政策 Open Lab/Food Tech( 3D フードプリンタ ) チーム 3D フードプリンタの影響と可能性について 19 年 7 月 24 日 FCP 若手フォーラム 政策 Open Lab Food Tech チーム澤田翼 ( 農林水産省政策統括官付参事官付 ) 連絡先 :tsubasa_

Similar documents
Taro-14工業.jtd

図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

スキル領域 職種 : マーケティング スキル領域と MK 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

沖縄でのバス自動運転実証実験の実施について

07 SDGsとCSV演習

介護ロボットの開発 普及に関する現状 社会保障費は増加の一途 ( 介護に係る社会保障費の推計 :2012 年 8.4 兆円 2025 年 19.8 兆円 ) 2025 年時点の介護職員の需給を推計すると 介護職員は 38 万人不足する見込み 持続的な財政及び社会保障システム維持のためには 介護需要増

最終デジタル化への意識調査速報

新興国市場開拓事業平成 27 年度概算要求額 15.0 億円 (15.0 億円 ) うち優先課題推進枠 15.0 億円 通商政策局国際経済課 商務情報政策局生活文化創造産業課 /1750 事業の内容 事業の概要 目的 急速に拡大する世界市場を獲得するためには 対象となる国 地

CalDAVを軸とした カレンダの共有を支援するシステムの提案

IT活用力セミナーカリキュラムモデル訓練分野別コース一覧・コース体系

White Paper on Small and Medium Enterprises in Japan

スライド 1

スキル領域 職種 : ソフトウェアデベロップメント スキル領域と SWD 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

イノベーション活動に対する山梨県内企業の意識調査

知創の杜 2016 vol.10

IT スキル標準 V3 2011_ 職種の概要と達成度指標 (7) アプリケーションスペシャリスト 職種の概要と達成度指標 APS 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

PowerPoint プレゼンテーション

賛同企業が提供するフィールドのイメージ 資料 年 11 月 20 日 大阪ガス株式会社 ハグミュージアム ( 外観 内観 ) 株式会社タブチ 本社工場 ( 外観 内観 ) 日立造船株式会社 先端情報技術センター ( 外観 内観 ) 以上

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 九州大学百年史第 7 巻 : 部局史編 Ⅳ 九州大学百年史編集委員会 出版情報 : 九州大学百年史. 7, 2017

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

商品特性と取引条件 商品名 (1) 展示会 商談会シート 記入日 : 最もおいしい時期 (2) 賞味期限 消費期限 (3) 主原料産地 ( 漁獲場所等 )(4) JAN コード (5) 内容量 (6) 希望小売価格 ( 税込 )(7) 1ケースあたり入数 (8) 保存温度帯 (9) 発注リードタイム

日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録

PowerPoint プレゼンテーション

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

デジタルトランスフォーメーションに必要な技術と人材 IPA 社会基盤センター センター長片岡晃

データ流通 活用に関する取組状況等 ο 官民データ活用推進基本法 ( 平成 28 年 12 月公布 施行 ) や データ流通環境整備検討会 AI IoT 時代におけるデータ活用 WG 中間とりまとめ ( 平成 29 年 3 月 ) 等を受け 総務省 / 経済産業省の 情報銀行の認定に係る指針 Ver

本日 御議論いただきたい点 社会的な 責任 を超えて SDGs は 事業 ビジネス にとってどのような意味があるのか また SDGs を具体的にどのように経営と関連させるべきと考えるか SDGs 達成に向けて イノベーションが果たす具体的な役割をどう考えるか 経営の中でイノベーションをどう捉え どの

PowerPoint プレゼンテーション

ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

Microsoft PowerPoint - 数学教室2.pptx

分野 コース名 基礎的 IT セミナーコース一覧 内容 I T 理解 I T スキル活用 I T 倫理 新技術動向 業務の I T 化 ネットワーク 表計算 ベデーースタ プンレ / ゼ文ン書テ作ー成ショ ホームページ 情報発信コンンプスライア 情報テセィキュリ 1 第 4 次産業革命のインパクト新

untitled

構築等 相手国の意思決定が必要な政策面で懸念される点がある 今後 全体設計の実現に向け た強固な活動が期待される 4-1. 国際共同研究の進捗状況について本プロジェクトは統合データベースと観測評価システムの開発を第一段階とし 物理モデルの構築 シナリオ解析に基づく評価 システムと技術の開発へと順次進

GH2011_H1H4_F_2_1128

DIAS COMMUNITY FORUM 2018 東南アジアにおける 農業マーケットでの取り組み ( 天候インデックス保険 次世代型農業保険 ) 2018 年 3 月 9 日 企業商品業務部リスクソリューショングループ郷原健 2017 Sompo Japan Nipponkoa Insurance

WEB進捗状況管理システムによるリアルタイム性の実現

報道発表資料(新宿駅屋内地図オープンデータ)

データマネジメントを取り巻く IT の課題 大規模データの実践的活用に向けて レッドハット株式会社 Senior Solution Architect and Cloud Evangelist 中井悦司 2012/04/13 version1.0

<4D F736F F D20352D318FBC8CCB8E738DC58F F5495AA90CD816A5F8F4390B38CE3816A2E646F63>

日本機械学会 生産システム部門研究発表講演会 2015 資料

表紙_納品用ol

5. 政治経済学部 ( 政治行政学科 経済経営学科 ) (1) 学部学科の特色政治経済学部は 政治 経済の各分野を広く俯瞰し 各分野における豊かな専門的知識 理論に裏打ちされた実学的 実践的視点を育成する ことを教育の目標としており 政治 経済の各分野を広く見渡す視点 そして 実践につながる知識理論

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

(Microsoft PowerPoint - \220V\213\214\225\266\217\221\224\344\212r\203\\\203t\203g\202o\202o\202s\216\221\227\277ADVIT1-30\224\305.ppt)

率 九州 ( 工 -エネルギー科学) 新潟 ( 工 - 力学 ) 神戸 ( 海事科学 ) 60.0 ( 工 - 化学材料 ) 岡山 ( 工 - 機械システム系 ) 北海道 ( 総合理系 - 化学重点 ) 57.5 名古屋工業 ( 工 - 電気 機械工 ) 首都大学東京

デジタルマーケティング説明会

PowerPoint プレゼンテーション

お客さまのデジタルトランスフォーメーションを加速する「アジャイル開発コンサルティングサービス」を提供開始

Microsoft Word - ③調査仕様書.doc

資料 2-2 成長戦略改訂に向けた地域活性化の取組みについて ( 案 ) 内閣官房地域活性化統合事務局 成長戦略の改訂に向け これまでの施策の成果が実感できない地方において 新たな活力ある地域づくりと地域産業の成長のためのビジョンを提供しその具体化を図る 超高齢化 人口減少社会における持続可能な都市

フランス企業の輸出促進外国企業のフランス進出支援企業の国際化をサポート フランス貿易投資庁 - ビジネスフランス 企業の国際進出プロジェクトを効率化

所有者と利用とを分離した仕組みを公共事業や民間の土地取引にも導入することについて Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 1

POCO 社の EDM グラファイト電極材料は 長年の技術と実績があり成形性や被加工性が良好で その構造ならびに物性の制御が比較的に容易であることから 今後ますます需要が伸びる材料です POCO 社では あらゆる工業製品に対応するため 各種の電極材料を多数用意しました EDM-1 EDM-3 EDM

資料 4 テクノロジーの進展と電力ネットワークの高度化や新ビジネスについての諸外国の動向 ( 第 1 回 次世代技術を活用した新たな電力プラットフォームの在り方研究会 第 1 回用参考資料 ) 2018 年 10 月 15 日

PowerPoint プレゼンテーション

求人票:リクルートスタッフィング様

構成 1 第 1 章 IoT 時代の新たな地域資源 1. IoT 時代の新たな地域資源とその可能性 2. 新たな地域資源の活用に向けた基本的視点 第 2 章地域におけるオープンデータ ビッグデータ利活用の推進 1. 地域におけるオープンデータ利活用の現状と課題 2. 地域におけるビッグデータ利活用の

<4D F736F F F696E74202D208FE18A518ED282CC8F41984A82C98E9182B782E A E8B5A8F B798E968BC682CC8FD089EE645F947

1

< F2D EE888F8288FA48BC E6A7464>

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) 研究課題別中間評価報告書 1. 研究課題名 テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト (2013 年 5 月 ~ 2018 年 5 月 ) 2. 研究代表者 2.1. 日本側研究代表者 : 山内章 ( 名古屋大学大学

Microsoft Word - (Fix)Formlabs、オートデスクが協業.docx

PPT090_提案書テンプレート

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

IT 人材需給に関する調査 ( 概要 ) 平成 31 年 4 月経済産業省情報技術利用促進課 1. 調査の目的 実施体制 未来投資戦略 2017 ( 平成 29 年 6 月 9 日閣議決定 ) に基づき 第四次産業革命下で求められる人材の必要性やミスマッチの状況を明確化するため 経済産業省 厚生労働

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

女性が働きやすい制度等への見直しについて

プロダクトオーナー研修についてのご紹介

資料1 第3回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答

西アフリカ 3億人ビジネス市場マップ ―2035年5億人市場に向けて―


<4D F736F F D F193B994AD955C D9E82DD835C EC091D492B28DB8816A2E646F63>


PowerPoint プレゼンテーション

総務省テレワーク推進計画 平成 27 年 6 月 5 日総務大臣決定 政府方針である 国家公務員テレワーク ロードマップ ( 平成 27 年 1 月 21 日 : 各府省情報化統括責任者 (CIO) 連絡会議決定 ) が定められ 2020 年度までを視野に入れた各府省等におけるテレワーク推進計画を策

2 研究開発項目 高信頼リモート管理技術の研究開発 (1) リモート管理プロトコルポータル リモート管理マネージャプロトコル仕様書の作成 およびエージェント向けリモート管理マネージャ API 仕様書の作成を行った (2) リモート管理マネージャ技術リモート管理マネージャ通信基盤基本設計書の作成とリモ

<4D F736F F F696E74202D F C F E816A C835B83938E9197BF976C8EAE28382E323890E096BE89EF E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

http: //www. maff.go. jp/j/shokusan/fcp/index. html ディスカッションの趣旨 食品安全管理に関して即戦力となる人材や海外で活躍できる人材 監査ができる人材を育成するためには 大学 研究機関において どのような知識 技能の教育及び体制が必要か また 産

アジア健康構想の推進に向けた提言

5Gビジネス創出をめざす実証実験を海外に拡大

IR用小冊子200611流し込み

電波に関する問題意識(原座長提出資料)

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

中継サーバを用いたセキュアな遠隔支援システム

<4D F736F F F696E74202D F B8817A93648AC E096BE8E9197BF E >


PowerPoint プレゼンテーション

ロータリーシール

経営理念 宇宙と空を活かし 安全で豊かな社会を実現します 私たちは 先導的な技術開発を行い 幅広い英知と共に生み出した成果を 人類社会に展開します 宇宙航空研究開発を通して社会への新たな価値提供のために JAXAは 2003年10月の発足以来 宇宙航空分野の基礎研究から開発 利用に至るまで一貫して行

平成 30 年 4 月 10 日公表平成 28 年 農業 食料関連産業の経済計算 ( 概算 ) - 農業 食料関連産業の国内生産額は 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 28 年における農業 食料関連産業の国内生産額は 115 兆 9,63

スライド 1

目次 今後 30 年間は東京の消費人口は減少しない ( 横ばい ) 今後 30 年間の社会的変化 1) 多様性の拡大 ( 哲学的変化 ) 2) 人間の行動の未来予測の精度向上 ( 技術的変化 ) 3) 多品種少量生産 / 分散配送型への産業構造転換 ( 経済的変化 ) 結論 1) 今後 30 年間の

<4D F736F F D C A838A815B B438CF395CF93AE91CE8DF D48505F205F F8DC58F4994C5205F838D835393FC82E88F4390B3816A2E646F63>

農業農村開発の最近の動向

Slide 1

ニュースリリース

H28秋_24地方税財源

平成 29 年 4 月 14 日 第 7 回参考資料 : 官民戦略プロジェクト 10 取組状況 首相官邸 平成 29 年 5 月 12 日 第 8 回資料 1:Society5.0で実現する新たな経済 社会システム~ 第 4 次産業革命推進に際しての戦略分野第 8 回資料 2: 日本の 人材力 の抜

Transcription:

政策 Open Lab/Food Tech( 3D フードプリンタ ) チーム 3D フードプリンタの影響と可能性について 19 年 7 月 24 日 FCP 若手フォーラム 政策 Open Lab Food Tech チーム澤田翼 ( 農林水産省政策統括官付参事官付 ) 連絡先 :tsubasa_sawada770@maff.go.jp

政策 Open Lab/Food Tech チームの紹介 18 年 4 月 業務時間を1~2 割程度を活用し 現行の部局や政策の枠を超えて政策提言を行う政策 Open Labが発足 Open Labのスキーム下で 3Dフードプリンターやロボティクスが農林水産業 食産業に与える可能性の調査 政策提言を行う Food Techチーム を立ち上げ 活動開始 Food Tech チームメンバー ( 第 2 期 ) 渡辺 ( 政策課 ) 髙野 ( 政策課 ) 福島 ( 大臣官房 ) 淺野 ( 技術会議事務局 ) 西元 ( 技術会議事務局 ) 澤田 ( 政策統括官 ) 鈴木 ( 政策統括官 ) 冨士田 ( 消費 安全局 ) 計 8 名顧問 : 天羽政策統括官 その他のテーマ GIS/ リモートセンシング技術の活用 農業者の BCP 策定に向けた研究 棚田女子プロジェクト 日本農業のモデルルームの国際展開 ( インド ) など 1

昨年度の Food Tech チーム活動概要 第2 回終報2 回研究会の様子告第 2 〇活動内容 ( 実績 ) 第1 回7 月 3 月最〇成果物 約 100 名が参加 研究 月 1~2 回程度の個別意見交換会 外部の研究会 会議等での意見交換 ( 計 5 回 ) 関係法令等の調査 第 1 回参加者を中心に約 40 名でテーマごとにグループディスカッション 第2 回研究会研究会1 現状の整理 関連プレイヤーの動向 3Dフードプリンタの社会実装に向けた研究開発課題の整理等 2 可能性についての整理 Food Techがもたらす影響 社会 経済的効果の検討 シナリオの検討等

Food Tech の影響 ( 食のデジタル化 ) 食 デジタル によって これまで難しかった 1 人 1 人の消費者へのパーソナライズ化がやりやすくなることで 食産業のあり方を変えていく可能性がある これまで拾えなかった生活者のきめ細かな欲求に 事業で応えやすい時代に変わっていく パーソナライズ化 が進む 食市場の変化需要の規模 少量多品種 カスタムメイドの食の低コスト化 サプライチェーンのデジタル化 生活 あらゆる行動のデータ化 嗜好や味覚の可視化 = データ化 これからの市場 ( ロングテール型市場 ) データに基づいて個人の健康や嗜好への最適化 ( パーソナライズ化 ) 商品 サービスの種類 3

キーデバイス 3D プリンタ 3D プリンタの技術は 1980 年代から研究開発されており 2012 年頃から汎用化され メディアでも注目されつつある第 4 次産業革命と言われる技術の一つ 造型方式として シート積層 液槽光重合 材料押出 結合剤噴射などの方式があり 異なる特性がある 代表的な材料 ( インク ) は 樹脂 金属 セラミックなど 食品分野については ゲル状又は粉末状の食品素材が材料 ( インク ) になる 簡易にモデル造型ができ 試作品等を短期間で作ることができ 世界中で ものづくり の在り方を変えつつある ( 短期化 低コスト化 柔軟化 ) 価格は数万円 ~ ISO でも 3D プリンタに関する専門委員会 (TC261) が 2011 年に設立 4

3D プリンタがもたらす影響 3D プリンタは これまでの マスプロダクション のビジネスモデルの必要性を変える可能性がある 大規模な設備が不要になり 産業構造そのものを変化 適応させていく必要が生じる 3Dプリンタの特徴 1 数量効果に囚われない経済性 2 複雑な製品形状でも変わらない生産性 3デジタル在庫という強靭性 同一規格化 大量生産による低コスト化 からの脱却であり 大規模な設備投資を伴った製造業のあり方が変わる可能性 製造コストがフラット化 中央集中型インフラが不要 分散型の経済 産業モデルへ 図 ストラタシス三森氏資料より抜粋 5

国内での 3D フードプリンタに関する動向 未利用食材の活用などによるフードロス解決 個人のデータに基づいた食事提供などによる well-being の向上 宇宙などの特殊な環境での食料供給といった多方面において 3D フードプリンタの事業化に向けた動きがある 水産大学校等による取組 OPENMEALS Project JAXA と民間企業等による取組 事例 1 水産大学校 図 1 図 2 事例 2 Sushi Singularity 図 1 復興に役立てるため未利用食材 ( アカモクや未利用魚等 ) を活用したユニークな形をした 魚のすり身 を 3D フードプリンタで押し出して造形 図 1 水産大学校提供写真図 2 OPENMEALS 提供画像図 3 リアルテックファンド JAXA 提供資料より改変 食のデジタル化の特徴 (1 自在に味も形もデザイン 2 データに基づく健康状態等への最適化 ) を概念実証するレストランの 2020 年開業を目指すプロジェクト 米ゲルを活用した実験 図 2 SDGs の解決策となる食ビジネス 宇宙生活の課題を解決する食ビジネス図 3 宇宙と地球上の食の課題解決に向け JAXA TECH ファンド TECH コンサルが中心となり 宇宙食料マーケット創出のためのイニシアチブを 2019 年 3 月に創設 農研機構が開発し ヤンマーが商用化した米ゲル ( 高アミロース米を炊飯後 攪拌したもの 水分量によって弾性の調整が可能 ) を用いて 3D フードプリンタにて造形 6

3D フードプリンタの特徴とその可能性 可能性のある市場の例 3D フードプリンタの特徴 柔軟性 形状 ( デザイン ) 食感 素材について従来の制約に縛られない 再現性 データに基づいて 機械が作業するためデータ化した内容を正確に再現 カスタマイズ 個々人のデータに合わせて 最適な栄養 食感 香り 色に調整 柔軟性 ( 食感 食材 ) 健康 再現性 カスタム 介護食 市場 和洋菓子 市場 個食化 市場 働き手 健康 オンデマンド 必要なものを必要なときに必要な場所で サプライチェーンに縛られない オンデマンド 災害食 市場 防災 7

3D フードプリンタがもたらす新しい価値 食のデジタル化 のキーデバイスとなる 3D フードプリンタは 従来とは異なる 調理 の方法によって 環境問題や人手不足などの社会課題解決や これまで両立が難しかった 便利 かつ 楽しい の実現といった価値の提供を実現する可能性がある 食が関わる社会課題の解決 おいしい 便利 楽しい の両立 3D フードプリンタを活用することで これまでとは異なるアプローチで社会課題の解決を図ることができる 3D フードプリンタは おいしい は当然のこととして この上に 便利 と 楽しい を両立させることができる 食ロス 環境問題への貢献 医食同源 健康寿命の延伸 現在の世界 便利 独立関係 未来の世界 便利 両立関係 文化保存 伝統食の継承コミュニケーションの変化働き手不足の解消食品衛生の向上 楽しい 手間がかからず 便利 か 手間暇かけて 楽しい か 楽しい 3D フードプリンタによってサプライズを手軽に実現できる 例えば このようなことも簡単に実現できるように 流動食ではない 食感のある介護食 ムスリムが食べられる とんかつ 調理の難しい場所 ( 宇宙 船上 戦場等 ) でもプロやおふくろの味など 8

テクノロジーのもたらす未来の食卓 自宅の植物工場 3D フードプリンターの発達で 食料生産や食品加工が個々人の健康 嗜好にあわせてパーソナライズされていく 自宅植物工場 ドローンによる配送 3D プリンターで 見た目は同じだが 栄養強化 嚥下障害用等のパーソナライズが可能 3D プリンターで出力 遠隔地のおばあちゃんと一緒に同じ食事を 出典 :TNO TNO は 科学技術分野における応用科学研究を行うことを目的として オランダ議会によって 1932 年に設立された欧州で最大規模を誇る中立の総合研究機関 9

Food Tech 研究会から得た課題 ベンチャー スタートアップ 研究者や新規事業開発に関わる担当レベルでは Food Tech のビジネスとしての可能性を強く認識しているが 日本の強い分野 として産業育成していく上で欠かせない既存の大企業や行政の認識 対応が出遅れ気味 〇意見交換等で認識された 今後の変化 既存産業にとっての脅威 今の日本の食産業のあり方への脅威 海外が先行しており 出遅れのリスク 新たな産業を興すチャンス 日本の強み コンテンツとしての食 日本の持つ食に関する歴史 文化 国民への食の関心の高さ 食品企業の持つ高い食品開発技術等 人口減少 単身世帯の増加 〇脅威に備え チャンスを勝ち取る上での障害 消極的な意識 態度 アンテナの低さ 保守的な意思決定構造 ベンチャー スタートアップと大企業の溝 市場の不透明さ 市場の規模感 市場のルール 共創領域の範囲などの不透明さ 10

今年度の取組 3Dフードプリンタが最初に活用される有望な分野 素材としてまず 介護食 米ゲル に注目 介護食米ゲル 山形大学にて 介護食用 3D フードプリンタ開発中 海外製 3D フードプリンタも嚥下困難者用に PR 世界トップレベルの高齢社会において 高齢者の食の自由度向上は喫緊の課題 自由な物性制御 あらゆる素材のベースに 良好な実験結果 コメの新たな需要開拓 具体的な論点整理 深堀りを足掛かりに 企業 行政が3Dフードプリンタ ( 新しい産業 ) を共同で育成できる環境整備に向け 農水省がとるべき対応方策を官民共同で議論し 提言する 11