平 成 21 年 8 月 5 日 関 係 者 各 位 和 歌 山 大 学 日 食 バルーンサット 実 験 お 礼 と 御 報 告 拝 啓 残 暑 厳 しき 折 から 貴 行 ますますご 清 栄 のことお 喜 び 申 し 上 げます 先 の 日 食 の 際 には 格 別 のご 厚 誼 にあずかり 厚 く 御 礼 申 し 上 げます 皆 様 の 御 理 解 と 御 協 力 を 得 まして 7 月 22 日 に 鹿 児 島 にて 実 施 しました 日 食 バルー ンサット 実 験 ですが 既 に 報 道 等 で 御 存 知 とは 思 いますが 機 体 の 回 収 には 失 敗 する などの 課 題 も 残 りましたが 上 空 からの 動 画 電 送 には 成 功 するなど 多 くの 成 果 を 残 すことが 出 来 ました これも 一 重 に 皆 様 の 御 協 力 が 戴 けたからの 成 果 だと 感 じてお ります どうもありがとうございました 簡 単 ではありますが 今 回 の 実 験 の, 現 時 点 での 解 析 結 果 の 御 報 告 をさせていただ きます またバルーンサットを 用 いた 今 後 の 活 動 予 定 に 関 しても 資 料 を 添 付 させて いただきました 今 回 の 実 験 はこれまでの 学 生 活 動 では 例 を 見 ないタイプの 実 験 であ り また 今 後 多 くの 大 学 の 学 生 組 織 とも 連 携 しながら 更 なる 実 験 を 予 定 しており ます 今 回 の 実 験 は 必 ずや 今 後 のための 重 要 な 知 見 となると 考 えております 和 歌 山 大 学 宇 宙 開 発 プロジェクトでは 今 回 の 実 験 を 踏 まえ さらにフロンティ アを 目 指 した 活 動 を 続 けていきたいと 考 えております 今 後 も 代 わらぬ 御 支 援 御 指 導 を 賜 りますよう 心 からお 願 い 申 し 上 げます 敬 具 和 歌 山 大 学 宇 宙 開 発 プロジェクト バルーンサット プロジェクトマネージャー 河 瀬 裕 美 ( 学 部 2 年 生 )
平 成 21 年 8 月 5 日 関 係 者 各 位 和 歌 山 大 学 生 自 主 プロジェクト 教 育 実 施 のお 礼 拝 啓 処 暑 のみぎり ますます 御 健 勝 のこととお 喜 び 申 し 上 げます 平 素 は 格 別 のご 厚 誼 にあずかり 厚 く 御 礼 申 し 上 げます 和 歌 山 大 学 が 進 める 学 生 自 主 プロジェクト 教 育 の 一 環 として 実 施 しました 日 食 時 のバルーンサットの 放 球 実 験 に 御 理 解 御 協 力 を 戴 き 誠 にありがとうございました 実 験 は 半 分 成 功 半 分 失 敗 の 状 況 となりましたが 皆 様 の 御 協 力 により 事 故 無 く 安 全 に 教 育 活 動 を 実 施 できたこと 心 より 感 謝 いたします 和 歌 山 大 学 では 学 生 が 社 会 に 出 るために 必 要 な 教 育 の 一 環 として 複 数 のメンバー が 一 丸 となってスケジュールや 仕 事 の 分 担 をマネージメントする チームワーク 教 育 を 実 施 しております 今 回 のバルーンサットの 実 験 もこの 流 れに 沿 ったものでしたが 皆 様 の 御 理 解 と 御 協 力 を 戴 き バルーン 放 球 に 至 る 様 々な 手 続 きを 進 めながら 関 係 省 庁 や 地 元 の 皆 様 と 密 に 連 絡 を 取 りながら 現 地 での 安 全 な 運 営 を 学 生 の 自 律 的 な 活 動 として 実 施 できたことは 大 きなプラスとなりました 心 より 感 謝 いたします 和 歌 山 大 学 では 引 き 続 き 皆 様 の 御 理 解 御 協 力 を 得 て 学 生 教 育 を 実 施 していく 予 定 です 今 後 も 皆 様 の 御 理 解 と 御 協 力 をいただけますよう お 願 い 申 し 上 げます 敬 具 和 歌 山 大 学 学 生 自 主 創 造 科 学 センター センター 長 教 授 尾 久 土 正 己
和 歌 山 大 学 日 食 バルーンサット 放 球 実 験 報 告 書 < 実 験 の 背 景 と 目 的 > 昨 今 では まいど 衛 星 に 代 表 されるような 超 小 型 衛 星 (キューブサット)の 製 造 打 上 運 用 など 学 生 の 自 主 プロジェクトによる 実 際 の 宇 宙 機 の 開 発 が 盛 んに 行 われています しかしこれら の 宇 宙 機 は 高 度 300km~800km の 超 真 空 超 低 温 / 高 温 で 無 補 給 無 修 理 での 長 期 運 用 を 求 め られているため 非 常 に 高 度 な 機 器 製 作 整 備 技 術 が 求 められています また 打 上 自 体 にも 多 額 の 費 用 がかかるため 地 球 上 での 事 前 の 入 念 なチェ ックが 必 要 となります しかしこれまでは 200m までの 低 高 度 バルーン あるいは 500m~4km までの 小 型 ロケットによる 実 験 環 境 しか 整 えられていませんでした ( 右 図 参 照 ) そこで 高 度 にして 30~40km 運 用 時 間 にし て 数 時 間 に 及 ぶ 新 しい 実 験 環 境 を 作 り 上 げること が 今 回 のバルーンサット 放 球 実 験 の 目 的 でした また 同 時 に 丁 度 おこる 皆 既 日 食 時 に 地 球 に 写 る 月 の 影 を バルーンサットによって 撮 影 すること により 大 きな 宣 伝 効 果 も 狙 いました 平 成 21 年 8 月 5 日 和 歌 山 大 学 学 生 宇 宙 開 発 プロジェクト 高 度 300k m 100k m 30km バルーンサットチーム キューブサット バルーンサット 10km 4km 1km 学 生 ロケット 500m 缶 サット 200m 低 高 度 バルーン 100m 缶 サット 5 分 1 時 間 1 日 1 月 1 年 運 用 時 間 図 1. 学 生 宇 宙 実 験 フィールド < 実 験 の 概 要 > 日 食 の 影 を 撮 影 することを 目 的 の 一 つとしたため 今 回 の 放 球 実 験 は 鹿 児 島 県 薩 摩 半 島 にて 実 施 しました 回 収 場 所 は 薩 摩 半 島 西 側 の 東 シナ 海 海 上 を 予 定 していたため 上 空 の 風 の 向 きから 逆 算 し 前 日 に 放 球 点 を 阿 久 根 市 番 所 丘 公 園 駐 車 場 に 決 定 しました バルーンサットは2 機 準 備 しました( 表 1) 一 機 目 は 高 度 制 限 を 解 除 した GPS 動 画 撮 影 装 置 位 置 情 報 と 動 画 転 送 のための2 種 類 の 無 線 機 を 搭 載 しました もう 一 機 は 通 常 GPS と 連 続 撮 影 カメラを 搭 載 し 位 置 情 報 のみを 送 信 する 無 線 機 を 搭 載 しました バルーン 部 分 は 共 に2 球 を 利 用 し 着 水 ( 着 陸 ) 後 の 発 見 が 容 易 となるように 工 夫 しました
図 2. 放 球 前 のバルーンサット 上 空 では 片 側 が 割 れ もう 片 方 とパラシュートによりゆっく りと 降 下 予 定 着 水 / 着 陸 後 も 片 方 のバルーンは 浮 いているた め 発 見 が 容 易 と 考 えられた 図 3. 放 球 直 後 図 4. 搭 載 されたペイロード 図 5.いちき 串 木 野 市 に 設 置 された 地 上 局
< 実 験 の 状 況 > 実 験 計 画 当 初 は 7 月 のこの 時 期 には 太 平 洋 高 気 圧 が 強 まり バルーンは 西 に 流 されると 考 えられていました しかしながら 今 年 は 梅 雨 前 線 がこの 時 期 まで 留 まり 風 向 は 予 測 か ら 大 きくはずれました その 結 果 最 良 でも 真 南 に 落 とす 事 しか 出 来 ない 状 況 となり 放 球 点 を 阿 久 根 市 に 設 定 しました 放 球 後 の 軌 跡 を 図 6として 別 紙 に 記 載 します また 放 球 後 の 主 な 動 きは 表 1を 御 参 照 ください バルーンサット1は 飛 行 自 体 は 予 定 通 りの 飛 行 ( 高 度 30km 付 近 で 片 側 のバルーンが 破 裂 その 後 降 下 )となったと 考 えられています しかしながら おそらく 保 温 対 策 が 十 分 で 無 かったためと 考 えられますが GPS による 位 置 情 報 が 上 空 12km 付 近 で 途 絶 し バ ルーン 位 置 の 特 定 が 不 可 能 となりました しかしながら 画 像 データの 転 送 は 電 波 強 度 を 追 うことにより 手 動 追 尾 にて 最 高 点 ( 予 測 高 度 は 30,363m)まで 成 功 しました その 後 バ ルーン 破 裂 による 一 時 的 な 急 激 な 落 下 により 機 体 をロストしました 当 日 の 風 向 や 上 昇 下 降 速 度 から 推 定 し 16 時 30 分 頃 に 宮 崎 県 都 城 市 北 方 の 山 中 に 落 下 した 物 と 考 えられま す バルーンサット2は 上 昇 中 高 度 14km 程 度 で 予 定 外 に 片 方 のバルーンが 破 裂 したと 考 えられます このため 高 度 20km 以 上 で 吹 いていた 西 向 きの 風 に 乗 ることなく 東 に 流 さ れ 続 け 宮 崎 沖 100~160km の 地 点 に 着 水 したと 考 えられます 位 置 情 報 は 12 時 06 分 高 度 4,148m の 位 置 まで 電 送 されてきました 表 1.バルーンサット 諸 元 名 称 バルーンサット1 バルーンサット2 重 量 3.5kg 3.8kg 搭 載 物 ハイビジョンハンディビデオ 高 度 制 限 解 除 GPS 無 線 機 (430MHz) デジタルカメラ GPS 無 線 機 (430MHz) 無 線 機 (1.2GHz) 浮 力 バルーン 大 :2.5kg バルーン 小 :2.0kg バルーン 大 :3.6kg バルーン 小 :1.7kg 活 動 09:47 放 球 09:51 放 球 () 内 は 推 定 位 置 / 動 画 データ 受 信 11:02 位 置 データ 途 切 れる 11:00 最 高 点 到 達 :14km (11:45) ( 最 東 端 : 宮 崎 沖 到 達 ) 12:40 ( 宮 崎 沖 100km 着 水 ) 12:52 最 高 点 到 達 (30km) 電 送 データ 中 断 (14:10) ( 最 西 端 到 達 ) (16:30) ( 着 陸 : 都 城 市 北 部 )
< 結 果 > 今 回 の 実 験 では 機 体 が2 機 とも 失 われてしまったため 高 解 像 度 の 画 像 映 像 の 取 得 に は 失 敗 しました しかし 画 像 の 伝 送 など 様 々な 点 でも 成 功 を 収 めました 表 2に 今 回 の 結 果 をまとめます 表 2. 実 験 の 結 果 項 目 名 内 容 結 果 法 令 関 連 自 治 体 / 関 係 官 庁 との 事 前 調 整 及 び 法 令 の 遵 守 回 収 準 備 船 舶 等 の 手 配 フライト 予 測 フライト 軌 跡 の 予 測 手 法 の 確 立 上 昇 / 下 降 速 度 風 速 と 水 平 移 動 量 に 関 し 更 なるデータ 蓄 積 が 必 要 防 水 機 体 の 製 作 着 水 後 も 防 水 可 能 な 機 体 の 製 作 放 球 前 試 験 は 成 功 回 収 できなか ったため 実 際 は 不 明 熱 対 策 機 体 の 熱 環 境 を 保 持 と 電 子 機 器 の 正 常 動 作 バルーン1で 電 池 が 低 温 で 放 電 したと 考 えられる 曇 止 め 対 策 レンズの 曇 止 め 対 策 ( 電 送 映 像 を 見 る 限 り) 遠 征 隊 の 組 織 運 用 遠 征 隊 のスケジュール 管 理 フライト バルーンの 正 常 飛 行 バルーン2にて 低 高 度 で 破 裂 バルーン 配 置 に 問 題 有 り 位 置 データの 取 得 GPS データの 電 送 ただし 原 因 は 電 力 と 考 えられる 動 画 データの 取 得 動 画 データの 電 送 機 体 の 回 収 機 体 の 回 収 マスコミ 対 応 実 験 とマスコミ 対 応 の 両 立
図 6 地 球 の 電 送 画 像 12:40 頃 ( 最 高 点 到 達 時 刻 の 約 12 分 前 ) 高 度 約 30km より 撮 影 <マスコミ 等 への 掲 載 情 報 > 新 聞 等 :リビング 和 歌 山 リビング 鹿 児 島 (6/30) 朝 日 新 聞 (7/2) 産 経 新 聞 (7/9) ニュース 和 歌 山 (7/15) ラジオ 等 : 和 歌 山 放 送 (7/9) テレビ 等 : 朝 日 放 送 報 道 ステーション ( 全 国 ) (7/22) 南 日 本 放 送 MBC ニュース ( 鹿 児 島 県 内 )(7/22) < 今 後 の 展 望 > 11 月 に 再 実 験 を 地 元 和 歌 山 にて 行 います 前 回 失 敗 した 回 収 の 他 に,バルーンサットを 行 える 環 境 づくりを 目 標 に 初 の 完 全 成 功 を 目 指 します また, 現 在 はバルーン 放 球 後 制 御 を 行 うことはできず 高 度 30km 上 空 まで 飛 翔 し 自 然 と 破 裂 し 降 下 してきます しかし 冬 になると 上 空 のジェット 気 流 が 強 力 になるため 実 質 本 体 の 回 収 は 不 可 能 となってしまいます そこで 高 度 を 自 在 に 調 整 ができるように バルーンとパラシュートの 分 離 機 構 を 開 発 していく 計 画 です 今 回 の 日 食 プロジェクトを, 先 日 東 京 で 行 われた UNISEC の 総 会 で 発 表 したところ 多 くの 方 々から 注 目 を 浴 びました 今 後 は 他 大 学 の 方 々と 協 力 し,バルーンサットをする 第 一 線 として 様 々な 情 報 を 提 供 し 全 国 の 大 学 生 とともに 宇 宙 開 発 のための 研 究 を 飛 躍 さ せていきます
14:10 20,163m N 31 55 E 130 09 09:47 76m N 31 59 30.24 E 130 11 17.94 12:52 30,363m N 31 52 E 130 43 11:02 12,096m N 31 57 36 E 130 58 48 16:30 N 31 54 E 131 09 11:45 19,435m N 31 56 E 131 37 09:51 76m N 31 59 30.24 E 130 11 17.94 11:17 14,511m N 31 47 50 E 131 05 45 11:42 7,262m N 31 46 44 E 131 27 54 11:46 6,305m N 31 46 24 E 131 30 19 12:06 4,148m N 31 46 73 E 131 49 95 12:00 4,800m N 31 41 40 E 131 37 92 12:40 N 31 47 E 132 12