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スライド 1

 

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別紙3

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Transcription:

第 33 回 神 奈 川 産 婦 人 科 内 視 鏡 研 究 会 抄 録 集

演 題 1 当 院 におけるロボット 支 援 腹 腔 鏡 下 手 術 の 導 入 済 生 会 横 浜 市 東 部 病 院 産 婦 人 科 長 谷 川 明 俊 宮 内 里 沙 﨑 山 明 香 太 田 絵 美 松 下 瑞 帆 岩 﨑 真 一 伊 藤 めぐむ 秋 葉 靖 雄 渡 邉 豊 治 小 西 康 博 当 院 では 2013 年 3 月 から 婦 人 科 疾 患 に 対 するロボット 支 援 腹 腔 鏡 下 手 術 を 開 始 し た まず 婦 人 科 良 性 疾 患 に 対 してロボット 支 援 腹 腔 鏡 手 術 (da Vinci)の 実 施 およ び 早 期 子 宮 がんに 対 してロボット 支 援 腹 腔 鏡 手 術 (da Vinci)の 実 施 について 院 内 の 倫 理 審 査 委 員 会 手 術 ロボット 運 用 プロジェクトの 承 認 術 者 ライセンスを 取 得 し 患 者 に 十 分 なインホームドコンセントを 行 い 臨 床 研 究 として 行 った 開 腹 手 術 への 移 行 輸 血 を 要 した 症 例 はなく 大 きな 合 併 症 は 経 験 していない また 術 後 疼 痛 は 少 なく 術 後 2~3 日 で 退 院 とすることができている コスト 面 で 問 題 があ るが 安 全 に 導 入 することができている 今 回 当 院 における 導 入 経 過 手 術 成 績 今 後 の 展 望 について 報 告 する

演 題 2 術 前 画 像 診 断 で 所 見 がなく 腹 腔 鏡 下 手 術 で 初 めて 腹 膜 癌 と 診 断 した 1 例 済 生 会 横 浜 市 東 部 病 院 産 婦 人 科 岩 﨑 真 一 秋 葉 靖 雄 﨑 山 明 香 宮 内 里 沙 太 田 絵 美 松 下 瑞 帆 伊 藤 めぐむ 長 谷 川 明 俊 渡 邉 豊 治 小 西 康 博 緒 言 近 年 の 腹 腔 鏡 手 術 件 数 の 増 加 に 伴 い, 術 前 に 悪 性 所 見 を 認 めず 腹 腔 鏡 手 術 で 初 めて 悪 性 と 診 断 される 症 例 も 増 加 すると 予 測 される 今 回 そのような 症 例 を 我 々は 経 験 したので 報 告 する 症 例 41 歳 女 性.G2P2.160cm.49kg. 初 診 時 MRI: 右 8.5cm, 左 5.4cm の 内 膜 症 性 嚢 胞. 悪 性 を 疑 う 所 見 なし CA125:91.3U/ml. 術 前 にディナゲスト 3 ヶ 月 間 投 与 後, 腹 腔 鏡 手 術 を 施 行 ( 予 定 術 式 : 両 側 卵 巣 嚢 腫 摘 出 術 ). 両 側 内 膜 症 性 嚢 胞,frozen pelvis の 他, 両 側 卵 巣 表 層, 子 宮 漿 膜, 骨 盤 腹 膜 に 播 種 性 病 変 を 認 め た 同 部 位 は 術 中 迅 速 病 理 診 断 にて 腺 癌 であり, 両 側 付 属 器 摘 出 術, 腹 膜 播 種 生 検 を 施 行 最 終 病 理 診 断 は 腹 膜 癌 であった 初 回 手 術 から 22 日 後, 根 治 術 を 施 行. StageⅢb であり, 術 後 補 助 化 学 療 法 を 施 行 最 終 化 学 療 法 日 より 6 か 月 経 過 したが, 現 在 無 増 悪 生 存 中 である 結 語 腹 腔 鏡 は 治 療 のみならず 診 断 的 意 義 も 含 む 悪 性 と 診 断 された 場 合 は, 術 式 変 更 など 柔 軟 な 対 応 が 考 慮 される

演 題 3 腹 腔 鏡 により 診 断 を 行 った 乳 癌 腹 腔 内 再 発 の1 例 関 東 労 災 病 院 産 婦 人 科 森 田 一 輝 袖 本 武 男 高 橋 ゆう 子 北 麻 里 子 根 井 朝 美 星 野 寛 美 香 川 秀 之 症 例 は 70 歳 61 歳 時 から 1 年 4 ヶ 月 間 進 行 乳 癌 として 治 療 を 受 けていたが 乳 房 腫 瘤 の 組 織 診 断 は 判 定 不 能 の 所 見 であった その 後 本 人 が 治 療 を 自 己 中 断 当 科 受 診 2 ヶ 月 前 に 腹 部 膨 満 感 を 主 訴 に 前 医 を 受 診 大 量 の 腹 水 貯 留 および 腫 瘍 マーカー 高 値 (CA125 205.7 U/ml CA15-3 45.3 U/ml)を 認 めた 腹 水 細 胞 診 classⅡであっ たが 浸 出 性 であり 癌 性 腹 水 が 疑 われた MRI では 複 数 の 腹 膜 結 節 を 認 めた 精 査 目 的 に 当 院 を 紹 介 受 診 診 断 的 腹 腔 鏡 を 行 う 方 針 とした 腹 腔 鏡 下 の 観 察 では 淡 血 性 の 腹 水 が 貯 留 し omental cake の 形 成 を 認 めた 他 多 数 の 腹 腔 内 播 種 病 変 が 見 ら れた 大 網 骨 盤 内 腫 瘤 の 生 検 を 行 った 病 理 診 断 では Metastaticadenocarcinoma HER2 score(1+) CK7(+) CK20(-) Mammaglobin(+)の 所 見 であった 乳 癌 腹 腔 内 再 発 と 診 断 し 当 院 外 科 で 加 療 を 行 う 方 針 となった 腹 腔 鏡 により 癌 性 腹 膜 炎 の 原 因 診 断 を 行 うことが 出 来 た また 経 過 中 組 織 診 断 がなされていなかった 本 症 例 において 今 回 組 織 所 見 が 得 られたことは 治 療 方 針 決 定 上 意 義 が 大 きいものと 思 われた.

演 題 4 初 心 者 が 入 職 後 4 ヶ 月 で TLH が 完 遂 できるようになるまでの 道 のり 横 浜 総 合 病 院 産 婦 人 科 井 上 美 由 起 木 林 潤 一 郎 美 濃 部 奈 美 子 吉 田 典 生 本 年 4 月 に 横 浜 総 合 病 院 に 入 職 し 腹 腔 鏡 下 手 術 を 本 格 的 に 始 めた 当 院 では 良 性 疾 患 に 対 しては 全 例 腹 腔 鏡 下 手 術 を 行 っており 昨 年 は 全 鏡 視 下 手 術 件 数 が 252 件 に 達 している その 中 でも TLH が 100 件 と 最 多 の 術 式 であった 今 年 の TLH 症 例 数 は 8 月 末 までの 8 ヶ 月 で 78 件 であった このような 環 境 の 下 まず 第 2 助 手 と して 手 術 に 参 加 し 第 1 助 手 執 刀 医 となるまでトレーニングを 重 ねた 具 体 的 に は 自 宅 ではブラックボックスを 使 用 した 運 針 トレーニングを 行 った また 上 級 医 による 執 刀 症 例 のビデオを 繰 り 返 し 閲 覧 し イメージトレーニングを 重 ねた 助 手 として 参 加 している 症 例 においても 自 らが 執 刀 するイメージで 参 加 した そして 自 らの 執 刀 した 手 術 症 例 のビデオも 何 度 も 確 認 し 改 善 点 を 見 つけ 出 し 次 の 症 例 で 活 かすように 心 掛 けた その 結 果 4 ヶ 月 で TLH を 完 遂 することができた TLH に 習 熟 した 環 境 下 でトレーニングを 積 めば 短 期 間 で TLH の 技 術 習 得 は 可 能 であると 考 えられた 今 後 さらなるトレーニングに 励 み 技 術 の 向 上 に 努 めたい

演 題 5 TLH における 巨 大 子 宮 の 回 収 方 法 の 工 夫 横 浜 総 合 病 院 産 婦 人 科 潤 レディースクリニック 木 林 潤 一 郎 渡 辺 潤 一 郎 井 上 美 由 起 美 濃 部 奈 美 子 近 年 は 手 術 の 低 侵 襲 化 がめざましく 子 宮 全 摘 出 術 は 多 くの 施 設 で 腹 腔 鏡 下 に 施 行 されてきている 当 院 においても 良 性 疾 患 は 原 則 全 例 腹 腔 鏡 下 手 術 の 適 応 と 考 えて おり 昨 年 はおよそ 100 例 の TLH を 施 行 してきた TLH では 一 般 的 に 1000g を 超 すと 困 難 と 言 われており 術 野 の 確 保 や 操 作 領 域 の 確 保 解 剖 学 的 な 脈 管 の 偏 位 な どに 加 え 検 体 回 収 の 長 時 間 化 などが 考 えられる 当 院 においても 1000g 以 上 の 症 例 では 回 収 時 間 が 著 明 に 延 長 し 手 術 時 間 の 遷 延 につながっている そこで 本 来 の 目 的 とは 用 途 が 異 なるカールストルツ 社 のデバイスを 用 いる 事 で 回 収 時 間 の 短 縮 を 試 みた 本 報 告 では 当 科 で 行 っている 巨 大 子 宮 に 対 する 回 収 方 法 の 工 夫 を 動 画 を 供 覧 して 報 告 する

演 題 6 胎 盤 ポリープ 疑 いに 対 し 子 宮 鏡 下 手 術 を 施 行 し 子 宮 穿 孔 した 1 例 湘 南 鎌 倉 総 合 病 院 産 婦 人 科 福 田 貴 則 井 上 裕 美 木 幡 豊 日 下 剛 門 間 美 佳 鵜 澤 芳 江 市 田 知 之 外 山 唯 奈 渡 辺 零 美 34 歳 G3P2 既 往 歴 は 特 になし 海 外 で 妊 娠 39 週 0 日 に 経 腟 分 娩 産 後 1 か 月 時 に 大 量 出 血 し 子 宮 内 容 吸 引 術 を 施 行 し 胎 盤 遺 残 と 診 断 された その 後 出 血 止 まりにくく RCC 計 12 単 位 輸 血 したエピソードあり 当 院 には 帰 国 中 の 診 療 依 頼 で 受 診 経 腟 超 音 波 MRI にて 子 宮 内 に 腫 瘤 性 病 変 を 認 めたため 外 来 にて 子 宮 鏡 検 査 を 施 行 した 機 械 不 調 で 不 明 瞭 であったが 腫 瘤 性 病 変 が 疑 われため 子 宮 鏡 下 手 術 を 予 定 した 前 日 に 子 宮 頸 管 拡 張 し 子 宮 鏡 下 手 術 を 施 行 した 子 宮 鏡 挿 入 直 後 に 子 宮 穿 孔 認 めたため 腹 腔 鏡 下 手 術 に 移 行 子 宮 体 部 前 壁 に 穿 孔 部 位 あり 腹 腔 鏡 下 に 縫 合 し 閉 鎖 した 手 術 時 間 は 1 時 間 43 分 出 血 50ml 術 後 経 過 良 好 にて 翌 日 に 退 院 術 後 1 か 月 後 の 超 音 波 検 査 で 子 宮 壁 の 離 開 所 見 なく 現 在 海 外 のク リニックにて 経 過 観 察 中 である 胎 盤 ポリープで 子 宮 鏡 下 手 術 をする 場 合 は 癒 着 胎 盤 などが 原 因 で 子 宮 筋 層 が 薄 くなっている 可 能 性 があり 慎 重 な 術 前 の 評 価 や 術 中 操 作 が 必 要 であると 考 えられた.

演 題 7 腹 腔 鏡 下 卵 巣 腫 瘍 摘 出 術 後 に 発 症 した 卵 巣 不 全 に 関 する 疫 学 的 考 察 聖 マリアンナ 医 科 大 学 産 婦 人 科 学 2) 聖 マリアンナ 医 科 大 学 高 度 生 殖 医 療 技 術 開 発 講 座 高 江 正 道 河 村 和 弘 西 島 千 絵 吉 岡 伸 人 杉 下 陽 堂 洞 下 由 記 石 山 めぐみ 2) 大 原 樹 近 藤 春 裕 戸 澤 晃 子 田 中 守 鈴 木 直 石 塚 文 平 目 的 近 年 早 発 卵 巣 不 全 の 原 因 の 一 つとして 卵 巣 腫 瘍 に 対 する 手 術 が 注 目 さ れつつある 今 回 我 々は 当 院 における 早 発 卵 巣 不 全 症 例 から 術 後 卵 巣 不 全 に 対 する 疫 学 的 調 査 を 行 ったので 報 告 する 方 法 2007 年 4 月 から 2013 年 8 月 までの 間 に 当 院 の 早 発 卵 巣 不 全 外 来 を 受 診 し た 826 名 の 診 療 録 から 疫 学 的 情 報 を 抽 出 し 後 方 視 的 検 討 を 行 った 成 績 早 発 卵 巣 不 全 患 者 のうち 卵 巣 腫 瘍 手 術 後 の 症 例 数 は 75 名 (9.1%)であった また 病 理 組 織 型 別 では 子 宮 内 膜 症 性 嚢 胞 が 57 名 (76%)であった 腹 腔 鏡 下 手 術 症 例 は 36 例 (48%)を 占 め 術 式 とアプローチ 方 法 の 間 に 有 意 差 はなかったが 両 側 子 宮 内 膜 症 性 嚢 胞 摘 出 術 においては 開 腹 手 術 では 術 後 7.9±3.7 年 で 卵 巣 不 全 を 発 症 したのに 対 し 腹 腔 鏡 下 手 術 では 術 後 4.5±2.7 年 であった 結 論 腹 腔 鏡 下 手 術 が 卵 巣 予 備 能 に 与 える 影 響 については 更 なる 前 方 視 的 研 究 が 必 要 である

演 題 8 肉 眼 上 正 常 所 見 を 有 する 対 側 卵 巣 より 病 理 組 織 診 断 にて 悪 性 腫 瘍 の 診 断 となった 1 例 聖 マリアンナ 医 科 大 学 産 婦 人 科 学 大 原 樹 近 藤 春 裕 近 藤 亜 未 吉 田 彩 子 高 江 正 道 津 田 千 春 戸 澤 晃 子 鈴 木 直 症 例 は 63 歳 0 経 妊 0 経 産 既 往 歴 は 特 記 すべきことなし 検 診 にて 卵 巣 腫 瘍 を 指 摘 され 当 院 紹 介 となる MRI にて 単 房 性 腫 瘤 を 認 め 明 らかに 悪 性 を 示 唆 する 画 像 所 見 は 認 められなかった しかし CA125 53.6 U/ml CEA 13.0 ng/ml と 腫 瘍 マ ーカーの 上 昇 が 認 められた 全 身 検 索 においては 明 らかな 悪 性 所 見 は 不 明 であり 腹 腔 鏡 下 付 属 器 摘 出 の 方 針 となった 尚 患 者 の 希 望 もあり 両 側 付 属 器 摘 出 の 方 針 となった 腹 腔 内 所 見 では 左 卵 巣 腫 瘍 は 約 12cm 大 で 対 側 の 右 卵 巣 は 正 常 大 で あった 卵 巣 周 囲 に 軽 度 癒 着 を 認 めるも 他 に 異 常 認 められなかった 術 後 の 病 理 組 織 診 断 で 腫 大 していた 左 卵 巣 腫 瘍 は 漿 液 性 嚢 胞 腺 腫 と 診 断 された 一 方 同 時 に 摘 出 した 右 卵 巣 から 類 内 膜 腺 癌 (grade が 認 められた 腫 瘍 の 大 きさは 7 5mm で 卵 巣 の 被 膜 破 綻 はなく 皮 膜 表 面 への 浸 潤 も 認 められなかった 後 日 staging laparotomy を 施 行 し pt1an0n0, stage Ia 期 の 診 断 であったため 現 在 経 過 観 察 中 である

演 題 9 腹 腔 鏡 下 子 宮 筋 腫 核 出 術 (LM)における 筋 腫 回 収 法 に 関 する 検 討 新 百 合 ヶ 丘 総 合 病 院 産 婦 人 科 永 井 崇 高 橋 寿 子 奥 野 さつき 浅 井 哲 井 浦 文 香 柴 山 珠 穂 田 島 博 人 浅 田 弘 法 目 的 腹 腔 鏡 下 子 宮 筋 腫 核 出 術 (LM)における 筋 腫 回 収 法 は 現 在 モルセレータ ー の 使 用 が 一 般 的 であるが ダグラス 窩 切 開 による 回 収 法 は 腫 瘍 遺 残 のリスクは 少 ないと 考 えられる モルセレーターによる 筋 腫 回 収 法 とダグラス 窩 切 開 による 経 腟 的 回 収 法 の 2 群 間 で 手 術 成 績 を 比 較 し その 適 応 を 検 討 した 方 法 2012 年 8 月 から 2013 年 7 月 までの LM 単 独 施 行 例 25 例 を 筋 腫 の 回 収 様 式 からモルセレーター 群 とダグラス 窩 切 開 群 の 2 群 に 分 け 後 方 視 的 に 検 討 相 関 を 回 帰 直 線 群 間 を Mann-Whitney s U test にて 有 意 水 準 5%で 検 定 した 結 果 25 例 は 全 例 が 未 経 産 で 年 齢 39 歳 ( 中 央 値 range 32-47) 手 術 時 間 159 分 (64-245) 出 血 量 509ml(40-1002) 核 出 個 数 7 個 (1-33) 腫 瘍 最 大 径 75mm(33-120)であった モルセレーター 群 13 例 とダグラス 窩 切 開 群 12 例 の 2 群 間 の 比 較 では 手 術 時 間 出 血 量 核 出 個 数 には 有 意 差 無 く ダグラス 窩 切 開 群 で 有 意 に 腫 瘍 最 大 径 は 小 さかっ た(63.5mm vs. 92.0mm P<0.0 結 論 LM において 術 前 の 腫 瘍 最 大 径 の 適 切 な 評 価 が 筋 腫 回 収 法 の 選 択 に 重 要 で あると 思 われた.

演 題 10 子 宮 内 膜 症 手 術 後 にイレウスを 合 併 した 1 例 新 百 合 ヶ 丘 総 合 病 院 産 婦 人 科 奥 野 さつき 浅 井 哲 高 橋 寿 子 井 浦 文 香 永 井 崇 田 島 博 人 浅 田 弘 法 子 宮 内 膜 症 の 手 術 ではしばしば 骨 盤 内 の 癒 着 剥 離 を 要 する いわゆる 凍 結 骨 盤 で は 骨 盤 臓 器 の 解 剖 を 理 解 した 上 での 剥 離 操 作 が 必 要 となる 当 院 では 薬 物 療 法 抵 抗 性 の 骨 盤 痛 を 伴 う 子 宮 内 膜 症 に 対 しては 可 能 な 限 り 癒 着 剥 離 および 病 巣 切 除 術 を 行 っている 今 回 子 宮 内 膜 症 術 後 にイレウスを 発 症 した 症 例 を 経 験 したので 報 告 する 症 例 38 歳 2 経 妊 1 経 産 挙 児 希 望 なし 他 院 で 子 宮 内 膜 症 に 対 し 腹 腔 鏡 下 癒 着 剥 離 術 施 行 後 薬 物 療 法 抵 抗 性 の 月 経 困 難 症 過 多 月 経 があり 症 状 改 善 を 目 的 として 手 術 を 行 った 腹 腔 鏡 下 に 子 宮 全 摘 術 右 付 属 器 切 除 術 を 施 行 した 小 骨 盤 内 は 一 塊 となっており 小 骨 盤 外 でも 回 盲 部 周 囲 で 回 腸 が 一 塊 となっていた 剥 離 に 難 渋 し 術 時 間 は 4 時 間 59 分 であった 術 後 経 過 は 良 好 で 4 日 目 に 退 院 となっ たが 10 日 目 にイレウス 症 状 が 出 現 し 保 存 的 治 療 を 必 要 とした 開 腹 手 術 に 比 して 腹 腔 鏡 下 手 術 は 術 後 イレウスの 頻 度 が 低 いとされているが 剥 離 を 要 する 子 宮 内 膜 症 の 手 術 特 に 小 腸 の 剥 離 を 伴 う 場 合 は イレウスの 出 現 に 注 意 を 要 する

演 題 11 3D 内 視 鏡 手 術 システムによる 腹 腔 鏡 下 手 術 の 経 験 ダビンチ 手 術 と 比 較 してー 湘 南 藤 沢 徳 洲 会 病 院 産 婦 人 科 土 岐 利 彦 針 金 幸 代 はじめに 最 近 国 内 3 社 から3D 内 視 鏡 手 術 システムが 相 次 いで 発 表 された 今 回 われわれは 新 興 光 器 /パナソニックの3D 内 視 鏡 手 術 システムを 試 用 する 機 会 を 得 たので 使 用 感 などを 報 告 する 症 例 40 歳 代 女 性 診 断 : 子 宮 体 癌 ( 推 定 1B 期 ) 手 術 術 式 : 全 腹 腔 鏡 下 子 宮 全 摘 術 + 両 側 卵 巣 卵 管 摘 出 術 + 骨 盤 リンパ 節 廓 清 基 本 セッテイング: 臍 上 に カメラポート+ 下 腹 部 3カ 所 ストレートの 計 4ポート 術 者 は 患 者 左 側 第 1 助 手 は 患 者 右 側 第 2 助 手 は 両 脚 の 間 骨 盤 内 確 認 後 腹 水 細 胞 診 採 取 両 側 卵 管 角 を ブロック 後 子 宮 マニュピュレーター 挿 入 ヘッドダウンし 操 作 開 始 骨 盤 リン パ 節 は 左 右 とも 外 腸 骨 閉 鎖 内 腸 骨 総 腸 骨 の 順 に 廓 清 した 総 体 的 な 印 象 としては 立 体 感 はダビンチ 手 術 よりも 低 い 2) 画 面 がやや 暗 い 3)ハレ ーションが 多 い などであった まとめ 3D 内 視 鏡 手 術 システムによる 手 術 はダビンチ 手 術 とは 全 く 異 なる 手 術 であり 画 質 を 中 心 に 改 善 の 余 地 があると 思 われる しかし 腹 腔 鏡 手 術 にあまり 慣 れていない 執 刀 医 がハイレベルの 手 術 を 行 う 場 合 は 立 体 視 のメリットは 大 きい かもしれない 価 格 もダビンチほど 高 価 ではないので 悪 性 腫 瘍 などの 腹 腔 鏡 手 術 を3D システムの 導 入 によって 拡 大 適 用 するには 考 慮 してもよい 方 法 と 思 われる

共 催 特 別 講 演 ロボット 支 援 手 術 の 未 来 聖 路 加 国 際 病 院 女 性 総 合 診 療 部 部 長 百 枝 幹 雄 先 生 婦 人 科 領 域 における 腹 腔 鏡 下 手 術 の 急 速 な 発 展 は 腹 腔 鏡 下 手 術 は 術 者 の 技 術 の 進 歩 だけでなく 新 しい 機 器 の 開 発 や 性 能 の 向 上 に 支 えられている そのひとつの 方 向 性 としてロボット 支 援 手 術 がある 1999 年 に 米 国 で 開 発 された da Vinci はわが 国 にも 2005 年 に 導 入 された 後 急 速 に 導 入 が 進 み 今 やアジアではトップの 導 入 台 数 を 誇 るようになった da Vinci では 通 常 の 腹 腔 鏡 下 手 術 よりも 繊 細 な 剝 離 切 断 止 血 縫 合 操 作 が 可 能 であるため 腹 腔 鏡 下 手 術 の 延 長 というより むしろリンパ 節 郭 清 や 血 管 神 経 の 繊 細 な 操 作 を 必 要 とする 開 腹 手 術 にとってかわる 可 能 性 も 期 待 されている しかしながら 高 額 であること 視 野 移 動 の 自 由 度 が 低 いこと 触 覚 がないことなどの 欠 点 もあるため その 適 応 や 従 来 の 腹 腔 鏡 下 手 術 との 使 い 分 け も 今 後 の 課 題 である 当 院 でも 2011 年 に da Vinci を 導 入 し 婦 人 科 でも 34 例 の 良 性 および 悪 性 手 術 を 実 施 した その 経 験 から 今 後 の da Vinci の 方 向 性 を 考 えてみ たい