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シリーズ インドの 投 資 関 連 法 制 1 インドの 法 制 度 の 概 要 /インド 企 業 と 契 約 する 場 合 の 留 意 点 琴 浦 諒 * 1.はじめに 近 時 成 長 市 場 としての 将 来 性 を 見 込 んで ま た 中 国 に 次 ぐ 戦 略 的 な 進 出 先 として インドに 投 資 進 出 する 日 本 企 業 が 増 加 してい インドに 投 資 進 出 するに 当 たっては 事 業 の 成 否 に 関 する 基 礎 調 査 はもちろんのこと インド の 法 制 度 規 制 内 容 法 律 実 務 を 理 解 することが 適 切 な 現 地 拠 点 の 運 営 および 法 的 リスクの 回 避 の 観 点 から 不 可 欠 であ そこで 本 シリーズでは インドに 進 出 する 日 本 企 業 が 把 握 しておくべき 基 本 的 なインドの 投 資 関 連 法 制 について 都 度 の 最 新 の 情 報 に 基 づき 連 載 の 形 で 解 説 することとしたい 本 シリーズにおいて 解 説 することを 予 定 してい るインドの 投 資 関 連 法 制 は 以 下 のとおりであ ただし 連 載 上 の 都 合 により 追 加 変 更 があり うることを 予 めご 承 知 おきいただければ 幸 いであ インドの 法 制 度 の 概 要 インド 企 業 と 契 約 する 場 合 の 留 意 点 進 出 の 形 態 ( 事 業 拠 点 の 種 類 と 特 徴 ) 各 事 業 拠 点 の 設 立 方 法 と 運 営 上 の 留 意 点 外 国 直 接 投 資 規 制 会 社 の 設 立 方 法 と 運 営 上 の 留 意 点 合 弁 会 社 を 設 立 する 場 合 撤 退 の 場 合 の 留 意 点 インドの 倒 産 法 制 * ことうら りょう 弁 護 士 アンダーソン 毛 利 友 常 法 律 事 務 所 インド 企 業 への 出 資 買 収 の 際 の 各 種 規 制 ( 株 式 譲 渡 価 格 規 制 開 示 規 制 インサイダー 取 引 規 制 公 開 買 付 規 制 企 業 結 合 規 制 等 ) 上 場 廃 止 とスクイーズ アウトの 方 法 インド 労 働 法 の 概 要 と 労 務 管 理 訴 訟 仲 裁 等 の 紛 争 解 決 方 法 の 概 要 今 回 は 第 1 回 として インドの 法 制 度 の 概 要 について 解 説 するとともに インド 企 業 と 契 約 す る 場 合 の 留 意 点 について 述 べることとす 2.インドの 法 制 度 の 概 要 (1)インドの 法 体 系 インドは 1947 年 の 独 立 に 至 るまで 長 期 に わたる 英 国 による 植 民 地 支 配 を 経 たという 歴 史 的 沿 革 から 英 国 の 統 治 制 度 法 体 系 を 多 く 導 入 し ており いわゆる 英 米 法 のコモンロー(c o m m o n l a w)の 法 体 系 を 採 用 していもっとも 重 要 な 法 令 は 基 本 的 に 全 て 成 文 で 規 定 されており 判 例 や 慣 習 は 法 令 の 解 釈 において 考 慮 されるのが 通 常 であ インドには 歴 史 的 な 沿 革 から 英 国 の 法 令 が 多 く 輸 入 されたこともあり 他 のアジアの 多 くの 発 展 途 上 国 と 比 べても 法 整 備 状 況 は 良 いといえ 日 本 を 含 む 先 進 国 に 見 られるほとんどの 法 令 はイ ンドにもあり また 判 例 の 集 積 もなされているこ とから 中 国 をはじめとした 他 のアジア 諸 国 のよ うに 法 自 体 の 未 整 備 により 問 題 が 生 じるという 事 態 は インドではあまり 見 られない また 法 令 が 英 国 法 に 由 来 することから 法 令 の 内 容 自 体 が 不 合 理 であるなどの 問 題 もあまり 見 ら れない したがって インド 人 またはインド 企 業 2 2012.11 第 59 巻 11 号

との 取 引 の 際 に 準 拠 法 をインド 法 としたとして も 通 常 そのこと 自 体 によって 日 本 企 業 に 大 き な 不 利 益 が 生 じるということはない ただし インドの 法 令 の 中 には 植 民 地 時 代 の 法 令 を 改 正 を 重 ねて 現 在 でも 使 用 しているもの などもあり 必 ずしも 現 在 の 社 会 の 実 情 に 合 って おらず 使 い 勝 手 が 悪 いものも 少 なからずあ (2) 連 邦 制 インドは28の 州 および7の 連 邦 直 轄 領 から 成 る 連 邦 制 であり 法 律 には 連 邦 法 と 州 法 とがあ インド 憲 法 (Constitution of India) 第 246 条 は その 別 紙 7において 法 令 分 野 を 連 邦 政 府 リスト 州 リスト 連 邦 政 府 および 州 リストの3つに 分 類 してい 連 邦 政 府 リストに 列 挙 された 法 令 分 野 については 国 会 が 州 リストに 列 挙 された 法 令 分 野 については 州 議 会 が 連 邦 政 府 および 州 リスト に 列 挙 された 法 令 分 野 については 国 会 および 州 議 会 の 双 方 が 立 法 権 を 有 す 主 要 な 法 令 分 野 については 連 邦 政 府 リストに 列 挙 されており たとえば 外 資 規 制 関 連 法 令 や 会 社 法 などは 連 邦 政 府 リストに 属 すもっとも 一 定 の 業 種 や 商 取 引 に 係 る 規 制 や 地 方 税 制 について は 州 が 立 法 権 を 有 しているため インドに 進 出 し て 現 地 で 事 業 活 動 を 行 う 場 合 当 該 事 業 拠 点 のあ る 州 の 州 法 上 の 規 制 についても 留 意 する 必 要 があ (3) 言 語 インド 政 府 は 英 語 を 公 用 語 の1つとして 指 定 し ており 法 令 の 言 語 およびインド 国 内 において 許 認 可 申 請 などの 諸 手 続 を 行 う 際 の 言 語 は 英 語 で あ また ビジネス 上 の 言 語 としても 専 ら 英 語 が 使 用 されており したがってインド 企 業 との 間 で 契 約 を 締 結 する 場 合 の 言 語 は 通 常 英 語 とな アジア 諸 国 では 国 によっては 現 地 語 での 契 約 や 許 認 可 申 請 等 を 要 求 されることがあり そのこ とが 現 地 語 に 慣 れない 日 本 企 業 にとって 多 大 な 困 難 となることがあるが インドに 関 しては その ような 言 語 面 での 障 害 はほとんどないといえ ただし 許 認 可 や 登 記 等 の 書 類 によっては 現 地 言 語 (インドには ヒンディー 語 マラティー 語 タミル 語 など 地 域 によって 多 様 な 現 地 言 語 があ る)で 記 載 されていることもあるため そのよう な 書 類 については 英 訳 対 応 が 必 要 となることもあ (4) 司 法 制 度 インドの 司 法 制 度 それ 自 体 は 英 国 に 範 をとっ た 公 正 なものであり 特 に 高 等 裁 判 所 (High C o u r t) 以 上 の 裁 判 所 では 外 国 企 業 に 対 しても 公 平 な 裁 判 が 期 待 できアジア 諸 国 の 中 には 裁 判 官 の 汚 職 腐 敗 により そもそも 裁 判 自 体 が 公 正 であることを 期 待 できない 国 もあるが イン ドはそのような 問 題 は 少 ない 国 であ しかしながら 構 造 的 な 問 題 として インドの 裁 判 は 訴 訟 件 数 の 多 さと 裁 判 官 の 不 足 から 未 済 滞 留 案 件 が 多 数 にのぼっており 解 決 までにきわ めて 時 間 のかかる 制 度 となってしまってい 第 一 審 だけでも 結 審 までの 期 間 は5 年 を 超 えること が 多 く また さらに 控 訴 上 告 がなされた 場 合 裁 判 期 間 が20 年 以 上 に 及 んでしまうことも 珍 しく ない これだけ 裁 判 に 時 間 がかかってしまうと 結 論 として 勝 訴 したとしても 訴 訟 にかかる 弁 護 士 費 用 等 の 金 銭 コストや 担 当 者 対 応 等 の 人 的 コ ストにより 大 きな 損 害 を 蒙 るおそれもあ そのため インド 企 業 との 取 引 において 紛 争 解 決 方 法 を 定 める 場 合 可 能 な 限 りインド 国 内 での 裁 判 以 外 の 方 法 を 選 択 すべきであ (5)インド 人 の 法 的 マインド 上 述 のとおり インドの 法 体 系 は 英 国 の 制 度 を 導 入 したものであるが 法 制 度 の 外 形 だけでなく 法 律 や 契 約 に 対 する 考 え 方 の 内 面 においても イ ンドは 英 国 の 影 響 を 大 きく 受 けてい たとえば 契 約 について インドは 英 米 式 の 契 約 社 会 であり 全 てのビジネスは 契 約 に 基 づいて 行 われ 契 約 には 履 行 されるべき 事 項 や 契 約 不 履 行 の 場 合 の 対 応 などが 詳 細 に 規 定 され 英 国 や 米 国 におけるのと 同 様 インドにおいては 契 約 に 記 載 されていない 事 項 は 基 本 的 に 契 約 内 容 の 2012.11 第 59 巻 11 号 3

範 囲 外 とみなされそのため インド 企 業 と 契 約 を 締 結 する 際 は 英 国 や 米 国 の 企 業 と 契 約 を 締 結 するのと 同 じ 心 構 えで 臨 む 必 要 があ また 上 記 英 米 法 的 な 考 え 方 から インド 人 は 日 本 人 と 比 べて 訴 訟 に 対 する 抵 抗 感 が 低 く 日 本 人 の 感 覚 からすると 訴 訟 を 起 こすまでもないよ うな 事 件 についても 訴 訟 を 提 起 してくることがあ 上 述 のとおり インドでは 訴 訟 に 非 常 に 時 間 がかかるため 日 本 企 業 にとっては インド 人 の 訴 訟 好 き な 国 民 性 は インド 企 業 と 取 引 等 を 行 う 上 での 法 的 リスクとなりう 3.インド 企 業 と 契 約 する 場 合 の 留 意 点 (1) 一 般 的 な 留 意 点 上 述 のとおり インドでは ビジネス 言 語 とし ては 専 ら 英 語 が 使 用 されているため インド 企 業 との 間 の 契 約 の 言 語 は 通 常 英 語 とな インドでは 英 米 法 の 書 面 主 義 の 考 え 方 から 日 本 法 と 比 べても より 契 約 書 の 文 言 が 重 視 され る 傾 向 にあり 黙 示 の 合 意 や 当 事 者 の 合 理 的 意 思 解 釈 といった 主 張 は 認 められにくい 傾 向 にあ したがって インド 企 業 (あるいはインドの 個 人 )と 売 買 契 約 代 理 店 契 約 等 の 契 約 を 締 結 する 場 合 必 要 な 事 項 は 全 て 契 約 に 規 定 すべきであ すなわち 相 手 方 に 履 行 してほしい 事 項 や 解 除 等 の 契 約 終 了 の 条 件 は 全 て 契 約 に 明 示 的 に 記 載 す べきであり 必 要 に 応 じて 別 紙 を 添 付 するなどし て 契 約 内 容 の 明 確 化 に 務 めるべきであ 日 本 企 業 の 中 には 日 本 での 契 約 の 感 覚 で 非 常 に 短 い 契 約 書 ( 日 本 で 使 用 している 契 約 書 を 英 訳 したもの 等 )で 契 約 を 締 結 しようとするところ も 見 受 けられまた インド 国 内 の 地 域 によっ ては 長 文 の 契 約 書 を 嫌 う 傾 向 があり 日 本 企 業 がこれに 合 わせて 簡 単 な 契 約 書 のみを 締 結 してい ることもあ しかしながら インドにおいて 短 い 契 約 書 の みで 取 引 を 行 うことは 法 的 リスクの 高 い 行 為 で あ 無 意 味 に 長 文 の 契 約 書 を 締 結 する 必 要 はも ちろん 無 いが 取 引 において 一 般 的 に 予 想 されう る 事 態 に 対 処 しうる 必 要 最 低 限 のことは 規 定 され ている 必 要 があ (2) 準 拠 法 既 に 述 べたとおり 歴 史 的 な 沿 革 から 英 国 の 法 令 が 多 く 輸 入 されたこともあり インドの 法 整 備 状 況 は 他 のアジア 諸 国 と 比 較 しても 良 く また 法 令 が 英 国 法 に 由 来 することから 法 令 の 内 容 自 体 が 不 合 理 であるなどの 問 題 もあまり 見 られない そのため インド 企 業 との 取 引 の 際 に 準 拠 法 をインド 法 としたとしても 通 常 そのこと 自 体 によって 日 本 企 業 に 大 きな 不 利 益 が 生 じることは ない 日 本 企 業 とインド 企 業 の 間 の 一 般 的 な 契 約 交 渉 では 準 拠 法 については 日 本 側 がインド 法 で 合 意 する 代 わりに 後 述 の 紛 争 解 決 方 法 を 第 三 国 仲 裁 等 の 日 本 側 が 希 望 する 方 法 で 譲 歩 させることが 多 い (3) 紛 争 解 決 方 法 日 本 企 業 の 現 地 事 業 拠 点 が 取 引 先 インド 企 業 と 契 約 を 締 結 する 場 合 であっても(すなわち イン ド 国 内 の 取 引 であっても) 紛 争 解 決 方 法 を イ ンドでの 裁 判 と 合 意 することは 1インドにお ける 訴 訟 全 般 の 遅 延 問 題 および2インド 人 の 訴 訟 好 き な 国 民 性 の 観 点 から 可 能 な 限 り 避 ける べきであ インドにおける 訴 訟 全 体 の 遅 延 問 題 について 前 述 のとおり インドの 司 法 制 度 それ 自 体 は 公 正 な 判 断 が 期 待 できるものではあるが 構 造 的 な 問 題 として インドの 裁 判 は 訴 訟 件 数 の 多 さと 裁 判 官 の 不 足 から 未 済 滞 留 案 件 が 多 数 にのぼってお り 解 決 までにきわめて 時 間 のかかる 制 度 となっ てしまっていそのため インドでの 裁 判 を 紛 争 解 決 方 法 として 合 意 した 場 合 解 決 までに 5~10 年 場 合 によっては 数 十 年 かかることにな りかねない また インド 人 の 訴 訟 好 き の 国 民 性 につい て 英 米 法 的 な 考 え 方 から インド 人 は 日 本 人 と 比 べて 訴 訟 に 対 する 抵 抗 感 が 低 く インド 国 内 での 裁 判 は ( 第 三 国 での 仲 裁 等 と 比 べて)イ ンド 人 にとって 訴 訟 提 起 のハードルが 低 いため 契 約 で 紛 争 解 決 方 法 をインドでの 裁 判 と 合 意 した 場 合 簡 単 に 訴 訟 を 提 起 され 長 期 の 訴 訟 に 巻 き 4 2012.11 第 59 巻 11 号

込 まれてしまうリスクが 高 くなってしまう 他 方 紛 争 解 決 方 法 を 日 本 での 裁 判 とする ことにもリスクが 伴 う 日 本 とインドの 間 では 過 去 に 裁 判 の 判 決 の 相 互 承 認 を 行 った 例 がないた め 日 本 の 裁 判 でインド 企 業 相 手 に 勝 訴 判 決 を 得 たとしても インド 国 内 での 執 行 が 認 められない 可 能 性 が 高 いためであ 以 上 を 踏 まえ 紛 争 解 決 方 法 としては 比 較 的 迅 速 な 解 決 が 期 待 できる 日 本 または 第 三 国 での 仲 裁 を 選 択 することが 望 ましい(もっとも 日 本 で の 仲 裁 は インド 側 が 拒 絶 することが 多 い) 日 本 もインドも 外 国 仲 裁 判 断 の 承 認 および 執 行 に 関 する 条 約 (いわゆる ニューヨーク 条 約 )に 加 盟 しているため 仲 裁 判 断 は 原 則 として 相 互 に 承 認 執 行 され 日 本 企 業 (またはその 現 地 事 業 拠 点 )が 取 引 先 インド 企 業 と 契 約 を 締 結 する 場 合 に 最 もよく 選 択 される 紛 争 解 決 方 法 は 第 三 国 特 にシンガポー ルでの 仲 裁 であシンガポールはインドと 同 じ く 英 米 法 の 法 体 系 の 国 であること 公 用 語 が 英 語 であること シンガポールの 仲 裁 センターが 国 際 取 引 の 仲 裁 の 経 験 を 多 数 有 していること 地 理 的 に 日 本 とインドの 中 間 地 点 にあることなどが そ の 主 な 理 由 であ 紛 争 解 決 方 法 に 関 するインド 法 特 有 の 問 題 とし て インド 国 外 での 仲 裁 を 紛 争 解 決 方 法 として 合 意 する 場 合 インドの 仲 裁 法 である 1996 年 仲 裁 および 調 停 法 (Arbitration and Conciliation Act, 1996) の 第 一 章 の 適 用 を 排 除 する 旨 の 明 示 的 規 定 が 契 約 上 設 けられる 点 が 挙 げられ これは 外 国 仲 裁 の 判 断 であっても 当 事 者 が 明 示 的 に 当 該 仲 裁 に1996 年 仲 裁 および 調 停 法 の 第 一 章 の 適 用 を 排 除 する 旨 合 意 していない 限 り インド 国 内 の 裁 判 所 が 同 法 に 基 づいて 仲 裁 判 断 を 取 消 すことができる 旨 判 示 したインド 最 高 裁 判 決 を 踏 まえた 規 定 であり 外 国 仲 裁 判 断 に 対 する インドの 裁 判 所 の 干 渉 を 防 ぐための 規 定 であ なお 近 時 インドの 最 高 裁 は 2012 年 9 月 6 日 のBhatia International v Bulk Trading SA 事 件 に 関 する 判 決 において ( 当 事 者 の 合 意 の 有 無 にか かわらず) 外 国 で 行 われる 仲 裁 には 1996 年 仲 裁 および 調 停 法 の 第 一 章 は 適 用 されない との 新 判 断 を 示 しており 実 質 的 な 判 例 変 更 を 行 ってい そのため 同 判 決 以 降 は 外 国 仲 裁 の 合 意 に イ ンドの1996 年 仲 裁 および 調 停 法 の 第 一 章 の 適 用 を 排 除 する 旨 の 明 示 的 規 定 を 設 けなくとも インド 国 内 の 裁 判 所 が 同 法 に 基 づいて 仲 裁 判 断 を 取 消 す ことはできなくなったと 考 えられ (4)インド 企 業 との 契 約 に 規 定 することが 推 奨 される 主 な 条 項 ア 中 途 解 除 / 不 更 新 条 項 特 に 一 定 期 間 継 続 することが 予 定 されている 契 約 については 必 ず 契 約 の 中 途 解 除 条 項 または 不 更 新 条 項 ( 契 約 更 新 義 務 がないこと)を 規 定 して おくべきであ インドには 日 本 のように 一 定 期 間 継 続 した 契 約 の 解 除 を 制 限 する 法 令 や 判 例 法 理 等 は 存 在 せ ず 継 続 的 売 買 契 約 や 代 理 店 契 約 の 契 約 期 間 中 の 中 途 解 除 が 認 められるかどうかは 契 約 にその 旨 が 明 示 的 に 規 定 されているかどうかによ 逆 に 言 えば 契 約 に 中 途 解 約 条 項 に 関 する 規 定 がなく また 契 約 期 間 の 定 めがない 場 合 には 相 手 方 が 契 約 の 合 意 解 除 に 任 意 で 応 じない 限 りは 契 約 は 継 続 してしまうことにな 特 に 代 理 店 契 約 やエージェント 契 約 など イン ド 企 業 側 に 一 定 の 権 利 を 与 える 契 約 の 場 合 日 本 企 業 とインド 企 業 の 利 害 が 深 刻 に 衝 突 するケース もあり 契 約 に 解 除 終 了 に 関 する 明 確 な 規 定 が ない 場 合 (また 規 定 があっても) 訴 訟 に 発 展 し てしまうケースが 少 なくない そのため あらか じめ 契 約 自 体 を 解 除 し または 終 了 させる 契 約 上 の 権 利 を 日 本 企 業 側 が 確 保 しておくことはきわめ て 重 要 とな 一 般 に 中 途 解 除 条 項 としては 一 定 期 間 ( 3ヶ 月 など) 前 の 書 面 での 通 知 により いつでも 契 約 が 解 除 できるとする 条 項 が 規 定 されることが 多 い また 契 約 不 更 新 による 終 了 の 可 能 性 を 確 保 しておきたい 場 合 1 契 約 に 有 効 期 間 を 設 ける 2 契 約 を 自 動 更 新 とはしない 3 両 当 事 者 ともに 契 約 の 更 新 義 務 を 負 わない 旨 を 明 記 する 等 の 契 約 上 の 対 応 が 必 要 とな 2012.11 第 59 巻 11 号 5

イ 供 給 停 止 条 項 および 商 品 回 収 条 項 日 本 企 業 側 がインド 側 に 物 やサービスの 継 続 的 供 給 を 行 う 契 約 ( 継 続 的 売 買 契 約 など)において は 相 手 方 に 債 務 不 履 行 特 に 代 金 の 支 払 義 務 の 不 履 行 があった 場 合 に 日 本 企 業 側 が 即 時 に 供 給 を 停 止 することができるとともに 既 に 供 給 した 商 品 を 回 収 することができる 旨 の 規 定 を 契 約 に 設 けておくことが 取 引 相 手 からの 債 権 回 収 の 確 保 という 観 点 から 重 要 であ インド 企 業 は 特 に 中 小 企 業 の 場 合 には 支 払 いが 遅 延 することが 少 なくなく また 合 理 的 な 理 由 無 く 支 払 いを 拒 絶 してくることがあ 他 方 で インドでは 外 国 企 業 が 担 保 をとることは 難 しく また 仮 に 担 保 が 取 れたとしても 裁 判 や 仲 裁 に 非 常 に 時 間 がかかること またそれらの 手 続 におい て 勝 訴 判 決 を 得 たとしても 執 行 が 困 難 であること から 支 払 いを 遅 延 し 拒 絶 するインド 企 業 から 強 制 的 に 債 権 を 回 収 することは 困 難 であ 上 記 状 況 を 踏 まえ 支 払 いを 遅 延 し または 拒 絶 した 場 合 に 日 本 企 業 側 が 即 時 に 供 給 を 停 止 す ることができるとともに 既 に 供 給 した 商 品 を 回 収 することができる 旨 の 規 定 を 契 約 中 に 規 定 して おくことで 相 手 方 が 支 払 わざるをえない 状 況 に することが インドにおける 有 効 な 債 権 回 収 確 保 の 手 段 となりう 終 了 後 一 定 期 間 の 競 業 避 止 義 務 を 課 すような 条 項 は 無 効 となまた 雇 用 契 約 において 役 員 や 従 業 員 に 退 職 後 の 競 業 避 止 義 務 を 課 すことなども 無 効 とされ なお 契 約 期 間 終 了 後 の 競 業 避 止 義 務 の 規 定 は 上 述 のとおり 無 効 ではあるものの そのような 規 定 を 設 けること 自 体 が 違 法 というわけではない そのため 無 効 であることを 承 知 しつつも 心 理 的 な 拘 束 力 を 期 待 して あえて 契 約 終 了 後 の 競 業 避 止 義 務 の 規 定 を 設 けることも 実 務 上 多 く 行 わ れていただし 規 定 自 体 が 法 的 に 無 効 である 以 上 たとえば 上 記 の 例 でインド 側 代 理 店 ( 元 代 理 店 )が 契 約 終 了 後 の 競 業 避 止 義 務 に 違 反 して 契 約 終 了 後 に 競 業 行 為 を 行 ったとしても それに 対 して 契 約 違 反 を 主 張 して 損 害 賠 償 等 の 請 求 を 行 うことは 困 難 であ ( 次 号 に 続 く) ウ 競 業 避 止 条 項 (non-compete clause) 日 本 企 業 がインド 企 業 と 代 理 店 契 約 を 締 結 する 場 合 インド 側 代 理 店 による 日 本 側 への 競 業 避 止 義 務 を 課 す 競 業 避 止 条 項 が 規 定 されることが 通 常 であただし インドでは 契 約 期 間 中 の 競 業 避 止 義 務 を 定 める 規 定 は 有 効 とされるものの 契 約 期 間 終 了 後 の 競 業 避 止 義 務 を 定 める 規 定 は 原 則 として 無 効 とされることに 注 意 が 必 要 であ インドの 契 約 法 である1872 年 契 約 法 (Contract Act, 1871)の27 条 は 適 法 な 事 業 や 取 引 を 制 限 す るような 規 定 は 無 効 である 旨 規 定 してい 同 条 に 基 づき インドの 判 例 では 契 約 期 間 中 の 競 業 避 止 義 務 は 有 効 契 約 期 間 終 了 後 の 競 業 避 止 義 務 は 原 則 として 無 効 と 解 釈 されてい したがって たとえばインド 側 代 理 店 に 契 約 6 2012.11 第 59 巻 11 号