日台租税協定(通称)の締結

Similar documents
第4回税制調査会 総4-1

法 人 等 に 対 する 課 税 際 課 税 原 則 の 帰 属 主 義 への 見 直 しのポイント 総 合 主 義 から 帰 属 主 義 への 移 行 法 人 及 び 非 居 住 者 ( 法 人 等 )に 対 する 課 税 原 則 について 従 来 のいわゆる 総 合 主 義 を 改 め OECD

目 次 第 1 部 個 人 所 得 税 の 概 要 居 住 者 非 居 住 者 の 定 義 4 個 人 所 得 税 の 納 付 のしかた( 給 不 所 得 者 ) 5 居 住 者 の 個 人 所 得 税 額 の 計 算 のしくみ( 給 不 所 得 者 ) 6 非 居 住 者 の 個 人 所 得 税

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

スライド 1

 


弁護士報酬規定(抜粋)

定款

内 において 管 理 されている 上 場 株 式 等 のうち 非 課 税 管 理 勘 定 に 係 るもの( 新 規 投 資 額 で 毎 年 80 万 円 を 上 限 とします )に 係 る 配 当 等 で 未 成 年 者 口 座 に 非 課 税 管 理 勘 定 を 設 けた 日 から 同 日 の 属


「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証債務の整理に係る課税関係の整理

[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

公表表紙

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

Microsoft Word - 【第17期】有価証券報告書(課税上の取り扱い)

[Q1] 復 興 特 別 所 得 税 の 源 泉 徴 収 はいつから 行 う 必 要 があるのですか 平 成 25 年 1 月 1 日 から 平 成 49 年 12 月 31 日 までの 間 に 生 ずる 所 得 について 源 泉 所 得 税 を 徴 収 する 際 復 興 特 別 所 得 税 を 併

第一部【証券情報】

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

工 事 名 渟 城 西 小 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 2 月 23 日 ( 火

所 得 税 と 住 民 税 の 税 率 表 所 得 税 と 住 民 税 の 税 率 は 以 下 の 通 りです 退 職 所 得 の 場 合 も この 税 率 表 を 使 います 1. 平 成 19 年 1 月 1 日 以 降 ( 所 法 891) 課 税 所 得 所 得 税 率 控 除 額 ~195

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

2. 前 項 の 規 定 にかかわらず 証 券 会 社 等 又 は 機 構 を 通 じた 届 出 の 対 象 となっていない 事 項 については 当 会 社 の 定 める 書 式 により 株 主 名 簿 管 理 人 宛 に 届 け 出 るものとす る ( 法 人 株 主 等 の 代 表 者 ) 第

1 < 目 次 > 第 1 部 中 国 進 出 ( 進 出 方 式 の 選 定 現 地 法 人 駐 在 員 事 務 所 の 開 設 ) 4 Ⅰ. 中 国 進 出 に 際 しての 組 織 選 定 4 1. 進 出 形 態 ( 駐 在 員 事 務 所 現 地 法 人 支 店 ) 2. 各 種 形 態 の

kyoukai.indd

募集新株予約権(有償ストック・オプション)の発行に関するお知らせ

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

1 ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 の 事 業 税 の 課 税 について ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 は 収 入 金 額 を 課 税 標 準 として 収 入 割 の 申 告 となります ( 法 72 条 の2 72 条 の 12 第 2 号 ) ガス 供 給 業 とその 他 の 事

海 外 出 向 者 ( 非 居 住 者 )に 対 する 税 務 1. 所 得 税 法 上 の 居 住 者 非 居 住 者 の 定 義 所 得 税 法 では 個 人 の 日 本 居 住 者 を 納 税 義 務 者 と 定 義 しています 居 住 者 とは 日 本 に 住 所 があるか あるいは 過 去

第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20

教育資金管理約款

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

係 に 提 出 する 2 財 形 担 当 係 は 前 項 の 規 定 による 財 形 貯 蓄 等 の 申 込 みがあった 場 合 には 当 該 申 込 みの 内 容 を 点 検 し 財 形 貯 蓄 等 の 契 約 の 要 件 ( 第 6 条 に 規 定 する 基 準 を 含 む )を 満 たしている

10 期 末 現 在 の 資 本 金 等 の 額 次 に 掲 げる 法 人 の 区 分 ごとに それぞれに 定 める 金 額 を 記 載 します 連 結 申 告 法 人 以 外 の 法 人 ( に 掲 げる 法 人 を 除 きます ) 法 第 292 条 第 1 項 第 4 号 の5イに 定 める

工 事 名 能 代 南 中 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 5 月 24 日 ( 火

兵庫県公立学校教職員等財産形成貯蓄事務取扱細則

c. 投 資 口 の 譲 渡 に 係 る 税 務 個 人 投 資 主 が 投 資 口 を 譲 渡 した 際 の 譲 渡 益 は 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 として 原 則 20%( 所 得 税 15% 住 民 税 5%)の 税 率 による 申 告 分 離 課 税 の 対 象 となりま

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

既 存 建 築 物 の 建 替 市 街 化 調 整 区 域 で 許 可 を 不 要 とする 取 扱 いについて 既 存 建 築 物 の 建 替 は 以 下 の1)~3)をすべて 満 たしている 場 合 に 可 能 です 1) 建 替 前 の 建 築 物 ( 以 下 既 存 建 築 物 という )につ

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

る 第 三 者 機 関 情 報 保 護 関 係 認 証 プライバシーマーク ISO27001 ISMS TRUSTe 等 の 写 しを 同 封 のうえ 持 参 又 は 郵 送 とする 但 し 郵 送 による 場 合 は 書 留 郵 便 とし 同 日 同 時 刻 必 着 とする 提 出 場 所 は 上


新ひだか町住宅新築リフォーム等緊急支援補助金交付要綱


耐 震 診 断 受 付 期 間 4 月 16 日 ( 月 )~1 月 31 日 ( 木 ) 予 定 戸 数 100 戸 1 補 助 の 条 件 次 のすべての 要 件 に 該 当 すること (1) 市 民 自 らが 所 有 し 居 住 していること (2) 昭 和 56 年 5 月 31 日 以 前

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B38FDA8DD72E747874>

40 総 論 41 法 人 課 税 01 租 税 法 概 論 ( 4001 ) 02 税 制 の 動 向 ( 4002 ) 91 事 例 研 究 ( 4091 ) 99 その 他 ( 4099 ) 01 法 人 税 ( 4101 ) 3. 税 務 官 庁 の 組 織 4. 不 服 申 立 て 税 務

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

平成22年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

Microsoft PowerPoint - 基金制度

税金読本(8-5)特定口座と確定申告

(ⅴ) 平 成 28 年 4 月 1 日 から 平 成 35 年 12 月 31 日 までの 期 間 未 成 年 者 に 係 る 少 額 上 場 株 式 等 の 非 課 税 口 座 制 度 に 基 づき 証 券 会 社 等 の 金 融 商 品 取 引 業 者 等 に 開 設 した 未 成 年 者 口

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

Microsoft PowerPoint - 税制上の特例.pptx

Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

<4D F736F F D F93878CA797708F4390B3816A819A95CA8B4C976C8EAE91E682538B4C8DDA97E12E646F6378>

<8AC48DB88C8B89CA82C98AEE82C382AD915B C8E8682C696DA8E9F E A>

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

所令要綱

一般競争入札について

スライド 1

<4D F736F F D2091DE90458F8A93BE82C991CE82B782E98F5A96AF90C582CC93C195CA92A58EFB82CC8EE888F882AB B315D2E312E A2E646F63>

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

資    料 (法人課税)

3 地 震 保 険 の 割 引 地 震 保 険 に 加 入 されている 場 合 耐 震 改 修 後 保 険 料 の 割 引 (10%)が 受 けられる 場 合 があ ります ご 加 入 の 保 険 会 社 にお 問 合 せになり 宅 耐 震 改 修 証 明 書 の 写 し あるいは 固 定 資 産

スライド 1

事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 事 業 税 は 都 道 府 県 が 所 得 ( 利 益 )に 対 して 課 税 します 1. 個 人 事 業 税 業 種 区 分 税 率 ( 標 準 税 率 ) 第 1 種 事 業 ( 物 品 販 売 業 製 造 業 金 銭 貸 付 業 飲 食 店 業 不 動

(2) 協 会 加 入 月 の1カ 月 前 までに 様 式 1が 提 出 された 市 町 村 等 に 対 して 契 約 書 及 び 掛 金 請 求 書 を 送 付 します その 後 返 送 されてきた 様 式 2-2を 保 管 し 掛 金 の 納 入 を 確 認 します 第 2 章 契 約 更 新

(15) 兵 庫 県 道 高 速 湾 岸 線 (16) 神 戸 市 道 高 速 道 路 2 号 線 (17) 兵 庫 県 道 高 速 北 神 戸 線 (18) 神 戸 市 道 高 速 道 路 北 神 戸 線 (19) 神 戸 市 道 高 速 道 路 湾 岸 線 のうち 上 り 線 については 神 戸

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

6. 概 要 コメント 本 法 は 社 会 保 険 関 係 を 規 範 化 し 公 民 の 社 会 保 険 への 参 加 社 会 保 険 待 遇 を 享 受 す る 権 益 を 保 護 し 公 民 に 国 家 発 展 の 成 果 を 共 同 で 享 受 させ 社 会 の 調 和 と 安 定 を 促

個 人 所 得 課 税 ~ 住 宅 ローン 控 除 等 の 適 用 期 限 の 延 長 2 4. 既 存 住 宅 に 係 る 特 定 の 改 修 工 事 をした 場 合 の 所 得 税 額 の 特 別 控 除 居 住 年 省 エネ 改 修 工 事 控 除 限 度 額 バリアフリー 改 修 工 事 平

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

の 基 礎 の 欄 にも 記 載 します ア 法 人 税 の 中 間 申 告 書 に 係 る 申 告 の 場 合 は 中 間 イ 法 人 税 の 確 定 申 告 書 ( 退 職 年 金 等 積 立 金 に 係 るものを 除 きます ) 又 は 連 結 確 定 申 告 書 に 係 る 申 告 の 場

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

【労働保険事務組合事務処理規約】

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

TOBに 応 じた 株 主 の 会 計 税 務 処 理 1.みなし 配 当 の 課 税 関 係 上 場 会 社 が 株 式 公 開 買 付 で 自 己 株 式 を 取 得 する 場 合 は 市 場 取 引 で 取 得 するケースと 相 違 して 原 則 として 株 主 にみなし 配 当 課 税 と

Taro-2220(修正).jtd

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

公 共 債 の 税 金 について Q 公 共 債 の 利 子 に 対 する 税 金 はどのようになっていますか? 平 成 28 年 1 月 1 日 以 後 に 個 人 のお 客 様 が 支 払 いを 受 ける 国 債 や 地 方 債 などの 特 定 公 社 債 ( 注 1) の 利 子 については

(Microsoft Word - \220\305\220\247\211\374\220\263.doc)

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

<4D F736F F D2091E F18CB48D C481698E7B90DD8F9590AC89DB816A2E646F63>

(1) 社 会 保 険 等 未 加 入 建 設 業 者 の 確 認 方 法 等 受 注 者 から 提 出 される 施 工 体 制 台 帳 及 び 添 付 書 類 により 確 認 を 行 います (2) 違 反 した 受 注 者 へのペナルティー 違 反 した 受 注 者 に 対 しては 下 記 のペ

Transcription:

KPMG Insight KPMG Newsletter Vol.16 January 2016 海 外 トピック1 日 台 租 税 協 定 ( 通 称 )の 締 結 kpmg.com/ jp

日 台 租 税 協 定 ( 通 称 )の 締 結 KPMG 台 湾 台 北 事 務 所 パートナー 友 野 浩 司 中 華 民 国 ( 以 下 台 湾 とする)と 日 本 は 1972 年 の 国 交 断 絶 以 降 も 相 互 の 経 済 活 動 は 活 発 に 行 われてきました 日 本 企 業 の 台 湾 進 出 には 歴 史 があり 現 在 では 台 湾 進 出 日 系 企 業 数 は2000 社 以 上 といわれています 一 方 で 日 台 間 に 租 税 協 定 がな いため 日 系 企 業 の 進 出 に 対 して 租 税 協 定 による 優 遇 がなく 二 重 課 税 のリスクも 高 い 状 況 でした 台 湾 進 出 の 日 系 企 業 においては 長 らく 租 税 協 定 の 締 結 が 望 まれて いました 2015 年 11 月 26 日 付 で 日 本 台 湾 それぞれの 民 間 団 体 である( 財 ) 交 流 協 会 と 亜 東 関 係 協 会 による( 通 称 ) 日 台 租 税 協 定 正 式 名 称 所 得 に 対 する 租 税 に 関 する 二 重 課 税 の 回 避 及 び 脱 税 の 防 止 のための 公 益 財 団 法 人 交 流 協 会 と 亜 東 関 係 協 会 との 間 の 取 決 め が 締 結 されました 租 税 協 定 の 締 結 により 両 国 間 の 経 済 活 動 のさらなる 活 発 化 が 期 待 されます 本 稿 では 租 税 協 定 の 内 容 を 台 湾 進 出 日 系 企 業 への 影 響 という 観 点 で 解 説 します なお 本 文 中 の 意 見 に 関 する 部 分 については 筆 者 の 私 見 であることをあらかじめ お 断 りいたします 友 野 ともの こうじ 浩 司 ポイント 台 湾 側 において 源 泉 徴 収 される 所 得 については この 取 決 めが 効 力 を 生 ずる 年 の 翌 年 の1 月 1 日 以 後 に 支 払 われる 所 得 から 源 泉 徴 収 されない 所 得 については 同 1 月 1 日 以 後 に 開 始 する 各 課 税 年 度 の 所 得 から 当 該 租 税 協 定 が 適 用 される 台 湾 法 人 から 日 本 法 人 に 対 する 配 当 金 利 子 及 びロイヤリティ 支 払 時 の 台 湾 における 源 泉 徴 収 税 率 が 届 出 により 低 減 される 台 湾 に 恒 久 的 施 設 (PE)を 有 さない 日 本 法 人 の 台 湾 での 事 業 所 得 が 申 請 により 免 税 になる 台 湾 において 非 居 住 者 となる 日 本 人 の 日 本 払 い 給 与 の 台 湾 での 免 税 範 囲 が 拡 大 される 台 湾 税 務 当 局 の 台 湾 法 人 に 対 する 移 転 価 格 の 指 摘 に 対 して 日 本 の 税 務 当 局 との 相 互 協 議 手 続 を 通 じた 対 応 的 調 整 を 申 立 てることができるよう になる 移 転 価 格 調 査 リスク 及 び 二 重 課 税 リスクを 減 少 させることを 目 的 とした 二 国 間 事 前 確 認 の 申 請 が 可 能 になる KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved. KPMG Insight Vol. 16 Jan. 2016 1

Ⅰ. 背 景 2015 年 11 月 26 日 付 で 日 本 台 湾 それぞれの 民 間 団 体 である ( 財 ) 交 流 協 会 と 亜 東 関 係 協 会 による( 通 称 ) 日 台 租 税 協 定 正 式 名 称 所 得 に 対 する 租 税 に 関 する 二 重 課 税 の 回 避 及 び 脱 税 の 防 止 のための 公 益 財 団 法 人 交 流 協 会 と 亜 東 関 係 協 会 との 間 の 取 決 め が 締 結 されました( 本 稿 では 便 宜 的 に 以 下 租 税 協 定 と す る ) 日 本 にとって 台 湾 は 輸 出 入 金 額 で 世 界 第 4 位 1 の 相 手 であ り 台 湾 進 出 の 日 本 企 業 の 歴 史 も 長 く 初 めての 海 外 進 出 が 台 湾 だったという 日 本 企 業 も 多 く 存 在 します 台 湾 にとって 日 本 は 2013 年 まで60 年 間 の 台 湾 投 資 の 国 別 累 計 で 投 資 額 第 4 位 2 件 数 で 第 1 位 2 の 投 資 国 です 両 者 の 経 済 的 繋 がりが 強 い 一 方 1972 年 の 国 交 断 絶 以 来 国 家 間 の 交 流 がなく 租 税 協 定 が 結 ば れていませんでした そのため 台 湾 進 出 の 企 業 にとっては 租 税 協 定 による 優 遇 はなく 二 重 課 税 のリスクも 高 く 他 国 に 対 す る 投 資 に 比 べて 税 務 面 の 魅 力 に 劣 るところがありました 租 税 協 定 の 締 結 により 日 台 間 の 経 済 活 動 のさらなる 活 発 化 が 期 待 されます また 台 湾 税 務 当 局 においては 租 税 協 定 の 欠 如 により 適 正 公 平 な 課 税 を 行 うための 日 本 税 務 当 局 との 情 報 交 換 が 行 え ない 状 況 が 続 いていました 国 際 間 の 適 切 な 課 税 という 観 点 に おいても 租 税 協 定 の 締 結 が 望 まれていました 台 湾 について (ⅰ) (ⅱ) 源 泉 徴 収 される 租 税 に 関 しては 租 税 協 定 が 効 力 を 生 ずる 年 の 翌 年 の1 月 1 日 以 後 に 支 払 われる 所 得 源 泉 徴 収 されない 所 得 に 対 する 租 税 に 関 しては 租 税 協 定 が 効 力 を 生 ずる 年 の 翌 年 の1 月 1 日 以 後 に 開 始 する 各 課 税 年 度 の 所 得 租 税 協 定 の 効 力 は 日 台 それぞれの 法 制 定 手 続 等 の 完 了 後 に 生 じることになります したがって 適 用 時 期 に 関 する 上 記 効 力 を 生 ずる 年 の 翌 年 の1 月 1 日 は2017 年 1 月 1 日 が 現 実 的 に 期 待 できる 日 程 と 思 われます Ⅲ. 租 税 協 定 の 主 要 内 容 1. 投 資 所 得 に 対 する 源 泉 徴 収 税 率 の 低 減 台 湾 法 人 から 日 本 法 人 に 対 する 配 当 金 利 子 及 びロイヤリ ティの 支 払 は すべて 台 湾 の 所 得 税 法 の 規 定 によりすべて 台 湾 において20%の 源 泉 徴 収 が 必 要 でした 租 税 協 定 により 配 当 金 利 息 及 びロイヤリティに 対 する 源 泉 税 の 上 限 が 下 記 のとお り 規 定 されました 台 湾 所 得 税 規 定 日 台 租 税 協 定 による 源 泉 税 の 上 限 Ⅱ. 租 税 協 定 の 適 用 時 期 この 租 税 協 定 は 日 本 又 は 台 湾 の 居 住 者 である 個 人 及 び 法 人 ( 法 人 以 外 の 団 体 を 含 む)に 対 して 適 用 されます 租 税 科 目 とし ては 台 湾 における 営 利 事 業 所 得 税 ( 法 人 税 ) 個 人 総 合 所 得 税 及 び 所 得 基 本 額 ( 最 低 税 額 制 度 )に 対 して 適 用 されます その 適 用 時 期 については 下 記 のように 定 められています 日 本 について (ⅰ) 課 税 年 度 に 基 づいて 課 される 租 税 に 関 しては 租 税 協 定 が 効 力 を 生 ずる 年 の 翌 年 の1 月 1 日 以 降 に 開 始 する 各 課 税 年 度 の 租 税 配 当 20% 10% 利 子 20% 10% ロイヤリティ 20% 10% ( 行 政 当 局 関 連 の 一 部 の 利 子 は 免 税 ) 3 なお 租 税 協 定 に 基 づく 軽 減 税 率 を 利 用 するためには 支 払 の 前 に 届 出 が 必 要 です 具 体 的 手 続 については 今 後 台 湾 国 税 当 局 より 明 らかになると 思 われます 2. 事 業 所 得 (ⅱ) 課 税 年 度 に 基 づかないで 課 される 租 税 に 関 しては 租 税 協 定 が 効 力 を 生 ずる 年 の 翌 年 の1 月 1 日 以 降 に 課 される 租 税 国 際 的 な 課 税 原 則 に 恒 久 的 施 設 (PE)なければ 課 税 なし というものがあります しかし 日 台 間 に 租 税 協 定 がなかった こともあり 日 本 企 業 の 台 湾 における 事 業 所 得 は 当 該 国 際 原 1 日 本 貿 易 協 会 統 計 2 台 湾 経 済 部 投 資 審 議 委 員 会 統 計 3 台 湾 から 日 本 に 支 払 われる 利 息 にあっては 利 子 の 受 益 者 が 日 本 銀 行 国 際 協 力 銀 行 独 立 行 政 法 人 日 本 貿 易 保 険 である 場 合 又 は 利 子 の 受 益 者 が 日 本 の 居 住 者 であり 当 該 利 子 が 国 際 協 力 銀 行 独 立 行 政 法 人 日 本 貿 易 保 険 によって 保 障 され 保 険 の 引 受 けが 行 われ 又 は 間 接 に 融 資 された 債 権 に 関 して 支 払 われ る 場 合 2 KPMG Insight Vol. 16 Jan. 2016 KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

則 ではなく 事 業 所 得 が 台 湾 源 泉 所 得 とみなされれば 台 湾 に PEを 設 立 して 納 税 するか 台 湾 での 源 泉 徴 収 が 必 要 でした 今 回 租 税 協 定 の 締 結 によりPEの 定 義 が 明 確 になり 日 本 企 業 が 台 湾 にPEを 有 さず 又 はPEを 経 由 して 事 業 を 行 っていない 場 合 台 湾 での 事 業 所 得 は 台 湾 において 課 税 されないことになり ました PEの 定 義 は 次 のとおりです 事 業 の 管 理 の 場 所 支 店 事 務 所 工 場 作 業 場 及 び 天 然 資 源 採 掘 場 所 建 築 建 設 現 場 組 立 据 付 工 事 又 はこれらに 関 連 する 監 督 管 理 作 業 で 継 続 期 間 が 6ヵ 月 を 超 えるもの 日 本 企 業 が 使 用 人 その 他 の 職 員 を 通 じて 行 う 役 務 の 提 供 で いずれかの12ヵ 月 間 において 台 湾 滞 在 日 数 が183 日 を 超 えるも の 日 本 企 業 に 代 わって 行 動 する 者 が 台 湾 において 当 該 日 本 企 業 名 において 契 約 締 結 の 権 限 を 有 し かつ この 権 限 を 反 復 して 行 使 する 場 合 なお 租 税 協 定 の 規 定 に 基 づく 台 湾 での 免 税 処 理 について は 申 請 により 台 湾 税 務 当 局 より 許 可 を 受 ける 必 要 がありま す 許 可 を 受 けない 場 合 には 台 湾 の 規 定 に 基 づいた 課 税 がなさ れます 申 請 のタイミングにより 支 払 時 は20%の 源 泉 徴 収 を 行 い 許 可 を 受 けた 後 に 還 付 申 請 するという 実 務 が 考 えらえま す 申 請 の 具 体 的 方 法 については 今 後 台 湾 国 税 当 局 より 明 らか になると 考 えられます 3. 給 与 所 得 の 課 税 台 湾 での 居 住 者 の 判 断 は 日 本 と 異 なり 暦 年 での 台 湾 滞 在 日 数 が183 日 以 上 の 場 合 に 居 住 者 とされます 日 台 双 方 で 居 住 者 とされる 二 重 課 税 の 可 能 性 がありました また 暦 年 での 台 湾 滞 在 日 数 182 日 以 下 の 非 居 住 者 に 対 しても 台 湾 滞 在 日 数 が91 日 以 上 の 場 合 は 日 本 法 人 から 支 払 われる 給 与 の 台 湾 滞 在 日 数 按 分 額 について 台 湾 で 所 得 課 税 がなされています 台 湾 で の 居 住 区 分 別 の 給 与 所 得 に 対 する 課 税 の 状 況 は 下 記 のとおり です 居 住 区 分 暦 年 内 台 湾 滞 在 日 数 台 湾 源 泉 所 得 台 湾 払 い 給 与 日 本 払 い 給 与 台 湾 領 外 所 得 非 居 住 者 90 日 以 下 課 税 非 課 税 非 課 税 91 日 以 上 182 日 以 下 課 税 課 税 居 住 者 183 日 以 上 課 税 課 税 課 税 ( 出 典 )KPMG 台 北 事 務 所 作 成 の 台 湾 投 資 環 境 案 内 記 載 の 表 を 筆 者 が 加 工 租 税 協 定 の 締 結 により 台 湾 非 居 住 者 の 免 税 範 囲 が 拡 大 され ました 以 下 の3つの 条 件 のいずれにも 適 合 する 場 合 台 湾 での 所 得 課 税 はなされません 当 該 暦 年 において 開 始 又 は 終 了 するいずれの12ヵ 月 の 期 間 に おける 報 酬 の 受 領 者 の 台 湾 滞 在 期 間 が 合 計 183 日 を 超 えない こと 報 酬 が 台 湾 の 居 住 者 でない 雇 用 者 又 はこれに 代 わるものから 支 払 われること 報 酬 が 台 湾 内 に 雇 用 者 が 有 するPEによって 負 担 されるものでは ないこと 免 税 範 囲 の 拡 大 により 台 湾 への 出 張 者 の 日 台 間 の 二 重 課 税 発 生 の 可 能 性 が 低 減 されます ただし 従 来 の 台 湾 の 所 得 税 法 の 規 定 による 暦 年 における 台 湾 滞 在 日 数 での 判 断 ではなく 租 税 協 定 では 暦 年 における 開 始 又 は 終 了 するいずれの12ヵ 月 の 期 間 における 台 湾 滞 在 日 数 によって 判 断 される 点 に 注 意 が 必 要 で す 台 湾 出 張 者 の 台 湾 所 得 税 課 税 に 関 しては まず 暦 年 での 台 湾 滞 在 日 数 を 計 算 し 台 湾 所 得 税 規 定 に 基 づき 課 税 がなされる か その 後 出 張 日 を 含 む 前 後 の12ヵ 月 間 の 台 湾 滞 在 日 数 を 計 算 し 租 税 協 定 による 優 遇 措 置 が 受 けられるかの 確 認 が 必 要 に なります 台 湾 滞 在 のタイミングによって 台 湾 で 個 人 所 得 税 を 申 告 後 に 租 税 協 定 の 免 税 規 定 を 適 用 するために 還 付 申 告 を するという 実 務 が 考 えられます 4. 移 転 価 格 への 影 響 台 湾 においては2005 年 より 移 転 価 格 税 制 が 開 始 されていま す 台 湾 税 務 当 局 による 移 転 価 格 調 査 は8 年 が 経 過 し 国 税 当 局 の 経 験 と 実 績 が 積 み 重 ねられてきました 一 方 で 日 台 の 租 税 協 定 の 欠 如 により 日 系 企 業 が 台 湾 で 移 転 価 格 の 指 摘 を 受 け ると グループ 内 における 二 重 課 税 の 可 能 性 が 高 く 台 湾 進 出 の 日 系 企 業 にとっては 大 きな 問 題 となっていました (1) 相 互 協 議 手 続 を 通 じた 対 応 的 調 整 租 税 協 定 の 適 用 により 相 互 協 議 手 続 を 通 じた 対 応 的 調 整 の 申 立 てができるようになりました 台 湾 における 日 系 企 業 が 台 湾 税 務 当 局 より 日 本 法 人 との 取 引 について 移 転 価 格 の 指 摘 を 受 け 日 本 台 湾 間 で 二 重 課 税 が 生 じる 場 合 において 日 系 企 業 は 租 税 協 定 の 規 定 に 適 合 しない 課 税 を 回 避 するため 日 本 の 税 務 当 局 と 解 決 に 努 めるよう 台 湾 税 務 当 局 に 対 して 申 立 てができ るようになります この 申 立 ては 租 税 協 定 の 規 定 に 適 合 しない 課 税 に 係 る 措 置 の 最 初 の 通 知 日 から3 年 以 内 に 行 う 必 要 があり ます KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved. KPMG Insight Vol. 16 Jan. 2016 3

(2) 二 国 間 事 前 確 認 制 度 移 転 価 格 調 査 リスク 及 び 移 転 価 格 による 二 重 課 税 リスクを 効 果 的 に 回 避 する 方 法 として 従 来 も 一 方 の 当 局 に 対 する 事 前 確 認 (APA)を 申 請 することはできました しかし その 場 合 の 調 査 リスク 及 び 二 重 課 税 リスクの 回 避 の 効 果 は 限 定 的 でした 租 税 協 定 の 適 用 後 は 日 本 と 台 湾 の 双 方 に 二 国 間 事 前 確 認 制 度 (BAPA)を 申 請 することができます 申 請 を 受 けた 税 務 当 局 は 相 互 協 議 手 続 を 経 て 移 転 価 格 に 関 する 合 意 に 努 めます 5. 税 務 当 局 間 の 情 報 交 換 租 税 協 定 の 恩 恵 は 納 税 者 側 だけではなく 税 務 当 局 にとって もあります 従 前 は 租 税 協 定 がなかったため 台 湾 税 務 当 局 と 日 本 の 税 務 当 局 間 の 情 報 交 換 は 実 施 されていませんでした 租 税 協 定 の 適 用 後 は 税 務 当 局 間 において 適 正 公 正 な 課 税 の 実 現 のために 納 税 者 の 情 報 を 相 互 に 交 換 することができるよ うになりました Ⅳ. おわりに 今 まで 日 本 との 取 引 が 多 い 主 要 国 のなかで 台 湾 に 租 税 協 定 がなく 日 本 企 業 のグローバル 展 開 のなかで 台 湾 子 会 社 が 中 心 的 な 役 割 を 果 たすことはなかったと 思 われます 日 台 租 税 協 定 締 結 に 先 立 ち 2015 年 8 月 に 台 湾 中 国 間 の 両 岸 租 税 協 議 が 締 結 されました 今 回 の 日 台 租 税 協 定 の 締 結 により 台 湾 は 中 国 日 本 を 含 めアジア 主 要 各 国 との 租 税 協 定 が 結 ばれました 4 今 後 台 湾 法 人 がアジア 展 開 の 中 心 的 役 割 を 果 たすことも 期 待 され ます 日 本 企 業 は 今 後 台 湾 税 務 当 局 から 出 される 租 税 協 定 適 用 に 関 する 詳 細 な 規 定 を 確 認 し 優 遇 措 置 を 適 用 できるように 準 備 する 必 要 があります また アジアでのビジネス 展 開 のなかで 比 較 的 税 率 が 低 い 5 台 湾 法 人 の 戦 略 的 な 活 用 を 再 検 討 できるか もしれません 本 稿 に 関 するご 質 問 等 は 以 下 の 担 当 者 までお 願 いいたします KPMG 台 湾 台 北 事 務 所 パートナー 友 野 浩 司 TEL: +886-2-8758-9794 kojitomono@kpmg.com.tw 4 2015 年 11 月 末 現 在 台 湾 が 締 結 している( 中 国 日 本 を 除 く)アジア 地 域 の 租 税 協 定 締 結 国 :インド インドネシア シンガポール タイ ベトナム マレーシア 5 2015 年 11 月 末 現 在 の 台 湾 の 法 人 税 税 率 は17% 別 途 税 引 後 利 益 を 直 後 の 株 主 総 会 で 配 当 しない 場 合 の10%の 留 保 金 課 税 がある この 留 保 金 課 税 は 実 際 の 配 当 時 にその 半 額 を 配 当 時 の 源 泉 徴 収 税 額 から 控 除 することができる 4 KPMG Insight Vol. 16 Jan. 2016 KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved.

KPMG ジャパン marketing@jp.kpmg.com www.kpmg.com/jp 本 書 の 全 部 または 一 部 の 複 写 複 製 転 訳 載 および 磁 気 または 光 記 録 媒 体 への 入 力 等 を 禁 じます ここに 記 載 されている 情 報 はあくまで 一 般 的 なものであり 特 定 の 個 人 や 組 織 が 置 かれている 状 況 に 対 応 するものではありません 私 たちは 的 確 な 情 報 をタイムリーに 提 供 するよう 努 めておりますが 情 報 を 受 け 取 られた 時 点 及 びそれ 以 降 においての 正 確 さは 保 証 の 限 りではありません 何 らかの 行 動 を 取 られる 場 合 は ここにある 情 報 のみを 根 拠 とせず プロフェッショナルが 特 定 の 状 況 を 綿 密 に 調 査 した 上 で 提 案 する 適 切 なアド バイスをもとにご 判 断 ください 2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved. Printed in Japan. 2016 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved. Printed in Japan. The KPMG name and logo are registered trademarks or trademarks of KPMG International.