5. 養 豚 農 家 濃 密 指 導 による 経 営 改 善 事 例 豊 後 大 野 家 畜 保 健 衛 生 所 丸 山 信 明 芦 刈 美 穂 里 秀 樹 廣 瀬 英 明 1. 農 家 の 概 要 平 成 7 年 度 に 県 の 指 導 により 農 場 から 食 卓 へ をキャッチフレ-ス に 有 名 な 料 理 研 究 家 を 招 いて 養 豚 生 産 者 3 戸 が 共 同 でハム 加 工 販 売 業 を 開 設 した しかし 経 営 の 悪 化 等 の 事 情 により 各 生 産 者 が 離 れていき とうとう 当 該 生 産 者 1 戸 が ハム 販 売 業 と 養 豚 業 を 同 時 におこなうように なった この 残 った1 戸 も 主 たる 経 営 者 が 加 工 肉 の 全 国 販 売 の た め 長 期 間 農 場 を 空 け 残 された 高 齢 の 母 と 経 験 の 乏 しい 従 業 員 での 経 営 は 危 機 的 な 状 態 に 陥 っていた このような 状 況 の 中 当 家 保 は 平 成 18 年 度 より 従 来 の 衛 生 指 導 に 加 え 経 営 改 善 指 導 表 -1 に 取 り 組 み 一 定 の 成 果 を 得 たので その 概 要 を 報 告 する ( 表 -1) 農 家 の 概 要 養 豚 一 貫 経 営 母 豚 8~1 頭 規 模 所 在 地 :T 市 K 町 従 事 者 : 経 営 者 の 母 (6 代 後 半 ) 従 業 員 1 名 平 成 7 年 度 補 助 事 業 で 養 豚 農 家 3 戸 の 共 同 体 で 産 直 のハム 加 工 販 売 業 を 開 設 平 成 13 年 度 頃 からハム 加 工 販 売 業 の 経 営 の 悪 化 等 の 事 情 により 除 々に 農 家 2 戸 が 離 脱 当 該 生 産 者 1 戸 が ハム 加 工 販 売 業 と 養 豚 業 を 同 時 に 運 営 農 場 の 経 営 者 が ハム 加 工 販 売 業 のため 長 期 間 農 場 を 空 け 高 齢 の 母 と 経 験 の 乏 しい 従 業 員 で 農 場 を 運 営 2. 指 導 前 の 状 況 図 -1のグラフは 指 導 前 5 年 間 の 肉 豚 出 荷 頭 及 び 当 期 利 益 金 を 表 したもので 平 成 17 年 度 では 出 荷 頭 は897 頭 と9 頭 を 切 り 母 豚 1 頭 あたりの 出 荷 頭 は12 頭 まで 落 ち 込 んでいた 当 然 損 益 も 毎 年 赤 字 で 単 年 度 決 算 で1 千 万 円 以 上 赤 字 をだす 年 度 もあった ( 図 -2) 肉 豚 出 荷 頭 ( 頭 ) 母 豚 と 母 豚 1 頭 あたり 出 荷 頭 2, 1,5 1,417 ( 頭 ) 1,215 1,24 925 1, 897 5 13 年 度 14 年 度 15 年 度 16 年 度 17 年 度 12 96 95 86 74 75 8 4 14.8 12.9 11.9 12.5 12. 13 年 度 14 年 度 15 年 度 16 年 度 17 年 度 母 豚 母 豚 1 頭 当 たり 出 荷 頭 当 期 利 益 金 ( 円 ) 13 年 度 14 年 度 16 年 度 -2,197,449 ( 年 度 ) -2,899,876-6,35,289-6,39,15 図 -1 農 家 の 状 況 ( 指 導 前 ) -11,17,187 図 -2 農 家 の 状 況 ( 指 導 前 )
3. 指 導 時 の 技 術 分 析 まず 経 営 改 善 のために どの 部 門 に 問 題 があるか 技 術 分 析 したところ 母 豚 繁 殖 部 門 において 分 娩 が58% 分 娩 回 転 が2.9 回 転 離 乳 して1 日 以 上 妊 娠 していない 長 期 空 胎 豚 が 8 頭 もいた よって 分 娩 サイクル におけるNPSD( 非 生 産 日 )は27.6 日 を かぞえた さらに 悪 いことに この 農 場 は 繁 殖 障 害 をおこしやすいPRRS 陽 性 農 場 だっ た この 結 果 から この 農 場 における 経 営 改 善 の 絶 対 条 件 は 分 娩 向 上 とNPSD の 削 減 だと 考 えられた ( 表 -2) また 分 娩 成 績 ではPRRS 陽 性 母 豚 が 多 いた め 分 娩 しても 白 子 が 多 く 哺 乳 開 始 頭 は 8.8 頭 離 乳 頭 は7.6 頭 と 極 めて 低 い 成 績 で あ っ た 離 乳 後 の 肥 育 成 績 は 肉 豚 事 故 が1%もあり と 畜 検 査 成 績 ではマイコフ ラス マ 感 染 症 であるSP 様 肺 炎 は58%で 県 平 均 の2 倍 以 上 あり 肉 豚 死 亡 の 主 たる 原 因 とな る 豚 胸 膜 肺 炎 の 検 査 結 果 のひとつである 胸 膜 炎 は25%と 県 平 均 の2.5 倍 以 上 の 廃 棄 を 呈 し 豚 丹 毒 に 関 しては 他 の 生 産 者 に 比 べ1 倍 以 上 の 枝 肉 廃 棄 を 示 していた こ れらの 事 をふまえて 経 営 改 善 に 取 り 組 んだ ( 表 -3) 表 -2 技 術 分 析 1 < 母 豚 繁 殖 成 績 > 分 娩 :58% 分 娩 回 転 :2.9 回 転 1 日 以 上 の 長 期 空 胎 豚 :8 頭 分 娩 サイクルにおけるNPSD( 非 生 産 日 ):27.6 日 PRRS 陽 性 農 場 まずは 分 娩 向 上 とNPSDの 削 減 が 経 営 改 善 の 絶 対 条 件! 表 -3 技 術 分 析 2 < 分 娩 成 績 > 哺 乳 開 始 頭 :8.8 頭 離 乳 頭 :7.6 頭 < 離 乳 ~ 肥 育 成 績 > 肉 豚 事 故 :1 % <と 畜 検 査 成 績 > SP 様 肺 炎 58.1 %( 県 平 均 26.3 %) 胸 膜 炎 25.3 % ( 県 平 均 9.8 %) 豚 丹 毒 枝 肉 廃 棄 :1. % 皮 膚 型 関 節 炎 型 4. 指 導 内 容 指 導 内 容 であるが 1. 長 期 空 胎 豚 削 減 による 分 娩 等 向 上 対 策 2. 分 娩 成 績 の 向 上 対 策 3. 出 荷 成 績 及 び 肉 豚 事 故 低 減 対 策 4. 財 務 管 理 改 善 指 導 の4つの 柱 を 対 策 として おこなった ( 表 -4) 表 -4 指 導 内 容 1. 長 期 空 胎 豚 削 減 による 分 娩 等 向 上 対 策 1 養 豚 管 理 ソフトによる 異 常 豚 検 索 2 繁 殖 管 理 ハ ネルによる 母 豚 管 理 3 超 音 波 診 断 装 置 を 用 いた 早 期 妊 娠 診 断 4 精 液 検 査 及 び 妊 娠 5 日 前 後 の 妊 娠 再 確 認 5 分 娩 後 全 頭 イソシ ン 液 での 子 宮 洗 浄 の 徹 底 2. 分 娩 成 績 の 向 上 対 策 3. 出 荷 成 績 及 び 肉 豚 事 故 低 減 対 策 4. 財 務 管 理 改 善 指 導
<1. 長 期 空 胎 豚 削 減 による 分 娩 等 向 上 対 策 -1> 従 来 家 保 がやってきた 妊 娠 鑑 定 は 鑑 定 時 の 受 胎 確 認 のみで 不 受 胎 豚 の 後 の 確 認 把 握 までしていなかった 今 回 の 指 導 は 毎 月 養 豚 管 理 ソ フ ト を 用 い 妊 娠 期 間 を 考 慮 し 種 付 け12 日 以 上 経 過 しても 分 娩 していない 母 豚 及 び 離 乳 後 1 日 以 上 経 過 しても 種 付 けをしていない 母 豚 を 異 常 母 豚 として 検 索 し 個 体 番 号 を 繁 殖 管 理 パ ネ ル に 表 示 確 認 指 導 を お こ な っ た 1 養 豚 管 理 ソフトによる 異 常 豚 検 索 種 付 け12 日 以 上 経 過 しても 分 娩 していない 母 豚 ( 妊 娠 期 間 114 日 含 む) 離 乳 後 1 日 以 上 経 過 しても 種 付 けをしていない 母 豚 2 繁 殖 管 理 ハ ネルによる 母 豚 管 理 ハ ソコンで 検 索 された 異 常 母 豚 の 個 体 番 号 を 繁 殖 管 理 ハ ネルに 表 示 確 認 指 導 種 付 け 豚 家 保 妊 娠 確 認 豚 授 乳 母 豚 離 乳 後 空 胎 豚 長 期 空 胎 豚 のグル-プ 化 このパネルにより 種 付 けしている 豚 家 保 妊 娠 確 認 豚 授 乳 母 豚 離 乳 後 まだ 種 付 けが できていない 空 胎 豚 長 期 空 胎 豚 のグル-プ 化 をおこなった 図 -3 長 期 空 胎 豚 削 減 による 分 娩 等 向 上 対 策 -1 空 胎 豚 に 関 しては 毎 月 指 導 をおこない 場 合 によっては 発 情 ホルモン 接 種 時 期 を 適 確 に 指 示 した ( 図 -3) <1. 長 期 空 胎 豚 削 減 による 分 娩 等 向 上 対 策 -2> 家 保 は 同 一 農 家 に 長 期 間 にまたがり 月 何 度 も 巡 回 す る 時 間 が な い の が 現 状 で あ る しかし この 農 場 は 妊 娠 5 日 前 後 で 早 期 死 流 産 が 多 発 するPRRS 陽 性 農 場 であ る よって 飼 料 会 社 技 術 員 とタイアッフ を 図 り 家 保 が 妊 娠 鑑 定 をおこなった 豚 を 主 体 に 妊 娠 5 日 前 後 で 再 度 妊 娠 確 認 を 実 施 して もらい その 報 告 にもとづいて 生 産 者 に 指 導 した また 夏 場 の 精 液 検 査 を 実 施 して 雄 豚 が 原 因 による 不 受 胎 の 除 去 に 努 めた 次 に 離 乳 後 の 良 好 な 発 情 を 少 しでも 早 く 誘 発 する 目 的 で 分 娩 後 全 頭 イソジンでの 子 宮 洗 浄 を 徹 底 した ( 図 -4) 3 超 音 波 診 断 装 置 を 用 いた 早 期 妊 娠 診 断 4 精 液 検 査 及 び 妊 娠 5 日 前 後 の 妊 娠 再 確 認 ( 飼 料 会 社 指 導 員 との 連 携 ) 家 保 指 導 生 産 者 飼 料 会 社 指 導 員 超 音 波 妊 娠 診 断 ( 妊 娠 25~ 3 日 ) 精 液 検 査 妊 娠 再 確 認 ( 妊 娠 5 日 前 後 ) 5 分 娩 後 全 頭 イソシ ン 液 での 子 宮 洗 浄 の 徹 底 図 -4 長 期 空 胎 豚 削 減 による 分 娩 等 向 上 対 策 -2 <2. 分 娩 成 績 の 向 上 対 策 > 次 に 分 娩 成 績 の 向 上 対 策 として 生 時 体 重 の 増 加 をはかる 目 的 で 妊 娠 1 日 以 降 の 給 与 量 増 加 離 乳 体 重 の 増 加 を 目 的 に 授 乳 母 豚 の 最 大 限 の 増 し 飼 分 娩 直 後 の 産 褥 熱 対 策 として 飲 水 及 び 解 熱 強 肝 剤 投 与 を 指 導 した また 離 乳 時 期 での 体 重 増 加 と 離 乳 向 上 のために 子 豚 の 下 痢 対 策 も おこ なった ( 表 -5) 表 -5 分 娩 成 績 の 向 上 対 策 1 子 豚 生 時 体 重 増 加 目 的 : 妊 娠 1 日 以 降 の 飼 料 給 与 量 増 加 2 離 乳 体 重 増 加 目 的 : 授 乳 中 の 最 大 限 の 飼 料 増 飼 3 分 娩 直 後 の 産 褥 熱 対 策 : 飲 水 解 熱 強 肝 剤 投 与 4 離 乳 時 期 での 体 重 増 加 と 離 乳 向 上 目 的 : 子 豚 下 痢 対 策
具 体 的 な 下 痢 対 策 としては 次 の 三 点 を 重 点 的 に 指 導 した 1 高 床 式 分 娩 舎 の 下 か らの 冷 風 を 防 ぐためにコンパネ 及 びカ-テンを 引 かせた 2 下 痢 止 め 及 び 脱 水 対 策 の ために 補 液 輸 液 を 指 示 3 下 痢 = 抗 生 物 質 の 概 念 をやめさせた <3. 出 荷 成 績 及 び 肉 豚 事 故 低 減 対 策 > 次 に 出 荷 成 績 及 び 肉 豚 事 故 低 減 対 策 で ある マイコフ ラス マ 感 染 症 及 び 豚 胸 膜 肺 炎 は と 場 での 廃 棄 が 高 く 農 場 での 感 染 の 高 さが 疑 われた そこで 両 疾 病 の 抗 体 価 を 調 査 した 検 査 方 法 は 豚 胸 膜 肺 炎 の 毒 素 型 に 関 し ては ウェスタンフ ロット 法 その 他 は 常 法 に 従 い LISA 法 及 び 生 菌 凝 集 反 応 (WP 法 )で おこな った ( 表 -6) 下 記 の 図 は 変 更 後 の 子 豚 のワクチンフ ロク ラム で マイコプラズマ 感 染 症 と 豚 胸 膜 肺 炎 の 混 合 ワクチンを4 日 齢 と6 日 に 豚 丹 毒 ワクチンを5 日 と7 日 齢 に 接 種 す るように 指 導 した またPRRS 感 染 症 に 関 しては 陰 性 農 場 からの 種 豚 導 入 の 推 進 及 び 畜 舎 の 消 毒 消 毒 後 の 乾 燥 の 徹 底 をおこなった ( 図 -5) 表 -6 出 荷 成 績 及 び 肉 豚 事 故 低 減 対 策 <1. 衛 生 プログラムの 検 討 > と 畜 検 査 デ-タ 分 析 (マイコフ ラス マ 感 染 症 胸 膜 肺 炎 ) 抗 体 検 査 (マイコフ ラス マ 感 染 症 豚 胸 膜 肺 炎 PRRS 感 染 症 豚 丹 毒 ) 対 象 : 未 経 産 母 豚 3 日 齢 6 日 齢 9 日 齢 12 日 齢 15 日 齢 検 査 方 法 : 1マイコフ ラス マ 感 染 症 : LISA 法 2 豚 胸 膜 肺 炎 : LISA 法 ( 血 清 型 ) ウェスタンフ ロット 法 ( 毒 素 型 ) 3PRRS 感 染 症 : LISA 法 4 豚 丹 毒 : 生 菌 凝 集 反 応 <2. 子 豚 ワクチンプログラムの 検 討 > (WP) 出 生 4 日 齢 5 日 齢 6 日 齢 7 日 齢 m.h:マイコフ ラス マ 感 染 症 App: 豚 胸 膜 肺 炎 m.h A.pp 混 合 ワクチ ン 1 回 目 豚 丹 毒 不 活 化 ワクチン 1 回 目 m.h A.pp 混 合 ワクチ ン 2 回 目 PRRS 感 染 症 対 策 : 陰 性 農 場 からの 種 豚 導 入 及 び 畜 舎 の 消 毒 乾 燥 の 徹 底 図 -5 出 荷 成 績 及 び 肉 豚 事 故 低 減 対 策 豚 丹 毒 不 活 化 ワクチン 2 回 目 <4. 財 務 管 理 改 善 指 導 > 次 に 財 務 管 理 に 対 す る 改 善 指 導 で あ る が 手 書 き 帳 簿 でおこなっていたものを 市 販 の 農 業 簿 記 ソフトを 用 い 老 齢 の 経 営 者 の 母 に 教 示 し 貸 借 対 照 表 の 作 成 及 び 経 営 分 析 をおこなった また 長 期 間 出 張 をしている 経 営 者 と 時 間 調 整 をし 経 営 者 を 含 めた 技 術 分 析 会 議 及 び 経 営 改 善 指 導 会 議 を 開 催 し た ( 表 -7) 表 -7 財 務 管 理 改 善 指 導 1 農 業 経 営 簿 記 を 老 齢 の 経 営 者 の 母 に 教 示 2 農 業 経 営 簿 記 による 貸 借 対 照 表 の 作 成 及 び 経 営 分 析 3 経 営 者 を 含 めた 技 術 分 析 及 び 経 営 改 善 指 導 会 議 の 開 催 指 導 結 果 1) 母 豚 繁 殖 成 績 以 上 のような 対 策 の 結 果 一 番 技 術 部 門 で 力 を 入 れた 分 娩 とNPSDは 平 成 17 年 度 と 比 較 すると 分 娩 は58%が85%に 向 上 し 分 娩 サイクルにおけるNPSDは27.6 日 が
17.6 日 になり1 日 間 短 縮 できた ( 図 -6)( 図 -7) 分 娩 成 績 は 哺 乳 開 始 頭 が8.8 頭 から1.1 頭 に 離 乳 頭 は7.6 頭 から9.1 頭 に 改 善 で きた ( 図 -8) 頭 3 76% 78% 85% 9% 分 娩 種 付 母 豚 日 3 27.6 24.6 22.4 16.4 17.6 2.5 NPSD 回 転 7% 15 2.25 15 7% 分 娩 実 績 58% 分 娩 回 転 分 娩 17 年 度 19 年 度 21 年 度 (9 月 まで) 5% 17 年 度 19 年 度 21 年 度 (9 月 まで) 2 図 -6 分 娩 実 績 と 分 娩 図 -7 分 娩 サイクルにおけるNPSDと 分 娩 回 転 2) 出 荷 成 績 次 に 出 荷 成 績 であるが 4 年 間 かけて 肉 豚 事 故 は1%が7%と3% 減 少 し 出 荷 頭 も897 頭 が1,539 頭 になった そ の 結 果 1 母 豚 あ た り の 出 荷 頭 も 12 頭 が 18.1 頭 に 改 善 された ( 図 -9) 1,8 頭 9 12% 1,529 1,539 1% 1,341 8% 7% 7% 897 6% 事 故 肉 豚 出 荷 頭 肉 豚 事 故 9 頭 6 3 75 12. 79 85 85 母 豚 頭 1 母 豚 あたり 出 荷 頭 17. 18. 18.1 17 年 度 18 年 度 19 年 度 2 年 度 % 17 年 度 18 年 度 19 年 度 2 年 度 肉 豚 事 故 と 出 荷 頭 図 -9 出 荷 成 績 1 母 豚 あたりの 出 荷 頭 3)マイコプラズマ 感 染 症 における 抗 体 価 及 びと 畜 検 査 デ-タ 分 析 図 -7 は マ イ コ プ ラ ズ マ 感 染 症 の 指 導 前 と 指 導 後 の 抗 体 価 の 推 移 と と 畜 検 査 デ - タ 分 析 である 指 導 前 は6 日 齢 から 急 激 に 抗 体 価 が 上 昇 していたが 指 導 後 は 上 昇 が 少 なく 野 外 感 染 を ある 程 度 防 御 できたと 示 唆 された ま た と 畜 検 査 デ - タ に お け る 廃 棄 に おいても 指 導 後 はSP 様 肺 炎 全 体 では5.5 % ++ 以 上 の 廃 棄 も4% 以 上 低 減 できた ( 図 -1) 1.2.6 指 導 前 未 経 産 母 豚 3 日 6 日 9 日 12 日 7.% 35.%.% 廃 棄 58.1% LISA 陽 性 域 52.5% 1.2.6 15.2% 指 導 後 % LISA 陽 性 域 指 導 前 成 績 指 導 後 成 績 (++) 以 上 指 導 前 (++) 以 上 指 導 後 成 績 図 -1 マイコフ ラス マ 感 染 症 における 抗 体 価 及 び と 畜 検 査 デ-タ 分 析 4) 胸 膜 肺 炎 における 抗 体 価 及 びと 畜 検 査 デ-タ 分 析 豚 胸 膜 肺 炎 に 関 して 指 導 後 は 血 清 型 Ⅱ 型 の 抗 体 価 が6 日 齢 から 急 激 に 高 くなり
野 外 感 染 も 示 唆 された また 毒 素 抗 体 価 AP XⅢ 型 も 同 様 な 傾 向 が 認 められた その 結 果 肉 豚 事 故 は 低 減 されたものの と 畜 検 査 テ -タの 胸 膜 炎 の 廃 棄 は 改 善 できなか った ( 図 -11) 指 導 前 型 別 毒 素 抗 体 価 1.4 Ap-1 Ap-2.7.9 Ap-5 ApxⅠ ApxⅢ 未 経 産 32 日 齢 89 日 齢 152 日 齢 胸 膜 炎 廃 棄 5% 25% 17 年 度 成 績 17 年 度 県 平 均 廃 棄 % 指 導 後 型 別 毒 素 抗 体 価 1.4 Ap-1 Ap-2.7.9 Ap-5 ApxⅠ ApxⅢ 母 豚 38 日 齢 83 日 齢 168 日 齢 胸 膜 炎 廃 棄 5% 廃 棄 胸 膜 炎 29 年 度 成 績 25% 胸 膜 炎 28 年 度 成 績 胸 膜 炎 28 年 度 県 平 均 % 図 -11 胸 膜 肺 炎 における 抗 体 価 及 び と 場 検 査 デ-タ 分 析 5) 抗 体 価 分 析 (PRRS 感 染 症 及 び 豚 丹 毒 ) PRRS 感 染 症 に 関 しては 母 豚 は 陰 性 に 転 じた しかし 子 豚 は6 日 齢 から 抗 体 価 が 急 激 に 上 昇 している 現 状 から 畜 舎 の 徹 底 消 毒 乾 燥 だけでなく 今 後 はサ-コウィルス 感 染 症 とともに 本 症 のワクチンプログラム の 検 討 が 必 要 であると 考 えられる 豚 丹 毒 に 関 し て は 指 導 前 に 比 べ 指 導 後 の 抗 体 価 は 良 好 な を 示 した しかし 枝 肉 廃 棄 は 減 少 していない 事 から 今 後 の 検 討 事 項 である ( 図 -12) 7 35 W P 3 1.5 指 導 前 未 経 産 母 豚 3 日 6 日 9 日 12 日 WP LISA 陽 性 未 経 産 母 豚 3 日 6 日 9 日 12 日 PRRS 感 染 症 豚 丹 毒 W P 3 1.5 7 35 豚 丹 毒 廃 棄 指 導 後 LISA 陽 性 未 経 産 母 豚 32 日 59 日 89 日 123 日 152 日 WP 陽 性 域 母 豚 哺 乳 豚 38 日 6 日 83 日 128 日 168 日 18 年 度 19 年 度 2 年 度 21 年 度 廃 棄 1.%.9% 1.1% 1.3% 図 -12 抗 体 価 分 析 (PRRS 感 染 症 及 び 豚 丹 毒 ) 6) 経 営 分 析 結 果 4,, ( 円 ) 最 後 に 経 営 分 析 であるが 当 期 利 益 金 は1 3,51,142 9 年 度 から 単 年 度 決 算 が 黒 字 に 転 じ19 年 度 2,, 1,7,32 に3 万 円 2 年 度 には17 万 円 の 黒 字 を 出 した ( 図 -13) ここで 示 すとおり 平 成 17 年 度 から 飼 料 17 年 度 18 年 度 19 年 度 2 年 度 -794,498 費 が 急 激 に 高 騰 して 平 成 17 年 度 比 は 枝 肉 単 -2,, 価 は 最 大 で16% 上 昇 に 留 まったのに 対 し -2,899,876 て 飼 料 単 価 は 17 年 度 比 で159%も 上 昇 して -4,, いる ちなみに 平 成 17 年 度 の 飼 料 単 価 と 図 -13 当 期 利 益 金 枝 肉 単 価 であると 仮 定 したシュミレ-ションをおこなうと 19 年 度 は1,6 万 円 2 年 度 は2, 万 円 の 収 益 が 見 込 まれるほど 技 術 水 準 は 上 がってきた ( 図 -14) しかし 貸 借 対 照 表 で 示 すとおり 長 期 間 赤 字 経 営 が 続 いたことから 農 場 の 財 政 状 態 は 厳 しい 現 状 にある ( 図 -15)
17% 13% 9% 飼 料 単 価 と 枝 肉 単 価 25,, 収 益 シュミレ-ション ( 円 ) 19,88,559 2,, 159% 15,, 15,938,636 137% 当 期 純 利 益 1,, 配 合 飼 料 単 価 シュミレ-ション 枝 肉 単 価 5,, 19% 3,51,142 1% 16% 15% 99% 17 年 度 18 年 度 19 年 度 2 年 度 17 年 度 18 年 度 19 年 度 2 年 度 -2,899,876-5,, 図 -14 収 益 シュミレ-ション 資 産 の 部 負 債 資 本 の 部 科 目 金 額 科 目 金 額 平 成 21 年 3 月 31 日 現 在 預 金 1,35,1 購 買 未 払 金 15,859,338 売 掛 金 4,224,233 未 払 金 439,27 棚 卸 し 14,155,118 未 払 消 費 税 1,8 借 入 金 52,38,234 建 物 2,31,878 借 入 金 農 協 構 築 物 2,447,718 機 械 機 具 1,384,79 車 両 運 搬 具 188,6 備 品 686,287 資 本 金 1,1, 種 雄 豚 843,273 繰 越 し 利 益 金 38,22,15 種 雌 豚 5,723,932 当 期 利 益 金 1,7,32 計 33,26,839 計 33,26,839 図 -15 貸 借 対 照 表 まとめ 及 び 考 察 1 分 娩 は58%から85%に 向 上 し 分 娩 サイクル あたりのNPSDは27.6 日 が17.6 日 と1 日 間 短 縮 できた 2 一 腹 あたりの 哺 乳 開 始 頭 は8.8 頭 から1. 1 頭 と1.3 頭 向 上 し 離 乳 頭 は7.6 頭 から9.1 頭 と1.5 頭 向 上 した 3 豚 丹 毒 を 含 めた 疾 病 に 関 しては 抗 体 価 のみでは 判 断 できず 今 後 も と 畜 検 査 テ -タ と 併 せて 総 合 的 に 判 断 していく 予 定 4 今 回 1,539 頭 が 出 荷 でき 母 豚 1 頭 あたりの 出 荷 頭 は18.1 頭 に 改 善 できたが まだ まだ 技 術 レベルが 高 いとは 言 えず 今 後 さらなる 技 術 レベルの 向 上 が 必 要 である 5 今 回 生 産 者 の 努 力 と 技 術 力 の 結 集 で 赤 字 経 営 から 脱 却 し 当 期 利 益 金 は19 年 度 は3 万 円 2 年 度 は さらなる 急 激 な 飼 料 費 高 騰 にもかかわらず17 万 円 の 黒 字 経 営 に 転 換 できた しかし 長 期 間 赤 字 経 営 が 続 いたことから 貸 借 対 照 表 で 示 すとおり 農 場 の 財 政 状 態 は 厳 しく より 一 層 の 奮 起 が 必 要 である 表 -8 まとめ 及 び 考 察 分 娩 は85%に 向 上 し 分 娩 サイクルあたりのNPSDは1 日 間 短 縮 一 腹 あたりの 哺 乳 開 始 頭 は1.3 頭 向 上 し 離 乳 頭 は1.5 頭 向 上 豚 丹 毒 を 含 めた 疾 病 に 関 しては 今 後 も と 畜 検 査 テ -タ 分 析 より 総 合 的 に 判 断 今 回 1,539 頭 出 荷 でき 母 豚 1 頭 あたりの 出 荷 頭 は18.1 頭 に 改 善 今 後 さらなる 技 術 レヘ ル 向 上 の 必 要 生 産 者 の 努 力 と 技 術 力 の 結 集 で 赤 字 経 営 から 脱 却 し 黒 字 経 営 に 転 換 長 期 間 赤 字 経 営 が 続 いたことより 農 場 の 財 政 状 態 は 厳 しい 最 後 に 豚 丹 毒 及 び 豚 胸 膜 肺 炎 の 抗 体 検 査 をおこなっていただいた 財 団 法 人 化 学 及 び 血 清 療 法 研 究 所 日 本 生 物 科 学 研 究 所 の 方 々に 深 謝 いたします ( 表 -8)