トマト 退 緑 萎 縮 病 (TCDVd) 総 合 対 策 マニュアル 広 島 県 立 総 合 技 術 研 究 所 農 業 技 術 センター
目 1 次 2 発 生 生 概 3 態 1) 2).... TCDVdの 病 徴 による 診 断 マニュアル 4 遺 伝 子 診 断 1) 2) トマト 時 栽 培 具 におけるTCDVdの 体 的 防 除 対 策 防 除 対 策 3)ウイロイド 発 生 後 の 改 植 時 の 具 体 的 除 対 参 考 文 献 病 終 息 後 の 予 防 対 策 要 はじめに... 3. 4 6 策 11 16 22 23 24 25 おわりに 26 2
が 平 成 年, 広 島 県 の 施 設 トマトにおいて 本 邦 初 となるトマト 退 緑 萎 縮 ウイロイド(TCDVd) はじめに し, 発 生 し( 平 成 年 度 広 島 県 病 害 虫 予 察 情 報 特 殊 報 号 ),その 後, 千 葉 県 の 施 設 トマト 所 でも 被 害 が 発 生 しました 広 島 県 の 発 生 施 設 では, 初 発 6ヶ 月 後 には, 被 害 株 率 が 約 15%に 達 は をはじめとする 確 甚 認 されておりません 大 な 経 済 的 関 被 係 害 が 機 生 関 の じました その 御 協 力 により 根 後 絶, することができ, 本 ウイロイドは, 現 生 在 産,わが 者 はもとより, 国 でトマトの 植 物 被 防 害 疫 18 18 5 バーウイロイド(PSTVd)の しています TCDVdは, 我 が 国 が を 極 特 近 に 縁 警 種 戒 であり, する 特 定 両 重 ウイロイドは 要 病 原 体 であるジャガイモスピンドルチュー 病 の 我 特 が に,PSTVdはトマトでの 国 への 侵 入 が 危 惧 されます また 種 子 伝 染 近 率 年 が, 高 法 く, 人 化 輸 世 による 入 界 トマトの 的 にもトマトに 協 業 経 種 営 子 や 等 企 を 被 業 介 害 による したウイ を 及 ぼ 業 このような 参 入 が 進 経 められており,トマト 営 体 において,トマト 等 栽 生 培 鮮 に 野 壊 菜 滅 が 的 大 被 規 害 模 を 施 与 設 えるTCDVdの で 栽 培 されるようになっています 発 生 は 大 きな 脅 威 農 易 なります このことから,これら 侵 入 警 戒 病 (TCDVdとPSTVd)のより 高 精 度 で と にすることは, な 診 断 検 出 方 植 法 物 を 検 開 疫 における 発 すると 共 水 に, 際 対 本 策 および ウイロイドの 感 染 時 の 特 防 性 に 御 基 対 づく 策 の 防 両 除 面 において 法, 予 防 極 法 を めて 明 重 らか 要 簡 を です 新 本 対 策 マニュアルは, 平 成 年 年 間 で 取 り 組 んだ 農 林 水 産 省 新 たな 農 林 水 産 政 策 されるウイロイド 推 規 進 開 する 発 の 実 用 研 技 究 病 で 術 の 得 開 検 られた 発 疫 事, 業 防 における 成 除 果 対 を 策 取 に りまとめたものです 役 立 国 てて 内 初 頂 のトマトウイロイド ければ 幸 いです 今 後 病 の に 我 対 が 応 国 した で 新 診 興 断 再 防 興 除 が 技 危 術 惧 の 19 からの3 広 島 県 立 センター 総 合 技 術 長 研 究 森 所 本 農 浩 業 正 技 術 センター 3
さな 食 ウイロイドは,ウイルスよりもさらに 病 原 体 で, 植 物 にしか 感 染 しません したがって,ウイロイドに 小 さいRNAという 核 酸 だけからなる, 感 染 した 植 世 物 界 やその でもっとも 果 実 小 を 警 べても 健 康 への 影 響 はまったくありません トマト 退 緑 萎 縮 ウイロイドの ばれ, 学 名 はトマトクロロ 日 本 への 侵 入 が 縮 葉 戒, されているジャガイモの 結 実 不 良 などの 激 しい 症 重 状 めて 要 を 病 現 近 原 し, 縁 のウイロイドです TCDVdに 著 しい 被 害 を 受 けます 感 染 したトマトは, 萎 縮, ティックドゥワーフウイロイド(Tomato chlorotic であるポテトスピンドルチューバーウイロイドPotato されました(Singhら,1999) その カナダにおいてオランダから 米 国 経 由 で 輸 入 されたトマトで 初 めて 確 認 発 生 しています(Lingら,2009)( からも 確 表 後 認 1),オランダのトマト(Verhoevenら,2005),インドのバ され, 近 年 では, 米 国 アリゾナ 州 の 施 設 トマトで 被 害 が 表 報 告 年 トマト 次 退 緑 トマト 宿 萎 主 縮 ウイロイドの 発 生 地 発 生 報 告 報 告 者 塩 分 基 配 数 ペチュニアイギリス 日 本 列 1 ペチュニアフィンランド DBBJ 1999 チェコ DQ846883 : 2007 Matsushita 2008 2009 2009 1.TCDVd の 発 生 概 要 1)TCDVd とは? spindle tuber viroid (PSTVd)に 極 dwarf viroid;tcdvd)と 呼 2) 海 外 での TCDVd 発 生 の 経 緯 TCDVdは,1999 ーベナ(Singhら,2006) 年 等 バーベナ カナダ トマト アメリカ インド 部 a accession number Singh et al. 360 AF162131 2004 トマト アメリカ Verhoeven et al. 360 AY372399 2006 Singh et al. Verhoeven et al. 359 DQ859013 2008 et al. 359 AB329668 James et al. 359 EF582392, EF582393 2009 Ling et al. FJ822877,FJ822878 a DNA data bank of Japan (http://www.ddbj.nig.ac.jp/) 4
,2009 は15.4%に さ1.5mの,2 ( 平 成 年 月 にトマト 生 産 経 営 体 において 初 めて 被 害 発 生 認 めら 年 れ( の 栽 平 培 成 終 了 期 年 には, 度 広 島 県 病 率 害 虫 発 生 予 察 情 報 特 殊 法 第 号 ),その 後 3) 国 内 での TCDVd 生 の 経 緯 18 )7 18 5 2007( 平 成 年 ) 年 月 19 6 9.4%, 抜 き 取 り 処 分 を 含 めた 被 害 株 率 達 れました 月 の 改 植 期 に 発 病 株 残 渣 施 設 外 の 空 き 地 へ 埋 没 処 分 し, 厚 覆 土 を 行 いま は した また, 同 施 年 設 内 月 や に 器 新 具 たに 類 はすべて 定 植 されましたが,その 有 効 塩 素 濃 度 約 しました 2007 7 0.1%の 後 塩 素 年 系 消 毒 剤 による 消 毒 が 実 施 さ 発 月 現 在 作 を 通 して 再 発 一 認 生 方 園 められていません また,, 埋 設 跡 地 に 生 育 するナス 科 雑 草 等 への 感 染 も 確 認 されておらず, 8 8 におけるTCDVdの 千 葉 県 発 年 生 は 月 終 にトマト 息 したと 生 判 産 断 経 されます 営 体 で 発 生 が 認 められ( 平 成 年 度 千 葉 県 ウムによる 病 害 虫 発 生 予 察 特 殊 報 第 4 号 年 月 栽 培 終 了 時 の 発 病 株 率 は1% 未 満, 改 を 含 む 被 降 害 株 率 は7%に 器 具 達 消 しました その 毒, 抜 き 取 った 後, 病 発 株 病 の 株 焼 の 却 除 処 去 分, 等 有 を 効 経 塩 て, 素 濃 同 度 年 約 では,2007 9 19 ),2008 7 0.1%の 月 に 新 次 たに 亜 塩 定 素 植 酸 した ナトリ は 終 息 したもと 年 月 末 判 現 断 在 されます まで, 本 病 の 発 生 は 確 認 されておらず, 千 葉 県 作 以 8 2010 1 においてもTCDVdの 発 生 広 島 県 年 では2006 5
分 日 (Pospiviroidae),ポスピウイロイド (Pospiviroid)に (50 ウイロイドで,タンパク TCDVdは,ポスピウイロイド 質 カプシド( 科 外 殻 )を 持 塩 基 属 からなる 裸 一 本 鎖 属 環 する 状 2.TCDVd の 発 生 生 態 1)TCDVd 85~89%の 同 属 のポテトスピンドルチューバーウイロイド(PSTVd)と 分 子 多 くの 塩 基 対 を 持 った 棒 状 の 二 次 構 造 を 有 しています 近 縁 関 係 にあり, 前 述 の 諸 特 性 たない,359~361 RNA のとおり,TCDVdは 両 者 の 塩 基 配 列 は す( TCDVdの 表 相 磨 同 砕 性 液 があります(Singhら,1999;Matsushitaら,2008) 倍 希 釈 でも 分 感 間 染 煮 力 沸 を 処 示 理 し, しても 極 めて 感 染 低 性 いウイロイド を 示 し, 高 い 濃 耐 度 熱 でも 性 を 感 有 染 していま 力 を 保 力 持 染 しています TCDVdは を 力 失 を は100 で10~30 2) また,100,000 います(Matsushitaら,2009) 保 持 しています( 表 乾 3) 燥 に 一 極 方 めて,トマト 強 く, 磨 乾 砕 燥 汁 した 液 中 感 では 染 トマト 比 較 的 汁 早 液 は 長 期 間 日 ) 分 日 解 以 し, 上 感 ) 感 染 表 2 TCDVdの 処 理 時 耐 間 熱 性 無 処 理 発 病 個 体 数 / 供 試 個 く(1~2 a 100 での 処 理 ( 時 ) 間 9/9 10 4/9 表 20 1/9 保 乾 存 燥 期 罹 間 病 aトマト 汁 液 30 1/9 40 0/9 a 3 におけるTCDVdの 発 病 個 体 数 / 供 保 試 存 個 性 体 数 ( ) 0 3/3 1 2/3 3 1/3 罹 5 2/3 際 20 3/3 30 3/3 40 3/3 50 3/3 0.05Mリン 病 葉 汁 液 酸 亜 硫 酸 ナトリウム 添 加 倍 希 釈 した a バッファー(pH7.2,0.1% )で10 して1mLの 1mLを75 Cで 水 を 加 えて 再 凍 溶 結 解 したのちに 後 に 接 種 した 真 空 乾 燥 器 で1 夜 乾 燥 した 試 験 に 6
に20 TCDVdはトマトの 茎 葉, 根, 花 器 官 等 ほぼ 全 組 織 中 で 増 殖 し( 図 1),トマトに 激 しい 症 状 ( 病 診 徴 )を 引 き 起 こします TCDVdによる 代 表 的 なトマトの 病 徴 は, 株 の 萎 縮 (スタント), 節 間 の 期 短 に 縮 断, マニュアルを 感 縮 染 葉 した (エピナスティー), 場 100 200 300 400 500 600 700合 ほど 参 考 減 収 症 量 状 が はトマト 退 多 緑 く,, 葉 被 品 脈 害 種 えそ, が や 激 環 しい 境 花 条 器 傾 件 官 向 によって の があります( 奇 形, 結 変 実 化 不 します また,トマト 図 良 2) などですが(3 生 育 初 TCDVd pg/μg 全 RNA 0 上 位 葉 中 位 葉 下 位 葉 腋 芽 茎 根 がく 花 弁 やく 子 房 ( 幼 果 ) 収 量 (g/ 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 80g 色 奇 裂 むら 形 果 未 満 度 上 物 果 等 株 ) 0 図 育 注 ( の ) 果 人 各 実 工 接 生 品 2 TCDVdの 苗 期 種 質 区 定 ステージのトマトにTCDVdを および, ハウス 接 総 果 生 植 種 実 育 時 収 桃 区 第 2 花 量 太 を 郎 花 調 ) 期 接 査 別 房 種 感 開 区 汁 染 健 液 による 全 株 区 接 種 し,その 減 収 量 後 なり, 人 工 特 接 種 による 以 潜 下 伏 では 期 間 病 は25~35 の 徴 隠 蔽 (マスキング)が 高 温 域 起 こることもあります 週 間 程 度 と 短 いですが, 低 温 では 長 く では,2~3 図 感 1 染 トマト 各 器 官 濃 におけるTCDVd 7
主 植 物 はナス 科 植 物 が 中 心 で,それ 以 外 にはキク 科,クマツヅラ 科,キョウチクト 病 ウ 科 の 一 部 に 限 定 されます ナス 科 植 物 で 病 徴 を 発 現 徴 glutinosaのみで,ペチュニア,ピーマン,ナス 徴 感 感 染 宿 染 となります( 主 (ペチュニアなど)がTCDVdの 接 ゴボウ キク アゲラタム 種 科 植 物 種 主 植 物 域 伝 染 等 源 多 になる くの 植 可 物 能 では, 性 があり, 感 染 しても 注 意 が 病 必 徴 要 を です 現 さない 無 無 病 するのはトマト,バレイショおよびNicotiana 感 染 病 徴 シュンギク キク ヒマワリ レタス ノースポール ナス 科 バレイショ シロバナヨウシュチョウセンアサガオ トマト オオセンナリ ピーマン みおぎ タバコ ペチュニア ワルナスビ タバコ サムスン ツノナス イヌホウズキ キサンチ クマツヅラ バーベナ 科 キョウチクトウ 科 ヒメツルニチニチソウ 位 葉 の 退 緑, 黄 化,えそを 伴 う 葉 巻 症 状, 弁 の 斑 入 り 植 物 体 全 体 の 萎 縮 症 状 網 掛 け 部 は 海 外 での 報 告 2)TCDVd の 宿 主 範 囲 TCDVdの 宿 表 4)(Singhら,1999,2008;Matsushitaら,2009) このことから, 表 4 TCDVdの 宿 a Nicotiana benthamiana N. clevelandii N. debneyi N. glutinosa b N. occidentalis N. physaloides N. rustica Physalis floridana a 上 b 花 8
(36m に10 年 年 はRTPCR さ3mの 摘 芽, 摘 葉, 誘 引, 収 液 穫 を などの して 作 手 業 指 管 やハサミで 理 方 向 に 沿 容 易 に 伝 隣 染 接 します また, 株 へ 伝 染 します( 本 ウイロイドは,コナ 表 5) このため, 他 ジラミ バチの 類 受 粉 等 活 の 動 微 によって 小 害 虫 によって 媒 介 されることが 媒 介 されることはないと 分 かっています( 考 えられますが, 実 験 条 件 下 でマルハナ の ナス のウイロイドと 有 科 無 については,よく 雑 草 への 感 染 同 も 様 腋 確, 芽 分 土 認 の かっていません されていません( 壌 伝 染 は 認 められず,トマト 摘 芽 作 業 による 指 表 を 6) なお,TCDVdのトマトにおける 罹 病 残 渣 を 埋 没 処 分 した 跡 地 に 接 介 触 回 数 伝 染 率 種 生 子 育 伝 する 染 性 回 注 接 1) 発 病 週 間 接 後 触 株 したTCDVd A:クロマルハナバチ 囲 る 健 媒 全 介 TCDVdのクロマルハナバチによ 用 )で 摘 芽 発 病 したトマト ルトガス から 発 生 する 腋 芽 を 指 (PVC 手 袋 着 2/3 3/3 トマトへの 媒 介 導 状 況 日 後 の 周 123 10 98 感 健 染 全 ルトガス 源 ルトガス' ハウス 無 徴 感 桃 染 太 ルトガス 郎 ルトガス ' による 注 たトマト ハウス ス をその )ガラス 感 両 染 温 側 の 室 判 内 桃 定 蕾 期 に ハウス 桃 太 郎 太 株 の 配 上 2)にコンテナ し,その 指 で 健 全 株 の 頂 芽 の 茎 を 強 く 圧 迫 した 置 株 した を 中 央 葉 に, ルトガ 栽 番 培 花 し着 54 1m 67 :TCDVd 巣 箱 発 病 ルトガス ルトガス を 入 汁 し, 液 接 気 種 温 し,クロマルハナバチ 20~35 で 栽 培 頭 を 導 ナス 野 イヌホウズキ 良 生 えトマト 植 物 病 名 残 渣 月 埋 ) 没 跡 地 に 生 育 するナス 学 名 科 キク 科 雑 草 感 染 株 率 染 状 況 キク 1) 科 感 植 染 物 の 判 定 法 による Solanum 注 2)トマト 罹 病 残 渣 は 深 S. 穴 を 掘 り 埋 設 後, 覆 土 を 実 施 ヨウシュチョウセンアサガオDatura stramonium 3)TCDVd の 伝 搬 方 法 TCDVdはトマト 汁 図 3)(Matsuuraら,2010) また, 表 触 回 5 注 株 2 5 10 3 3/3 3/3 図 4 3/3 3/3 / 2)TCDVdに 入 郎 3 第 A 位 52 約,B:RTPCR 5 1 1~3 にTCDVd 50 B 表 罹 感 360 bp M 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 6 TCDVd のTCDVd (2007 10~2008 9 ヨモギ ノゲシ lycopersicum 0/12 幅 nigrum 0/25 0/3 Artemisia princeps 0/6 Sonchus oleraceus 0/4 4m, 約 1.5mの 9
)TCDVd に15 )TCDVd 一 方, 第 庭 三 用 リン 漂 白 染 酸 剤 されたハサミや ( ナトリウム, 有 効 塩 素 濃 酸 度 性 器 約 の 具 1% 薬 類 相 品 は,3% 当, 消 )による 毒 有 用 効 アルコールの 消 塩 毒 素 効 濃 果 度 が の 高 次 消 いことが 亜 毒 塩 素 果 酸 は 分 ナトリウム 不 かりました( 十 分 でした また, 溶 液 表 および 7) 塩 植 物 ウイルスの 感 染 防 止 に 利 用 されるスキムミルク,シイタケ 菌 糸 体 抽 出 物 液 剤 はこのウイロイ の ドの 表 次 素 酸 亜 感 ナトリウム 各 塩 染 庭 種 素 防 用 薬 酸 止 漂 品 白 のTCDVdに ナトリウムでも に 効 溶 果 を 液 示 秒 ナトリウム 剤 対 する 浸 以 消 毒 漬 上 効 時 浸 果 間 漬 を すると, 長 リン 苛 性 ソーダ 混 病 実 くすることで, 高 汚 い 染 消 器 毒 具 効 験 消 類 果 感 染 発 病 実 験 毒 は, が 効 得 果 有 られます また, が 効 期 塩 待 素 できます( 濃 以 上 の 次 亜 感 染 発 病 実 図 4) 以 上 しませんでした TCDVd 感 染 平 均 酸 三 リン 酸 ナトリウム 7 性 電 イソプロパノール 解 水 1 2 (%) 11.8 注 汚 染 メスを 各 種 薬 品 12.1 間 浸 漬 処 理 2%ホルマリン 2% 13.1 12.9 2.4 70% 4)TCDVd 染 器 具 の 消 毒 20% TCDVdに 家 汚 度 0.5% 次 家 合 発 験 表 約 8, 0.2% 塩 第 酸 3 ph 3% 水 0/8 0/8 0/8 0/8 0/8 0/8 0.0 20% 0/8 0/8 0/8 0/8 0/8 0/8 0.0 12.7 0/8 1/8 0/8 0/8 6.3 5% 0/8 1/8 1/8 1/8 1/8 2/8 16.7 2.5% 4/8 5/8 7/8 7/8 75.0 表 秒 8/8 8/8 5/8 5/8 81.3 0.1N 次 亜 次 塩 亜 素 塩 酸 素 ナトリウム 酸 ナトリウムの 濃 度 (%) 濃 度 とTCDVd 消 毒 効 果 1.2 7/8 7/8 3/8 3/8 62.5 発 病 実 験 感 染 発 病 実 感 染 発 病 験 感 染 平 均 8/8 8/8 7/8 7/8 93.8 6.6 7/8 7/8 6/8 7/8 5/8 6/8 83.3 に15 8 水 1 3 染 メスを 各 種 薬 品 秒 間 ph 浸 漬 処 理 (%) 1 11.5 0/8 0/8 1/8 1/8 0/8 0/8 4.2 0.5 11.5 0/8 0/8 0/8 0/8 1/8 1/8 4.2 0.25 11.2 2/8 2/8 1/8 2/8 0/8 0/8 16.7 0.125 10.9 0/8 0/8 1/8 1/8 3/8 3/8 16.7 0.0625 10.6 4/8 4/8 2/8 2/8 37.5 0.03125 10.3 5/8 5/8 3/8 3/8 50.0 6.6 6/8 6/8 4/8 5/8 7/8 8/8 79.2 に15 注 汚 )TCDVd 験 実 2 RNA 全 6 5 4 3 pg/µl2 1 0 0.5% 0.25% 0.125% 0.0625% Water ph 11.5 ph 11.2 ph 10.9 ph 10.7 ph 6.6 図 とTCDVdの 次 亜 分 塩 解 素 能 酸 力 ナトリウムの 濃 度 残 注 存 量 間 反 定 応 溶 させた 液 と 後 次 測 の, 亜 定 塩 未 素 分 酸 ナトリウムを 4 15 秒 量 PCRで 解 TCDVdの 10
退 3.TCDVd 特 の 診 断 マニュアル 1) 病 徴 による 診 断 TCDVdに 緑, 奇 形, 感 葉 染 脈 したトマトの えそ, 花 器 官 病 の 徴 奇 は, 形, 萎 結 縮 実 (スタント), 不 良 ( 果 実 の 節 奇 間 形 の, 短 小 縮 型, 化 縮 )などです( 葉 (エピナスティー), 葉 に, 高 温 時 には 病 徴 が 激 しく, 生 育 は 完 全 に 停 止 します によっては, 上 位 葉 の 図 退 5~11) また,TCDVdの 症 状 を 呈 し,タバココナジラミ 感 染 発 病 に 対 するトマトの 媒 介 性 のトマト 抵 抗 黄 性 化 に 葉 顕 巻 著 病 な (TYLCV)とよく 品 種 間 の 差 異 は 似 認 ています( められず, 図 8,9) 緑 感, 染 巻 た 場 合, 多 くの 品 種 が 被 害 を 受 けると 考 えられます し 図 上 下 生 ) 産 上 株 施 の 位 葉 設 萎 のトマトで の 縮 退 と 退 緑 と 小 発 黄 型 生 化 5 したTCDVdの 病 徴 11
A B C D 図 A: 縮 葉 人, 工 節 接 間 種 短 6 したトマト ルトガス におけるTCDVdの 縮 症 状,B: 葉 脈 えそ,C: 葉 の 奇 形 とエピナスティー,D: 病 徴 花 器 官 の 奇 形 図 株 全 体 人 の 工 萎 接 縮 種, したトマト ハウス 退 緑, 黄 化 症 状, 桃 果 太 実 の 奇 形, 小 型 化 全 身 病 徴 7 郎 におけるTCDVdの 12
A B C D 参 考 図 人 8 ABC: 上 工 位 接 葉 種 の したトマト ハウス 退 緑, 巻 葉 および 桃 委 太 縮 郎 症 におけるTCDVdの 状,D: 糸 状 葉 上 位 葉 病 徴 図 注 マト ) ハウス 黄 トマト ハウス 化 葉 桃 巻 太 病 郎 桃 太 郎 で 発 生 したト 9 (TYLCV)の など 一 部 の 病 品 徴 て 媒 介 されるTYLCVの 状 は,タバココナジラミによっ 症 状 と 似 ています 種 では, 穫 ことが, 作 虫 業 媒 診 管 伝 断 理 染 の 方 性 目 向 のTYLCVと 安 に となります 沿 って 感 染 異 拡 なり, 大 する 収 TCDVdの 症 13
左 右 ) ハウス 桃 太 図 低 全 温 体 の 期 10 におけるTCDVdの 萎 縮, 退 緑, 黄 化, 上 病 位 徴 葉 ( 人 の 工 縮 接 葉 種, 巻 ) 注 ) 低 温 (12~20 )での 株 全 体 の 萎 病 縮 徴, は 上 比 位 較 葉 的 の 軽 縮 度 葉 で,トマトは 少 しずつ 成 葉 長 を 続 けます ) フルティカ 郎 株 14
がTCDVd 図 手 11 TCDVdを 前 2 列 人 工 接 種 発 したトマト ハウス 病 株, 奥 が 健 全 株 桃 太 郎 の 圃 場 施 ( 設 )での 病 徴 15
診 のうち,TCDVdおよびPSTVdのほとんど 断 実 施 します この 染 が 疑 われる 共 植 通 物 プライマーは,トマト (トマト,ナス 全 科 ての 植 物 系 等 統 )は,まず ナス (ストレイン)や 科 植 物 共 に 通 感 染 するポスピウイロイド 株 (アイソレート)を 属 安 いは 定 特 して 定 増 を 検 行 います また,オプションとして,TCDVdの 出 することができます 断 片 のシーケンス 解 陽 析 性 でも 反 応 種 の 場 特 合 定 ができます 特 異 的 法 を 実 施 診 し, 断 ある 種 の プライマーによってRTPCR,マルチプレックスRTPCR プライマーによるRTPCR トマト 退 緑 萎 縮 病 の 疑 いがある 植 物 (1) 共 通 法 () 他 の 生 タバココナジラミ 要 理 因 障 の 害 可 能 性 その 他 のウイロイド 媒 介 病 性 ウイルス TCDVdかPSTVdのいずれかの () 病 原 ウイロイド ( 注 1) プライマーによるRTPCR (3)オプション 法 特 異 的 法 TCDVd プライマーによるRTPCR ウイロイド 種 の 特 定 定 (2)マルチプレックスRTPCR ( 注 1)ポスピウイロイド 属 種 が 含 以 外 のトマトでの 感 染 は, 日 本 では がトマトに 未 確 認 です 感 染 し 被 害 には10 まれ,そのうちTomato planta をもたらします なお,TCDVd,PSTVd 感 2) 遺 伝 子 診 断 TCDVd 幅 DNA (トマト 退 緑 萎 縮 病 診 断 のフロー フロー) TCDVdの 特 macho viroid (TPMVd), Potato spindle tuber viroid (PSTVd), Tomato chlorotic dwarf viroid (TCDVd), Tomato apical stunt viroid (TASVd), Citrus exocortis viroid (CEVd), Columnea latent viroid (CLVd) の6 種 16
)P3P4 をRTPCR (5'3') ど)に を この 方 法 は, 植 物 体 から 核 酸 を 抽 出, 精 製 することなく, 対 象 サンプル( 葉, 茎, 花, 果 実 な 核 感 検 酸 染 定 注 する 射 針 を 刺 して, 付 着 した 組 織 液 反 応 の 鋳 型 とする 簡 便 な 方 法 で, 多 数 の 検 体 の が 調 疑 際 に 有 効 です 整 われるトマト(またはその (ダイレクトティシューRTPCR 他 植 物 )の 葉 法 や ) します なお, 検 定 対 象 となる 葉 や 茎 は 老 化 したものは 茎 避 に け,なるべく 注 射 針 を 突 き 新 刺 しい し, 組 直 織 接 を RNAの 使 用 します 鋳 型 と ポリメラーゼ を 反 応 には, 使 用 植 してください 物 由 来 の 阻 害 物 質 の 影 響 受 また,PCR けにくいKOD Dash(またはKOD FX)DNA テンプレート として 組 織 液 用 を いる 直 接 micro tissuedirect PCRの <RT 反 手 応 >順 42 30 分 99 5 分 RT 溶 液 トマトの 葉 に 針 をさす 35cycle とPSTVdを 共 通 プライマー(P3/P4; 特 表 9)は,トマトに 感 染 するポスピウイロイド 電 異 気 的 に 泳 安 動 定 検 出 します 本 プライマー <PCR ロイドに 感 染 していることになります 種 を 特 定 するためには, 対 で 陽 性 事 反 項 応 (2)のマルチプレックス の 場 > 合 は,いずれかのウイ (1) 共 通 法 プライマーによる 等 を 実 施 してください TCDVd,PSTVd の 検 出 ア.プライマー のうち,TCDVd 表 共 通 プライマーのケース 共 通 RTPCR プライマー 位 置 TCDVd,PSTVd 注 9 TCDVd,PSTVd P3 Reverse primer CCGGATCCCTGAAGCGCTCCTCCGAGC 6895 P4 Forward primer TCGGATCCCCGGGGAAACCTGGAGCG 84111 primer: Behjatnia et al. 1996 Phytopathology 86, 880886. 名 用 途 配 列 98 98 62 74 3 分 45 秒 10 秒 45 秒 属 種 6 17
(RT) 水 で42 で30,98 で45,62 で10,74 で45,UV イ. 反 応 液 反 の 応 組 液 成 組 成 逆 転 写 酵 害 剤 合 鋳 型 応 液 組 成 逆 転 写 産 物 ( 鋳 む) ウ. 合 葉 を 方 注 法 射 針 で 数 条 回 件 突 き 刺 1 逆 応 転 は, 写 上 反 記 反 応 液 分 行 反 応 液 分 程 間 度 処 漬 理 け, で 反 直 応 を 停 止 した 鋳 後 型,4 で とします 保 存 します 逆 転 写 反 応 完 了 後, 逆 転 分 写 の 産 変 性 処 理 後 用 い, 上 秒 反 応 液 秒 法 を 秒 行 を1サイクルとし います し,RT エ. て35サイクル 判 定 行 い, 最 後 分 間 反 応 後,4 で 保 存 します い,99 で5 によりPCR は,98 で3 を BE(またはTAE)バッファーを 発 光 させ, 了 後 物 とローディング 使 用 して 色 電 素 気 泳 動 を ずつ 行 います 混 合 し,1%アガロースゲルに 電 気 泳 動 後 光 を 使 注 用 入 して 色 素 に74 で5 示 増 幅 バンドの 近 (レーン1~3)に 有 無 を 確 認 共 します 通 予 測 通 りのサイズに 対 用 応 いた する 場 明 合 瞭 な 特 異 的 バンドが 確 認 し,1 T 特 されます このように, とができますが, 異 的 プライマーを 両 ウイロイドの 用 いた 共 通 場 プライマーを 合 区 別 はできません 用 いた 場 合 は, 一 方 プライマー( は,TCDVdおよびPSTVd TCDVdおよび 参 照 出 するこ,オプション(P18 )のTCDVd は,TCDVdのみを 検 出 することができます dntps(10 mm)(toyobo) 2 µl RTバッファー(TOYOBO) 阻 素 1 µl U)(TOYOBO) (1 0.5 µl RverTra Ace (20 µm)(toyobo) 全 0.5 µl Reverse primer(20 µm) 0.5 µl RNaseフリー 計 4.5 µl RNA( ) 反 1 µl 10 µl PCR KOD Dashバッファー(TOYOBO) 1 µl Dash(TOYOBO) 水 DNAポリメラーゼKOD 0.1 µl dntps(2 mm)(toyobo) 1 µl Forward primer(20 µm) 計 型 含 0.1 µl 秒 接 6.8 µl cdna,reverse primer µl 10 µl RNAの 反 物 1µlを 記 に10 PCR PCR 完 図 PCR 12に 付 すように,TCDVd,PSTVd において,370bp 産,PCR 滴 を1 表 9)を PSTVdを 検 18
,2:TCDVd (5'3') M 1 2 3 4 5 図 共 通 プライマーによるTCDVdおよびPSTVdの 合 感 染 葉,4: 無 染 接 葉 種 トマト,5: 水 感 染 葉 検,3: 出 12 ( 平 年 月, 法 特 は1 許 出 回 応 で 複 数 の 標 的 遺 伝 子 を 増 幅 する 技 術 で,この 方 ア.プライマー 同 時 に 識 別 しながら 検 出 することが 可 能 です マルチプレックスRTPCR プライマー 名 用 途 配 プライマー 列 位 置 混 感 M:100bpマーカー,1:PSTVd 成 PSTVd TCDVd 日 願 (2)マルチプレックス RTPCR 法 による TCDVd と PSTVd の 同 時 検 出 21 6 2 No 2009133144) 法 により,TCDVdとPSTVdを 反 表 のPCR 用 10 TCDVd/PSTVdマルチプレックスRTPCR PSTCVR Reverse primer TCAGGTGTGAACCACAGGAA 1837 PSTVdF Forward primer TGGCAAAAGGCGCGGTG 115131 TCDVdF Forward primer CTTCCTTTGCGCGCCACT 206223 19
(RT) 水 を42 で30,98 で45,62 で10 びPSTVdの,74 で45,UV イ. 反 応 液 反 の 応 組 液 成 組 成 逆 転 写 酵 害 剤 µm) 合 鋳 型 マルチプレックスリバースプライマーPSTCVR(20 応 液 組 成 逆 転 写 産 物 ( 鋳 µm) 含 む) マルチプレックスプライマーPSTVdF(10 ウ. 合 マルチプレックスプライマーTCDVdF(10 2) 本 反 法 においても, 応 条 件 葉 を 注 射 針 で 突 き 刺 法 の 適 用 が 可 能 です( 注 1 します 逆 転 逆 写 転 反 写 応 は, 反 応 上 完 記 了 反 後, 応 逆 液 転 写 産 分 用 行 い, 上 分 反 で 応 反 液 応 を 停 止 した 法 後 を,4 で 行 います 保 存 ( て35サイクル 応 行 い, 最 後 分 の 変 同 性 一 処 株 理 に 分 後 混 間 合 反 応 後,4 で 秒 保 存 します 秒 秒 を1サイクルとし すダイレクトティシューRTPCR 感 染 している 場 合, 一 方 のバンドが 濃 くなる 可 能 性 があ い,99,5 によりPCR エ. ります 判 定 は,98 で3 了 後 物 に74 で5 TBE(またはTAE)バッファーを て 色 素 を 発 とローディング 使 用 色 して 素 電 気 泳 ずつ 動 を 混 行 合 います し,1%アガロースゲルに 電 気 泳 動 後 光 注 を 入 示 光 させ, 増 幅 バンドの 有 無 を 確 認 します 使 用 し 認 混 単 独 ではPSTVdに 及 特 異 的 バンドに(281bp)のみ 双 して1 され(レーン1),PSTVd dntps(10 mm)(toyobo) 2 µl RTバッファー(TOYOBO) 阻 素 1 µl U)(TOYOBO) (1 0.5 µl RverTra Ace (20 µm)(toyobo) 全 0.5 µl 0.5 µl RNaseフリー 計 4.5 µl RNA( ) 反 1 µl 10 µl PCR KOD Dashバッファー(TOYOBO) 1 µl Dash(TOYOBO) DNAポリメラーゼKOD 0.1 µl dntps(2 mm)(toyobo) 水 計 型 1 µl 0.1 µl 0.1 µl 6.7 µl cdna,プライマーpstcvr µl 物 10 µl 1µlを 記 注 反 PCR PCR 2)TCDVdとPSTVdが 完 産 滴 図 PCR 13に すように,TCDVdとPSTVdの 合,PCR を1 では,TCDVd および281bp)が 確 方 のバンド(191bp 20
,74 で45 (5'3'),3:TCDVd,98 で45 れます れません 一 方, 健 全 トマト(レーン4)および 単 独 が(レーン2),TCDVd ではTCDVdに 特 水 異 (レーン5)では,そのいずれのバンドも 的 なバンド(191bp)のみが(レーン3) 確 認 このように, 上 記 のマルチプレックスフォアードプライマーのTCDVdFおよびPSTVdFならさ TCDVdとPSTVdの びにマルチプレックスリバースプライマーPSTCVRを 存 在 を 同 時 に,かつ 明 瞭 に 識 別 することができます 用 いたマルチプレックスRTPCRにより, M 1 2 3 4 5 マト,5: 水 法 によるTCDVdとPSTVdの 混 合 単 独 同 時 検 出 単 独,4: 健 全 ト M:100bpマーカー,1:TCDVd PSTVd,2:PSTVd として (3)オプション: 特 異 的 プライマーによる TCDVd の 検 出 TCDVdの 例 示 しました 感 染 のみを 特 異 的 に 検 出 する 方 法 ( 他 のウイロイドは 検 出 できません)をオプション 表 プライマー 特 異 的 プライマーのケース 特 異 的 位 置 TCDVd 11 TCDVd は 本 検 プライマー 出 されません(データ 対 を 用 いた 場 省 合 略 反 応 付 近 に 分 特 の 異 変 的 性 バンドが 処 理 後 確 認 秒,62 で T1F Reverse primer ACAACTGAAGCTCCCGAGAA 272291 秒 秒 を1サイクルとして35サイクル 行 い, 最 後 分 間 反 応 後,4 で 保 T2R Forward primer CTGTTTCGCCTTCCACAAG 153135 存 します その 後 の 判 定 はこれまでと 同 様 に 行 います,TCDVdでは241bp されますが,PSTVd ) PCR は,98 で3 10 に74 で5 図 13 マルチプレックスRTPCR 名 用 途 配 列 21
注 注 4.トマト 栽 培 における TCDVd の 防 除 対 策 1) 発 ( 生 注 時 3) の 各 都 具 道 体 府 的 県 の 防 農 除 業 対 改 良 策 普 及 センター, 病 害 虫 防 除 所 等 栽 培 期 間 中 は 定 期 的 に 圃 場 の 見 回 りを 徹 底 し, 発 病 株 の 早 期 発 見 に 努 めてくださ い 疑 わしい 症 状 株 ( 病 徴 写 真 を 参 考 )が 見 つかれば, 速 やかに 関 係 機 関 ( 注 3)へ 相 談 してください 発 病 株 法 令 は に 根 基 こそぎ づき 適 抜 切 き に 実 取 施 り,ビニール してください 袋 等 に 入 れて 施 設 外 に 持 ち 出 し, 地 中 深 く に 埋 没 処 分 するか 焼 却 処 分 します( 注 4) TCDVd の 潜 伏 期 間 は 通 常 2~3 週 間 以 上 なので, 病 徴 はなくても 発 病 株 に 隣 接 する 株 はすでに 感 染 している 可 能 性 があ るため,できるだけ 多 く 同 時 に 処 分 してください 摘 葉 等 による 残 渣 は 通 路 に 放 置 せず 同 様 に 処 分 してください ( 4) 収 作 物 穫 への これらの, 摘 薬 葉 害 用 を 薬 のハサミや 避 品 けるため, は, 強 アルカリ 刃 消 物 毒 は, した 性 なので, 刃 畝 物 ごとなど 等 は 皮 必 膚 ず や 一 水 目 定 洗 に いしてください 付 着 しないよう 注 意 してください の 間 隔 で 消 毒 消 毒 液 には 有 効 塩 素 濃 度 0.5% 以 上 の 次 亜 塩 素 酸 ナトリウム 等 を 使 用 し,15 秒 以 上 浸 漬 してください( 注 5) 酸 薬 品 や 消 毒 用 アルコールは,このウイロイドに 効 果 がほとんどありません ( 5) 収 穫, 摘 芽, 摘 葉, 誘 引 などの 管 理 作 業 には, 使 い 捨 て 手 袋 を 使 用 し, 畝 ごとな ど 一 定 の 間 隔 で 新 しいものに 取 り 替 えてください ウイロイド 感 染 を 拡 げないように, 器 具 類,カート( 荷 車 )などの 移 動 器 具 は 施 設 内 の 決 められた 場 所 に 割 り 当 て, 発 生 場 所 から 無 発 生 場 所 へ 移 動 させないよう ( にしてください また, 作 業 終 了 後 に 洗 浄, 消 毒 を 行 ってください 変 低 注 いですが, 6)マルハナバチによるTCDVdの 遠 隔 の 飛 火 感 染 を 引 き 起 伝 こします 搬 効 率 は, 手 やハサミによる 汁 液 伝 染 と 比 べると 大 受 粉 にマルハナバチを 利 用 している 場 合 は,ハチを 介 した 施 設 内 外 での 遠 隔 感 染 が 発 生 する 恐 れがあります 直 ちにハチの 使 用 を 中 止 し,ホルモン 処 理 や 振 動 に よる 受 粉 方 法 に 切 り 替 えてください( 注 6) 22
注 2) 発 生 後, 改 植 時 の 具 体 的 防 除 対 策 栽 培 用 の 培 地 ( 椰 子 殻,ロックウール 等 )は, 次 亜 塩 素 酸 ナトリウムで 消 毒 後, 地 域 の 法 令, 条 例 に 基 づいて 適 切 に 処 分 してください 被 害 植 物 残 渣 はすべて, 地 中 深 くに 埋 没 処 分 するか 焼 却 処 分 してください( 注 4) 野 外 には 放 置 しないでください 改 植 時 これらの には, 施 薬 品 設 は, 内 の 強 構 アルカリ 造 物,コンクリート, 性 なので, 皮 膚 や 目 器 に 具 付 着 類 しないよう やカート 類 注 をすべて 意 してください 十 分 に 洗 浄 し,その 後 消 毒 を 行 ってください 植 物 体 が した 器 具 類 は 潅 水 チューブ 類 も 含 め 改 植 時 に 更 新 することが 望 ましいですが, 再 利 用 する 場 合 は 浄, 消 毒 してください 一 次 い 定 亜 有 時 塩 効 間 素 塩 ( 酸 素 最 ナトリウムは 濃 低 度 でも 鉄 などの 金 属 類 を 腐 蝕 させますので, 処 理 後 によく 水 洗 消 毒 には, 有 効 濃 度 0.5% 以 上 の 次 亜 塩 素 酸 ナトリウム 等 で 処 理 してください( 注 7) ( 7) 0.2% 数 分 以 間 上 以 の 上 次 が 亜 望 塩 ましい) 素 酸 ナトリウムでも 処 理 してください 消 毒 効 果 がありますが,その 場 合 は ( 注 8) 腐 熟 期 間 の 目 安 は, 条 件 により 異 なりますが3ヶ 月 以 上 です TCDVd は 土 壌 伝 染 しないので, 土 耕 栽 培 の 場 合,この 病 害 を 対 象 とした 土 壌 消 毒 の 必 要 はありませんが, 念 のため 罹 病 残 根 が 十 分 に 腐 熟 してから 改 植 してくださ い( 注 8) 新 たに 導 入 するトマト 種 子 や 苗 は 管 理 の 徹 底 した 信 頼 できる 種 苗 会 社 から 購 入 し てください 育 苗 中 は 頻 繁 に 見 回 り, 苗 での 発 生 に 注 意 してください 23
3)ウイロイド 病 終 息 後 の 予 防 対 策 定 期 的 に 圃 場 ( 施 設 )の 見 回 りを 徹 底 し, 再 発 に 注 意 してください 疑 わしい 株 が 見 つかった 場 合 は, 速 やかに 関 係 機 関 ( 注 3)に 連 絡 してください 圃 場 ( 施 設 ) 衛 生 や 施 設 周 辺 の 除 草 を 徹 底 し, 感 染 源 になる 可 能 性 がありますの で 施 設 内 に 不 必 要 な 観 葉 植 物 類 を 栽 培 したり 持 ち 込 んだりしないようにしてくだ さい 施 設 の 出 入 りに 際 しては, 手 や 靴 の 消 毒 洗 浄 を 行 い, 作 業 着 は 頻 繁 に 洗 濯 を 行 うよう 心 がけてください 技 術 指 導 者 の 方 は, 施 設 内 外 の 作 物, 雑 草 感 染 のモニタリングを 継 続 し, 再 発 を 監 視 するようにしてください 疑 わしい 株 が 見 つかった 場 合 は, 直 ちに 病 害 診 断 を 実 施 してください 24
参 考 文 献 Behjatnia, S. A. A. et al. (1996) New Potato spindle tuber viroid and Tomato leaf curl geminivirus strains from wild Solanum sp. Phytopathology, 86, 880886. Singh, R. P. et al. (1999) Tomato chlorotic dwarf viroid: an evolutionary link in the origin of 松 pospiviroids. J. Gen. Virology, 80, 28232828. Singh 新 下 規 ウイロイド 陽 介 津 田 and Dilworth 病 新 哉 (2008)トマト (2008) 植 物 Tomato 防 疫 退 緑 萎 縮 病 の 発 生 とその 特 邦 のトマトで 発 生 した chlorotic dwarf viroid in the ornamental plant Vinca minor and its transmission through tomato seed. Eur. J. Plant Pathol., 123, 111116. Matsushita, Y. et al. (2008) First report of a Tomato chlorotic dwarf viroid disease on tomato plants in Japan. J. Gen. Plant Pathol., 74, 182184.., 62, 461464. Matsushita, Y. et al. (2009) Host range and properties of Tomato chlorotic dwarf viroid. Eur. J. Plant 徴 本 Pathol., 124, 349352. Matsuura, S. et al. (2009) Transmission of Tomato chlorotic dwarf viroid by bumblebees (Bombus 農 ignitus) in tomato plants. Eur. J. Plant Pathol., 126,111115. 研 事 業 Ling, K. S. et al. (2009) First report of Tomato chlorotic dwarf viroid in greenhouse tomatoes in ( 林 究 水 Arizona. 平 課 産 成 題 省 名 新 たな 国 内 農 初 林 のトマトウイロイド 水 産 政 策 を 推 進 する 病 実 に 用 対 技 応 した 術 開 発 診 事 断 業 防 除 技 術 の 新 規 の 開 発 Plant Dis. 93, 1075. 実 中 施 核 体 制 ( 参 画 研 年 究 ) 者 一 覧 ) 共 広 同 機 島 関 県 立 : 総 合 技 術 研 究 所 農 業 技 術 センター 松 清 水 浦 佐 昌 平 知 子 ( 研 究 総 括 者 ) 19~21 中 央 農 津 宇 業 総 田 杉 合 富 新 研 雄 哉 究 センター ( 協 独 ) 農 業 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 花 き 研 松 究 所 千 力 機 葉 関 県 : 農 林 総 合 研 究 センター 小 下 塚 陽 玲 子 介 弘 前 大 学 農 学 部 佐 野 輝 男 ( 研 究 アドバイス) 25
(TCDVd)は, ウイロイドが 平 成 年, 広 島 激 県 しい および 二 次 千 感 葉 染 県 を のトマト 引 き 起 こし, 栽 培 施 最 設 終 において 的 に 大 きな 発 生 経 したトマト 済 的 被 害 をもたらしました 退 緑 萎 縮 ウイロイド 本 おわりに わずほとんど 込 海 外 で 初 確 認 年 で, 防 除 対 策 直 結 する 十 分 な 研 究 は, 国 内 外 を 問 いものでした め 作 戦 は,どれも 蓄 積 されていませんでした そのため, 既 知 のウイロイド 病 やウイルス 病 罹 における 病 株 の 埋 知 没 見 処 を 分 参 や 考 とした 施 設 内 推 消 測 毒 などの の 域 を 封 出 じな 18 係 近 者 年 丸, となって 種 苗 国 幸 立 い, 際 てた 間 の 次 対 貿 作 策 以 は, 降 の 結 再 果 発 的 は に 確 概 認 ね されず, 正 しかったと 撲 滅 に 思 成 われます 功 したことから, 生 産 者 を 含 め 関 されたのは1999 な このような 単 一 遺 伝 新 子 の 興 の 作 作 物 で 物 構 成 される 易 はますます による 大 人 規 為 模 多 的 生 様? 産 化 システムが 被 しています また, 害 が 発 生 する 増 加 機 しています このことから, 会 は 一 増 えるのではないかと 方 で, 病 原 体 に 対 して 危 今 脆 後 惧 もさ弱 れます を などを 開 発 新 たな するとともに, 農 林 水 産 政 策 病 を 原 推 体 進 保 存 実 性 や 用 伝 技 搬 術 開 様 発 式 事 などの 業 で, 化 学, 本 生 ウイロイドのより 物 的 諸 性 質 そして 簡 有 便 効 診 な 消 断 毒 手 法 って 明 らかにすることができました したがって, 万 一, 再 発 した 場 合 でも, 明 確 な 根 拠 を 薬 策 本 病 原 に 対 処 できるようになったものと 考 えています トマトの 安 定 生 産 のために,この 持 ていることを マニュアルが 祈 るばかりですがいただければ 多 くの 関 係 者 の 皆 様 に 有 効 に 活 幸 用 いです してもっとも,このマニュアルが 本 棚 に 眠 対 っ 広 生 副 産 島 主 県 環 任 立 境 研 総 研 究 合 究 員 技 部 松 術 研 浦 究 所 昌 平 農 ( 業 研 技 究 術 センター 総 括 者 ) 26
編 集 発 行 : 広 島 トマト 退 緑 萎 縮 病 (TCDVd) 総 合 対 策 マニュアル 電 7390151 県 話 立 :0824290521( 総 合 技 広 術 島 研 県 究 東 所 代 広 農 表 島 業 ) 市 技 FAX:0824290551 八 術 本 センター 松 町 原 6869 2010 年 2 月 27