腹 腔 鏡 下 胆 嚢 摘 出 術 に 関 する 説 明 書 東 京 医 科 歯 科 大 学 肝 胆 膵 総 合 外 科 (2013 年 8 月 4 日 記 載 ) 1
からだの 章 胆 嚢 とはどんな 臓 器 ですか? 胆 嚢 はちょうどナスのような 形 の 袋 状 の 臓 器 で 肝 臓 の 下 に 張 り 付 くように 位 置 しています 肝 臓 で 作 られる 胆 汁 を 蓄 える 貯 蔵 庫 のような 働 きがあります 胆 汁 は 特 に 脂 肪 分 の 消 化 を 助 ける 重 要 な 働 きがあり 胆 嚢 は 収 縮 することにより 必 要 に 応 じて 十 二 指 腸 へ 胆 汁 を 送 り 出 し 消 化 を 助 けます MEMO 2
病 気 の 章 胆 石 症 胆 嚢 ポリープとはどんな 病 気 なのですか? 胆 石 症 とは 胆 石 症 とは 何 らかの 理 由 で 胆 嚢 の 中 で 胆 汁 の 成 分 が 固 まって 石 を 作 ってし まう( 結 石 ) 病 気 です 一 般 に 胆 石 ともいわれます 結 石 にはいろいろな 種 類 があり コレステロールを 主 成 分 にするものやビリルビンを 主 成 分 にするもの それらの 混 ざりあったもの カルシウムがはりついたものなどさまざまです 結 石 も 胆 嚢 の 中 に1 個 だけの 場 合 や 小 さいものが 100 個 以 上 ある 場 合 など 千 差 万 別 です また 胆 石 には 胆 嚢 の 中 にある 胆 嚢 結 石 ばかりでなく 肝 臓 の 中 の 胆 管 や 胆 汁 の 流 れ 道 である 総 胆 管 にも 結 石 ができることがあります( 肝 内 結 石 症 総 胆 管 結 石 症 ) 胆 石 症 の 典 型 的 な 症 状 は 上 腹 部 痛 背 部 痛 吐 き 気 ( 疝 痛 発 作 ) 食 事 を 食 べすぎたあとやあぶらものを 多 く 食 べた 後 にみられます 軽 い 症 状 から 強 い 痛 みまで 様 々です 発 熱 と 強 い 右 上 腹 部 痛 ( 急 性 胆 嚢 炎 ) 症 状 が 重 くなると 胆 嚢 炎 といって 激 し い 痛 みや 高 熱 を 伴 い 緊 急 入 院 や 手 術 が 必 要 こともあります 黄 疸 や 肝 障 害 急 性 膵 炎 総 胆 管 結 石 では 結 石 が 胆 管 に 詰 まってしまい 胆 管 炎 ( 発 熱 肝 障 害 )や 閉 塞 性 黄 疸 急 性 膵 炎 などの 重 篤 な 病 気 を 併 発 することがあります 胆 管 結 石 に 対 する 治 療 としては 胃 カメラを 使 った 内 視 鏡 的 な 胆 管 結 石 除 去 (ERCP EST EPD)や 胆 管 の 閉 塞 を 解 除 する 処 置 (ERBD ENBD)などが 行 われ ます ただし この 方 法 で 胆 嚢 結 石 を 治 療 することは 出 来 ません 3
胆 嚢 ポリープとは 胆 嚢 ポリープとは 胆 嚢 の 内 側 に 盛 り 上 がった 突 起 (ポリープ)をみとめる 病 気 です ほとんどの 胆 嚢 ポリープは コレステロールポリープか 腺 腫 性 ポリープ と 呼 ばれる 良 性 のポリープで これらは 小 さいものであれば 治 療 の 必 要 はあり ません しかし 大 きさが 10mm を 越 えるものでは 悪 性 のポリープ( 胆 嚢 がん) の 可 能 性 があり 小 さくてもまれに 早 期 がんであったり 悪 性 の 細 胞 に 変 化 す る 可 能 性 が 考 えられます したがって 10mm を 越 えるポリープや 経 過 観 察 中 に 大 きくなったポリープは 取 り 除 くのが 望 ましいと 考 えられています 精 密 検 査 を 行 っても 良 性 悪 性 の 診 断 が 難 しいポリープが 多 く 悪 性 であること が 疑 わしい 場 合 には 治 療 を 行 います 悪 性 が 疑 われる 胆 嚢 ポリープ MEMO 4
検 査 と 治 療 選 択 の 章 胆 石 症 胆 嚢 ポリープにはどのような 治 療 法 がありますか? 胆 石 症 胆 嚢 ポリープの 治 療 法 には 外 科 的 に 手 術 する 方 法 のほかに 食 事 療 法 や 薬 物 療 法 ( 胆 石 溶 解 剤 鎮 痙 剤 等 )があります しかし 胆 石 症 胆 嚢 ポリープは 胆 嚢 の 病 気 ですから 結 石 やポリープだけを 取 り 除 く 方 法 では 病 的 胆 嚢 が 体 に 残 るので 再 発 率 も 高 く 根 治 できたとは 言 えません そのため 現 在 では 胆 嚢 ごと 取 り 除 く 手 術 による 治 療 ( 胆 嚢 摘 出 術 )が 標 準 的 治 療 として 広 く 世 界 で 行 われています 食 事 療 法 :あぶらものを 避 ける 一 度 にたくさん 食 べない( 疝 痛 発 作 を 予 防 ) 薬 物 療 法 : 無 症 状 胆 嚢 の 収 縮 能 が 良 好 石 灰 分 を 含 まず 数 ミリ 大 の 小 結 石 (CT や 超 音 波 で 判 定 )が 胆 石 溶 解 剤 の 適 応 です 痛 みの 発 作 を 予 防 治 療 する 薬 剤 もありますが 結 石 を 溶 解 する 効 果 はありません Q1 胆 嚢 は 取 ってしまっても 大 丈 夫 ですか? 胆 嚢 もひとつの 臓 器 なので 取 らずにすむのであればそれに 越 したことはあ りません しかし 胆 嚢 は 胆 汁 を 貯 めておく 貯 蔵 庫 に 過 ぎず 必 要 な 胆 汁 は 肝 臓 で 作 られていますので 胆 汁 の 分 泌 に 大 きな 問 題 はありません もちろん あぶ らものを 多 く 食 べたときなどに 胆 汁 の 分 泌 が 追 いつかなくて 少 し 下 痢 をする ことがあるかもしれませんし 手 術 にもまったく 危 険 がないわけではありませ ん ですが 手 術 が 必 要 な 胆 石 症 や 胆 嚢 ポリープの 患 者 さんでは 病 的 胆 嚢 を 残 しておく 方 が 手 術 の 危 険 性 と 比 べてはるかに 危 険 性 が 大 きい( 身 体 に 害 が ある)ことをご 理 解 ください Q2 いまは 痛 みがないのですが 胆 嚢 は 取 ったほうがよいのですか? 胆 嚢 の 働 きに 問 題 がない 場 合 は 経 過 観 察 でよいと 思 われますが 放 置 してお くことはよくありません 定 期 的 に 通 院 をしていただき 年 に 1~2 回 の 超 音 波 検 査 を 行 います 多 くの 患 者 さんでは 1~2 年 で 再 び 痛 みなどの 症 状 がみら れています また 胆 嚢 がんに 胆 石 症 が 併 発 している 頻 度 は 半 数 以 上 と 高 いこ とが 知 られています 多 くの 胆 嚢 ポリープの 患 者 さんでは 痛 みはありません 良 性 の 場 合 や 10mm より 小 さいポリープでは 経 過 観 察 となりますが 良 性 か 悪 性 かを 完 全 に 診 断 す るのは 難 しく 実 は 早 期 の 癌 であったり 悪 性 化 する 場 合 もあるので 疑 わし い 場 合 はできるだけ 早 期 に 取 り 除 くことが 望 まれます 5
このようなことから 考 えて 手 術 が 必 要 な 胆 石 症 や 胆 嚢 ポリープの 患 者 さん では 病 的 胆 嚢 を 残 しておくことは 望 ましくありません 後 で 説 明 しますが 腹 腔 鏡 による 胆 嚢 摘 出 手 術 は 患 者 さんへの 負 担 が 少 なく 有 用 な 治 療 方 法 です 胆 石 症 胆 嚢 ポリープの 手 術 のための 検 査 は? まず 胆 嚢 や 胆 管 にどのような 結 石 やポリープがあるかを 調 べるために 超 音 波 MRI CTなどを 行 ない 採 血 結 果 や 症 状 と 併 せて 手 術 が 必 要 かどうか 決 定 します 胆 石 の 痛 みは 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 の 症 状 とも 似 ているため 場 合 により 胃 カメラも 行 ないます 胆 管 結 石 が 疑 われる 場 合 には 入 院 して 内 視 鏡 検 査 (ERCP など)や 治 療 をする 必 要 があります 手 術 を 行 なう 可 能 性 が 高 い 場 合 胆 嚢 摘 出 術 は 全 身 麻 酔 で 行 いますので 心 臓 肺 肝 臓 腎 臓 の 検 査 を 行 い 健 康 状 態 をチェックする 必 要 があります 胆 嚢 胆 管 を 中 心 とした 検 査 腹 部 超 音 波 DIC-CT 腹 部 造 影 CT 腹 部 MRI 総 胆 管 結 石 関 連 検 査 処 置 ERCP 内 視 鏡 的 除 石 胆 管 ドレナージ (EPD EST ERBD ENBD) 全 身 状 態 を 把 握 する 検 査 採 血 検 尿 胸 腹 部 レントゲン 心 電 図 ( 安 静 時 運 動 負 荷 ) 肺 機 能 検 査 腎 機 能 検 査 ( 必 要 時 ) 胃 カメラ(または 胃 透 視 ) 手 術 処 置 のための 準 備 担 当 医 からの 術 前 説 明 麻 酔 説 明 外 来 看 護 師 からの 入 院 説 明 入 院 申 し 込 み 6
腹 腔 鏡 手 術 の 章 腹 腔 鏡 手 術 とはどんな 手 術 なのですか? 腹 腔 とは 胃 肝 臓 胆 嚢 小 腸 大 腸 などが 詰 まっているおなかのスペース です 腹 腔 鏡 手 術 は 腹 腔 専 用 の 内 視 鏡 を 入 れて 行 う 手 術 のことです 腹 腔 鏡 に よる 手 術 の 利 点 は 手 術 による 傷 が 開 腹 手 術 に 比 べてきわめて 小 さいことが 挙 げられます 開 腹 手 術 より 術 後 の 痛 みが 非 常 に 少 なくてすみます 腸 の 運 動 の 回 復 が 早 いため だいたい 手 術 の 翌 日 の 午 後 から 食 事 が 食 べら れます 腹 筋 への 影 響 が 少 なく 術 後 順 調 に 経 過 すれば 手 術 後 3 日 程 度 で 退 院 でき ます 開 腹 手 術 に 比 べはるかに 速 く 職 場 などへの 復 帰 ができます 傷 あとが 目 立 たないため 特 に 女 性 では 美 容 上 の 利 点 もあります 腹 腔 鏡 下 胆 嚢 摘 出 術 について この 方 法 は 見 えやすいようにおなか の 中 を 二 酸 化 炭 素 でふくらませ おへそ に 開 けた 小 さな 穴 からおなかの 中 に 入 れた 腹 腔 鏡 を 通 して テレビモニターで おなかの 中 を 見 ながら 手 術 を 行 います 手 術 は 全 身 麻 酔 で 行 います おなかに 3~4つ 穴 をあけ 細 いチューブを 通 し て 電 気 メスや 特 殊 なはさみなどの 手 術 器 具 を 使 って 普 通 の 手 術 と 同 じように 胆 嚢 を 切 り 取 ります 切 り 取 った 胆 嚢 は 腹 腔 鏡 と 一 緒 におへそに 開 けた 穴 から とりだします 胆 嚢 を 切 り 取 る 時 胆 汁 漏 れや 出 血 を 防 ぐためにチタニウム 製 の 小 さなクリップを 使 用 します 術 後 も 体 内 に 残 りますが(レントゲンにも 写 り ます) 世 界 中 で 使 用 されている 体 に 害 にならないマテリアルですので ご 安 心 ください 腹 腔 鏡 手 術 の 様 子 ( 出 典 :おなかの 健 康 ドットコム) 7
最 近 では 器 具 の 進 歩 と 技 術 の 向 上 に 伴 い おなかに 開 ける 穴 をさらに 少 なく し 痛 みを 軽 減 して 傷 を 目 立 たなくすることも 可 能 になってきました 単 孔 式 腹 腔 鏡 手 術 は おへそに 開 ける 穴 一 か 所 のみから 器 具 を 挿 入 して 手 術 をおこない ます 創 が 小 さくおへそに 隠 れて 目 立 たない 点 が 特 徴 であり おなかの 中 で 行 われる 手 術 の 内 容 は 通 常 の 腹 腔 鏡 手 術 と 同 じです しかし 小 さな 創 から 複 数 の 鉗 子 や 道 具 を 挿 入 するため 高 度 な 技 術 が 必 要 で 手 術 適 応 も 術 前 検 査 で 比 較 的 やりやすいと 思 われる 方 に 限 定 しています また 手 術 中 にこの 方 法 の メリットが 発 揮 できないと 判 断 した 場 合 は 通 常 の 腹 腔 鏡 手 術 (あるいは 開 腹 手 術 )に 切 り 替 えて 本 来 の 治 療 目 的 を 達 成 します 開 腹 手 術 通 常 の 腹 腔 鏡 手 術 単 孔 式 腹 腔 鏡 手 術 開 腹 手 術 について 開 腹 手 術 とはおなかを 切 って 行 う 手 術 をいいます 従 来 の 胆 石 症 胆 嚢 ポリー プの 手 術 は おへその 上 もしくは 右 上 腹 部 を 10~15cm 切 り 開 き 直 接 見 な がら 胆 嚢 を 取 り 出 す 方 法 で 行 われていましたが 現 在 ではほとんどが 腹 腔 鏡 に よる 手 術 です しかし 全 ての 胆 石 症 胆 嚢 ポリープの 患 者 さんに 腹 腔 鏡 によ る 手 術 が 行 えるわけではありません 以 下 の 患 者 さんは 現 在 でも 開 腹 手 術 で 行 われています 1 胆 嚢 炎 がひどく 発 熱 や 白 血 球 数 の 増 加 を 伴 う 場 合 ( 急 性 胆 嚢 炎 ) 2 胆 嚢 炎 や 腹 膜 炎 をくり 返 し 起 こしたことによって 胆 嚢 周 囲 に 高 度 の 癒 着 硬 化 を 認 める 場 合 8
3 これまでにおへそより 上 で 開 腹 手 術 を 受 けたことのある 場 合 4 進 行 した 胆 嚢 がんが 強 く 疑 われる 胆 嚢 ポリープの 場 合 (123の 場 合 でも 現 在 では 腹 腔 鏡 手 術 をまず 試 みることがあります ) お 願 い: 開 腹 に 切 り 替 わる 可 能 性 をご 理 解 ください 胆 石 症 胆 嚢 ポリープの 手 術 の 目 的 は 病 的 胆 嚢 を 安 全 に 正 確 に 切 り 取 ること です 腹 腔 鏡 で 手 術 を 行 うことにこだわって 手 術 の 危 険 性 を 増 してしまって は 本 末 転 倒 です 手 術 前 の 検 査 で 腹 腔 鏡 による 手 術 が 可 能 と 診 断 された 場 合 で も 胆 嚢 周 囲 の 炎 症 や 癒 着 が 激 しく 腹 腔 鏡 手 術 が 困 難 な 場 合 や 胆 嚢 癌 の 合 併 が 疑 われる 場 合 後 にお 話 しする 合 併 症 に 対 応 するため 必 要 と 思 われた 場 合 に は 開 腹 手 術 に 切 り 替 わる 可 能 性 があることを 十 分 にご 承 知 くださいますよ 合 併 症 について うお 願 いします 合 併 症 について どんな 手 術 においても 100% 安 全 な 手 術 はありません 腹 腔 鏡 下 胆 嚢 摘 出 術 は 全 身 麻 酔 によるおなかの 手 術 のなかでは 比 較 的 小 さい 手 術 ですが それでも 例 外 ではありません ここでは 手 術 中 手 術 後 に 起 こる 可 能 性 のある 合 併 症 の 中 で 代 表 的 なものを 説 明 します 手 術 のダメージにより 他 の 病 気 を 引 き 起 こしてしまうタイプ 手 術 中 手 術 後 は 体 には 通 常 の 生 活 では 経 験 しないような 刺 激 や 負 担 が 体 にかかります そのため 今 現 在 生 活 していても 起 こす 可 能 性 のある 病 気 に なる 可 能 性 が 上 がるとご 理 解 ください 例 えば 脳 心 臓 肺 肝 臓 腎 臓 などの 重 要 臓 器 の 病 気 の 場 合 には 重 篤 な 状 態 になる 可 能 性 もあります 手 術 前 の 検 査 によってリスクのチェックはしていますが 起 こらないことを 保 証 するものではありません 胆 嚢 摘 出 を 行 ったため 起 きてしまうタイプ 胆 嚢 周 囲 の 炎 症 癒 着 などがひどく 手 術 が 困 難 であった 場 合 に その 可 能 性 が 高 くなります 手 術 中 : 出 血 胆 管 損 傷 腹 腔 鏡 下 に 対 処 できない 場 合 は 開 腹 手 術 に 移 行 して 対 応 します 胆 管 損 傷 の 修 復 には 時 には 下 から 腸 管 を 引 き 上 げてつなぐような 開 腹 手 術 に 移 行 することがあります 9
手 術 後 : 後 出 血 胆 汁 瘻 感 染 ( 創 部 腹 腔 内 ) 胆 汁 瘻 は 胆 嚢 を 肝 臓 よりはがした 部 分 や 総 胆 管 より 胆 汁 がおなかの 中 に 漏 れてしまうことです 食 事 を 一 時 的 に 止 め 追 加 の 処 置 ( 内 視 鏡 や 穿 刺 ド レナージなど)によって 治 療 します 術 中 術 後 の 検 査 にて 発 見 されるタイプ 遺 残 総 胆 管 結 石 ごくまれに 手 術 後 に 胆 汁 の 流 れ 道 である 総 胆 管 に 結 石 が 残 ってしまうか たがおられます 術 前 に 総 胆 管 結 石 を 治 療 した 場 合 でも 微 細 な 結 石 が 取 り きれずに 残 ったり 胆 嚢 摘 出 術 を 行 うまでの 間 に 新 たに 胆 嚢 から 総 胆 管 に 結 石 が 落 下 する 場 合 もあります 遺 残 総 胆 管 結 石 が 明 らかになった 場 合 は 改 めて 内 視 鏡 的 に 結 石 を 除 去 します 胆 嚢 癌 の 合 併 ( 一 期 的 二 期 的 拡 大 胆 嚢 摘 出 術 の 可 能 性 ): 悪 性 疑 いの 胆 嚢 ポリープはもとより ポリープの 無 い 胆 石 症 の 場 合 でも まれに 胆 嚢 癌 が 潜 んでいる 場 合 があります 従 って 切 除 した 胆 嚢 は 病 理 検 査 で 悪 性 所 見 がないかどうか 調 べます もし 病 理 検 査 で 胆 嚢 癌 が 見 つかった 場 合 明 らかに 進 行 した 癌 であれば 胆 嚢 を 切 除 しただけでは 不 十 分 です そのような 場 合 には 肝 切 除 肝 門 部 リンパ 節 郭 清 場 合 により 胆 管 切 除 と 胆 管 空 腸 吻 合 を 含 めた 拡 大 胆 嚢 摘 出 術 に 術 式 を 変 更 する 場 合 があります 手 術 中 の 所 見 だけでは 判 定 できない 場 合 胆 嚢 の 切 除 のみにとどめ 術 後 の 詳 細 な 病 理 検 査 の 結 果 を 待 ちます もし 進 行 癌 と 判 定 された 場 合 は 後 日 再 入 院 し 改 めて 癌 のための 拡 大 手 術 を 加 えることがあります 細 かいものを 挙 げれば 上 記 以 外 のものもたくさんあります 合 併 症 が 起 こ った 場 合 にはその 都 度 くわしいご 説 明 をご 本 人 ご 家 族 に 行 い 最 善 の 対 処 を 行 います ただしこの 場 合 入 院 や 通 院 の 治 療 期 間 が 長 くなることがあります 術 後 経 過 について 合 併 症 も 起 こらず 順 調 にいけば 手 術 翌 日 から 食 事 がはじまり 3 日 前 後 で 退 院 可 能 になります 多 くの 場 合 手 術 後 1 週 間 から10 日 くらいで 職 場 に 復 帰 しはじめ 30 40 日 でほぼ 通 常 の 生 活 に 戻 ります しかし 前 にも 述 べ ましたが 腹 腔 鏡 での 手 術 を 予 定 していても 手 術 時 の 担 当 医 師 による 判 断 で 開 腹 手 術 に 切 り 替 わる 可 能 性 もありますので 予 めご 了 承 ください 開 腹 胆 嚢 摘 出 術 の 場 合 入 院 はだいたい 術 後 7 10 日 回 復 期 間 は 腹 腔 鏡 下 手 術 に 比 べて 長 めになりますが 通 常 の 生 活 に 戻 ることが 可 能 です 10
退 院 後 の 経 過 観 察 について 通 常 退 院 後 より1~2 週 間 目 と1~2ヶ 月 後 に 外 来 を 受 診 していただき 状 態 をチェックいたします( 診 察 前 に 採 血 をしてください) この 際 に 経 過 が 順 調 であれば 治 療 終 了 となります まだ 回 復 が 十 分 でない 患 者 様 の 場 合 は 引 き 続 き 定 期 的 に 外 来 で 経 過 を 診 ていきます MEMO 11