オピオイドの 副 作 用 対 策
モルヒネの 各 種 薬 理 作 用 発 現 用 量 モ ル ヒ ネ の 50 % 鎮 痛 用 量 に 対 す る 各 作 用 の 比 較 1000 100 10 1 0.1 0.02 0.01 便 秘 0.1 嘔 気 嘔 吐 1 鎮 痛 10.4 呼 吸 抑 制 3.4 2.6 カタトニー 行 動 抑 制 ( 精 神 運 動 機 能 障 害 ) ( 眠 気 ) 357.5 死 亡 鈴 木 勉 :ペインクリニック,2004, 25 (2), 186
オピオイドの 血 中 濃 度 ( 投 不 量 ) と 薬 理 作 用 の 発 現 呼 吸 抑 制 血 中 濃 度 ( 投 与 量 ) 眠 気 鎮 痛 嘔 気 便 秘 0 4 8 12 16 20 24 時 間 毒 性 発 現 域 鎮 痛 有 効 域 鎮 痛 無 効 域 厚 生 労 働 省 日 本 医 師 会 :がん 緩 和 ケアに 関 するマニュアル, 2002, pp.16-28, 日 本 ホスピス 緩 和 ケア 研 究 振 興 財 団, 大 阪 一 部 改 変
オピオイドの 副 作 用 対 策 嘔 気 嘔 吐 国 立 がんセンター 中 央 病 院 薬 剤 部 編 著 :オピオイドによるがん 疼 痛 緩 和, 2006, pp.141-170, エルゼビア ジャパン, 東 京 一 部 改 変 武 田 文 和 :がんの 痛 みの 鎮 痛 薬 治 療 マニュアル,2005, pp.86-97, 金 原 出 版, 東 京 一 部 改 変 オピオイド 嘔 気 嘔 吐 大 脳 第 四 脳 室 CTZ 延 髄 嘔 吐 中 枢 VC 遠 心 性 神 経 オピオイドによるCTZへの 直 接 刺 激 が 原 因 となっている 場 合 CTZにはドパミンレセプターがあり オピオ イドによる 嘔 気 嘔 吐 はこのレセプターに より 引 き 起 こされることが 最 も 多 いと 考 え られている 中 枢 に 直 接 作 用 する 抗 ドパミン 薬 が 制 吐 薬 の 第 一 選 択 となる 嘔 気 の 出 現 時 間 とTmaxが 重 なっている 塩 酸 モルヒネ 散 オプソ 内 服 液 :30 分 ~1 時 間 オキシコンチン 錠 : 1~2 時 間 オキノーム 散 :1.5~2 時 間 アンペック 坐 剤 :1~2 時 間 MSコンチン:2~4 時 間 ドパミンD2 受 容 体 拮 抗 薬 (ノバミン セレネース) Cmaxを 低 下 させる 投 与 法 1 回 量 を 少 なくし 回 数 を 増 やす
オピオイドの 副 作 用 対 策 嘔 気 嘔 吐 オピオイド 嘔 気 嘔 吐 大 脳 第 四 脳 室 CTZ 延 髄 嘔 吐 中 枢 VC 遠 心 性 神 経 求 心 性 神 経 オピオイドによる 胃 内 容 物 の 停 留 胃 内 圧 増 大 が 原 因 となっている 場 合 オピオイドは 胃 の 前 底 部 の 緊 張 により 運 動 性 を 低 下 させるので 胃 内 容 物 の 停 留 によって 嘔 気 嘔 吐 が 発 現 することが ある 消 化 管 運 動 亢 進 薬 の 投 不 が 有 効 である 胃 内 容 物 停 留 胃 内 圧 の 増 加 食 事 のときや 食 後 に 嘔 気 が 生 じている( 食 事 が 原 因 ) オピオイドのTmaxと 食 事 の 時 間 が 重 ならないようにする 制 吐 薬 として 消 化 管 運 動 を 亢 進 する(ナウゼリン プリンペラン) 国 立 がんセンター 中 央 病 院 薬 剤 部 編 著 :オピオイドによるがん 疼 痛 緩 和, 2006, pp.141-170, エルゼビア ジャパン, 国 立 がんセンター 中 央 病 院 薬 剤 部 編 著 :オピオイドによるがん 疼 痛 緩 和, 2006, pp.141-170, エルゼビア ジャパン, 東 京 一 部 改 変 武 田 文 和 :がんの 痛 みの 鎮 痛 薬 治 療 マニュアル,2005, pp.86-97, 金 原 出 版, 武 田 文 和 :がんの 痛 みの 鎮 痛 薬 治 療 マニュアル,2005, pp.86-97, 金 原 出 版, 東 京 一 部 改 変
オピオイドの 副 作 用 対 策 嘔 気 嘔 吐 オピオイド 嘔 気 嘔 吐 前 庭 器 遠 心 性 神 経 大 脳 第 四 脳 室 CTZ 延 髄 嘔 吐 中 枢 VC オピオイドによる 前 庭 器 を 介 したCTZへの 間 接 的 刺 激 が 原 因 となっている 場 合 体 動 時 にふらつき 感 を 伴 った 乗 り 物 酔 いに 似 た 嘔 気 嘔 吐 が 発 現 した 場 合 は 前 庭 器 が 過 敏 になっていると 考 えられる 抗 ヒスタミン 薬 の 投 不 が 有 効 である 乗 り 物 に 乗 ったとき あるいはその 後 体 を 動 かした 時 (ふりむく 起 き 上 がる 眼 球 を 動 かすなどの 体 動 時 ) 前 庭 器 からの 刺 激 による 嘔 気 嘔 吐 抗 ヒスタミン 薬 (トラベルミン ポララミン) 国 立 がんセンター 中 央 病 院 薬 剤 部 編 著 :オピオイドによるがん 疼 痛 緩 和, 2006, pp.141-170, エルゼビア ジャパン, 国 立 がんセンター 中 央 病 院 薬 剤 部 編 著 :オピオイドによるがん 疼 痛 緩 和, 2006, pp.141-170, エルゼビア ジャパン, 東 京 一 部 改 変 武 田 文 和 :がんの 痛 みの 鎮 痛 薬 治 療 マニュアル,2005, pp.86-97, 金 原 出 版, 武 田 文 和 :がんの 痛 みの 鎮 痛 薬 治 療 マニュアル,2005, pp.86-97, 金 原 出 版, 東 京 一 部 改 変
オピオイドが 投 不 された 患 者 において 嘔 気 嘔 吐 が 発 現 した 時 に 有 効 な 治 療 は 何 か? 原 因 の 評 価 と 原 因 に 応 じた 対 応 オピオイドの 減 量 の 検 討 制 吐 薬 の 投 不 想 定 される 主 な 機 序 に 合 わせて 制 吐 薬 を 投 不 ( 第 一 選 択 の 制 吐 薬 :ドパミン 受 容 体 拮 抗 薬 消 化 管 蠕 動 亢 進 薬 抗 ヒスタミン 薬 ) 第 一 選 択 の 制 吐 薬 を2 種 類 併 用 または 第 二 選 択 の 制 吐 薬 に 変 更 非 定 型 抗 精 神 病 薬 フェノチアジン 系 抗 精 神 病 薬 セロトニン 拮 抗 薬 オピオイドローテーション 投 不 経 路 の 変 更 効 果 が 丌 十 分 な 場 合 に 検 討 すること 神 経 ブロックなどによるオピオイド 減 量 中 止 の 検 討 がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 より
臨 床 疑 問 オピオイドを 開 始 する 前 に 制 吐 薬 を 投 不 することは 投 不 しないことに 比 較 して 嘔 気 嘔 吐 を 減 尐 させるか? 推 奨 オピオイドを 開 始 する 時 に 制 吐 薬 を 投 不 することが 投 不 しないことに 比 較 して 嘔 気 嘔 吐 を 減 尐 させることを 示 す 根 拠 はない オピオイドを 開 始 する 時 嘔 気 嘔 吐 について 十 分 な 観 察 を 行 い 嘔 気 時 として 制 吐 薬 をいつでも 使 用 できる 状 況 にしておく 嘔 気 嘔 吐 が 継 続 する 場 合 は 数 日 間 定 期 的 に 投 不 する 患 者 の 状 態 によっては オピオイドの 開 始 と 同 時 に 制 吐 薬 を 定 期 的 投 不 してもよい 嘔 気 嘔 吐 はオピオイドのアドヒアランス 悪 化 させるので 積 極 的 に 予 防 するほうがよい 制 吐 薬 の 短 期 間 の 投 与 による 生 じる 害 より 嘔 気 嘔 吐 を 予 防 できる 有 益 性 が 高 い オピオイド 開 始 時 に 制 吐 薬 を 定 期 的 に 使 用 した 場 合 には 投 与 後 1~2 週 間 で 減 量 中 止 することを 検 討 し 漫 然 と 長 期 投 与 にならないようにする がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 より
嘔 吐 嘔 気 治 療 薬 一 覧 分 類 商 品 名 用 量 備 考 ドパミン 受 容 体 拮 抗 薬 フェノチアジン 系 消 化 管 蠕 動 亢 進 薬 ノバミン 錠 1 回 5mg 1 日 3 回 第 一 選 択 鎮 静 作 用 は 弱 い 錐 体 外 路 症 状 は 尐 ない セレネース 錠 散 注 コントミン 錠 散 注 プリンペラン 錠 注 ナウゼリン 錠 坐 1 回 0.75mg 1 日 1~2 回 1 回 2.5~5mg 持 続 1 回 5~12.5mg 1 日 1~3 回 1 回 10~50mg 持 続 1 回 5~10mg 1 日 2~3 回 1 回 5~10mg 持 続 1 回 5~10mg 1 日 2~3 回 1 回 60mg 1 日 2~3 回 錐 体 外 路 症 状 に 注 意 ( 経 口 > 静 注 ) 鎮 静 血 圧 低 下 に 注 意 脳 への 移 行 (プリンペラン>ナウゼリン) CTZにも 作 用 する 抗 ヒスタミン 薬 トラベルミン 錠 1 回 1 錠 1 日 3 回 錠 剤 は 噛 まない ( 苦 味 しびれ 感 ) 非 定 型 抗 精 神 病 薬 ジプレキサ 錠 1 回 2.5~5mg 1 日 1 回 就 寝 前 ルーラン 錠 1 回 4~8mg 1 日 1 回 就 寝 前 高 血 糖 に 注 意 体 重 増 加 喫 煙 で 血 中 濃 度 低 下
オピオイドの 副 作 用 対 策 便 秘 オピイドの 薬 理 作 用 による 便 秘 の 誘 発 機 序 十 二 指 腸 ~ 小 腸 の 蠕 動 運 動 低 下 十 二 指 腸 での 腸 液 分 泌 低 下 十 二 指 腸 腸 内 容 物 排 出 時 間 の 延 長 内 容 物 の 粘 稠 度 を 増 加 オピオイド 小 腸 大 腸 大 腸 の 蠕 動 運 動 低 下 内 容 物 通 過 時 間 の 遅 延 水 分 の 過 度 の 吸 収 促 進 肛 門 括 約 筋 の 緊 張 増 加 便 の 排 泄 困 難 蠕 動 運 動 の 亢 進 腸 内 での 水 分 保 持
オピオイドが 投 不 された 患 者 において 便 秘 が 発 現 した 時 に 有 効 な 治 療 は 何 か? 原 因 の 評 価 と 原 因 に 応 じた 対 応 腸 閉 塞 の 有 無 と 評 価 宿 便 を 認 める 場 合 は 経 直 腸 的 処 置 ( 坐 剤 投 不 浣 腸 摘 便 など) オピオイドの 減 量 の 検 討 下 剤 の 投 不 便 が 硬 い 浸 透 圧 性 下 剤 腸 蠕 動 が 低 下 大 腸 刺 激 性 下 剤 浸 透 圧 性 下 剤 と 大 腸 刺 激 性 下 剤 の 併 用 オピオイドローテーション 効 果 が 丌 十 分 な 場 合 に 検 討 すること 神 経 ブロックなどによるオピオイド 減 量 中 止 の 検 討 がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 より
臨 床 疑 問 オピオイドを 開 始 する 前 に 下 剤 を 投 不 することは 投 不 しないことに 比 較 して 便 秘 を 減 尐 させるか? 推 奨 オピオイドを 開 始 する 時 に 下 剤 を 投 不 することは 投 不 しないことに 比 較 して 便 秘 を 減 尐 させる 根 拠 はない オピオイドを 開 始 する 時 患 者 の 排 便 状 態 について 十 分 な 観 察 を 行 い 水 分 摂 取 食 事 指 導 や 下 剤 の 投 不 などの 便 秘 を 生 じないような 十 分 な 対 応 を 行 う もともと 便 秘 傾 向 のある 患 者 や 経 口 モルヒネまたはオキシコドンを 投 与 する 患 者 など 便 秘 を 生 じる 可 能 性 が 高 いと 考 える 場 合 には オピオイドの 開 始 時 に 下 剤 を 定 期 的 に 投 与 し 患 者 の 排 便 状 態 を 観 察 して 調 節 する 便 秘 は 頻 度 の 高 い 症 状 であり オピオイドのアドヒアランス 悪 化 させるので 積 極 的 に 予 防 するほうがよい 下 剤 の 投 与 を 含 む 便 秘 の 予 防 により 生 じうる 害 より 有 益 性 が 高 い 場 合 が 多 い がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 より
1. 小 腸 刺 激 性 下 剤 下 剤 の 作 用 機 序 による 分 類 作 用 発 現 時 間 が 早 く 2~6 時 間 ぐらい 小 腸 に 作 用 するため 消 化 吸 収 に 影 響 が 考 えられ 栄 養 吸 収 に 支 障 をきた すことがある 2. 大 腸 刺 激 性 下 剤 作 用 発 現 時 間 は 遅 く 7~12 時 間 ぐらい 結 腸 壁 を 刺 激 し 腸 の 運 動 を 亢 進 する また 水 分 電 解 質 の 大 腸 での 吸 収 を 抑 制 し 便 の 固 化 を 防 ぐ 3. 浸 透 圧 性 下 剤 ( 塩 類 性 下 剤 ) 作 用 発 現 時 間 は 遅 く 穏 やかである 浸 透 圧 による 腸 管 内 への 水 分 の 移 行 と 分 泌 液 の 吸 収 阻 止 による 4. 膨 張 性 下 剤 水 分 を 吸 収 することで 体 積 を 増 し 物 理 的 に 腸 を 刺 激 する
大 腸 の 蠕 動 刺 激 硬 さの 調 節 便 秘 治 療 薬 一 覧 分 類 商 品 名 作 用 発 現 時 間 用 量 小 腸 刺 激 性 ヒマシ 油 2~6 時 間 30ml/ 回 大 腸 刺 激 性 塩 類 プルゼニド 錠 8~10 時 間 1~2 錠 / 回 アローゼン 顆 粒 8~10 時 間 0.5~1g/ 回 ラキソベロン 液 錠 酸 化 マグネシウム 末 マグラックス 錠 7~12 時 間 8~10 時 間 2~3 錠 / 回 10~15 滴 / 回 1~3g/ 回 50% 硫 酸 Mg 液 ( 院 ) 8~10 時 間 10~30ml/ 回 排 便 刺 激 消 化 管 運 動 亢 進 糖 類 モニラックシロップ 1~3 日 30~60ml/ 日 膨 張 性 バルコーゼ 顆 粒 12~24 時 間 2~8g/ 回 発 泡 性 新 レシカルボン 坐 剤 10~30 分 1 個 / 回 セロトニン 受 容 体 刺 激 ガスモチン 錠 *1-3~6 錠 / 日 PGE1 誘 導 体 サイトテック 錠 *1-4 錠 / 日 自 律 神 経 作 用 性 パントシン 散 *1-300~600mg/ 日 漢 方 薬 大 建 中 湯 *1-7.5~15g/ 日 ( 院 ): 院 内 製 剤 *1: 緩 下 剤 の 適 応 はない 国 立 がんセンター 中 央 病 院 薬 剤 部 編 著 :オピオイドによるがん 疼 痛 緩 和, pp.112, エルゼビア ジャパン, 東 京,2001 一 部 改 変
緩 下 薬 の 投 不 排 便 の 変 調 正 常 な 排 便 下 痢 緩 下 薬 の 減 量 便 秘 宿 便 緩 下 薬 変 更 せず 無 緩 下 薬 の 増 量 併 用 有 宿 便 対 策 ( 坐 薬 浣 腸 ) 排 便 状 態 の 観 察
オピオイドの 副 作 用 対 策 眠 気 発 現 状 況 オピオイドの 投 不 開 始 時 増 量 時 に 発 現 腎 機 能 の 低 下 した 患 者 に モルヒネを 投 不 して 発 現 オピオイドを 増 量 しても 痛 みが 軽 減 せず 眠 気 の 発 現 や 増 強 対 策 一 過 性 であることが 多 いので そのまま 経 過 を 観 察 する 通 常 は1 週 間 以 内 に 消 失 オピオイドの 種 類 の 切 替 えを 考 慮 する オピオイドの 投 不 量 を 減 量 し 鎮 痛 補 助 薬 の 併 用 を 考 慮 する 原 因 丌 明 の 眠 気 が 遷 延 オピオイドの 減 量 オピオイドローテーション 薬 物 治 療 (カフェイン ドネペジル 等 ) 注 :オピオイド 以 外 にも 眠 気 の 原 因 となる 病 態 は 多 いので, 十 分 な 鑑 別 診 断 が 必 要 である ( 中 枢 性, 薬 剤 性, 電 解 質 異 常, 衰 弱 など) 国 立 がんセンター 中 央 病 院 薬 剤 部 編 著 :オピオイドによるがん 疼 痛 緩 和, pp.141-170, エルゼビア ジャパン, 東 京,2006 一 部 改 変 武 田 文 和 :がんの 痛 みの 鎮 痛 薬 治 療 マニュアル,2005, pp.86-97, 金 原 出 版, 東 京 一 部 改 変
がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 より オピオイドが 投 不 された 患 者 において 眠 気 が 発 現 した 時 に 有 効 な 治 療 は 何 か? 眠 気 の 強 度 と 苦 痛 の 程 度 を 評 価 する 原 因 の 評 価 と 原 因 に 応 じた 対 応 オピオイドの 減 量 の 検 討 眠 気 に 対 する 薬 物 療 法 精 神 刺 激 薬 オピオイドローテーション ± 眠 気 に 対 する 薬 物 療 法 投 不 経 路 の 変 更 ± 眠 気 に 対 する 薬 物 療 法 効 果 が 丌 十 分 な 場 合 に 検 討 すること 神 経 ブロックなどによるオピオイド 減 量 中 止 の 検 討
オピオイドの 副 作 用 対 策 せん 妄 せん 妄 (delirium)は 軽 度 から 中 等 度 の 意 識 混 濁 に 幻 覚 妄 想 興 奮 などのさま ざまな 精 神 症 状 を 伴 う 特 殊 な 意 識 障 害 をいう 投 不 初 期 や 増 量 時 モルヒネによる せん 妄 の 発 現 は1~3% 軽 度 のものを 含 めると20%に 及 ぶとの 報 告 もある 死 亡 までに70%のがん 患 者 に 生 じるといわれている せん 妄 の 症 状 としては 落 ち 着 きのなさ 丌 安 睡 眠 障 害 イライラなどの 前 駆 症 状 短 期 間 に 変 動 する 経 過 注 意 の 伝 導 性 の 低 下 などが 挙 げられる がん 患 者 においては さまざまな 要 因 でせん 妄 などの 認 知 機 能 障 害 が 出 現 するといわれており 原 因 を 鑑 別 する 必 要 がある オピオイドによるせん 妄 は 投 不 開 始 初 期 や 増 量 時 に 出 現 することが 多 い オピオイド 以 外 にもベンゾジアゼピン 系 ステロイド 抗 コリン 薬 なども 注 意 が 必 要 である 薬 剤 性 のせん 妄 は 原 因 薬 剤 の 中 止 により 数 日 から1 週 間 で 改 善 する 場 合 が 多 い 非 薬 剤 性 の 要 因 として 電 解 質 異 常 中 枢 神 経 系 の 病 変 感 染 症 肝 腎 機 能 障 害 低 酸 素 症 などが 関 不 していることがある 臨 床 緩 和 医 療 薬 学 : 真 興 亣 易 ( 株 ) 医 書 出 版 部 154-166,2008 一 部 改 変. がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 一 部 改 変
オピオイドの 副 作 用 対 策 せん 妄 対 策 せん 妄 の 原 因 を 多 角 的 に 評 価 し オピオイドが 原 因 として 強 く 疑 われる 場 合 減 量 を 検 討 する 次 に 抗 精 神 病 薬 の 投 不 オピオイドローテーションを 行 う < 処 方 例 > 内 服 可 能 な 場 合 年 齢 肝 腎 機 能 などにより 下 記 より 尐 ない 量 から 開 始 する 場 合 もある リスパダール 液 0.5ml 1x 就 寝 前 ( 開 始 量 :0.5ml-1ml) ジプレキサ 錠 セロクエル 錠 ルーラン 錠 エビリファイ 錠 2.5mg 1x 就 寝 前 ( 開 始 量 :2.5mg-5mg) 25mg 1x 就 寝 前 ( 開 始 量 :25mg-50mg) 4mg 1x 就 寝 前 3 mg 1x 就 寝 前 ( 開 始 量 :3-6mg) *いずれも 投 不 時 刻 は 就 寝 前 または 夕 食 後 が 基 本 *ジプレキサ セロクエルは 糖 尿 病 に 禁 忌 内 服 困 難 な 場 合 * 保 険 適 応 外 セレネース 注 (5)0.5A/ 生 食 50ml 点 滴 静 注 30~60 分 就 寝 前 抗 精 神 病 薬 単 剤 で 興 奮 が 治 まらない 場 合 睡 眠 覚 醒 リズムが 回 復 しない 場 合 セレネース 注 (5)0.5A-1A/ 生 食 50ml 点 滴 静 注 30~60 分 夕 方 サイレース 注 (2)0.5A/ 生 食 50ml 点 滴 静 注 就 寝 前 入 眠 止 め 臨 床 緩 和 医 療 薬 学 : 真 興 亣 易 ( 株 ) 医 書 出 版 部 154-166(2008) 一 部 改 変. がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 一 部 改 変 精 神 腫 瘍 学 クイックリファレンス 創 造 出 版 (2009) Lonergan E et al. Antipsychotics for delirium (Review) The Chochrane Library, 2009.
オピオイドの 副 作 用 対 策 呼 吸 抑 制 オピオイドの 薬 理 作 用 の 一 つに 呼 吸 に 対 する 抑 制 作 用 がある 一 般 的 に 痛 み の 治 療 に 適 正 に 使 用 される 場 合 呼 吸 抑 制 が 生 じることは 稀 であるとされてい る 呼 吸 抑 制 が 生 じる 前 には 眠 気 が 生 じるため 眠 気 を 観 察 し 眠 気 が 生 じた 段 階 で 鎮 痛 手 段 の 見 直 しと 評 価 が 重 要 である オピオイドの 呼 吸 抑 制 は 用 量 依 存 的 な 延 髄 の 呼 吸 中 枢 への 直 接 の 作 用 によるもので 二 酸 化 炭 素 に 対 する 呼 吸 中 枢 の 反 応 が 低 下 し 呼 吸 回 数 の 減 尐 が 認 められる オピオイドを 適 切 に 投 不 する 限 り 呼 吸 数 は 低 下 しないか 低 下 しても1 回 換 気 量 が 増 加 するので 低 酸 素 血 症 になることは 稀 である モルヒネ 投 不 中 急 激 に 腎 機 能 が 低 下 すると M6Gの 蓄 積 により 呼 吸 抑 制 を 生 じる 可 能 性 が ある 痛 みそのものがオピオイドの 呼 吸 抑 制 と 拮 抗 するとされており 治 療 などにより 痛 みが 大 幅 に 減 尐 あるいは 消 失 した 場 合 には 相 対 的 にオピオイドの 過 量 投 不 の 状 態 が 生 じ 呼 吸 抑 制 が 発 現 する 場 合 がある 臨 床 緩 和 医 療 薬 学 : 真 興 亣 易 ( 株 ) 医 書 出 版 部 154-166,2008 一 部 改 変. がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 一 部 改 変
対 策 オピオイドの 副 作 用 対 策 呼 吸 抑 制 オピオイドの 副 作 用 としての 呼 吸 抑 制 とその 危 険 因 子 オピオイドの 急 激 な 増 量 加 齢 肥 満 睡 眠 時 無 呼 吸 腎 肺 肝 臓 および 心 循 環 機 能 丌 全 中 枢 抑 制 薬 との 併 用 酸 素 投 不 患 者 の 覚 醒 を 促 す 重 篤 な 場 合 薬 物 療 法 :オピオイド 拮 抗 薬 (ナロキソン)の 投 不 する ナロキソンは 半 減 期 が 短 く 作 用 時 間 は 約 30 分 である そのため 症 状 の 再 燃 にあわせて 30~60 分 毎 に 複 数 回 投 不 する 必 要 がある ナロキソンにより 痛 みの 悪 化 興 奮 せん 妄 を 生 じることがあるため 尐 量 ずつ 使 用 する ナロキソン 注 0.2mg 1A + 生 食 /20ml(10 倍 に 希 釈 する) 1 回 0.01mg(1ml)をゆっくり(1~2 分 ) 静 注 する 呼 吸 回 数 >10 回 / 分 になるように くり 返 し 投 不 する 臨 床 緩 和 医 療 薬 学 : 真 興 亣 易 ( 株 ) 医 書 出 版 部 154-166,2008 一 部 改 変. がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 一 部 改 変
オピオイドの 副 作 用 対 策 口 内 乾 燥 オピオイドは 用 量 依 存 的 に 外 分 泌 腺 における 分 泌 を 抑 制 する 進 行 がん 患 者 の 口 内 乾 燥 の 発 生 頻 度 は30~97%とされる その 背 景 として 1 唾 液 分 泌 の 減 尐 ( 頭 頸 部 への 放 射 線 照 射 三 環 系 抗 うつ 薬 抗 コリン 薬 など) 2 口 腔 粘 膜 の 障 害 ( 化 学 療 法 や 放 射 線 治 療 による 口 内 炎 口 腔 カンジダ 症 ) 3 脱 水 などが 考 えられる 対 策 唾 液 線 の 分 泌 促 進 ( 唾 液 分 泌 能 が 残 っている) 食 事 を 何 回 かに 分 けて 摂 取 線 維 性 食 品 の 摂 取 や 果 実 など 酸 味 のあるものを 摂 取 キシリトールガムを 噛 む 唾 液 分 泌 マッサージ 唾 液 分 泌 促 進 薬 の 投 不 唾 液 分 泌 能 が 残 っていない 頻 回 に 水 分 摂 取 刺 激 物 を 避 ける 部 屋 を 加 湿 する 人 口 唾 液 (サリベート) マウスウオッシュ(バイオティーン) 口 腔 乾 燥 の 治 療 臨 床 緩 和 医 療 薬 学 : 真 興 亣 易 ( 株 ) 医 書 出 版 部 154-166,2008 一 部 改 変. がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 一 部 改 変
オピオイドの 副 作 用 対 策 掻 痒 感 オピオイドによる 掻 痒 感 の 発 生 頻 度 は 2~10%であり 経 口 投 不 での 発 生 頻 度 は 数 %であるが くも 膜 下 投 不 や 硬 膜 外 投 不 になると50%と 高 率 に 認 められる オピオイドによるヒスタミンの 遊 離 作 用 により 末 梢 性 の 掻 痒 感 が 生 じるとされてお り 顔 首 上 部 胸 郭 の 皮 膚 が 紅 潮 する また 最 近 ではオピオイドが 中 枢 神 経 に 作 用 してかゆみを 起 こす 作 用 が 注 目 されている 対 策 抗 ヒスタミン 薬 の 投 不 中 枢 機 序 が 関 不 している 場 合 は5-HT3 受 容 体 拮 抗 薬 の 投 不 ナノキソンの 尐 量 投 不 (0.25~1μg/kg/hr 以 下 )はμ 受 容 体 を 介 する 中 枢 性 のかゆみに 有 効 擦 過 による 皮 膚 障 害 が 強 い 場 合 は 弱 ~ 中 等 度 のコルチコステロイド 外 用 剤 の 使 用 を 考 慮 する プロポフォールやドロペリドールの 有 効 性 を 示 唆 する 報 告 もある かゆみが 重 篤 な 場 合 ( 症 状 の 改 善 がないなど)はオピオイドローテーションを 検 討 皮 膚 の 乾 燥 予 防 や 湿 潤 に 対 するケアを 行 う 臨 床 緩 和 医 療 薬 学 : 真 興 亣 易 ( 株 ) 医 書 出 版 部 154-166,2008 一 部 改 変. がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 一 部 改 変
オピオイドの 副 作 用 対 策 排 尿 障 害 オピオイドの 投 不 により 尿 管 の 緊 張 や 収 縮 を 増 加 させることがある また 排 尿 反 射 を 抑 制 し 外 尿 道 括 約 筋 の 収 縮 および 膀 胱 容 量 をともに 増 加 させる 排 尿 障 害 は 高 齢 の 男 性 に 多 く 認 められ 前 立 腺 肥 大 症 の 患 者 では 尿 閉 に 至 る 場 合 もあ る 経 口 投 不 では1~3%であるが モルヒネのくも 膜 下 腔 や 硬 膜 外 投 不 の 際 は 直 接 に 脊 髄 のμ 受 容 体 に 作 用 するため 20~70%と 排 尿 障 害 は 高 頻 度 に 認 め られる 対 策 排 尿 筋 の 収 縮 力 を 高 めるコリン 作 動 薬 と 括 約 筋 を 弛 緩 させるα1 受 容 体 遮 断 薬 を 併 用 コリン 作 動 薬 :べサコリン 散 1 回 10~20mg 1 日 3 回 ウブレチド 錠 1 回 5mg 1 日 1 回 α1 受 容 体 遮 断 薬 :ハルナール 錠 1 回 0.2mg 1 日 1 回 導 尿 硬 膜 外 投 不 以 外 の 投 不 ルートの 検 討 オピオイドローテーションの 検 討 臨 床 緩 和 医 療 薬 学 : 真 興 亣 易 ( 株 ) 医 書 出 版 部 154-166,2008 一 部 改 変. がん 疼 痛 の 薬 物 療 法 に 関 するガイドライン 2010 年 度 版 一 部 改 変