しようとする 職 員 は, 育 児 休 業 承 認 請 求 書 ( 様 式 第 1 号 )に 子 の 氏 名 や 請 求 する 期 間 等 を 記 入 し, 育 児 休 業 を 始 めようとする1

4 ぼうこう又は直腸機能障害

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2 平 均 病 床 数 の 平 均 病 床 数 では 療 法 人 に 対 しそれ 以 外 の 開 設 主 体 自 治 体 社 会 保 険 関 係 団 体 その 他 公 的 の 規 模 が 2.5 倍 程 度 大 きく 療 法 人 に 比 べ 公 的 病 院 の 方 が 規 模 の 大 き いことが

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11年11月 治験審査委員会 会議の記録の概要

診療行為コード

感 染 対 策 がマニュアルに 従 って 実 施 されるように 指 導 することや 病 棟 での 意 見 を 聞 き 入 れることが 重 要 です そして ICT 検 討 会 で 改 善 策 な どについて 話 し 合 います 巡 回 は 医 療 施 設 の 規 模 によって 異 なりますが 通 常

2. 改 訂 内 容 ( ) 薬 食 安 通 知 による 改 訂 ( ) 自 主 改 訂 <トランサミン 注 > 改 訂 後 改 訂 前 (1) 重 大 な 副 作 用 ( 頻 度 不 明 ) 1)ショック:ショックを 起 こすことがあるので 観 察 を 十 分 に 行 い 異 常 が 認 められた

人生の最終段階における医療に関する意識調査 結果の概要

特 徴 差 分 点 検 レセ 楽 netの 点 検 方 式 は レセ 電 データを 使 用 した 差 分 点 検 です 前 回 点 検 分 と 比 較 して データ 内 容 と 記 録 順 が 異 なる 場 合 のみ 点 検 を 行 います 追 加 されたデータの 点 検 実 施 病 名 追 加 さ

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( 新 ) 医 療 提 供 の 機 能 分 化 に 向 けたICT 医 療 連 携 導 入 支 援 事 業 費 事 業 の 目 的 医 療 政 策 課 予 算 額 58,011 千 円 医 療 分 野 において あじさいネットを 活 用 したICT したICT 導 入 により により 医 療 機 能

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( 通 則 の 見 直 し) 6 鋼 線 等 による 直 達 牽 引 介 達 牽 引 又 は 消 炎 鎮 5 区 分 番 号 J117に 掲 げる 鋼 線 等 による 直 達 痛 等 処 置 を 併 せて 行 った 場 合 は 心 大 血 管 疾 患 リハビリテーション 料 脳 血 管 疾 患 等

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( 別 添 )インフルエンザに 伴 う 異 常 な 行 動 に 関 する 報 告 基 準 ( 報 告 基 準 ) ( 重 度 調 査 )インフルエンザ 様 疾 患 と 診 断 され かつ 重 度 の 異 常 な 行 動 を 示 した 患 者 につき ご 報 告 ください ( 軽 度 調 査 )インフ

第 3 回 肥 満 質 質 基 本 形 酸 質 胃 腸 酵 素 酸 分 解 小 腸 吸 収 血 中 注 入 酸 各 細 胞 質 材 料 使 不 要 質 分 解 再 利 用 糖 不 足 酸 肝 臓 窒 素 除 去 糖 生 成 源 低 血 糖 時 補 充 大 栄 養 素 脂 肪 炭 水 化 物 大 栄

2 ペインクリニック ペインクリニック 科 に 関 しては 先 ずは 様 々な 痛 みの 症 例 を 正 確 に 診 断 できる 能 力 の 養 成 を 最 大 の 目 標 にします その 過 程 で 薬 物 療 法 神 経 ブロック( 超 音 波 透 視 下 を 含 む) Intervention

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3 薬 局 サービス 等 (1) 健 康 サポート 薬 局 である 旨 の 表 示 健 康 サポート 薬 局 である 旨 を 表 示 している 場 合 健 康 サポート 薬 局 とは かかりつけ 薬 剤 師 薬 局 としての 基 本 的 な 機 能 に 加 えて 積 極 的 な 健 康 サポート 機

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マニュアル 使 用 上 の 注 意 針 刺 し 切 創 皮 膚 粘 膜 曝 露 ( 事 象 ) 後 のHIV 感 染 を 防 止 するためには 事 象 発 生 後 できるだけ 早 く 抗 HIV 薬 の 服 用 を 開 始 する 必 要 がある 事 象 発 生 後 速 やかに 服 用 するために 医

2. 入 院 1 延 入 院 患 者 数 H27 H28 ( 単 位 : 人 ) 区 分 8 月 9 月 1 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 合 計 一 般 障 害 ( 西 42 床 ) 1,218 1,154 1,266 1,161 1,17 1,2

抗 剤 解 熱 鎮 痛 消 炎 剤 精 神 神 経 用 剤 骨 格 筋 弛 緩 剤 鎮 剤 抗 ン 薬 血 管 拡 張 剤 強 心 剤 系 強 心 剤 昇 剤 利 剤 気 管 支 拡 張 剤 消 化 性 潰 瘍 用 剤 脳 垂 体 ン 剤 腎 ン 剤 昇 交 換 神 経 薬 腎 ン 剤 ンン 製 剤

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こうした 経 緯 を 踏 まえ 当 該 製 剤 の 供 給 が 安 定 するまでの 間 は これら 2 疾 患 の 適 応 が 認 められていない 下 記 2 の 免 疫 グロブリン 3 製 剤 が 使 用 された 場 合 であっても 診 療 報 酬 の 審 査 にあたり 柔 軟 な 対 応 がなさ

目 次 福 島 県 県 北 医 療 圏 県 中 医 療 圏 県 南 医 療 圏 会 津 医 療 圏 南 会 津 医 療 圏 相 双 医 療 圏 いわき

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

 

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5 月 25 日 2 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 2 GIO: 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 を 理 解 する SBO: 1. 急 性 慢 性 炎 症 性 疾 患 を 説 明 できる 2. 扁 桃 の 疾 患 を 説 明 できる 3. 病 巣 感 染 症 を 説 明 できる 4

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一 方 でも 自 分 から 医 師 に 症 状 の 変 化 について 伝 えている 割 合 は シーズン 前 では 満 足 な と 同 じ %でしたが シーズン 開 始 直 後 から 高 くなり シーズン 後 半 では の 31%を 上 回 り 42%となっています (グラフ 3) ギャップ 3:

目 次 予 防 服 用 フローチャート 1 マニュアル 使 用 上 の 注 意 2 1 曝 露 発 生 時 の 対 応 2 < 曝 露 事 故 の 発 生 した 医 療 機 関 での 対 応 > 2 < 拠 点 病 院 での 対 応 > 4 < 専 門 医 への 相 談 が 推 奨 される 状 況

4-3-4共立蒲原総合病院組合職員の育児休業等に関する条例

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6-1 第 6 章 ストック オプション 会 計 設 例 1 基 本 的 処 理 Check! 1. 費 用 の 計 上 ( 1 年 度 ) 2. 費 用 の 計 上 ( 2 年 度 )- 権 利 不 確 定 による 失 効 見 積 数 の 変 動 - 3. 費 用 の 計 上 ( 3 年 度 )-

( 減 免 の 根 拠 等 ) 第 1 条 こ の 要 綱 は, 地 方 税 法 第 条 の 規 定 に 基 づ く 市 税 条 例 第 6 9 条 の 2 の 規 定 を 根 拠 と す る 身 体 障 害 者 等 に 対 す る 軽 自 動 車 税 の 減 免 の 具 体 的 な 対

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下 記 のような 体 調 変 化 はございますか? 目 のかゆみ 目 のまわりのかゆみ 目 薬 をさしたとき しみること 目 が 充 血 すること 目 が 見 えづらくなる もやがかかったように 見 えること 目 がころころする ショボショボする 涙 が 出 ること 目 のまわりが 黒 くなる まつ

Transcription:

シクロスポリン の 相 互 作 用 実 態 調 査 H23.11.17 福 岡 市 薬 剤 師 会 薬 局 七 隈 店 局 内 疑 義 照 会 収 集 分 析 共 有 化 委 員 会

目 的 併 用 禁 忌 にも 関 わらず 疑 義 照 会 が 行 われていなかった1 事 例 74 歳 男 性 皮 膚 科 でネオーラルカプセルが 処 方 されていたが 別 日 に 他 科 で 処 方 さ れていた 併 用 禁 忌 のリバロ 錠 との 相 互 作 用 に 気 付 かず 疑 義 照 会 が 行 われていなかった 事 例 があった 疑 義 照 会 が 漏 れた 要 因 として 処 方 薬 及 び 併 用 薬 間 の 薬 物 相 互 作 用 に 対 する 処 方 鑑 査 が 不 十 分 であったこと が 挙 げられる そこで 今 回 比 較 的 相 互 作 用 が 多 い 薬 剤 である シクロスポリンを 対 象 に 薬 物 相 互 作 用 の 実 態 を 調 査 し 傾 向 を 把 握 することとした

方 法 調 査 期 間 :2011 年 9 月 1 日 から 30 日 の 1 カ 月 間 調 査 場 所 : 福 岡 市 薬 剤 師 会 薬 局 七 隈 店 対 象 薬 :シクロスポリン (ネオーラルカプセル R サンディミュンカプセル R シクロス ポリンカプセル R ) 対 象 者 :シクロスポリンが 処 方 された 患 者 29 例 方 法 : 1.NOAH 薬 歴 管 理 ソフトにて1カ 月 間 におけるシクロスポリンが 処 方 された 患 者 を 抽 出 2. 該 当 患 者 の 処 方 薬 中 でシクロスポリンと 相 互 作 用 ( 添 付 文 書 で 併 用 注 意 禁 忌 に 該 当 )を 起 こす 事 例 を 抽 出

結 果 シクロスポリンが 処 方 された 患 者 29 例 中 11 事 例 (38%)において 処 方 薬 中 に 相 互 作 用 が 認 められた 相 互 作 用 事 例 中 1 例 はシクロスポリンとピタバスタチン (リバロ R ) 併 用 禁 忌 であった ( 疑 義 照 会 にて 併 用 する 旨 医 師 確 認 済 み) 表 1.シクロスポリンの 診 療 科 別 処 方 件 数 と 相 互 作 用 件 数 診 療 科 シクロスポリン 処 方 件 数 相 互 作 用 件 数 腎 臓 内 科 9 7 泌 尿 器 科 1 1 神 経 内 科 1 1 眼 科 1 1 皮 膚 科 14 1 腫 瘍 血 液 感 染 症 内 科 1 0 呼 吸 器 科 1 0 小 児 科 1 0

表 2.シクロスポリン 事 例 中 の 併 用 注 意 禁 忌 薬 一 覧 医 薬 品 名 薬 効 分 類 件 数 プレドニン プレドニゾロン 免 疫 抑 制 剤 7 セルセプト 免 疫 抑 制 剤 1 リピトール HMG-CoA 還 元 酵 素 阻 害 剤 1 リバロ HMG-CoA 還 元 酵 素 阻 害 剤 1 メバロチン HMG-CoA 還 元 酵 素 阻 害 剤 1 ゼチーア 小 腸 コレステロールトランスポーター 阻 害 剤 1 フロリードゲル 抗 真 菌 剤 1 ニューロタン ARB 2 ディオバン ARB 2 ニューロタン ARB 2 アダラート Ca 拮 抗 剤 1 ラシックス 利 尿 剤 1 アルダクトンA 利 尿 剤 1 ボルタレン NSAIDs 1 コルヒチン 痛 風 治 療 剤 1

結 果 1 68 歳 性 別 男 診 療 科 : 腎 臓 内 科 疾 患 名 : 脳 梗 塞 ネフローゼ 処 方 内 容 ) マーズレンS 配 合 顆 粒 (0.67g) 2g ( 分 3 毎 食 後 ) 28 日 プレタールOD 錠 100mg ( 分 1 朝 食 後 ) 28 日 プルゼニド 錠 12mg ( 分 1 寝 る 前 ) 28 日 リピトール 錠 5mg ( 分 1 夕 食 後 ) 28 日 アテレック 錠 5mg ( 分 1 朝 食 後 ) 28 日 プレドニゾロン 錠 1mg( 旭 化 成 ) 3 錠 ( 分 1 朝 食 後 ) 28 日 ネオーラル50mgcap 1C ( 分 1 朝 食 後 ) 28 日 プレドニゾロンが 相 互 に 代 謝 を 阻 害 リピトールがネオーラルの 代 謝 を 阻 害 し 相 互 に 副 作 用 が 増 強 ネオーラルの 血 中 濃 度 が 上 昇 することがある また 腎 障 害 などの 副 作 用 が 現 れやす くなる またプレドニゾロンの 併 用 により 本 剤 の 血 中 濃 度 痙 攣 が 起 こる またプレド ニゾロンのクリアランスを 低 下 させる

結 果 2 76 歳 男 皮 膚 科 疾 患 名 尋 常 性 乾 癬 白 内 障 結 核 下 腿 の 痛 み 処 方 内 容 ) サンディミュンカプセル50mg 3C ( 分 3 毎 食 後 ) 14 日 マイザー 軟 膏 0.05% 20g ボンアルファハイ 軟 膏 20μg/g 0.002% 10g (1 日 1 回 体 ) 呼 吸 器 内 科 処 方 内 容 ) イスコチン 錠 100mg3 錠 1 日 1 回 朝 食 後 28 日 分 リファジンカプセル150mg3C1 日 1 回 朝 食 後 28 日 分 神 経 内 科 処 方 内 容 ) メチコバール500μg 3 錠 セルべックスcap 50mg 3C ユベラNソフトカプセル200 3C ( 分 3 毎 食 後 ) 35 日 プレタールOD 錠 100mg ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 35 日 プロテカジン 錠 10mg ( 分 1 夕 食 後 ) 35 日 ミカルディス 錠 40mg ( 分 1 朝 食 後 ) 35 日 重 カマ ヨシダ (0.33g) 1g ( 分 3 毎 食 後 ) 35 日 高 カリウム 血 症 の 副 作 用 が 相 互 に 増 強 されると 考 えられる 高 カリウム 血 症 があらわれるおそれがあるので 血 清 カリウム 値 に 注 意 すること

結 果 3 29 歳 男 腎 臓 内 疾 患 名 腎 移 植 ブレディニン 錠 50mg 4 錠 ペルサンチンLカプセル150 2C ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 21 日 ネオーラル25mgカプセル 6C ( 分 2 9 時 21 時 ) 21 日 ニューロタン 錠 25mg カルブロック 錠 8mg ザイロリック 錠 100mg ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 28 日 プレドニン 錠 5mg プレドニゾロン 錠 1mg( 旭 化 成 ) ( 分 1 朝 食 後 ) 28 日 アルマール 錠 10mg ( 分 1 夕 食 後 ) 28 日 アルファールカプセル0.25μg 1C ( 分 1 朝 食 後 ) 28 日 フォサマック 錠 35mg ( 分 1 朝 食 前 ) 4 日 グランダキシン 錠 50mg 3 錠 ( 分 3 毎 食 後 ) 14 日 プレディニン 錠 50mg ニューロタン 錠 25mg カルブロック 錠 8mg プレドニン 錠 5mg プレドニゾロン 錠 1mg( 旭 化 成 ) アルファロールカプセル0.25μg 高 カリウム 血 症 があらわれるおそれがあるので 血 清 カリウム 値 に 注 意 すること

結 果 4 37 歳 男 腎 臓 内 科 疾 患 便 秘 下 痢 中 性 脂 肪 高 値 首 の 痛 み アルファロールカプセル0.25μg 1C ネオーラルカプセル25mg 1C ( 分 1 朝 食 後 ) 14 日 フォサマック 錠 35mg ( 分 1 朝 食 後 ) 2 日 メドロール 錠 4mg ( 分 1 朝 食 後 ) 14 日 メバロチン 錠 10mg ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 14 日 ユリノーム 錠 50mg ( 分 1 朝 食 後 ) 7 日 ゼチーア 錠 10mg ( 分 1 朝 食 後 ) 14 日 メドロール 錠 4mg: 高 用 量 メチルプレドニゾロンとの 併 用 により 本 剤 の 血 中 濃 度 上 昇 及 び 痙 攣 の 報 告 がある また プレド ニゾロンのクリアランスを 低 下 させるとの 報 告 もある メバロチン 錠 10mg(プラバスタチンNa):HMG-CoA 還 元 酵 素 阻 害 剤 の 血 中 からの 消 失 が 遅 延 すると 考 えられる ゼチーア 錠 10mg (エゼチミブ) : 機 序 は 不 明 である メドロール 錠 4mg 相 互 に 代 謝 を 阻 害 するものと 考 えられる メバロチン 錠 10mg(メバロチン) 筋 肉 痛 CK(CPK) 上 昇 血 中 及 び 尿 中 ミオグロビン 上 昇 を 特 徴 とした 急 激 な 腎 機 能 悪 化 を 伴 う 横 紋 筋 融 解 症 があらわれやすい ので 患 者 の 状 態 を 十 分 に 観 察 すること ゼチーア 錠 10mg(エゼチミブ) エゼチミブ 又 はシクロスポリンの 血 中 濃 度 が 上 昇 する 可 能 性 があるので 併 用 する 場 合 には 血 中 濃 度 を 参 考 に 投 与 量 を 調 節 す ること

結 果 5 48 歳 女 腎 臓 内 科 疾 患 腎 移 植 プレドニン 錠 5mg ( 分 1 朝 食 後 ) 14 日 プレディニン 錠 50mg 3 錠 ペルサンチン 錠 100mg 3 錠 マーズレンS 配 合 顆 粒 (0.67g) 2g ( 分 3 毎 食 後 ) 28 日 サンディミュンカプセル50mg 4C サンディミュンカプセル25mg 1C ザイロリック 錠 100mg ( 分 1 朝 食 後 ) 28 日 イソジンガーグル 液 7% (30ml) 90ml (1 日 数 回 ) 1 回 リバロ 錠 1mg( 併 用 禁 忌 ) ( 分 1 夕 食 後 ) 28 日 ディオバン 錠 40mg ( 分 1 朝 食 後 ) 28 日 プレドニン 錠 5mg(プレドニゾロン) プレディニン 錠 50mg(ミゾリビン) リバロ 錠 1mg(ピタバスタチン) ディオバン 錠 40mg(バルサルタン) プレドニン 錠 5mg(プレドニゾロン) プレディニン 錠 50mg リバロ 錠 1mg(ピタバスタチン) ディオバン 錠 40mg(バルサルタン)

結 果 6 48 歳 女 腎 臓 内 疾 患 ネフローゼ 感 染 症 ニューロタン 錠 25mg ( 分 1 朝 食 後 ) 35 日 ペルサンチンLカプセル150mg 2C ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 35 日 プレドニゾロン 錠 1mg( 旭 化 成 ) ( 分 1 朝 食 後 ) 35 日 ラニタック 錠 75mg ( 分 1 夕 食 後 ) 35 日 フォサマック 錠 35mg ( 分 1 朝 食 後 ) 5 日 ネオーラルカプセル25mg 1C ( 分 1 朝 食 前 ) 35 日 ニューロタン 錠 25mg プレドニゾロン 錠 1mg ( 旭 化 成 ) ニューロタン 錠 25mg プレドニゾロン 錠 1mg ( 旭 化 成 )

結 果 7 60 歳 男 神 経 内 疾 患 重 症 筋 無 力 症 ネオーラルカプセル25mg 6C ネオーラルカプセル10mg 2C ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 28 日 プレドニン 錠 5mg 6 錠 ( 分 1 朝 食 後 ) 28 日 バクタ 配 合 錠 ( 分 1 朝 食 後 ) 28 日 パリエット 錠 20mg ( 分 1 夕 食 後 ) 28 日 ジャヌビア 錠 50mg ( 分 1 朝 食 後 ) 28 日 セイブル 錠 50mg 3 錠 ( 分 3 毎 食 後 ) 28 日 メトグルコ 錠 250mg 3 錠 ( 分 3 毎 食 後 ) 28 日 マイスリー 錠 5mg ( 不 眠 時 ) 5 回 フロリードゲル 経 口 用 2%( 他 科 ) 10g ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 5 日 プレドニン 錠 5mg(プレドニゾロン) フロリードゲル 経 口 用 2%(ミコナゾール) プレドニン 錠 5mg(プレドニゾロン) フロリードゲル 経 口 用 2%(ミコナゾール)

結 果 8 63 歳 女 腎 臓 内 疾 患 腎 臓 病 風 邪 左 眼 の 腫 れ 痛 み めまい 手 首 のねんざ ブレディニン 錠 25mg 炭 酸 水 素 ナトリウム ヨシダ 1g エパデールS600 2 包 ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 42 日 プレドニン 錠 5mg 0.5 錠 ザイロリック 錠 100mg ブロプレス 錠 2mg ( 分 1 朝 食 後 ) 42 日 ネオーラルカプセル25mg 1C ネオーラルカプセル50mg 1C ( 分 1 朝 食 前 ) 42 日 プルゼニド 錠 12mg ( 分 1 寝 る 前 ) 42 日 カルブロック 錠 8mg ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 42 日 フォサマック 錠 35mg ( 分 1 朝 食 前 ) 6 日 プロマックD 錠 75mg ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 42 日 ヤクバンテープ20mg 7 枚 入 り 35 枚 ( 必 要 時 ) 1 回 セファドール 錠 25mg 3 錠 ( 分 3 毎 食 後 ) 5 日 イソジンガーグル 液 7%(30ml) 30ml ( 必 要 時 ) 1 回 リンデロンVGクリーム0.12% 5g 5g (1 日 数 回 ) 1 回 プレディニン 錠 25mg プレドニン 錠 5mg ブロプレス 錠 2mg カルブロック 錠 8mg プレディニン 錠 25mg プレドニン 錠 5mg ブロプレス 錠 2mg カルブロック 錠 8mg

結 果 9 64 歳 男 泌 尿 器 科 疾 患 腎 移 植 後 手 のかぶれ できもの ネオーラルカプセル50mg 2C ネオーラルカプセル25mg 2C ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 56 日 セルセプトカプセル250mg 4C ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 56 日 バイアスピリン100mg ( 分 1 朝 食 後 ) 56 日 フランドルテープ40mg 56 枚 (1 日 1 回 ) 1 回 ザイロリック 錠 100mg ( 分 2 朝 夕 食 後 ) 56 日 セルセプトカプセル250mg(ミコフェノール 酸 モフェチル) ミコフェノール 酸 モフェチルの 腸 肝 循 環 が 阻 害 され 血 中 濃 度 が 低 下 すると 考 えられる セルセプトカプセル250mg (ミコフェノール 酸 モフェチル) ミコフェノール 酸 モフェチルの 血 中 濃 度 が 低 下 したとの 報 告 がある

結 果 10 29 歳 男 眼 科 疾 患 ベーチェット 病 緑 内 障 コルヒチン 錠 0.5mg タカタ 1 日 2 回 朝 夕 食 後 56 日 分 ネオーラルカプセル50mg 1C1 日 1 回 朝 食 後 28 日 分 フルメトロン 点 眼 液 0.1%5ml15ml1 日 1 回 両 眼 コルヒチン 錠 0.5mg タカタ コルヒチン 錠 0.5mg タカタ

結 果 11 37 歳 男 眼 科 疾 患 ネオーラルカプセル50mg1C1 日 1 回 朝 食 前 28 日 分 ペルサンチンLカプセル150mg2C1 日 2 回 朝 夕 食 後 28 日 分 アロプリノール 錠 100mg 1 日 1 回 朝 食 後 28 日 分 マーズレンS 配 合 顆 粒 2g1 日 2 回 朝 夕 食 後 28 日 分 プレドニン 錠 5mg4 錠 1 日 1 回 朝 食 後 28 日 分 プレドニン 錠 5mg(プレドニゾロン) プレドニン 錠 5mg(プレドニゾロン)

考 察 シクロスポリンは 診 療 科 別 にみた 場 合 腎 臓 内 科 9 件 (ネフローゼ 腎 移 植 後 ) 及 び 皮 膚 科 14 件 ( 乾 癬 アトピー 性 皮 膚 炎 )と 処 方 件 数 が 多 かった 特 に 腎 臓 内 科 においては 多 剤 併 用 処 方 であり 9 件 中 7 件 と 相 互 作 用 事 例 が 多 い 傾 向 であった ( 表 1,2) 多 剤 併 用 処 方 で 相 互 作 用 事 例 が 多 い 要 因 として シクロスポリンの 副 作 用 として 高 血 圧 脂 質 異 常 易 感 染 状 態 が 挙 げらる また 治 療 上 ステロイド 無 効 例 において 処 方 追 加 となる 場 合 がある 結 果 必 然 的 に 降 圧 剤 脂 質 改 善 薬 免 疫 抑 制 剤 等 が 追 加 となり 主 代 謝 酵 素 であるCYP3A4 やトランスポーターを 介 した 薬 物 動 態 学 的 な 相 互 作 用 または 薬 力 学 的 な 相 互 作 用 が 生 じやすくなることが 想 定 される 29 事 例 中 1 事 例 において 併 用 禁 忌 事 例 (リバロ)があったが 疑 義 照 会 の 結 果 処 方 変 更 は 行 われなかった 併 用 により リバロ 錠 の 作 用 増 強 が 予 想 されたが 服 用 中 の 筋 肉 痛 などの 体 調 変 化 が 現 れていない しかし 副 作 用 の 出 現 時 期 は 予 測 できない 為 引 き 続 き 体 調 変 化 に 注 意 する 必 要 がある 今 回 は 相 互 作 用 事 例 の 抽 出 に 終 始 した 為 今 後 は 併 用 中 のシクロスポリ ンの 用 量 変 動 を 追 跡 することにより 実 際 の 相 互 作 用 の 有 無 について 検 討 したい

まとめ 当 薬 局 は 大 学 病 院 の 門 前 にあることから 複 数 の 診 療 科 を 受 診 するケースやかかりつけ 医 からの 処 方 等 により 併 用 薬 が 多 岐 に 亘 る 場 合 が 多 い また 高 度 かつ 専 門 的 治 療 を 要 する 疾 患 ( 腫 瘍 難 病 移 植 等 ) 急 性 期 の 患 者 が 大 半 を 占 めており 外 来 におい て 患 者 の 服 薬 管 理 には 十 分 な 注 意 を 要 する シクロスポリンは 血 中 濃 度 の 治 療 域 が 狭 く 体 内 変 動 が 大 きい 従 って 薬 物 相 互 作 用 においては 併 用 禁 忌 に 関 わらず 併 用 注 意 においても 双 方 の 薬 剤 の 作 用 に 影 響 が 現 れていないか 副 作 用 が 出 現 していないか 外 来 でも 注 意 深 くモニタリングを 実 施 する 必 要 がある そのためには 薬 剤 のADME 薬 効 薬 理 等 の 薬 剤 特 を 理 解 し 併 用 薬 剤 食 品 等 との 相 互 作 用 チェックを 十 分 に 機 能 させる 必 要 がある