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2.1 検 討 の 背 景 と 目 的 木 造 軸 組 構 法 住 宅 の 耐 震 性 を 確 保 するためには 建 築 基 準 法 で 定 められた 量 以 上 の 耐 力 壁 を 釣 り 合 いよく 配 置 する 必 要 があるが その 耐 力 壁 の 性 能 を 担 保 するために 必 要 な 木 材 の 品 質 については 細 かく 指 定 されておらず 最 低 品 質 すら 決 められていない そこで 現 行 の 建 築 基 準 法 施 行 令 46 条 および 昭 和 56 年 建 設 省 告 示 第 1 号 で 定 められている 軸 組 構 法 耐 力 壁 について 使 用 する 木 材 の 強 度 等 級 や 材 料 密 度 あるいは 面 材 料 の 単 板 構 成 とい った 品 質 の 違 いと 耐 力 壁 の 面 内 せん 断 性 能 との 関 係 を 明 らかにするため 様 々な 実 験 的 検 討 を 行 った まず 始 めに 軸 組 材 の 品 質 に 焦 点 を 絞 って 実 験 を 行 い その 後 は 面 材 料 の 品 質 の 差 異 およびそれらの 相 互 関 係 の 影 響 そして 筋 かいの 品 質 の 差 異 に 絞 った 検 討 と 大 きく 分 けて 4 種 類 の 検 討 を 行 った これらの 検 討 によって 軸 組 構 法 耐 力 壁 に 用 いる 材 料 の 品 質 が 構 造 性 能 に 及 ぼす 影 響 を 定 性 的 に 明 らかにすることを 最 終 的 な 目 的 とする 2.2 H24 年 度 までの 成 果 2.2.1 軸 組 材 の 品 質 の 差 異 が 軸 組 構 法 耐 力 壁 の 性 能 に 及 ぼす 影 響 まず 始 めに 軸 組 材 の 品 質 を 変 化 させることによって 耐 力 壁 の 性 能 がどの 程 度 変 化 する のか 検 証 することとした (1) 試 験 材 料 ( 財 ) 日 本 住 宅 木 材 技 術 センターの 定 める 木 造 の 耐 力 壁 およびその 倍 率 性 能 評 価 業 務 方 法 書 ( 以 下 方 法 書 ) に 準 拠 し 梁 がベイマツ 製 材 柱 土 台 等 にはスギ 製 材 を 用 いた 耐 力 要 素 としては 2 種 類 検 討 した 面 材 料 は JAS 特 類 2 級 の 構 造 用 合 板 ( 樹 種 :カラ マツ 寸 法 7.5 9 273mm)とし N5 釘 を 用 いて 15mm 間 隔 で 留 め 付 けた もう 一 種 類 は 筋 かいで JAS 特 級 の 構 造 用 単 板 積 層 材 (E 樹 種 :ダフリカカラマツ 断 面 寸 法 :45 9mm)を 2 倍 筋 かい 金 具 で 留 め 付 けた 図 2.1 筋 かい 耐 力 壁 の 概 略 図 2.2 合 板 耐 力 壁 の 概 略 (2) 試 験 体 仕 様

本 実 験 では 検 討 項 目 を 3 つ 設 定 し それぞれ 3 体 の 試 験 体 を 製 作 した a) JAS 目 視 等 級 区 分 製 材 による 検 証 ( 以 下 目 視 等 級 区 分 ) 軸 組 材 の 品 質 区 分 を JAS 目 視 等 級 区 分 製 材 とし 全 て 同 一 の 等 級 の 部 材 を 用 いて 耐 力 壁 を 構 成 することとした 表 2.1 目 視 等 級 区 分 製 材 を 用 いた 試 験 体 一 覧 試 験 体 番 号 梁 (ベイマツ) 柱 (スギ) 土 台 (スギ) 耐 力 要 素 E-KO1-BR-1,2,3 甲 種 1 級 E-KO2-BR-1,2,3 甲 種 2 級 E-KO3-BR-1,2,3 甲 種 3 級 E-OT1-BR-1,2,3 乙 種 1 級 筋 かい E-OT2-BR-1,2,3 乙 種 2 級 E-OT3-BR-1,2,3 乙 種 3 級 E-KO1-PW-1,2,3 甲 種 1 級 E-KO2-PW-1,2,3 甲 種 2 級 E-KO3-PW-1,2,3 甲 種 3 級 E-OT1-PW-1,2,3 乙 種 1 級 構 造 用 合 板 E-OT2-PW-1,2,3 乙 種 2 級 E-OT3-PW-1,2,3 乙 種 3 級 試 験 体 記 号 :E 目 視 KO 甲 種 OT 乙 種 BR 筋 かい PW 合 板 b) JAS 機 械 等 級 区 分 製 材 による 検 証 ( 以 下 機 械 等 級 区 分 ) 軸 組 材 の 品 質 区 分 を JAS 機 械 等 級 区 分 製 材 とし 梁 については 最 も 一 般 的 な 品 質 と 思 わ れる E1 に 固 定 し 柱 と 土 台 は E5,E7,E9 の 3 グレードの 組 み 合 わせで 試 験 体 を 構 成 することとした 表 2.2 機 械 等 級 区 分 製 材 を 用 いた 試 験 体 一 覧 試 験 体 番 号 梁 (ベイマツ) 柱 (スギ) 土 台 (スギ) 耐 力 要 素 M-C5S5-BR-1,2,3 M-C7S5-BR-1,2,3 E5 E5 E5 M-C7S7-BR-1,2,3 E7 E7 筋 かい M-C7S9-BR-1,2,3 E9 M-C9S9-BR-1,2,3 E1 E9 E9 M-C5S5-PW-1,2,3 E5 E5 M-C7S5-PW-1,2,3 E5 M-C7S7-PW-1,2,3 E7 E7 構 造 用 合 板 M-C7S9-PW-1,2,3 E9 M-C9S9-PW-1,2,3 E9 E9 試 験 体 記 号 :M 機 械 C 柱 S 土 台 BR 筋 かい PW 合 板 c) 密 度 による 区 分 を 行 った 製 材 による 検 証 ( 以 下 密 度 区 分 ) 軸 組 材 の 品 質 区 分 を 密 度 とし 下 表 の 組 み 合 わせで 試 験 体 を 構 成 した 11

表 2.3 密 度 制 御 を 行 った 材 料 を 用 いた 試 験 体 一 覧 試 験 体 番 号 梁 (ベイマツ) 柱 (スギ) 土 台 (スギ) 耐 力 要 素 D-B5C3S4-BR-1,2,3 3-35 D-B5C35S4-BR-1,2,3 35-4 D-B5C4S4-BR-1,2,3 4-45 4-45 D-B5C45S4-BR-1,2,3 5-55 45-5 D-B5C4S3-BR-1,2,3 3-35 D-B5C4S35-BR-1,2,3 35-4 D-B5C4S45-BR-1,2,3 4-45 45-5 D-B45C4S4-BR-1,2,3 45-5 D-B55C4S4-BR-1,2,3 55-6 4-45 D-B5C3S4-PW-1,2,3 3-35 D-B5C35S4-PW-1,2,3 35-4 D-B5C4S4-PW-1,2,3 4-45 4-45 D-B5C45S4-PW-1,2,3 5-55 45-5 D-B5C4S3-PW-1,2,3 3-35 D-B5C4S35-PW-1,2,3 35-4 D-B5C4S45-PW-1,2,3 4-45 45-5 D-B45C4S4-PW-1,2,3 45-5 D-B55C4S4-PW-1,2,3 55-6 4-45 試 験 体 記 号 :D 密 度 B 梁 C 柱 S 土 台 BR 筋 かい PW 合 板 筋 かい 構 造 用 合 板 密 度 の 単 位 :kg/m 3 (3) 試 験 評 価 法 試 験 評 価 法 は ( 財 ) 日 本 住 宅 木 材 技 術 センターの 定 める 木 造 の 耐 力 壁 およびその 倍 率 性 能 評 価 業 務 方 法 書 ( 以 下 方 法 書 ) に 準 拠 して 行 った H1 V2 V1 H2 図 2.3 試 験 方 法 概 略 (4) 試 験 結 果 a) JAS 目 視 等 級 区 分 製 材 による 検 証 結 果 包 絡 線 と 倍 率 算 定 結 果 を 示 した 12

試 験 体 シリーズ 軸 材 品 質 図 2.4 包 絡 線 の 比 較 ( 目 視 等 級 区 分 ) 表 2.4 倍 率 算 定 結 果 ( 目 視 等 級 区 分 ) 耐 力 要 素 P y P u(.2/ds ) 2/3P max P (1/1rad) 短 期 基 準 せん 断 耐 力 P (kn) E-KO1-BR 甲 種 1 7.2 8.6 9.1 12.6 7.2 2. E-KO2-BR 甲 種 2 7.2 6.7 9. 11.8 6.7 1.9 E-KO3-BR 甲 種 3 7.5 7.1 9.4 13. 7.1 2. 筋 かい E-OT1-BR 乙 種 1 7.3 5.6 8.6 11.8 5.6 1.6 E-OT2-BR 乙 種 2 7.5 7.1 9.4 12.3 7.1 2. E-OT3-BR 乙 種 3 6.8 5.6 8.5 11.3 5.6 1.6 E-KO1-PW 甲 種 1.8 11.4 13.7 14.9.8 3. E-KO2-PW 甲 種 2 9.8.1 12.7 13.6 9.8 2.7 E-KO3-PW 甲 種 3.4 11. 13.5 13.8.4 2.9 合 板 E-OT1-PW 乙 種 1.5 13.2 13.2 14.3.5 2.9 E-OT2-PW 乙 種 2.7 11.7 13.9 14.5.7 3. E-OT3-PW 乙 種 3.6 14. 13.5 14..6 3. 注 :P は 壁 長 1.82mあたりの 耐 力 試 験 倍 率 b) JAS 機 械 等 級 区 分 製 材 による 検 証 結 果 包 絡 線 と 倍 率 算 定 結 果 を 示 した 図 2.5 包 絡 線 の 比 較 ( 機 械 等 級 区 分 ) 13

試 験 体 シリーズ 表 2.5 倍 率 算 定 結 果 ( 機 械 等 級 区 分 ) 軸 材 品 質 試 験 耐 力 要 素 梁 柱 土 台 P y P u(.2/ds ) 2/3P max P (1/1rad) M-C5S5-BR E5 7.7 7.8 9.8 12.3 7.7 2.2 E5 M-C7S5-BR 8.1 6.8 9.7 12.7 6.8 1.9 M-C7S7-BR E1 E7 E7 筋 かい 7.6 7.2 9.5 12.5 7.2 2. M-C7S9-BR 8.1 7.9 9.9 13. 7.9 2.2 E9 M-C9S9-BR E9 7.9 7.4.1 13.2 7.4 2.1 M-C5S5-PW E5 9.1 12.2 11.2 12.2 9.1 2.6 E5 M-C7S5-PW 9.4 11.5 12.2 12.8 9.4 2.6 M-C7S7-PW E1 E7 E7 合 板.1 11.4 13.3 14.2.1 2.8 M-C7S9-PW.1 11.5 12.8 13.7.1 2.8 E9 M-C9S9-PW E9 9.9 11. 12.7 14.2 9.9 2.8 注 :P は 壁 長 1.82mあたりの 耐 力 短 期 基 準 せん 断 耐 力 P (kn) 倍 率 c) 密 度 による 区 分 を 行 った 製 材 による 検 証 結 果 包 絡 線 と 倍 率 算 定 結 果 を 示 した 図 2.6 包 絡 線 の 比 較 ( 密 度 区 分 ) 14

試 験 体 シリーズ 表 2.6 倍 率 算 定 結 果 ( 密 度 区 分 ) 軸 材 密 度 (kg/m 3 ) 試 験 耐 力 要 素 梁 柱 土 台 P y P u(.2/ds ) 2/3P max P (1/1rad) 短 期 基 準 せん 断 耐 力 P (kn) D-B5C3S4-BR 3-35 7. 7.1 8.8 11.5 7. 2. D-B5C35S4-BR 35-4 7.4 7.8 9.1 12. 7.4 2.1 4-45 D-B5C4S4-BR 4-45 7.1 7.5 9.4 13. 7.1 2. D-B5C45S4-BR 5-55 45-5 7.2 7. 9.3 12.6 7. 2. D-B5C4S3-BR 3-35 筋 かい 7.1 8.3 9. 12.3 7.1 2. D-B5C4S35-BR 35-4 7.8 8.8 9.6 12.7 7.8 2.2 D-B5C4S45-BR 4-45 45-5 7.9 7.6 9.4 12.3 7.6 2.1 D-B45C4S4-BR 45-5 7.5 9.1 9.5 12.7 7.5 2.1 4-45 D-B55C4S4-BR 55-6 8.3 9.3.3 13.2 8.3 2.3 D-B5C3S4-PW 3-35 9.9 13.2 12.5 13.1 9.9 2.8 D-B5C35S4-PW 35-4.1 12.4 13.1 14.3.1 2.8 4-45 D-B5C4S4-PW 4-45 9.9.2 12.5 13.2 9.9 2.8 D-B5C45S4-PW 5-55 45-5.2 11.2 12.8 13.2.2 2.9 D-B5C4S3-PW 3-35 合 板 9.8 12.1 12.6 12.8 9.8 2.7 D-B5C4S35-PW 35-4 9.8 11.6 12.7 13.4 9.8 2.7 D-B5C4S45-PW 4-45 45-5 9.8 11.3 12.3 12.9 9.8 2.7 D-B45C4S4-PW 45-5 9.5 13 12.1 13.2 9.5 2.7 4-45 D-B55C4S4-PW 55-6 9.8 12.7 12.4 13.1 9.8 2.7 注 :P は 壁 長 1.82mあたりの 耐 力 倍 率 (5) まとめ 軸 組 材 の 品 質 の 差 異 が 軸 組 構 法 耐 力 壁 の 性 能 に 及 ぼす 影 響 を 検 証 した 結 果 を 纏 めると 以 下 のようになる 1) 目 視 等 級 区 分 製 材 を 用 いた 耐 力 壁 の 性 能 を 検 証 した 結 果 軸 組 材 の 品 質 の 違 いによる 差 は 明 確 には 見 られず 筋 かいや 合 板 といった 耐 力 要 素 の 品 質 の 違 いや 施 工 のばらつき による 影 響 の 方 が 大 きいと 見 受 けられた 2) 機 械 等 級 区 分 製 材 を 用 いた 耐 力 壁 の 性 能 を 検 証 した 結 果 筋 かい 耐 力 壁 の 場 合 には 剛 性 耐 力 変 形 性 能 共 に 軸 組 材 の 品 質 による 明 確 な 差 は 得 られなかった 合 板 耐 力 壁 の 場 合 には ヤング 係 数 の 低 い 部 材 を 用 いたシリーズで 耐 力 が 低 い 傾 向 が 見 られた ヤン グ 係 数 の 高 い 部 材 の 方 が 僅 かに 部 材 密 度 が 高 くなる 傾 向 が 見 られたことから その 影 響 も 含 まれていると 考 えられる 3) 密 度 区 分 による 材 を 用 いた 耐 力 壁 の 性 能 を 検 証 した 結 果 筋 かい 耐 力 壁 の 場 合 には 最 大 耐 力 に 到 達 するまでの 区 間 で 僅 かな 差 が 見 られた 柱 と 土 台 の 密 度 を 変 化 させたシリ ーズでは いずれも 最 も 密 度 の 低 い 材 を 用 いたシリーズが 最 も 耐 力 が 低 くなり 筋 かい 耐 力 壁 においても 僅 かではあるが 部 材 密 度 による 差 が 生 じると 判 断 することが 可 能 で あった 合 板 耐 力 壁 の 場 合 には 一 番 密 度 が 低 い 軸 組 材 を 用 いた 試 験 体 の 剛 性 耐 力 が 最 も 低 くなったものの 軸 組 材 密 度 と 壁 の 性 能 との 間 に 明 確 な 相 関 関 係 は 見 られなかっ た 2.2.2 軸 組 材 及 び 面 材 料 の 密 度 が 軸 組 構 法 耐 力 壁 の 性 能 に 及 ぼす 影 響 次 に 軸 組 材 密 度 の 違 いについて 再 度 検 証 すると 共 に 面 材 料 の 密 度 の 違 いによる 耐 力 壁 性 能 の 差 異 についても 検 討 を 行 った (1) 試 験 材 料 用 いた 材 料 は 2.2.1 と 同 様 であり 仕 口 の 構 成 方 法 や 金 物 の 仕 様 面 材 料 の 留 め 付 け 仕 様 も 同 様 である なお 今 回 は 筋 かい 耐 力 壁 は 検 討 対 象 外 とした 15

(2) 試 験 体 仕 様 a) 軸 組 材 の 密 度 の 差 異 による 検 証 梁 柱 土 台 を 気 乾 密 度 で 3 つに 区 分 して 軸 組 材 密 度 の 影 響 を 検 証 した 合 板 について は 全 層 カラマツの 構 造 用 合 板 とした 表 2.7 軸 組 材 の 密 度 制 御 を 行 った 試 験 体 一 覧 試 験 シリーズ 軸 材 の 目 標 密 度 (kg/m 3 ) ベイマツ スギ 合 板 の 単 板 構 成 LH9 45 程 度 35 程 度 カラマツ MH9 5 程 度 4 程 度 カラマツ HH9 55 程 度 45 程 度 カラマツ b) 構 造 用 合 板 の 密 度 ( 単 板 構 成 )の 差 異 による 検 証 構 造 用 合 板 の 単 板 構 成 を 変 え 合 板 密 度 の 影 響 を 検 証 した 単 板 構 成 は 全 層 スギ カ ラマツ-スギ 複 合 全 層 カラマツの 3 種 類 で 全 て 3ply である なお カラマツ-スギ 複 合 合 板 の 構 成 は 表 板 がカラマツ 中 板 がスギである 梁 柱 土 台 の 品 質 は 一 定 とした 表 2.8 面 材 料 の 密 度 制 御 を 行 った 試 験 体 一 覧 試 験 シリーズ 軸 材 の 目 標 密 度 (kg/m 3 ) ベイマツ スギ 合 板 の 単 板 構 成 ML9 5 程 度 4 程 度 スギ MM9 5 程 度 4 程 度 カラマツ-スギ 複 合 MH9 5 程 度 4 程 度 カラマツ (3) 試 験 評 価 法 2.2.1 と 同 様 とした (4) 試 験 結 果 a) 軸 組 材 密 度 の 差 異 による 検 証 結 果 各 シリーズ 3 体 の 包 絡 線 を 図 2.7 に 倍 率 算 定 結 果 を 表 2.9 に 示 した.2.4.6.8.2.4.6.8.2.4.6.8 LH9-1 LH9-2 LH9-3 MH9-1 MH9-2 MH9-3 HH9-1 HH9-2 HH9-3 図 2.7 包 絡 線 の 比 較 ( 軸 組 材 密 度 制 御 ) 表 2.9 倍 率 算 定 結 果 ( 軸 組 材 密 度 制 御 ) 軸 材 目 標 密 度 (kg/m 3 ) 試 験 P 面 材 構 成 ベイマツ スギ Py.2Pu/Ds 2/3Pmax P(1/1) (kn/m) 倍 率 LH9 45 35 カラマツ 9.68 15.1 12.44 13.59 5.32 2.71 MH9 5 4 カラマツ.18 14.4 13.11 14. 5.59 2.85 HH9 55 45 カラマツ 9.88 13.47 12.29 13.32 5.43 2.77 16

b) 面 材 密 度 の 差 異 による 検 証 結 果 各 シリーズ 3 体 の 包 絡 線 を 図 2.8 に 倍 率 算 定 結 果 を 表 2. に 示 した ML9-1 ML9-2 ML9-3 MM9-1 MM9-2 MM9-3 MH9-1 MH9-2 MH9-3 図 2.8 包 絡 線 の 比 較 ( 面 材 密 度 制 御 ) 表 2. 倍 率 算 定 結 果 ( 面 材 密 度 制 御 ) 軸 材 目 標 密 度 (kg/m 3 ) 試 験 P 面 材 構 成 ベイマツ スギ Py.2Pu/Ds 2/3Pmax P(1/1) (kn/m) 倍 率 ML9 5 4 スギ 8.39 9.16 11. 11.56 4.61 2.35 MM9 5 4 カラマツ-スキ 複 合 8.77.98 11.19 12.61 4.82 2.46 MH9 5 4 カラマツ.18 14.4 13.11 14. 5.59 2.85 (5) まとめ 軸 組 材 密 度 および 面 材 密 度 の 違 いによる 耐 力 壁 性 能 の 差 異 についての 検 討 結 果 を 纏 める と 以 下 のようになる 1) 軸 組 材 の 密 度 を 変 化 させた 場 合 釘 接 合 部 の 変 形 破 壊 性 状 に 若 干 異 なる 傾 向 が 見 られ るが 試 験 荷 重 や 短 期 基 準 せん 断 耐 力 倍 率 の 算 定 を 行 うとその 性 能 に 明 確 な 差 は 見 ら れなかった 軸 組 材 密 度 が 高 いと 剛 性 耐 力 は 高 くなるものの 脆 性 的 破 壊 の 危 険 性 が 増 し 軸 組 材 密 度 が 低 いと 剛 性 耐 力 は 若 干 低 下 するが 変 形 性 能 に 富 むため 耐 力 壁 の 性 能 としては 同 等 の 評 価 となったものと 推 察 される 2) 合 板 の 単 板 構 成 を 変 化 させて 面 材 密 度 を 変 化 させた 場 合 面 材 密 度 と 耐 力 壁 の 剛 性 耐 力 壁 倍 率 には 概 ね 正 の 相 関 が 見 られた 密 度 が 低 い 場 合 は 剛 性 や 耐 力 が 若 干 低 くな るだけでなく 釘 頭 のめり 込 みが 早 期 に 起 こってパンチングアウトしやすくなるため 変 形 性 能 にも 乏 しくなることが 分 かった 2.2.3 面 材 料 の 密 度 や 厚 さの 差 が 軸 組 構 法 耐 力 壁 の 性 能 に 及 ぼす 影 響 これまでの 試 験 結 果 等 を 踏 まえ 低 密 度 合 板 と 軸 組 材 品 質 の 関 係 を 追 試 することとした さらに 低 密 度 合 板 の 場 合 は 合 板 厚 さを 増 すことによって 釘 接 合 部 の 性 能 を 担 保 する 方 法 も 考 えられるため 厚 さ 12mm のスギ 合 板 を 用 いる 仕 様 についても 検 討 した (1) 試 験 材 料 用 いた 材 料 は 2.2.1 と 同 様 であり 仕 口 の 構 成 方 法 や 金 物 の 仕 様 面 材 料 の 留 め 付 け 仕 様 も 同 様 である なお 本 項 でも 筋 かい 耐 力 壁 は 対 象 外 とした (2) 試 験 体 仕 様 合 板 の 密 度 および 軸 組 材 密 度 の 組 み 合 わせにより 表 2.11 のように 試 験 体 仕 様 を 設 定 し た なお 前 項 までに 実 施 した 仕 様 についても 比 較 のために 掲 載 している 17

表 2.11 面 材 密 度 および 厚 さの 影 響 検 証 用 試 験 体 仕 様 一 覧 仕 様 合 板 密 度 合 板 厚 さ 軸 組 材 短 期 基 準 せん 断 (mm) 密 度 耐 力 P (kn/m) 倍 率 掲 載 部 分 LL9 低 ML9 9 中 4.61 2.35 2.2.2 項 HL9 高 低 (スギ) LL12 低 ML12 12 中 HL12 高 MM9 中 (カラマツ-スキ 複 合 ) 中 4.82 2.46 2.2.2 項 LH9 低 5.32 2.71 2.2.2 項 9 MH9 中 5.59 2.85 2.2.2 項 高 (カラマツ) HH9 高 5.43 2.77 2.2.2 項 MH7.5 7.5 中 5.43 2.77 2.2.1 項 (3) 試 験 評 価 法 2.2.1 と 同 様 とした (4) 試 験 結 果 各 シリーズ 3 体 の 包 絡 線 を 図 2.9 に 倍 率 算 定 結 果 を 表 2.12 に 示 した また 倍 率 算 定 に 関 わる 特 性 値 以 外 の 代 表 的 な 特 性 値 についても 表 2.13 に 纏 めた 表 2.12 倍 率 算 定 結 果 ( 面 材 密 度 及 び 厚 さ 検 証 用 ) 軸 材 目 標 密 度 (kg/m 3 ) 試 験 P 面 材 構 成 ベイマツ スギ Py.2Pu/Ds 2/3Pmax P(1/1) (kn/m) 倍 率 LL9 45 35 8.26 11.27.23 11.6 4.54 2.32 ML9 5 4 8.39 9.16 11. 11.56 4.61 2.35 HL9 55 45 8.35 9.37.6 11.99 4.59 2.34 スギ LL12 45 35 9.2 13.5 12.4 11.32 4.96 2.53 ML12 5 4 8.76 13. 12.18 12.16 4.81 2.46 HL12 55 45 9.23 13.85 12.27 12.7 5.7 2.59 MM9 5 4 カラマツ-スキ 複 合 8.77.98 11.19 12.61 4.82 2.46 LH9 45 35 9.68 15.1 12.44 13.59 5.32 2.71 MH9 5 4.18 14.4 13.11 14. 5.59 2.85 カラマツ HH9 55 45 9.88 13.47 12.29 13.32 5.43 2.77 MH7.5 5 4 9.88 12.2 12.51 13.45 5.43 2.77 表 2.13 主 な 試 験 特 性 値 の 平 均 値 ( 面 材 密 度 及 び 厚 さ 検 証 用 ) 軸 材 目 標 密 度 (kg/m 3 ) Pmax K Energy 面 材 構 成 ベイマツ スギ (kn) (kn/rad) (kn rad) μ LL9 45 35 15.73 95.774 8.6 ML9 5 4 16.67 2264.493 5.63 HL9 55 45 16.2 2584.442 6.7 スギ LL12 45 35 18.7 2138 1.1 8.52 ML12 5 4 18.48 272.816 8.55 HL12 55 45 18.89 2814.895 9.21 MM9 5 4 カラマツ-スキ 複 合 17.29 2451.694 7.8 LH9 45 35 19.3 2979.98 9.81 MH9 5 4.21 33.864 8.25 カラマツ HH9 55 45 19.25 2899.86 8.34 MH7.5 5 4 19.74 2517.754 6.79 18

LL9-1 LL9-2 LL9-3 ML9-1 ML9-2 ML9-3 HL9-1 HL9-2 HL9-3 LL12-1 LL12-2 LL12-3 ML12-1 ML12-2 ML12-3 HL12-1 HL12-2 HL12-3 LH9-1 LH9-2 LH9-3 MH9-1 MH9-2 MH9-3 HH9-1 HH9-2 HH9-3.2.4.6.8.2.4.6.8 MM9-1 MM9-2 MM9-3 MH7.5-1 MH7.5-2 MH7.5-3 図 2.9 包 絡 線 の 比 較 ( 面 材 密 度 及 び 厚 さ 検 証 用 ) (5) まとめ 低 密 度 合 板 を 用 いた 場 合 および 合 板 厚 さを 変 えた 場 合 の 耐 力 壁 性 能 の 差 異 についての 検 討 結 果 を 纏 めると 以 下 のようになる 面 材 密 度 が 高 いものを 使 用 すると 初 期 剛 性 や 降 伏 耐 力 終 局 耐 力 等 の 耐 力 値 だけでな く 塑 性 率 等 の 変 形 性 能 も 上 昇 する 傾 向 がある 面 材 密 度 が 低 いものを 使 用 すると 軸 組 材 密 度 との 関 係 で 変 形 性 能 に 大 きな 差 が 出 る 軸 組 材 密 度 が 低 いと 釘 頭 のめり 込 み 釘 の 変 形 軸 組 材 からの 釘 の 引 き 抜 けのバラン スが 良 くなり 1/rad 程 度 まで 変 形 が 進 むとパンチングアウト 等 の 破 壊 が 生 じるが 軸 組 材 密 度 が 高 い 場 合 は 軸 組 材 からの 釘 の 引 き 抜 けが 起 こりにくくなるため 早 期 にパ 19

ンチングアウトしやすくなり 耐 力 壁 全 体 としての 変 形 性 能 は 落 ちる 軸 組 材 の 密 度 が 高 くなると 耐 力 は 若 干 上 がる 傾 向 にあるが 軸 組 材 密 度 が 高 くなると 面 材 密 度 との 関 係 で 変 形 性 能 やエネルギー 吸 収 性 能 が 落 ちる 場 合 がある 面 材 厚 さを 増 すことによって 耐 力 剛 性 共 に 上 昇 し 変 形 も 粘 り 強 くなる 傾 向 がある 例 えば LL9 と HL9 の 包 絡 線 と 倍 率 評 価 結 果 およびその 他 の 特 性 値 を 比 べると 現 行 評 価 法 では HL9 の 方 が 僅 かに 高 い 性 能 になるが 塑 性 率 やエネルギー 吸 収 性 能 では 明 らか に LL9 の 方 が 優 れている 今 後 終 局 までを 考 慮 した 設 計 法 を 検 討 していく 際 には こ のような 評 価 法 の 問 題 点 を 改 善 していく 必 要 があるだろう 2.3 H25 年 度 の 検 討 方 法 前 年 度 までの 検 討 では 耐 力 壁 の 軸 組 材 面 材 の 品 質 についての 検 討 を 実 施 してきた 今 年 度 は 筋 かい 材 の 品 質 についての 検 討 を 行 う (1) 試 験 材 料 試 験 体 の 概 要 を 図 2. に 示 した 寸 法 は 幅 9mm 高 さ 約 27mm とし 軸 組 材 は 強 度 性 能 のばらつきを 抑 えるため 集 成 材 を 用 いた 試 験 体 に 用 いた 材 料 の 一 覧 を 表 2.14 に 示 し た 筋 かい 材 は 製 材 LVL 集 成 材 から 5 種 類 を 選 択 した 図 2. 試 験 体 の 概 要

表 2.14 試 験 体 に 用 いた 材 料 部 位 土 台 柱 梁 間 柱 筋 かい 金 物 仕 様 対 称 異 等 級 構 成 集 成 材 E5-F3 同 一 等 級 構 成 集 成 材 E95-F3 対 称 異 等 級 構 成 集 成 材 E5-F3 同 一 等 級 構 成 集 成 材 E95-F315 2 倍 筋 かい 金 物 (2) 試 験 体 仕 様 筋 かいの 種 類 により 表 2.15 に 示 した 試 験 体 水 準 を 設 定 した 試 験 体 数 は 各 水 準 3 体 と した 筋 かいは 各 仕 様 5~6 本 準 備 し 縦 振 動 ヤング 係 数 が 平 均 値 に 近 いもの 3 本 を 試 験 体 として 用 いた 試 験 体 の 選 別 結 果 を 表 2.16 に 示 した 表 2.15 試 験 体 水 準 試 験 体 名 筋 かい 軸 組 材 試 験 体 数 試 験 体 S すぎ KD 材 E7 集 成 材 3 試 験 体 B べいまつ KD 材 E1 集 成 材 3 試 験 体 L べいまつ LVL 9E 集 成 材 3 試 験 体 G おうしゅうあかまつ 同 一 等 級 構 成 集 成 材 E95-F315 集 成 材 3 試 験 体 T べいつが KD 材 無 等 級 集 成 材 3 表 2.16 筋 かい 材 の 選 別 結 果 断 面 長 さ 樹 種 重 量 含 水 含 水 ave 比 重 周 波 数 [Hz] ヤング 選 別 9 45 335 ベイマツ 7.6 12. 15. 16. 14.33.57 8. 13.54 9 45 33 ベイマツ 6.76 8.5 11..5..55 872. 15.38 9 45 343 ベイマツ 6.18 6.5 13. 11..17.5 829. 12.76 9 45 34 ベイマツ 6.38 13. 13. 13.5 13.17.52 829. 13.16 9 45 33 ベイマツ 7.34 16.5 16. 14. 15.5.6 925.3 18.81 9 45 335 ベイマツ 7.4 15. 12.5 14.5 14..6 8. 14. 9 45 2987 オウシュウ 5.9 9. 8.5 9.5 9..49 82. 11. 9 45 2987 オウシュウ 6.86 13.5 13.5 14.5 13.83.57 82. 13.2 9 45 2987 オウシュウ 6.26 12.5 9. 7. 9.5.52 799. 11.79 9 45 2987 オウシュウ 6.9 12. 15. 13.5 13.5.57 88. 13.29 9 45 2987 オウシュウ 6.28 13. 9...67.52 818. 12.4 9 45 2987 オウシュウ 5.9 8. 7. 6.5 7.17.49 792.7.94 9 45 35 スギ 6.32 19.5 18. 15.5 17.67.51 633.9 7.65 9 45 35 スギ 5.14 15.5 19.5 19. 18..42 735. 8.36 9 45 35 スギ 6. 23.5 18. 19..17.49 674.9 8.37 9 45 35 スギ 4.96..5 23.5 21.33.4 757. 8.56 9 45 35 スギ 5.82 25.5 29.5 16.5 23.83.47 621. 6.76 9 45 35 スギ 5.26 23.5 24.5 13..33.43 65. 6.69 9 45 355 ベイツガ 7.6 18.5 14.5 16. 16.33.57 761.7 12.36 9 45 355 ベイツガ 5.52 9. 11. 16. 12..45 732.8 8.94 9 45 355 ベイツガ 6.14 12. 14. 11. 12.33.5 769.8.98 9 45 355 ベイツガ 5.7.5 11.5 11. 11..46 8. 11.1 9 45 355 ベイツガ 5.64 11. 11.5 12. 11.5.46 777..27 9 45 33 LVL 6.98. 9.5 7.5 9..57 8. 13.37 9 45 33 LVL 7. 8.5 9.5 7. 8.33.57 8. 13.41 9 45 33 LVL 6.7 8.5 7.5 7.5 7.83.55 78. 12. 9 45 33 LVL 6.62 11. 7. 7.5 8.5.54 768. 11.68 9 45 33 LVL 6.74 7. 8. 9.5 8.17.55 777. 12.18 21

(3) 試 験 評 価 法 試 験 評 価 法 は ( 財 ) 日 本 住 宅 木 材 技 術 センターの 定 める 木 造 の 耐 力 壁 およびその 倍 率 性 能 評 価 業 務 方 法 書 ( 以 下 方 法 書 ) に 準 拠 して 行 った 筋 かいの 品 質 による 違 いを 明 確 にするため 繰 り 返 しスケジュール 終 了 後 は 筋 かいが 圧 縮 で 破 壊 する 方 向 で 壊 すこと とした 2.4 結 果 と 考 察 (1) 試 験 結 果 倍 率 算 定 結 果 を 表 2.17 に 示 した また 倍 率 算 定 に 関 わる 特 性 値 以 外 の 代 表 的 な 特 性 値 についても 表 2.18 に 纏 めた 図 2.11 に 筋 かいの 縦 振 動 ヤング 係 数 とせん 断 試 験 結 果 の 特 性 値 の 関 係 を 示 した 各 シリーズ 3 体 の 包 絡 線 を 図 2.12 に 写 真 2.1~2.5 に 各 試 験 体 の 代 表 的 な 破 壊 形 態 を 示 した 表 2.17 倍 率 算 定 結 果 ( 筋 かいの 種 類 検 証 用 ) 筋 かい 種 類 すぎKD E7 べいまつKD E1 LVL べいまつ9E おうしゅうあかまつ 同 一 等 級 集 成 材 E95-F315 べいつがKD 無 等 級 材 試 験 体 名 試 験 P y P u (.2/Ds) 2/3 P max P (1/1 rad.) S-1 3.67 4.51 4.71 5.79 S-2 3.78 3.35 4.94 5.88 S-3 3.56 4.98 4.64 5.39 平 均 Ave. 3.67 4.28 4.76 5.69 変 動 係 数 CV.3.196.33.46 Ave. (1-CV k) 3.62 3.88 4.69 5.56 B-1 4.79 5.55 6.24 7.34 B-2 5.29 3.68 5.95 6.82 B-3 4.38 5.79 5.46 5.92 平 均 Ave. 4.82 5.1 5.88 6.69 変 動 係 数 CV.95.231.67.7 Ave. (1-CV k) 4.61 4.46 5.7 6.35 L-1 4.5 5.1 5.69 7.16 L-2 4.32 3.37 5.23 6.19 L-3 5.88 3.39 5.56 6.23 平 均 Ave. 4.9 3.92 5.49 6.53 変 動 係 数 CV.174.24.43.84 Ave. (1-CV k) 4.5 3.48 5.38 6.27 G-1 5.23 5.34 6.5 7.21 G-2 4.2 5.22 5.39 6.42 G-3 4.6 4.43 5. 6.18 平 均 Ave. 4.44 5. 5.51 6.6 変 動 係 数 CV.155.99.88.82 Ave. (1-CV k) 4.11 4.76 5.28 6.35 T-1 4.26 5.9 5.59 6.41 T-2 4.8 3.66 5.56 6.5 T-3 4.44 3.53 5.59 5.93 平 均 Ave. 4.26 4.9 5.58 6.28 変 動 係 数 CV.42.211.3.49 Ave. (1-CV k) 4.18 3.69 5.57 6.14 短 期 基 準 せ ん 断 耐 力 P (kn/m) 3.98 4.9 3.82 4.52 4.5 P /1.98 2.1 2.48 1.93 2.28 2.5 22

表 2.18 主 な 試 験 特 性 値 の 平 均 値 ( 筋 かいの 種 類 検 証 用 ) 筋 かい 種 類 すぎKD E7 べいまつKD E1 LVL べいまつ9E おうしゅうあかまつ 同 一 等 級 集 成 材 E1- F345 べいつがKD 無 等 級 材 試 験 体 名 ヤング 係 数 (GPa) P max (kn) P u (kn) 初 期 剛 性 (kn/rad.) S-1 7.65 7.11 6.46 857.29 S-2 8.36 7.4 6.62 838.39 S-3 8.37 6.96 6.77 746.26 平 均 Ave. 8.13 7.16 6.62 814.31 変 動 係 数 CV.51.31.24.73.232 B-1 13.54 9.37 8.54 87.31 B-2 15.38 8.92 7.91 929.43 B-3 14.2 8.19 7.83 858.26 平 均 Ave. 14.37 8.83 8.9 958.33 変 動 係 数 CV.65.67.48.122.267 L-1 13.37 8.53 7.97 1142.32 L-2 12.2 7.85 6.97 839.41 L-3 12.18 8.34 7.81 751.46 平 均 Ave. 12.58 8.24 7.58 911.4 変 動 係 数 CV.54.43.71.225.18 G-1 11.2 9.7 8.21 992.31 G-2 11.79 8.9 7.47 98.29 G-3 12.4 7.65 7.28 9.33 平 均 Ave. 11.8 8.27 7.65 961.31 変 動 係 数 CV.51.88.64.46.69 T-1 12.36 8.38 7.61 958.3 T-2.98 8.34 7.5 949.41 T-3 12.36 8.38 7.71 786.43 平 均 Ave. 11.9 8.37 7.6 897.38 変 動 係 数 CV.67.3.14.8.187 Ds 1 最 大 9 8 7 すぎE9 べいまつE1 6 LVL9E 集 成 材 E95 べいつが 無 等 級 5 5 15 ヤング 係 数 (GPa) (a) ヤング 係 数 と 最 大 荷 重 の 関 係 初 期 剛 性 (kn/rad.) すぎE7 1 べいまつE1 LVL9E 集 成 材 E95 べいつが 無 等 級 9 8 7 6 5 15 ヤング 係 数 (GPa) (b) ヤング 係 数 と 初 期 剛 性 の 関 係.5.4.3 Ds.2.1 すぎE7 べいまつE1 LVL9E 集 成 材 E95 べいつが 無 等 級 5 15 ヤング 係 数 (GPa) (c) ヤング 係 数 と Ds の 関 係 図 2.11 筋 かいのヤング 係 数 と 特 性 値 の 関 係 23

8 8 荷 重 ( kn ) 6 4 荷 重 ( kn ) 6 4 2 すぎ 製 材 E9 2 べいまつ 製 材 E1 3 4 5 6 変 形 角 ( -3 rad. ) 3 4 5 6 変 形 角 ( -3 rad. ) S-1 S-2 S-3 B-1 B-2 B-3 8 8 荷 重 ( kn ) 6 4 荷 重 ( kn ) 6 4 2 LVL 9E 2 集 成 材 E95 3 4 5 6 変 形 角 ( -3 rad. ) 3 4 5 6 変 形 角 ( -3 rad. ) L-1 L-2 L-3 G-1 G-2 G-3 8 荷 重 ( kn ) 6 4 2 べいつが 製 材 無 等 級 3 4 5 6 変 形 角 ( -3 rad. ) T-1 T-2 T-3 図 2.12 包 絡 線 の 比 較 ( 筋 かい 材 の 種 類 検 証 用 ) 24

写 真 2.1 試 験 体 S(すぎ E9)の 破 壊 形 態 写 真 2.2 試 験 体 B(べいまつ E1)の 破 壊 形 態 写 真 2.3 試 験 体 L(LVL9E)の 破 壊 形 態 25

写 真 2.4 試 験 体 G( 集 成 材 E95)の 破 壊 形 態 写 真 2.5 試 験 体 T(べいつが 無 等 級 )の 破 壊 形 態 (2) まとめ 筋 かいの 種 類 を 変 えた 場 合 の 耐 力 壁 の 面 内 せん 断 性 能 の 差 異 についての 検 討 結 果 を 纏 めると 以 下 のようになる 短 期 基 準 せん 断 耐 力 は べいまつ 製 材 E1> 集 成 材 E95>べいつが 製 材 無 等 級 >すぎ 製 材 E9>LVL 9E の 順 となった 筋 かいの 種 類 により 短 期 基 準 せん 断 耐 力 の 差 は 大 きく 壁 倍 率 換 算 にして 1.93~2.48 まで.5 倍 以 上 のばらつきがあった 筋 かいのヤング 係 数 と 耐 力 壁 の 最 大 荷 重 の 関 係 には 正 の 相 関 があった すぎ 製 材 E9 は 他 の 筋 かいの 種 類 に 比 べ 最 大 耐 力 は 低 い 結 果 となった 他 の 筋 かいの 種 類 では 最 大 耐 力 終 局 耐 力 に 大 きな 差 は 無 かったが 変 形 性 能 の 差 が 短 期 基 準 せん 断 耐 力 の 差 に 影 響 した 26

2.5 事 業 を 通 して 得 られた 結 論 と 今 後 の 課 題 木 造 長 期 優 良 住 宅 の 構 造 性 能 を 担 保 するために 必 要 な 軸 組 構 法 耐 力 壁 に 使 用 する 部 材 の 品 質 にについて 様 々な 検 討 を 行 ってきた 結 果 を 総 括 すると 以 下 のようになる (1) 筋 かい 耐 力 壁 合 板 耐 力 壁 ともに 軸 組 材 の 品 質 ( 構 造 用 製 材 の 日 本 農 林 規 格 で 規 定 される 等 級 あるいは 材 料 密 度 )の 差 は 耐 力 壁 の 性 能 に 大 きな 影 響 は 及 ぼさない た だし 本 実 験 で 検 討 したのは 限 定 的 な 樹 種 のみであり それ 以 外 の 樹 種 も 含 めた 場 合 に は 異 なる 結 果 となる 可 能 性 があることには 注 意 を 要 する (2) 一 方 筋 かい 耐 力 壁 に 用 いる 筋 かい および 合 板 耐 力 壁 に 用 いる 合 板 については 部 材 の 品 質 によって 耐 力 壁 の 性 能 が 異 なる 筋 かいについては 同 一 断 面 の 筋 かいを 用 い ても その 材 料 の 種 類 ( 製 材 集 成 材 LVL)や 品 質 (ヤング 係 数 強 度 ) 等 によって 耐 力 壁 の 面 内 せん 断 性 能 は 大 きく 異 なる 合 板 耐 力 壁 についても 合 板 の 樹 種 や 単 板 構 成 密 度 厚 さ 等 の 差 によって 耐 力 壁 の 面 内 せん 断 性 能 は 大 きく 異 なる (3) 軸 組 構 法 耐 力 壁 の 壁 倍 率 は 建 築 基 準 法 施 行 令 第 46 条 ( 令 46 条 )および 昭 和 56 年 建 設 省 告 示 第 1 号 ( 建 告 1 号 )で 定 められているが 使 用 する 木 材 の 強 度 等 級 や 材 料 密 度 あるいは 面 材 料 の 単 板 構 成 といった 品 質 の 違 いにより 想 定 する 耐 力 壁 の 面 内 せん 断 性 能 を 満 たさない 可 能 性 があることが 示 唆 された ただし 本 研 究 で 実 施 した 試 験 は 建 告 1 号 第 1 の 十 二 に 定 められた 国 土 交 通 大 臣 がこれらと 同 等 以 上 の 耐 力 を 有 すると 認 める 軸 組 を 認 定 する 際 に 用 いる 試 験 評 価 方 法 であり 令 46 条 および 建 告 1 号 を 定 めた 当 時 の 試 験 評 価 法 とは 異 なる 手 法 である 点 には 注 意 を 要 する (4) 本 課 題 の 検 討 結 果 を 基 にして 木 造 長 期 優 良 住 宅 の 構 造 性 能 を 担 保 するために 必 要 な 材 料 の 品 質 基 準 を 設 定 する 事 は 困 難 であるが 材 料 の 品 質 の 違 いと 木 造 住 宅 の 構 造 性 能 に 関 する 要 求 性 能 との 関 係 はまだまだ 検 討 が 不 足 している 部 分 であり 今 後 も 継 続 的 に データを 取 得 していくことが 必 要 と 思 われる 27

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