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Transcription:

記 録 文 書 番 号 SCJ 第 20 期 -200719-20541 000-005 委 員 会 等 名 日 本 学 術 会 議 化 学 委 員 会 アジア 化 学 イニシャティブ 分 科 会 標 題 アジア 化 学 イニシャティブに 関 する 将 来 構 想 作 成 日 平 成 20 年 (2008 年 ) 7 月 19 日 本 資 料 は 日 本 学 術 会 議 会 則 第 二 条 に 定 める 意 思 の 表 出 ではない 掲 載 されたデータ 等 には 確 認 を 要 するものが 含 まれる 可 能 性 がある

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1. 作 成 の 背 景 21 世 紀 に 入 り 我 々 人 類 の 活 動 は 高 度 に 発 展 した 科 学 技 術 に 支 えられ 地 球 全 体 におよぶグ ローバルなものとなっている そのため 人 類 が 直 面 する 課 題 の 多 くは もはや 一 つ 一 つの 国 の 規 模 で 解 決 できるものではなく 広 い 地 域 の 国 々が 協 力 して 取 り 組 むべきものとなっている そして このグローバル 化 の 流 れは 欧 州 北 米 アジアという 経 済 的 地 域 的 なブロック 化 を 伴 い それぞれのブロックにおける 課 題 解 決 への 努 力 が より 重 要 となっている 自 然 科 学 の 一 分 野 である 化 学 の 発 展 は 合 成 化 学 を 中 心 とした 広 範 な 応 用 分 野 の 開 拓 を 誘 起 し その 技 術 開 発 は 食 料 衣 類 医 薬 など 日 常 必 須 の 物 資 にとどまらず ハイテク 機 器 の 隅 々 や 環 境 計 測 に 至 るまで 我 々の 身 の 回 りの 生 活 水 準 を 格 段 に 豊 富 化 していることは 周 知 である 我 々の 実 生 活 に 最 も 密 接 に 発 展 してきたこの 化 学 という 分 野 において 我 が 国 がアジア 地 域 にお いて 国 際 的 なリーダーシップを 発 揮 することは アジア 地 域 における 学 術 活 動 そして 経 済 活 動 を 発 展 させるばかりでなく 地 球 規 模 での 人 類 の 発 展 につながるものである 我 が 国 は 急 速 な 経 済 的 発 展 の 後 アジア 諸 国 の 中 にあって いち 早 く 先 進 国 の 一 つとして 欧 米 諸 国 の 仲 間 入 りを 果 たしたが この3 極 化 の 中 で アジアにおける 日 本 のリーダーシップが 今 ほ ど 期 待 されたことはかつて 無 かった 特 に 化 学 という 学 術 分 野 においては 日 本 の 研 究 者 およ び 技 術 者 が アジア 地 域 において 多 岐 にわたって すでにさまざまな 努 力 を 積 み 重 ねてきた そこで 我 々 第 20 期 日 本 学 術 会 議 アジア 化 学 イニシャティブ 分 科 会 は アジア 地 域 全 体 が 共 に 発 展 し 繁 栄 するために 化 学 における 人 材 育 成 と 学 術 交 流 を 通 じて 貢 献 するこ とを 目 指 し 我 が 国 がアジアにおいて 如 何 にイニシャティブをとるべきかをここに 提 案 する なお 本 記 録 は 化 学 という 学 術 分 野 を 基 盤 としたものであるが 取 り 上 げた 内 容 の 多 くは 日 本 における 学 術 分 野 の 全 般 に 共 通 する 課 題 である 2.アジア 諸 国 の 若 手 人 材 の 受 け 入 れと 育 成 アジアは 言 語 も 文 化 も 大 きく 異 なる 国 々の 集 まりであるが 20 世 紀 の 日 本 の 経 済 発 展 は 多 くのアジアの 国 々の 人 々に 日 本 に 学 ぶべきであるという 意 識 を 持 たせることになった 今 でも 日 本 の 科 学 技 術 を 学 び 導 入 し 自 国 の 発 展 に 役 立 てたい 思 う 人 々は 多 い したがって 本 来 日 本 の 役 割 は そのような 意 識 を 持 つ 学 生 や 若 手 研 究 者 を 招 き 十 分 な 教 育 環 境 の 下 共 にアジ アを 担 って 行 くという 意 識 を 持 つ 教 育 者 研 究 者 技 術 者 として 育 てることにあるはずである ところが アジア 諸 国 の 優 秀 な 若 手 人 材 は 日 本 ではなく 欧 米 諸 国 を 留 学 先 に 選 ぶ 傾 向 がある 将 来 彼 らが 研 究 者 として 大 学 などの 高 等 学 術 機 関 において 常 勤 の 研 究 者 や 企 業 において 中 核 となる 技 術 者 として 育 っていくことを 考 えると このことは 憂 慮 すべき 問 題 であり アジア 諸 国 の 若 手 人 材 にとって より 魅 力 的 な 受 け 入 れ 環 境 を 整 備 するべきである この 問 題 の 背 景 には 主 に2つの 深 刻 な 原 因 がある 一 つは 言 語 の 問 題 であり もう 一 つは 受 け 入 れ 制 度 の 問 題 であ る 授 業 と 講 義 の 英 語 化 日 本 の 高 等 教 育 は 大 学 大 学 院 ともに 日 本 語 で 行 われている しかし アジア 諸 国 から 来 る 留 学 生 は 多 くの 場 合 日 本 語 を 話 すことが 困 難 である もし 英 語 で 授 業 や 講 義 が 行 われてい るのであれば 留 学 生 の 多 くは 言 語 的 バリヤーを 感 じずに 日 本 に 来 て 科 学 技 術 を 習 得 すること ができるはずである 実 際 英 語 は フィリピン シンガポール マレーシア インド など 多 くの 国 々で 公 用 語 として 使 われており 韓 国 や 中 国 では 徹 底 的 な 英 語 教 育 が 行 われはじめている 1

嘆 かわしいことに 英 語 が 十 分 に 使 えない 学 生 や 研 究 者 が 居 る 国 は アジアでは 日 本 だけ とい うことになりかねない 状 況 にある もはや 日 本 人 の 学 生 は 日 本 語 の 方 がわかりやすいので 日 本 語 で 授 業 や 講 義 をするというロジッ クではなく すべての 大 学 大 学 院 において 英 語 で 行 われる 講 義 を できるだけ 多 く 用 意 する ように 努 力 すべき 時 期 に 来 ている これらは 化 学 に 限 らず 理 系 高 等 教 育 における 共 通 の 課 題 である 事 務 体 制 の 国 際 化 さらに 大 学 については 事 務 職 員 や 事 務 体 制 についても 英 語 と 日 本 語 のバイリンガル 化 を 達 成 すべきであり 教 務 上 事 務 上 の 連 絡 を 英 語 日 本 語 併 記 で 行 うことが 必 要 である 経 済 的 かつインフラ 的 問 題 優 秀 な 留 学 生 が 日 本 に 来 ることが 魅 力 的 であると 思 えるように 授 業 料 免 除 大 学 院 生 への 給 与 支 給 奨 学 金 の 全 員 への 給 付 などの 経 済 支 援 体 制 を 充 実 する 施 策 が 必 要 である さらに 外 国 人 学 生 を 受 入 れる 宿 泊 施 設 の 整 備 をするべきである 受 け 入 れ 体 制 大 学 等 アカデミア および 企 業 等 において アジア 諸 国 の 若 手 人 材 にとって より 魅 力 的 で 充 実 した 受 け 入 れ 体 制 を 整 備 する 必 要 がある 3.アジアで 活 躍 する 若 手 人 材 の 育 成 と 交 流 国 際 的 に 活 躍 することのできる 日 本 の 若 手 人 材 の 育 成 が 必 要 である 現 時 点 では 少 子 化 の 影 響 があり 大 学 院 博 士 課 程 に 進 学 する 割 合 が 減 少 しつづけている 化 学 においても 専 門 家 たりう る 十 分 な 知 識 を 得 て 十 分 な 経 験 を 積 むためには 大 学 院 博 士 課 程 への 進 学 が 必 要 であるので このような 状 況 を 改 善 しなければ アジア 地 域 で 活 躍 することのできる 人 材 の 供 給 がおぼつかな い 日 本 人 大 学 院 生 への 経 済 支 援 進 学 率 の 低 下 の 一 因 は 現 在 の 大 学 院 制 度 では 経 済 的 支 援 が 望 めないことが 考 えられるので 大 学 院 の 奨 学 金 制 度 や 大 学 院 教 育 システムを 改 革 して 自 己 負 担 がない 状 態 で 大 学 院 の 生 活 がで きるようにすることが 必 要 である 英 語 能 力 の 向 上 さらに 日 本 人 学 生 大 学 院 生 が アジア 諸 国 に 出 かけていって 教 育 を 受 けたり 研 究 交 流 を 行 なったりするときに 十 分 にコミュニケーションができるだけの 英 語 の 能 力 を 付 けさせることが 必 要 である 理 系 の 大 学 および 大 学 院 において 英 語 教 育 を 導 入 するとともに 授 業 と 講 義 の 英 語 化 を 推 進 するべきである 交 流 プログラムによる 意 識 の 向 上 昨 今 は 積 極 性 に 欠 け 指 示 を 待 つタイプの 若 者 が 増 えていると 言 われているが アジア 諸 国 に 派 遣 し 教 育 を 受 けたり 共 同 研 究 をしたりするプログラムを 大 学 院 に 導 入 することによって 将 来 のリーダーとしての 意 識 を 若 手 研 究 者 に 与 え 大 学 院 での 積 極 的 な 姿 勢 を 身 につけさせる また アジア 各 国 が 協 力 し Asian Science Foundation などのサポートシステムを 作 るなどの 工 夫 が 必 要 である 2

4. 産 官 学 の 連 携 によるアジア 地 域 の 人 材 育 成 と 交 流 日 本 の 経 済 を 支 えている 規 模 の 大 きい 企 業 の 多 くは アジア 諸 国 に 事 務 所 や 工 場 研 究 所 など 現 地 法 人 を 持 っている そのような 企 業 は 自 らの 会 社 の 活 力 を 維 持 し 発 展 させるためにも 現 地 の 若 手 人 材 に 与 える 奨 学 金 などの 経 済 支 援 の 枠 を 増 加 させ 日 本 の 大 学 にて 学 び そして 卒 業 後 現 地 に 帰 る 優 秀 な 人 材 をより 多 く 育 成 するように 長 期 的 な 視 点 に 立 った 努 力 をすべきであ る その 際 日 本 の 大 学 や 研 究 所 等 と 十 分 な 連 携 をとり 日 常 生 活 に 支 障 が 無 く 勉 学 に 専 念 でき るだけの 経 済 的 支 援 および 宿 舎 用 意 などを 行 う また 日 本 人 大 学 院 生 が そのようなアジア 地 区 にある 工 場 や 研 究 所 にて インターンシップを 行 うなどの 制 度 を 導 入 することによって 現 地 のことをよく 理 解 できる 日 本 人 若 手 人 材 の 育 成 を 促 進 すべきである そのためには 企 業 や 大 学 側 から 渡 航 費 や 奨 学 金 を 用 意 するなどの 経 済 的 支 援 が 必 要 である 5.アジアを 拠 点 とする 学 術 組 織 におけるリーダーシップ 学 術 のコミュニティーにおいて その 活 動 を 充 実 したものとするためには 研 究 者 が 互 いに 意 見 を 述 べ 合 い 研 究 者 どうしの 交 流 を 促 進 する 努 力 をすることが 必 要 である その 場 こそが 学 会 あ るいは 学 術 組 織 である 特 に 国 際 的 な 組 織 においては 各 国 の 研 究 者 が 自 国 の 都 合 ばかりを 主 張 せず 協 調 して その 分 野 を 盛 り 上 げることが 大 切 である そして そのような 国 際 的 な 学 術 組 織 で 活 躍 する 委 員 や 役 員 を 出 している 国 は まさに 国 際 的 なリーダーシップを 発 揮 することに なる 我 が 国 は その 科 学 技 術 のレベルの 高 さと 経 済 力 を 考 えるとき アジアにおける 学 術 団 体 におい ては 当 然 のことながら イニシャティブを 取 ることが 期 待 されている ところが アジア 化 学 連 合 の 例 にあるように 化 学 分 野 において 必 ずしも 十 分 な 貢 献 をしていない 場 合 がある 我 が 国 の 化 学 の 領 域 の 研 究 者 は そのような 国 際 的 な 組 織 においては より 積 極 的 に 委 員 幹 事 役 員 などの 役 職 につき 国 際 的 な 視 野 のもと アジア 諸 国 と 連 携 し 人 材 育 成 と 研 究 交 流 を 促 進 させるように 努 め より 強 いリーダーシップを 発 揮 すべきである そのためには 個 々の 研 究 者 が その 必 要 性 を 共 通 の 問 題 意 識 として 持 つ 必 要 がある 6.アジア 教 育 研 究 拠 点 群 構 想 上 記 の 施 策 をより 積 極 的 に 推 進 するための 方 策 として アジア 各 国 に 化 学 分 野 の 教 育 研 究 拠 点 機 関 を 産 官 学 の 協 力 の 下 に 設 置 する 各 拠 点 へは 提 携 する 日 本 の 教 育 研 究 機 関 の 教 育 者 研 究 者 が 指 導 者 として 派 遣 され 日 本 においてすでに 教 育 を 受 けた 現 地 の 研 究 者 や 教 育 者 に さら に 高 度 な 教 育 や 研 究 環 境 を 提 供 する もちろん すべてのコミュニケーションは 英 語 によって 行 われる また 現 地 の 優 秀 な 研 究 者 教 育 者 にも 常 勤 のポストを 提 供 するなどの 工 夫 を 通 じて 学 生 レベル 研 究 者 レベルでの 相 互 交 流 が 促 進 され お 互 いの 理 解 が 深 まり 日 本 が 化 学 分 野 に おけるイニシャティブを 発 揮 することになる さらに このような 拠 点 を 通 じて 優 秀 なアジア の 若 手 人 材 の 確 保 がより 容 易 になると 期 待 される ひとたびこのような 方 式 が 確 立 できれば このような 拠 点 は 日 本 と 現 地 国 だけでなく 他 のア ジア 各 国 とも 協 力 しながら 運 営 することが 可 能 であり アジアの 化 学 コミュニティーの 活 力 を 全 体 として 向 上 させるものと 期 待 される 以 上 3