決 済 WG 7-1 論 点 の 整 理
1. 前 払 式 支 払 手 段 サーバ 型 の 前 払 式 支 払 手 段 に 関 する 利 用 者 保 護 等 発 行 者 があらかじめ 利 用 者 から 資 金 を 受 け 取 り 財 サービスを 受 ける 際 の 支 払 手 段 として 前 払 式 支 払 手 段 が 発 行 される 場 合 紙 ICチップ 等 の 有 体 物 にその 価 値 が 記 録 されるもの( 紙 型 IC 型 前 払 式 支 払 手 段 )については 前 払 式 証 票 の 規 制 等 に 関 する 法 律 ( 前 払 式 証 票 規 制 法 )による 規 制 がある 同 法 では 未 使 用 発 行 残 高 の2 分 の1 以 上 の 金 額 について 供 託 又 は 金 融 機 関 等 の 保 証 が 必 要 ( 供 託 等 の 義 務 )とされ これによって 資 産 保 全 が 図 られてい る また 証 票 等 への 一 定 事 項 の 表 示 義 務 等 が 発 行 者 に 課 せられている 利 用 者 が 保 有 する 物 には 価 値 が 記 録 されておらず たとえばサーバに 価 値 が 記 録 され 通 信 回 線 を 介 してサーバにアクセスし 利 用 するもの(サーバ 型 前 払 式 支 払 手 段 )については 同 法 の 適 用 がない 同 じ 前 払 式 支 払 手 段 であっても 金 額 の 記 録 ( 価 値 の 保 存 )の 仕 方 の 違 いに より 規 制 が 異 なることについて どう 考 えるか 前 払 式 支 払 手 段 の 形 態 によって 規 制 が 異 なることは 利 用 者 保 護 の 観 点 か ら 問 題 はないか 規 制 が 異 なることにより 事 業 者 間 のイコール フッティングが 図 られず 経 済 活 動 にバイアスが 生 じるおそれはないか サーバ 型 前 払 式 支 払 手 段 を 現 行 の 紙 型 IC 型 前 払 式 支 払 手 段 と 同 様 に 取 り 扱 う 制 度 整 備 を 図 ることについて どう 考 えるか 前 払 式 支 払 手 段 の 換 金 返 金 前 払 式 支 払 手 段 の 換 金 返 金 については 前 払 式 証 票 規 制 法 には 規 定 がなく 換 金 返 金 した 場 合 出 資 の 受 入 れ 預 り 金 及 び 金 利 等 の 取 締 りに 関 する 法 律 ( 出 資 法 )によって 禁 止 される 預 り 金 に 該 当 する 疑 義 がある 前 払 式 支 払 手 段 の 換 金 返 金 と 預 り 金 との 関 係 について どう 考 えるか 出 資 法 が 想 定 している 預 り 金 とならない 範 囲 において 換 金 返 金 を 認 める 余 地 はどの 程 度 あるか 前 払 式 支 払 手 段 の 換 金 返 金 が 自 由 に 行 われる 場 合 要 求 払 預 金 と 類 似 する と 考 えられるか 信 用 創 造 機 能 を 有 することはあるか 1
前 払 式 支 払 手 段 について 銀 行 口 座 と 同 様 の 形 で 貸 付 に 利 用 されることが どの 程 度 あると 考 えられるか 前 払 式 支 払 手 段 を 利 用 しなくなった 場 合 に 換 金 返 金 が 行 われることは 利 用 者 にとって 利 便 性 がある EUにおいては 電 子 的 な 第 三 者 型 の 前 払 式 支 払 手 段 については 電 子 マネーとして 整 理 され 換 金 返 金 が 義 務 づけられてい る 前 払 式 支 払 手 段 の 換 金 返 金 の 義 務 づけについて どう 考 えるか 一 般 的 な 換 金 返 金 を 義 務 づけることは 前 払 式 支 払 手 段 の 性 格 を 変 える こととならないか 事 業 者 が 事 業 を 廃 止 する 場 合 等 には 換 金 返 金 を 義 務 づけることは 適 当 と 考 えられるか 事 業 者 の 選 択 ( 任 意 )により 換 金 返 金 を 可 能 とすることについて どう 考 えるか 現 在 第 三 者 型 の 前 払 式 支 払 手 段 については 資 金 移 動 機 能 を 有 すると 考 え られ 自 家 型 のものに 比 べより 強 い 規 制 となっている 米 国 においては 電 子 的 な 第 三 者 型 の 前 払 式 支 払 手 段 は 送 金 業 と 整 理 されている 前 払 式 支 払 手 段 の 換 金 返 金 と 資 金 移 動 機 能 の 関 係 について どう 考 えるか 前 払 式 支 払 手 段 の 換 金 返 金 が 自 由 に 行 われる 場 合 には 自 家 型 第 三 者 型 を 問 わず 前 払 式 支 払 手 段 を 用 いて 実 質 的 に 為 替 取 引 を 行 うことが 可 能 とならないか 次 のように 考 えることについて どうか 事 業 の 廃 止 等 の 場 合 を 除 き 前 払 式 支 払 手 段 の 換 金 返 金 を 禁 止 する 為 替 取 引 としての 利 用 に 結 びつかない 方 法 であれば 換 金 返 金 を 行 うこ とが 可 能 であることを 明 らかにする その 方 法 として たとえば 一 定 期 間 中 の 発 行 総 額 に 対 する 一 定 割 合 まで 換 金 返 金 が 可 能 であることとする 利 用 可 能 額 ( 額 面 金 額 )が 大 口 である 前 払 式 支 払 手 段 現 在 前 払 式 支 払 手 段 について その 利 用 可 能 額 ( 額 面 金 額 )の 大 小 にかか わらず 同 じ 取 扱 いとなっている たとえば 資 産 の 保 全 について 利 用 可 能 額 の 大 小 にかかわらず 未 使 用 発 行 残 高 の2 分 の1の 供 託 等 の 義 務 がある 2
大 口 の 前 払 式 支 払 手 段 について 小 口 のものとは 別 の 取 扱 いをすることにつ いて どう 考 えるか 大 口 の 前 払 式 支 払 手 段 については 事 業 者 が 破 綻 した 場 合 の 利 用 者 保 護 の 必 要 性 や 資 金 移 動 機 能 が 高 いと 考 えることはできるか 大 口 の 前 払 式 支 払 手 段 については 通 常 利 用 が 少 ないと 考 えられること から 利 用 者 の 自 己 責 任 を 求 め 保 護 の 程 度 は 高 くないと 考 えることはで きるか 小 口 のものを 複 数 まとめて 利 用 する 場 合 を 考 慮 すれば 大 口 小 口 の 区 分 の 意 味 は 少 ないと 考 えることはできるか 仮 に 大 口 の 前 払 式 支 払 手 段 について 小 口 のものとは 別 の 取 扱 いをする 場 合 具 体 的 にどのような 取 扱 いの 差 を 設 けることが 考 えられるか たとえば 現 在 は 未 使 用 発 行 残 高 の2 分 の1とされている 供 託 比 率 の 引 上 げや 換 金 返 金 の 制 限 が 考 えられるが どうか 仮 に 区 分 する 場 合 大 口 小 口 の 区 分 額 について どう 考 えるか たとえば 数 万 円 程 度 とすべきとの 考 え 方 や より 高 い 金 額 とすべきとの 考 え 方 があるが どうか その 他 の 利 用 者 保 護 等 の 仕 組 み 現 行 の 前 払 式 証 票 規 制 法 において 自 家 型 の 前 払 式 支 払 手 段 は 届 出 制 第 三 者 型 の 前 払 式 支 払 手 段 は 登 録 制 とされている 業 務 改 善 命 令 等 は 第 三 者 型 のもの に 対 してのみ 行 うことができるとされている 現 行 の 前 払 式 証 票 規 制 法 の 枠 組 みについて どう 考 えるか 自 家 型 のものは 届 出 制 第 三 者 型 のものは 登 録 制 とされているが このよ うな 枠 組 みについて 問 題 はあるか 現 在 前 払 式 支 払 手 段 の 発 行 を 取 り 止 めた 場 合 の 供 託 金 額 の 取 戻 手 続 等 が 明 確 でない IC 型 サーバ 型 のものについて 事 業 者 が 破 綻 した 場 合 に 保 全 された 資 金 ( 発 行 保 証 金 )を 利 用 者 に 分 配 する 還 付 手 続 が 十 分 でない (たとえば 記 録 の 読 取 りが 財 務 局 でできない 等 ) 事 業 者 が 前 払 式 支 払 手 段 に 係 る 事 業 の 一 部 を 譲 渡 する 場 合 の 手 続 が 明 確 でない 等 の 指 摘 がある こ れらについて 所 要 の 規 定 の 整 備 を 図 ることについて どう 考 えるか 事 業 者 が 破 綻 し 発 行 保 証 金 を 利 用 者 に 分 配 する 還 付 手 続 がとられる 場 合 3
還 付 ( 配 当 )の 割 合 が 低 いケースは 自 家 型 の 前 払 式 支 払 手 段 に 多 いとの 指 摘 がある 自 家 型 のものに 対 する 監 督 規 定 の 整 備 を 行 うことについて ど う 考 えるか 現 行 の 枠 組 みで 改 善 すべき 点 として どのようなものがあるか 現 在 供 託 等 の 義 務 は 半 期 毎 に 計 算 された 金 額 に 基 づき 行 うこととされて いる 事 業 者 が 破 綻 直 前 に 大 量 の 前 払 式 支 払 手 段 を 発 行 するケースがある この 場 合 直 近 の 期 末 には 未 使 用 発 行 残 高 の2 分 の1が 保 全 されているとしても 実 際 の 破 綻 の 際 には 未 使 用 発 行 残 高 の2 分 の1が 保 全 されないこととなる 供 託 等 の 義 務 に 係 る 現 行 の 計 算 期 間 について どう 考 えるか 計 算 期 間 を 短 縮 すれば 利 用 者 保 護 に 資 するが 他 方 事 業 者 の 事 務 負 担 が 増 加 し 前 払 式 支 払 手 段 の 発 行 の 減 少 やサービス 内 容 の 低 下 につながるお それがあると 考 えられるか 4
2.ポイント サービス ポイント サービスに 関 する 利 用 者 保 護 等 ポイントには 財 サービスの 販 売 金 額 の 一 定 割 合 に 応 じて 発 行 されるも のや 来 場 や 利 用 ごとに 一 定 額 が 発 行 されるものなど 多 種 多 様 なものがあ る また ポイントを 利 用 して 景 品 への 交 換 商 品 の 割 引 購 入 前 払 式 支 払 手 段 や 現 金 預 金 債 権 の 取 得 など ポイントの 利 用 によって 受 けられる 財 サービスも 多 種 多 様 である さらに 他 のポイントへの 交 換 を 行 うサービ スも 提 供 されている ポイントが 電 子 的 に 発 行 管 理 されることで 景 品 への 交 換 に 止 まらず 支 払 手 段 として 利 用 される 機 会 が 増 えている ポイント サービスに 関 する 会 計 処 理 は 区 々である たとえば 国 際 会 計 基 準 では 顧 客 が 購 入 した 財 サービスに 付 随 して 将 来 的 に 費 用 が 生 じ 得 るものとして 将 来 の 使 用 に 備 えた 引 当 金 を 積 む 処 理 ではなく 顧 客 が 購 入 した 財 サービスとは 別 に 財 サービスの 販 売 であるが 将 来 に 提 供 する ものとして 前 受 金 の 処 理 が 行 われることとされている ポイントの 支 払 手 段 としての 機 能 について どう 考 えるか ポイントは 現 時 点 で 支 払 手 段 としてどの 程 度 の 役 割 を 果 たしていると 考 えられるか ポイントは 顧 客 囲 い 込 み 等 の 目 的 のために 発 行 されるとの 指 摘 がある ポ イントに 流 通 性 汎 用 性 が 与 えられ 支 払 手 段 として 広 く 利 用 される 可 能 性 について どう 考 えるか 将 来 ポイントがより 広 範 に 支 払 手 段 として 利 用 される 状 況 に 備 えた 対 応 の 必 要 性 について どう 考 えるか 金 融 の 観 点 から ポイント サービスの 利 用 者 保 護 制 度 整 備 の 必 要 性 につ いて どう 考 えるか 現 状 では ポイントは 基 本 的 に 景 品 おまけとして 無 償 で 発 行 されて いると 考 えられるか 顧 客 は 基 本 的 に 景 品 おまけとして 無 償 で 得 たものであるため その 保 護 の 必 要 性 は 低 いと 考 えられるか ポイントを 得 る 顧 客 の 側 では ポイントの 利 用 を 考 慮 して 商 品 等 の 購 入 に ついて 判 断 しているとも 考 えられる 予 期 に 反 しポイントの 利 用 に 制 限 等 5
がある 場 合 利 用 者 保 護 に 欠 けると 考 えられるか 会 計 基 準 に 則 った 会 計 処 理 が 適 切 に 行 われる 必 要 性 について どう 考 える か ポイントの 支 払 手 段 としての 機 能 を 保 護 する 必 要 性 について どう 考 える か ポイント 交 換 の 取 扱 い 通 常 無 償 で 交 付 されているポイントA Bについて Aを 保 有 する 者 が A の 発 行 者 に 対 し Bの 発 行 (Bへの 交 換 )を 求 めることができるサービス(ポ イント 交 換 )がある 無 償 で 発 行 されたポイントAが ポイントBに 交 換 される 場 合 無 償 で 得 た Aを 用 いてBを 入 手 したのだから Bも 無 償 で 発 行 されているとする 考 え 方 がある 他 方 無 償 で 発 行 されたものであっても Aには 一 定 の 価 値 がある と 考 えられ Aの 保 有 者 は その 価 値 (A)を 手 放 してBを 得 ている(Bは Aの 提 供 を 受 けて 発 行 される)とする 考 え 方 がある また Bは 利 用 者 から 現 金 を 受 けておらず 対 価 を 受 けていないとする 考 え 方 もある ポイント 交 換 について どう 考 えるか なお 現 在 前 払 式 証 票 規 制 法 では 利 用 者 事 業 者 からを 問 わず 対 価 を 得 て 発 行 されるものを 前 払 式 証 票 と 規 定 している ポイントBは 対 価 を 得 て 発 行 されており また 利 用 者 との 関 係 でも 一 定 の 価 値 があるAの 代 わりに 発 行 されている ポイントと 称 されても 前 払 式 支 払 手 段 に 当 たると 整 理 されると 考 えられないか ポイントBが 通 常 無 償 で 発 行 されている 場 合 に さらにポイント 交 換 に 応 じ て 発 行 されることを 前 払 式 支 払 手 段 に 当 たると 整 理 することを どう 考 える か 対 価 を 得 て 発 行 されているかどうかは 発 行 の 場 面 ごとに 判 断 されるので はなく 同 じ 種 類 の 前 払 式 支 払 手 段 について 一 定 期 間 における 発 行 総 額 に 対 し 対 価 を 得 て 発 行 された 額 の 割 合 を 考 慮 して 判 断 されると 考 えられる か 通 常 無 償 で 発 行 されているポイントが 利 用 者 から 対 価 を 得 て 発 行 される 場 合 があっても 一 定 期 間 における 発 行 総 額 に 対 する 対 価 の 割 合 が 低 けれ ばポイントとしての 性 格 は 変 わらないと 考 えられるか 6