リウマチ 膠 原 病 内 科 (2) 概 要 リウマチ 膠 原 病 内 科 (2)では, 関 節 リウマチ,その 他 の 膠 原 病 疾 患 を 通 して, 全 人 的 医 療 を 目 標 と して 日 々の 診 療 に 当 たっております 関 節 リウマチ, 全 身 性 エリテマトーデスといった 膠 原 病 は 全 身 に 多 彩 な 合 併 症 を 来 すことが 特 徴 です 当 科 はこのような 疾 患 を 対 象 としているため, 専 門 的 であ り,また 総 合 内 科 的 でもある 医 療 を 行 っております このため 後 期 研 修 では 医 療 チームの 一 員 とし て 広 く 内 科 学 を 研 鑽 することが 可 能 となっております 当 科 の 特 色 1. 症 例 の 豊 富 さ 膠 原 病, 腎 臓 の 症 例 が 豊 富 です 全 身 性 エリテマトーデスや 強 皮 症 は 神 経, 心 臓, 肺, 腎 臓, 肝 臓, 皮 膚 といったあらゆる 臓 器 に 合 併 症 を 起 こします 治 療 に 関 連 して, 重 篤 な 感 染 症 を 扱 う 機 会 も 多 く, 免 疫 不 全 患 者 の 様 々な 感 染 症 を 経 験 できます 当 科 には, 北 陸 3 県 の 関 連 病 院 よりこ れら 疾 患 が 紹 介 されますので, 後 期 研 修 医 は 常 に 5 人 以 上 の 患 者 さんを 担 当 していただいてお ります 経 験 症 例 を 通 してつけた 力 は 本 当 の 医 師 の 実 力 であり, 膠 原 病 に 興 味 のある 医 師 に 限 らず, 総 合 内 科 を 目 指 す 医 師 にも 満 足 できる 研 修 環 境 が 提 供 できます 2. 教 育 的 なプログラム リウマチ 科 長 を 中 心 とした 腎 病 理 カンファレンス が 開 催 され, 自 分 が 担 当 した 患 者 の 腎 病 理 を 皆 でディスカッションしています 当 科 では 研 修 医 は 上 級 医 とチームを 組 んで 主 治 医 になります ので, 細 かい 治 療 方 針 や 疑 問 点 などについても 上 級 医 と 綿 密 な 相 談 をすることで, 効 率 よく, 内 科 医 としての 研 修 を 積 むことができるようになっています 科 長 回 診 につくことで, 独 学 ではなか なか 学 びにくい 身 体 所 見 からの 総 合 内 科 としての 視 点 を 持 って 病 態 へのアプローチを 習 熟 でき ます 3. 腎 疾 患 腎 移 植 ループス 腎 炎 などの 膠 原 病 関 連 腎 疾 患 はもちろん, 慢 性 腎 炎,ネフローゼ 症 候 群, 急 速 進 行 性 糸 球 体 腎 炎,また 糖 尿 病 性 腎 症 などについても 治 療 を 行 っています 当 院 のみならず, 関 連 病 院 で 行 われた 腎 生 検 の 組 織 診 断 も 行 っており, 年 間 約 150 症 例 の 病 理 診 断 実 習 が 可 能 です ま た, 腎 移 植 にも 積 極 的 に 取 り 組 んでおり, 年 間 5 例 程 度 の 腎 移 植 症 例 を 経 験 することができま す 4. 血 液 浄 化 療 法 血 液 浄 化 療 法 部 と 連 携 して 血 液 透 析, 持 続 血 液 ろ 過 透 析, 血 漿 交 換, 血 漿 分 離 吸 着 ( 二 重 膜 濾 過 法, 免 疫 吸 着 法,LDL 吸 着 法 など), 白 血 球 リンパ 球 吸 着 法 を 行 っています 当 科 では 心 臓 バイパス 術 など 高 度 の 外 科 手 術 を 目 的 とした 維 持 透 析 の 患 者 の 転 入 や, 通 常 の 治 療 ではコント ロールが 困 難 な 膠 原 病 を 取 り 扱 うことが 多 く, 多 彩 で 専 門 的 な 治 療 を 経 験 できるチャンスがあり ます 5. 研 究 シェーグレン 症 候 群,IgG4 関 連 疾 患 については 全 国 の 中 でも 指 折 りの 症 例 数 を 外 来 フォローし ており, 積 極 的 な 臨 床 研 究 を 進 めています 2012 年 には 当 科 の 川 野 が 日 本 腎 臓 学 会 IgG4 関 連 疾 患 ワーキンググループと 厚 生 労 働 省 の IgG4 関 連 疾 患 に 関 する 調 査 研 究 班 を 代 表 して IgG4 関 連 腎 臓 病 の 診 療 指 針 を 発 表 しました また, 免 疫 学 に 関 連 した 基 礎 的 な 研 究 をスイスのジュネー ブ 大 学 や, 本 学 のがん 進 展 制 御 研 究 所, 筑 波 大 学 腎 病 理 学 教 室 など 多 施 設 と 共 同 してすすめ ています
スタッフ( 出 向 者 除 く) 川 野 充 弘 リウマチ 膠 原 病 内 科 長 ( 病 院 臨 床 教 授 ) 講 師 ( 金 沢 大 学 昭 和 62 年 卒 ) ( 資 格 ) 認 定 内 科 医, 認 定 内 科 専 門 医, 総 合 内 科 指 導 医,リウマチ 専 門 医 指 導 医, 透 析 専 門 医, 腎 臓 専 門 医, プライマリ ケア 認 定 医 ( 専 門 )リウマチ 膠 原 病 内 科 学, 臨 床 免 疫 学, 腎 臓 学 和 田 隆 志 腎 臓 内 科 長 ( 血 液 情 報 統 御 学 教 授 ) ( 金 沢 大 学 昭 和 63 年 卒 ) ( 資 格 ) 認 定 内 科 医 総 合 内 科 専 門 医 指 導 医, 腎 臓 専 門 医 指 導 医, 透 析 専 門 医 指 導 医,アフェレシス 専 門 医, リウマチ 専 門 医 指 導 医 ( 専 門 ) 腎 臓 学, 臨 床 検 査 医 学, 臨 床 免 疫 学 古 市 賢 吾 血 液 浄 化 療 法 部 部 長 ( 准 教 授 ) ( 金 沢 大 学 平 成 5 年 卒 ) ( 資 格 ) 認 定 内 科 医 総 合 内 科 専 門 医, 腎 臓 専 門 医 指 導 医, 透 析 専 門 医,アフェレシス 専 門 医,リウマチ 専 門 医 ( 専 門 ) 腎 臓 学, 臨 床 検 査 医 学, 臨 床 免 疫 学 小 野 江 為 人 リウマチ 膠 原 病 内 科 非 常 勤 講 師 ( 金 沢 大 学 平 成 8 年 卒 ) ( 資 格 ) 認 定 内 科 医, 腎 臓 専 門 医 ( 専 門 )リウマチ 膠 原 病 内 科 学, 腎 臓 学 山 田 和 徳 リウマチ 膠 原 病 内 科 特 任 准 教 授 ( 新 潟 大 学 平 成 10 年 卒 ) ( 資 格 ) 認 定 内 科 医,リウマチ 専 門 医, プライマリケア 認 定 医 ( 専 門 )リウマチ 膠 原 病 内 科 学, 腎 臓 学 藤 井 博 リウマチ 膠 原 病 内 科 助 教 ( 金 沢 大 学 平 成 13 年 卒 ) ( 資 格 ) 認 定 内 科 医,リウマチ 専 門 医, 透 析 専 門 医, 腎 臓 専 門 医 ( 専 門 )リウマチ 膠 原 病 内 科 学, 腎 臓 学 會 津 元 彦 リウマチ 膠 原 病 内 科 医 員 ( 大 学 院 )) ( 金 沢 大 学 平 成 16 年 卒 ) ( 資 格 ) 認 定 内 科 医, 総 合 内 科 専 門 医, 腎 臓 専 門 医, リウマチ 専 門 医 伊 藤 清 亮 リウマチ 膠 原 病 内 科 医 員 ( 大 学 院 ) ( 金 沢 大 学 平 成 17 年 卒 ) ( 資 格 ) 認 定 内 科 医 原 怜 史 リウマチ 膠 原 病 内 科 医 員 ( 大 学 院 ) ( 金 沢 大 学 平 成 21 年 卒 ) 額 裕 海 リウマチ 膠 原 病 内 科 医 員 ( 金 沢 大 学 平 成 21 年 卒 ) 蔵 島 乾 リウマチ 膠 原 病 内 科 医 員 ( 大 学 院 生 ) ( 金 沢 大 学 平 成 22 年 卒 ) ( 資 格 ) 認 定 内 科 医 堀 田 成 人 リウマチ 膠 原 病 内 科 医 員 ( 福 井 大 学 平 成 24 年 卒 )
診 療 従 事 者 9 名 大 学 院 在 籍 6 名 研 修 プログラム 後 期 研 修 においては, 初 期 研 修 での 習 得 内 容 の 再 確 認 と, 専 門 領 域 の 知 識 と 技 術 を 習 得 するこ とを 目 標 とします 入 院 のあった 翌 日 の 朝 に 総 合 内 科 ( 循 環 器 内 科, 内 分 泌 代 謝 内 科, 消 化 器 内 科 合 同 )でのカンファレンスにて 症 例 を 提 示 し, 各 分 野 の 専 門 家 からアドバイス,コメントを 受 けま す これはプレゼンテーションの 練 習 にもなります 火 曜 日 の 夕 方 にはリウマチ 膠 原 病 カンファレ ンスがあり,1 週 間 ごとの 入 院 患 者 さんの 治 療 経 過 の 確 認, 方 針 の 決 定 をディスカッションします 週 に 1,2 回 指 導 医 とともにラウンドし, 身 体 所 見 からの 病 態 のアプローチを 学 びます 指 導 医 の チェックのもと, 翌 年 からは 一 人 の 内 科 医 師 として 活 躍 できることを 目 指 し, 第 一 主 治 医 として 活 躍 していただきます 週 間 スケジュール 月 火 水 木 金 8 時 新 患 紹 介 新 患 紹 介 新 患 紹 介 新 患 紹 介 新 患 紹 介 9 時 透 析 業 務 透 析 業 務 透 析 業 務 午 前 病 棟 業 務 グループ 回 診 病 棟 業 務 病 棟 業 務 グループ 回 診 13 時 透 析 業 務 透 析 業 務 透 析 業 務 午 後 病 棟 業 務 科 長 回 診 病 棟 業 務 16 時 30 分 腎 生 検 内 科 全 体 カンファ 夕 方 夜 間 リウマチ 内 科 カンファ 腎 病 理 カンファ 抄 読 会
診 療 内 容 と 症 例 数 当 科 で 取 り 扱 う 診 療 内 容 の 紹 介 リウマチ 膠 原 病 疾 患 の 診 断, 治 療 関 節 リウマチ, 全 身 性 エリテマトーデス,シェーグレン 症 候 群,IgG4 関 連 疾 患, 強 皮 症, 皮 膚 筋 炎 などの 疾 患 に 対 し,カンファレンスやグループ 回 診 を 通 して, 系 統 だった 評 価, 治 療 を 行 っていま す 大 学 病 院 として, 新 規 に 開 発 される 治 験 薬 や, 最 新 の 生 物 学 的 製 剤 なども 積 極 的 に 使 用 して おり,また 血 漿 交 換 や 二 重 膜 濾 過 法, 免 疫 吸 着 などの 特 殊 な 治 療 も 経 験 することができます 循 環 器 合 併 症 や 内 分 泌 合 併 症, 消 化 器 合 併 症 などについては, 各 科 医 師 と 常 に 密 な 交 流 がありま す 専 門 家 による 適 切 なアドバイス, 指 導 が 得 られるため, 高 度 に 専 門 化 され,かつ 総 合 内 科 とし て 充 実 した 診 療 体 制 でとりくんでいます 不 明 熱 の 診 断, 治 療 不 明 熱 の 原 因 として, 感 染 症, 膠 原 病, 悪 性 腫 瘍, 薬 剤 など 様 々な 疾 患 があります challenging な 病 態 ですが, 当 科 ではこの 病 態 を 通 して 病 歴, 身 体 所 見, 各 種 血 液, 尿 検 査, 画 像 検 査 などにつ いて 多 くを 学 ぶことができます 腎 疾 患 の 診 断, 治 療 ループス 腎 炎 や 他 の 膠 原 病 合 併 腎 疾 患 について, 腎 生 検 などの 検 査 を 行 い, 治 療 を 行 っていま す また, 関 連 病 院 より 依 頼 された 腎 組 織 診 断 も 行 っています 毎 日 血 液 透 析 を 中 心 に 慢 性 腎 不 全 の 患 者 さんの 維 持 管 理 をする 一 方 で, 腎 移 植 にも 力 を 入 れており, 年 間 3 例 程 度 の 腎 移 植 を 行 い, 手 術 前 後 の 内 科 としての 管 理 をしています 当 科 の 科 長 回 診 は 腎 臓 内 科 と 合 同 で 行 われて おり, 腎 臓 内 科 とともに 症 例 を 検 討 しています 年 間 新 規 症 例 数 ( 膠 原 病 ) 関 節 リウマチ 100 例 全 身 性 エリテマトーデス 20 例 シェーグレン 症 候 群 30 例 血 管 炎 10 例 IgG4 関 連 疾 患 20 例 その 他 の 膠 原 病 疾 患 30 例 ( 皮 膚 筋 炎, 多 発 筋 炎,MCTD, 強 皮 症 など) ( 腎 疾 患 ) 腎 炎 ネフローゼ 症 候 群 30 例 慢 性 腎 不 全 100 例 急 性 腎 不 全 20 例 急 速 進 行 性 糸 球 体 腎 炎 10 例 腎 移 植 3 例 腎 生 検 ( 組 織 診 断 を 含 む) 150 例 血 液 浄 化 療 法 150 例
資 格 取 得 総 合 内 科 専 門 医 リウマチ 学 会 認 定 専 門 医 日 本 腎 臓 学 会 専 門 医 日 本 透 析 医 学 会 専 門 医 アフェレーシス 学 会 専 門 医 これらの 臨 床 経 験 あるいは 研 修 は 大 学 院 在 籍 で 可 能 であり, 資 格 取 得 には 差 し 支 えありません 学 位 取 得 学 位 取 得 を 希 望 する 方 には 大 学 院 に 入 っていただきながら 研 修 することが 可 能 です 学 位 論 文 を とるには 研 究 をする 必 要 があります 現 在 当 科 で 取 り 組 んでいる 研 究 課 題 としては, 関 節 リウマ チ, 制 御 性 T 細 胞,クリオグロブリン 血 症,IgG4 関 連 疾 患, 多 発 嚢 胞 腎 があります 当 科 では 臨 床 研 究, 基 礎 研 究 ともに 積 極 的 に 推 進 しており,2008 年 に 5 例 の IgG4 関 連 疾 患 の 患 者 さんの 免 疫 グロブリンを 詳 細 に 検 討 した 結 果 を Clinical and Experimental Immunology 誌 に 報 告,2009 年 には 京 都 大 学 の 工 学 部 との 研 究 で, 多 発 嚢 胞 腎 の 患 者 さんで 発 見 した 遺 伝 子 変 異 が, 嚢 胞 腎 の 形 成 に 関 与 する 可 能 性 があることを The Journal of biological chemistry 誌 に 報 告,2011 年 にはがん 進 展 制 御 研 究 所 との 共 同 研 究 で, 関 節 炎 におけるケモカインの 働 きについて Arthritis and Rheumatism 誌 に 発 表 しました 2012 年 にはIgG4 関 連 腎 臓 病 における 治 療 前 後 での 画 像 的, 組 織 学 的 変 化 の 検 討 について Modern Rheumatology 誌 に 発 表 しました このように, 当 科 では 個 々 人 にふさわしい 形 で, 全 力 で 学 位 取 得 の 後 押 しをしていきたいと 考 えています 専 門 医 養 成 コース 後 の 進 路 専 門 医 養 成 コースで 十 分 なリウマチ 膠 原 病 あるいは 腎 疾 患 を 診 療 する 力 をつけた 後 は, 大 学 ある いは 関 連 病 院 にて 実 地 医 療 を 学 ぶことが 可 能 です 急 性 血 液 浄 化 など 救 急 医 療 に 関 わりたい 膠 原 病 のスペシャリストとして, 大 学 病 院 や, 全 国 の 有 名 施 設 に 研 修 に 出 たい 総 合 内 科 ので きる 病 院 に 行 きたい 移 植 を 勉 強 するために,あるいは 基 礎 研 究 をしたいので 留 学 したい 出 産 したいと 思 っているので, 日 中 だけの 職 場 にしてほしい など 当 科 では 柔 軟 に 対 応 可 能 です 留 学 留 学 希 望 の 方 にはそれぞれの 研 究 内 容 並 びに 本 人 の 希 望 に 応 じて 留 学 が 可 能 です 例 として は 筑 波 大 学 腎 病 理 部,エール 大 学,ジュネーブ 大 学, 国 立 循 環 器 病 センター, 金 沢 大 学 がん 進 展 制 御 研 究 所 などへの 派 遣 例 があります
関 連 施 設 石 川 県 7 施 設 石 川 県 立 中 央 病 院 3 名 済 生 会 金 沢 病 院 3 名 金 沢 社 会 保 険 病 院 3 名 KKR 北 陸 病 院 2 名 小 松 市 民 病 院 2 名 加 賀 市 民 病 院 2 名 市 立 輪 島 病 院 2 名 富 山 県 5 施 設 富 山 赤 十 字 病 院 2 名 高 岡 市 民 病 院 2 名 北 陸 中 央 病 院 1 名 射 水 市 民 病 院 1 名 厚 生 連 高 岡 病 院 2 名 福 井 県 2 施 設 福 井 県 立 病 院 3 名 藤 田 記 念 病 院 3 名 連 絡 先 川 野 充 弘 (リウマチ 膠 原 病 内 科 長 ) 920-8641 石 川 県 金 沢 市 宝 町 13-1 金 沢 大 学 附 属 病 院 リウマチ 膠 原 病 内 科 Tel:076-265-2253 Fax:076-234-4251 Email:mk0920@mac.com