兼 松 株 式 会 社 様 導 事 例 Microsoft Exchange Onlineへの 移 概 要 2012 年 9 兼 松 株 式 会 社 は 全 社 で 利 していた 電 メールシステムを Microsoft Exchange Online へと 新 しました 電 メールシステムの 更 改 にあたり 兼 松 株 式 会 社 の 選 択 は 従 来 通 りの オンプレミスのサーバーリプレースではなく クラウドの Exchange Online への 移 でした 兼 松 株 式 会 社 様 の 電 メールシステムのクラウド 移 事 例 と 弊 社 でご 援 させて 頂 いた 内 容 につ いて 紹 介 します 導 背 景 と 期 待 する 効 果 兼 松 株 式 会 社 ( 以 下 兼 松 )は 電 IT 品 糧 鉄 鋼 機 械 プラント 環 境 素 材 をはじめと した 多 種 多 様 な 製 品 サービスを 扱 う 商 社 です 兼 松 の 情 報 システムは システム 企 画 部 で 担 っており ますが システムの 運 保 守 は 弊 社 に 業 務 委 託 を 頂 き 弊 社 のメンバーで 運 しております 従 来 のメールシステムは 1999 年 に 導 した Lotus Domino サーバーを 利 しており メールク ライアントは Lotus Notes でした 運 保 守 は 弊 社 に 委 託 頂 いており 連 のサービスをご 提 供 し ておりました しかし 経 年 に 伴 うシステム 障 害 対 応 調 査 と 原 因 の 追 跡 の 増 加 システム 運 で の 各 種 修 正 パッチの 適 やサーバー 再 起 動 等 のメンテナンス 作 業 また メールボックス 容 量 の 不 やクライアントソフトの 破 損 によるデータの 消 失 等 ユーザーにも 運 担 当 にも 負 担 となっていまし た こういった 課 題 をいくつも 抱 えたまま 々 運 しており 兼 松 システム 企 画 部 も メールシステ ムの 更 改 に 対 する 意 識 が まっておりました 合 わせて 加 速 するクラウド 化 の 流 れがその 他 のシス テムにも 波 及 しており 2012 年 9 にメールシステムを Office365(Exchange Online)に 移 す ることを 決 定 しました 1
Exchange Online への 移 により 次 の 効 果 を 得 ることができました また 現 存 する 課 題 も 解 決 できることにもメリットがあります 1. ユーザーの 利 便 性 向 上 ユーザーあたりのメールボックスが 増 量 (300MB 25GB) メールクライアント 破 損 によ るサービス 停 時 間 の 低 減 モバイルデバイスでの 電 メール 利 等 ユーザーの 利 便 性 が きく 向 上 2. システムの 安 全 性 海 外 のデータセンターにデータを 保 有 し 海 外 データセンター 間 の 冗 構 成 (アジア 圏 では シンガポールと 港 のデータセンターを 利 ) さらにデータセンター 内 での 冗 構 成 とバ ックアップを っており 安 全 性 が いシステムを 利 3. システム 運 コストの 削 減 ソフトウェアライセンス 料 / 保 守 料 ハードウェアライセンス 料 / 保 守 料 データセンターの 賃 料 電 費 運 費 (NOS 業 務 委 託 費 ) 等 の IT コストを 低 減 4. BCP に 対 応 し 得 るシステムであること モバイルデバイスでの 電 メール 利 Web ブラウザでの 電 メール 利 等 場 所 やデバイ スを 選 ばない 利 形 態 また 従 来 のメールシステムでは Domino サーバー 以 外 にもスパム 対 策 機 器 や 送 信 サーバーを 利 しており いずれのサーバーがダウンしても メールシステムを 停 するリスクとなっていました Exchange Online 導 により シンプルなシステム 構 成 となり 障 害 によるサービス 停 のリスク の 低 減 にも 効 果 がありました 2
図 1 従来のメールシステム構成 図 2 Exchange Online 導 後のメールシステム構成 導 後の 3
移 と 展 開 移 プロジェクトは 兼 松 システム 企 画 部 と 弊 社 プロジェクトメンバーにて Microsoft 社 の 援 の もと 開 始 されました システムの 構 成 電 メールの 利 ポリシー 移 スケジュール 等 の 細 かい 仕 様 については 弊 社 にて 案 し 兼 松 システム 企 画 部 に 承 認 頂 くという 形 でプロジェクトを 進 めさせ て 頂 きました プロジェクトを 進 める 上 では いくつかの 課 題 問 題 が 発 し 試 錯 誤 の 上 で 解 決 していきまし た 導 にあたってのポイントをいつくかに 分 けて 紹 介 します (1) 電 メール 利 ポリシーの 検 討 ポリシーの 策 定 にあたり 既 存 のポリシーが 適 切 であるか Exchange Online に 適 できるかに ついて 議 論 し 検 証 しました 最 も 注 意 しなければいけない 点 は クラウドのシステムを 利 する ため インターネット 環 境 があればどこからでもアクセスできることです そのため ユーザー 認 証 については 特 に 注 意 を 払 い ポリシーをご 提 案 させて 頂 きました Office365 の 認 証 法 は 複 数 あり( 後 述 します ) 兼 松 では Office365 のログオン ID とパスワードによる 認 証 式 を 採 しました 表 1 は Office365 の 既 定 のパスワードポリシーですが Office365 による 認 証 式 を 選 択 した 場 合 は 各 パラメータを 変 更 することができません 項 目 内 容 8 字 以 上 16 字 以 下 字 制 限 許 可 されている 字 : 字 英 語 字 英 語 数 字 および 以 下 の 記 号! @ # $ % ^ & * - _ + = [ ] { } \ :,.? / ` ~ < > ( ) ; 許 可 されていない 字 :ユニコード ユーザー 名 有 効 期 限 90 間 次 のカテゴリーから 3 つを 組 み 合 わせたもの: 字 英 語 字 英 語 数 字 および 以 下 強 度 の 記 号! @ # $ % ^ & * - _ + = [ ] { } \ :,.? / ` ~ < > ( ) ; 履 歴 保 持 1 回 4
アカウントロック 10 回 のサインイン 失 敗 後 ログイン 続 のために 数 字 と 字 のチャレンジレスポンステスト を 受 ける 表 1 既 定 のパスワードポリシー Office365 のパラメータの 設 定 ユーザーの 登 録 や 変 更 Exchange Online の 各 種 設 定 値 の 適 電 メールボックスのサイズや 送 受 信 メッセージのデータサイズ 通 知 の 制 限 等 様 々なパラメータを 設 定 することができますが そ のほとんどは GUI では 変 更 できません 設 定 するには Windows PowerShell というコマンドベース ラインを いて 設 定 を います 詳 細 なポリシーを 適 するためには PowerShell コマンドを 理 解 す る 必 要 があります (2) Exchange Online 要 件 の 整 備 Exchange Online の 要 件 の つに クライアントソフトウェアとして 利 できるソフトウェアに 制 限 があり Outlook 2007 または Outlook 2010 が 必 要 でした 導 を 決 めた 時 点 では Office 2003 から 2010 へのバージョンアップを 検 討 している 最 中 でした クライアント 環 境 の 整 備 がメー ルシステム 更 改 の 前 提 となりましたので 弊 社 PC 運 チームにて 前 倒 しでの 導 作 業 を 援 させ て 頂 きました また Office 2003 から Office 2010 へのバージョンアップすることで UI が 幅 に 変 更 になり ますので ユーザー 部 門 へのインパクトを 抑 えるため Microsoft が 提 供 している Web ベースのイ ンタラクティブガイドの 導 と ユーザーマニュアルのご 提 供 を いました (3) ユーザー 部 門 への 情 宣 電 メールシステムの 更 改 は 管 理 サーバーだけではなく 慣 れたメールソフトウェアも 変 更 とな ります また PC 毎 に 電 メールアカウントの 設 定 や 旧 メールソフトウェアからのデータ 移 が 課 題 となりました 本 プロジェクトでは ユーザー で 設 定 できるよう 簡 略 化 した 展 開 法 を 検 討 し 5
ました アカウント 設 定 はユーザーID とパスワードを するだけで 完 了 するようにし 1 また 切 替 当 にすべてのユーザーの 席 に マニュアルの 配 布 を 実 施 しました また ユーザーがメールシステムの 変 更 することに 対 して 理 解 頂 くために 社 内 掲 板 を 利 した ご 案 内 の 掲 を 実 施 させて 頂 きました 掲 内 容 は ユーザー が 事 前 に 何 を 準 備 すれば 良 い か 切 替 当 は 何 を 実 施 すれば 良 いか 切 替 後 は 何 か 変 わるか を 理 解 頂 けるよう 夫 しま した ( 1 DNS サーバーに 対 して CNAME レコードの 追 加 が 必 要 となります ) (4) ユーザーID の 管 理 と 登 録 法 前 述 したように Office365 の ID 管 理 法 は 複 数 の 式 があります Exchange Online にユーザ ーを 作 成 する 前 に 管 理 式 を 決 定 する 必 要 があります きく 分 けて 1Office365 上 の ID で 認 証 する 法 と 社 内 の Active Directory(AD)サービスで で 認 証 する 法 の 2 つがあり 後 者 は 2 社 内 の AD から 向 の 同 期 を う 法 と 3Active Directory フェデレーション(AD FS) 機 能 で 連 携 した 社 内 の ID 認 証 する 法 に 分 けられます それぞれに メリット メリット/デメリットがあります が 運 の 簡 素 化 と 別 途 サーバー 構 築 にかかる 運 コストを 較 し 1の 式 をご 提 案 致 しました 図 3 Office365 のユーザー 管 理 法 2 3には 社 内 に 別 途 サーバーが 必 要 です 6
こちらの 法 では PowerShell コマンドを 利 した 運 が 必 須 となります 弊 社 では 数 名 の 技 術 者 が PowerShell での 運 法 を 習 得 しております Office365 契 約 に 付 随 する Microsoft 社 の 無 償 サ ポートがあり こちらも 有 効 利 させて 頂 いております ユーザーの 登 録 に 関 しては GUI で 1 名 ずつ 登 録 すると 多 な 時 間 と 労 がかかるため PowerShell コマンドで 括 登 録 のスクリプトを 作 成 し 登 録 時 の 時 間 と 労 を 短 縮 しております 作 成 したスクリプトは 導 時 のみならず 運 フェーズでも 活 できます (5) メールサーバーの 移 Exchange Online へのユーザーの 追 加 や 設 定 が 完 了 すると メールサーバーの 移 となります メ ールサーバーの 移 と いましても 新 しいサーバーに 変 更 を 加 えるわけではなく 送 信 者 が Domino サーバーではなく Exchange Online サーバーにメッセージを 配 信 するよう DNS サーバー の Mail exchange(mx)レコードの 情 報 を 変 更 することになります すべてのユーザーが Exchange Online でメールを 送 受 信 できる 状 態 にしてからでないと MX レコ ードを 変 更 することができません 兼 松 は 海 外 との 商 売 が 多 く 常 時 数 の 営 業 担 当 が 海 外 に 出 張 しており 同 時 にすべてのユーザーを 切 替 することは 困 難 でした そのため Exchange Online の ユーザーにセカンダリメールアドレスを 付 与 し Lotus Domino サーバーから 転 送 する 法 とりまし た もちろん 事 前 に 転 送 することで 増 加 するトラフィックと Exchange Online を 利 すること で 減 少 するトラフィックをシュミレーションし 問 題 ないことを 確 認 しています Exchange Online の 移 については 下 図 の 順 番 で 実 施 しました 7
図 4 段 階 的 なユーザー 切 替 (6) 社 内 リソースの 移 Lotus Domino では 社 内 の 承 認 ワークフローDB を 利 しており 前 述 したとおりポータルへの 移 を 予 定 していました ポータルへの 移 前 に Exchange Online の 利 を 開 始 することとなり 検 証 時 点 で つ 問 題 が 発 しました 承 認 ワークフローDB で 承 認 した 際 に 配 信 される 通 知 メールに Notes 独 のリンク 形 式 が 添 付 される 仕 様 であり このリンクは Outlook 2010 では 動 作 しないこと がわかりました この 問 題 に 対 しては ワークフローを 記 述 した 設 定 ファイルに 対 して リンク 形 式 ではなく NotesURL 形 式 を 利 するよう 変 更 を いましたところ Outlook 2010 からもストレス なく Lotus Notes のデータベースを 併 することができました ワークフローDB でリンクが 利 できないことは ユーザー 部 門 や 情 報 システム 部 門 の 利 便 性 の 損 失 につながる 重 な 問 題 でした この 問 題 を 回 避 できたことは きなターニングポイントとなりました 8
また Domino では 社 内 の 電 話 帳 DB を 利 していました Lotus Domino では 組 織 階 層 型 で 表 できていましたが Exchange Online のアドレス 帳 (グローバルアドレス 覧 =GAL)は 組 織 を 階 層 表 することができない 仕 様 であり ユーザー 部 門 の 求 めるサービスが 提 供 できませんでした この 問 題 については Exchange Online だけでは 解 決 できず 別 のクラウドサービスを 利 すること で 代 替 することができました 利 したのは 階 層 型 アドレス 帳 Address Look というサービスで Exchange Online とは 別 の DB となります Outlook 2010 にアドインをインストールすることで 階 層 表 したアドレス 帳 を Outlook 2010 から 容 易 にアクセスできることを 実 現 することができまし た (7) その 他 システムとの 連 携 Lotus Domino サーバーを 利 していたのはユーザーだけではなく 監 視 サーバーからの 動 シス テムメールの 配 信 やスキャナーからの 送 信 FAX サーバーとの 連 携 がありました 機 器 よっては Exchange Online の 認 証 には 対 応 しておらず 送 信 サーバーを 残 す 選 択 を 取 らざるを 得 ませんでした この 課 題 については 各 種 サービスのクラウド 化 を 進 めることを 検 討 しております (8) 海 外 店 関 連 会 社 への 展 開 海 外 店 への 展 開 については 現 地 IT 環 境 と 語 が 障 壁 となりました 現 地 の IT については 本 で 統 制 をとっておらず 現 地 の 担 当 に 任 せておりました そのため Exchange Online の 仕 様 を 満 た す 環 境 が 整 備 されていることが 保 証 されていませんでした 導 までのアプローチとしては 弊 社 ス タッフが 現 地 IT 担 当 にコンタクトを 取 ることから 始 めました しかし メールのやり 取 りだけでは 得 られる 情 報 が りず 現 地 での IT 調 査 導 をサポートすることとなりました 実 際 には USA(5 拠 点 ) インドネシア タイ シンガポール ロシアの 5 か 国 を 訪 問 させて 頂 き 導 を 実 施 しまし た また ナショナルスタッフ 向 けに 英 語 版 の 説 明 資 料 を 作 成 し 英 語 でメールシステムが 更 改 とな ることをご 説 明 しました 使 い 慣 れたメールソフトを 変 更 することに 抵 抗 を 感 じるユーザーもおりま したが 兼 松 グループ 全 体 での 利 益 と データの 安 全 性 をご 説 明 し ご 理 解 頂 くことができました 9
国 内 関 連 会 社 への 展 開 国 内 については きな 課 題 がありました 仕 様 に 関 する PC の 問 題 と 兼 松 本 社 と 同 様 で Office のバージョンアップについてです さらに 関 連 会 社 には IT 担 当 への Exchange Online への 移 の 説 明 仕 様 変 更 に 伴 う Office ライセンスの 調 達 実 際 の 作 業 サポート 提 案 等 細 かくサポートさせて 頂 きました 関 連 会 社 への 展 開 を 実 施 しているさながら 兼 松 本 社 ではすでに 運 フェーズに 移 し ておりましたので 導 後 に 判 明 した 課 題 に 対 応 しつつの 対 応 となりました かくあって 予 定 していた 2013 年 3 末 をもって Lotus Domino サーバーを 完 全 停 すること ができました 今 後 の 展 望 現 在 利 している Office365 のサービスは Exchange Online プラン 1 です こちらは 電 メー ル 部 分 のみを 利 できる 形 態 となりますが 今 後 は Microsoft Lync や SharePoint Online Yammer 等 Office365 のサービスを 活 し さらなるビジネスの 発 展 につなげることが 課 題 となって おります まとめ 兼 松 での 事 例 は 弊 社 にとって 初 めての 導 となりましたので 試 錯 誤 の 連 続 となりましたが Microsoft 社 の 協 もあり 予 定 していたスケジュール 通 りに 移 を 終 えることができました 10 年 来 に 渡 って 運 保 守 をしてきた Lotus Domino を め 新 しい 技 術 への 移 については 若 の 抵 抗 はあったものの 新 しい 技 術 の 習 得 や お 客 様 に 快 適 なサービスをご 提 供 できることに 喜 びを 感 じ ております 本 導 での 経 験 や 知 識 の 習 得 は 連 のノウハウとなりました 今 後 も このノウハウを 活 し お 客 様 の 品 質 のサービスを 提 供 するよう 努 めて 参 ります 解 説 :IT サーヒ スマネシ メント 第 部 五 嵐 優 也 10