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代 行 制 度 を 基 本 的 な 枠 組 とする 厚 生 年 金 基 金 制 度 の 今 後 の 在 り 方 について 本 試 案 では 代 行 部 分 は 公 的 年 金 の 一 部 である という 基 本 認 識 に 立 って 1 早 急 な 対 応 が 求 められる 代 行 割 れ 問 題 への 対 応 2 企 業 年 金 の 持 続 可 能 性 を 高 めていくための 選 択 肢 の 多 様 化 3 代 行 制 度 の 持 続 可 能 性 の 検 証 とこれを 踏 まえた 代 行 制 度 の 見 直 し という3つの 観 点 から 今 後 の 方 向 性 と 具 体 策 を 取 りまとめた 1. 特 例 解 散 制 度 の 見 直 しによる 代 行 割 れ 問 題 への 対 応 (1) 基 本 原 則 (2) 特 例 解 散 のプロセス 1 解 散 の 類 型 2プロセスの 透 明 化 3 代 行 資 産 の 先 行 返 還 制 度 の 導 入 (3) 特 例 措 置 の 見 直 し 1 特 例 措 置 の 適 用 条 件 2 現 行 特 例 の 適 用 ( 分 割 納 付 の 特 例 及 び 納 付 額 の 特 例 ) 3 新 特 例 の 適 用 ( 納 付 期 間 の 延 長 又 は 納 付 額 の 新 特 例 ) 4 代 行 給 付 の 確 保 と 上 乗 せ 給 付 に 係 る 受 給 者 の 適 正 な 負 担 2. 企 業 年 金 の 持 続 可 能 性 を 高 めるための 施 策 の 推 進 (1) 企 業 年 金 の 選 択 肢 の 多 様 化 1キャッシュバランスプランの 給 付 設 計 の 弾 力 化 2 集 団 運 用 型 DC( 仮 称 )の 創 設 (2) 厚 生 年 金 基 金 から 他 の 企 業 年 金 への 移 行 支 援 1DB 移 行 後 の 財 政 運 営 の 特 例 2 代 行 返 上 支 援 事 業 3 代 行 資 産 の 先 行 返 還 制 度 の 導 入 4 中 小 企 業 の DB への 移 行 支 援 5 代 行 資 産 の 現 物 納 付 3. 代 行 制 度 の 見 直 し (1) 最 低 責 任 準 備 金 の 計 算 方 法 の 見 直 し 1 代 行 給 付 費 の 計 算 に 用 いる 係 数 (0.875)の 見 直 し 2 期 ずれ の 調 整 (2) 代 行 制 度 の 段 階 的 縮 小 廃 止 1 代 行 給 付 の 確 保 ( 公 的 年 金 である 2 階 部 分 に 係 る 給 付 の 保 証 ) 2 段 階 的 縮 小 廃 止 のプロセス (3) 移 行 期 間 中 の 制 度 運 営 の 見 直 し 1 解 散 認 可 基 準 ( 代 行 返 上 の 場 合 を 含 む)の 緩 和 2 合 併 等 の 認 可 基 準 等 の 緩 和 2

1. 特 例 解 散 制 度 の 見 直 しによる 代 行 割 れ 問 題 への 対 応 いわゆる 代 行 割 れ 問 題 については これまでも 特 例 解 散 制 度 により 厚 生 年 金 本 体 への 財 政 影 響 に 留 意 しつつ 分 割 納 付 の 特 例 や 厚 生 年 金 本 体 への 納 付 額 の 特 例 を 時 限 措 置 として 設 けてきた しかし 産 業 構 造 の 変 化 等 に 伴 い 母 体 企 業 の 負 担 能 力 が 著 しく 低 下 している 基 金 では 現 行 の 特 例 措 置 を 用 いても 解 散 できない 状 況 にある 代 行 部 分 の 積 立 不 足 は 母 体 企 業 が 負 担 することを 基 本 とし 連 鎖 倒 産 等 による 地 域 経 済 雇 用 への 影 響 や 厚 生 年 金 本 体 の 将 来 の 財 政 リスクの 軽 減 の 観 点 から 現 行 の 特 例 解 散 制 度 の 基 本 的 な 考 え 方 枠 組 みを 維 持 しつつ 一 定 の 見 直 しを 行 う 見 直 しに 当 たっては 厚 生 年 金 本 体 との 財 政 中 立 を 基 本 とし 厚 生 年 金 の 被 保 険 者 や 既 に 代 行 返 上 解 散 した 基 金 との 公 平 性 の 確 保 及 びモラルハザード 防 止 に 留 意 しつつ 明 確 な 適 用 プロセスと 適 用 条 件 を 設 定 する また 見 直 し 後 の 特 例 解 散 制 度 は5 年 間 の 時 限 措 置 とする なお 代 行 部 分 の 債 務 である 最 低 責 任 準 備 金 は 厚 生 年 金 本 体 との 財 政 中 立 の 観 点 から 計 算 方 法 を 見 直 した 後 の 最 低 責 任 準 備 金 を 用 いるものとする (1) 基 本 原 則 以 下 の 基 本 的 な 考 え 方 の 下 に 現 行 の 特 例 措 置 を 見 直 すとともに モラルハザー ドを 防 止 し 早 期 の 対 応 を 進 める 観 点 から 明 確 な 適 用 プロセスと 適 用 条 件 を 設 定 する また 見 直 し 後 の 特 例 解 散 の 申 請 は 施 行 日 から5 年 以 内 とする 1 厚 生 年 金 基 金 自 身 の 運 営 努 力 を 求 めること 代 行 部 分 の 積 立 不 足 は 基 金 の 母 体 企 業 が 責 任 を 持 って 負 担 することが 前 提 であり 特 例 解 散 制 度 の 適 用 に 当 たっても 基 金 の 運 営 努 力 ( 掛 金 の 適 正 な 設 定 給 付 抑 制 のための 措 置 等 )を 求 めることとする また 受 給 者 にも 一 定 のルールの 下 に 負 担 を 求 めるとともに モラルハザード 防 止 の 観 点 から 基 金 全 体 の 平 均 的 なポートフォリオ( 資 産 構 成 割 合 )を 大 きく 外 れ た 運 用 を 行 った 結 果 生 じた 不 足 分 については 母 体 企 業 の 負 担 とする 2 母 体 企 業 の 経 営 への 影 響 に 配 慮 すること 母 体 企 業 の 自 己 責 任 を 基 本 としつつ 過 度 の 負 担 により 母 体 企 業 が 経 営 破 綻 に 陥 ることは 地 域 経 済 雇 用 への 影 響 や 最 終 的 に 代 行 部 分 の 給 付 責 任 を 負 う 厚 生 年 金 本 体 の 将 来 の 財 政 への 影 響 という 観 点 から 極 力 回 避 すべきことであるため 母 体 企 業 の 経 営 への 影 響 にも 一 定 程 度 配 慮 した 仕 組 みとする なお 母 体 企 業 の 資 金 調 達 の 問 題 に 関 しては 関 係 省 庁 とも 連 携 を 図 っていく 3

(2) 特 例 解 散 のプロセス 1 解 散 の 類 型 代 行 割 れとなっている 基 金 が 厚 生 労 働 大 臣 に 特 例 解 散 を 申 請 し 認 可 を 受 ける ことにより 解 散 する 自 主 解 散 を 基 本 とする 代 行 割 れの 度 合 いが 一 定 率 以 上 である 等 の 要 件 を 満 たし かつ 自 主 解 散 の 申 請 を 行 わない 基 金 について 厚 生 労 働 大 臣 が 第 三 者 委 員 会 の 議 決 を 経 て 指 定 を 行 い 一 定 期 間 内 に 解 散 を 促 すしくみ( 清 算 型 解 散 ( 仮 称 ) )を 導 入 する 2プロセスの 透 明 化 特 例 解 散 制 度 の 公 正 公 平 な 適 用 を 行 うため 第 三 者 委 員 会 として 社 会 保 障 審 議 会 の 下 に 厚 生 年 金 基 金 解 散 審 査 会 ( 仮 称 ) を 置 く 審 査 会 は 学 識 経 験 者 や 実 務 家 労 使 代 表 などで 構 成 し 1 清 算 型 解 散 ( 仮 称 ) の 指 定 要 件 に 合 致 しているか 2 特 例 措 置 の 適 用 条 件 に 合 致 しているか 等 を 審 査 する 3 代 行 資 産 の 先 行 返 還 制 度 の 導 入 特 例 解 散 の 申 請 時 点 ( 清 算 型 解 散 ( 仮 称 )の 場 合 は 指 定 時 点 ) 以 降 年 金 記 録 整 理 等 の 事 務 処 理 に 先 行 して 代 行 資 産 を 返 還 することができる 仕 組 みを 創 設 し 厚 生 年 金 本 体 の 債 権 管 理 に 伴 うリスクを 軽 減 する (3) 特 例 措 置 の 見 直 し 1 特 例 措 置 の 適 用 条 件 適 用 条 件 に 合 致 しているかどうかは 第 三 者 委 員 会 で 審 査 する ア. 現 行 特 例 の 適 用 条 件 ( 分 割 納 付 の 特 例 及 び 納 付 額 の 特 例 ) 過 去 において 相 当 の 運 営 努 力 を 行 っていること 具 体 的 には 以 下 の 条 件 をい ずれも 満 たすこと 掛 金 の 適 正 な 設 定 を 行 っていること( 財 政 再 計 算 に 基 づき 積 立 不 足 解 消 に 必 要 な 掛 金 率 を 設 定 していること 又 は 基 金 全 体 の 平 均 を 超 える 掛 金 率 を 設 定 していること) 給 付 抑 制 のために 必 要 な 措 置 を 実 施 していること イ. 新 特 例 の 適 用 条 件 ( 納 付 期 間 の 延 長 又 は 納 付 額 の 新 特 例 ) 上 記 のアの 条 件 を 満 たしていることに 加 え 一 定 の 条 件 ( 基 金 の 成 熟 度 やこれ までの 基 金 の 財 政 健 全 化 努 力 を 勘 案 した 客 観 的 な 数 値 による 指 標 等 を 設 定 )を 満 たしていること 4

2 現 行 特 例 の 適 用 ( 分 割 納 付 の 特 例 及 び 納 付 額 の 特 例 ) 前 述 の1アの 適 用 条 件 を 満 たした 場 合 は 現 行 特 例 ( 分 割 納 付 の 特 例 及 び 納 付 額 の 特 例 )を 認 める 分 割 納 付 は 最 長 15 年 までとする 分 割 納 付 の 方 法 について 母 体 企 業 の 資 金 調 達 を 円 滑 に 進 める 観 点 から 次 の 見 直 しを 行 う ア 各 事 業 所 の 連 帯 債 務 の 見 直 し 解 散 時 に 各 事 業 所 の 債 務 を 確 定 し 各 事 業 所 が 厚 生 年 金 本 体 に 直 接 納 付 する 仕 組 みへと 見 直 す イ 分 割 納 付 に 係 る 利 息 の 見 直 し 分 割 納 付 に 係 る 利 息 について 固 定 金 利 とする ( 現 行 は 厚 生 年 金 本 体 の 実 績 運 用 利 回 りに 応 じて 変 わる 変 動 金 利 ) 3 新 特 例 の 適 用 ( 納 付 期 間 の 延 長 又 は 納 付 額 の 新 特 例 ) 前 述 1ア 及 びイの 双 方 の 条 件 を 満 たした 基 金 に 限 り 新 特 例 を 適 用 する 新 特 例 の 具 体 的 内 容 として 以 下 の2つの 案 を 提 案 する いずれの 案 を 採 択 するかは これまで 解 散 等 を 行 った 基 金 とのバランスや 今 後 の 議 論 を 踏 まえて 判 断 する A 案 納 付 期 間 の 延 長 納 付 額 は 現 行 特 例 を 踏 襲 しつつ 母 体 企 業 の 資 金 調 達 の 平 準 化 を 図 る 観 点 から 納 付 期 間 をさらに 延 長 する 案 B 案 納 付 額 の 新 特 例 納 付 期 間 は 現 行 特 例 を 踏 襲 しつつ 母 体 企 業 の 経 営 への 影 響 を 緩 和 するた め 納 付 額 に 特 例 を 設 ける 案 厚 生 年 金 本 体 への 納 付 総 額 分 割 納 付 期 間 現 行 の 最 低 責 任 準 備 金 と 特 例 基 準 額 のいずれか 低 い 額 最 長 15 年 間 特 例 措 置 特 例 基 準 額 基 金 設 立 時 から 厚 生 年 金 本 体 の 実 績 運 用 利 回 りを 用 いて 計 算 した 額 A 案 現 行 と 同 じ 最 長 納 付 期 間 を 延 長 B 案 最 低 責 任 準 備 金 と 新 特 例 基 準 額 のいずれか 低 い 額 現 行 と 同 じ 新 特 例 基 準 額 最 低 責 任 準 備 金 -[ 追 加 負 担 額 - 負 担 上 限 額 ] 追 加 負 担 額 = 最 低 責 任 準 備 金 - 保 有 資 産 保 有 資 産 が 一 定 水 準 を 下 回 った 部 分 は 負 担 上 限 額 の 対 象 外 現 行 の 特 例 基 準 額 が 新 特 例 基 準 額 よりも 低 い 場 合 は 現 行 の 特 例 基 準 額 を 用 いることが 可 能 5

新 特 例 基 準 額 の 考 え 方 ( 厚 生 年 金 本 体 との 財 政 中 立 を 基 本 ) 最 低 責 任 準 備 金 ( 財 政 中 立 の 観 点 から 計 算 方 法 を 見 直 したもの)と 保 有 資 産 と の 差 額 は 母 体 企 業 が 負 担 することを 原 則 とする ( 負 担 上 限 額 の 設 定 ) 一 定 の 条 件 ( 前 述 の1ア 及 びイ)を 満 たす 基 金 に 限 り 負 担 額 に 一 定 の 上 限 を 設 ける ( 負 担 上 限 額 の 考 え 方 の 例 ) 当 該 基 金 の 給 与 総 額 に 基 金 全 体 の 上 乗 せ 掛 金 率 の 平 均 (2.4% 程 度 )を 乗 じた 額 の 概 ねα 年 分 ( ) α: 分 割 納 付 期 間 の 最 長 期 間 ( 旧 特 例 解 散 制 度 では 10 年 現 行 の 特 例 解 (モラルハザード 防 止 措 置 ) 散 制 度 では 15 年 )などを 参 考 に 設 定 モラルハザード 防 止 の 観 点 から 対 象 基 金 を 限 定 することに 加 え 基 金 全 体 から 見 て 標 準 的 な 資 産 運 用 を 行 っていた 場 合 には 得 られていたと 考 えられる 一 定 水 準 額 ( )を 設 定 し 保 有 資 産 がこれを 下 回 っている 部 分 は 負 担 上 限 額 の 対 象 外 とする 代 行 部 分 について 基 金 全 体 の 平 均 的 なポートフォリオに 基 づく 資 産 運 用 を 行 っていたと 仮 定 して 計 算 した 場 合 の 積 立 金 の 残 高 代 行 割 れの 不 足 分 は 母 体 企 業 の 負 担 が 原 則 一 定 の 条 件 を 満 たす 基 金 に 限 り 負 担 上 限 額 を 設 定 資 産 一 定 水 準 額 の 場 合 原 則 母 体 企 業 負 担 ( 負 担 上 限 あり) 最 低 責 任 準 備 金 保 有 資 産 モラルハザード 防 止 のための 一 定 水 準 額 資 産 < 一 定 水 準 額 の 場 合 原 則 母 体 企 業 負 担 ( 負 担 上 限 あり) 母 体 企 業 負 担 最 低 責 任 準 備 金 保 有 資 産 資 産 が 一 定 水 準 を 下 回 った 部 分 は 負 担 上 限 額 の 特 例 は 適 用 しない 6

4 代 行 給 付 の 確 保 と 上 乗 せ 給 付 に 係 る 受 給 者 の 適 正 な 負 担 特 例 解 散 制 度 の 見 直 しに 当 たり 厚 生 年 金 の 被 保 険 者 や 既 に 代 行 返 上 解 散 し た 基 金 との 公 平 性 を 確 保 する 観 点 から 特 例 解 散 制 度 の 適 用 を 受 ける 基 金 の 受 給 者 にも 一 定 の 負 担 を 求 めることとする 具 体 的 には 代 行 給 付 は 解 散 後 も 減 額 することなく 厚 生 年 金 本 体 から 支 給 する が いわゆる 3 階 部 分 の 上 乗 せ 給 付 は 特 例 解 散 の 申 請 時 点 ( 清 算 型 解 散 ( 仮 称 )の 場 合 は 厚 生 労 働 大 臣 の 指 定 を 受 けた 時 点 )から 支 給 を 停 止 する 7

2. 企 業 年 金 の 持 続 可 能 性 を 高 めるための 施 策 の 推 進 我 が 国 の 経 済 基 調 が 低 成 長 へと 変 化 し 金 融 市 場 の 変 動 幅 が 拡 大 する 中 で 持 続 可 能 な 企 業 年 金 を 普 及 させるため 企 業 年 金 の 選 択 肢 の 多 様 化 を 進 める また 中 小 企 業 の 企 業 年 金 を 維 持 する 観 点 から 厚 生 年 金 基 金 から 他 の 企 業 年 金 への 移 行 を 支 援 するための 特 例 措 置 を 設 ける (1) 企 業 年 金 の 選 択 肢 の 多 様 化 現 行 の 確 定 給 付 企 業 年 金 (DB)や 確 定 拠 出 年 金 (DC)の 枠 組 の 中 で できる 限 り 制 度 運 営 コストが 低 く また 企 業 の 追 加 負 担 が 尐 ない 企 業 年 金 の 選 択 肢 を 増 や す 1キャッシュバランスプランの 給 付 設 計 の 弾 力 化 参 考 資 料 p2 キャッシュバランスプランにおいて 用 いる 基 準 利 率 ( 仮 想 個 人 勘 定 に 累 積 して いく 際 に 用 いる 利 率 )について 現 行 の 指 標 ( 定 率 国 債 利 回 り 消 費 者 物 価 指 数 東 証 株 価 指 数 など)のほか 運 用 実 績 を 加 える また 基 準 利 率 の 下 限 について 現 行 では 各 年 度 でゼロ 以 上 となっている が 加 入 から 退 職 までの 全 期 間 通 算 でゼロ 以 上 となっていればよいこととする さらに 年 金 現 価 率 ( 仮 想 個 人 勘 定 に 累 積 した 残 高 を 年 金 化 するときに 用 いる 利 率 )の 下 限 については 現 行 では 10 年 国 債 の1 年 平 均 と5 年 平 均 の 低 い 方 の 利 率 となっているが ゼロ 以 上 であればよいこととする 2 集 団 運 用 型 DC( 仮 称 )の 創 設 参 考 資 料 p3 確 定 拠 出 年 金 の 特 徴 ( 掛 金 負 担 を 固 定 給 付 は 運 用 成 果 を 反 映 )を 持 ちつつ 企 業 単 位 で 運 用 方 針 や 運 用 商 品 の 選 択 肢 を 決 める 新 たな 類 型 の DC( 集 団 運 用 型 DC( 仮 称 ) )を 導 入 する 具 体 的 には 企 業 単 位 で 資 産 運 用 委 員 会 ( 労 働 組 合 や 従 業 員 の 代 表 資 産 運 用 に 関 する 専 門 的 知 識 経 験 を 有 する 者 などで 構 成 )を 設 置 し 当 該 委 員 会 を 通 じ て 加 入 者 等 に 運 用 商 品 の 選 択 肢 を 提 示 する この 場 合 事 業 主 は 個 々の 従 業 員 に 対 する 投 資 教 育 は 行 わなくてもよいこととする 8

(2) 厚 生 年 金 基 金 から 他 の 企 業 年 金 への 移 行 支 援 厚 生 年 金 基 金 から 他 の 企 業 年 金 へ 移 行 することを 支 援 するため 次 の 特 例 措 置 を 設 ける (1 及 び2については 申 請 期 限 を 施 行 日 から5 年 間 とする ) 1DB 移 行 後 の 財 政 運 営 の 特 例 代 行 返 上 により 確 定 給 付 企 業 年 金 (DB)に 移 行 した 場 合 には 移 行 時 の 積 立 不 足 金 の 償 却 期 間 を 現 行 の 20 年 から 30 年 に 延 長 する 2 代 行 返 上 支 援 事 業 企 業 年 金 連 合 会 が 解 散 基 金 加 入 員 を 対 象 として 実 施 している 支 払 保 証 事 業 につ いて 基 金 が 代 行 返 上 により 確 定 給 付 企 業 年 金 等 に 移 行 する 場 合 の 経 費 を 支 援 す る 事 業 へと 見 直 す 3 代 行 資 産 の 先 行 返 還 制 度 の 導 入 代 行 の 将 来 返 上 を 行 った 基 金 が 過 去 返 上 を 行 うまでの 間 に 年 金 記 録 整 理 等 の 事 務 手 続 きに 先 行 して 代 行 資 産 を 返 還 することができる 仕 組 みを 創 設 し 厚 生 年 金 本 体 の 債 権 管 理 に 伴 うリスクを 軽 減 する 4 中 小 企 業 の DB への 移 行 支 援 単 独 では DB を 設 立 することが 困 難 な 中 小 企 業 が 基 金 の 解 散 の 際 に 保 有 資 産 を 事 業 所 単 位 で 既 存 の DB に 移 換 し 簡 易 な 手 続 きで 加 入 することができる 仕 組 みを 新 たに 導 入 する 具 体 的 には 加 入 員 は 基 金 から 当 該 DB に 自 動 的 に 移 行 できることとし 受 給 者 は 当 該 DB からの 年 金 給 付 か 一 時 金 支 給 のいずれかを 選 択 できることとする 5 代 行 資 産 の 現 物 納 付 従 来 の 代 行 返 上 と 同 様 保 有 資 産 の 売 却 による 市 場 への 影 響 を 緩 和 する 観 点 か ら 一 定 の 条 件 の 下 で 株 式 等 の 有 価 証 券 現 物 での 納 付 も 可 能 とする 9

3. 代 行 制 度 の 見 直 し 代 行 部 分 の 債 務 である 最 低 責 任 準 備 金 の 計 算 方 法 について 有 識 者 会 議 報 告 の 指 摘 等 を 踏 まえ 厚 生 年 金 本 体 との 財 政 中 立 の 範 囲 内 で 適 正 化 を 図 る 代 行 制 度 の 創 設 から 約 半 世 紀 が 経 過 し 制 度 を 取 り 巻 く 経 済 金 融 情 勢 が 大 きく 変 わる 中 で 代 行 制 度 の 今 後 の 持 続 可 能 性 に 関 する 検 証 ( 参 考 資 料 p5~7)や 厚 生 年 金 本 体 の 財 政 に 与 える 影 響 等 を 踏 まえ 代 行 制 度 は 10 年 間 の 移 行 期 間 をおい た 上 で 段 階 的 に 縮 小 廃 止 する 移 行 期 間 中 の 制 度 運 営 に 当 たり 解 散 認 可 基 準 等 の 見 直 しを 行 う (1) 最 低 責 任 準 備 金 の 計 算 方 法 の 見 直 し 代 行 部 分 の 債 務 である 最 低 責 任 準 備 金 の 計 算 方 法 について 全 基 金 を 対 象 として 以 下 の 見 直 しを 行 う 1 代 行 給 付 費 の 計 算 に 用 いる 係 数 (0.875)の 見 直 し 代 行 給 付 費 の 計 算 に 当 たり 在 職 老 齢 年 金 制 度 による 支 給 停 止 分 を 簡 便 法 で 推 計 するための 係 数 について 各 基 金 の 実 態 により 即 したものとする 観 点 から 実 績 データに 基 づき 見 直 しを 行 う 具 体 的 には 現 在 の 一 律 の 係 数 (0.875)を 以 下 のように 受 給 者 の 年 齢 により 3 区 分 に 分 けた 係 数 へと 見 直 す 65 歳 未 満 :0.69 65 歳 以 上 75 歳 未 満 :0.96 75 歳 以 上 :1.0 上 記 の 見 直 しは 実 績 データのある 平 成 17 年 4 月 以 降 に 遡 及 して 適 用 する 2 期 ずれ の 調 整 参 考 資 料 p4 最 低 責 任 準 備 金 の 計 算 に 用 いる 厚 生 年 金 本 体 の 実 績 運 用 利 回 りについて 実 績 の 確 定 時 期 と 計 算 への 適 用 時 期 の 間 に 生 じるずれ( 期 ずれ )を 調 整 する 現 行 では 当 年 ( 暦 年 )の 最 低 責 任 準 備 金 を 計 算 する 際 に 前 々 年 度 の 実 績 運 用 利 回 りを 用 いている 具 体 的 には 厚 生 年 金 本 体 の 実 績 運 用 利 回 りが 確 定 している 期 間 には 当 該 利 回 りを 用 い 確 定 していない 期 間 については 厚 生 年 金 本 体 の 基 本 ポートフォリオ をもとに 市 場 ベンチマーク( 指 標 )を 用 いて 推 計 した 利 回 りを 用 いることとする 10

(2) 代 行 制 度 の 段 階 的 縮 小 廃 止 代 行 制 度 は 改 正 法 の 施 行 日 から 10 年 の 移 行 期 間 をもって 段 階 的 に 縮 小 し 廃 止 す る 1 代 行 給 付 の 確 保 ( 公 的 年 金 である 2 階 部 分 に 係 る 給 付 の 保 証 ) 代 行 制 度 は 段 階 的 に 縮 小 し 廃 止 するが これまで 基 金 が 給 付 していた 厚 生 年 金 の 代 行 給 付 ( 全 基 金 平 均 で 月 額 約 3 万 円 )は 代 行 割 れの 有 無 にかかわらず 厚 生 年 金 本 体 から 全 額 支 給 する ( 代 行 給 付 は 公 的 年 金 給 付 であるため 代 行 制 度 の 廃 止 により 減 額 されることはない ) 2 段 階 的 縮 小 廃 止 のプロセス 参 考 資 料 p8 [ 施 行 日 ] 新 設 の 停 止 施 行 日 以 降 は 厚 生 年 金 基 金 を 新 規 に 設 立 できないこととする [ 施 行 日 ~5 年 後 ] 現 存 基 金 の 対 応 代 行 割 れしていない 基 金 代 行 割 れしていない 基 金 は 代 行 返 上 して 確 定 給 付 企 業 年 金 等 へ 移 行 する か 解 散 のいずれかを 選 択 する 他 の 企 業 年 金 への 移 行 を 促 進 するための 特 例 を 設 ける ( 前 述 2.(2)) 解 散 の 場 合 代 行 部 分 の 給 付 義 務 は 厚 生 年 金 本 体 に 移 ることとする ( 現 行 では 解 散 した 場 合 代 行 部 分 の 給 付 義 務 は 企 業 年 金 連 合 会 に 移 る ) 代 行 割 れ 基 金 代 行 割 れ 基 金 については 見 直 し 後 の 特 例 解 散 制 度 ( 前 述 1.)により 解 散 を 促 す 特 例 解 散 の 申 請 は 施 行 日 から5 年 以 内 とする モラルハザード 防 止 の 観 点 から 基 金 の 財 政 運 営 や 資 産 運 用 に 関 する 情 報 開 示 を 徹 底 する [5 年 経 過 後 ~10 年 後 ] 代 行 部 分 の 保 険 料 納 付 の 厚 生 年 金 本 体 への 移 行 ( 将 来 期 間 分 の 債 務 の 縮 減 ) 施 行 日 から5 年 経 過 以 降 は 残 存 している 基 金 の 各 事 業 所 はこれまで 基 金 に 納 付 していた 代 行 部 分 の 保 険 料 ( 免 除 保 険 料 )を 厚 生 年 金 本 体 に 納 付 する (= 代 行 の 将 来 返 上 : 将 来 期 間 分 の 給 付 責 任 が 厚 生 年 金 本 体 に 移 る) 代 行 割 れ 防 止 策 代 行 割 れの 発 生 を 防 止 する 観 点 から 保 有 資 産 が 最 低 責 任 準 備 金 の 一 定 倍 を 下 回 った 場 合 には 代 行 資 産 を 厚 生 年 金 本 体 に 納 付 するものとする 11

[ 施 行 日 から10 年 後 ] 代 行 部 分 の 給 付 責 任 の 厚 生 年 金 本 体 への 移 行 ( 給 付 の 一 元 化 ) 施 行 日 から10 年 経 過 後 は 残 存 している 基 金 の 代 行 部 分 の 給 付 責 任 は 全 て 国 に 移 り 基 金 は 代 行 資 産 を 厚 生 年 金 本 体 に 納 付 するものとする (= 代 行 の 過 去 返 上 : 過 去 期 間 分 の 給 付 責 任 が 厚 生 年 金 本 体 に 移 る ) ( 企 業 年 金 連 合 会 ) 現 在 基 金 からの 中 途 脱 退 者 や 解 散 基 金 加 入 員 等 の 代 行 給 付 を 行 っている 企 業 年 金 連 合 会 も 代 行 制 度 の 廃 止 に 伴 い 10 年 間 の 移 行 期 間 をもって 代 行 資 産 を 厚 生 年 金 本 体 に 納 付 する また 現 在 企 業 年 金 連 合 会 の 根 拠 法 は 厚 生 年 金 保 険 法 となっているが 現 在 実 施 している 企 業 年 金 間 の 通 算 事 業 等 を 継 続 するため 確 定 給 付 企 業 年 金 法 に 基 づく 組 織 として 再 編 する (3) 移 行 期 間 中 の 制 度 運 営 の 見 直 し 1 解 散 認 可 基 準 ( 代 行 返 上 の 場 合 を 含 む)の 緩 和 解 散 認 可 基 準 ( 代 行 返 上 の 場 合 を 含 む)を 次 のとおり 緩 和 する ア 代 議 員 会 における 法 定 議 決 要 件 代 議 員 の 定 数 の4 分 の3 以 上 による 議 決 代 議 員 の 定 数 の3 分 の2 以 上 による 議 決 イ 解 散 認 可 申 請 に 際 しての 事 前 手 続 要 件 全 事 業 主 の4 分 の3 以 上 の 同 意 全 事 業 主 の3 分 の2 以 上 の 同 意 全 加 入 員 の4 分 の3 以 上 の 同 意 全 加 入 員 の3 分 の2 以 上 の 同 意 ウ 解 散 認 可 申 請 に 際 しての 理 由 要 件 母 体 企 業 の 経 営 悪 化 等 撤 廃 代 行 返 上 の 場 合 は 母 体 企 業 の 経 営 悪 化 等 の 理 由 要 件 は 課 していない 2 合 併 等 の 認 可 基 準 等 の 緩 和 合 併 等 を 行 う 場 合 の 認 可 基 準 について 解 散 認 可 基 準 に 準 じて 代 議 員 会 におけ る 法 定 議 決 要 件 の 緩 和 等 の 見 直 しを 行 うとともに 合 併 等 を 行 った 場 合 の 積 立 不 足 の 償 却 期 間 の 延 長 ( 最 長 20 年 最 長 30 年 )を 行 う 12