福 島 原 発 事 故 による 放 射 能 汚 染 と どう 向 き 合 って 生 きていくか? 東 北 大 学 加 齢 医 学 研 究 所 川 島 隆 太 私 の 基 本 的 な 立 場 今 は 脳 科 学 を 専 門 としていますが 大 学 院 入 学 から 約 10 年 間 放 射 線 医 学 と 核 医 学 の 臨 床 医 もしていました 放 射 線 防 護 の 知 識 に 関 しては 専 門 家 です 今 回 の 福 島 原 発 の 事 故 に 関 しては 天 災 がきっかけでは あるものの その 後 の 事 故 の 拡 大 は 人 災 であると 考 えて います 週 刊 誌 上 で 東 電 の 幹 部 と 政 府 首 脳 は 人 柱 として 福 島 原 発 敷 地 に 埋 めてしまえと 発 言 しています 放 射 能 に 関 するメディアの 過 剰 かつ 過 敏 な 報 道 が 放 射 能 被 害 以 上 の 深 刻 な 被 害 を 被 災 地 の 人 間 に 与 えていると 考 えています 無 責 任 に 放 射 能 の 恐 怖 をあおる 学 者 やメディアを とても 軽 蔑 しています 東 北 電 力 東 京 電 力 他 の 電 力 会 社 とは 利 益 相 反 関 係 に はありません 1
そもそも 放 射 線 って 何? 波 長 が 短 い 電 磁 波 及 び 高 速 で 動 く 粒 子 要 は 光 や 電 波 と 同 じ 電 磁 波 の 周 波 数 Hz(ヘルツ) :1 秒 間 の 振 動 数 物 質 を 透 過 する 性 質 や 透 過 する 際 にその 物 質 を 作 ってい る 原 子 や 分 子 にエネルギーを 与 えて 電 子 を 分 離 させる 性 質 などを 持 つ 10 19 Hz 10 18 Hz(1EHz) 10 17 Hz 10 16 Hz 10 15 Hz(1PHz) 10 14 Hz 10 13 Hz 10 12 Hz(1THz) 10 11 Hz 10 10 Hz 10 9 Hz(1GHz) 10 8 Hz 10 7 Hz 10 6 Hz(1MHz) ガンマ 線 X 線 紫 外 線 可 視 光 線 赤 外 線 GPS 携 帯 電 話 テレビ ラジオ 所 謂 放 射 線 所 謂 光 線 所 謂 電 波 原 発 事 故 で 問 題 となる 放 射 能 主 なもの(これだけ 知 っていれば 十 分 ) ヨウ 素 131 半 減 期 約 8 日 セシウム137 半 減 期 約 30 年 生 物 学 的 半 減 期 約 70 日 ストロンチウム90 半 減 期 約 29 年 生 物 学 的 半 減 期 約 50 年 放 射 能 は 放 射 線 を 出 す 能 力 や 物 ( 放 射 性 物 質 とも 言 う) 便 や 尿 と 一 緒 に 体 から 排 泄 2
原 発 事 故 で 主 に 問 題 となる 放 射 線 ベータ 線 空 気 中 最 大 飛 程 約 1.5m (ヨウ 素 131 セシウム137 ストロンチウム90) アルミニウムなどの 薄 い 金 属 で 止 まる ガンマ 線 理 論 上 はどこまでも 飛 ぶ 鉛 や 厚 い 鉄 の 板 でないと 止 まらない ( 理 論 上 は100% 完 全 には 遮 蔽 できない) シーベルトにベクレル?? シーベルト(Sv) 放 射 線 による 人 体 への 影 響 の 度 合 いを 表 す 単 位 ベクレル(Bq) 放 射 能 が 放 射 線 を 出 す 能 力 ( 量 )を 表 す 単 位 放 射 線 の 影 響 : シーベルト 放 射 線 放 射 能 放 射 線 には 種 類 があり それぞれ 影 響 の 強 さが 異 なる 例 えばアルファ 線 は ベータ 線 や ガンマ 線 X 線 の20 倍 放 射 能 の 量 : ベクレル 放 射 能 は 放 射 線 を 出 す 能 力 や 物 ( 放 射 性 物 質 とも 言 う) 3
外 部 被 ばくと 内 部 被 ばく 外 部 被 ばく は 体 の 外 側 の 放 射 性 物 質 から 放 射 線 を 受 けること 外 部 被 ばく は 放 射 性 物 質 から 離 れれば 放 射 線 を 受 け 続 けない 内 部 被 ばく は 体 の 内 側 の 放 射 性 物 質 から 放 射 線 を 受 けること 内 部 被 ばく は 体 の 中 に 放 射 性 物 質 がある 間 放 射 線 を 受 け 続 ける 外 部 被 ばく 外 部 被 ばくの 例 体 や 衣 類 に 放 射 性 物 質 が 付 着 している 近 くに 放 射 性 物 質 がある 内 部 被 ばくの 例 食 べ 物 や 飲 み 物 か ら 放 射 性 物 質 を 取 り 込 む( 経 口 摂 取 ) 空 気 から 放 射 性 物 質 を 取 り 込 む( 吸 入 ) 内 部 被 ばく 傷 口 から 放 射 性 物 質 が 入 る ベクレルとシーベルトの 換 算 式 食 べ 物 に 含 まれる 放 射 能 (ベクレル)から 体 が 受 ける 放 射 線 の 影 響 の 度 合 い(シーベルト)を 推 察 できる 計 算 方 法 食 べ 物 や 飲 み 物 に 含 まれる ヨウ 素 131の 濃 度 (ベクレル/キログラム) 食 べたり 飲 んだりした 量 換 算 係 数 = (キログラム) ( 下 記 表 を 参 照 ) ヨウ 素 131から 受 ける 影 響 (マイクロシーベルト) 実 効 線 量 係 数 (マイクロシーベルト/ベクレル) ヨウ 素 -131 セシウム-137 ストロンチウム -90 乳 児 (3ヶ 月 ) 0.18 0.020 0.245 幼 児 (1 歳 ) 0.18 0.012 0.131 子 供 (2-7 歳 ) 0.10 0.0096 0.067 成 人 0.022 0.013 0.028 経 口 摂 取 (= 内 部 被 ばく) ICRP Database of Dose Coefficients: Workers and Members of the public, CD- ROM,1998を 基 に 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 で 編 集 したデータに 厚 生 労 働 省 緊 急 時 における 食 品 の 放 射 能 測 定 マニュアルを 加 味 して 作 成 ヨウ 素 131の 場 合 乳 幼 児 への 影 響 は 成 人 と 約 10 倍 違 う ストロンチウム90も 乳 児 への 影 響 は 成 人 と 約 10 倍 違 う 4
年 齢 別 の 放 射 能 の 影 響 実 効 線 量 係 数 0.3 ヨウ 素 131 0.25 セシウム137 影 響 が 大 き い 0.2 0.15 0.1 0.05 ストロンチウム90 ヨウ 素 131とストロンチウム90は 子 どもへの 影 響 が 大 きい メディアが**シーベルトの 放 射 能 があったと 報 道 する 時 には 大 人 と 乳 児 を 分 けてレポートし てくれればリスク 評 価 が 容 易 0 乳 児 幼 児 小 児 大 人 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 厚 生 労 働 省 HPデータより 放 射 線 を 浴 びるとどうなるか 放 射 線 を 浴 びると 細 胞 の 遺 伝 子 に 傷 が 付 く(タバコやお 酒 も 同 じ) 遺 伝 子 には 修 復 作 用 があるため 日 常 生 活 でほとんどの 細 胞 は 修 復 される 遺 伝 子 修 復 に 失 敗 した 細 胞 が 死 ぬと 確 定 的 影 響 がある 遺 伝 子 修 復 に 失 敗 した 細 胞 が 残 ると 確 率 的 影 響 がある 修 復 作 用 放 射 線 修 復 に 成 功 修 復 に 失 敗 遺 伝 子 正 常 な 細 胞 細 胞 死 異 常 な 細 胞 ( 確 定 的 影 響 ) 免 疫 作 用 体 外 へ 排 出 異 常 な 細 胞 が 残 留 ( 確 率 的 影 響 ) 5
放 射 線 被 ばくにより 何 が 起 こるか? ある 一 定 以 上 被 ばくすると 症 状 が 急 激 に 出 現 確 定 的 影 響 被 ばく 量 に 応 じて 症 状 が 出 現 する 割 合 が 増 える 確 率 的 影 響 メディアを 含 め 皆 が 心 配 しているのが この 確 定 的 影 響 = 発 がん 今 回 の 事 故 で 一 般 住 民 に 確 定 的 影 響 がでる 可 能 性 は 皆 無 胎 児 神 経 系 発 達 異 常 発 癌 率 上 昇 白 内 障 脱 毛 皮 膚 障 害 骨 髄 障 害 放 射 線 宿 酔 腸 上 皮 壊 死 神 経 細 胞 壊 死 1ミリシーベルト 10ミリシーベルト 100ミリシーベルト 1 千 ミリシーベルト 100ミリシーベルト(=10 万 マイクロシーベルト) 以 下 の 少 量 被 ば くでは 何 か 悪 い 影 響 があるという 証 拠 を 直 接 示 すデータはな いが とりあえず 癌 になる 確 率 と 被 ばく 量 は 比 例 すると 考 えよう 1 万 ミリシーベルト 10 万 ミリシーベルト (1 回 線 量 ) 1ミリシーベルト =1000マイクロシーベルト 電 離 放 射 線 障 害 防 止 規 則 による 規 制 年 1ミリシーベルトまで( 一 般 人 ) 妊 娠 期 間 を 通 じて2ミリシーベルトまで ( 仕 事 で 放 射 線 を 扱 う 女 性 ) 三 か 月 間 に5ミリシーベルトまで ( 仕 事 で 放 射 線 を 扱 う 女 性 ) 年 50ミリシーベルトまで ( 仕 事 で 放 射 線 を 扱 う 男 性 ) 神 経 細 胞 壊 死 腸 上 皮 壊 死 胎 児 神 経 系 発 達 異 常 発 癌 率 上 昇 白 内 障 脱 毛 皮 膚 障 害 骨 髄 障 害 放 射 線 宿 酔 1ミリシーベルト 10ミリシーベルト 100ミリシーベルト 1 千 ミリシーベルト 1 万 ミリシーベルト 10 万 ミリシーベルト 1ミリシーベルト =1000マイクロシーベルト 何 か 悪 い 影 響 があるという 証 拠 を 直 接 示 すデータはないが とりあえず 癌 になる 確 率 と 被 ばく 量 は 比 例 すると 考 え 法 律 で 規 制 しよう 6
福 島 原 発 事 故 に 関 して どのくらい 放 射 能 がばら 撒 かれたのか? 25 20 15 10 5 0 マイクロシーベルト/ 時 飯 舘 村 14 12 10 8 6 4 2 0 マイクロシーベルト/ 時 福 島 市 0.3 マイクロシーベルト/ 時 : 実 測 値 0.25 仙 台 市 :ヨウ 素 131の 半 減 期 0.2 0.15 モニタリングポストによってフォールアウト(ちり 0.1 やほこりとして 降 ってくる 放 射 能 )のガンマ 線 を 0.05 測 定 0 放 射 能 が 一 定 量 以 上 残 存 しているので 長 半 減 期 のもの(セシウムなど)が 含 まれているか 原 発 から 微 量 の 放 射 能 が 飛 び 続 けている 7
ちなみに 福 島 原 発 事 故 当 初 の 環 境 放 射 能 の 動 き( 千 葉 市 のデータ) 水 素 爆 発 本 格 的 な 降 雨 モニタリングポストの 測 定 値 は, 降 雨 によってポスト 周 辺 に 落 ちたフォールアウ トからの 放 射 線 が 主 である 梅 雨 の 雨 で 多 くのフォール アウトは 地 面 に 落 ちている ので 土 壌 を 入 れ 替 えれ ば 除 染 できる 地 面 でゴロゴロし 続 けない と モニタリングポスト 計 測 値 と 同 等 の 放 射 線 を 被 ば くすることはできない 測 定 する 場 所 によって 放 射 線 量 は 変 わる 放 射 線 量 は 放 射 能 からの 距 離 の 二 乗 に 反 比 例 放 射 線 は 放 射 能 から 四 方 八 方 に 飛 び 散 る 放 射 能 の 量 は 一 緒 放 射 線 の 量 は 多 い 放 射 能 の 量 は 一 緒 放 射 線 の 量 は 少 ない 8
放 射 能 は 危 険 なレベルか? ラムサール(イラン) ガラパリ(ブラジル) ヘルシンキ ローマ パリ 香 港 北 京 ソウル 郡 山 市 白 河 市 飯 館 村 福 島 市 亘 理 町 2 亘 理 町 角 田 市 白 石 市 仙 台 市 0 0.5 1 1.5 2 ヘルシンキ ローマ パリ 香 港 北 京 ソウル 亘 理 町 2 亘 理 町 角 田 市 白 石 市 仙 台 市 0 0.1 0.2 0.3 海 外 都 市 は 自 然 放 射 能 による 平 年 の 空 間 線 量 率 (マイクロシーベルト/ 時 ) 日 本 の 都 市 は 自 然 放 射 能 + 福 島 原 発 による 汚 染 による 空 間 線 量 率 ( 平 成 24 年 7 月 上 旬 ) 放 射 能 は 危 険 なレベルか? 東 京 NY 往 復 一 般 人 の 年 間 許 容 量 亘 理 町 2 亘 理 町 角 田 市 白 石 市 仙 台 市 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 普 通 の 生 活 を 送 った 場 合 福 島 原 発 事 故 後 による 放 射 能 汚 染 によって 今 後 1 年 間 にどれくらい 被 ばくすると 予 想 されるか( 単 位 はマイクロシーベルト/ 年 ) 平 成 24 年 7 月 上 旬 の 実 測 値 をもとに 宮 城 県 HPによる 換 算 式 で 計 算 9
放 射 能 は 危 険 なレベルか? 発 ガンリスク( 全 身 )に 関 して 放 射 能 と 生 活 習 慣 の 比 較 飲 酒 毎 日 4 合 喫 煙 飲 酒 毎 日 2 合 肥 満 (BMI>30) やせ(BMI<19) 運 動 不 足 高 塩 分 食 野 菜 不 足 受 動 喫 煙 ( 参 考 ) 医 療 従 事 者 年 間 許 容 量 ( 参 考 ) 飯 舘 村 で24 時 間 外 で 暮 らした 場 合 の 年 間 被 ばく 量 // 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 2000 1 回 線 量 ミリシーベルト (1ミリシーベルト = 1000マイクロシーベルト) 国 立 がん 研 究 センターホームページ(http://www.ncc.go.jp/jp/)より 放 射 能 は 危 険 なレベルか? 国 際 がん 研 究 機 関 による 発 がん 性 分 類 との 比 較 グループ1 発 がん 性 あり グループ2A 発 がん 性 の 可 能 性 高 い ダイオキシン たばこの 煙 太 陽 光 線 アルコール など ディーゼルエンジンの 排 ガス ホルムアルデヒド など 1 回 線 量 10 万 マイ クロシーベルト 以 上 の 被 ばく グループ2B 発 がん 性 の 可 能 性 あり グループ3 発 がん 性 と 分 類 できず コーヒー 携 帯 電 話 の 電 磁 波 漬 物 低 周 波 磁 場 など カフェイン コレステロール など 福 島 原 発 事 故 以 降 の 環 境 放 射 能 による 被 ばく 10
内 部 被 ばくは 怖 い!? 科 学 的 事 実 : 小 線 量 被 ばくによる 人 体 への 影 響 は 遺 伝 子 を 傷 つけたことによる 発 癌 ( 確 率 的 影 響 )のみなので 内 部 被 ばくであろうと 外 部 被 ばくであろうと 影 響 は 一 緒 科 学 的 事 実 :ただしヨウ 素 131は 甲 状 腺 に スト ロンチウム90は 骨 髄 に 集 中 するので 甲 状 腺 や 骨 髄 の 被 ばく 線 量 が 大 きくなり 局 所 ( 甲 状 腺 や 骨 髄 )の 発 癌 ( 甲 状 腺 癌 や 白 血 病 ) 確 率 が 高 く なる 科 学 的 事 実 :チェルノブイリ 原 発 周 辺 地 域 で 小 児 の 甲 状 腺 癌 が 多 発 した 内 部 被 ばくは 怖 い!? メディアが 伝 えたがらない 科 学 的 事 実 チェルノブイリの 放 射 能 放 出 量 は 福 島 の 約 10 倍 大 人 で 甲 状 腺 癌 が 増 えた 証 拠 は 全 くない ヨウ 素 剤 を 投 与 した 地 域 では 小 児 甲 状 腺 癌 が 増 えた 事 実 はない 小 児 甲 状 腺 癌 が 多 発 した 地 域 は 土 壌 や 食 物 にヨウ 素 がほとんどなかったため ヨウ 素 が 枯 渇 した 甲 状 腺 に 放 射 性 ヨウ 素 が 積 極 的 に 取 り 込 まれたと 考 えら れている 環 境 放 射 能 中 のヨウ 素 131はもうほとんど 無 い ストロンチウムの 内 部 被 ばくによる 白 血 病 の 増 加 は 報 告 されていない セシウムの 内 部 被 ばくによる 発 癌 は 事 例 がない 11
メディアが 伝 えたがらない 科 学 的 事 実 この 道 はいつか 来 た 道! 1954~1962 大 気 圏 内 大 規 模 核 実 験 by 米 露 英 仏 スリーマイル チェルノブイリ 4~5 月 の 東 京 のレベル (2011.04.15~05.14 合 計 ) セシウムの 半 減 期 ( 約 30 年 ) での 減 衰 日 本 国 内 における 降 下 物 (フォールアウト) 中 のセシウム137の 量 メディアが 伝 えたがらない 科 学 的 事 実 この 道 はいつか 来 た 道! 1954~1962 大 気 圏 内 大 規 模 核 実 験 by 米 露 英 仏 ストロンチウムの 半 減 期 ( 約 29 年 )での 減 衰 日 本 国 内 における 降 下 物 (フォールアウト) 中 のストロンチウム90の 量 12
メディアが 伝 えたがらない 科 学 的 事 実 昔 は 猛 毒 プルトニウムまみれ! 1954~1962 大 気 圏 内 大 規 模 核 実 験 by 米 露 英 仏 米 国 のプルトニウム 搭 載 衛 星 大 気 圏 内 燃 焼 平 時 の 約 1 千 倍 プルトニウムの 半 減 期 ( 約 2 万 4 千 年 )での 減 衰 日 本 国 内 における 降 下 物 (フォールアウト) 中 のプルトニウムの 量 メディアが 伝 えたがらない 科 学 的 事 実 この 道 はいつか 来 た 道! 現 在 40 歳 代 後 半 から50 歳 代 の 全 世 界 の 人 々は 大 気 圏 内 核 実 験 による 放 射 能 汚 染 により 放 射 線 感 受 性 が 高 い 乳 幼 児 ~ 小 児 期 の 長 期 間 に セシ ウムとストロンチウムに 汚 染 された 空 気 を 吸 い 水 をのみ 野 菜 や 魚 や 肉 を 食 べて 成 長 した 上 記 の 成 長 発 達 期 長 期 被 ばく 世 代 の 発 癌 確 率 が 高 いことを 示 すデータは 存 在 しない 年 齢 階 級 別 癌 罹 患 率 がん 研 究 振 興 財 団 がんの 統 計 より 13
リスクは 何 であり どの 程 度 のものなのか? 低 線 量 被 ばくのためリスクは 発 癌 のリスク( 確 率 的 影 響 )のみ 考 えれば 良 い 発 癌 のリスクは 一 度 に10 万 マイクロシーベル ト 被 ばくすると0.5% 増 加 する 10 万 マイクロシーベルト 以 下 の 被 ばくでも 何 らかの 影 響 があることは 否 定 できない 明 白 な 証 拠 は 全 くないが 安 全 のために 被 ばく 量 が 少 なくなると 発 癌 のリスクは 直 線 的 に 減 ると 考 える リスクは 何 であり どの 程 度 のものなのか? 子 どもにとってはストロンチウム90の 影 響 が 少 し 心 配 ( 何 故 かあまり 報 道 されない) 乳 児 は 最 大 でリスクは 大 人 の10 倍 と 考 えてデータを 見 るべき( 学 童 は 最 大 で 大 人 の5 倍 ) ヨウ 素 131の 影 響 は 大 きいが 半 減 期 が 短 いので 現 状 では 無 視 してよい セシウム137はメディアで 話 題 になっているが 生 物 学 的 半 減 期 が 短 く 大 人 にも 子 ど もにもあまり 大 きな 影 響 は 与 えない ストロンチウム90は 半 減 期 も 長 く 子 どもへの 影 響 も 相 対 的 に 大 きい 14
リスクの 度 合 いは 深 刻 か? 現 状 での 環 境 被 ばくや 食 物 等 による 内 部 被 ばく 等 すべての 被 ばくを 足 し 合 わせた 影 響 は タバコやアルコール 排 気 ガス 等 の 環 境 汚 染 による 発 癌 の 影 響 よりも 圧 倒 的 に 低 い 子 どものリスクを10 倍 と 換 算 しても 結 論 は 同 様 現 状 での 環 境 被 ばくや 食 物 等 による 内 部 被 ばく 等 すべての 被 ばくを 足 し 合 わせた 影 響 は コーヒーや 携 帯 電 話 の 電 磁 波 による 発 癌 の 影 響 程 度 と 同 じ 現 況 を 分 析 しての 私 の 見 解 成 人 の 皆 さんへ 現 状 の 環 境 放 射 能 が 皆 さんの 寿 命 に 与 える 影 響 は ありません 安 心 して 普 段 通 りに 外 で 活 動 し 空 気 を 吸 い 東 北 の 産 品 をたくさん 飲 み 食 いして 生 活 を 楽 しんでく ださい 放 射 能 があろうとなかろうと 禁 煙 節 酒 適 度 な 運 動 バランスのよい 食 事 をし 生 活 習 慣 病 を 予 防 す ることを 意 識 していただくと 元 気 に 長 生 きできます 15
現 況 を 分 析 しての 私 の 見 解 それでも 放 射 能 が 心 配 な 成 人 の 皆 さんへ タバコを 吸 う 人 と 毎 日 の 晩 酌 をかかせない 人 は 放 射 能 云 々を 語 る 資 格 すらありませんから 今 日 から 確 実 に 禁 酒 禁 煙 してください 中 高 年 の 方 は 放 射 線 感 受 性 の 高 い 小 さい 頃 に 現 状 とは 比 較 にならない 量 の 被 ばくをしてきているので いま さら 気 にしてもしかたありません メディアにあおられて 放 射 能 の 心 配 をすることによる 精 神 的 ストレスの 影 響 が 高 血 圧 や 動 脈 硬 化 心 臓 病 や 脳 血 管 障 害 発 症 に 影 響 しないかとても 心 配 で す 現 況 を 分 析 しての 私 の 見 解 子 ども 達 とそのご 家 族 へ 現 状 の 環 境 放 射 能 が 子 ども 達 の 寿 命 に 与 える 影 響 は 大 人 よりも 高 く 確 率 的 にはゼロではないかもしれません 特 にヨウ 素 131とストロンチウム90は 乳 幼 児 では 成 人 よ りも 約 10 倍 影 響 が 強 いので 注 意 です(ヨウ 素 131は す でに 環 境 中 にはほとんどありませんが ) 現 在 最 も 深 刻 なのは 放 射 能 を 心 配 して 過 敏 かつ 過 剰 な 反 応 をする 保 護 者 の 態 度 で 確 実 に 子 どもの 心 の 発 達 に 大 きな 悪 影 響 を 与 えることです 政 府 や 東 電 に 文 句 を 言 っても 生 活 環 境 の 放 射 能 濃 度 を 自 分 で 測 定 しても すでにばらまかれた 長 半 減 期 の 放 射 能 (セシウムなど)は 消 えません 16
風 評 被 害 の 方 が 深 刻! 大 震 災 後 にストレスホルモン 量 が 増 加 仙 台 市 内 および 近 郊 在 住 の 大 学 生 を 対 象 とした 調 査 (n=14; 男 性 7 名, 女 性 7 名 ) pmol / ml 震 災 前 2011.2~ 2011.3.7 25 20 15 10 5 2011.3.11 震 災 後 2011.6.11~ 0 地 震 前 地 震 後 震 災 後 に 唾 液 中 コルチゾール 濃 度 が 上 昇 (t= 2.745,df=13, p<0.05) 震 災 によるストレスを 感 じている 震 災 前 に 採 取 していた 唾 液 中 ストレス ホルモン(コルチゾール) 濃 度 と 震 災 から3カ 月 後 に 採 取 した 唾 液 中 コルチゾール 濃 度 を 比 較 検 討 心 の 疲 労 度 (WHO SUBI) 社 会 的 関 係 (WHO QOL26) 0.717* 0.653* * p<.05, ** p<.01 唾 液 中 コルチゾール 濃 度 (R 2 =0.696**) 震 災 によって 誘 発 された 心 理 的 ストレス ( 疲 労 や 人 間 関 係 )によって ストレスホルモンが 上 昇 していた Kotozaki and Kawashima PLoS ONE 2 風 評 被 害 の 方 が 深 刻! 大 震 災 の 前 後 で 脳 の 体 積 が 減 少 読 売 新 聞 朝 日 新 聞 他 全 国 報 道 多 数 震 災 による 心 的 ストレスで 大 学 生 の 大 脳 の 一 部 ( 眼 窩 前 頭 回 )の 体 積 が 減 少 した Sekiguchi et al. Molecular Psychiatry 2012 17
結 語 放 射 線 のリスクは 現 在 のレベルでは 健 康 被 害 を 与 えることがわかっている 他 のリスクと 比 較 して 心 配 するほどのものではない 今 回 の 放 射 能 汚 染 は 東 京 電 力 と 政 府 が 広 く 国 民 にもたらした 迷 惑 ( 人 災 )であり この 事 実 を 真 摯 に 反 省 し 全 ての 住 民 に 与 えた 肉 体 的 精 神 的 なリスクや 被 害 に 対 する 補 償 をするべきであ る( 個 人 的 には 補 償 の 財 源 が 税 金 というのは 本 末 転 倒 であり 人 災 をもたらした 本 人 : 東 京 電 力 および 個 人 としての 政 府 首 脳 が 捻 出 すべきと 考 えている) 東 日 本 大 震 災 に 負 けず 頑 張 っています! 36 2011.07.25 18