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解 散 にまつわるTopics 現 行 憲 法 下 での22 回 の 衆 議 院 議 員 選 挙 のうち, 任 期 満 了 によるものは1 回 のみ(1976 年 の ロッキード 選 挙 ) 21 回 の 衆 議 院 解 散 のうち,7 条 による 解 散 が17 回,69 条 ( 不 信 任 案 可 決 )による 解 散 が4 回 2009 年 8 月 の 衆 議 院 議 員 選 挙 は 解 散 から 投 票 までが 現 行 憲 法 下 で 最 長 の40 日 ( 憲 法 規 定 の 上 限 ) 衆 議 院 の 解 散 ~ 解 散 は 首 相 の 専 権 事 項? 1 衆 議 院 の 解 散 解 散 とは, 任 期 満 了 前 に 議 員 の 資 格 を 失 わせる 行 為 衆 議 院 についてのみ 存 在 し, 参 議 院 には 存 在 しない ( 理 由 )1 衆 議 院 は 任 期 が 短 く(4 年 ; 参 議 院 は6 年 ), 民 意 を 大 きく 反 映 することが 期 待 され ている 解 散 に 続 く 総 選 挙 によって, 主 権 者 たる 国 民 の 審 判 を 求 めることが 期 待 されて いる 2 衆 議 院 の 多 数 派 から 内 閣 総 理 大 臣 が 指 名 される 内 閣 と 議 会 の 協 調 関 係 の 破 綻 に 対 処 して 内 閣 を 安 定 させる * 解 散 に 関 する 憲 法 の 条 文 * 7 条 3 号 ( 天 皇 の 国 事 行 為 ) 45 条 ( 衆 議 院 議 員 の 任 期 ) 54 条 ( 衆 議 院 の 解 散 と 総 選 挙 参 議 院 の 緊 急 集 会 ) 69 条 ( 衆 議 院 の 内 閣 不 信 任 と 解 散 又 は 総 辞 職 ) 解 散 が 可 能 な 場 合 について 具 体 的 に 定 めているのは69 条 のみ?69 条 の 場 合 ( 衆 議 院 が 内 閣 の 不 信 任 案 を 可 決 し,または 信 任 案 を 否 決 したとき)のみしか 解 散 はできないのでは? か? 今 回 の 解 散 は, 衆 議 院 では 不 信 任 案 は 可 決 されていない 今 回 の 解 散 は 憲 法 に 反 するのではない 学 説 A 69 条 限 定 説 解 散 は69 条 の 場 合 に 限 定 される 内 閣 が 解 散 を 行 う ( 理 由 ) 解 散 の 決 定 は 憲 法 の 明 文 の 根 拠 が 必 要 となるところ,それは69 条 の 場 合 しか 存 在 しな いのである B 69 条 非 限 定 説 ~ 通 説 判 例 ( 東 京 地 判 昭 28.10.19 苫 米 地 事 件 ) 解 散 は69 条 の 場 合 に 限 定 されない ( 理 由 )1 69 条 の 場 合 以 外 に 内 閣 は 衆 議 院 を 解 散 することはできないと 解 することは 解 散 に 続 いて 行 われる 総 選 挙 で, 重 要 な 政 治 問 題 について 民 意 を 問 うという 解 散 の 民 主 的 意 辰 已 法 律 研 究 所 - 2-

法 律 入 門 講 座 連 続 無 料 講 演 会 第 1 回 義 を 軽 視 することになる 2 69 条 は, 不 信 任 案 の 可 決 又 は 信 任 案 の 否 決 に 直 面 した 場 合 の 内 閣 の 採 るべき 方 法 を 定 めたに 過 ぎず, 他 に 解 散 の 可 能 性 を 封 ずる 趣 旨 ではないと 考 えることができる * 苫 米 地 事 件 * 第 3 次 吉 田 内 閣 の 際, 吉 田 首 相 が 行 った 衆 議 院 の 解 散 につき, 当 時 衆 議 院 議 員 であった 苫 米 地 義 三 氏 が 違 憲 無 効 を 主 張 し, 任 期 満 了 までの 歳 費 を 要 求 した 事 件 東 京 地 裁 東 京 高 裁 は 被 告 である 国 の 主 張 を 採 用 しないで, 本 件 解 散 の 合 憲 性 について 審 査 した 東 京 地 裁 は 違 憲, 東 京 高 裁 は 合 憲 と 判 断 した 高 裁 の 判 決 に 対 し 苫 米 地 氏 が 上 告 最 高 裁 は, 高 度 に 政 治 性 のある 国 家 行 為 に 対 しては, 司 法 判 断 を 行 うべきではない( 統 治 行 為 論 )として 上 告 を 棄 却 した 2 解 散 権 の 根 拠 通 説 に 従 った 場 合,69 条 の 場 合 以 外 に 解 散 を 行 うときには,どの 条 文 を 根 拠 に, 誰 が 解 散 を 決 定 するのか? 学 説 A 制 度 説 議 院 内 閣 制 権 力 分 立 制 という 憲 法 の 採 用 する 制 度 を 根 拠 とする 内 閣 は, 自 由 な 解 散 が 可 能 ( 理 由 ) 議 院 内 閣 制 を 採 用 し, 衆 議 院 に 対 して 内 閣 不 信 任 決 議 権 を 認 めるとともに,これに 対 応 して 権 力 分 立 の 観 点 から 内 閣 に 衆 議 院 の 解 散 権 を 認 めている ( 批 判 )1 いわゆる 議 院 内 閣 制 の 下 において, 解 散 権 が 常 に 無 条 件 に 内 閣 に 認 められているわ けではない 2 議 院 内 閣 制 を 採 用 しているかどうかを 判 断 するにあたっては, 解 散 権 の 所 在 が 重 要 な 資 料 となる 議 院 内 閣 制 を 前 提 にして 内 閣 の 解 散 権 を 帰 結 するのはやや 循 環 論 法 の きらいがある B 65 条 説 65 条 の 行 政 権 規 定 を 根 拠 とする 内 閣 に 解 散 権 あり ( 理 由 ) 行 政 概 念 の 控 除 説 ( 国 家 作 用 の 中 から 立 法 と 司 法 を 除 いた 全 てが 行 政 であるという 考 え 方 )からは, 解 散 は 立 法 でも 司 法 でもないから 行 政 といえる ( 批 判 )1 解 散 というような 作 用 を, 立 法 でも 司 法 でもないから 行 政 であるという 論 法 は,あ まりに 形 式 的 である 2 控 除 説 の 前 提 としての 全 国 家 作 用 は, 国 民 支 配 作 用 と 考 えるべきで, 解 散 権 は そこには 含 まれない C 7 条 説 ~ 判 例 ( 東 京 地 判 昭 28.10.19 苫 米 地 事 件 ) 7 条 3 号 を 根 拠 とする 助 言 承 認 に 実 質 的 な 決 定 権 を 含 め, 内 閣 に 自 由 な 解 散 権 を 認 める ( 理 由 )1 7 条 3 号 の 解 散 は 元 来 政 治 的 なものであるが, 天 皇 は 政 治 的 に 無 答 責 実 質 的 決 定 権 はその 助 言 と 承 認 を 与 える 内 閣 にあるはず 2 内 閣 が 助 言 と 承 認 の 前 提 として 実 質 的 決 定 を 行 っても, 結 果 として 国 事 行 為 が - 3-

形 式 的 儀 礼 的 なものになるのであれば, 憲 法 の 趣 旨 には 反 しない ( 批 判 ) 天 皇 は, 本 来 的 に 政 治 的 権 能 を 有 しつつ 大 臣 助 言 制 度 の 徹 底 によってその 権 能 が 名 目 化 してきた 伝 統 的 な 立 憲 君 主 と 異 なり,はじめから 名 目 的 な 権 能 しか 有 しない 3 解 散 権 の 限 界 69 条 非 限 定 説 に 立 てば,いずれの 説 に 立 っても, 内 閣 は69 条 の 場 合 に 限 らず 衆 議 院 の 解 散 を 決 定 し 得 る 即 ち, 解 散 の 決 定 は, 内 閣 の 裁 量 に 委 ねられていることになる では, 内 閣 はどんな 場 合 にでも, 好 きに, 衆 議 院 を 解 散 できるのであろうか? 学 説 A 説 解 散 権 行 使 には 別 段 の 制 限 が 存 しない ( 理 由 ) 無 条 件 の 不 信 任 制 度 と 無 条 件 の 解 散 制 度 の 存 在 が, 議 会 と 内 閣 に 対 し,たえず 国 民 の 意 思 へ 近 づこうとする 動 因 を 与 えるから, 国 民 を 中 心 に 構 想 する 現 代 民 主 政 治 において は, 望 ましい B 説 解 散 制 度 の 趣 旨 から 帰 結 される 一 定 の 制 約 に 服 する ( 理 由 )1 解 散 は 国 民 に 対 して 内 閣 が 信 を 問 う 制 度 である( 解 散 の 趣 旨 ) 2 国 家 の 権 力 行 使 は 国 民 の 意 思 に 沿 っているために 正 当 化 される( 国 民 主 権 の 趣 旨 ) 3 解 散 の 決 定 に 限 界 が 無 いとすれば, 内 閣 が 衆 議 院 の 少 数 派 や 与 党 の 非 主 流 を 排 斥 す る 武 器 を 持 つことになってしまう ~どのような 場 合 に 解 散 が 可 能 か? 国 民 の 意 思 を 問 う 必 要 がある 場 合 a. 衆 議 院 がその 時 の 国 民 の 世 論 を 代 表 する 程 度 につき 疑 いがあると 認 められるとき b. 諸 般 の 理 由 により 改 めて 国 民 の 意 見 を 求 めるのが 必 要 だと 考 えられるとき c. 衆 議 院 で 内 閣 の 重 要 案 件 の 否 決 または 審 議 未 了 があったとき d. 政 界 再 編 成 などで 内 閣 の 性 格 が 基 本 的 に 変 わったとき e. 内 閣 が 基 本 的 政 策 を 変 更 するとき, 等 辰 已 法 律 研 究 所 - 4-

法 律 入 門 講 座 連 続 無 料 講 演 会 第 1 回 衆 議 院 解 散 の 要 件 69 条 非 限 定 説 69 条 限 定 説 解 散 権 の 根 拠 解 散 権 の 根 拠 7 条 説 制 度 説 65 条 説 69 条 説 解 散 権 行 使 の 限 界 あり なし - 5-

二 選 挙 権 の 保 障 憲 法 15 条 1 項 は, 公 務 員 の 選 定 および 罷 免 の 権 利 を 国 民 固 有 の 権 利 としている 国 民 主 権 を 実 現 するうえで 欠 かすことのできない, 選 挙 権 の 保 障 を 最 近 の 判 例 を 素 材 に 検 討 してみよう 精 神 的 原 因 による 投 票 困 難 者 の 選 挙 権 行 使 の 機 会 を 保 障 することは 国 会 の 義 務? 原 告 は, 昭 和 54 年 生 まれの 男 性 であり, 精 神 発 育 遅 滞 等 のため, 平 成 10 年 1 月 26 日 付 けで, 大 阪 府 から 総 合 判 定 A と 判 定 された 療 育 手 帳 の 交 付 を 受 け, 両 親 とともに 大 阪 府 茨 木 市 に 居 住 し ている 平 成 11 年 に 成 年 に 達 し 選 挙 権 を 取 得 したが, 原 告 は, 平 成 12 年 3 月 6 日 時 点 において, 精 神 発 育 遅 滞 及 び 不 安 神 経 症 のため 加 療 中 であるものの, 主 として 後 者 が 原 因 で 外 出 できない 状 態 に あると 医 師 により 診 断 されており, 以 後 も 同 様 の 状 態 が 継 続 していた 1 2 3 平 成 12 年 2 月 に 実 施 の 大 阪 府 知 事 選 挙 不 安 神 経 症 等 のため 投 票 所 まで 出 かけることができなかった 選 挙 権 を 行 使 することを 諦 めた 同 年 4 月 に 実 施 された 茨 木 市 長 選 挙 同 様 に 選 挙 権 の 行 使 を 断 念 同 年 6 月 に 実 施 された 衆 議 院 議 員 総 選 挙 予 め 原 告 の 父 を 代 理 人 として, 茨 木 市 選 挙 管 理 委 員 会 に 郵 便 投 票 証 明 書 の 交 付 申 請 を 行 ったが, 身 体 障 害 者 手 帳 が 添 付 されていないことを 理 由 に, 郵 便 投 票 証 明 書 交 付 申 請 書 を 受 理 してもらえな かった 郵 便 による 投 票 a. 国 会 が, ⑴ 昭 和 49 年 6 月 3 日 に 公 職 選 挙 法 を 改 正 し, 身 体 障 害 者 手 帳 を 有 する 者 等 に 限 り, 現 在 する 場 所 において 郵 便 による 投 票 の 方 法 を 認 める 制 度 を 設 けたこと, ⑵ その 後 この 制 度 の 対 象 者 を 拡 充 する 立 法 をしなかったこと, b. 内 閣 が, 同 制 度 の 対 象 者 を 拡 充 する 法 律 案 を 国 会 に 提 出 しなかったこと が, 選 挙 権 の 行 使 という 憲 法 が 保 障 する 国 民 の 基 本 的 人 権 を 実 質 的 に 制 限 するものである その 結 果, 原 告 も 現 実 に3 回 の 選 挙 において 投 票 することができず, 精 神 的 損 害 を 被 ったとして,100 万 円 の 損 害 賠 償 金 ( 国 家 賠 償 法 1 条 1 項 )の 支 払 を 求 めた < 参 考 > 現 行 の 投 票 制 度 ( 原 則 ) 選 挙 当 日 投 票 所 自 書 主 義 選 挙 人 は, 選 挙 の 当 日, 自 ら 投 票 所 に 行 き, 投 票 所 において, 投 票 用 紙 に 当 該 選 挙 の 公 職 の 候 補 者 1 人 の 氏 名 を 自 書 して,これを 投 票 箱 に 入 れなければならない( 公 職 選 挙 法 44 条 1 項, 46 条 1 項 ) ( 例 外 )1 代 理 投 票 制 度 ~ 自 書 主 義 の 例 外 2 一 般 不 在 者 投 票 制 度 ~ 当 日 投 票 所 投 票 主 義 の 例 外 選 挙 の 当 日, 職 務 若 しくは 業 務 又 は 総 務 省 令 で 定 める 用 務 に 従 事 したり, 疾 病, 負 傷, 妊 娠, 老 衰 若 しくは 身 体 の 障 害 のため 若 しくは 産 褥 にあるため 歩 行 が 困 難 であること, 又 は 刑 事 施 設, 労 役 場, 監 置 場, 少 年 院 若 しくは 婦 人 補 導 院 に 収 容 されていること( 公 職 選 挙 法 48 条 の2 第 1 項 1 号,3 号 )などに 該 当 すると 見 込 まれるものの 投 票 につい て, 不 在 者 投 票 管 理 者 の 管 理 する 投 票 を 記 載 する 場 所 において 行 うことを 認 める 制 度 辰 已 法 律 研 究 所 - 6-

法 律 入 門 講 座 連 続 無 料 講 演 会 第 1 回 < 判 旨 > 1 2 ( 同 法 49 条 1 項 ) 3 郵 便 投 票 制 度 ~ 当 日 投 票 所 投 票 主 義 の 例 外 選 挙 人 で 身 体 に 重 度 の 障 害 があるものの 投 票 については,その 現 在 する 場 所 において 投 票 用 紙 に 投 票 の 記 載 をし,これを 郵 送 する 方 法 により 行 わせる 制 度 ( 公 職 選 挙 法 49 条 2 項 ) 選 挙 権 の 保 障 について 憲 法 における 選 挙 権 保 障 の 趣 旨 にかんがみれば, 国 民 の 選 挙 権 の 行 使 を 制 限 することは 原 則 と して 許 されず, 国 には, 国 民 が 選 挙 権 を 行 使 することができない 場 合,そのような 制 限 をするこ となしには 選 挙 の 公 正 の 確 保 に 留 意 しつつ 選 挙 権 の 行 使 を 認 めることが 事 実 上 不 可 能 ないし 著 し く 困 難 であると 認 められるときでない 限 り, 国 民 の 選 挙 権 の 行 使 を 可 能 にするための 所 要 の 措 置 を 執 るべき 責 務 があるというべきである( 最 判 平 17.9.14) このことは, 国 民 が 精 神 的 原 因 によって 投 票 所 において 選 挙 権 を 行 使 することができない 場 合 についても 当 てはまる 本 件 原 告 が 選 挙 権 を 行 使 できなかったことは 違 憲 ではないか? 違 憲 とはいえない 精 神 的 原 因 による 投 票 困 難 者 の 選 挙 権 行 使 の 機 会 を 保 障 するための 立 法 措 置 については, 今 後, 国 会 において 十 分 な 検 討 がなされるべきであるが, 現 時 点 では, 違 憲 とまではいえない ( 理 由 )1 精 神 的 原 因 による 投 票 困 難 者 については,その 精 神 的 原 因 が 多 種 多 様 であり,その 状 態 は 必 ずしも 固 定 的 ではないし, 療 育 手 帳 に 記 載 されている 総 合 判 定 も, 身 体 障 害 者 手 帳 に 記 載 されている 障 害 の 程 度 や 介 護 保 険 の 被 保 険 者 証 に 記 載 されている 要 介 護 状 態 区 分 等 とは 異 なり, 投 票 所 に 行 くことの 困 難 さの 程 度 と 直 ちに 結 び 付 くものではない 精 神 的 原 因 による 投 票 困 難 者 は, 身 体 に 障 害 がある 者 のように, 既 存 の 公 的 な 制 度 に よって 投 票 所 に 行 くことの 困 難 性 に 結 び 付 くような 判 定 を 受 けていない 2 身 体 に 障 害 がある 者 の 選 挙 権 の 行 使 については 長 期 にわたって 国 会 で 議 論 が 続 けられ てきたが, 精 神 的 原 因 による 投 票 困 難 者 の 選 挙 権 の 行 使 については, 本 件 各 選 挙 までに おいて, 国 会 でほとんど 議 論 されたことはない 3 その 立 法 措 置 を 求 める 地 方 公 共 団 体 の 議 会 等 の 意 見 書 も, 本 件 訴 訟 の 第 1 審 判 決 後 に 初 めて 国 会 に 提 出 された 少 なくとも 本 件 各 選 挙 以 前 に, 精 神 的 原 因 による 投 票 困 難 者 に 係 る 投 票 制 度 の 拡 充 が 国 会 で 立 法 課 題 として 取 り 上 げられる 契 機 があったとは 認 められない - 7-