茨 城 大 学 教 育 実 践 研 究 31(2012), 139-150 調 理 前 後 の 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 山 本 紀 久 子 * (2012 年 9 月 15 日 受 理 ) Developing Teaching Material for

ROSEリポジトリいばらき ( 茨 城 大 学 学 術 情 報 リポジトリ) Title 調 理 前 後 の 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 Author(s) 山 本, 紀 久 子 Citation 茨 城 大 学 教 育 実 践 研 究 (31): 139-150 Issue Date 2012-11-30 URL http://hdl.handle.net/10109/3384 Rights このリポジトリに 収 録 されているコンテンツの 著 作 権 は それぞれの 著 作 権 者 に 帰 属 します 引 用 転 載 複 製 等 される 場 合 は 著 作 権 法 を 遵 守 してください お 問 合 せ 先 茨 城 大 学 学 術 企 画 部 学 術 情 報 課 ( 図 書 館 ) 情 報 支 援 係 http://www.lib.ibaraki.ac.jp/toiawase/toi

茨 城 大 学 教 育 実 践 研 究 31(2012), 139-150 調 理 前 後 の 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 山 本 紀 久 子 * (2012 年 9 月 15 日 受 理 ) Developing Teaching Material for Consumer Safety Procedures to Be Followed before and after Cooking Kikuko YAMAMOTO キーワード: 消 費 者 安 全,レシピ, 調 理 前 後, 教 材 開 発, 家 庭 科 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 を 目 的 として 小 学 校 教 員 をめざす 受 講 生 62 人 に 対 し 小 学 校 家 庭 科 教 材 であるみそ 汁 を 題 材 に 地 域 食 材 を 生 かし 調 理 前 後 にわけ 安 全 安 心 チェック 欄 を 設 けたレ シピカード 作 りを 課 した 後 受 講 生 に このレシピカード 作 りに 関 して 小 学 校 教 材 としての 導 入 の 可 能 性 と 教 師 教 育 としての 評 価 を 求 めた その 結 果 消 費 者 安 全 の 視 点 をあてたレシピカード 作 りを 小 学 校 家 庭 科 教 材 と して 導 入 するだけでなく 教 師 教 育 の 教 材 としても 好 意 的 な 評 価 を 示 した はじめに 近 年 消 費 者 安 全 に 対 する 関 心 が 高 まったとはいえ 消 費 者 の 安 全 を 脅 かす 製 品 事 故 だけでなく 消 費 者 の 誤 使 用 や 不 注 意 による 事 故 も 多 発 している 1),2) また 製 品 部 品 などの 経 年 劣 化 による 火 災 や 死 亡 事 故 を 受 けて 平 成 18 年 消 費 生 活 用 製 品 安 全 法 の 改 正 がみられ 平 成 21 年 には 長 期 使 用 製 品 安 全 点 検 表 示 制 度 が 施 行 された さらに 消 費 者 安 全 を 脅 かす 製 品 事 故 などを 受 け 国 民 生 活 審 議 会 消 費 者 安 全 に 関 する 検 討 委 員 会 では 消 費 者 安 全 教 育 の 充 実 を 謳 っている 3) 消 費 者 の 安 全 確 保 には 製 品 事 故 の 防 止 に 向 けて 消 費 者 の 立 場 からだけでなく 生 産 者 販 売 者 等 の 視 点 から 主 体 的 に 行 動 できることが 重 要 であり 学 習 過 程 で 製 品 事 故 の 防 止 を 意 識 した 活 動 の 場 と 時 間 の 保 障 が 必 要 と 考 える 調 理 実 習 は 班 毎 の 作 業 活 動 が 多 く 一 人 で 計 画 をたてる 機 会 を 多 く 設 けることが 学 習 意 欲 面 か らも 重 要 と 考 える レシピは 英 語 では 処 方 箋 (recipe)とも 呼 ばれている レシピカードは 紙 1 枚 に 料 理 名 材 料 用 具 作 り 方 の 手 順 一 口 メモ 等 を 記 述 することから 学 習 者 自 身 でその 作 業 手 順 を 検 討 できる * 茨 城 大 学 教 育 学 部 - 139 -

茨 城 大 学 教 育 実 践 研 究 31(2012) これまでに 筆 者 は 小 学 校 と 大 学 でレシピ 作 りを 実 践 している 小 学 校 でのレシピ 作 りでは 作 り 方 の 手 順 欄 に 包 丁 に 注 意 等 の 消 費 者 安 全 に 関 する 記 述 が 若 干 みられた 4) 大 学 での 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたみそ 汁 のレシピ 作 りでは 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 が 平 均 2.43 件 一 口 メモ 欄 が 最 も 多 く 作 り 方 の 手 順 欄 の 約 2 倍 みられた 5) さらに 安 全 安 心 チェック 欄 を 設 定 したところ 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 は 一 人 平 均 7.71 件 安 全 安 心 チェック 欄 には 90.8%がみられた 6) これらのことを 踏 まえて 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 を 目 的 として 小 学 校 教 員 をめざす 受 講 生 に 対 し 指 定 教 材 であるみそ 汁 を 題 材 に 調 理 前 後 の 安 全 安 心 チェ ック 欄 を 設 定 し 地 域 食 材 を 生 かしたレシピカード 作 りを 課 した その 後 受 講 生 に レシ ピカード 作 りに 関 して 小 学 校 教 材 としての 導 入 の 可 能 性 と 教 師 教 育 としての 評 価 を 求 めた 研 究 方 法 1 対 象 と 実 施 期 間 対 象 は 2011 年 度 後 期 教 職 関 連 科 目 初 等 家 庭 科 教 育 法 研 究 の 受 講 生 62 人 ( 男 24 人 女 38 人 )の 小 学 校 教 員 免 許 状 取 得 希 望 者 で 選 修 は 国 語 科 社 会 科 英 語 科 美 術 科 技 術 科 等 であ る 受 講 生 は 他 に 小 学 校 各 教 科 の 教 育 法 研 究 内 容 研 究 の 履 修 過 程 にあり 教 員 志 望 であ ることから 教 材 指 導 技 法 等 に 対 して 教 師 と 学 習 者 の 立 場 を 意 識 した 回 答 が 得 られると 思 われる 実 施 期 間 は 2011 年 10 月 13 日 ( 木 )の 授 業 2 コマ 目 の 最 後 に 次 時 予 告 をし 20 日 ( 木 ) にレシピカードを 作 成 27 日 ( 木 )の 最 初 の 15 分 間 で アンケートによる 教 材 評 価 を 求 めた 2 材 料 教 師 側 では 小 学 校 家 庭 科 教 科 書 のみそ 汁 関 連 資 料 とレシピカード 用 紙 (A4 判 )を 用 意 受 講 生 は 筆 記 用 具 を 準 備 した 3 手 続 き 受 講 生 によるみそ 汁 のレシピは このような 授 業 の 流 れで 作 成 された 1) 授 業 2コマ 目 の 最 後 に 次 時 予 告 として 来 週 は 小 学 校 家 庭 科 の 指 定 教 材 であるみそ 汁 のレ シピ 作 りをしますので 鉛 筆 色 鉛 筆 を 用 意 してください 地 域 食 材 を1つ 以 上 使 ったみそ 汁 で 自 分 以 外 の 人 がレシピをみて 安 全 に 安 心 して 間 違 えなく 作 れるように 書 いてください その ために 地 域 食 材 やみそ 汁 の 作 り 方 を 調 べて 下 さい これからレシピ 用 紙 を 前 もって 配 布 します ので 来 週 持 ってきて 下 さい と 告 げ レシピ 用 紙 を 配 布 する 2) 授 業 3コマ 目 に 小 学 校 家 庭 科 教 科 書 の みそ 汁 とごはん 資 料 を 配 布 後 教 科 書 記 載 内 容 を 受 講 生 が 音 読 発 表 しながら 学 習 内 容 を 確 認 その 後 教 科 書 に 記 載 されている 野 菜 の 名 称 と 地 域 食 材 を 発 表 後 小 学 校 では 生 の 魚 や 肉 は 扱 わないことになっています と 扱 わない 材 料 を 確 認 する レシピの 作 り 方 では まず NO.に 学 籍 番 号 を 書 いて 下 さい 小 学 生 は 出 席 番 号 に なります タイトルは 見 た 人 が 作 ってみたいと 思 うタイトルで 字 の 書 き 方 等 レタリングによる 工 夫 をしましょう 右 側 には 発 行 者 と 電 話 住 所 等 連 絡 先 を 書 きますが 個 人 情 報 ですので - 140 -

山 本 : 調 理 前 後 の 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 学 校 の 電 話 と 住 所 でもいいです ( 株 )ヤマキ 食 品 等 発 行 者 発 行 所 がわかると 問 い 合 わせがで きいいですね 盛 り 付 け 図 は 真 上 や 斜 めからでもいいです 調 理 時 間 は< 分 >でめやすを 次 の 欄 には 縦 線 を 入 れて 左 に 材 料 と 何 人 分 かを 書 いて 単 位 の 記 号 ( 質 量 g 体 積 mlを 板 書 ) や 個 数 等 を 右 の 欄 には 用 具 と 幾 つ 必 要 かを 書 きます 作 り 方 は これを 見 て 安 全 に 安 心 して 作 れるように イラストを 入 れてもいいです 安 全 安 心 チェック 欄 には 安 全 安 心 の 注 意 事 項 を 調 理 前 後 に 分 けて 書 きます 一 口 メモには 他 の 材 料 の 代 替 え 案 やゴマをかけると 良 い などの 工 夫 点 などを 書 くと 良 いでしょう 特 に 調 理 中 の 安 全 安 心 の 注 意 点 などは 作 り 方 の 手 順 欄 に 注 意 して 見 てくれるように 書 けるといいですね と 告 げ 説 明 をする その 後 みそ 汁 のレシピカードを 作 成 する 3) 次 回 の 授 業 の 最 初 の 15 分 を 用 いて アンケートによる 教 材 評 価 を 実 施 する 4 研 究 方 法 と 評 価 方 法 アンケート 調 査 では レシピカードの 作 成 時 間 自 己 評 価 とその 理 由 5ワードによる 授 業 イメ ージ レシピ 作 りの 小 学 校 家 庭 科 教 材 への 導 入 教 師 教 育 としてのレシピ 作 り 教 材 の 評 価 (5 件 法 ) 自 由 記 述 法 による 感 想 で 求 めた レシピカードについては 消 費 者 安 全 記 述 内 容 を 抽 出 後 各 欄 別 内 容 別 などから 分 析 する な お 多 い 品 目 は 用 具 などとして 一 括 せずに 学 習 者 が 記 述 した 具 体 的 品 目 を 示 すことにする 結 果 及 び 考 察 1 みそ 汁 のレシピカード 図 1 ハート 安 全 マークで 強 調 したレシピ 図 2 注 意 指 示 事 項 マークで 強 調 したレシピ - 141 -

茨 城 大 学 教 育 実 践 研 究 31(2012) 図 1に ハート 安 全 マークで 強 調 したレシピを 示 す タイトルは いばらきいっぱい 白 菜 とれんこんのポカポカみそ 汁 で 調 理 時 間 のめやすは 20 分 具 は 蓮 根 白 菜 油 揚 げで 材 料 は4 人 分 であった 作 り 方 の 手 順 欄 は7 事 項 にわけ 切 り 方 や 具 の 入 れ 方 等 をイラスト で 右 下 には 家 庭 科 教 科 書 にあるハート 安 全 マークを 設 け なべは 冷 えてから 洗 う と 書 かれていた 調 理 前 の 安 全 安 心 チェック 欄 は 5 項 目 の 箇 条 書 きで まな 板 を 水 でぬらし て 水 気 をふきとったか など まな 板 身 支 度 爪 手 洗 い 衛 生 点 検 できる 記 述 になって いた 調 理 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 は 5 項 目 の 箇 条 書 きで 器 具 せん ガスせん 閉 め ふきん まな 板 の 日 干 し ゴミ 処 理 用 具 の 衛 生 後 片 付 け 流 し 洗 いがみられた 一 口 メ モには レンコンの 代 替 え 品 やレンコンのすりおろしと 他 の 調 理 法 を 示 していた レシピ 作 りの 教 材 としの 導 入 (4 点 )では 茨 城 の 生 産 量 が 多 い 野 菜 を 調 べることで 茨 城 に 興 味 を 持 てるきっかけができる 理 由 をあげていた 教 師 教 育 への 導 入 (5 点 )では 自 分 で 考 えてレシピを 作 ることで 子 どもの 立 場 に 立 って 考 え 工 夫 することを 学 べるし ま た 子 供 が 同 じことをしたらどこで 悩 むかもつかむことができる 理 由 をあげていた 自 由 記 述 法 による 感 想 には 地 域 食 材 を 生 かすということで 蓮 根 をみそ 汁 に 入 れることに 挑 戦 し た 具 材 に 油 揚 げを 足 してボリュームを 出 しました イラストを 多 くし わかりやすいよう に 気 をつけました の 記 述 がみられた 図 2に 注 意 指 示 事 項 マークで 強 調 したレシピを 示 す タイトルは みんなで 食 べよう! あったかみそ 汁 で 調 理 時 間 の 目 安 は 30 分 具 は 玉 ねぎ じゃがいも 小 ねぎの 記 述 が みられ 材 料 は1 人 分 のものであった 作 り 方 手 順 欄 には 注 意 指 示 事 項 マーク2 個 を 設 け 手 を 切 らないよう 注 意 しょう 鍋 は 冷 めてから 洗 おう がみられた 調 理 前 の 安 全 安 心 チェック 欄 は 5つの 箇 条 書 き( 身 支 度 爪 手 首 洗 い 近 くの 燃 えやすい 物 の 点 検 ゴム 管 の 点 検 換 気 )で 調 理 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 は 4つの 箇 条 書 き(ガス 栓 器 具 栓 の 閉 め 用 具 洗 い 戻 し 場 所 の 確 認 ゴミ 分 別 包 丁 ピーラーの 戻 し 場 所 の 確 認 )で 記 述 されていた 一 口 メモには みそ 汁 の 具 として 油 揚 げの 提 示 さらに 材 料 の 入 れ 方 を 示 していた レシピ 作 りの 教 材 としの 導 入 (5 点 )では それぞれの 家 庭 によって 入 れる 具 が 違 うので 色 々バリエーションができて 楽 しいと 思 う の 記 述 がみられた 教 師 教 育 への 導 入 (4 点 ) では とてもいいアイデアで レシピ 作 り 後 に 実 際 に 家 出 作 ってみたりできる と 理 由 を あげていた また 自 由 記 述 法 による 感 想 では 私 たちの 視 点 で 手 順 書 を 書 くと わりと 安 全 面 について <もう 分 かっているだろう>という 点 が 多 く 省 略 しがちだが 児 童 の 立 場 で 考 えるとあれこれ 気 をつけてほしいことが 出 てくるなと 感 じた と 記 述 していた 2 みそ 汁 の 調 理 時 間 表 1 みそ 汁 の 調 理 時 間 N=62 単 位 : 人 (%) 調 理 時 間 15 20 25 30 35 40 45 人 数 6( 9.7) 28(45.2) 11(17.7) 14(22.6) 2( 3.2) 0( 0.0) 1( 1.6) 表 1に みそ 汁 の 調 理 時 間 を 示 す レシピに 記 述 されたみそ 汁 の 調 理 時 間 のめやすは 平 - 142 -

山 本 : 調 理 前 後 の 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 均 23.5 分 ( 最 小 値 15 最 大 値 45 標 準 偏 差 5.894 不 偏 分 散 34.744)で 15 分 から 45 分 と 開 きがみられた 最 も 多 かったのは 20 分 (45.2%) 次 に 30 分 (22.6%)25 分 (17.7%) 15 分 (9.7%)の 順 で 最 も 短 い 15 分 から 30 分 までに 全 体 の 95.2%がみられた 3 レシピカードの 作 成 時 間 表 2 レシカードの 作 成 時 間 N=62 単 位 : 人 (%) 調 理 時 間 15 20 25 30 35 40 45 人 数 7(11.3) 18(29.0) 8(12.9) 17(27.4) 6( 9.7) 5( 8.1) 1( 1.6) レシピカードの 作 成 時 間 は 平 均 26.3 分 ( 最 小 値 15 最 大 値 45 標 準 偏 差 7.679 不 偏 分 散 58.964)であった 最 も 多 かったのは 20 分 ( 29.0%) 次 に 30 分 (27.4%) 25 分 (12.9%) 15 分 (11.3%)の 順 で 15 分 から 30 分 までに 全 体 の 80.6%がみられた 小 学 校 の1 単 位 時 間 が 45 分 であることから 単 位 時 間 内 に 作 成 できたことになる 4 レシピカードの 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 箇 所 と 記 述 数 レシピカードの 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 は 632 件 一 人 平 均 10.19 件 みられた その 内 訳 は 調 理 前 の 安 全 安 心 チェック 欄 296 件 (46.8%)が 最 も 多 く 次 に 調 理 後 の 安 全 安 心 チェッ ク 欄 266 件 (42.1%) 作 り 方 の 手 順 欄 70 件 (11.1%)の 順 で 用 具 欄 一 口 メモ 欄 等 には 認 められなかった (1) 作 り 方 の 手 順 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 と 記 述 方 法 表 3 作 り 方 の 手 順 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 N=70 項 目 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 怪 我 感 染 予 防 13 火 傷 に 注 意 13 材 料 4 洗 い 方 3 泥 1 包 丁 31 包 丁 の 持 ち 方 14 手 を 切 らない 注 意 12 使 用 時 は 周 囲 を 確 認 3 堅 い 食 材 に 注 意 1 置 く 場 所 を 決 める 1 まな 板 2 まな 板 の 水 気 2 おろし 金 1 おろし 金 1 ピーラー1 ピーラー1 鍋 13 鍋 は 冷 めてから 洗 う 9 鍋 から 移 す 時 の 注 意 2 噴 きこぼれ 2 コンロ 5 器 具 栓 開 け 1 火 元 から 目 を 離 さない 1 器 具 栓 閉 め 1 コンロ 近 くに 燃 えやすい 物 を 置 かない 2 表 3に 作 り 方 の 手 順 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 を 示 す 作 り 方 の 手 順 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 70 件 は 怪 我 感 染 予 防 材 料 包 丁 まな 板 おろし 金 ピーラー 鍋 コンロの8 項 目 に 区 分 できた 最 も 多 い 項 目 は 包 丁 31 件 (44.3%)で 次 は 鍋 火 傷 に 注 意 の 怪 我 感 染 予 防 の 各 13 件 (18.6%) コンロ5 件 (7.1%), 材 料 4 件 (5.7%) まな 板 2 件 (2.9%) おろし 金 ピーラーの 各 1 件 (1.4%)の 順 であった 作 り 方 の 手 順 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 では 調 理 中 における 包 丁 の 持 ち 方 14 件 火 傷 に 注 意 13 件 手 を 切 らない 注 意 12 件 で 39 件 (55.7%)と 50% 強 を 占 めていた 作 り 方 の 手 順 欄 には 用 具 の 記 述 はなく 用 具 の 具 体 的 な 品 目 ( 鍋 おろし 金 ピーラ - 143 -

茨 城 大 学 教 育 実 践 研 究 31(2012) ー 等 )の 記 述 がみられた 表 4 作 り 方 の 手 順 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 を 強 調 するマーク 等 N=70 マーク 等 件 数 (%) 記 述 内 容 マーク 18 (25.7) 包 丁 9 火 傷 3 鍋 2 ピーラー1 おろし 金 1 噴 きこぼれ 1 洗 い 方 1! 注 意 マーク 17 (24.3) 包 丁 11 火 傷 3 鍋 1 コンロ 1 洗 い 方 1 安 全 マーク 11 (15.7) 包 丁 4 鍋 4 火 傷 3 注 意 マーク 9 (12.8) 包 丁 3 コンロ 2 鍋 2 まな 板 1 噴 きこぼれ 1 注 意 マーク 5 ( 7.1) 包 丁 2 火 傷 1 コンロ 1 洗 い 方 1 マーク 3 ( 4.3) コンロ 1 まな 板 1 泥 1 マーク 3 ( 4.3) 火 傷 2 包 丁 1 ポイント 2 ( 2.9) 包 丁 1 鍋 1 括 弧 内 2 ( 2.9) 火 傷 1 鍋 1 作 り 方 の 手 順 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 を 強 調 するために マーク 等 の 工 夫 がみられ た 表 4に 作 り 方 の 手 順 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 を 強 調 するマーク 等 を 示 す 消 費 者 安 全 の 記 述 を 強 調 するマーク 等 で 一 番 多 いのは マーク 次 に 注 意 マーク 安 全 マー! ク 注 意 マーク 注 マーク マーク の 順 であった 注 や 注 意 等 の 注 意 マークで 工 夫! 強 調 したものは 31 件 (44.3%) 教 科 書 に 同 様 の 記 載 があるハート 安 全 マークは 11 件 (15.7%)を 占 めた イラストのみやチェック 枠 のものはなかった (2) 安 全 安 心 チェック 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 内 容 とその 記 述 数 表 5 調 理 前 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 とその 記 述 数 項 目 安 全 安 心 チェックの 記 述 内 容 とその 記 述 数 N=562(296/266) 身 支 度 96/0 身 支 度 27/0 三 角 巾 21/0 エプロン 24/0 マスク 17/0 髪 4/0 袖 口 2/0 靴 1/0 怪 我 感 染 予 防 69/9 手 洗 い 40/0 爪 21/0 手 指 の 傷 確 認 4/0 うがい 3/0 体 調 の 確 認 1/0 怪 我 の 確 認 0/5 火 傷 の 確 認 0/4 材 料 18/0 材 料 の 衛 生 11/0 材 料 の 準 備 確 認 6/0 消 費 期 限 の 確 認 1/0 用 具 49/79 用 具 の 衛 生 28/8 用 具 の 準 備 確 認 14/0 損 傷 などの 確 認 6/0 用 具 拭 き 1/0 用 具 洗 いの 確 認 0/7 用 具 拭 き 0/2 浸 け 置 き 0/1 用 具 の 後 片 付 け 0/56 後 片 付 けの 確 認 0/5 包 丁 9/20 包 丁 の 置 場 所 の 確 認 5/0 包 丁 の 切 れやすさ 4/0 包 丁 洗 い 0/7 包 丁 を 元 の 置 き 場 所 へ 0/9 包 丁 本 数 0/4 まな 板 8/4 まな 板 の 水 気 5/0 まな 板 洗 い 3/0 まな 板 の 日 干 し 0/4 ふきん 3/12 ふきん 3 /0 ふきん 洗 い 0/4 ふきんの 日 干 し 0/8 食 器 0/13 食 器 洗 い 0/7 食 器 拭 き 0/6 鍋 0/5 鍋 は 冷 えてから 洗 う 0/5 コンロ 36/67 コンロの 確 認 10/13 ガス 元 栓 の 確 認 7/0 ゴム 管 のヒビ 確 認 7/0 ガス 管 の 接 線 2/0 コンロ 近 くの 燃 えやすい 物 の 確 認 10/0 器 具 栓 閉 め 確 認 0/11 ガス 元 栓 閉 め 0/43 流 し 0/13 流 し 洗 い 0/8 流 し 拭 き 衛 生 0/4 流 しの 整 頓 0/1 調 理 台 0/12 調 理 台 の 整 頓 0/3 調 理 台 洗 い 0/3 調 理 台 拭 き 0/3 床 に 余 計 な 物 がないか 確 認 0/3 換 気 8/3 部 屋 の 換 気 8/2 窓 閉 めの 確 認 0/1 ゴミ 処 理 0/29 ゴミ 処 理 0/29 スラッシュ 前 : 調 理 前 の 安 全 安 心 チェック 欄 の 記 述 数 スラッシュ 後 : 調 理 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 の 記 述 数 表 5に 安 全 安 心 チェック 欄 の 消 費 者 安 全 記 述 関 連 の 記 述 とその 記 述 数 を 示 す 安 全 安 心 チェック 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 は 562 件 一 人 平 均 9.06 件 であった 調 理 前 の 安 全 安 心 チェック 欄 には 296 件 (52.7%) 一 人 平 均 4.77 件 ( 最 小 値 2 最 大 - 144 -

山 本 : 調 理 前 後 の 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 値 11 不 偏 分 散 3.751 標 準 偏 差 1.937)みられた 一 人 4 件 (25.8%)が 最 も 多 く 次 に 5 件 と3 件 の 各 17.7% 6 件 の 16.1% 7 件 と 2 件 の 8.1% 11 件 ( 3.2%) 9 件 と8 件 の 各 1.6% の 順 であった 一 方 調 理 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 には 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 が 266 (47.3%) 件 一 人 平 均 4.29 件 ( 最 小 値 2 最 大 値 11 不 偏 分 散 4.078 標 準 偏 差 2.019) であった 一 人 3 件 (24.2%)が 最 も 多 く 次 に4 件 (19.3%) 2 件 (14.5%) 5 件 (12.9%) 6 件 (11.3%) 7 件 と8 件 の 各 6.5% 1 件 (3.2%) 11 件 (1.6%)の 順 であった 調 理 前 の 安 全 安 心 チェックの 記 述 内 容 が 調 理 後 より 30 件 (1.11 倍 ) 多 かった 調 理 前 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 は 身 支 度 怪 我 感 染 予 防 材 料 用 具 包 丁 まな 板 ふきん コンロ 流 し 調 理 台 換 気 ゴミ 処 理 の 12 項 目 に 区 分 できた 最 も 多 かった 項 目 は 用 具 128 件 (22.8%) 次 にコンロ 103 件 (18.3%) 身 支 度 96 件 (17.1%) 怪 我 感 染 予 防 78 件 (13.9%) 包 丁 とゴミ 処 理 の 各 29 件 (5.2%) 材 料 18 件 (3.2%)の 順 で 他 の 流 し ふきん まな 板 調 理 台 換 気 はいずれも2%から3%であった 調 理 前 のみの 項 目 には 2 項 目 114 件 ( 身 支 度 96 件 材 料 18 件 ) 調 理 後 のみの 項 目 は 5 項 目 72 件 ( 食 器 13 件 鍋 5 件 流 し 13 件 調 理 台 12 件 ゴミ 処 理 29 件 )がみられた 調 理 前 の 記 述 内 容 の 項 目 が 多 かったものは 怪 我 感 染 予 防 (11.5 倍 ) 換 気 (2.66 倍 ) ま な 板 (2 倍 )の 順 であった 一 方 ふきん(4 倍 ) 包 丁 (2.22 倍 ) コンロ(1.86 倍 ) 用 具 (1.61 倍 )は 調 理 後 の 記 述 内 容 の 項 目 に 多 い 傾 向 がみられた 表 6 調 理 前 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 にみる 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 N=562 調 理 前 欄 のみの 記 述 N=250 調 理 前 後 欄 の 記 述 N=46/23 調 理 後 欄 のみの 記 述 N=243 手 洗 い 40 身 支 度 27 エプロン 24 用 具 の 衛 生 28/8 用 具 の 後 片 付 け 56 ガス 元 栓 閉 め 43 三 角 巾 21 爪 21 マスク 17 コンロの 確 認 10/13 ゴミ 処 理 29 器 具 栓 閉 め 確 認 11 用 具 の 準 備 確 認 14 材 料 の 衛 生 11 部 屋 の 換 気 8/2 包 丁 を 元 の 置 き 場 所 へ 9 流 し 洗 い 8 コンロ 近 くの 燃 えやすい 物 の 確 認 10 ガス 元 栓 の 確 認 7 ゴム 管 のヒビ 確 認 7 ふきんの 日 干 し 8 用 具 洗 いの 確 認 7 食 器 洗 い7 包 丁 洗 い 7 食 器 拭 き 6 材 料 の 準 備 確 認 6 損 傷 などの 確 認 6 怪 我 の 確 認 5 後 片 付 けの 確 認 5 包 丁 の 置 場 所 の 確 認 5 まな 板 の 水 気 5 鍋 は 冷 えてから 洗 う 5 包 丁 本 数 4 髪 4 包 丁 の 切 れやすさ 4 まな 板 の 日 干 し 4 流 し 拭 き 衛 生 4 手 指 の 傷 確 認 4 まな 板 洗 い 3 火 傷 の 確 認 4 ふきん 洗 い 4 ふきん 3 うがい 3 ガス 管 の 接 線 2 調 理 台 の 整 頓 3 調 理 台 拭 き 3 袖 口 2 靴 1 消 費 期 限 の 確 認 1 床 に 余 計 な 物 がないか 確 認 3 体 調 の 確 認 1 用 具 拭 き 1 調 理 台 洗 い3 用 具 拭 き2 浸 け 置 き1 流 しの 整 頓 1 窓 閉 めの 確 認 1 スラッシュ 前 : 調 理 前 の 安 全 安 心 チェック 欄 の 記 述 数 スラッシュ 後 : 調 理 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 の 記 述 数 表 6に 調 理 前 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 にみる 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 を 示 す 調 理 前 の 安 全 安 心 チェック 欄 のみの 記 述 内 容 は 27 事 項 250 件 (44.5%)で 上 位 6 位 までを 身 支 度 や 怪 我 感 染 予 防 関 連 の 150 件 が 占 めた 調 理 前 後 のそれぞれにみられた 記 述 内 容 は 3 事 項 ( 用 具 の 衛 生 コンロの 確 認 部 屋 の 換 気 )で 調 理 前 46 件 調 理 後 23 件 の 計 69 件 (12.3%)であった 用 具 の 衛 生 と 部 屋 の 換 気 は 調 理 前 のチェックが 多 くを 占 めたのに 対 し コンロの 確 認 は 使 用 後 のチェックが 若 干 多 くみられたのみであった 調 理 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 のみの 記 述 内 容 は 27 事 項 251 件 (44.7%)で 上 位 5 位 ま - 145 -

茨 城 大 学 教 育 実 践 研 究 31(2012) でを ガスの 器 具 栓 元 栓 閉 めの 確 認 とゴミ 用 具 の 後 片 付 け 関 連 の 148 件 が 占 めた 調 理 前 後 の 記 述 内 容 が 27 事 項 で 件 数 も 44%と 同 傾 向 を 示 したが 調 理 後 では 上 位 キーワードに 集 中 していることがわかった (3) 一 口 メモ 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 一 口 メモ 欄 には 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 は 認 められなかった 一 口 メモ 欄 には 材 料 に ついては 特 産 物 や 旬 を 意 識 した 代 替 え 案 や 厚 焼 き 卵 やおひたし 等 の 添 え 物 の 記 述 が 多 くみ られた 他 に 食 べた 後 の 片 付 け 藻 時 間 がかからないよう きちんと 行 う 食 べる 分 量 を 考 えて 作 り 残 さず 食 べる 等 の 片 付 け 時 間 や 食 べる 分 量 への 配 慮 などの 記 述 がみられた 5 受 講 生 によるレシピの 自 己 評 価 表 7 受 講 生 によるレシピの 自 己 評 価 N=62 単 位 : 人 (%) 評 価 点 5 4 3 2 1 人 数 8(12.9) 43(69.4) 10(16.1) 1( 1.6) 0( 0.0) 表 7に 受 講 生 によるレシピの 自 己 評 価 を 示 す レシピの 自 己 評 価 は 平 均 3.94( 不 偏 分 散 0.356 標 準 偏 差 0.597)で 良 い 評 価 であった 4 点 が 43 人 (69.4%)と 最 も 多 く 次 に 3 点 10 人 (16.1%) 5 点 8 人 2 点 1 人 の 順 で 1 点 は 認 められなかった 5 点 (8 人 12 件 )の 理 由 では 地 域 食 材 を 使 えた3 件 小 学 生 でも 簡 単 に 作 れる 安 全 環 境 衛 生 面 に 配 慮 2 件 あとは 順 序 をしっかり 考 えた いつもと 違 うメニューにできた おいしい 作 り 方 を 再 現 できた の 各 1 件 がみられた 一 方 2 点 (1 人 1 件 )の 理 由 には 文 章 の 羅 列 になってしまい 理 解 しづらい の 記 述 がみられた 6 受 講 生 によるレシピ 教 材 としての 評 価 (5 件 法 ) 表 8 受 講 生 によるレシピ 教 材 としての 評 価 (5 件 法 ) N=62 単 位 : 人 (%) 評 価 点 5 4 3 2 1 人 数 30(48.4) 24(38.7) 6( 9.7) 2( 3.2) 0( 0.0) 表 8に 受 講 生 によるレシピ 教 材 としての 評 価 を 示 す 教 材 としての 評 価 は 平 均 4.32 点 ( 不 偏 分 散 0.616 標 準 偏 差 0.785)で 良 い 評 価 であった 5 点 が 48.4%と 最 も 多 く 次 に4 点 (38.7%) 3 点 (9.7%) 2 点 (3.2%)の 順 で 1 点 はみられず 5 点 と4 点 で 82.3%を 占 めた 5 点 (30 人 58 件 )の 理 由 として 安 全 を 確 認 できる 10 件 イメージできる7 件 レシピ を 楽 しく 作 れる 手 順 がわかる 各 5 件 留 意 点 がわかる4 件 実 習 がスムーズに 進 む 自 分 の 力 で 調 べる の 各 3 件 考 える 機 会 を 与 える 家 族 のありがたさ いろいろな 食 材 を 知 る 一 人 暮 らしに 必 須 の 各 2 件 その 他 13 件 であった 一 方 2 点 1 人 の 理 由 としては 教 え る 自 信 がない をあげていた 7 受 講 生 による 教 師 教 育 としてのレシピ 教 材 の 評 価 - 146 -

山 本 : 調 理 前 後 の 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 表 9 受 講 生 による 教 師 教 育 としてのレシピ 教 材 の 評 価 (5 件 法 ) N=62 単 位 : 人 (%) 評 価 点 5 4 3 2 1 人 数 31(50.0) 25(40.3) 4( 6.5) 1( 1.6) 1( 1.6) 表 9に 受 講 生 による 教 師 教 育 としてのレシピ 教 材 の 評 価 を 示 す 教 師 教 育 としてのレシ ピ 教 材 の 評 価 は 平 均 4.35( 不 偏 分 散 0.659 標 準 偏 差 0.811)と 良 い 評 価 であった 最 も 多 いのが 5 点 (50.0%)で 次 は 4 点 (40.3%) 3 点 (6.5%)の 順 で 2 点 と1 点 は 各 1.6% であった 5 点 と 4 点 で 90.3%を 占 めた 5 点 (31 人 55 件 )の 理 由 としては 教 師 になった 時 に 役 立 つ 一 度 は 経 験 しておくとよ い の 各 10 件 書 く 大 変 さや 注 意 点 がわかる 材 料 や 手 順 を 確 認 できる の 各 6 件 安 全 に ついて 考 えることができる5 件 子 ども 目 線 で 考 える 練 習 になる4 件 授 業 イメージができ る 講 義 より 実 践 的 で 身 に 付 く 他 でも 応 用 できる 各 3 件 その 他 5 件 であった 2 点 1 点 の 各 1 人 の 理 由 としては 大 学 でやる 必 要 がない 高 校 とかでやるからの 記 述 がみられ た 8 受 講 生 による 授 業 評 価 表 10 上 位 キーワードによる 授 業 評 価 N=310 順 位 キーワード 点 数 (%) 累 計 点 数 (%) 1 安 全 安 心 ( 安 全 29.5 安 心 6) 35.5 (11.5) 2 作 り 方 の 手 順 29 ( 9.4) 3 楽 しい 25 ( 8.1) 4 材 料 20 ( 6.5) 5 地 域 食 材 18 ( 5.8) 127.5(41.1) 6 おいしい 16.5 ( 5.3) 7 注 意 事 項 15 ( 4.8) 8 衛 生 14.5 ( 4.7) 9 確 認 13 ( 4.2) 10 用 具 12 ( 3.9) 198.5(64.0) 11 後 片 付 け 11 ( 3.5) 12 分 かりやすく 10 ( 3.2) 13 実 践 9 ( 2.9) 13 包 丁 使 い 9 ( 2.9) 15 盛 り 付 け 図 8 ( 2.6) 245.5(79.2) 16 工 夫 6 ( 1.9) 16 協 力 6 ( 1.9) 16 自 立 6 ( 1.9) 16 簡 単 6 ( 1.9) 20 出 汁 5.5 ( 1.8) 275.0(88.7) 表 10 に 上 位 キーワードによる 授 業 評 価 を 示 す レシピカード 作 りの 授 業 のキーワードを 5 つあげてもらったもので 1 人 があるキーワードをあげた 場 合 それを1 点 とし 複 数 の 言 葉 が1つとしてある 場 合 は 基 本 的 に2 分 割 までとし 各 0.5 点 とした 合 計 点 数 は 310 点 で 平 均 5 点 で 多 くの 人 が 同 じキーワードを 挙 げたため 39 ワードに 集 約 できた 点 数 の 最 も 多 いキーワードは 安 全 安 心 35.5 点 (11.5%)で 上 位 2 位 から 10 位 までは 作 り - 147 -

茨 城 大 学 教 育 実 践 研 究 31(2012) 方 の 手 順 楽 しい 材 料 地 域 食 材 おいしい 注 意 事 項 衛 生 確 認 用 具 5 位 までの 累 計 点 数 は 127.5 点 (41.1%) 10 位 までの 累 積 点 数 は 198.5 点 (64.0%)である 11 位 から 20 位 のキーワードは 後 片 付 け 分 かりやすく 実 践 包 丁 使 い 盛 り 付 け 図 工 夫 協 力 自 立 簡 単 出 汁 で 20 位 までの 累 積 は 275.0 点 (88.7%)であった 21 位 以 下 の 点 数 毎 の ワード 数 各 小 計 点 数 小 計 割 合 は 5 点 1ワード( 準 備 ) 4 点 1ワード( 火 加 減 ) 3 点 2 ワード( 身 支 度 使 い 方 ) 2 点 5ワード( 分 量 味 噌 大 変 経 験 ガス 栓 ) 1 点 10 ワード であった 上 位 キーワードからは レシピカードについて 材 料 として 地 域 食 材 出 汁 を 考 え 用 具 作 り 方 の 手 順 盛 り 付 け 図 衛 生 や 後 片 付 け 等 の 安 全 安 心 の 注 意 事 項 を 簡 単 に 分 かりや すく 工 夫 し 楽 しく 書 けたので 協 力 して 実 践 できる と 捉 えることができた 表 11 自 由 記 述 法 による 授 業 評 価 N=109 項 目 自 由 記 述 による 授 業 評 価 件 数 (%) 消 費 者 安 全 (59) 注 意 点 を 再 確 認 できた 14(12.8) 注 意 点 は 重 要 大 切 である 14(12.8) 注 意 点 を 子 ども 目 線 で 詳 しく 分 かりやすく 書 けた 9( 8.3) 工 夫 点 (ポイント イラスト) 8( 7.3) 言 葉 で 説 明 するのは 大 変 / 難 しかった 8( 7.3) 具 体 的 注 意 点 を 入 れた 書 けた 5( 4.6) 注 意 点 が 多 いことが 分 かった 1( 0.9) 地 域 食 材 (36) 地 域 食 材 17(15.6) 地 元 ( 地 元 地 元 の 特 産 物 地 元 の 野 菜 ) 9( 8.3) 具 体 的 な 食 材 6( 5.5) 地 域 との 関 わり 地 域 への 理 解 の 深 まり 4( 3.7) 教 師 教 育 (14) 子 どもの 立 場 で 内 容 を 考 えられた 8( 7.3) 教 師 の 配 慮 事 項 がわかった 3( 2.8) 教 える 内 容 を 経 験 体 験 できてよかった 2( 1.8) 教 師 になったときに 必 要 なので 良 い 機 会 であった 1( 0.9) 太 字 : 非 好 意 的 な 記 述 表 11 に 自 由 記 述 による 授 業 評 価 を 示 す 自 由 記 述 による 授 業 評 価 では 7 人 を 除 く 55 人 に 109 件 一 人 平 均 1.98 件 みられた 自 由 記 述 は 消 費 者 安 全 地 域 食 材 教 師 教 育 関 連 の3 項 目 に 区 分 することができた 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 が 59 件 (54.1%)と 最 も 多 く 次 に 地 域 食 材 関 連 の 記 述 36 件 (33.0%) 教 師 教 育 関 連 の 記 述 14 件 (12.9%)の 順 であった 消 費 者 安 全 関 連 は 注 意 点 を 再 確 認 できた 注 意 点 は 重 要 大 切 である 注 意 点 を 子 ど も 目 線 で 詳 しく 分 かりやすく 書 いた で 37 件 (39.9%)を 占 め 注 意 点 の 再 確 認 や 重 要 性 を 確 認 し 子 ども 目 線 で 書 けたことが 窺 えた 一 方 言 葉 で 説 明 することの 大 変 さ 難 しさ 8 件 (7.3%)の 非 好 意 的 な 記 述 がみられた 地 域 食 材 関 連 は 36 件 (33.0%)みられ 地 域 食 材 17 件 と 最 も 多 く 次 に 地 元 の 野 菜 特 産 物 などの9 件 レンコンなど 具 体 的 な 食 材 をあげた6 件 地 域 とのかかわり 地 域 への 理 解 の 深 まりを 記 述 した4 件 の 順 であった 教 師 教 育 関 連 は 14 件 (12.9%)で 子 どもの 立 場 で 内 容 を 考 えられたが8 件 と 半 数 以 上 を 占 めた - 148 -

山 本 : 調 理 前 後 の 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 まとめ 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 を 目 的 に 小 学 校 家 庭 科 教 材 であるみそ 汁 を 取 り 上 げ 地 域 食 材 を 生 かし 消 費 者 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 作 り の 課 題 で レシピカ ードに 調 理 前 後 別 に 安 全 安 心 チェック 欄 を 新 設 し 小 学 校 教 員 免 許 取 得 希 望 の 受 講 生 62 人 に 小 学 校 教 材 としての 導 入 の 可 能 性 と 教 師 教 育 としての 評 価 を 求 めた その 結 果 以 下 の 知 見 を 得 た 1)レシピに 記 述 されたみそ 汁 の 調 理 時 間 のめやすは 平 均 23.5 分 であった 2)レシピカードの 作 成 時 間 は 平 均 27.1 分 で 15 分 から 30 分 までに 全 体 の 80.6%がみ られた 小 学 校 の 単 位 時 間 が 45 分 であることから 概 ね 単 位 時 間 内 でレシピカードの 作 成 ができると 推 測 された 3)レシピカードの 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 は 632 件 一 人 平 均 10.19 件 みられた その 内 訳 は 作 り 方 の 手 順 欄 70 件 (11.1%) 調 理 前 の 安 全 安 心 チェック 欄 296 件 (46.8%) 調 理 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 266 件 (42.1%)で 用 具 欄 一 口 メモ 欄 等 には 認 められな かった 調 理 前 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 にしたところ レシピカードの 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 は 10.19 件 から 7.71 件 と 一 人 平 均 2.48 件 多 い 記 述 がみられた 4) 作 り 方 の 手 順 欄 の 消 費 者 安 全 の 記 述 70 件 中 一 番 多 いのは 注 や 注 意! 等 の 注 意 マー クで 工 夫 強 調 したものは 31 件 教 科 書 記 載 があるハート 安 全 マークは 11 件 を 占 め イラストのみやチェック 枠 のものはなかった 記 述 内 容 別 では 包 丁 が 31 件 を 占 めた 5) 安 全 安 心 チェック 欄 の 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 内 容 は 562 件 一 人 平 均 9.06 件 で 調 理 前 の 欄 には 296 件 一 人 平 均 4.77 件 であった 一 方 調 理 後 の 欄 には 266 件 一 人 平 均 4.29 件 であった 一 人 3 件 (24.2%)が 最 も 多 く 次 に4 件 (19.3%) 2 件 (14.5%) 5 件 (12.9%) 6 件 (11.3%) 7 件 と8 件 の 各 6.5% 1 件 (3.2%) 11 件 (1.6%)の 順 であった 調 理 前 の 安 全 安 心 チェックの 記 述 件 数 が 若 干 多 いことがわかった 6) 安 全 安 心 チェック 欄 で 最 も 多 かった 項 目 は 用 具 128 件 次 にコンロ 103 件 身 支 度 96 件 怪 我 感 染 予 防 78 件 包 丁 とゴミ 処 理 の 各 29 件 材 料 18 件 で 85.7%を 占 めた 調 理 前 のみの 項 目 には 2 項 目 114 件 ( 身 支 度 96 件 材 料 18 件 ) 調 理 後 のみの 項 目 は 5 項 目 72 件 ( 食 器 13 件 鍋 5 件 流 し 13 件 調 理 台 12 件 ゴミ 処 理 29 件 )がみられた また 怪 我 感 染 予 防 は 調 理 前 が 多 く 一 方 用 具 包 丁 ふきん コンロは 調 理 後 に 多 い 傾 向 がみられた 7) 調 理 前 のみの 記 述 内 容 は 27 事 項 250 件 で 上 位 6 位 までを 身 支 度 や 怪 我 感 染 予 防 関 連 150 件 を 占 めた 調 理 後 のみの 記 述 内 容 は 27 事 項 251 件 で 上 位 5 位 までを ガスの 器 具 栓 元 栓 閉 めの 確 認 とゴミ 用 具 の 後 片 付 け 関 連 148 件 を 占 めた 調 理 前 後 の 記 述 内 容 は 3 事 項 ( 用 具 の 衛 生 コンロの 確 認 部 屋 の 換 気 )で 調 理 前 46 件 調 理 後 23 件 の 計 69 件 (12.3%)であった 用 具 の 衛 生 と 部 屋 の 換 気 は 調 理 前 欄 に 多 くを 占 めた 一 方 コ ンロの 確 認 は 使 用 後 欄 に 若 干 多 くみられた 8) 小 学 校 家 庭 科 レシピ 教 材 として 取 り 入 れることに 対 し 平 均 4.32 点 教 師 教 育 としての レシピ 教 材 としても 平 均 4.35 点 と 好 意 的 な 評 価 を 示 した - 149 -

茨 城 大 学 教 育 実 践 研 究 31(2012) 9)レシピカード 作 りの 授 業 イメージを5キーワードで 回 答 を 求 めたところ 39 ワードに 集 約 できた 最 も 多 いのは 安 全 安 心 35.5 点 (11.5%)で 上 位 キーワードからは レシ ピカードについて 料 として 地 域 食 材 出 汁 を 考 え 用 具 作 り 方 の 手 順 盛 り 付 け 図 衛 生 や 後 片 付 け 等 の 安 全 安 心 の 注 意 事 項 を 簡 単 に 分 かりやすく 工 夫 し 楽 しく 書 けたの で 協 力 して 実 践 できる と 捉 えることができた 10) 自 由 記 述 による 授 業 評 価 では 55 人 に 109 件 一 人 平 均 1.98 件 みられた 消 費 者 安 全 関 連 の 記 述 が 59 件 と 最 も 多 く 次 に 地 域 食 材 関 連 の 記 述 36 件 教 師 教 育 関 連 の 記 述 14 件 の 順 であった これらのことから 消 費 者 安 全 に 視 点 をあて 調 理 前 と 調 理 後 の 安 全 安 心 チェック 欄 をそれぞ れに 設 けたレシピカードは 学 習 者 自 身 で 調 理 作 業 過 程 の 確 認 調 理 作 業 前 後 のコンロや 身 支 度 手 洗 いなどの 再 確 認 に 加 え 消 費 者 安 全 について 教 師 評 価 ができることから 小 学 校 家 庭 科 の 消 費 者 安 全 教 育 教 材 への 採 用 だけでなく 教 師 教 育 教 材 としても 採 用 できると 考 える 本 研 究 は 平 成 23 年 度 科 学 研 究 費 助 成 金 基 盤 研 究 (C 一 般 ) 消 費 生 活 用 製 品 の 安 全 安 心 に 視 点 をあてた 消 費 者 安 全 教 育 ( 課 題 番 号 22500692)による 成 果 の 一 部 である 注 1) 経 済 産 業 省 パロマ 工 業 ( 株 ) 製 瞬 間 湯 沸 器 による 一 酸 化 炭 素 中 毒 事 故 の 再 発 防 止 について News Release,( 平 成 18 年 7 月 14 日,2006),pp.1-2. 2) ( 独 ) 製 品 評 価 技 術 基 盤 機 構 カセットこんろ 爆 発 事 故 防 止 について ( 平 成 20 年 10 月 7 日, 2008),pp.1-3. 3) 消 費 者 安 全 に 関 する 検 討 委 員 会 消 費 者 の 安 全 安 心 の 確 保 に 向 けた 総 合 的 な 取 組 の 推 進 につ いて ( 平 成 21 年 6 月 19 日,2009),pp.16-17. 4) 山 本 紀 久 子 大 小 レシピカード 授 業 がおもしろくなる 21 授 業 のネタ 家 庭 科 ( 日 本 書 籍,2001),pp.107-109. 5) 山 本 紀 久 子 山 田 好 子 消 費 者 安 全 の 視 点 を 取 り 入 れたレシピカードの 教 材 開 発 茨 城 大 学 実 践 研 究 第 30 号 (2011),pp.93-102. 6) 山 本 紀 久 子 山 田 好 子 消 費 者 の 安 全 に 視 点 をあてたレシピ 教 材 の 開 発 消 費 者 教 育 第 32 冊, 印 刷 中. - 150 -