第 1 号 被 保 険 者 の 独 自 給 付 と 脱 退 一 時 金 今 回 の 講 義 では 第 1 号 被 保 険 者 の 独 自 給 付 と 短 期 滞 在 の 外 国 人 に 支 給 される 脱 退 一 時 金 について 学 習 します 付 加 年 金 付 加 年 金 に 関 しては 法 第 43 条 から 法 第 48 条 に 規 定 されています また 付 加 保 険 料 に 関 しては 法 第 87 条 の2に 規 定 されています 国 民 年 金 は 定 額 負 担 定 額 給 付 の 制 度 ですが より 高 い 給 付 を 希 望 す る 第 1 号 被 保 険 者 は 付 加 保 険 料 を 納 付 することで 老 齢 基 礎 年 金 に 付 加 年 金 を 上 乗 せして 受 給 すること ができます 国 民 年 金 法 の 給 付 国 民 年 金 法 の 給 付 には 被 保 険 者 の 種 別 を 問 わず その 加 入 実 績 に 基 づき 支 給 される 基 礎 年 金 と 第 1 号 被 保 険 者 としての 加 入 期 間 に 基 づき 支 給 される 独 自 給 付 があります 第 1 号 被 保 険 者 の 独 自 給 付 は 付 加 年 金 寡 婦 年 金 死 亡 一 時 金 の3つです では 最 初 に 付 加 年 金 から 説 明 します 付 加 保 険 料 を 納 付 できる 者 付 加 保 険 料 を 納 付 することができるのは 第 1 号 被 保 険 者 と65 歳 未 満 の 任 意 加 入 被 保 険 者 です 第 1 号 被 保 険 者 のうち 農 業 者 年 金 の 被 保 険 者 は 必 ず 付 加 保 険 料 を 納 付 することになっています ただし 第 1 号 被 保 険 者 であっても 保 険 料 の 免 除 の 規 定 により 保 険 料 の 全 部 または 一 部 の 額 の 納 付 を 免 除 されて いる 者 と 国 民 年 金 基 金 の 加 入 員 は 付 加 保 険 料 を 納 付 することができません また 65 歳 以 上 の 特 例 に よる 任 意 加 入 被 保 険 者 も 付 加 保 険 料 を 納 付 するこ とができません 1
付 加 年 金 の 年 金 額 は 200 円 付 加 保 険 料 の 納 付 済 期 間 の 月 数 です 例 えば 40 年 間 付 加 保 険 料 を 納 付 した 方 であれば 200 円 480 月 で96,000 円 が 付 加 年 金 の 年 金 額 となります なお 付 加 年 金 については 改 定 率 の 改 定 による 自 動 改 定 の 仕 組 みは 適 用 されま せん 付 加 保 険 料 の 額 と 納 付 付 加 保 険 料 の 額 は 月 額 400 円 で 法 第 87 条 第 3 項 に 規 定 される 通 常 の 保 険 料 を 納 付 した 月 についてのみ 納 付 することができます ただし 保 険 料 の 追 納 が 行 われた 期 間 と 後 納 保 険 料 の 納 付 が 行 われた 期 間 は 付 加 保 険 料 を 納 付 することができません なお これまで 付 加 保 険 料 を 納 期 限 までに 納 付 しなかった 場 合 は 納 付 を 辞 退 したものみなされ 付 加 保 険 料 を 納 付 することができなくなる 取 扱 いと なっていましたが 平 成 26 年 4 月 からは 納 期 限 が 経 過 した 場 合 でも 国 民 年 金 の 通 常 の 保 険 料 と 同 様 に 過 去 2 年 分 まで 遡 って 付 加 保 険 料 を 納 付 することが できるようになりました 付 加 年 金 の 支 給 要 件 と 年 金 額 次 に 付 加 年 金 の 支 給 要 件 と 年 金 額 です 付 加 年 金 の 支 給 要 件 は 付 加 保 険 料 の 保 険 料 納 付 済 期 間 を 有 する 者 であることと 老 齢 基 礎 年 金 の 受 給 権 を 取 得 した 者 であることの2つです 付 加 年 金 は 付 加 保 険 料 の 保 険 料 納 付 済 期 間 を 有 する 者 が 老 齢 基 礎 年 金 の 受 給 権 を 取 得 したときに 老 齢 基 礎 年 金 に 上 乗 せされて 支 給 されます したが って 付 加 年 金 の 支 給 期 間 は 老 齢 基 礎 年 金 の 受 給 権 を 取 得 した 月 の 翌 月 から 受 給 権 者 が 死 亡 した 月 ま でとなります 支 給 の 繰 上 げ 繰 下 げとの 関 係 について ここで 支 給 の 繰 上 げ 繰 下 げとの 関 係 について 説 明 をしておきます 老 齢 基 礎 年 金 の 支 給 の 繰 上 げの 請 求 または 繰 下 げの 申 出 があった 場 合 は 付 加 年 金 の 支 給 もそれに 合 わせて 繰 り 上 げ または 繰 り 下 げられます この 場 合 付 加 年 金 の 額 は 老 齢 基 礎 年 金 と 同 じ 割 合 で 減 額 または 増 額 された 額 となります また 老 齢 基 礎 年 金 の 支 給 を 繰 り 上 げ または 繰 り 下 げた 場 合 には 付 加 年 金 と 振 替 加 算 で 取 扱 いが 異 なりますので ご 注 意 ください 老 齢 基 礎 年 金 の 支 給 を 繰 り 上 げた 場 合 付 加 年 金 は 老 齢 基 礎 年 金 と 同 様 に 繰 り 上 げられ 同 じ 割 合 で 減 額 されますが 振 替 加 算 は 繰 上 げは 行 われないため 減 額 の 問 題 も 生 じません 老 齢 基 礎 年 金 の 支 給 を 繰 り 下 げた 場 合 付 加 年 金 は 老 齢 基 礎 年 金 と 同 様 に 繰 り 下 げられ 同 じ 割 合 で 増 額 されますが 振 替 加 算 は 増 額 されず 繰 下 げ 待 機 期 間 中 に 振 替 加 算 部 分 だけの 支 給 を 受 けること もできません 2
支 給 停 止 と 失 権 付 加 年 金 の 最 後 は 支 給 停 止 と 失 権 です 付 加 年 金 は 老 齢 基 礎 年 金 に 上 乗 せされて 支 給 さ れる 年 金 であるため 老 齢 基 礎 年 金 が 全 額 支 給 停 止 されている 間 は 付 加 年 金 の 支 給 も 停 止 されます また 付 加 年 金 の 受 給 権 は 受 給 権 者 が 死 亡 した ときにのみ 消 滅 します 寡 婦 年 金 次 は 寡 婦 年 金 です 寡 婦 年 金 に 関 しては 法 第 49 条 から 法 第 52 条 に 規 定 されています 寡 婦 年 金 は 老 齢 基 礎 年 金 を 受 け るために 必 要 な 第 1 号 被 保 険 者 としての 受 給 資 格 期 間 を 満 たした 夫 が 老 齢 基 礎 年 金 を 受 給 する 前 に 死 亡 した 場 合 に 保 険 料 の 掛 捨 てを 防 止 するため 残 された 妻 に 対 して 妻 が60 歳 から65 歳 に 到 達 するま での 間 支 給 する 有 期 年 金 です 死 亡 した 夫 の 要 件 死 亡 した 夫 の 要 件 です 死 亡 した 夫 の 要 件 は3つあります 1つ 目 は 死 亡 日 の 前 日 に 死 亡 日 の 属 する 月 の 前 月 までの 第 1 号 被 保 険 者 としての 保 険 料 納 付 済 期 間 と 保 険 料 免 除 期 間 とを 合 算 した 期 間 が 25 年 以 上 あ ることです ただし 学 生 納 付 特 例 期 間 と 若 年 者 納 付 猶 予 期 間 のみを25 年 以 上 有 する 者 が 死 亡 しても 寡 婦 年 金 は 支 給 されません ここで 補 足 をしておきますと 昭 和 5 年 4 月 1 日 以 前 に 生 まれた 者 については 期 間 短 縮 の 特 例 があり 生 年 月 日 に 応 じて 25 年 が21 年 から24 年 に 短 縮 され ます また 死 亡 した 夫 の 要 件 を 見 る 上 で 65 歳 未 満 の 任 意 加 入 被 保 険 者 は 第 1 号 被 保 険 者 とみなされ ます 2つ 目 は 障 害 基 礎 年 金 の 受 給 権 者 であったことが ないことです 最 後 に3つ 目 は 繰 上 げ 支 給 の 老 齢 基 礎 年 金 を 含 め 老 齢 基 礎 年 金 の 支 給 を 受 けていないことです 妻 が 寡 婦 年 金 の 支 給 を 受 けるためには 死 亡 した 夫 がこれら3つの 要 件 をすべて 満 たしていることが 必 要 です 3
妻 の 要 件 次 に 妻 の 要 件 です 妻 の 要 件 は4つあり 夫 の 死 亡 の 当 時 妻 は4つの 要 件 をすべて 満 たしていることが 必 要 です 妻 の 要 件 の1つ 目 は 夫 によって 生 計 を 維 持 していたことで す 2つ 目 は 事 実 上 の 婚 姻 関 係 を 含 め 夫 との 婚 姻 関 係 が10 年 以 上 継 続 したことです 3つ 目 は 65 歳 未 満 であることです 4つ 目 は 繰 上 げ 支 給 の 老 齢 基 礎 年 金 の 受 給 権 者 でないことです なお 死 亡 した 夫 との 生 計 維 持 の 認 定 の 基 準 は 遺 族 基 礎 年 金 の 生 計 維 持 の 認 定 基 準 と 同 様 となりま す 寡 婦 年 金 の 額 は 夫 の 死 亡 日 の 属 する 月 の 前 月 ま での 第 1 号 被 保 険 者 としての 被 保 険 者 期 間 について 法 第 27 条 に 規 定 される 老 齢 基 礎 年 金 の 年 金 額 の 計 算 方 法 により 計 算 した 額 の4 分 の3に 相 当 する 額 です 夫 の 第 1 号 被 保 険 者 期 間 だけで 計 算 した 老 齢 基 礎 年 金 の 年 金 額 の4 分 の3に 相 当 する 額 となります ただ し 死 亡 した 夫 が 付 加 保 険 料 を 納 付 していた 場 合 で も 付 加 年 金 は 上 乗 せされません 寡 婦 年 金 の 支 給 期 間 と 年 金 額 続 いては 寡 婦 年 金 の 支 給 期 間 と 年 金 額 です 寡 婦 年 金 の 支 給 期 間 は 夫 の 死 亡 の 当 時 妻 が60 歳 未 満 の 場 合 は 妻 が60 歳 に 達 した 日 の 属 する 月 の 翌 月 から 65 歳 に 達 する 日 の 属 する 月 までとなりま す 夫 の 死 亡 の 当 時 妻 が60 歳 未 満 であっても 寡 婦 年 金 の 受 給 権 は 発 生 しますが その 支 給 が 開 始 さ れるのは 妻 が60 歳 に 達 した 日 の 属 する 月 の 翌 月 か らとなります また 夫 の 死 亡 の 当 時 妻 が60 歳 以 上 の 場 合 は 夫 の 死 亡 日 が 属 する 月 の 翌 月 から 妻 が65 歳 に 達 す る 日 の 属 する 月 までが 支 給 期 間 となります 支 給 停 止 と 失 権 1 寡 婦 年 金 の 最 後 は 支 給 停 止 と 失 権 です まず 支 給 停 止 についてですが 寡 婦 年 金 と 同 一 の 支 給 事 由 により 労 働 基 準 法 の 規 定 による 遺 族 補 償 が 行 われるときは 死 亡 の 日 から6 年 間 寡 婦 年 金 の 支 給 が 停 止 されます 4
支 給 停 止 と 失 権 2 続 いて 失 権 です 寡 婦 年 金 の 失 権 の 事 由 は5つあ り 受 給 権 者 が 失 権 事 由 のいずれかに 該 当 した 場 合 寡 婦 年 金 の 受 給 権 は 消 滅 します 具 体 的 に 紹 介 すると 1つ 目 は 65 歳 に 達 したとき 2つ 目 は 死 亡 したとき 3つ 目 は 婚 姻 をしたとき 4 つ 目 は 養 子 となったときです ただし 直 系 血 族 または 直 系 姻 族 の 養 子 となったときを 除 きます 最 後 に5つ 目 は 繰 上 げ 支 給 の 老 齢 基 礎 年 金 の 受 給 権 を 取 得 したときです 寡 婦 年 金 の 受 給 権 を 有 する 者 が 繰 上 げ 請 求 をした 場 合 寡 婦 年 金 の 受 給 権 は 消 滅 します また 繰 上 げ 請 求 をした 後 寡 婦 年 金 は 支 給 されないので こ の 点 に 注 意 が 必 要 です 次 の 問 題 について 正 しいか 誤 っているかを 考 えてく ださい 問 題 1です 付 加 保 険 料 の 額 は 月 額 200 円 で 付 加 年 金 の 年 金 額 は 400 円 (かける) 付 加 保 険 料 の 納 付 済 期 間 の 月 数 である 正 解 はバツです 付 加 保 険 料 の 額 は 月 額 400 円 で 付 加 年 金 の 年 金 額 は 200 円 (かける) 付 加 保 険 料 の 納 付 済 期 間 の 月 数 となります 問 題 2です 寡 婦 年 金 は 死 亡 した 夫 が 障 害 基 礎 年 金 の 受 給 権 者 であったことがあるときには 支 給 されない 正 解 はマルです 5
9 基 礎 編 講 義 独 自 給 付 2 死 亡 一 時 金 紙 上 Live 講 義 死 亡 一 時 金 次 は 死 亡 一 時 金 です 死 亡 一 時 金 に 関 しては 法 第 52 条 の2から 法 第 52 条 の6に 規 定 されています 死 亡 一 時 金 は 第 1 号 被 保 険 者 として 保 険 料 を 納 付 した 方 が 老 齢 基 礎 年 金 や 障 害 基 礎 年 金 などを 受 給 しないで 死 亡 した 場 合 に 保 険 料 の 掛 捨 てを 防 止 す るため 一 定 の 遺 族 に 支 給 されます 2つ 目 は 死 亡 者 が 老 齢 基 礎 年 金 または 障 害 基 礎 年 金 の 支 給 を 受 けたことがないことです ただし 旧 国 民 年 金 法 の 老 齢 年 金 通 算 老 齢 年 金 障 害 年 金 母 子 年 金 準 母 子 年 金 旧 国 民 年 金 法 の 母 子 福 祉 年 金 または 準 母 子 福 祉 年 金 から 裁 定 替 えされた 遺 族 基 礎 年 金 の 支 給 を 受 けたことがある 者 は 老 齢 基 礎 年 金 または 障 害 基 礎 年 金 の 支 給 を 受 けたことがあ る 者 とみなされます 死 亡 一 時 金 は 死 亡 者 がこの2 つの 要 件 を 満 たしている 場 合 に 一 定 の 遺 族 に 支 給 されます 死 亡 一 時 金 の 支 給 要 件 では 死 亡 一 時 金 の 支 給 要 件 を 見 ていきましょう 死 亡 一 時 金 の 支 給 要 件 は 2つあります 1つ 目 は 死 亡 日 の 前 日 に 死 亡 日 の 属 する 月 の 前 月 までの 第 1 号 被 保 険 者 としての 被 保 険 者 期 間 に 保 険 料 を 納 付 した 月 数 が36 月 以 上 ある 者 が 死 亡 したこ とです この 場 合 保 険 料 4 分 の1 免 除 期 間 の 月 数 は4 分 の3で 計 算 し 保 険 料 半 額 免 除 期 間 の 月 数 は2 分 の1 で 計 算 し 保 険 料 4 分 の3 免 除 期 間 の 月 数 は4 分 の1で 計 算 します また 死 亡 一 時 金 の 支 給 要 件 を 見 る 上 で 任 意 加 入 被 保 険 者 と 特 例 による 任 意 加 入 被 保 険 者 は 第 1 号 被 保 険 者 とみなされます 死 亡 一 時 金 の 不 支 給 ここで 死 亡 一 時 金 が 支 給 されないケースについ て 説 明 をしておきます 死 亡 一 時 金 は 同 一 の 事 由 について 遺 族 基 礎 年 金 を 受 けることができる 者 がいる 場 合 には 支 給 されま せん 胎 児 であった 子 が 生 まれ 遺 族 基 礎 年 金 の 受 給 権 が 発 生 した 場 合 も 同 様 です ただし 死 亡 者 の 遺 族 基 礎 年 金 の 受 給 権 者 となる 配 偶 者 がなく 子 だ けが 遺 族 基 礎 年 金 の 受 給 権 を 取 得 したものの その 子 と 生 計 を 同 じくする 父 または 母 がいることによ り 子 の 遺 族 基 礎 年 金 が 支 給 を 停 止 されている 場 合 を 除 きます なお 遺 族 基 礎 年 金 の 受 給 権 の 発 生 と 消 滅 が 同 一 月 である 場 合 すなわち 死 亡 者 の 死 亡 日 が 属 する 6
9 基 礎 編 講 義 独 自 給 付 2 死 亡 一 時 金 紙 上 Live 講 義 月 に 遺 族 基 礎 年 金 の 受 給 権 が 消 滅 した 場 合 には 遺 族 基 礎 年 金 が 支 給 されないため 死 亡 一 時 金 が 支 給 されます なお 死 亡 一 時 金 については 改 定 率 の 改 定 による 自 動 改 定 の 仕 組 みは 適 用 されません 遺 族 の 範 囲 と 順 位 続 いては 死 亡 一 時 金 を 受 けることができる 遺 族 の 範 囲 と 順 位 です 死 亡 一 時 金 を 受 けることができる 遺 族 とは 死 亡 の 当 時 死 亡 者 と 生 計 を 同 じくしていた 死 亡 者 の 配 偶 者 子 父 母 孫 祖 父 母 または 兄 弟 姉 妹 で す 受 給 の 順 位 はこの 順 番 のとおりです なお 未 支 給 年 金 とは 異 なり 三 親 等 内 の 親 族 ( 死 亡 者 の 配 偶 者 子 父 母 孫 祖 父 母 または 兄 弟 姉 妹 を 除 く) は 受 けることができません また 子 の 遺 族 基 礎 年 金 の 支 給 が 停 止 されていることにより 支 給 される 死 亡 一 時 金 は 配 偶 者 にのみに 支 給 され ます 支 給 の 調 整 死 亡 一 時 金 の 最 後 は 支 給 の 調 整 です 夫 の 死 亡 により 死 亡 一 時 金 の 支 給 を 受 けることができる 妻 に 対 して 同 時 に 寡 婦 年 金 の 受 給 権 が 発 生 する 場 合 があります この 場 合 は 受 給 権 者 の 選 択 により 死 亡 一 時 金 か 寡 婦 年 金 のいずれか 一 方 が 支 給 され 選 択 しなかった 給 付 の 受 給 権 はなくなります 死 亡 一 時 金 の 額 次 に 死 亡 一 時 金 の 額 です 死 亡 一 時 金 の 額 は 死 亡 日 の 属 する 月 の 前 月 まで の 第 1 号 被 保 険 者 としての 保 険 料 納 付 実 績 に 応 じ 図 表 のとおり12 万 円 から32 万 円 となります また 死 亡 日 の 属 する 月 の 前 月 までの 付 加 保 険 料 の 納 付 済 期 間 が3 年 以 上 ある 場 合 には 8,500 円 が 加 算 されます 脱 退 一 時 金 では 今 回 の 講 義 での 最 後 の 項 目 脱 退 一 時 金 の 説 明 を 始 めます 脱 退 一 時 金 に 関 しては 法 附 則 第 9 条 の3の2に 規 定 されています 脱 退 一 時 金 は 日 本 国 籍 を 有 しない 者 が 日 本 国 内 に 短 期 間 滞 在 して 帰 国 した 場 合 に その 間 に 納 付 し た 国 民 年 金 の 保 険 料 が 老 齢 給 付 等 に 結 びつかないと いう 問 題 が 指 摘 され 平 成 6 年 の 制 度 改 正 により 公 布 平 成 7 年 4 月 に 施 行 されました 7
9 基 礎 編 講 義 独 自 給 付 2 死 亡 一 時 金 紙 上 Live 講 義 脱 退 一 時 金 の 支 給 要 件 では 脱 退 一 時 金 の 支 給 要 件 を 見 ていきましょう 脱 退 一 時 金 の 支 給 要 件 は 6つあります 6つの 要 件 をすべて 満 たす 方 が 脱 退 一 時 金 の 支 給 を 請 求 す ることができます 1つ 目 は 請 求 日 の 前 日 に 請 求 日 の 属 する 月 の 前 月 までの 第 1 号 被 保 険 者 としての 被 保 険 者 期 間 に 保 険 料 を 納 付 した 月 数 が6 月 以 上 あることです この 場 合 保 険 料 4 分 の1 免 除 期 間 の 月 数 は4 分 の3で 計 算 し 保 険 料 半 額 免 除 期 間 の 月 数 は2 分 の1で 計 算 し 保 険 料 4 分 の3 免 除 期 間 の 月 数 は4 分 の1で 計 算 します ま た 脱 退 一 時 金 の 支 給 要 件 を 見 る 上 で 任 意 加 入 被 保 険 者 と 特 例 による 任 意 加 入 被 保 険 者 は 第 1 号 被 保 険 者 とみなされます 2つ 目 は 日 本 国 籍 を 有 しない 者 であることです 3つ 目 は 老 齢 基 礎 年 金 または 旧 国 民 年 金 法 の 老 齢 年 金 通 算 老 齢 年 金 の 受 給 資 格 期 間 を 満 たしてい ないことです 4つ 目 は 障 害 基 礎 年 金 その 他 政 令 で 定 める 給 付 の 受 給 権 を 有 したことがないことです その 他 政 令 で 定 める 給 付 については 逐 条 解 説 に 記 載 されてい ますので 参 照 してください 5つ 目 は 被 保 険 者 でなく かつ 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していないことです 6つ 目 は 最 後 に 被 保 険 者 の 資 格 を 喪 失 した 日 から 起 算 して2 年 を 経 過 していないことです ただし 最 後 に 被 保 険 者 の 資 格 を 喪 失 した 日 に 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していた 者 は 最 後 に 被 保 険 者 の 資 格 を 喪 失 し た 後 初 めて 日 本 国 内 に 住 所 を 有 しなくなった 日 から 起 算 して2 年 を 経 過 していないこととなります 8
9 基 礎 編 講 義 独 自 給 付 2 死 亡 一 時 金 紙 上 Live 講 義 険 者 期 間 は 被 保 険 者 でなかったものとみなされま す 脱 退 一 時 金 の 額 次 に 脱 退 一 時 金 の 額 です 脱 退 一 時 金 は 基 準 月 が 所 属 する 年 度 により 支 給 額 が 異 なります 基 準 月 とは 請 求 日 の 属 する 月 の 前 月 までの 第 1 号 被 保 険 者 としての 被 保 険 者 期 間 に かかる 保 険 料 納 付 済 期 間 と 保 険 料 4 分 の1 免 除 期 間 と 保 険 料 半 額 免 除 期 間 と 保 険 料 4 分 の3 免 除 期 間 のう ち 請 求 日 の 前 日 までに 保 険 料 が 納 付 された 月 のう ち 直 近 の 月 のことです わかりやすく 言 い 換 えると 最 後 に 保 険 料 が 納 付 された 月 が 基 準 月 となります 次 の 問 題 について 正 しいか 誤 っているかを 考 えてく ださい 問 題 1です 死 亡 一 時 金 の 支 給 要 件 における 保 険 料 納 付 済 期 間 に は 任 意 加 入 被 保 険 者 としての 保 険 料 納 付 済 期 間 は 含 まれるが 特 例 による 任 意 加 入 被 保 険 者 としての 期 間 は 保 険 料 納 付 済 期 間 とはされていない 正 解 はバツです 死 亡 一 時 金 の 支 給 要 件 における 保 険 料 納 付 済 期 間 に は 特 例 による 任 意 加 入 被 保 険 者 としての 期 間 も 含 まれます そして 脱 退 一 時 金 は 対 象 月 数 に 応 じて 支 給 額 が 定 められています 対 象 月 数 とは 請 求 日 の 属 す る 月 の 前 月 までの 第 1 号 被 保 険 者 としての 保 険 料 納 付 済 期 間 の 月 数 と 保 険 料 4 分 の1 免 除 期 間 の 月 数 を4 分 の3で 計 算 した 月 数 と 保 険 料 半 額 免 除 期 間 の 月 数 を2 分 の1で 計 算 した 月 数 と 保 険 料 4 分 の3 免 除 期 間 の 月 数 を4 分 の1で 計 算 した 月 数 を 合 算 した 月 数 のこと です また 法 附 則 第 9 条 の3の2 第 3 項 に 規 定 される 脱 退 一 時 金 の 額 ( 実 際 の 脱 退 一 時 金 の 支 給 額 は 厚 生 労 働 省 または 日 本 年 金 機 構 の HP でご 確 認 くださ い )は 図 表 のとおり 対 象 月 数 に 応 じて 40,740 円 から244,440 円 となっています なお 脱 退 一 時 金 の 支 給 を 受 けたときは その 額 の 計 算 の 基 礎 となった 第 1 号 被 保 険 者 としての 被 保 問 題 2です 日 本 国 籍 を 有 しない 者 であって 被 保 険 者 である 者 は 脱 退 一 時 金 を 請 求 することができる 正 解 はバツです 脱 退 一 時 金 を 請 求 できる 者 は 国 民 年 金 の 被 保 険 者 でない 者 に 限 られます 9